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国務大臣(
遠藤三郎君) 技術的な詳細な点については、所管の局長から申し上げるようにいたしますが、一応の
考え方をここで申し上げさしていただきたいと思うのです。特別立法のうちの地方財政を援助する
意味の、ことに県財政を援助する
意味の特別立法、この問題については、非常に消極的な
考え方を持っております。といいますのは、二十九年以降の
災害について、特別立法を用いなかったのでありますが、その
災害と、ほとんど同じような
条件、それ以下の
条件でありますので、全国に対して公平なる扱いをするという見地から、この際は、やはり二十九年の例を参酌いたしまして、そうして県財政の援助をするという
意味の特別立法は、あるいは必要がないのではないか、むしろ消極的に考えるべきではないかというふうに考えます。
しかしこの問題も、なお
災害特別
対策本部でもって、各省集まって論議を続けている最中であります。農林関係の特別立法と
建設関係の特別立法は、多少ニュアンスが違うのじゃないかという点については、農林関係は、たとえば家畜を流してしまった。家畜は牛馬について約三百頭流した。あるいは豚については一千頭流した。あるいは鶏については二万五千羽流した。こういうような問題については、無償でもって
政府のものを配付するというふうな制度が必要だという要望が強く出ている。これは特別立法が必要になると思うのです。それからさらに農地に対しては、
土石が流れ込んでしまって、川原のようになっているのであります。これは個人の所有地でありますから、一般の方式で参りますと、
補助するわけには参りません。しかし、これを何とかして
土石を除去いたしまして、そうして耕作ができるような状態にしてやりませんと、これは個人の力では、とうてい回復ができませんから、永久に荒廃地になってしまうおそれがあります。こういう場合を救うためには、どうしてもこれは、特別立法が必要であります。そういう
意味で、農林関係もいろいろ検討しているようでございますが、
建設関係の方では、
公共施設の
災害が
中心になっているわけです。
公共施設の
災害になって参りますと、地方財政との関係がございまして、県財政及び町村財政とのにらみ合せの問題になって参ります。その多くはそういう問題が
中心になって参るかと思います。
そこで県財政については、今申し上げたような
状況でございますが、町村の財政がどういうふうになるかということについては、実は町村の事情が、まだはっきりしない点がたくさんございます。それを今町村の
被害額と標準財政
収入額との関係等を調べております。それが調べがついてしまいますと、町村に対して、どういう
対策を講ずるかという結論が出てくると思います。大体今の結論といたしましては、町村の方のいわゆる小
災害、つまり十五万円、十万円以下、町村の損害については、十万円以下のものについては、
政府は援助しないことになっている、町村自体がやることになっておりますけれども、それを町村にかぶせて参りますと、町村は負担にたえられないだろう。従ってその問題については、あるいは特別立法が必要かもしれない。これは自治庁の方の関係の
法律になると思いますけれども、
工事の
規模を縮小するという問題もありますし、同時にまた町村の
工事費に対して、全額を起債で認める。そうしてそれを元利とも
政府が償還をしてやるというような二十八年の際の特別立法のようなものが、町村の場合には必要であるであろう、あるいは必要であるかもしれないというふうに考えて、町村の財政の
状況を今調べておるわけであります。
ところが、町村の方は村ごと流れてしまったようなところもありまして、まあぼう然として、十日間くらいぼう然としておったものでありますから、町村の事情がなかなか詳しいものが出て参りません。それで今急いで、町村事情を調べておるような
状況であります。その結果が出て参りましたならば、そういう面についての特別立法の必要やいなやということもきまってくるわけであります。およその見当では、町村の方面には、これを援助する特別立法が必要ではないかというように考えておるわけであります。
そのほかの詳しい問題につきましては、たとえば
住宅問題、あるいは
道路幹線の
復旧工事、その他若干の
法律を必要とするようなものが出てきておると思うのでありますが、それらは、ただいま
災害復旧対策本部で各省持ち寄りまして、そうして足並みをそろえて、今検討しておるような次第であります。しかし、だんだんつまって参りまして、二十日ころまでには、大体見当がつくと思っております。
こういうような
状況でございます。