○森中守義君 どうも大臣は、私が何かしかっているようにお受け取りのようですが、少し荒っぽく言葉づかいをしますから、そういう工合にとれると思うのです。その点ぜひ
一つ、しかっているとか、しかられているというようなことは、自今慎んでいただきたいと思います。私は謙虚に、まじめに
仕事をやっておるつもりですから。
それで、もう
一つお尋ねをしておきますが、
計画そのものは、何人がこういう事態に立って
計画を作っても、おそらくはもっといいものができるとは、それは思えません。第一、それは金です。補正
予算にも組んで、金に糸目をつけずやるということになれば、これはまた何をかいわんやですが、それも
郵政省のふところ工合によっての
計画であるから、それもわかる。しかし私はこの
計画はあくまでも三六が協定されないという前提に立っての、いわゆる
郵政省としておとりになる最善最上の
計画であるということを
局長からも、大臣も言われたから、おそらく将来どういう事態が起るか。それはそのときになって話をしてもけっこう間に合うことであろう、こう思います。だから現在の時点では、三六協定が結ばれないという認識と判断のもとにおける
計画であるだけに、その
計画を実行した結果、たとえば郵便物が遅延をした。勢い引き受けの制限をしなければならぬというような、そういう郵便物の流れ状態、あるいは作業状態が累積をした結果生ずるとするならば、これは一体
郵政大臣はどうなさるのか。こういうことをまず申し上げておることであるし、これに対して大臣がどうも先々怠業行為をするのしないのということをしばしばここに引き合いに出されるから、何かしらこの
計画の背後には、その
計画の根底をなすものは、純粋な
計画、率直な
計画でなくして、他意のある、意図するものがある。その意図するもの、あるいは他意するものというのは二百五十万の人間を雇うということ、十五億の金を使うということ、郵便予備隊を作るのだ、あるいは町内会の協力を求めるのだ。比較的というよりも、国の行政機関としてはなかなかPRこの上もない。しかも
国民にすぐさま関心を呼ぶような幾つかの道具立てをしておいでになるので、これはへたするとまじめに
仕事を消化しようという半面、どうも
事業運行に何ら
責任のない相手の労働組合に
責任を転嫁して、このときとばかり弾圧を加えるのではなかろうか。しかもそれが今日の岸内閣の取り行なってきたもろもろの政策と潮流、趨勢からいくならば、あながち結びつけられないことはないじゃないか。こう私は言っておる。しかもそのことを裏づけする
意味としては、この十五億の金、昨年、さらに本年の対比の状態からいけば、何もこれは十五億というものは不当に著しく権衡を逸する金ではありません。しかも二百五十万の配置にしても、季節の増強、郵便物の拡大、こういうものを克明に専門家が積算をしていくならば、二百五十万ということは、これまた私は、そうそう社会に向かって二百五十万を使う、十五億を使うという宣伝をする必要はなかろう、こう思うのです。それであるのに、むちゃくちゃにそんなことばっかりおっしゃっておるのであるから、どうも他意がある、こういう工合に言わざるを得ないのであります。それと同時に、私は
郵政大臣がほんとうにこの年末、先刻来のお話を伺っておれば、まじめにお
考えになるとするならば、残念ながらこの
計画に現われたのは、
郵政大臣が特別に配慮をめぐらして事務当局にこれをやりなさい、あれをやりなさいというような、そういう配慮のほどが見えないというのです。ただむやみにあなたは事務当局にこういうものを作ってみろ。
一つのワク内において
仕事をさしておいでになるじゃありませんか。あなたにだれがそういう入れ知恵をしたのかしりませんよ。そういう事実があったかどうかもしらぬけれども、何とはなしに大臣らしい
仕事をおやりになっていない、こういう工合に思うのです。今までの大臣の、ある人が、こういう重大な事態に立って、私は職を賭してでも閣議の中で、事態の円満な解決をはかるためにやってみよう、そういうことで辞表をふところにした大臣もありました。しかも与党がそれを承知しないというときに、みずから乗り込んでいって、与党を説得された例も知っております。ところがそういうような中身がこの
計画の中に出ると、ただむやみに、今の
寺尾郵政大臣は全逓々々とおっしゃるけれども、これにどうしよう、どういう措置をする、こういうところがないじゃありませんか。何も私は全逓と早く
団体交渉を開こうとか、三六協定を結んだ方がいい、そういうことを言っているんじゃありませんよ。ほんとうに
郵政大臣がこの年末が大事だとおっしゃるならば、倉石労働大臣や、その他の関係の閣僚や、総理が、これ以上はいかぬ、
団体交渉は開いてならぬと、こうおっしゃっても、この事態を突き抜けるために、解決するために暫時
一つここは
郵政大臣にまかしてくれ、こういう手の打ちようもあるじゃありませんか。あるいは与党の特別対策
委員会がどうしても言うことをきかぬというならば、みずから出かけていって説得するというような方法も私はあろうかと思うのです。ところがそういうことをおやりになったような形跡がごうも見えないで、事務当局のお作りになった案をそのまま出している。それで相手が態度を変えてくる、反省するならば応じようということは、これは役人さんの言うことです。事務次官の小野さんが言うことです。佐方人
事部長や中田管理課長が言うことです。役人さんがそれを言うのはよろしい。そういう法律の技術を、役人さん方がそういうことを言う場合には、大臣がやはりそれを押えなくてはなりません。そういうことで、どうも私は与党の内部に対しても、閣議の中でも、この年末に対してどうやっていくかということがどうも大臣としては手の打ちようが足りぬじゃなかろうか、こう思う。何かしら私が、以前の
郵政大臣と比べて、
寺尾郵政大臣が遜色があるようにお受け取りになれば、これも私は訂正してもよろしいけれども、そういう実例がありました。要するにこういう事態に立ち至って、もっと大局的な視野から、どうしても小野次官が言うことをきかぬとおっしゃれば、これは
一つやめてもらおうじゃないですか。中田管理課長が全逓に少し気分を悪くして、言うことをきかぬというならば、これも
一つかえる。ほんとうにあなたが一度やってみたらどうですか。これがほんとうに年末を御心配になるというならば、閣議の中、ないしは与党の内部において、局面の打開をするような手の打ち方が望ましい、それによって道が開けるのでしょう。そういうことをおやりになっていないから、私はどうもこれは二百五十万、十五億を不必要に宣伝して、一切の
責任を全逓に転嫁するという政治的な陰謀、労働組合の弾圧ではないか。それが岸内閣の取り行わんとする政策の一環である。その先兵として、あなたは
郵政大臣になったのではないか、こう言っている。