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川崎(秀)
委員 文部大臣がおられませんので、政務次官にお尋ねをいたしたいと思います。
八月の半ば過ぎであったと記憶いたしますが、たまたま国立競技場の
評議員会が新たに構成されまして、私はわが党の幹事長川島正次郎君並びに社会党の書記長の淺沼稻次郎氏とともに、新たに
国会を
代表しまして
評議員に就任をしたのであります。その際国立競技場の明年度の予算あるいは
文部省関係の
スポーツ振興費の問題が爼上に上りましたときに、文部大臣も御列席ではありましたが、発言をいたしまして、明年
スポーツ振興のために相当の額を計上すべきであって、従来のような消極的な政策ではいけない。ことに
アジア大会において
日本が非常な成功をおさめて、近くは第十八回のオリンピック
大会も東京都で開催される国際的機運が濃厚になったときに、
スポーツ振興の政策が消極的であってはならぬ。この際国は本腰を入れて乗り出すべきであることを強調いたしたことを記憶しております。その際に、私が特に申し上げたことは、かような
スポーツの明るい面、あるいは政策的に振興しなければならぬ要索があるにもかかわらず、近年非常に残念なのは、私どもの耳にオリンピック協会の非常な
会計上の不始末が伝えられておる。これはオリンピック協会を編成した当時にも、そういう不始末がないようにという発言を私はしたことがありますが、不幸にもこのことが的中いたしまして、先ほど
原田憲君からの質問の中に、私初め柳田秀一君あるいは櫻内義雄君、田原春次君四名はオリンピック協会の
理事であるというふうに言明もあった
通り、たしか
理事の就任を求められたことがあるようであります。もっとも
理事というのは非常に膨大な数であって、実際の実務はほとんど
常務理事がやっておったように聞いております。私はその国立競技場の
評議員会が催されたときにも申したのですが、一回も
理事会の招集というものは受けておらぬ。ましてやあってなきがごときものがオリンピック協会であるということも指摘しまして、早くもこの事件についての不吉な予感を予告しておったような形があったのであります。しかし私はこの質問をするに当りまして、先ほど来いろいろな御論議がありましたことは、実際非常に核心をついておる点もあると思いますが、一体この
責任というものはどこに欠陥があったのかということを突き詰めて、将来このようなことのないようにすることが今度の文教
委員会が取り上げた趣意であろうと思うのであります。党派は違いますけれども、社会党の方々もそこに重点を置いての御質問であって、決してこれが政略的な意味で質問をされておるものだとは考えない。従ってぜひこの際究明しておきたいことは、
文部省はやはりかような所轄
団体に
関係のあるもの、すなわち監督をしなければならぬ
体育協会と密接不離、いわばオリンピック協会と
体協というものは表裏一体の形で過去六、七年
募金運動をやってきたわけです。従って
体協会長は今度の事件に関する限り直接
関係はないし、不始末もないように聞いております。これは調べてみないとわからぬけれども、そのようであります。しかし今後わが国でのオリンピックないしは
スポーツを振興する場合において、
文部省は今日までのような形で
募金計画をすることがよいのかどうか、すなわち
責任のある機関を設置してこれに代替せしめるとか、あるいはもっと幅を広げて国庫の
補助を大幅に増額をして、いわゆる民間の零細な金を集めるにしても、それは
責任ある
団体がしなければならぬ。今日のような不始末はやはり文部行政にも若干の欠陥があったということを指摘しなければならぬ。われわれは何もこういう汚職そのものには
関係がないけれども、それでも
スポーツに広い
関係を持っておる当事者として反省をしておるものであります。私に反省がある以上は、やはり東
会長にも反省があり、また
藤山愛一郎氏は直接の所管者であるから、一そうの反省があってしかるべきだ、そういう見地からお尋ねをするのでありますが、一体、オリンピックの
募金運動とか、あるいは
スポーツ振興に当っての方途について、
文部省は今後どういう方策で進められていこうとするのか、国はどういう
責任を持とうとしておられるのか、まず根本の観念から一つ伺ってみたいと思うのであります。