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参考人(中村
建城君)
昭和三十一
年度の決算の
概要は、ただいま
検査院からございました
通り、二百四十六ページに載っておる
通りでございますが、多少敷衝いたしまして簡単に御
説明申し上げまして、さらにその後の現在に至りまする私
どもの仕事のありさまをごく簡単に申し上げて御
参考に供したいと思います。
三十一
年度の決算は、
貸付額が五百八十六億でございますが、このうちマル普と申しておりますが、普通
貸付が大部分で五百二十六億、恩給
貸付が五十二億でございます。それから期末の
残高がここにございます
通り五百六十六億、そのうち普通
貸付が四百七十六億、恩給
貸付が四十九億でございます。これをまかないました金を申しますと、
政府から借り入れたのが百四十億でございますが、約六十億を返済いたしましたので、ネットに
政府からいただきましたのが八十億、それに対しまして回収が四百九十七億、この二つでもって、ただいま申し上げました
貸付を実行いたしたわけであります。
それから収入、支出を申し上げますと、収入が四十五億七千万円、これはほとんど
貸付利息でございます。それから支出が三十四億二千万円、このうちで一番大きいのが
政府から借り入れました借入金の
利息でございまして、それが十八億、それから代理・手数料が六億、事務経費
——人件費とか物件費、それが九億六千万円、差引いたしまして十一億五千万円の利益を上げましたが、そのうち八億六千万円を
償却に充てまして、計上利益は二億八千九百万円、これは法律によりまして
政府に納付いたしたのでございますが、これが三十一
年度でございます。その後三十二
年度も、ただいま決算が一応でき上りました。三十三
年度は現在
貸付中でございますので、きわめて簡単に
概要を申し上げたいと思います。
三十二
年度は御
承知の
年度途中から金融引き締めの影響がございまして
相当、中小あるいは零細企業にも、そのしわが及びまして、
相当貸付が繁忙をきわめたのでありますが、
貸付が三十二
年度におきまして、七百六十七億という
貸付をしております。これは前年に比しまして百八十億、約二割三分の増でありまして、これは三十二
年度が特別の年であったということを示す数字でございます。内訳を申しますと、普通
貸付六百九十五億、約三割の増でございます。恩給
貸付六十四億、これは約二割増、そのほかに特殊のものとしまして、三十二
年度から、いわゆる引揚国債担保
貸付が始まりましたが、まだ初
年度でございまして、
手続その他が整いませんので、一億五千八百万円しか実績が上っておりません。三十二
年度末の
残高、この三月末でございますが、七百四十八億三千万円、これはやはり前年に比しまして百八十億、約二割五分の増加になっております。その内訳は、普通
貸付六百四十七億、これは三割以上の増加になっております。それから恩給
貸付六十三億、これはやはり三割近い増加になっております。引揚国債が先ほど申しました一億五千八百万円、こういうことになっております。
それから、その財源を申し上げます。これは借入金が、当初二百億でございますが、金融引き締めの影響で、
あとから七十億増していただきまして二百七十億、それに対しまして返済が八十二億でございましたので、ネットの増が百八十八億でございます。これに回収の五百八十五億を加えまして、先ほど申し上げました
貸付を執行したのでございます。
それから収入支出の点でございますが、これも三十一
年度よりは、
相当、収入支出はふくれておりまして、収入は五十八億、これもほとんど全部が
貸付利息でございます。支出は四十六億そのうち、
政府に支払いました
利息が二十六億、手数料が七億四千万、
業務諸費十二億、それから
昭和三十二
年度の初め、
償却をいたしまして、ごくわずかでありますが、二千三百万円の
償却をいたしまして、この結果、
償却前利益が約十二億、そのうち十一億四千万円を
償却の準備金に繰り入れまして、計上利益が五千八百万、これを
政府に納付したわけでございます。こういうわけで、三十二
年度は三十一
年度に比しまして非常に数字がふくれております。
次に三十三
年度、これは、まず上半期が済んだところでございますが、この原資は御
承知の
通り借入金が二百二十五億、それに対しまして、返済金が百二十五億でございますので、ネットの増が百十億、その上に、回収が約七百億ございますので、これを財源としまして八百四十二億、前年に比しまして七%
程度増の
貸し出しを計画してやったのでございます。ところが、今回ほんの最近でございますが、二十億の追加が決定されましたので、これによりまして八百七十一億の
貸付ができるというふうに思っております。その内訳を申し上げますと、普通
貸付が七百四十七億ばかり、恩給
貸付が七十八億、それから引揚国債が三十八億八千万、こういう
貸付ができると思っております。
なお本年に入りまして、
申し込みは、ずっと月によって移動がございますが、一割ないし一割五分というふうに、やはり前年に比しまして増しております。但しこれは、私
どもの支所の
窓口の数字でございまして、代理所と合せますと、大体一割ぐらいの増加が続いております。今度十一月、十二月、年末にどういう数字が出ますか、なかなか予測はできないのでございますが、昨年が御
承知の
通り、十月、十一月あたりは、前年に比しまして、非常に増加がひどかったのでございまして、十月が五割増、十一月が倍という
申し込みがございまして、そのために七十億の
資金の追加もいただいたのでございますが、本年は
資金事情から申せば、まず顕著な増もないと思いますが、しかしながら昨年
通りでは、ちょっとおさまらぬというふうなことで、どうしても昨年より一割か一割何分かの増ではなかろうかと思っておりました。ところが、ただいま申しました
通り約二十億の追加をいただきました。これで
資金の用意は昨年に比しまして、一割
程度余分な用意がございますので、何とか、これで年末が越せるのではないかというふうに考えております。ただし、もしも予想以上に
申し込みがふえました場合は、今回
政府が御決定になりました各
政府機関合計約三十億の追加財源がございまして、その三十億のうちから、第四四半期から繰り上げて使っていくということになっておりますが、この法律につきましては、まだ見通しがつきませんので、具体的に
政府と打ち合せをします段階に至ってない次第であります。
ただいま申し上げましたのが、三十一
年度決算、三十二
年度決算並びに三十三
年度のただいままでの、大体私
どもの
業務の概況でございます。