○
矢嶋三義君
法律案は、
内閣総理大臣が
内閣を代表して
国会に提出するわけですが、
閣議決定する場合も、それぞれ
責任国務大臣があるわけですね。従って私は当
内閣委員会は、
法律案の
提案だけは、
所管の
国務大臣から承わるということは慣例になっているわけです。従ってその慣例からいうと、
官房長官並びに
総理府総務長官が
説明することは筋が通らぬと思います。筋からいいますと、
権限と
責任の
所在から申しますと、
閣議に
法律案を出す
権限もない人が、この
国会で、立法府に対して
審議を仰ぐ
提案をする場合に、その
官房長官、
総理府長官がやるということは、私は相当重大な誤まりを犯している、かように私は考えるわけです。ということは、それでまあ私ちょっと
意見を言うて承わるわけですが、御承知のごとく
総理大臣以下
国務大臣合計十七人で構成することになっているわけですね。そして
法律では、
総務長官も
官房長官も
国務大臣をもって任ずることができることになっているわけです。だから岸
総理大臣の考え
一つで
官房長官、
総理府総務長官は
国務大臣に任命できるわけです。そうしますと、
閣議においても
案件の提出権がありますし、堂々と
国会で
提案理由を述べられると思います。ところが、十七人のワクがあるものですから、まあ池田さんみたいな人を副総理に任命しておけばちゃんとできるわけですよ。ところが、党内のいろいろな事情があるのか、池田
国務大臣みたいな無任所
大臣というのですか、何も分担を持たないああいう遊休
国務大臣というものを、ああいうものを作っている。この前
大蔵大臣が外遊される場合も、あのエキスパートの池田さんは臨時代理にならないで、
三木国務大臣がなられた。何のために池田
国務大臣がおられるのかわからぬ。そういう
国務大臣のポストを持っているから、あなたが
国務大臣になれぬわけです。なれぬから
閣議に出せないわけです。それで、その人が立法府に
提案説明をするというのは、これは、私は相当重大な問題だと思うのですよ。だからそういう点を避けようと思えば、
総理大臣がみずから忙しくてやれないとなれば、かつて吉田
内閣当時に緒方さんが副総理で一切切り回していったように、ああいう何も仕事を持っていない池田
国務大臣を副総理に任命していただけばいいのですよ。そうすれば堂々とやれるわけです。党内事情かなんか知りませんが、そういうことをやっていないで、
閣議にさえ
法律を
提案する
権限のない人が立法府にあの
提案をするということは、これは行
政府と立法府の
関係で、私はかなり大事だと思うのです。これは当
内閣委員会が前
藤田委員長のときもそうでしたが、
提案説明だけは、当該
責任国務大臣から
説明を必ず受ける。あとはまあいつもおいでできないだろうから、
政府委員からいろいろと承わろうと、こういう慣例できた点から言いますと、その問題点がある。これを
官房長官、特に
総理大臣はどういうふうに考えておるか。その
見解をただし、何らか納得できるような釈明があれば、筋さえわかれば、私は次の判断を下すわけですがね。少くとも
官房長官がどういう
見解を持っているかということと、何らかその琴線に触れる
説明がないと、筋も何も立たんで、
権限と
責任の
所在の不明確のままでは工合が悪いというので、
官房長官の出席を要請しているわけです。この点はむしろ
総理府総務長官よりも
官房長官が
答弁に当るのが至当だと思うのですけれ
ども、ちょうど
独禁法と関連して
八木君から出たから、私伺っているのですが、
矢嶋の所論が暴論と聞えるか、ごもっともだと聞えるか。その点だけ
一つ総理府総務長官から承わっておきたい。