○阿部竹松君
大臣がおせわしいようですから、二、三点だけ簡単に
お尋ねいたします。
お尋ねする前に、
大臣と小岩井
局長さんから、御答弁が——大竹さんと椿さんの御
質問のうちにお答えがあったわけですが、その中で、
保安の問題に関して、
保安委員が労使双方から半々ずつ出ておるからいいじゃないかという
お話がございましたが、これは
大臣はおせわしいから、私は全部法文を読んでいるとは思いませんし、それからまた連絡も、全部
局長からお伺いしているとは思いませんから、
大臣は、それでけっこうだとして、それは
局長は、少くとも枝葉末端まで知っておると思うのです。確かに
委員というものは、労使双方から半々に出るけれ
ども、その上の議長は、どういう人物が出るかあるいは法的に、
委員会で決定したことが、どれほど法的に効力あるものかという問題になってくると、この
保安委員会の有名無実のところが、全国で九〇%を占めておるということを僕は断言してもいいと思う。ですから、
保安委員会がございますからということで、ぬけぬけと答弁するということは、ほんとうに知らなくて答弁したのだということなら、ロボットだし、知っておって言ったのだとしたら、あまりにも私
どもを侮辱しておると私はこう思うのです。
従って、もう少し正直に、いいものはいい、役立つものは役立つ、役立た、ないものは役立ちませんという御答弁を願いたいのですが、第一番にそういうことで、御
質問に入るわけですが、
鉱業法、これは明治三十八年にできたのです。私のまだ生まれぬうちにできた
法律ですが、昭和二十五年に
改正になったのですが、
改正になったのは、ほんとうに枝葉末節で、明治三十八年の
鉱業法は、まだ生きておるわけです。衆議院の方でも、表現は違いますけれ
ども、徹底的にメスを入れて検討しなさいという付帯決議がついております。が、この
鉱業法をどうするかということですね、その点について、一例をあげますと、これは山口県ですが、これは日本全国にたくさんあるのですが、たとえば山口に宇部
鉱山というものが、
大臣御
承知のようにあります。これは、山口の大財閥で、山陽無煙灰鉱いうものは、
一つの鉱区に二億トンも
石炭を持っている。片一方には、
中小炭鉱があって、一億五千万ほどで選炭設備をつけたけれ
ども、その鉱区がなくなったために、どうにもならぬ。隣に頼尊という鉱区がある。その頼尊という鉱区は、手をつけておらぬわけですし拡区は頼尊という人が持っておるわけです。片一方は、坑外設備だけ何億円という金を出した設備を持っておる。何とか話し合いがつかぬものかどうかという折衝を、前の
石炭局長村田さんの時代にもお願いしたのですが、現在の
法律では、どうもなりません。こういうことなんで、当然これは
石炭局長が悪いのではなくて、
法律がそうなっているんだから、やむを得ないけれ
ども、とにかく今申しげましたように鉱区二億万トンの鉱区でも、とにかく昔はわしの鉱区じゃということで、登録すれば安くぽんぽんと、明治時代の鉱区なんてできているように思うわけです。
石炭産業の
労働者がストライキをやったら、
石炭が出なかったりして、汽車もとまるから、これは社会秩序の破壊であり、公共福祉のとにかく妨害だということで、
石炭労働者にげんこつを食わすのですよ。そのくらい
石炭産業が大切なものだったら……。たくさん鉱区を持っておる人から、取ってしまえということは言いません、私は共産主義者じゃないから。しかしそちらの方へ融通するような方法を徹底的に
鉱業法の
改正によって、できぬものかどうか。
衆議院の付帯決議とあわせて、
鉱業法の
改正、これはきのうも、ちょっと
局長の
お話では、来年も
一つやるというような
お話にも、ちょっと聞いたような気がしますが、通産
大臣としては、大体日本の鉱区というものは、まことに安価に手に入れた。しかし今度高くなったから、なくなったから取れというのではございません。それを何とか通産
大臣の
権限で、二億トンもあったら、片方では膨大な設備があって、
会社がつぶれ、
労働者が路頭に迷うから、そのうちの一割をそちらへやったらどうか、あるいは今言った
通り、こちらの鉱区をこういうふうにやったらどうだというような方法が、徹底的に論ずることができるようになるものかどうか、
石炭合理化法
改正によって、若干道を開いたけれ
どもこれは完全なものではございません。従って
大臣のお考えを承わりたいと思います。