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田中一君 私が聞きたいのはこういうことなんですよ。今日の状態ではやみ砂利というものはないのだという
前提に立っても一向差しつかえないと思うのですよ。むろんこれは経済的な採算上の一定の価格の砂利ということですよ。それをきめるのはだれかというと、やはり公共事業に、ことに営繕
工事を担当している
建設省あたりが、それに対する価値というものを、片方は需要という面できめているのです。ところが事実に
おいて、経済的な採算に合うようないわゆる需要者側の方の価格というものを押えているということは、そこに盗掘なんかでもずいぶんあるということなんです。あるということは、一方買い上げてくれるのは……
建設省は年に十何億、国全体として百何十億使っているでしょう、その
工事の中で使っているわけですからね。だからそういう点のやはり単に砂利の価格というものを押えている
一つの理由としては、盗掘があるとかないとかという問題が起ると思うのですよ。あるいは
河川の維持管理上取ってならぬ所から取るということもあり得ると思うのですよ、自由経済の時代ですから、今日は。そういう点でただ単に砂利採取という面だけから見ても、価値の押え方という問題がたくさんあると思うのですよ。もう運賃ですから、どっちを見てもはっきりと……遠い所から取るばかりじゃない、だから砂利を要求する方の
建設大臣は、一体砂利の価格を何キロまではこの値段なんだ、何キロまではこの値段じゃないのだというふうにきめてくれるならいいけれども、需要側、要求する側の方の一定の標準を押えるということになると、工費の面、その他の面でとうていそれに採算が合わないからつい無理なこともするということになると思うのです。ここにも原因があると思うのです。そこで罰則を強化すれば盗掘がなくなるとか何とかいうものじゃなくて、もう少し根本にさかのぼって日本の国土
建設という面から見ても、砂利の需要というものはますます増大せざるを得ないのです。だから最近は玉砂利で砕石を作ってコンクリートにまぜるという
方法もずいぶんとっておりますけれども、だから、もう少し通産省と打ち合して、僕はただ罰則だけでいいということではなくて、一体砂利の需要がどのくらいあるか、それに見合うところの砕石というものは
本年度はどのくらいあるかという年間の景気、不景気というものも公共事業で大体の推定がつくわけです。そういう点でもう少し計画的なものを立てなければならぬということが言えるのじゃないか。
そこで
河川は
建設大臣の所管です、結局。管理者側にまかすといっても、見方でいろいろ違うと思うのです。だから、私はこれは金がかかるかしらぬけれども、
一つこの機会に全国の石や砂利の採取可能な
河川について全国の
調査をすべきです。そしてこの川のこの
部分はこのくらい、この川のこの
部分はこのくらいということをきめるべきです。きめて絶対量というものがないとなるならば、これはもう
建設大臣が営繕
工事またはその他
災害復旧、いろんな面で砂利や玉石を要求しているわけですから、国の
予算の上からも当然考慮しなければ、今日の資本主義社会に
おいては片手落ちです。逆に盗掘とか制限外の掘さくなんていうことが行われるのは当然なのです。そういう
調査をするという
前提ならばまことにけっこうです。そうして全国の可能なる
河川の採取量というものをきめる。ことに、もう先ほども言っておるように、
砂防工事が各
河川で行われる、あるいは電源開発その他でダム
工事が行われるということになりますと、これはもう砂利なんというものはなくなるばかりなのです。決してふえるということはないのです。十年間はふえていましたけれどももうふえる段階ではなくなった。この辺で
一つ砂防工事も大いにやるといっているのですから、また
災害復旧もうんとやるというのだから、当然砂利というものに対する価格が一応
予算面に
おいても考慮されなければならぬと同時に、全部の
河川に対するこれは抜本的な
調査ですね、これは何でもないのです、都道府県に命じればいいのですから、データをとってですよ。そうしなければ日本の国土計画なんというものは成り立たないのです。
河川工事も治山治水もあらゆるものが一切行われないのです。しいて言えば砂利の採取量は文化に正比例するような面もあるわけです。この点についてはどういう
考えを持っておるか。ただ
法律を作ってやればなくなるのだということじゃないのですよ。