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佐藤国務大臣 今
年度の公共事業費等の第三・四半期までにおける支払
計画承認額を大体千七百十五億円と予定いたしたのであります。この予定額は、本
年度の公共事業費等の
予算総額の現額二千百三十八億円余に対しましては、八〇・二%となっております。前
年度同期までにおける支払
計画承認済額は、千二百八十四億円でございますから、これに対しましては四百三十億円余、前
年度の公共事業費等の
予算現額千九百六十五億に対する前
年度同期までの支払
計画承認の割合が六五・三でございますから、これに対しまして約一五%の増ということになっております。この一五%増を
計画したということでございます。支払
計画承認予定額に対しまして、八月末までの支払済額は、わずか三百九十六億、約四百億円でございます。この
支出済額は公共事業費等の
予算現額二千百三十八億円余に対しまして、一八・六%ということであります。前年同月までの
支出済額三百二十六億円余に対しまして七十億円の増加となっております。またこの
支出済額は前
年度の公共事業費等の
予算現額千九百六十五億円に対する
支出割合一六・六%に対しまして、二%の増ということになっております。この数字はただいま申し上げた
通りでございますが、問題は
計画として一五%増加し、そして実施の
状況から見まして、第四四半期なりあるいは来
年度の最初の期等において、何らかの手当を必要とするかどうか、こういう問題があるのでございます。最近特に台風
災害が各地に起っております。これらの
災害復旧工事等ともにらみ合せまして、ただいまの繰り上げ
使用の分に対します処置も、いろいろ考えておるという
状況でございます。
次に、小
災害に対するいわゆる単独起債に対する処置の問題でございます。この問題は今回各地に
災害が
発生し、二十八年並みにこれが処置をとつてくれという強い御要望のあることも伺っております。しかし二十八年の特別立法の結果、いろいろの弊害を生じたこともまた御
承知の
通りでございまして、補助金等の整理に関する
法律の趣旨から見ましても、あるいはまた補助金合理化法等の趣旨から見ましても、今回この小
災害に対しまして、これを処理する方法は、やはり起債の方法が最も適当ではないかと実は考えておるのであります。起債をいたしました場合に、元利償還等についてどういう財源からこれを処理していくかということで、ただいま研究をいたしておるという
状況でございます。罹災者の農民諸君の立場におきまして、これを二十八年同様の特別立法をいたしまして、いわゆる十万円以下三万円までの
災害を補助の対象に取り上げろというような御意見もあろうかと思いますけれども、これは二十八年の実際の処理等からいたしまして、まず困難なことである。小
災害についての調査その他の機能からいたしましてもこれは不十分でありまして、この種のことは現実にはなかなか行い得ないようなことのように私どもは考えております。その点から、ただいま申し上げましたように、町村においてこれを起債とする、いわゆる単独起債の方法でこういうものに対しても処置をする、その場合の元利償還の方法をいかにすべきかという問題でありますから、罹災者といたしましては、特別立法であることが特に
利益保護というわけでもないのではないか。あるいはこの元利償還の
政府の負担分を総理府令でその率を変えることによりまして、この罹災者に対する保護が十分にできるのではないかと思います。問題は、各町村におきましてこれを
交付税でまかなう、あるいは特別
交付税で支弁するという場合におきまして非常な問題が起る。あるいは
交付税の性格からしてこの種のものは困るというような御意見もあるのでございます。しかしすでに御
承知のように、一般起債に対しましてはこの
交付税によりまして元利償還を支給しておる。この処置は御
承知の
通りでございます。この
考え方からいたしますと、今回十万円以下の小
災害に対しましても、特別の元利償還の道を考えろというお話になって参りますと、一般起債に対する元利償還の方法と同様の方法をとることが望ましいのではないか。
交付税の元利償還の数が非常にふえまして、
交付税でまかなうだけでは不適当だというような場合におきましては、もちろん
予算的にも考えてその財源を確保することが実は望ましいのではないか。私どもの研究の結果を申しますと、補助金等合理化法といいますか、この
法律の精神からいたしましても、この扱い方はなかなかむずかしいものじゃないが。問題は罹災者に対しまして十分の保護、補助ができるような道を講ずる。町村と中央
政府との
関係は別途の問題として、この財源確保の方法を講ずることが望ましいのではないか、こういうような
考え方をいたしております。しかし、まだこの点は最終的な
決定をしておるという報告は聞いておりません。従いまして、この
災害に対しましては、これを直接中央の補助の対象とするという御意見は、ただいまのところはないようでございますので、小
災害に対しては起債によってこれをまかなっていく。そうしてこの起債の跡始末をいかに処置するかというところに議論が詰まってきておるように思いますので、そういう意味でもう少し十分研究してみたいと思います。しかし、ただいままで私が考えております大蔵当局の
考え方は、ただいま申し上げた
通りでございます。
次に、この起債につきまして、
災害に対して一〇〇%の起債を認めろ、初
年度はともかくとして、次
年度等においてなかなか起債が思うようにできなくて、そのために
災害復旧に非常に支障を来たすのではないかという御心配、これは過去におきましても、そういう事例はあったかと思います。今回におきましても、この起債のワクについては十分検討いたしまして、
災害復旧に支障のないようには最善の努力をするつもりでございます。しかし起債も、これがなかなか——
災害の面から見れば一〇〇%という御意見も出て参りますが、同時に地方の負担もございます。そういう意味で、特に
災害のはなはだしい地域において、また町村の財政状態等を勘案して、こういう地域に対しての一〇〇%起債は、私どもももちろん承認しておるところでございます。またこの起債そのものが
災害復旧のために必要な起債である、かように考えて参りますれば、次
年度においてさらにその起債のワクを縮小する、従って
災害復旧に支障を来たす、もちろんこういうようなことはさせるつもりはございません。ただいまのお話では、その趣旨はよくわかる、わかるが、
政府の話し合いなりあるいは声明なりでは、どうもうまくいかないじゃないか、これを
閣議決定したらどうかという点に、特に重点があったかと思います。必要があれば、
閣議決定することに別にやぶさかではございませんが、私どもはただいま申し上げるような趣旨からいたしまして、特に
閣議決定を必要とする事項ではないのじゃないか、実はかように考えておる次第でございます。