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説明員(小林誠一君) それでは、ただいまから台風二十一号及び二十二号による被害の概況を御
説明申し上げます。
お手元に十月一日現在の資料がございますが、それに基きまして御
説明申し上げます。六ページと七ページの図を見ていただきたいのでありますが、台風二十一号は九月十八日朝伊豆半島の南端をかすめまして、横浜、
東京を経まして千葉県北部を
通り、午前十時に鹿島灘に抜けたのであります。その後海上を北上いたしまして、北海道東海岸沖を経まして十八日夜半にはオホーツク海に去ったわけであります。
また、台風二十二号は、その規模におきまして、その次の七ページの所にございますが、当初A型の台風であったのでございますが、陸地に接近するに及びましてその勢力が弱まりまして、九月二十六日二十一時ごろ伊豆半島南端をかすめ、夜半ごろ江の島付近に上陸し、
東京、茨城、福島を経て二十七日午前六時には金華山沖に抜けまして、海上で熱帯性低気圧となって北上したのであります。この両台風のコースは、ほぼ同一でございますが、その範囲は東海以東の東日本にわたりまして、雨量は台風二十二号が特に多くて、埼玉、
東京等では四百ミリ以上の降雨を見たのであります。そこに降雨の程度別の図が書いてございますので参照にしていただきたいと思います。また、風速は二十一号台風の方が二十二号台風より強くて、静岡、神奈川、千葉、茨城の各県下の海岸線では三十メートル内外、その他の進路沿いの所では十五メートル—二十メートルを記録したのであります。台風二十二号の風速はこれよりやや弱かったのであります。
次に、農林水産
施設等被害の
状況を御
説明いたします。八ページ以下に詳細府県別のものがございますが、この農林水産
施設等の被害
状況でございますが、被害を受けた各都府県からの
報告によりますと、二十一号台風につきましては
農地関係、林野
関係及び水産
関係を合せますと、
施設被害が約五十九億円となっております。また、二十二号台風でございますが、これは各県ともなお
調査続行中でありまして、詳細は不明でございますが、現在までのところ
報告されておりますのは、
農地、林野、水産
関係を合せまして約百一億円の被害が
報告されておりますが、なお、被害額は、詳細が判明しますれば、さらに増加する見込みでございます。
その被害の
内訳を御
説明いたしますと、台風二十一号の被害でございますが、これは
農地及び農業用
施設につきましては、別表一に府県別の
内訳が出ておりますけれ
ども、被害地域は、青森県ほか二十二都県に及びまして、被害総額は直轄代行の三千万円を含めまして約二十七億八千万円となっております。このうち青森、福島、長野の各県の被害は、五億円ないし六億円に達しております。次いで福島、岩手の両県は二億円から三億円の被害となっているのでございます。
次に、治山、林道の
関係でございますが、これは別表二にございます
ように、被害地域は、やはり青森ほか二十都県でございますが、治山
関係、
林道関係を合せて被害総額は二十五億一千万円となっております。このうち長野、福島、群馬の各県の被害はそれぞれ四億円以上となっており、岩手、埼玉、新潟、山梨、静岡の各県は一億円以上の被害が
報告されております。
次に、三ページをごらんいただきたいと思います。二十一号の水産
関係の被害は、別表第三に掲げる
通りでございますが、岩手ほか十七県から被害
報告がありまして、その総額は六億一千万円となっております。宮城、千葉の両県が一億円以上の被害となっております。静岡、岩手、三重等の各県の被害がこれに次いでおるわけであります。
次に、台風二十二号による被害でございます。まず、
農地及び農業用
施設関係でございますが、これは別表四に掲げてございますが、青森ほか二十二都府県にわたり被害が発生しておりまして、その総額は現在のととろ、事業約七百万円でございますが、それを含めまして五十三億二千万円に達しております。特に伊豆地方を
中心とします静岡の被害は最も大きくて、実に三十三億六千万円が
報告されております。このほかに青森、福島、埼玉、神奈川等の各県が二億円から四億円程度の被害となっているわけでございます。
その次に、治山及び
林道関係でございますが、これは別表五に掲げるところでございます。現在までの
報告によりますると、北海道ほか十六都県の地域において、総額二十三億八千万円の被害となっております。やはり静岡県の被害が七億一千万円で、最も大きい被害をこうむっているわけであります。このほかに一億円以上の被害
報告のあったのは、北海道、岩手、宮城、福島、群馬、埼玉、
東京、神奈川の各都道県でございます。
次に、林産
施設及び林産物
関係の被害でございます。これは別表六に掲げてございますが、青森ほか十三都道府県の被害
報告がございまして、その総額は四億六千万円、静岡県の二億三千万円が最も大きく、次いで岩手県が一億八千万となっております。
次に、国有林
関係の被害でございます。これは別表七に掲げるところでございますが、国有林事業
関係の被害は、現在のところ約七億七千万でありますが、このうち林道の三億三千万円、風倒の二億一千万円、治山
関係の一億二千万円がおもなものとなっているわけでございます。
それから、水産
関係でございます。これは別表八に掲げてございまして、岩手ほか十都道県から被害
報告がありまして、その総額は十二億円に達しております。このうち宮城、岩手の各県がそれぞれ五億円、三億円の被害となっておりまして、静岡の一億円余がこれに次いでおるわけであります。なお、養殖
関係、漁港及び漁具の被害が大きいといわれております。
次に、農作物
関係の被害
状況でございますが、現在、農作物
関係の被害
状況につきましては統計
調査部において
調査を進めておりますが、水陸稲の倒伏、浸冠水、流失埋没等を初め、その他の作物の倒伏、落果等の被害がかなり出ております。被害面積は、東海以東の東日本にわたっておりまして、倒伏の程度は二十一号台風が多くなっております。二十二号台風は少かった模様であります。これは、被害地帯がおおむね同一であったことと、風が、二十一号に比べて二十二号の方が弱かったことに基因するものと考えられます。しかし、二十二号の場合は、局地的に非常に豪雨をもたらしましたために、河川がはんらんし、そのために浸冠水、流失埋没が多く発生いたしまして、穂発芽等の被害が少くないのであります。
なお、五ページの所でありますけれ
ども、十月一日までに取りまとめました水陸稲の損傷面積は次の
通りでありますが、今後
調査の進むにつれて変化すると考えられます。特に二十二号につきましては、その面積はさらに増加することが見込まれております。ここにございます
ように、台風二十一号では倒伏が十三万八千町歩、浸冠水及び流失埋没が五万一千九百三十町歩、風害が三万五千町歩、総計で二十二万四千九百三十町歩ということになっております。台風二十二号では倒伏が十万四千八百十町歩、浸冠水及び流失埋没が八万二千二百三十一町歩、風害が一千四百七十町歩、穂発芽が二千九百六十町歩、計十九万一千四百七十一町歩になっておりますが、この被害の詳細につきましては目下統計
調査事務所の方で
調査中でございますので、なるべく早急にその被害を確定いたしましてそれぞれの
対策を講じたい、か
ように考えております。以下ずっと各府県別の表がございますので、後ほどごらんになっていただきたいと思います。
以上で、台風二十一号及び二十二号による被害概況を簡単でございますが御
説明を終ります。