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灘尾国務大臣 このたび
政府から
提出いたしました
学校教育法等の一部を改正する
法律案につきまして、その提案の理由及び内容の
概要を御
説明申し上げます。
この
法律案は、
学校教育法につきまして、専科
大学制度を新設し、また
高等学校の定時制課程及び通信教育課程と技能
教育施設との連係をはかるため所要の規定を設けるとともに特殊教育
関係の規定等を整備し、また
国立学校設置法につきまして、
国立学校における
授業料の減免に関する規定を設けることとしたものであります。
まず、
学校教育法の改正といたしましては、第一に新たに専科
大学の制度を設けたことであります。
わが国の高等教育機関としては、四年制の
大学のほかに、修業年限二年または三年の短期
大学がありますが、これは発足当初の経緯もあり、暫定的な制度として認められたものであって、性格も明確を欠くきらいがありましたので、その改善は各方面から久しく
要望されてきたところであります。
政府におきましては、このことについて、中央教育審議会を初め、各方面の意見を聞いて慎重に検討しました結果、このたび、新たに恒久的な専科
大学の制度を設けることとし、従来の短期
大学は昭和三十四年三月三十一日までに認可されたものに限り、当分の間、存続できることとし、それ以後は、短期
大学の新設は認めないことにいたしました。
専科
大学は、深く専門の学芸を教授研究し、職業または実際生活に必要な能力を育成することを目的とし、四年制の
大学とはその目的、性格を異にするものであります。
修業年限は、
高等学校卒業程度を入学資格とするものは、短期
大学と同様二年または三年でありますが、一貫して充実した教育を施す必要がある場合には、
中学校卒業程度を入学資格とする修業年限五年または六年の専科
大学の制度をも認めることにいたしました。この制度は、産業界その他から
要望されている充実した中級技術者の養成にも大きな役割を果し得るものと信ずるのであります。
なお、専科
大学は、一年の準備期間をおいて昭和三十五年度から設置できることにしております。
第二は、
高等学校の定時制課程および通信教育課程と技能教育のための
施設との連係をはかったことであります。
高等学校の定時制課程または通信教育課程に在学する
生徒が、
学校以外の技能教育のための
施設において、
高等学校と同程度の教育を受けております場合には、
生徒は、二重の負担を負うことになり、保健上からも適当でなく、また教育上も能率的ではありません。そこで、技能
教育施設における学習を
高等学校における教科の一部の履修とみなすことにより、その相互の連係を密にし、
生徒の生活の実態に即した効果的な教育方法を制度化いたしまして、科学技術教育の振興に資することといたしたのであります。
第三は、特殊教育に関する規定を整備いたしたことであります。すなわち、現在、盲
学校、ろう
学校および養護
学校の幼稚部及び高等部は、単独には設置できないこととなっておりますが、
関係者の
要望もあり、また特殊教育振興の見地からいたしまして、特別の必要がある場合には、これらの部をそれぞれ単独に設置し得る道を開き、さらに、特殊学級の対象となる
児童生徒の種類につきまして、教育上及び実際上の見地から現行の規定を整備いたしましたほか、盲
学校、ろう
学校および養護
学校に就学すべき者の範囲を政令で明らかにする等の
措置を講じたのであります。
以上の諸点のほか、
学校教育法につきましては、就学義務に関する規定等に所要の整備を行なっております。
次に
国立学校設置法の一部改正でございますが、これは、
国立学校における
授業料の減免について、財政法及び国の債権の管理等に関する
法律との
関係もありますので、これを明確に規定することといたしたものであります。
次に
学校教育法等の一部を改正する
法律の施行に伴う
関係法律の
整理等に関する
法律案について、その提案理由及び内容の
概要を御
説明申し上げます。
この
法律案は、
学校教育法の一部改正による専科
大学の制度の新設に伴い、各
関係法律に所要の改正を加えたものであります。
内容のおもなものを御
説明申し上げますと、第一に、教育公務員特例法の一部を改正しまして、国
公立専科
大学の学長及び教員の身分取扱いについては一個の学部を置く
大学の学長及び教員の例によるものとしたことであります。ただし、国
公立専科
大学の前期の課程を担当する教員の身分取扱いについては
大学附置の
学校の教員の例によるものといたしました。
第二に、教育職員免許法等の一部を改正しまして、専科
大学の前期の課程を担当する教員は原則として
高等学校教員の免許状を必要とするものとしたことであります。ただし、必要があるときは免許状を有しない教授等が授与権者の許可を受けて前期の課程を担当する教諭または前期課程講師となることができるものといたしました。
また、専科
大学において所要単位を修得した者には免許状を授与することができるものとしております。
第三に、一般職の職員の給与に関する
法律の一部を改正しまして、
国立専科大等の学長及び教員の給与については
国立大学の学長及び教員の例によるものとしたことであります。ただし、
国立専科
大学の前期の課程を担当する教員の給与については
国立高等学校の教員の例によるものといたしました。
第四に、産業教育振興法等の一部を改正しまして、専科
大学の前期の課程については
高等学校に準じてその教育の振興をはかるための補助等を行うことにしたことであります。
第五に、装蹄師法等の一部を改正しまして、短期
大学卒業程度または
高等学校卒業程度を資格要件とする資格規定に、専科
大学の卒業者または専科
大学の前期の課程の修了者を加えたことであります。
その他
学校教育法の一部改正による規定の整備に伴い、
関係法律の所要の規定の整備を行いました。
以上が、今回御審議を願います両
法律案の提案理由及び内要の
概要であります。
何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成下さるようお願い申し上げます。