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国務大臣(高
碕達之助君) 先般当
委員会におきまして、織機買い上げの問題につきまして
豊田委員からの御
質問によりまして、
政府は今期七億円の予算を持っている。これがもし今の
値段で買い上げられなかったときにはどうするかと、こういうふうな御
質問がありました。それに対しましては、私はまあこういうふうな
考え方もあると、どうもそれだけでどうしてもいかぬという場合は、単価を幾らか上げて台数を減らせばいいという私見を申し上げたことは事実でございます。その後その問題につきましていろいろ折衝もいたしましたり、また
考えてみますと、どうしても台数を減らすということは、これは買い上げの趣旨からしてもはなはだよくないではないかと、この
議論は私は非常に有力だと思っておりまして、そういうふうなことから
考えて、今期とにかく七億の予算の範囲において三万五千台を買い取る、ということを
一つやってみようじゃないか、どういうふうに進むかということは
現状を見た上でまた
考えることなんで、今これをそういうふうなことをいえば、集まるものが集まらなくなるじゃないかと、これは私はその
意見が正しいと思いまして、そういうふうなことの
意味におきまして、先般衆議院の
委員会におきましてもいろいろ考慮いたしましたが、こういう結果になっておることは
一つよろしく御了承願いたいということを申し上げておるわけであります。ただいまのところは私はそういうふうな
考えをいたしております。
一方そういうことのためにどうしてもできないと、集まらないといった場合には、今のできるだけ
金融の道を講じていくということも、
一つ考えていかなければならぬかと思っておりますが、それじゃ、またお前そういうことを言ったって、
金融の低
金利もできないじゃないかとしかられるかもしれませんが、
努力だけはして進んでいきたいと、こういう次第でございますから、来年度の方も残っておりますことは三万五千台、来年度においてやはり七億円の予算でやっていきたいということは、こういうことはもうすでに閣議でも決定していることでありますから、来年度の予算を組みまする上におきましても、そういうような点は、本年の成り行き等をよく考慮いたしました上において、来年度の予算編成につきましても考慮いたしたいと思うわけであります。
それから賠償の問題につきましては、これはどうしても私は賠償の対象に繰り入れるべきものだと、こういう
考えで進んでおるのでございますが、何しろ相手方があるものでございますから、はっきり明らかにこれをもってこうやるということを言えば、かえって相手方に乗ぜられるといったようなこともあるしいたすものでありまするので、この点については、現在ある程度話は進歩いたしておりますけれども、相手があるものでありますから、思う
通りに進まないということは、まことに残念だと思いますけれども、逐次、初め言明いたしました
通りに賠償物資の中に繰り入れていきたいと、この
方針で進んでおる次第でございます。その他
延べ取引の問題とか、あるいは円クレジットの中にこの問題を入れるということにつきましては、これは相当
意見がございまして、たとえばトランジスター・ラジオというようなものであればいいが、持っていってすぐ使っちゃったというようなものについて、果して
延べ取引をすることがいいかどうかということについては、相当考慮しなければならぬことでありますし、いわんや、これを円クレジットの中に入れるということは、
政府の責任になるわけでありますから、業者はそれはうまい工合に
政府の責任で行なってしまうからいいでしょうが、
政府はあとでしりぬぐいするということは困るわけでありますから、そういったことは、業者の責任においてこれを実行するということになれば、
政府はある程度の
金融の援助はするかもしれぬが、そういうふうなことは業者の責任においてやるということになれば、
考えていくべき問題ではないかと思っておりますが、なかなか業者も思い切って自分がやるというだけの人もないようでありますから、そこの点は将来よほど考慮して進んでいきたいと存じております。私はどうしても、円クレジットを設定して、
政府の責任においてやるということは、
消費物資を入れるということは、累を
政府に及ぼすということになるわけでありますから、これは慎しみたいと、こう存じているわけであります。