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1958-10-07 第30回国会 参議院 社会労働委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和三十三年十月七日(火曜日) 午前十時四十九分開会
—————————————
委員
の
異動
十月一日
委員坂本昭
君
辞任
につき、そ の
補欠
として
小柳勇
君を
議長
において 指名した。 十月六日
委員藤田藤太郎
君
辞任
につ き、その
補欠
として
千葉信
君を
議長
に おいて指名した。 本日
委員千葉信
君
辞任
につき、その補 欠として
藤田藤太郎
君を
議長
において 指名した。
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
久保
等君
理事
勝俣 稔君 柴田 栄君
山下
義信
君
委員
草葉
隆圓
君
紅露
みつ君 斎藤 昇君 高野 一夫君
谷口弥三郎
君 西岡 ハル君 横山 フク君 木下
友敬
君
小柳
勇君
藤田藤太郎
君
国務大臣
厚 生 大 臣
橋本
龍伍
君
政府委員
厚生政務次官
池田 清志君
厚生大臣官房長
太宰
博邦
君
事務局側
常任委員会専門
員 増本
甲吉
君
説明員
厚生省公衆衛生
局長
尾村 偉久君
厚生省医務局長
小沢 龍君
厚生省社会局長
安田
巌君
厚生省薬務局製
薬課長
喜谷市郎右衛門
君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
社会保障制度
に関する
調査
の件 (第二十二
号台風
による
被害対策
に 関する件) (
一般厚生行政
に関する件)
—————————————
久保等
1
○
委員長
(
久保等
君) ただいまより
社会労働委員会
を開きます。
委員
の
異動
を
報告
いたします。 十月一日付をもって、
坂本昭
君が
辞任
し、その
補欠
として
小柳勇
君が選任されました。 十月六日付をもって、
藤田藤太郎
君が
辞任
し、その
補欠
として
千葉信
君が選任されました。 十月七日付をもって、
千葉信
君が
辞任
し、その
補欠
として
藤田藤太郎
君が選任されました。
久保等
2
○
委員長
(
久保等
君)
社会保障制度
に関する
調査
の一環として
一般厚生行政
に関する件を議題といたします。
橋本厚生大臣
から
厚生行政
に対する施策について御
説明
を願います。
山下義信
3
○
山下義信
君
議事進行
について
発言
があります。
厚生大臣
の御所信を承わる前に、私として、ぜひこの
委員会
で御
発言
あるいは御
報告
を願いたいことがあるのでございます。あるいは
理事会
ですでに御
相談
ができているのではないかと思いますが、もしその点御
相談
ができていなかったといたしますれば、この席でお取り上げを願いまして、御善処をわずらわしたいと思うのであります。 第一点は、先般の
台風
第二十二号の
災害
に対しまして、
諸般
の
対策
が講ぜられたわけでありますが、その間に
厚生省
として
災害救助法関係
の
対策
がどういうふうにされたかということの御
報告
を願いたいと思うのであります。これはいつも大きな
災害
の
あと
におきましては、
委員会
におきましてこれらの御
報告
にあずかることになっておりますので、この際お願いしたいと思うのでございます。 第二点は、前々回でありましたか、
休会
中の
委員会
におきまして、わが党の
坂本委員
から
大臣
にお伺いをしたのでありますが、従来とも
もと
より問題になっておりました
国民年金制度
に対する
厚生省
の案、いつ御
発表
に相なるのであるかということを
委員会
として伺ってある。
大臣
からお答えもあった。その
通り
に
休会
中に御
発表
に相なったのであります。この際、
臨時国会
も開かれ、正式の
委員会
も開会せられたのでありますから、当然
政府
の方でお
考え
になりました
政府案
といいますか、
国民年金制度
の
要綱
についての御
報告
なり、あるいは要すれば若干の御
説明
をわずらわしたいと思うのであります。 その点から
一つ議事
をお進めを願いたいと思います。
久保等
4
○
委員長
(
久保等
君) それでは
厚生大臣
から御
説明
を願います。
橋本龍伍
5
○
国務大臣
(
橋本龍伍
君) ただいまのお話は、
委員会
としてのお進めになり方の問題もおありのようでございますから、私の方としての
用意
のことを申し上げまして、
委員会
のお指図によって善処いたしたいと
考え
ております。 今回の
災害
は、もうまことにひどく、特に
伊豆方面
においてひどうございました。
あと東京
、
福島等
において相当の
被害
を来たしておるのでございます。
災害
が起りましてから、
あと
直ちに、その日のうちに
手配
を始めまして
現地
に係官の
派遣
もいたしましたし、部分的には、私、
社会局長等
も出かけまして、当面の問題は
応急救助
に力を入れながら、その後、
災害救助法
の発動と相待って
諸般
の
手配
をいたしておる次第でございます。これにつきましては、
社会局長
から
詳細説明
をいたさせるつもりでございます。 それから
国民年金
の問題に関しましては、
社会保障制度審議会
の答申を
もと
にいたしまして、与党の
特別委員会等
とも
相談
をいたしながら、基礎的な
考え方
を固めておりましたが、まだまだ内容は固まりませんし、
厚生省
としての案もまだはっきりしたものはきめかねておる
状態
でございますが、御
承知
のように、こうしたような問題は、
項目
だけを取り上げて議論をしておりますると、やはり
ほんとう
のものにまとまらないのでありまして、一応とにかく
諸般
の
疑問点
を残しながら
一つ
の
考え方
で全体を
制度
として組んでみる。それによって
予算
は幾らかかるか、一ぺん計算をしてみる。そうして組んだものによってまた
全貌
を見回して、本格的な
検討
を始めるというような
趣旨
で、むしろ
本格的検討
の初めての
下案
という
意味
で先般一案を作成をいたしまして、
審議
をいたしておる次第でございます。
俗称厚生省案
と書いてございます。そういうふうな
意味
で
全貌
を見ながら本格的な仕組みとして、第一次的に
審議
を始めるという
状態
でございましてそういう
意味
のものと御了承をお願いをいたしたいと思います。これは多少の
準備
もございまするし、口頭でただ単に申し上げまするよりも、刷りものの
用意
をいたしまして御
報告
申し上げた方がいいと思いますので、私といたしましては、むしろ御
意見
を伺うよい
機会
でございまするので、
委員会開催
の日取りをおきめ下さいますれば、それによってまだきまってはおりませんけれ
ども
、練っておりまする下地の
考え方
につきまして御理解を仰ぎ、また、御
意見
を承わらしていただきたいと思っております。ただ、本日はここで申し上げるにはちょっと
準備
が不足だと思います。
時刻
を御指定を願いたいと思います。
山下義信
6
○
山下義信
君
災害
の
応急対策
といいますか、
厚生省
としてのお取りになりましたその
対策
についての御
報告
は、この種の大きな
災害
についてはいつもなされるのが例なんであります。そうして
被害状況
の
資料
もお配りになりまして、御
説明
があるのが
通常
の例になっておると思うのであります。そういう
資料
もお
出し
にならないということはどういうことなんでありまするか。これは非常に私
ども不満
に存じます。
委員会
が開かれることがわかっておりましたならば、お
出し
になるべきではないだろうかと思う。ありますればお
出し
を願いたいと思います。 それから
国民年金制度
の
厚生省案
につきましては、固まって
おいで
になろうと、
おいで
になるまいと、すでに事務的にも
発表
に相なっておりまする以上は、私は、その
要綱
は
委員会
にお
出し
になりまして、一応の御
説明
があるべきであろうと思います。ことにその一部については、これも
新聞紙
で拝見するのでありますが、私
ども
は
新聞紙
で拝見すると同時に、公式の席でも承わりたいと思うのでありますが、承わるところによりますと、一部の点については、これを
予算
化して、
財政当局
に御
要求
になったということであります。そうすれば、あなたの案は全部がまだ不確定なものばかりではないはずでありまするから、ただ一応の試みにこういう
考え
を持っただけのことであるというような、
一つ
の
話しぐさ
の
程度
ではないのであると思いまするので、私はやはり
厚生大臣
としては、この
委員会
に御
説明
になるのが至当であると思いますので、本日はそれらについての、当
委員会
で質疑応答するについての
用意
がないとおっしゃれば、日をあらためましてこれを御
報告
に相なって、私
ども
にも若干、どういう御
趣旨
であるかということを伺う
機会
を持たなきゃならぬと思うのであります。
橋本龍伍
7
○
国務大臣
(
橋本龍伍
君)
災害対策
の問題はもう
準備
をいたして当
委員会
で直ちにいたすべきだと思いますが、まことにごたごたいたしまして恐縮でございます。ただいま
資料
を取り寄せておりますので、参りましたらすぐ
社会局長
から
説明
いたさすつもりであります。 それから
国民年金制度
に関しましては、これも
十分資料準備
をいたしまして皆さんに聞いていただきたいと思います。ただいま申し上げましたように、
時刻
をお打ち合せいたしまして十分な御
説明
を申し上げ、また、御
意見
を承わりたいと思います。
久保等
8
○
委員長
(
久保等
君)
速記
をとめて。 〔
速記中止
〕
久保等
9
○
委員長
(
久保等
君)
速記
をつけて。
藤田藤太郎
10
○
藤田藤太郎
君 今の
山下
さんの御
発言
に対して、ちょっと
大臣
の声が小さくて聞えなかったのですが、これは
資料
が出るというのは、
国民年金
の
資料
もきょう出すということですか。
橋本龍伍
11
○
国務大臣
(
橋本龍伍
君) 実は
国民年金
の
関係
は
担当官
が出ておりますが、やはり
委員会
でお聞きいただくのでしたならば、私の方も相当みっしりした御
説明
を申し上げて、また、御
意見
も伺いたいと思いますので、きょうはそういう
意味
での実は
資料準備
が不十分でございます。きょうでない別の
機会
の日時を御指定願いたいと
考え
ております。 それでは
資料
が参りましたので、
社会局長
から
災害状況
を……。
安田巌
12
○
説明員
(
安田巌
君) 大
へん被害状況
の御
報告
がおくれまして申しわけない次第でございますが、お手元に差し上げました
台風
第二十二号による
被害状況
、これが最も新しいものでございます。表をごらんになりますと、大体の
被害状況
がおわかり願えると思いますが、このうちの
一つ
の特徴は、
静岡
県におきまして、御
承知
のように、
狩野川
のはんらんによる人的の
被害
が非常に多いということでございます。死者が六百二十一人となっておりますのは、これは確認いたしたものの数でございますけれ
ども
、なお、行方不明が三百四十五となっております。これらは流されました
流木
の堆積の下になっておるのではないかというふうなことで、現在に至りましてもいろいろと
死体
の捜索に骨を折っておるような
状況
でございます。 それから
災害救助法
の
適用地域
といたしましては、その次にございますように、十三
都道府県——
二十三区三十四市、六十四町村でございます。このうち昨日と違いますのは、きのう北海道から夕張市、様似町、尻岸内村、これだけを急にまた
災害救助法
の
適用地域
にしたいと言って参りましたのが違っております。 それで
政府
でとりました
措置
といたしましては、二十六日の夜水害があったわけでございますけれ
ども
、二十三日に直ちに今回の二十二
号台風
の
災害
に対しまして
災害救助法
による
中央災害救助対策協議会
を開いたわけでございます。 それから直ちに
建設大臣
が
現地
に、その日のうちに
飛行機
で参りまして私もお供をいたしたわけでありますけれ
ども
、翌日、二十八日
現地
を視察いたしましてその場でいろいろ
災害救助等
につきましての指導もし、また、
要求
も聞いて参ったようなわけでございます。 それから二十九日の日に再び
建設大臣
の視察の
報告
を
中心
といたしまして、第二回の
中央災害救助対策協議会
を開いたわけでございます。 なお、十月一日に、二十二号の
災害
の
対策本部
を
中央
に設けるということをきめまして、三日の日にその
対策本部
が
山口国務大臣
を
本部長
といたしまして
静岡
県の三島の方に
派遣
をされまして五日にそれが帰ってきたようなわけであります。 それで、主として
静岡
の
災害
が一番大きいので、
静岡
のことについて申し上げたいと思うのでございますけれ
ども
、
災害救助法
を適用されました全
地域
に対しまして、
罹災者
の救出、
避難所
の
設置
、たき
出し
、被服、寝具、
生活必需品
の
配給
、
死体
の発掘、
埋葬等
の
応急救助
の
実施
に全力をあげたわけでございます。 先ほど申し上げましたように、
狩野川流域
の修善寺、大仁、伊豆長岡、それから韮山、その辺は非常に人的な
被害
が多いところでございました。
飛行機
の上から見ましても、普通の畑が全部材木で埋っているようなところがございました。そういうような
流木
が約四万石と称せられておりましてそれをのけるだけでも延べ一万人かかるだろうと思われます。きのうも、私
ども
の方から
現地
の
対策本部員
として
派遣
されました者が帰って参りまして、やはりこれを
自衛隊
でブルトーザーか何かでばっとやれば簡単にいくのでありますけれ
ども
、下に
死体
があるのじゃないかということで、一本々々どけてくれというようなことで、なかなかそちらの方がはかどらないというような話も聞きましたけれ
ども
、そういったようなわけで、ぼつぼつ見つかりながらも、なお先ほどの
数字
に示すように、数百人が行方不明であるというような
状態
であります。 それから
避難所
の
設置
につきましても、各
方面
で
避難所
を
設置
いたしているわけでありますが、そのほか
伊東
の方でも相当
被害
がございまして、
伊東
市におきましても、一時は連絡が絶たれましていろいろ
報告
が入らないというようなことがあったわけでございます。 それから
救援物資
につきましては、県の本庁から、
毛布
や、その他のものを
被災地
に急送いたしております。 それから
医療救護
につきましても、こまかい
数字
は省略いたしますけれ
ども
、
医療班
でございますとか、あるいは
防疫班
だとかというようなことにつきましても、遺漏のないように
活動
をいたしておったようでございます。 なお、
防疫
につきましては、百二十班の
防疫要員
、五百五十七人が
活動
いたしておりますが、このうちには
京都
、
愛知
、三重、岐阜、兵庫の各府県からの
防疫要員
二十一人、それから
自衛隊
の
防疫要員
二百五十人が含まれておるわけでございます。 それから
伊豆地方
の
罹災地
は、
飲料水
に非常に困っておるということは私
ども
視察いたしましたときに感じまして、すぐに
一つ濾水器
を何とかならねいかということで、その場ですぐ
措置
をいたしたのでございますが、五台は
自衛隊
から借りることができることになりました。
あと
の五台を
厚生省
を通じまして、
京都
と
愛知
県から急送いたしまして、これは私
ども
が参りました翌日到着いたしたようであります。それから
罹災者
に対する民間の
救援物資
といたしまして、
アメリカ
の
宗教団体
が組織しておりますところのCACという
団体
がございますけれ
ども
、その
物資
のうちから
ミルク
が四千ポンドと
小麦粉
五千ポンド、
衣料品
が五十こうり、これを急送いたしております。それから第二次今として、
ミルク
二万八千ポンド、
小麦粉
三万五千ポンド、
衣料品
百三十こうりを
手配
いたしました。なお、
日本赤十字社
からも
毛布
、
下着類
二千八百点を発送いたしたわけでございます。 で、
厚生省関係
で
現地
に参りまして、いろいろと要望がございましたことにつきましてとった
措置
を簡単に申し上げてみたいと思いますけれ
ども
、
国民健康保険
の
事業
に対する
資金
の
貸付
及び
補助
に関する特別の
措置
をしてくれないかというのが
一つ
、そのうちで
被災
の市町村に対する
国庫
の
給付金
及び
事業費
に対する
補助金
の繰り上げ交付、これにつきましては目下取りまとめ中でありますけれ
ども
、早急に交付するようにいたしたいということでございます。 それから
保険料
も減免いたしました
保険者
に対しての
災害特別措置
につきましては、現行の
補助金制度
の
ワク
の中で操作できる
範囲
内で
考え
るということでございます。 それから上水道、
簡易水道
、
汚物処理施設
、
公衆衛生施設等
の
復旧費
に対する
国庫
の助成の特例の
措置
を設けてもらいたいということにつきましては、
水道施設復旧補助金
につきましては、
目下予算措置
を講ずるよう考慮しております。 なお、
地方負担分
に対する起債についても考慮するように
検討
したい。 それから
清掃施設整備費補助金
、
清掃事業費補助金
についても
予算
の
ワク
はないのでありますが、二十八年の
災害
についての
特別措置
を行なっておりますので、今度の
災害
に対する他の
施設
とにらみ合せまして
考え
たいということでございます。 それから次は、
母子福祉資金
の
貸付補助金
の
総額
及び
負担割合
の引き上げということを
現地
で要望いたしておりますが、これは
母子福祉資金
の
貸付
につきましては、
国庫
のとめ置き額がございますので、その中で
十分実情
に応じて考慮したいという
所管局
の答えでございます。 そのほか
世帯更生資金
の
貸付金
、
医療費貸付金
の
補助等
につきましても、
補助金
の増額について十分考慮したいということを
考え
ておるのであります。 以上が大体二十二
号台風
の
被害
の
状況
、主として
静岡
県における
被害
に対しましての
措置
でございます。
山下義信
13
○
山下義信
君
災害救助法関係
の
予算
は、大体
総額
どのくらいになるのですか。
安田巌
14
○
説明員
(
安田巌
君) 大体一億二千万円ばかりでございますが、現在すでにございますので、五千二百万ばかりの
予備費
の
要求
に相なるかと思います。
山下義信
15
○
山下義信
君 この際、私は
厚生大臣
に伺いたいのでありますが、いつも大きな
災害
のありますつどに
災害救助法
が適用されて
一般
の
印象
としては、今
社会局長
からも
報告
がありましたような
諸般
の
救助対策
を講ぜられて
災害救助法
が発動されるというと、ずいぶん
救助
されるような
印象
を
一般国民
が持ち、
罹災民
は
もと
より持つ。ところが、実際は数十億は
もと
より数百億に上ろうかという大
災害
、今回の
災害
につきましても、今
災害救助法関係
の必要な
予算
がどのくらいかといいますと、一億ちょっと出る
程度
なんですね。そういうふうでありますから、名は
災害救助法
となっていろいろな
項目
が適用されるようにはなっておりましても、御
承知
のごとく、単価は非常に低いし、期限は短かく切ってあるし、
補助率
は低いし、ことに問題としては、御
承知
のように、その県の
通常歳入
の
基準額
の千分の幾つかを超えなければどうとかいう制限がありまして、
ほんとう
にこの種の
罹災者
に対する
衣食住諸般
の
災害救助
の
実情
というものはきわめて微々たるものです。従って、
災害
が起きますつどに、われわれ
国会関係者
としても、
建設
、
農林水産
、いろいろな
関係
の
委員諸君
と
災害救助法
のありますゆえんをもちまして
社会労働委員会
の
委員
として参りましても常に肩身が狭い。その多くの
罹災民
をながめ、その多くの
住宅
が流れ、もう食もなく衣もなく住もないその惨たる
罹災民
を前に置いてどの
程度
の
救助
ができるかといわれたときに、実に赤面に堪えぬことにしばしば遭遇する。私は
災害
がありましたつどにこれを問題にして、そうしていつの間にか、のど元過ぎたら忘れるということを実は繰り返しておるのでありますが、
一つ
尋常の際に非常の備えをしていただきましてこの
災害救助法
を全面的に
——
これは相当古い法律で、ことにGHQの指示によってこれをやりましたので、いろいろな
救助
の従来の実績からいきましても、全面的に
一つ
これを
検討
していただいて、相当
罹災民
が力の綱として
頼みがい
のあるような
救助法
にこれを
一つ
強化する必要はないかという
考え
を私
ども
持っておるのでありますが、将来
災害救助法
について再
検討
をなさる御意思がありますかどうか、そういうことをこの際伺っておきたいと思う。
橋本龍伍
16
○
国務大臣
(
橋本龍伍
君) 仰せの
通り
、
災害救助法
は
ほんとう
の
応急救助
でありまして、なるべく早い
機会
にそれぞれの本務に従って
処理
をしていく。たとえて申しますれば
応急仮設住宅
などは
災害救助法
による
厚生省
の
所管
でありますが、御
承知
のように、五坪くらのものを
ほんとう
にかりに作る、
あと
の
住宅
の
建設
問題については
建設省あたり
の方へなるべく早く引き継いでいくというのが本来の筋でありまして、そういう
意味
で
災害救助法
は非常にしぼってあると思うのでありますが、
ただお説
のように、まあ非常にしぼり過ぎておる面があると思います。現在でも可能なる
範囲
内で今回の
災害
についてもやりたいと
考え
ておりまして
避難所
の
開設期間
な
ども
十日になっておりますけれ
ども
、十四日に延長し、たき
出し
の
実施期間
も六日であるのを十四日にし、なおまた、
医療
や
助産期間
も十四日となっておりますけれ
ども
二十一日まで延長しておるのであります。確かにお説の
通り
、しぼり過ぎじゃないか。で、実際のばたばたした
災害
の場合には
厚生省
が主管しながら、まあ当座何でも間に合うという態勢をもう少し
考え
る必要があると思いますので、
災害救助法
の問題については
検討
いたしたいと思います。ただこういうものは私がただ
検討
すると申しましても、長い時間のかかりますものだけに、その場限りになってしまってはいけませんので、ただいまの御提言に従いまして
厚生省
の中でだれか専担者をきめまして、省内に小
委員会
のようなものを作りまして
災害救助法
の
検討
をいたしたいと思います。
山下義信
17
○
山下義信
君 最後に私が
社会局長
に伺っておきたいのですが、同時にお願いしておきたいのですが、
日本赤十字社
は
災害救助法
におきましても、また、
日本赤十字社法
におきましても、この
種災害
の際におきまする
災害救助
の
仕事
に対する
協力関係
を強く要請しておりまして
赤十字社
としても重大な任務を持っておるはずなんです。今回の
災害
に当りまして、ことに
災害
の非常に大きかった
静岡
県を
中心
にしてどういう
活動
をいたしましたか。
一つ
適当な
機会
に今次
災害
における
日本赤十字社
の
活動状況
について
資料
として御
報告
を願いたいと思うのです。相当やっているのではないかと思いまするけれ
ども
、寡聞にして耳にいたさないのでありまして
自衛隊
の
活動
のごときは非常に規模も大きいのでございますし、世間でもよくわかっておるのでありますが、その他個人の篤志の人、その他の
諸君
が
人命救助
その他に
活動
したいろいろな事例を耳にいたしますが、今次の
災害
を通じまして、
日本赤十字社
がかくのごとき
活動
をしたということを耳にいたしませんので、もし
活動状況
が低調であるということになりますと、これはゆゆしきことであろうと思う。金額は少うございますが、おそらく
一般予算
からもこの
種災害救助
のために
赤十字社
に若干の
補助
も出ておる。
補助
があろうと、あるまいと、当然
日本赤十字社
の重大な、私はこれは
活動項目
の
一つ
であろうかと思うのであります。大体において十分な
活動
ができておりましょうか。あるいはどういう
状態
でありましたか、
社会局長
把握しておられます点がありましたら、この席上でお
示し
を願って、その他は
資料
によりまして
活動状況
あるいは
物資
の
配給状況
その他につきましてもお
示し
を願いたい。もし平時のこの
種災害
に
日本赤十字社
の
活動
がはなはだ消極的であったということになりますと、私
ども
は十分
考え
なければならぬと思います。この点を
社会局長
に伺っておきたいと思います。
安田巌
18
○
説明員
(
安田巌
君) お答えいたします。
日本赤十字社
の
災害
時における
活動
としましては、
救助
の
活動
につきまして特種を役割を持っておりますのは御
承知
の
通り
でありまして、今回におきましても、主として
医療関係
につきまして
医療班等
を組織して
現地
に
派遣
いたしております。そのほか先ほど私がちょっと触れましたように、
救援物資
を送りますとか、あるいはそういった
物資
あるいはお金を取り次ぐ、集めるというふうな
仕事
をいたしております。なお、今度の
災害
における日赤の具体的な
活動
につきましては、また、後日詳しく
報告
申し上げたいと思います。
藤田藤太郎
19
○
藤田藤太郎
君 先の
社会局長
の具体的な処置の中で、
アメリカ
の何とかいう
団体
から
ミルク
やその他が来た、救援された。これは国境を越えて非常にありがたいことだと私は思います。思いますけれ
ども
、
社会局長
の
報告
を聞いていると、具体的に
物資
はそれだけで、日本の
政府
が、
被災
された住民に、たとえば
医療
の問題とか食糧の問題とか、その他健康上の問題とか、いろいろの具体的な問題はどうやられたか、やって
おいで
になっているのか、そういうことの
報告
がないと思う。だから私はここで
速記録
に残る
印象
は、その
団体
と
赤十字社
が衣類を五千点
出し
たということで終っているような
報告
じゃなしに、もっと具体的に、どういう工合にその
現地
では
厚生省
の係りはどうやった、
政府
全体の
対策本部
はどれだけのものを住民に供与してやったということを私はやっぱり明確にしてもらわないと、何か他力本願的な
災害
扶助で終っておるような
印象
をここでは受ける。これは
速記
を読まれた他の人から見てもそういう
印象
を私は受けると思う。だからこの点は明確にしてもらいたい。
安田巌
20
○
説明員
(
安田巌
君) 私の
説明
が適当でなかったかと思うのでありますけれ
ども
、実は
災害救助法
と申しますのは、府県知事が
救助
の責任者になっておるわけでございます。そこで、その中できめられておりますのは、たとえば
罹災者
の救出でありますとか、たき
出し
でありますとか、
避難所
を設けるとか、被服、寝具だとか、
生活必需品
の給与だとか、
医療救護
だとか、埋葬だとか、あるいは学用品の交付だとか、そういったようなことを知事の責任においてやることになっておるわけです。で、私
ども
の方では
中央
におりまして、そういった
現地
と絶えず
被害
の
状況
等の
報告
を受け、連絡をいたしましてそれらのことがうまく迅速に行われるかどうかということにつきまして指導をいたしておるわけでございます。で、現在私
ども
の方がその当時から聞いておりますのでは、たとえば
静岡
県の例をとりますと、そういった場合の応急の手段というものは、そのときにおいてベストを尽したと私
ども
は見ております。たとえば向うへ参りまして食糧品等につきまして、それではほかから回さなければならぬか、あるいは
毛布
等につきましてもこれは東京であっせんをして送らなければならぬかというような要望事項を聞きましたけれ
ども
、すべて県内で間に合うという
状況
でございます。それは知事が責任をとってやるという形になっております。ただそういった濾水器が足りないとかいうようなことにつきましては、私
ども
の方ですぐほかの県から回すとか、あるいはガス壊疽の患者が二名ばかり発生したのでありますけれ
ども
、そういう場合の血清がないということになりますと、すぐ私
ども
の方であっせんをしまして、千葉の血清の研究所の方からそれを送らせるというような処置をとっております。そこでそういうような費用を使いました場合には、先ほど
山下
委員
からお話がありましたように、
静岡
県でいいますというと、県税の普通税の額の千分の二をこえた場合には五割の
補助
を出す、
救助
に要する費用ですね。そうしてまた、それが千分の十をこえれば七割、さらに二十になりますと八割とか、二十をこえるとどうというふうに、九割までの
補助金
が行っておるわけでございます。建前とすれば国が物を買ってすぐに送ってやるとか、そうしてこちらから行って何かしてやるということでなくて、あくまで知事の責任だということになっておりますから、
災害救助法
を適用いたしましても、小さい
災害
で県の負担力からいって当然それが負担できる
程度
のものについては
補助金
がいかない。その
補助金
がいくかいかないかという基準が県税普通税の
総額
の千分の二というのが基準になっております。こういう仕組みでございます。今まあ私
ども
がそういった府県でやっておりますところの、
災害救助法
に基く食糧その他の
救助
の
関係
は、これは当然うまくいっておるということを前提といたしましてただ好意的に、そういうふうな外国の
物資
なりあるいは
一般
の民間からの援助がありましたものを申し上げましたようなわけであります。どうぞ御了承下さい。
高野一夫
21
○高野一夫君 私はちょっと
社会局長
に伺いたいと思うのですが、けさNHKのラジオ放送でこういうことを申しておった。これを
一つ
伺ってみたいと思うのですが、非常に雨が降って冷え込んできて、寝具に困り、一枚の
毛布
に数名の家族がくるまって寝る。それで足りなくて付近の農家からむしろを供
出し
てもらってむしろにくるまって寝ておる。こういうようなことがけさ報道されてこれを聞きますと、僕なんか与党ですから、非常に先ほどのお話じゃないけれ
ども
、何か
政府
も県の方も何もやっていないじゃないかという
印象
を深く
一般
民衆に与えたような気がしまして、非常に肩身の狭い思いをしたわけなんです。これは今の
社会局長
のお話では、食糧、衣料、寝具、そういうものは大体円滑にいっているというようなお話だけれ
ども
、そういう
毛布
一枚に大ぜいがくるまって、むしろを供
出し
てもらってむしろにくるまって寝ている、こういう惨たんたる
状況
であるということがラジオ放送で全国に放送される、これは私
ども
からうっちゃっておけない
状態
だと思うのですが、こういうことは知事が責任をもってやるにしても、何か
静岡
県の方からどうも
配給
が十分にできないとか、手が回らぬとか、そういう打ち合せとか、
相談
はないものですか。
橋本龍伍
22
○
国務大臣
(
橋本龍伍
君) 私からちょっとお話を申し上げておきたいと思います。実は
社会局長
の申し上げましたのも真実ですし、それから今新聞報道等からお話のあったのも実は真実であります。と申しますのは、あの
災害
がございましてから、
厚生省
としてとりました態度は、夜明け方から特に
静岡
はひどいと聞きまして
静岡
の
災害
対策本部
と連絡をとらせました。電話回線で連絡がとれました。そのほか、各、県でも
災害
対策本部
ができる限り連絡をさせたのであります。
災害救助法
を発動した
報告
を受けましたので、何か
中央
でやることはというと当面現場で全部間に合うという話でございました。そこで直ちに
中央
におきまして、私が副会長をやっております
中央
災害対策
審議
会を開きまして、
応急救助
の方策について各省
手配
をいたしますることと、それから自治庁において特別交付税の残りを直ちに配分をいたしますことを急速にきめまして、その後は、
災害
対策本部
を特別に設けて、
山口国務大臣
を主体にしてやることを進めたのであります。そこで現場でのいろいろの
手配
の問題としては、現場で
手配
のできないことについては、これは援助を求められる限り急速に
措置
をとりましたし、その日の午後には係官を
派遣
いたしまして、連絡をとっておる次第でございます。ただ物量としては一応間に合いましても、現場のところへいきかねておるところが交通、通信その他いろんな
関係
であるようでございます。東
京都
内などでも、たとえば都の方も乾パンの世話等もいたしましたけれ
ども
、これはやはり現場へいって参りますると、こんなところまで水がついている。それで路地のすみには船も車も入れないというような
状態
でありまして、そういうようなところに、人が残っているところにやはり実際行ってみると、何とかしておれの方まで持ってきてくれというようなことをどなられるという
状態
でございまして、実際問題はそれぞれの、たとえば東京で言えば区役所あたりが担当しておるのでありますが、すみずみまでになかなか飲み水でありますとか、食糧でありますとか、行かないところがあるようでありますし、それから
静岡
等におきましては、特にいろんな問題があるようでございます。ことにその後、雨が降れば、仮橋も流失するというような
状態
で、それで遺骸の問題につきましては、何とかしてこれを早くやりたいと思いますが、大体が泥土とそれから材木の下に、すっかりばらばらになりました家の材木の下あたりにあるようであります。これを結局シャベルだとか何かでいろいろ掘り
出し
た人をとりあえずそこへ置いてそしてトラックを呼んでくるというような事態はあるのだろうと思いますが、この点に関しましては、県当局等も骨を折っておると思いますが、
災害
対策本部
におきましても、そういうようなこまかい
手配
のできるようには全力をあげて骨を折っていまして、なおなお注意をいたして、早くこまかい手も回るようにいたして参りたいと
考え
ております。
高野一夫
23
○高野一夫君 その
予算
を獲得して、根本的の
災害対策
を講ずるのもけっこうで、これも早くやらなければならぬのですが、応急の処置ですね、食糧、ことにこう冷え込んでくると寝具、衣類、それが今の
大臣
のお話のようないろんな事情ももちろんあるのだろうと思うけれ
ども
、それだからこそなおさら
一つ
早く何とか
手配
を講ずる必要がある。どうしても
手配
を講ずることができないのかどうか、やはりその辺を調べる必要があると思う。それで幾日目くらいにはあの孤立した
一つ
の部落に衣料、食糧を
配給
ができるとか、できないとか、こういう見通しくらいつけなければいけないのじゃないか、こういうふうに思うわけです。ことに新聞、ラジオ等でこういうような報道がされますと、
災害
地全般についてこういうような
状態
であるというふうにしか
一般
の人には
考え
られない、そういうふうに
考え
たがるわけです。それはまだ非常に困るところもある。たとえば手の届くところは十分手が届いている。しかし、孤立してどうしても近寄れない部落においてままそういうことがあるというようなこともあろうと思いますが、それじゃ幾日ぐらいたつと十分な
手配
ができるか、こういうような見通しをつけて、
一般
の人が多少なりとも安心感を持てるような放送と申しますか、報道を
厚生省
の方でやはりおやりになる必要があるのではないか、こういうことをけさラジオを聞いてつくづく感じたので、それで申し上げたわけです。どうか県の方と連絡をおとりになって、近寄れない所はもう全然当分、一週間、十日も方法はないのかどうか、それとも四日か一週間、十日もたてば近寄れる方法があるのか、
手配
できるのかどうか。場所はきまっているのですから、こんなことを
一つ
よくお調べになって
対策
を講じて、そして
一般
世間の人がやはり多少なりとも安心してくれるようなふうに報道してもらいたい。これは
社会局長
どうですか。
安田巌
24
○
説明員
(
安田巌
君) 実は本部の部員としまして、伊豆に行って参りまして
現地
を足で歩いて参りました課長が帰って参ったのでありますが、今衆議院の方の社労に入っておりまして、その
報告
によりますと、確かに伊豆の山の中で
毛布
が足りなくて寒いということを申しておったのでございます。それはすぐ県庁の方に申しまして県から至急
毛布
を送るということで、話をつけて参ったようでございます。なお、この
災害
地の
状況
として今残っております問題は仮設の
住宅
でありますとか、
死体
処理
の問題が残っております。
避難所
なんかはもうほとんど閉鎖いたしまして、それぞれ親類、遠戚の方の
関係
のある家に引き取られたのが大部分で、私
ども
が予想いたしておりましたよりはずっと
避難所
の数なんかも少くなっているようであります。食糧、その他につきましても、一時は全然交通途絶しまして
被害
の
状況
もわからない
状況
でございました。私が参りましたのは
災害
が起りました翌日の土曜日でございましたけれ
ども
、土曜日にすでに食糧品は流れてしまったわけでございますから、ヘリコプターで米七俵運んだという
程度
でありまして翌日もヘリコプターを動員いたしまして米やみそを運んだというようなことでございました。しかし、現在のところでは、一応そういった点では連絡をつけられているようでございます。しかしながら、いずれにしましても、そういった非常に交通の不便な所とか、末端等において若干そういった問題があることは事実だろうと思います。そういうことにつきましては、今度参りました際にしさいに見て参りまして十分注意を与え、また、県当局といたしましても当然いたさなければならぬことでございますので、至急それに対する
措置
をとるということで実は帰ってきたようなわけでありまして、大体
災害救助法
にいうのはいわゆる応急における人命に
関係
のある
救助
ということになっておりますから、ある
程度
そういった応急の
救助
が続けられまして、その後、今度その人が、
災害
による精神的、物質的の打撃によりまして生活困難というような問題が起きました場合は、それはあるいは中小企業の問題あるいは農業政策の問題、あるいは私
ども
の方で申しまする生活保護の問題に切りかえられるわけであります。そういった点も
災害救助法
の特色でありますので、その辺のことがまあいろいろとまた誤解を与える原因になっているかと思うのでございますが、現在のところは、先ほど申しましたように、私
ども
に持って参りました
報告
でございますと、確かに
毛布
が足りないところがありました。それに対しましては今申しましたような
措置
をとったわけであります。
高野一夫
25
○高野一夫君 よろしく
一つ
。
紅露みつ
26
○
紅露
みつ君 今放送のお話が出たのですが、きのうあたりやはり放送で、何が一番今ほしいかと、何が一番困るかということを避難した人に尋ねているのですが、全く家ですね。家、住むところができたらというので、女の方が泣きながら希望を言っておりましたのですが、これもまあ家のことですから、そんなに一日や二日では建たないでしょうけれ
ども
、さしあたって
住宅
の方の相当応急なものを計画しておられるのでしょうか。もうどんどんかかっておりますか。どんな工合に
住宅
の方がなっておりますか。
安田巌
27
○
説明員
(
安田巌
君) そういった場合の
住宅
でございますけれ
ども
、ま
あと
にかく一応
避難所
を作るというのがまず第一の
仕事
でございまして、これは小学校に
避難所
を設ける場合もございますし、
ほんとう
のバラックの掘立小屋を作りましてそこに
避難所
を設ける場合、しかし、その
避難所
というのは一時的なものでございますから、さらに今おっしゃるような
住宅
対策
が必要になってくるのでありますが、
災害救助法
といたしましては、今その
避難所
のほかに、
応急仮設住宅
というのがございまして、これは先ほど
大臣
が申し上げましたように、普通はこの流失なり、全壊の家屋の三割というのを一応の基準にいたしておるわけでございますが、
静岡
県の要望もございますので、四割くらいまで何とか私
ども
の方は認めたい。せっかくまあ財務当局と折衝いたしております。そのほかに今度は
住宅
対策
といたしまして
建設
省の方の
災害
の
住宅
がございます。これが大体三割くらいでございます。
あと
はまあいろいろ、自分でやる人もありましょうし、あるいは親戚や知り合いのところへ入るというのもございまして、まあ大体そのくらいありますというと、従来でございますと間に合うわけでございます。
紅露みつ
28
○
紅露
みつ君 かかっておりますね。着々進めているわけでございましょう。
安田巌
29
○
説明員
(
安田巌
君)
静岡
の方は、まあこれからというところだと思います。
勝俣稔
30
○勝俣稔君 疾病の発生工合、すなわち伝染病の発生の工合であるとかというような点も今すぐにということは
要求
いたしませんが、いずれうまく処置をされておることと私は
考え
ております。なお、
医療
機関がこのために非常に損害を受け、国民
医療
に影響を及ぼしておりやしないかというようなことも
考え
ておるのでありますが、これもまた私、今すぐにどんなような
状態
であるかということは、すぐさまお聞きすればなおいいのでございますが、無理な
要求
だと思いまするから、そういうようなことはこの
委員会
にまた後日御
報告
を私願いたいと思うような次第でございましてそれだけつけ加えて
要求
だけしておきます。
藤田藤太郎
31
○
藤田藤太郎
君 私もこの今
資料
をもらっただけじゃどうも非常に簡単な
資料
だと思いますから、今のような
状況
の
資料
を
一つ
今度
出し
てわれわれの認識を深め、
対策
を立てるところがあれば
対策
を立てなきゃならぬから、ぜひ次の
機会
には
出し
てもらいたい。いかがでしょう。
久保等
32
○
委員長
(
久保等
君) いかがですか。
橋本龍伍
33
○
国務大臣
(
橋本龍伍
君) けっこうです。
久保等
34
○
委員長
(
久保等
君) 先ほど
山下
委員
からのお話のございました
国民年金制度
の問題についてですが、次回の
委員会
で、
国民年金制度
に関する御
説明
を
政府
の方からお願いをすることにして、何か本日
資料
はお持ちになっているようですから、
資料
の御配付を願って、次回にこれに対する質疑等はお願いいたしたいと思いますがいかがでしょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
久保等
35
○
委員長
(
久保等
君) では、さよう取り計らうことにいたしまして、
資料
の御配付を願いたいと思います。 ちょっと
速記
をとめて下さい。 〔
速記中止
〕
久保等
36
○
委員長
(
久保等
君)
速記
を始めて。
厚生大臣
の所信表明要旨につきましては、これを
速記録
にとどめることにいたしましてごらんを願いたいと存じます。
木下友敬
37
○木下
友敬
君 このプリントの所信表明の中の第三をちょっと見たのですが、これを見ると、「第三は、疾病
対策
の強化でありますが、特に結核につきましては、近年その死亡率等に関し著しい改善をみたのでありますが、いまだに多数の患者が存し、国民の健康と生活を脅かしておりますので、健康診断、患者管理、感染源遮断に工夫をこらし、今後十年間に結核問題の解決をはかりたいと
考え
ております。また、結核
対策
実施
の基盤ともいうべき保健所についてもその機能の強化に努めたい所存であります。」こう言っておられます。これを見ると、今後十年間に結核の問題を解決したいと、こういうふうなおぼしめしのようであります。ところが、この九月十八日のこの
委員会
での
大臣
の明年度
予算
に対する
考え方
の表明の中でも、また、その日、山本さんでしたか、
政府
が
予算
の比較的個々について
説明
された中に、結核
対策
についてはあまりはっきりした表明をしておられないようです。十年間に結核を撲滅するんだというようなことは、きょう初めて出てきたんですが、あれを見てもあまりそういうことがうかがわれない。で、私は尋ねたいのですが、この前も尋ねたのですが、近来結核の病床が非常にあいてきておる。療養所などでも結核の病床が空床になったのがだんだん増してきております。そこで前国会の
委員会
でも尋ねたのですが、その原因は何かということを尋ねたが、結局それは健康保険における一部負担、入院料を患者が一部負担しなきゃならぬということが大きな原因になっておる。それからまあ生活保護法で適用を非常に狭めておる。厳重にこれを調べて調べ上げて、そうしてなるだけ病核の入院というようなものを少くしようというような方針をとっておるのが、現在の生活保護法の運営の仕方であって、そういうことがおもな原因で結核患者の入院が少くなっておる。それならば結核患者は減ったかというと、これは決して減ってはいない。こういう場合に一体
厚生省
は、この結核病床を従来とってきたように二十六万床、これをもっとふやして毎年一千床あるいは三千床と、だんだん増していく計画を続けていくのか。あるいはもう結核の病床は増さないという方向でいくのか。この間の
説明
の中にもそれは出てきていないし、また、そういうことも聞きませんが、一体どういうふうに
考え
ておられるのか。
橋本龍伍
38
○
国務大臣
(
橋本龍伍
君) 結核の問題につきましては、実は先般
予算
問題についてお話をいたしました際に、私はまあごく荒い抽象的な話をいたしまして、会計課長からお話をさせたのですが、これは全部に網羅的にお話ができないものですから、あるいはその点の
印象
が薄かったかと思いますが、結核の問題に関しましては、本年度の問題としても、来年度の問題といたしましても、重要政策の
項目
として
考え
ております。で、今回の
予算
におきましても相当重点を置いて大きな要望をいたしているのでございます。 で、結核は、総体的には従来から見て非常に改善をされて参りまして、死亡率が減ったほど患者自身は減ってはおりませんけれ
ども
、しかし、これは
厚生省
でもさらに実態の
調査
をいたしておりますが、大体の見方としては、この死亡率が減ると同時に、総体的にもやはり結核はだんだんに追い込み得る可能性が生じつつあると
考え
ております。 で、病床の問題に関しましては、従来と同じように病人がたくさんいるのに、わざと入院を必要とする患者を生活保護や何かで縛って入れないというようなことはございません。ただ、戦後国立の療養所等で、まあなおっても出ないような人たちが相当おったりしてそういう面での管理に困っているものですから、その中におらんでいい人たちは、これは診断の結果、退所を願うということはございますけれ
ども
、現在そういう面で結核
対策
上必要とする患者を入れないというようなことはないのであります。ただ、総体的に見まして結核のベッドは今日の
程度
でやはりかなりあきができつつありますので、結核のベッドをさらに毎年毎年ふやしていくというふうなことは、今日は結核ベッドに関しては、現在のベッドの数で足るのではないかと
考え
ているのであります。 そこで、この今後十年間に結核問題の解決をはかりたいと
考え
ておりますのは、ここまで結核を追い込んで参りましたならば、本式に
——
とにかくある
程度
金もかかることでありますが、結核
対策
に力を入れるならば、これは十分に結核患者というものを極度に減らすことができると
考え
ているのであります。で、従来といたしましては、漫然とこの健康診断を全部やる、患者を全部めんどうを見るという建前で、しかし、そうはなかなかいきかねるというような形で、健康診断も御
承知
の
通り
、全国的に三六%
程度
しかできておらぬわけであります。最近ドイツで
出し
ました結核
対策
等も、やはり重点を置いてこの感染源を遮断する、そうしてその目的のために健康診断も重点的にやるし、それからまた、見つけた患者をなおしてしまうということを重点的にやるという方法をとっているのであります。で、やはりそういう面に
考え方
を置いた方がよかろうということで
——
何も従来の結核
対策
を変えるわけではございません。これは国民全体に健康診断をし、国民全体に結核患者をなおすということをするわけでありますが、どうもそういう形で漫然と結核患者の治療費をふやすというようなことは、
予算
上から言ってもなかなかできませんので、今回
予算
に関連して
要求
をしてぜひ実現をいたしたいと
考え
ておりますのは、この従来の、見つけました患者を完全になおしてしまうということを
考え
まして健康診断につきましても、今日ありまする患者の周辺を重点に置いて健康診断をいたしますことと、そしてこの見つけました患者、従来からわかっておりまする患者に対しては、もうどうしてもこれはなおしてしまう。そのために必要があれば入所命令を
出し
まして、入所命令を出す対象の患者に対しましては、公費負担をふやすというような形で、しぼった形で公費負担をやる。それで見つけた患者をなおしてしまうという方向に力を入れて、そういうふうな形でこの結核問題の解決をはかって参りたいと
考え
ておるのでありまして従来でもやはり総体的に公費負担の増加というふうなことは努力いたして参りましたけれ
ども
、これはなかなか財政的にも困難でありまするので、今言ったような形でしぼった公費負担を財政的にも実現をいたしまして、そうして重点的にこの結核問題の解決をはかって参るというふうにいたしたいと思っておるのでございます。これが大体今度の
予算
に関連して
考え
ておるところでございまして、結核の問題については、来年度の
対策
の中でも最重要
項目
の幾つかの
一つ
に
考え
ておる次第でございます。
木下友敬
39
○木下
友敬
君 三十三年度の
厚生省
の
予算
要求
のときも、結核
対策
費はかなり力を入れて
要求
してありましたが、結果的には非常な査定をされてしまって結核
対策
が十分できなかったように思うのですが、今度健康診断、あるいは患者管理の
方面
にまた力を入れておられるということは、これはまあ同感なんです。ただ、今答弁の中で、生活保護でしばっておることはないと言われたのは、これは大きな間違いであって、これは今度次々の
委員会
でまたお尋ねもしたいと思いますが、今の生活保護法は、何と
大臣
が言おうと、やはり
医療
保護におきましても非常な不自由な目にあわしておることはもう確実なんであります。今のような
状態
では、とうてい生活貧困な者は、十分どころではない、不十分な治療さえ受ける
状態
にはいっていないということは、これはもうはっきりしたことなんですから、これはぜひ改めて、生活保護、あるいは
医療
保護についてもっと力を入れていただきたいと思うのです。 まあ今の御答弁で、結核のベッドを今日以上に増していくということは
考え
ないというようなことがはっきりしましたが、それでは現在あるベッドを確保していくというのは、現在も国立の療養所でも相当荒廃したものがある。ベッド数が少くて、保安度も非常に悪いものがあるから、これを整理統合するとかということも、
厚生省
ですでに
考え
ておられますか。一体その
状況
、あるいはもくろみがどういうふうになっているか。
大臣
でなくても、わかった方から……。
橋本龍伍
40
○
国務大臣
(
橋本龍伍
君) もうベッドは確保いたしまするのと、それと、それからもう
一つ
、旧来の療養所は御
承知
の
通り
、非常に古いものでございますから、これを近代化した形に持っていきたいと思っておるのであります。従来のはいわゆる大気安静療法を対象にした小さな療養所が多いのでありまするが、今日
考え
ておりまするのは、こうした療養所は、これは
予算
の
関係
もございますが、もう毎年やはり計画的に逐次改良いたして参りまして、そして地方でなかなかいろいろ問題がございますので、へたにどうこうというようなことがなかなか
考え
にくいのでありますが、
考え
ておりまする希望としては、
一つ
の一定の規模の、外科の治療だとか、検査だとか、何とかいういろいろな近代的な診察検査、それから治療の設備を整えましてそれにふさわしい規模の療養所に漸次建てかえて参りたいと実は
考え
て、年々そういう方向に持っていっております。ですからベッドは確保しながら、それを近代化した方向へ建てかえて参るということでやっております。 なお、それから、ただいま
医療
扶助の問題等についてお話しがございましたので、
社会局長
からちょっと
説明
いたさせたいと思います。
山下義信
41
○
山下義信
君 ちょっと関連して。今
厚生大臣
から国立結核療養所につきましては、できるだけ近代化して整備をするというお話しでありましたが、その
意味
は、若干の結核療養所は廃止するとか、あるいは縮小するとかというようなやはり御計画があるのでありますか。 それからいま
一つ
は、結核療養所については、いわゆる独立採算制的な
制度
にこれを改める意向があるのかどうか、そういう方向で
検討
がされておるのかどうかという点について、
厚生省
の方針をこの際
一つ
お
示し
を願いたいと思います。
橋本龍伍
42
○
国務大臣
(
橋本龍伍
君) 最後の方からお答えを申し上げますが、結核療養所の問題につきまして、独立採算制にやる気はございません。 それから療養所の
施設
を近代化して参るということは、ぜひやりたいと
考え
ておりますが、この場合に、具体的に場所によって違いますけれ
ども
、なるべくやはり今までの療養所というものを生かして参るという
考え
でおるのであります。場所によりまして、たとえば極端に小さな療養所であって、そうして近接したところに療養所があって、それをかりに建て直すときに、統合するというような形で問題が起らないようなところについては、これは
一つ
統合して、大きな療養所を搾るということも
考え
たいと
考え
ております。これはごく具体的に、それぞれの問題についてはやはり既存の療養所というものをなるべく生かしながら、もちろん既存のベット数というものは当然維持をいたしまして、そうして既存の療養所というものを生かして建てかえていくということをできるだけ基本方針にしながら、だんだん療養所の近代化をはかって参りたいと
考え
ております。
山下義信
43
○
山下義信
君 独立採算制にするかしないかということについては、非常に重大な関心を持っていたのでありますが、そういう方針でありますれば、納得しがたいことでございますが、その点了といたしますが、療養所も、全般的に非常に腐朽した古い不完全な療養所がたくさんあるわけでありまして、これにつきまして適当な
対策
の要することは、従来からわれわれも若干そう思っておりましたが、将来の改造といいますか、改善といいますか、それについて具体的な計画ができておるのでありますか。もしもできておれば若干のお
示し
を願いたいと思います。
小沢龍
44
○
説明員
(小沢龍君) ただいま
大臣
から申し上げましたような
趣旨
に従いまして、具体的に私
ども
は
考え
ておるのでございます。現在
検討
しておるものもございます。たとえば、これはただいま進行中でございますが、宮城県の仙台市の近くに二つの療養所がございます。その療養所の相互の距離はたしか一里か二里
程度
の間隔かと思いますが、相当両方とも荒廃してきております。それをどうしても再建しなければならない。その場合に、片方の療養所を逐次縮小いたしましてそしてその分を別の療養所に建て増して二つ合わせて
一つ
の有力な療養所にするということを、これは目下進行中でございます。 それからたとえば、来年度に
実施
をするという
一つ
の代表的なものにつきましては、新潟県の新潟市の郊外に、内野療養所と有明療養所というのがございます。この両方の療養所の距離は大体十町ほどかと思いますが、有明の療養所というのは非常に古くて、また非常に小さいのであります。建物も大へんいたんで参っております。早晩建て直さなければならないという運命になっております。有明療養所をつぶすかわりに、内野療養所を有力な療養所にしていく。今申し上げましたように、地方の方々にあまり大きな迷惑がかからない、しかもそれぞれの療養所が近代的な内容をもったところのしっかりした療養所になるように逐次実態に応じて計画していきたいと思うのでございます。しかしながら、これをやるにつきましても相当巨額な
予算
を要しますので、とうてい全国一斉に行うことはできませんので、来年度は数カ所
程度
のことをやったらどうであろうかということで目下
検討
しておる次第でございます。
木下友敬
45
○木下
友敬
君 今の
説明
の中では、宮城県と新潟市の近くのがありましたが、まだほかにもたくさんあるならば
一つ
この際あげてもらいたいと思いますが、私の方から申しますと、山口に埴生療養所という小さいのがございます。これはどれくらいか、百何十ベッドくらいではないかと思いますが、非常にきたない療養所がある。それは国立と言っては言いにくいような療養所で、あるいは
厚生省
としてはこれはやめる気ではないかと思う。そこであすこでは院長はたしか三月か四月にやめました。それで自来院長はいない。のみならず、それと同時に、医員が三名やめてしまった。だから医者はいない。専任の医者がいなくて患者は入院しておる、で近くの山陽荘という国立の療養所から医者が出張して一人駐在しておるという形であって地元としては、もうこの療養所はやめるのではないかというような心配ももっておるのです。そこの後任の医者などについても私は心配したこともありますけれ
ども
、
厚生省
としては院長を私が推薦したときにもそれはうやむやにして受け付けなかったが、最近また医者を入れようというような話も聞いておりますが、一体ああいうのはほかにもたくさんあるのではないかと思うが、やめる気か、やめない気か、確保していくのか、あるいは山陽荘等に合併していく気か。そういう点についてはっきりしたお答えを。
小沢龍
46
○
説明員
(小沢龍君) ただいま御指摘の埴生の療養所はお言葉の
通り
でございまして、
施設
が非常に小さくてまた古くて荒廃しております。それからあの
地域
に百二十ベッドでございますけれ
ども
、百二十ベッド
程度
の小療養所を作って果してどういうものであろうかということにつきましてただいま
検討
いたしておりますが、私
ども
のただいまの事務的な
考え方
といたしましては、将来あれは廃止をいたしまして、そのベッド分をどこか適当な
地域
の療養所に合併したらどうであろうか、こういう
考え方
をしております。 それからその勤務者につきましては、院長がやめました
あと
は適当な後任がなくて実は困っておるのでございますが、御推薦を受けた方も存じておりますが、年令の点につきましてどうであろうかということでまだ決定しておりません。できるだけこれは結核治療でございますので、若手の積極的な治療のできるような方がほしいという
考え方
で、今あっちこっちあたっております。山口医科大学の方にも話をしておるのであります。山口医科大学の方では全面的に医員を引き受けてもいいという内意を漏らしております。院長ばかりではなくて医員を引き受けてもいいという内意も受けて参っておりますが、療養所もああいう小さな
施設
であり、しかも内容が設備も不十分でございますのでなかなか医者として行き手がないのでございますが、まあわれわれといたしましては、単に医者の免許証を持っておればいいというのではなくて、やはり近代の結核医学をよく理解し、これをりっぱな治療の行えるお医者さんがほしい、そのためにも内容の整備したりっぱな療養所として現在の療養所を作りかえていきたいという
考え方
で目下
考え
ておる次第であります。
木下友敬
47
○木下
友敬
君 将来あれはどうするか、やめたいというような
考え
であるのでありますが、現在まだ相当患者が入院しておるし、近い将来あれをやめようなんて
考え
るのは私は間違いだと思う。やはりある
程度
の補充をしてやっていかなければならない。特に
厚生省
のやり方で私らは非常にけしからぬことだと思うのは、三月か四月に院長がやめて、医者が二人ついてやめてしまって、
あと
医者がいない
状態
なんです。国立の療養所であって
医療
法できめておる医者がいない。たとえば定員が四人のところに医者が三人しかいないとか、二人しかいないというのならまだいいけれ
ども
、一人も専任の医者がいないという国立の療養所が現存しておるということは、とても
一般
の開業医を監督するとかいうような資格がないと思うのですね。そういう
考え方
では、これは大いに私は
厚生省
としては陳謝してもらわなければいけない。医者のいない療養所を国立として持っておるというようなことは、これは改めてもらわなければならない。適当な医者がいないから置かないというようなことは、これはおかしいので、次善の策として一時的にでもかわりの医者を置くというようなことをしなければ、医者のいない療養所を国立として置いておくというようなことは、これは
考え
が間違っておる。実際にああいう療養所で医者の得がたいのはよくわかります。へんぴなところであって文化点な
施設
もないし、子供の教育にも困るというようなところに医者が行きたがらないということはわかっております。もう
一つ
は、近来結核の医者というものが非常に少くなってきておる、これは日本の全国的な傾向でございまして結核の問題が大体片づきそうだ、もう結核というのは、今追い打ちをかけると結核がなくなりそうだというので、若い医学徒で結核を専攻する人がだんだん少くなってきたという傾向がある。これは
一つ
は
厚生省
の責任でもあるわけで、
医療
の
予算
面のあれではずいぶん
要求
もしておりますけれ
ども
、結核は大体もう曲りかどに来たんだと、そこで、これからはガンとか、あるいは心臓とか、そういう
方面
に
医療
行政の重点を置いていくという
印象
を受けるわけです。それは実際面においてもガンのセンターでありますとか、あるいは血管系統のセンターを作るというようなことにだいぶ重点が向いて来つつあるということを早くも青年学徒は取って、結核だけに突き進むという例が少くなってきている。たとえば例をとって、埴生の療養所においても百二十か百三十のベッドのところでもって、結核だけで行く医者は得がたい。もしあすこが結核以外の診療までやるとすれば、あるいは山口医科大学でも医者を
派遣
することができるかもわからないというのが
実情
ではないかと思う。しかし、一方ではああいう小さい部落で、結核療養所で
一般
診療までやるというようなことも、これは
考え
もんだと思う、こういう点は一体どういうふうに
考え
ているのですか。
小沢龍
48
○
説明員
(小沢龍君) 前段の医師の問題でございますが、医師は院長並びに医員がやめた後、直ちに刀根山病院から一名専任を
派遣
しております。それから山陽荘の荘長を院長の兼務といたしております。なおかつ、山陽荘から一名医員を
派遣
いたしまして院長または副院長が一週間に一回なり、あるいは十日に一回なりときどき指導する、あるいは監督に埴生の療養所に出向いてもらうという
対策
をとっておるのでございます。非常に不十分な医師の態勢でございましてこの点はきわめて遺憾なことに存じまするが、御指摘のごとく、ただいま結核の専門医を得るということはきわめて困難な
状況
でありますので、この
程度
が私
ども
としては精一ぱいのところでございます。現在患者数は八十名であります。 それからあそこの療養所は小さいから、片手間に
一般
医療
をやらしたらどうだ、それなら医者が来るのではないかという御指摘でございまするが、この点は地元の県の衛生部とも連絡しておりますが、特にあの地方に相当な診療所を、国営の診療所的病院を設けなければならないような事情でもないようでございますので、埴生療養所につきまして、療養所とプラスして
一般
診療をやるというような計画はただいまのところは持っておりません。
木下友敬
49
○木下
友敬
君 今の私が言ったのは、あそこで
一般
診療をやったらどうかというのではない。
一般
診療をやれば医者が得られるということを山口大学などが
考え
ている。
厚生省
としては
一般
診療をやる気があるかということをお尋ねしたので、御答弁では
一般
診療をやる気はないということでございますから、その点はわかりました。診療所の問題につきましてはまだ……。
勝俣稔
50
○勝俣稔君 今
大臣
がお話のように、療養所を現代的にしようと、非常にけっこうなことなんですが、これはぜひやっていただきたい。しかし、これは先ほど来聞いておるところによると、どうも国立の療養所のように
考え
られるのでございまするが、公立の療養所に対して、私立の療養所に対してもそういうようなお
考え
があるのかどうか。そこのところをお伺いいたしたい。 なお、
予算
等についても、そういう
措置
がもしあるならば、講じられてあるやらどうやら、私は私立の方で療養所を現代化する場合において、その
予算
が計上されておるかどうかは私は実は知らないのでございますが、なお、これは官立だけの療養所でこれ足れりとすることは私はないと思います。現在でも県立でも十分大きなきれいな療養所が建っておるようでございます。この点のことを
一つ
明確にしていただきたいと思うのであります。あるいは一面から見れば、結核はまあ国立、あるいは公立だけで、もう療養所はそういう方針でいくのであるか、そうなれば二十六万病床のうち相当数のベッドがまた足らなくなってくるのじゃないか、もうこういうようにも
考え
られますので、その点のところを
一つ
御
説明
願いたいと思います。
尾村偉久
51
○
説明員
(尾村偉久君) 先ほどからの国立以外の公立または法人、私立等の療養所の整備でございますが、
予算
上はまあ結核予防法に基くものでは、ベッドを増加する、いわゆる増床または新設、これ以外には現在のところ改善費は
予算
に計上いたしておりません。ただし、これはやはりかつて結核予防法に基きまして
補助
を受けて新設または増床したものが年を経ればいたんで参りますから、これは自力または必要ならば起債、あるいは金融
措置
、これらの世話をできるだけいたすのが至当であるということで新、あるいは増の場合のごとき
補助
予算
は組んでおりません。 それからベッドの
ワク
でございますが、現在おおむね二十六万床をこしておりますが、現在利用中の結核ベッドは約三十一万床でございまして、五万床が現在あいております。もちろんこれは、この原因は家庭における
医療
が相当成功してきたとか、あるいはいろいろな原因が重なっております。で、必ずしももう二十一万の入院患者だけで日本の結核の入院患者は十分だということではもちろんないわけでございます。ことにこの生活保護の適用を受けない、あるいは健康保険の加入者でないというような、いわゆる俗にいうボーダー・ラインの階層で、要入院患者のまだ放置されておる者もなきにしもあらずなのでございますので、来年の
医療
保護の中ではこれらの重症で、しかも人に非常に感染のおそれがある開放性である、家族も多数いるというような者をことに第一優先に
考え
まして、本年度の
ワク
の約五十倍の者が公費で入院ができるようにという
予算
を一番額を多く結核
予算
として組んでおる次第でございます。これによりまして、さしあたり今のあいておりますベッドは来年のこの
予算
が通過いたしますれば、一応満たされて、さらにその上、次年度の
予算
はその実績に基きましてまた増加する必要があれば増加する。そういたしますと、並行してあるいは増床も必要になるかもわかりません。これは明年の様子でやる、かように存じております。
勝俣稔
52
○勝俣稔君 私の聞いているのは、
政府
は、一体、公立と国立の療養所を根幹として、むしろ私立のがいけなくなったらそのままほっておくというつもりであるかどうかということを実は申し上げた次第で、今のように公立と国立の方は、ま
あと
にかく何とかりっぱなものをやっておるが、私立の方がいけなくなったら、もう起債もやっていっても返す見込みもないという結核患者のあれでございますから、それならそれで減っていってしまう。その場合に、
政府
は今のその補充というものは、やはり国立でやっていくつもりか公立でやっていくつもりか、そこのところを私はちょっとお聞きしたいと思っておるのでございまして、将来の結核療養所のあり方は、どういうお
考え
でいられるか、これは将来の問題で、今の
予算
の問題だけでなくして、どういうお
考え
で
政府
当局はお
考え
になっておるか、私はこれは
大臣
にお聞きしたいと思うのでありまするが、とても事があれになれば、事務当局でもけっこうでございます。
尾村偉久
53
○
説明員
(尾村偉久君) この結核ベッドを、国、公あるいは私と分けまして、日本中の公け以上でやるというようなことは、実際には不可能であり、不適当である。と申しますのは、現在あります療養所の種別が、各府県ごとに、それぞれの組み合せが同じように配置されておりません。ある
地域
では、やはり私立に相当たよらざるを得ないような配置条件である。しかもそういう場合に、新たに現在国や公立を割り込まして、一時でもオーバーになるというようなことは、これはもう全くむだでありますし、不適当でございます。また、県によりましては、七割、八割の結核ベッドが国立病院と国立療養所のベッドで大体占められて、また間に合っている、こういう
状況
でございますので、これを一がいに、将来国か公けだけでいくというようなことは不可能でもあり、今
考え
ておらぬ次第でございますが、ただ私立がもしいたんできまして、非常にベッドが減らざるを得ないという場合に、国の整備とか、あるいはまた公けの方も、県の場合では主として金融の世話でございますが、これと同様に、国が直接起債の世話、いわゆる私立に対する起債の世話というのは不可能であります。それから
補助金
を整備費として上げるというのは不可能でございますので、これを決してなくさないためには、金融
措置
、いわゆる
医療
金融公庫とか、これは来年度
要求
が医務局から出ておりますが、その他の
政府
ができるだけあっせんできる金融
措置
で、適切な私の療養所は、やはり従来の任務を続けてもらう、かようにいたしたいと存じておる次第であります。
勝俣稔
54
○勝俣稔君 重ねて伺いますが、そうすれば、私立の療養所が、これじゃいけないが、要するによくしようというものに対しては、
補助金
はもう出さない、そうして金融
措置
の
方面
だけで心配してやる、こういうお
考え
なんですね。
尾村偉久
55
○
説明員
(尾村偉久君) ただいまの点はさようでございます。
藤田藤太郎
56
○
藤田藤太郎
君 ちょっと関連して。今結核の根本
対策
の問題にちょっと触れられましたけれ
ども
、今二百七十万の結核患者がおるというこの認識ですね。多少の
数字
の差があるかどうか、これはあらためて聞かしていただきたいと思いますが、問題は、結核というものは、もう伝染病ではなく、そして今日また技術が発達して今日の日本の医学技術では完全治療の見通しがついているという工合に私は認識をして、
厚生省
の十年で撲滅するという覚悟も、そういうところにおありだと思うんです。ただ、この二十六万床のところが、二十一万床で五万床があいているというこの問題を指摘するのに、ボーダー・ライン層ということをおっしゃった。しかし、私は、やはり病院に入りたくても、生活上の問題、そういうようなことで入れないという人がほとんどじゃないか。これはもうなおせば伝染病ですからうつらないし、撲滅する。また、早期に撲滅するように、この結核というのは日本の国民病といわれている問題だから、抜本的な
対策
が私は立てられるべきだと思う。そういうところに今の保険経済の問題で、いつもここで議論になるように、健康保険とか、
国民健康保険
の問題についてもいろいろの関連がある。だからこういう結核
対策
こそ、今の二百七十万の患者を、十年でなしに、早急にやはりこれを解決をして、結核の早期撲滅をするという決意があるのかどうか。先ほどの話を聞いていると、ちょっとぼけてきたような感じを持つので、それくらい
厚生省
は、実は
医療
的にもこの問題を十分に把握されておらぬ。それと
大臣
その他のお話を聞いておっても、今のようなお話になってくると、もう少し私ははっきりしたお話を承わりたいと思います。
尾村偉久
57
○
説明員
(尾村偉久君) 五年前にやりました実態
調査
では、
医療
を要する者が二百九十二万、今年度はただいま集計中でございますが、本年度同じやり方でやりまして、結果はあるいは二百七十万になるか、二百八十万になるか、これは人口も約五百万増加いたしておりますので、比率はたぶん減っておると思いますが、まだ結果は出ません。しかし、いずれにいたしましても、二百数十万以上の要
医療
者がおるという見込みでございます。ただし、重症は前よりは比率は減っておるという、今までにタッチいたしました学者の大体の
意見
でございます。しかし、いずれにいたしましても、さように多い患者でございますので、これをもうできるだけ急速に
医療
を要するような結核患者を減らしてしまうということは、もう
厚生省
としては、できるだけ早いほどこれは望ましいことと思っておりますが、それを十年計画というのはどういうことかということでございますが、現実には二百何十万という患者は、サンプル
調査
で一定の
地域
を全国から選びましてそれから統計学的に正しい方法で推計した総数でございまして、結核患者が現に病んでいる者をつかみまして、具体的な処置をしなければこれは何にもならないのでありまして、従って、この多数の患者を、極力まず病状をありのままにつかむことが先決でございますので、それから見ますと、一挙に来年中に二百九十万
程度
の患者を
政府
なり公けがつかんでしまってこれをそれに合うだけのベットを
用意
する、あるいは家庭治療の者もたくさんございますが、これの治療体制を一挙に整えましてやるということは、これは実際としてできないわけでございますので、来年の管理検診によりまして、最も危険性があると思われる患者のグループをまず個人個人つかんでしまう。で、これを、ことに感染の危険があり、しかも重症の者を入れるということを年々積み重ねていくわけでありまして、結局これによりまして全部つかんでいく。で、新たな発生もその間に若干ずつ起って参りますが、これは新しい届出という形、あるいは健康診断によりましてこれも把握するということで、大体の一応の五年後の目標を、現在の要
医療
患者を二分の一にする、で、それから以後の五年で、そのときからまた今度はスピードが上りますので三分の一にする、おおむね今の六分の一の患者数ということに目標を立っておりますと、大体今の
アメリカ
、あるいはもうすでに結核患者が退治されております英国
程度
の患者比率、大体現在
程度
、この
程度
にする。一応これはもうそういうような国々では、結核というものは、大体胃膓病以下のような
考え方
になっております。もちろん南部の一、二州では濃厚にございまして、ここでは問題でございますが、国全体の疾病
対策
としては非常に皆無になっておる、いわゆる撲滅された情景である、こういう形にいたしたいということでございまして、これなら従来の五年間でおそらく一割減っておれば非常に知れたものと思っておるのでございますが、それに比べまして非常なスピード・アップで、しかも日本のこれからやり得るいろいろな受け入れ態勢の限度からみましても最大ではないか、かような推計で
対策
を立っておるわけでございます。
木下友敬
58
○木下
友敬
君 先ほどのお話の続きをいきますが、さっき三重県の二つの療養所、それから新潟県の内野、有明療養所、これを一緒にしたいというようなお話がございましたが、これがいつごろの計画になるのか、それから話が出なかったが、福岡に筑紫病院というのがある。あれも手をかけるようになっておるようですけれ
ども
、これがいつごろになるのか。それから今の山口県の埴生療養所、これも行く行くはやりたいというが、いつ、ころの計画にするつもりか。その他にもあるならば、具体的にその年次を
示し
てもらいたい。
小沢龍
59
○
説明員
(小沢龍君)
一つ
の療養所を取りつぶすだけでなく、同じ
程度
のベッドを他の療養所に付設して参るのでございますので、一カ所にやるにいたしましても相当巨額な経費を必要といたしますので、私
ども
目下来年度の計画につきましては、大蔵省財務当局と折衝中でございます。もしも
予算
が許すならば、これは三重県ではないのでございまして、宮城県でございますので、宮城県の方は来年中に完成いたしたい、こう
考え
ております。 それから新潟県の内野、有明療養所につきましては、来年から再来年度にかけてこれを完了いたしたい、こう考ております。 それから埴生療養所につきましては、これはできたらば来年度中にもやりたいと思っておりますが、財政とのにらみ合せでどういうことになりますか、まだ最終決定になっておりません。 それから御指摘の筑紫病院につきましては、あれは療養所でございませんで、国立病院でございます。北九州の方に、福岡市にメディカル・センターを作りたいということを計画しておりますが、これが今年から工事に着工いたしますので、私
ども
の希望といたしましては、メディカル・センターが三年で完成することを望んでおるのでございます。完成したならば筑紫病院に入院しておる患者を、あるいはそのスタッフを福岡市内の新しい国立病院の方に移しまして筑紫病院を廃止いたしたい、こう
考え
ておる次第でございます。
木下友敬
60
○木下
友敬
君 小さい療養所でも、ある個所にある場合には、これをやめてほかへ持っていくというようなことは、その地方に影響するところも非常に大きいと思うのです。ですから、そういうことを実行される前には、よくその地方の
実情
等も本省において
一つ
勘案されまして、たとえばその地区の
厚生省
の出張所とかいうようなところだけにまかせないで、本省からも十分
調査
の上で取りやめるとか、あるいは併設するとかいうことは入念にやってもらいたいということを申しておきます。 それからこれは前にも私一ぺん尋ねたことでございますが、療養所をさっき
山下
先生が言われました独立採算制はどうかということで、
大臣
はこれは独立採算制にする意思はない、非常にけっこうな
考え方
である。ところが、国立病院の方は独立採算制になっております。これがなるとき私
ども
非常に遺憾に思ったのですが、同じ国立であって病院の方は独立採算制でやる、療養所はやらない、私は国立病院も
もと
のように、昔のように、独立採算をやめてしまって療養所と同じような格好に持っていくのが私当然だと思うが、なぜそういう区別をつけなければならないかということの
一つ
御
説明
を聞くと同時に、
一つ
もと
に返して、独立採算制をやめてしまう
考え
はないかどうか、その点をお伺いしたい。
小沢龍
61
○
説明員
(小沢龍君) 国立病院は御指摘のごとくに、初めは療養所とひとしく
一般
会計であったのでございます。しかしながら、その当時結核
対策
がわが国の国策として大きく出ましてしかも国立療養所はわが国の当時の結核ベッドの非常に大きな部分を擁しておったのであります。そこで、国策としての結核
対策
を遂行する上におきまして、入院患者の経済負担等を考慮いたしまして、そうして結核療養所は独立採算制にすべきではないという
考え方
に立ちまして、結核療養所はそのまま
一般
会計として残して、今日に至っていると思います。ただ国立病院につきましては、
一般
病院といたしまして、日本中の病院のきわめて小さい部分であります。その他のすべての病院がほとんど独立採算制で、能率のある運営をしているのであります。
一般
病院である国立病院だけが、歳入と歳出と見合わないでもいいという経営をすることはどうであろうかということからいたしまして、当時独立会計というふうに変ったのであります。たしか昭和二十四年度からでございます。で、今日に至っているのでございます。今日の現状からいたしまして、特にまた、国立病院を
一般
会計に直さなければならぬという、積極的な特別な理由がないわけであります。なお、独立会計の姿のままに国立病院を運営していくことに相なると思うのであります。
木下友敬
62
○木下
友敬
君 結核が特に重点的に取り扱われる
意味
において、結核療養所は独立採算制としないという
考え方
ですね、それは了承いたすといたします。 それじゃ質問を続けますが、精神衛生
方面
というのがまた非常に重大な問題になってくると思うのです。だんだん文化が進んできますれば、精神病あるいは精神病類似の者がふえていくということは
考え
られますが、
厚生省
のこの精神衛生
方面
に対する施策、あるいは抱負について
一般
的に
一つ
のどういう方針で進むかということをはっきりしてもらいたい。
尾村偉久
63
○
説明員
(尾村偉久君) 精神衛生の方につきましては、結核が幸い死亡数については著しく減りましたが、患者
対策
についてもただいまのようなかなりのめどがついたわけでございますが、精神障害者の数は年々まだふえております。しかもその数は膨大でございまして、大体いろいろな実態
調査
で見ますと、障害者というふうにひっくるめますと約百三十万人ということで、そのうちの約四十万人がいわゆる精神病者、その他精神の変質者、それから精神薄弱者、その三種類がありますが、その他を入れまして百三十万人になるわけでありまして、この精神病者のみでもそのうちの約十万人が相当な重症で、発作その他の狂暴性のものがあるということでございまして、これに対しまして現在約六万五千ベッド収容力を持っているわけでございます。これからみましても非常に精神衛生
対策
はおくれているようでございまして、まことに残念なわけでございます。従いまして、まず第一は、この精神病そのものをなくすという前に、目前治安を乱し、あるいは社会
活動
を非常にそこなっております重症精神病者を少しでもよけいに収容し得るように、半分は隔離の目的になりますが、これが非常に緊急でございますので、第一はベッドを逐次ふやしていく、しかもこれはできるだけ大量に年々ふやしていく、これが第一の目睫に迫った
対策
の
一つ
でございます。 それから第二は、さようなことをいたしましても、諸外国の例を見ましても、他の伝染病その他が著しく減るにかかわらず、精神ベッドは年々ふえていく。
アメリカ
の例で言いますと、百四十万ベッド、
アメリカ
国内全体で病床を持っておりますが、そのちょうど半分の七十万ベッドは精神病床でございましてちょうど日本の結核病床が全体のベッドの約半数近くを占めるのといい対照になっているわけです。かような
意味
で普通の今までの疾病
対策
等では世界的に見ましても、精神病は減らないというような現状でございますが、しかしながら、そうばかりも言っておれませんし、急速に何十万ベッドというものを設立いたしまして全部収容するということは、これは実際問題として不可能でございますので、やはりベッドに入ならいでもある
程度
治安を乱さない、あるいは若干でも軽快して、いわゆる社会生活に何とかたえる、こういうことは必要でございますので、従いまして、在野の
住宅
におる大多数の精神障害者を
相談
事業
によりまして、適切な家庭の療養生活が送れるようにする。 それからむだに精神ベッドを占めないように、是が非でも必要な者のみに少い精神ベッドを使わせるという
意味
で、患者の区別のために、精神衛生
相談
所網を完備いたしまして、能率的な精神衛生
対策
の中核にする、これが第二の
対策
にいたしております。 それから第三といたしましては、もちろんこの最重点に収容しなければいかぬという者につきましても、費用の
関係
で回りに非常な迷惑をかげながら入れないという者のためには、精神患者の
措置
費によりまして、これを優先的に費用に心配ないように、公費によって収容する、これは来年度約一万一千人が常時かような形で公費入院ができますように拡充いたしたい
考え
でございます。 第四番目の問題といたしましては、精神障害者の相当数がやはり遺伝的な経路のかなりはっきりした重症の精神病者も相当多く次々と発生しているわけでございますが、これは優生保護法に基きまして、精神病のできるだけ濃厚な遺伝因子を所有すると認められる者は、これは不妊手術をするという形で、この
方面
の適切な運用を強化する、かように
考え
ているわけでございます。 その他精神衛生
対策
としては、やはり今言いましたような
措置
をするのに、周辺並びに家族の非常に精神病に対する理解が結核ほどにとてもいっておりませんので、これによりましていろいろな障害がまだまだございます。それから家族の協力によりまして家庭療養で相当
程度
持ちこたえられるものがあるにもかかわらず、その知識が不十分でございますので、精神衛生に関する啓蒙が今の時代に非常に必要だ。この
対策
を五番目にいろいろな手を
考え
ている。大体今のところ、さようなことによりまして、精神衛生
対策
を強化する、かような方針でいるわけでございます。
木下友敬
64
○木下
友敬
君 今のいろいいの施策に対する
考え方
はわかりましたが、一番今困難をきわめているのは、やはり費用の問題だと思うのです。入院させなければならぬけれ
ども
、
措置
費が県にもないというようなことで、むろん家族ではどうにもしようがないというので、自分の家に置いておるのが、非常に社会の秩序を乱している、あるいは入院させておった者を無理やりに連れて帰らなければしようがないから連れて帰ったところが、大へんな殺人を起したというようなのを新聞記事でちょいちょい見る。だから一万一千人に対する
措置
費を作られるというのはこれはぜひ実現してもらわんと、気違いからやられたというのはこれは一番ばかばかしいことですから、これは特に意を尽してもらいたいと思うのです。それと同時に、今実際精神病の病床が足らない、そこで私立の精神病床がどんどんできているようですが、私立の精神病床を作るのに対して
政府
は一体これを援助するとか、あるいは
補助
をやるとかというようなことについて今まで以上に積極的にやってもらいたいと思うのですが、それに対する
考え方
がどうであるかということを
一つ
お尋ねしたいと思います。
尾村偉久
65
○
説明員
(尾村偉久君) 精神ベッドに関しましては、増床については公けのものも私立のものも急速に増床できる可能性があって、できてから精神病患者の治療に最も適しているものというのは区別せずに
補助
をする。ただし、
補助率
は公立の場合には二分の一
国庫
補助
、それから法人立の場合には三分の一の
国庫
補助
になっております。ただ原則といたしましては、どちらに重点を置くかといいますれば、精神病のような本人は自意識がないわけでありまして全くもう運用する側の意のままに管理されるわけで、もちろんこれは国なり県が監督するわけでございますが、さような精神病院の特長から申しまして、どちらかといとえば公けが望ましいということで公立重点にはなっております。しかし、さように申しましても、全然公立がないところに新たに公立を土地から選ばして
——
非常にこれも反対の地区が多いのでございます
——
ということでは間に合いませんので、あくまで早く土地を得られて増床が可能で、運営
状況
も非常に信頼するに足るところは、私立も
補助
をする対象には十分
考え
ております。ことし五百ベッドの私立の
補助
を計上いたしておりまして明年も同様に
考え
ておるわけであります。
木下友敬
66
○木下
友敬
君 それに関連して実は麻薬患者のことについても聞きたいのですが、きょうは麻薬の
関係
の薬務局がおりませんからですが、ヒロポンの場合には非常に精神病的な現象が起きた。それから現在、たとえば横浜とか神戸で非常な大きな問題が起きたような、林立典ですか、ああいうような
アメリカ
の駐留軍を利用して麻薬の密輸をやって、そうしてたくさんの麻薬患者を
出し
ているというような
状況
、その麻薬患者をよくするためには収容しなければならないけれ
ども
、現在の精神衛生法ではどうにもならない。ことは麻薬患者ということがわかったら収容しなければならぬけれ
ども
、人権擁護という
意味
で強制的には入院させられないというような
状態
があるのです。このことについては、もっと詳しく
説明
を聞きたいのですが、一体
厚生省
としては、麻薬患者を強制収容のできるような精神衛生法の改正というようなものをもくろむ意思があるかないかということだけ
一つ
聞いておきたい。これはどうにかして収容するような手をしない限りは、麻薬患者ということがわかっておっても、現在麻薬を押収しなければこれが手を下せないというような非常に不自由な
状態
にあるわけです。この点について
一つ
答弁して下さい。
尾村偉久
67
○
説明員
(尾村偉久君) 現在のところ、犯罪事件と
関係
なしにいわゆる収容管理するといいますと、精神病院、いわゆる精神ベッドにする以外にないわけでございますが、この場合にはやはりあくまで精神衛生法に基いてやらざるを得ませんので、強制する場合には、あくまで鑑定医の判定が精神障害があるということに至りませんと、ただ麻薬の常用者の疑いというだけではこれはまだ精神衛生法にはかからないわけです。しからば精神衛生法を拡充して、漫性使用者という者は一種の精神障害者との鑑定の結果、強制でき得るものとして医学的に拡充するかという問題でございますが、これはいろいろ論議もございまして、精神病の専門の医者のいろいろな
意見
もございますが、現在のところはこれは不適当、精神衛生法によって一切の麻薬中毒者をかけるということは不適当と、われわれは現在
考え
ておるわけです。
木下友敬
68
○木下
友敬
君 麻薬患者ということがわかっておるのを、精神衛生法を改正するということで収容できない、それはわかりますが、それでは精神衛生法ではなくて別に麻薬取締法というものを拡充して、そうして麻薬患者を収容してよくなしていく、強制的によくなしていくという方向に進まぬことには、麻薬患者ということがわかっておっても、手が下せないということは、これは非常に不十分なことだから、精神衛生法でできなければほかの法律を改正する、あるいは新たに作るということで、麻薬患者をなくなしていくということをしない限りは解決つかぬ問題だと思うが、この点、どういう御見解ですか。
喜谷市郎右衛門
69
○
説明員
(
喜谷市郎右衛門
君)
局長
が出張中でございますから、かわって御答弁いたします。 ただいまお話がございましたような麻薬患者を強制収容するかどうかという問題でございますが、これはまず第一に
施設
の問題がございます。現在県によりましてはこういう
施設
を作りたいというようなところがございます。そういった研究も目下進めております。 それで御質問の要点でございます強制収容をする法律を
考え
るかどうかという問題でございますが、これも目下
検討
中でございます。私も実はその衝に直接当っておりませんので、十分お答えできません。
木下友敬
70
○木下
友敬
君 この問題、日をあらためてまたやります。
柴田栄
71
○柴田栄君 実は環境衛生に関連いたしまして緊急な問題として
政府
の
対策
をお伺いいたしたいと存じます。 御
承知
だと思いますが、当
委員会
でも最近にも問題になりまして特に
委員会
から私
ども
調査
班が
派遣
されて、実は熊本県の水俣に参りまして、いわゆる水俣病に関して実は
調査
をいたしたわけであります。この奇病とも言い、まだ原因も明確にされておらない水俣病に対しまして、第一番にこれは非常に現在は局地に起っておる問題でございます。今後化学工業が進展すれば、各地に、この原因を究明いたし、
対策
を
考え
ておかなければ奇病が起るという感じがするのでございます。これについては国家としてただいま相当根本的に御
調査
をいただかなければならないという問題が
一つ
と、あの水俣病にかかりました患者の現状を見ますと、今日国家が大きく保護をいたしておりまする小児麻痺患者等に対する
対策
と比較いたしまして、全く言語に絶するようなひどい症状であり、かつ、おそらく回復の望みはないような患者の現状にあるわけで、これをただ単に現在行われておるような
対策
で見殺しに、というと語弊があるかもしれませんが、このままにしておけば、ほとんど見殺しにするような現状は社会としても許されないという気がするのですが、これについては、今後かような悲惨な
状況
を引き起さないというために、原因を徹底的に探究し、
対策
を
考え
ると同時に、国家は一種の社会の犠牲のような患者並びにその家族に対しまする
対策
を徹底的に
考え
てしかるべきじゃないかという気がするわけでございます。この件に関しましては、
厚生省
でもいろいろお調べはいただいておると思うのですが、今後の
対策
について
一つ
所見を承わっておきたいと、かように
考え
ます。
橋本龍伍
72
○
国務大臣
(
橋本龍伍
君) 水俣の問題につきましては、当
委員会
でかなり詳しくいろいろ御
審議
ありましたのであります。現在までのところ、いろいろ
検討
いたしました結果は、これは最終的に問題を究明するというのはなかなかむずかしいことでございますが、全部ぎりぎり結着して何もかもわかってしまわなければ
発表
しないということは遺憾と思いまして私の責任で今日までに
検討
された結果、判明しております事実というものを
発表
いたしまして、その後さらにいろいろ進めているわけでございます。結果は御
承知
の
通り
、いろいろな影響が出ているのでございますが、ただ残っております問題は、なかなか究明がむずかしくて現在のところでは、水自身は海水を取ってみても汚濁はわからないわけであります。水俣のある部分の、要するに海底の奥の方に重金属に
関係
のあるものが含んでおります。それからまた、そういうものがどうして魚の体内に入るのかわかりませんけれ
ども
、魚の体内にも検出されているというような問題がございまして残っております問題は何といいますか、生きた動物の平素の生活
状態
等を調べてみないとわからないのでありますが、今日までのところで調べられるところは調べて、それから生活保護の問題でありますとか、あるいは農林省、その他で
対策
をとってもらいます点については、今まで御
承知
のように手を打って参ったわけでございます。とにかく食物中毒による疾病としては前例のないような重いかつ悲惨なものでありまするので、国としてもその原因を徹底的に究明をいたしますとともに、患者に対して適切な
医療
並びに援護の
措置
を講ずるために目下
予算
を
要求
中でございます。つまり今までの
程度
の調べは
発表
いたしますようにいたしましたが、今後の問題はなかなかむずかしいものでありますので、
予算
といたしましては、従来の医学的研究のほかに薬学、化学、水産学、地質学、潮流学等の面で多角的かつ総合的の
検討
を行いますために、総合研究費として三百二十三万一千円を
要求
いたしますとともに、患者を特定の
施設
に収容いたしまして治療を行うための
施設
設置
費として二百九十二万八千円、患者の収容費として二百十二万八千円、合計八百二十八万七千円を予備金を
要求
中でございます。今までといたしまして、研究にも、それから生活保護等にもそれぞれ手当をいたしましても、それでもどうもこれ以上手を尽せないので、予備金を
要求
しているのでございます。なお、昭和三十四年度におきましても、研究を続行いたしますために、三百六万八千円、患者収容費として六百五十六万五千円、合計九百六十三万三千円を
要求
いたしまして目下
審議
をいたしているところでございます。
柴田栄
73
○柴田栄君 いろいろ具体的に
対策
をお立ていただいておりますことは非常にありがたいことと思っております。お話の
通り
、なかなか原因を明確に究明するということも困難だというふうにも
考え
られまするが、あの所に参りまして肥料工場の廃液の排出する現状と水俣港の現状を見ますと、この間にいろいろ政治的な、あるいは地元の特殊の
関係
から困難な
状況
にあるかもしれないが、その辺を乗り越えて思い切った総合的に
調査
をお進めいただかないと、真実がつかめないかもしらぬが、これはもう方向は大体わかっているのじゃないかという気がいたすのでございます。この辺は
一つ
将来のためにも、
政府
ははっきりとした態度で原因究明に臨んでいただきたい。そうしてまあ現状を見れば、だれでもこのままではどうにもならない。第一、
罹災者
はまあ魚が原因であるということまではほとんどだれも疑う者はないという
関係
から、漁家の家族がほとんどだという、しかもその漁家というても、きわめて何といいますか、生活困窮者に近いような、最近の沿岸漁民の家庭生活からきているような問題もございまして、あの患者をそのままかかえては、患者ばかりじゃなしに、その周囲の家族もほとんど餓死せざるを得ないというような現状にございまする点を
一つ
よく御考慮いただきまして、徹底的な御
対策
を重ねて特にお願い申し上げまして、
政府
の
対策
の実現をお願い申し上げます。
久保等
74
○
委員長
(
久保等
君) ちょっと
速記
をとめて。 〔
速記中止
〕
久保等
75
○
委員長
(
久保等
君)
速記
を始めて。
小柳勇
76
○
小柳勇
君
小柳
です、
一つ
よろしく。 時間もおそくなりましたので、私は部落解放の問題について、おもな点だけ二、三質問して、また後日に譲りたいと思いますが、その前に結核問題で
一つ
だけ要望申し上げておきたいと思うのです。方々の全国の国立療養所を回ってみまして、一番感じますことは、私立の療養所などに比べて医者、看護婦の
諸君
の熱意と申しますか、待遇との関連もありましょうが、非常に私立の病院に比べて積極的でないような、愛情の足らないような
印象
を受けますし、患者の
意見
を聞いてみますと、非常にそういう点をこぼしてもう少し
厚生省
も親切にやってもらえないだろうか、先生や看護婦の
諸君
もそういう面でわれわれが要望を
出し
ても、なかなか親切でないのではないかというような
意見
も多々患者から出ておりますから、しかも
施設
についても非常に荒れほうだいの所もたくさん見受けております。従って、積極的に
一つ
厚生省
からも出て行かれて国立療養所など十分視察してもらって足らない面は指導してもらうし、
施設
についてはできるだけ
予算
をとって改善して、さっきの
大臣
の御答弁に
施設
の近代化をするという話がありましたが、積極的にやってもらって、まあ気持よくとは
——
これは病人ですから気持よくなることはありませんけれ
ども
、十分に療養の成果をおさめるように、特に
一つ
厚生省
の積極的な指導なり、
予算
獲得にがんばられるよう、初めに要望いたしておきたいと思います。 本論に入りまして部落解放の問題でありますが、ことしの三月の十一日の日に、総理
大臣
は国会で部落解放の問題について四つの公約をいたしております。で、
厚生大臣
はその後、その総理
大臣
の公約に従っていろいろの
措置
をやられたと思いますが、
予算
の面、あるいは
審議
会の面、その後の
厚生大臣
がとられた
措置
について第一にお伺い申し上げたいと思います。
橋本龍伍
77
○
国務大臣
(
橋本龍伍
君) この同和
対策
の問題に関しましては、今年度の
予算
もまことに十分でございませんけれ
ども
、その
予算
の
範囲
内で、できるだけこれを有効に使用するように、まず骨を折って参りましたのが
一つ
、それからもう
一つ
の問題といたしましては、この
審議
会
設置
の問題がございますが、これは内閣の方と
相談
中でございます。まだ結論を得ておらないのでございます。で、この同和
対策
の問題につきましては、私は現在までも相当やはり頭を使ってこられたと思いますが、なお、来年度の
予算
にもう少し十分な経費をとりまして、
諸般
の手を打って参りたいと
考え
ておるのであります。なお、こまかい点につきましては、
社会局長
からお答え申し上げたいと存じます。
安田巌
78
○
説明員
(
安田巌
君) これまでのことにつきましては、
大臣
がただいま申し上げた
通り
でございます。ことに明年度の同和
対策
予算
要求
の概要は、
総額
におきまして二億八千八百三十一万三千円でございます。おもなものは従来と同じく隣保館を十カ所、共同浴場が二十カ所、それから下水排水路の整備費、これは道路らしい道路がなくてことに側溝がございませんために御
承知
のように、下水排水が流しっぱなしだというようなところが多いわけでございますが、そういうような費用二百二十四カ所分を
要求
いたしております。それから共同作業場、これが四十カ所、それから隣保館の運営費の
補助金
といたしまして既設分が三十一カ所、新設分が十カ所、合計四十一カ所分千四十五万円を
要求
いたしたいと思っております。そのほかトラホームの
予備費
の
補助金
といたしまして千七百六十五万円ばかりを目下大蔵省に対しまして
要求
いたしておる次第でございます。
小柳勇
79
○
小柳勇
君
大臣
にもう一回お尋ねしますけれ
ども
、
審議
会の
設置
についての、これはすぐ聞けることですから、こういうことに関して言っていいかどうかわかりませんけれ
ども
、以前堀木
大臣
のときには、積極的にそういうことまでいろいろお
考え
漏らしておられたようであるが、
大臣
かわられて、ほとんど積極的な意欲を見受けられないということすら聞くのでありますが、そういうふうな
大臣
として試案でもあったらお聞かせ願いたいと思うのです。それは時期的にもう相当長い問題であるし、今さらこれは
厚生大臣
に私は新たちに
要求
する話でないので、すでにもう前の
大臣
からもいろいろの引き継ぎもあろうと思うし、そのことが
審議
会を設けることだけによってすぐ成果がおさめられるとは
考え
ませんけれ
ども
、そういうものすら発足しないとすると、部落解放問題について
厚生省
がどれだけ一体積極的であるかということに対してわれわれとしても安心できないので、くどいようでありますけれ
ども
、もう一回
一つ
、
大臣
はどういうふうに今後積極的にこれを進めていくか、また、プランでもあればお聞かせ願いたいと思うのであります。
橋本龍伍
80
○
国務大臣
(
橋本龍伍
君) 実は先ほ
ども
結核
対策
に対してあまり言及しておらぬじゃないかというおしかりを受けたのでありますが、たまたま私就任いたしましてから
医療
費の問題だとか国民皆保険、あるいは
国民年金
だとか、現実に
仕事
の何といいますか、量が相当大きいもので、何かかにかその触れる
範囲
が多いものですから、そういうところばかりやっていてほかのところをやらぬじゃないかというような御
意見
が出やすいのであります。これは私としても気をつけなければならぬことだと
考え
ております。ただ同和
対策
の問題につきましては、これは十分その重要性を
考え
てこれの
対策
を
考え
ておるわけであります。ただ同和
対策
の
審議
会を作るとすればこれはもう当然内閣に
設置
すべき問題でございましてただその推進力といたしましては、これはもう
厚生省
の方で熱心に話をすべきものと
考え
ております。内閣の側とは何とか御要望に沿うような方向でと思って
相談
をいたしておるところでございます。同和
対策
について重要な問題でありますゆえんは十分心得ておるつもりでございまして、今日内閣へ
設置
されるべき
審議
会について、私としてどうこうというような構想を
発表
するのもちょっと行き過ぎかと思いますので、大体そういう方向でなお骨を折りつつあるということで御了承願いたいと思います。
小柳勇
81
○
小柳勇
君 いろいろ概念的には部落のいろいろの問題が、貧乏とかあるいは差別待遇とか言われておりますけれ
ども
、統計的に当然社会局その他
厚生省
で調べようと思えば簡単に
——
単ではないけれ
ども
、できることだと思う。われわれはわれわれなりにいろいろ
数字
を持っておりますけれ
ども
、しかし、
厚生省
で今までそういう
調査
なり、あるいは
対策
なりのために、統計的にあるいは
調査
資料
として一体やられたことがあるのかどうか。また、あればそういうものを
一つ
この
委員会
に
出し
てもらって具体的ないろいろの
資料
、
数字
、統計によってこれをどうするというような、そういうものをあればお答え願うし、なければ今後
一つ
準備
してもらいたいと思います。
安田巌
82
○
説明員
(
安田巌
君) 部落の現状についての
調査
でございます。けれ
ども
、これは非常に古い昭和十三年のときの
調査
が最近までずっと
一つ
の基礎
資料
になってきたわけであります。その後二十八、九年にも私
ども
の方で非常な抜き取りの
調査
でございますけれ
ども
、いたしたことがございますし、それからごく最近は、私
ども
が
予算
を組む上に必要な
程度
の
調査
をいたしたことがございます。いずれも
調査
がいろいろ問題がございまして困難な点もございますので、必ずしも御期待に沿うような
資料
ではないかと思いますけれ
ども
、一応役所の方へ帰りまして、それらの
資料
でお目にかけるものがありますかどうか
調査
をいたしてみたいと思います。
小柳勇
83
○
小柳勇
君 具体的にさっき言われた隣保館の問題、あるいは共同浴場などの
建設
の
状況
、その他具体的にまだいろいろあるようでありますけれ
ども
、きょうは大体概括的にそういうものを質問して、この次の
機会
に譲りたいと思います。
藤田藤太郎
84
○
藤田藤太郎
君 今の質疑を聞いていまして、私は
厚生省
として
厚生行政
について、この同和問題について熱意が足らぬと思います。総理
大臣
が確約し、そして
審議
会を設ける、それが三月だという。それに今のお話を聞くと、
調査
もない。昭和の十何年に
調査
したものしかない。これだけ社会的に問題になっているものについて、あまりにもこれは聞いていて熱意が足らぬ。だからこれはそういうことでは……
厚生行政
の
一つ
の問題、これだけ社会的に問題になっている問題を今のような態度じゃ私はけしからぬと思う。だから、この次の厚生
関係
のこの
委員会
には、明確に今までやってこられた
対策
、そして今後の構想、それから今の同和
地域
がどうなっておるかという現状を努力をして
一つ
資料
を
出し
てもらいたい。そうして、その上で今
小柳
委員
が具体的に今後この問題を進めたいと言われるから、皆がそれを認識してこの問題と取り組んで
処理
したい。強く要望いたします。
久保等
85
○
委員長
(
久保等
君) 本問題に対する本日の
調査
は、この
程度
にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
久保等
86
○
委員長
(
久保等
君) 御異議ないと認めます。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時十五分散会