○小沢(貞)
委員 午前中に
経営委員のメンバーのかわった二人についてお聞きして、私はその経歴を拝見したわけです。阿部さんは評論家ということで、私は知らないのですがこの前
社会党が任命のとき反対したというが、この人は別としましても、三輪さんは興和紡績
会長、それから今度任命された八木さんはデパートの社長なんだそうです。それから四国
代表の佐々木さんは伊予鉄道の取締役、村上さんは井筒屋デパートの
会長、伊藤さんは伊藤組
会長、こういうことで、取締役だ
会長だ社長だという人が大部分で、そうでない人は阿部さんと今度任命された岩本さんの二人だけという格好になると私は思う。たった八人ばかりのうちの五人も六人もが社長だ取締役だ
会長だ、こういうことは私は今の社会情勢を考えてみるとはなはだ公平を欠くように考えるわけです。そういう点からも、先ほど
松前さんが言われたように、労働者の利益
代表という言葉はおかしいと思いますが、労働階級からも適当に
選任しなければならない、こういうように感ずるわけなんです。
放送法の第一条ですか、不偏不党でなければならないということがうたわれておりますけれ
ども、今度の
放送法の改正で一番大きなことは、四十四条の「公安及び善良な風俗」、この善良な風俗ということを入れたがために以下たくさんのむずかしいことが列挙されて新しい
改正案が提案されたと思うのです。善良な風俗という言葉が非常に問題だと思うのです。おそらく今の五名だか六名の社長、
会長、取締役、重役というような人は、デモが行われたり何かするようなことは善良な風俗とは見ないような
立場の人が多いだろうと思うのです。私
たちの
立場から考えればこれは善良なる風俗だと思うのですが、そういう社長、
会長、取締役というような人はそう見たがらない、こういうことだと思う。今の社会はどう分析しようとも階級対立の社会です。資本家階級対労働者階級というのですか、支配者階級対被支配者階級というのですか、治者対被治者というのですか、政治的にいえば階級政党としての自由民主党と階級政党としての
社会党、こういう対立の社会なんです。従って、片方のものだけの
立場を
代表する人だけを任命することが果して妥当であるかどうかということは、理論的にも明らかなことだと思う。そこで地区
代表八名、これは地域的な
関係もあってよかろうと思うのですが、先ほど
松前さんが言われたように、十六条の「
教育、
文化、
科学、
産業」この四つのほかに地域
代表ということしかうたわれていないわけです。私は階級的な
考え方も入れなければ、公平妥当、不偏不党の
放送をやる
協会を運営するということにはいかないと思う。これは理論的に考えても明らかだと思う。ですからこの際四名の全国区ですか、新しく任命する人はそういう
立場から全部任命してもまだ数が足りない、こういうふうに考えるのですが、その点はどうですか。
それからいま
一つの事務的なことですが、この改正によって、今までの
経営委員は総改選になるのですかどうですか。そういう点をお尋ねしたいのです。