○大沢雄一君 私は、自由民主党を代表いたしまして、政府原案に賛成するとともに、ただいま御提案になりました修正案に反対の意思を表すものでございます。
今回の政府提案は、
青少年の
不良化防止、
風俗改善に関する強い世論の要望にこたえまして、深夜
喫茶等の
弊害を除かんとするものでありまして、その
趣旨におきましては、何人も異論はないのでございます。政府案の骨子といたしまする要点は三つであると思いまするが、その第一点が、いわゆる深夜
喫茶と称せられる
喫茶店、バーの類の
客席の明るさ、照度十ルクス以下と、
客席の広さ五平方メートル以下の基準でとらえて、これらに該当するものを新たに
風俗営業に加えまして、
都道府県公安
委員会の
許可営業といたしまして、その
取締りに服させ、十八才未満の
少年を客とすることができない、また、深夜すなわち午後の十一時以降日出時までの
営業を行わしめないということがその第一点であると思います。
第二点は、
客席の照度または広さにおきまして、第一点に該当せざる
客席を設けて客に
飲食をさせる
飲食会業者の深夜
営業に対しまして、善良な
風俗を害する
行為を防止するために、
都道府県の
条例をもって警察の立入に服せしめんとするものでございまして、この
改正によりまして、第一の規制をのがれて深夜に
風俗を乱すことのなからしめんことを期するものであると存ずるのでございます。
第三点は、罰則の整備強化でございまして、以上の三点は、いずれも必要な
改正であると認めるものでありまして、この点におきまして、政府の原案に賛成するものでございます。
しかしながら、さらにこの法の
改正の
趣旨を徹底させるためには、運用の面におきまして、この問題となっておりまする
喫茶店、
バー等につきまして、
少年、すなわち十八才未満の者、これは入れないはずでありまするが、この
取締りを自信を持って警察においてやっていただかなければ、その目的は達成せられないのでございまして、この点について、私
どもは、
当局に立入の励行をきびしくすることを望みたいと希望するものでございます。
さらにまた、この
風俗営業に新しく加えました
喫茶店、
バー等においてはもとよりでございまするが、現在のこの
風俗営業におきましても、その明るさの最低限は、これは
都道府県の
条例の
規定にゆだねられておりまして、おおむね三ルクスという最低限が定められておるのでありまするが、もっとこれを明るくするということが
風俗改善の
趣旨からいいのではないかという、強いこれは一般の世論の要望があるように私
どもは考えるのでございまして、この点について、いずれ
条例の制定その他の指導等をなさると思うのでございますが、この点について、警察
当局に十分
一つ指導と研究とをこの際強くお願いしておきたいと思うのであります。
それから、ただいま提案されました修正案でございまするが、第一点の照度によりまする新しく
風俗営業に取り入れまする第五号を削りまして、当面構造、
設備の点におきましてのこの条項によって
風俗営業の
対象に新しく入れるものを規制いたしまして、そうしてその明るさを十ルクス以上としようということでございまするが、そうすることによりましてこの第五号が削られまするので、現在最も
弊害をかもしておりまする
喫茶店、
バー等が、これが現在のまま当分の間放置されるということになることを私
どもはおそれるのでございまして、この点については、私
ども遺憾ながら賛成ができないのであります。
次に、この修正の主要の第二点でございまするが、第六条の警察官の立入の問題に関しましての修正の御
趣旨は、立入につきまして、本法及び
条例を施行するに必要なる
限度でこの立入権を認めていく、そしてその行使を、正当な業務を妨害してはならないという、何といいまするか、業務の執行についての規制を明文をもって設けられたい、こういう御
趣旨のように解するのでございまして、そういう
趣旨におきましては、私
ども、これにもとより反対ではないのでございます。これは当然のことでございまして、
現行法におきましても、
法律及び
条例の施行に必要なるとき立入ができるということでありまするから、この法文の
趣旨というものは、全くここに今修正しようというのと同じこれは
意味を持っており、従来もそのように運用されて参っておりまして、別に、そのために職権乱用等の問題も起っておることがないように私
どもは考えるのでございます。いわんやこの条文は、これは、
風俗営業の
許可を受けたるものがその行政の
関係の中におきまして当然受ける規制の
関係でありまして、憲法にいわゆる自由権の制限等とは、全くこれは問題が別でございまするので、私
どもは、
現行法のままの表現の仕方で何ら差しつかえない、かように考えるのでございまして、この点におきましても、遺憾ながら修正に反対せざるを得ないわけでございます。
以上、要旨を申し上げまして、政府の原案に賛成し、修正案に反対するものでございます。何とぞ御同意をお願いいたしたいと存ずる次第でございます。