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1958-10-29 第30回国会 衆議院 建設委員会 第8号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十三年十月二十九日(水曜日) 午前十時五十一分
開議
出席委員
委員長
堀川
恭平君
理事
木村 守江君
理事
佐藤虎次郎
君
理事
二階堂 進君
理事
南 好雄君
理事
上林與市郎
君
理事
三鍋 義三君 逢澤 寛君 井原
岸高
君
大久保武雄
君
川崎
末五郎君 砂原 格君
永田
亮一
君 橋本 正之君 石川 次夫君 兒玉 末男君 東海林 稔君 塚本 三郎君 武藤
武雄
君
山中
吾郎君
山中日露史
君
出席政府委員
総理府事務官
(
首都圏整備委
員会事務局長
)
樺山
俊夫
君
建設政務次官
徳安
實藏
君
委員外
の
出席者
総理府事務官
(
首都圏整備委
員会事務局計画
第一
部長
) 水野 岑君
総理府事務官
(
首都圏整備委
員会事務局計画
第二
部長
) 石塚 久司君
建設事務官
(
計画局都市計
画課長
) 小林 忠雄君 専 門 員 山口
乾治
君
—————————————
十月二十九日
委員松澤雄藏
君
辞任
につき、その
補欠
として永
田亮一
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同日
委員永田亮一
君
辞任
につき、その
補欠
として松
澤雄藏
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。
—————————————
十月二十五日 愛知県の
災害復旧
に関する
請願
(
早稻田柳右エ
門君
紹介
)(第一〇二七号)
名神高速自動車道路建設用地補償
に関する
請願
(
早稻田柳右エ門
君
紹介
)(第一〇二八号)
国道
二十二号線一宮、
名古屋間補助道路新設
に 関する
請願
(
早稻田柳右エ門
君
紹介
)(第一〇 二九号)
県道瀬戸大府横須賀線拡張
に関する
請願
(
早稻
田柳右エ門
君
紹介
)(第一〇三〇号)
災害復旧促進法
の制定に関する
請願
(
羽田武嗣
郎君
紹介
)(第一〇三一号) 同(
小川平二
君
紹介
)(第一一〇八号) 同(
原茂
君
紹介
)(第一一〇九号)
中央自動車道
の
早期実現
に関する
請願
(
羽田武
嗣郎君
紹介
)(第一〇三二号) 同(
小川平二
君
紹介
)(第一一一〇号) 同(
原茂
君
紹介
)(第一一一一号) 沼津、
三島間国道
一号線の副
線建設
に関する請 願(
久保田豊
君外二名
紹介
)(第一一一三号) 盛岡市
近郊国道
四号線切替えに関する
請願
(山 本猛夫君
紹介
)(第一一七七号) の
審査
を本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
参考人出頭要求
に関する件
首都圏
の
既成市街地
における
工業等
の
制限
に関 する
法律案
(
内閣提出
第三〇号)(予) ————◇—————
堀川恭平
1
○
堀川委員長
これより
会議
を開きます。
首都圏
の正
既成市街地
における
工業等
の
制限
に関する
法律案
を議題として
審査
を進めます。 この際お諮りいたします。本案につきまして、
参考人
の
出炭席
を求め、意見を聴取いたしたいと思いますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
堀川恭平
2
○
堀川委員長
御
異議
なしと認め、さよう決しました。 なお
参考人
の氏名、員数及び日時につきましては、
委員長
に御一任願いたいと思いますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
堀川恭平
3
○
堀川委員長
御
異議
なしと認め、さよう取り計らいます。
—————————————
堀川恭平
4
○
堀川委員長
次に、
首都圏整備委員会事務局長樺山俊夫
君より発言を求められておりますので、これを許すことにいたします。
樺山局長
。
樺山俊夫
5
○
樺山政府委員
お手元に差し上げてございます
資料
につきまして、ちょっと
説明
をさせていただきたいと思います。 まず第一は「
首都圏基本計画
並びに
整備計画
の
概要
」という
刷り
ものを差し上げてございます。これには、
首都圏整備計画
の基本的な
考え方
並びに
基本計画
と、十カ年間の
整備計画
を摘要してございます。
首都圏整備
の基本的な
考え方
といたしましては、
昭和
三十一年の八月三十一日に、
首都圏整備審議会
に諮問をいたしまして、
基本計画
が決定をされておるのでございます。それで、その
基本計画
のごく骨組みだけを申し上げたいと存じますが、
東京
を
中心
として半径約百キロの円を描きました
区域
を
首都圏
の
区域
といたしております。それで、その
区域
に入りますのは、
東京
都並びに七県の範囲でございまして、その
首都圏
の
区域
内において
三つ
の
地域
に分けまして、その第一に、
既成市街地
という概念で規定されております
区域
を分けたのでございます。
既成市街地
は、先般の法案の
説明
でも出し上げました
通り
に、
東京
都の特別区、
武蔵野
市、
三鷹
市、
横浜
市、
川崎
市及び
川口
市を
既成市街地
というふうにきめておりまして、その
外側
に
近郊地帯
を設けまして、さらにその
外側
の
周辺地域
を分け、この
三つ
の
地帯
に分けまして
整備
の
計画
を定めるという
基本構想
になっておるのでございます。 まず、
最初
に
既成市街地
につきましては、
昭和
五十年を目途といたしまして、
昭和
五十年の
人口
を、千百六十万人にまとめ上げるというのが、この
首都圏整備
の
考え方
のスタートでございます。この千百六十万人という数学は、
既成市街地
の
適正収容人口
を
想定
して定めたものでございます。それから、この
既成市街地
の中におきまして、
人口
を自然の
推移
のままに放置いたしますと、
昭和
五十年になりさよすと千四百三十万人になることが
想定
されておるのでございます。その差であります二百七十万人というものが出て参りまして、この二百七十万人を、
周辺地
において
市街地開発区域
を設定し
整備
して、そこに出定着させるようにいたしたい、こういうのが
構想
の第二の大きなねらいでございます。ただいま申しましたように、
既成市街地
におきましては、
人口
の
増加
を
最小限度
に抑制をいたしまして、そうしてその上に立ちまして、
既成市街地
の中における現在の
居住環境
の
悪化
でありますとか、あるいは
都市施設
の不備をこの際
整備
をしていくということと相待ちまして、
既成市街地
を
整備
していくという
考え方
と、いま
一つ
は、
周辺地域
におきまして、
市街地開発区域
を
整備
いたしまして、そこに
人口
を吸収いたしまして定着させるというのが大きなねらいでございます。そういった
構想
に基きまして、十カ年の
整備計画
を作りまして、
先ほど
申しましたような
既成市街地
の中におきまする諸
施設
の
整備
をいたすということと同時に、
周辺地域
におきまして、
市街地開発区域
を作りまして、それを
整備
して参るという
事業
を各
事業別
に定めておるのでございます。それらの具体的な項目は、この
刷り
ものの中に
説明
を申し上げておりますし、また別の
資料
といたしまして、
昭和
三十二、三十三、三十四年度
首都圏整備事業費一覧表
というのを差し上げてございます。これは、
首都圏全域
につきまして、
先ほど
申しましたような
構想
に関連をいたしまして、
重要連絡幹線道路網
を設定をいたしまして、
既成市街地
並びに
市街地開発区域
の問の
道路
、ないしは
市街地開発区域相互
間の
道路
の
整備
をいたすという
事業
をいたしておりますのと、第一には、
既成市街地
の
整備
に関する諸
事業
をいたすという
考え方
、並びに第三は、
市街地開発区域
の
整備
に関します
事業
、この
三つ
を遂行いたしております
状況
を、ここに
事業費一覧表
として差し上げてございます。
昭和
三十二年、三十三年は、その実績を掲げてありまして、三十四年度は、
計画
といたしまして目下予算を要求しております
数字
をここにあげてございます。以上で
基本計画
並びに
整備計画
の
概要
、それに関連いたしまして、
整備事業費
の
一覧表
につきまして簡単に御
説明
を申し上げました。 次は、
法律案
に関しまする
参考資料
といたしまして差し上げてあるこの白い表紙の方でございますが、その一
ページ
に出ております
統計
は、
人口集中
の
状況
でございまして、これは、
東京
都の
区部
の
人口
の
推移
を、
昭和
五年から三十二年までの間とりました
数字
でございます。それによりますと、二十七年以後の例を見ましても、三十二年までの間におきまして、毎年約二十万から二十六万の
増加
を見ておるのでございます。 それからその次のベージには、
東京
都の戦後
人口推移
における
社会増
と
自然増
の
区分け
を書いてございまして、この中で、右の方の欄に
増加内訳
といたしまして、
社会増
と
自然増
とに分けてございますが、それを
ごらん
いただきますと、大体
平均
いたしまして、
人口増加
の中で、
社会増
が七割でございまして、
自然増
が三割という
数字
になっておるのでございます。 それから第三表は、各
都市
の戦後
人口
の
推移
でございまして、
東京
都の
区部
、
武蔵野
市、
三鷹
市、
横浜
市、
川崎
市、
川口
市、この
既成市街地
につきまして、
昭和
二十五年から三十二年までの間におきまする
人口
の
推移
をここにあげてございます。これを
ごらん
いただきましてもわかりますように、
東京
都の
区部
、
武蔵野
市、
三鷹
市という
地域
におきまする
人口
の
増加
が非常に著しいという
数字
が出ておるのでございます。 それから第四表は、
東京
都における
人口
の
社会増
の
内訳
でございまして、その(イ)が
職業別
の
転入者
の数であります。これで
ごらん
いただきますと、
最後
から
四つ目
に
工業労務者
という欄がございまして、これが三十一年度の
割合
が一七%ということになっておりまして、
社会増
の
内訳
の中で、
工業労務者
の
増加
の
割合
が一番大きな
割合
を占めておるのでございます。それからその一番
最後
に
無職業者
という欄がございますが、これは、注にも書いてございますように、
無職業者
は、
一般家庭
の
子女等
で、
職業
のない者、たとえば
大学
生、中
学生
、小
学生
、
幼稚園園児等
を
無職業者
としてあげて、これは、
相当数
が多いのでございますが、そういう
内容
でございます。 それから次の五
ページ
の表といたしましては、
社会増
の
職業別
の
内訳
でございまして、これは、
転入者
から
転出者
を差し引きました
数字
につきまして、
社会増
の
職業別
の
内訳
を書いてございます。これで
ごらん
になりましても、
先ほど
と同じように、
最後
から
四つ目
の
工業労務者
の
割合
が、
昭和
二十六年におきましては一二・五%、三十一年度では一八・四%という一番高い率になっておるのでございます。一番
最後
の
無職業者
は、
先ほど
申し上げましたようなものを指さしております。 それからその次の
社会増
の
理由別
の
内訳
でございまして、この中で特に日立ちますものは、何と申しましても就職、転職のために入って参ります者、これが四〇%を占めております。それからその次が就学、退学、停学、転校のための
転入者
が一五・六%でございまして、これが第二位を占めておるのでございます。 それからその次の七
ページ
の表は、ただいま申し上げました
転入者
と
転出者
の
理由別
の表を図で表わしましたもの一でございます。 それから八
ページ
の六大っ
都市
の
人口推移
、これは、御
参考
といたしまして
東京
都並びに
全国
の
大都市
の
人口推移
の
状況
を、ここにあげてございます。 それから(6)の
既成市街地
各
都市
の
適正収容人口
、これを一番
最初
に申し上げました
首都圏構想
の
言掛基本
といたしまして、
適正収容人口
の
想定
をいたしておるのでございますが、その
想定
の
内容
をここにあげてございます。
昭和
三十年と
昭和
四十一年、
昭和
五十年と
三つ
に分けまして、ここに掲げてございます。 それから九
ページ
の
意座業
の
集中状況
でございます。これは、銀行の
預金額
、
貸出額
につきまして、
全国
において
東京
が占める率をここに出してございます。
預金
におきましては、
東京
が
全国
の三〇・八%を占めておりまするし、貸し出しにおきましては、三六%を占めております。 そての次の
生産所得額
、
貿易額
につきましても、やはり同じく
全国
の中における
東京
都の
比率
を出しております。これも、
輸出貿易
につきましては三六%、
輸入貿易
につきましては五八%という高い率を占めております。 それから次の
ページ
は
会社資本金
でございまして、これは、
昭和
二十九年におきまして、
東京
都は
全国
の四二・五%の
比率
を占めております。 それから(4)の
国民所得
につきましては、これは、
昭和
二十八年の
統計
でございますが、
東京
の占めます
比率
は一七・二%でございます。 それから次の
ページ
の
人口
と
産業
の
過度集中
による弊害でございます。その第一といたしまして、
住宅関係
でございます。
住宅関関係
におきましては、
東京
都におきまして、
最後
から
二つ目
の欄に
充足率
という欄がありますが、
東京
都は七七%の
充足率
でございまして、他の
大都市
と
比ベ
ますと、一番低い
充足率
を占めております。従いまして、七七%の
充足率
でございますから、
不足率
が二三%という高い率を占めております。たとえば
大阪
と比べますと、
大阪
の
充足率
は八四%でございますから、
不足率
が一六%でございます。従いまして、
大阪
と比べますと、
東京
は、五割
方不足率
が高い、こういう表でございます。 それから第二番目は、
教育施設
でございます。これは、
小学校
、
中学校
の
義務教育施設
についての
統計
でございます。これも、
最後
の
充足率
の欄で
ごらん
いただくとわかるのでございますが、
全国
が
小学校
におきましては九七%、
中学校
では九八%という
充足率
を示しておるのに対しまして、
東京
都の
区部
では、
小学校
で八七%、
中学校
で九〇%という、
全国
の
比率
から相当低い
充足率
でございます。 それから(3)は
交通関係
でございます。これは、
東京都心
の四駅の
国電
の
乗車人員
を調べたのでございまして、この表で
ごらん
いただきますことは、主としてラッシュ時におきまして、
定員
の約三倍の
人員
を
輸送
しておるという結果が出て参るのでございます。 それからその次は、
上水道
の
関係
でございまして、
東京
都の
区部
におきます
上水道
の
普及状況
は八一%でございまして、
世界
の主要郡市はすべて一〇〇%の
普及率
を示しておりますのに
比ベ
まして、非常に立ちおくれておるという
状況
でございます。従いまして、
給水量
を引き上げたり、あるいは
普及率
を向上させる必要が非常にあるわけでございます。ただ水源問題が非常に解決の困難な問題でございまして、
上水道
につきましても、いろいろ困難な問題がたくさんあるのでございます。 それからその次の(5)といたしましては、
下水道
の
関係
でございます。
下水道
の
布設状況
は、
面積
の
比率
で申しますと、
区部
は約二〇%にすぎないのでありまして、従いまして、御承知の
通り
に、
市街地
の雨水、汚水の
排水状況
が非常に悪いのでございます。従いまして、
住居環境
が非常に不潔になり、また水路、河川の汚濁が非常にはなはだしいのでございまして、
都市環境
が著しく
悪化
をしておるという
状況
でございます。 それからその次は、六番目でございますが、これは、
世界
の
主要都市
の
公園緑地面積
の
比率
を出してございまして、
世界
の
大都市
に比べまして、
公園緑地
の
都市面積
に対しますパーセンテージを見ますと、たとえばロンドンでは一一%でございますが、それに比べまして、
東京
都は一・四五%という非常に低い
比率
を示しております。また
人口
一人
当り
の
公園緑地
の
面積
といたしましても、
東京
都は一人
当り
が〇・三九坪でありまして、
世界
の各
大都市
と比べますと、きわめて見劣りがしておるという
状況
でございます。 それから七番目は、
都市面積
に対する
道路面積比率
の
各国主要都市
の比較でございまして、
東京
都は九・五%という、これまた非常に低い率でございます。ワシントンは四三%、ニューヨークが三五%というふうに、諸外国におきましては、非常に高い
比率
を保っておるのでございます。 それからその次の半
ぺらの紙
でございますが、これは、
市街地開発区域
の
配置図
をここにお配りしておいたわけでございまして、ここにございますように、黒い線でくまどりました
地域
が、現在すでに
指定
が済み、あるいは近く
指定
をしようという
開発
の
区域
を示しております。それから白い線で囲いましたところは、
明年度
におきまして
開発
を促進したいという
候補地
でございます。それらの
整備進捗状況
並びに
明年度
の
計画
につきましては、
先ほど
御
説明
申し上げました
事業費
の
一覧表
に、詳しく
数字
を掲げてございますので、そちらで
ごらん
をいただきたいと存じます。 それからその次は、
工業
の
実態
でございまして、その第一は、
東京都区部
における
工業
の
全国
的な
地位
を示す
統計
を掲げております。 それから第二は、
東京
都における
工場数
、
従業者数
の
推移
でございまして、これは、五人以上の
工場
につきまして、
昭和
八年から
昭和
二十九年までの間の
推移
をここに掲げております。 それから、その次の
ページ
の三は、
東京
都の
区部
における
規模別工場数
、
従業者数
の
推移
でございます。これは、全
工場
につきまして見た
数字
でございます。これによりますと、一番
最後
の欄にございますが、
昭和
二十六年から二十九年までの間におきます
平均
の
増加数
といたしましては、総数におきまして、
従業者
が毎年約五万五千ふえておる、
事業所
の数が二千六百ふえておるという
数字
になっております。それを九十九人以下と百人以上に分けますと、ここに出ておりますような
数字
に
区分け
をされるわけでございます。 それから四番目といたしましては、
業種別
、
開設年別工場数
でございます。これは、
東京
都の
全域
についてとりましたのでございますが、その(イ)は、
従業者
三十人以上九十九人までの
工場
につきまして、
数字
を掲げてございます。それから(ロ)といたしましては、次の
ページ
でございますが、この
法律
で
想定
しております
従業者
百人以上の
工場
の
開設
の
状況
でございます。これは、一番
最後
の
合計欄
を
ごらん
いただきますと、百二十四という数になっておりまして、二十六年から三十年の間の五カ年の間に、百二十四の
工場
が新しく
開設
をされたことになっております。その中で、比較的
数字
が多いものといたしましては、
食料品製造業
でありますとか、
出版印刷業
でありますとか、
電気機械器具製造業
、
機械器具製造業
、
輸送
川の
機械器具
の
製造業
、こういったものが相当大きな率を占めております。 それからその次は、
大学
の
実態
でございまして、その第一が、
東京
都における
大学数
及び
学生数
の
推移
でございます。これは、
昭和
二十七年から三十一年までの五カ年について
統計
を出しておりまして、大体年
平均
いたしまして約一万五千人の
大学
の
学生
が
増加
をしておるという
数字
になっております。 それから(2)は、
東京都区部
における
大学
、短期
大学
の
学生数
にしぼりまして、ここに
数字
を出しております。 それから(3)は、
東京
都の
全国
に占める
地位
でございます。
昭和
三十一年度の
統計
によりますと、
大学
におきましては、
学校数
において
全国
の三四・二%という
比率
を占めておりますし、
学生
の数は、四六%という
比率
を占めておるのでございます。 次のぺ一ジの(4)は、最近における
学校
及び
学生
の
増加
の
状況
でございます。これは、二十七年から三十一年までの問の
統計
をとったものでございます。 その次は、
各種学校
の
実態
でございまして、その第一が、
各種学校
の
生徒数
の
推移
でございます。ここにありますようなことで、年々相当な
増加
を見ておるのでございます。
最後
の
各種学校
の
学校数
及び
生徒数
、これも、
ごらん
いただけばすぐわかる
数字
でございまして、相当な数が
増加
をしておるのでございます。 それから、もう
一つ
の同じような
資料
で、
参考資料II
という
資料
がございます。それについて御
説明
申し上げます。 その第一が、
東京
都及び
区部
における将来
人口
の
推定
でございます。
首都圏
の
構想
が将来の
人口
の
推移
、あるいはまた
適正収容人口
という基本的なものから出発しておりますために、将来の
人口
の
推移
がどういうふうに
推定
されておるかという
資料
といたしまして、厚生省の
人口問題研究所
で
推定
した
数字
をここにあげておるのでございます。それによりますと、
東京
都の
区部
におきましては、
武蔵野
、
三鷹
を含みまして、
昭和
五十年には千二百二十八万人という
数字
に
推定
をされておるのでございます。 その次の
ページ
は、
転入者
前
住地調
でございまして、
東京
に
転入
をして参ります者がどこから入ってくるかという
数字
でございますが、これによりますと、一番
最初
にまるじるしで書いてございますのは、いわゆる
首都圏
の中から
東京
都に入ってくる分でございまして、これが全体の
割合
の四一%を占めております。その次の新潟から宮城に至る欄にございますものが、
首都圏
の
周辺
から入ってくる分でございまして、これが二三・四%という
数字
でございます。従いまして、
首都圏
の中から
東京
都に入ってくる者、あるいは
首都圏
の
周辺
から
東京
に入って参ります者が全体の約六五%という数になっておる、こういう
数字
が出ておるのでございます。 その次の(3)といたしましては、
東京都区部
における
市街地
の
膨張状況
を
発展図
によってここに差し上げてございます。明治十三年から
昭和
二十八平までの間における
発展
の地図をこれで
ごらん
をいただきたいと思います。 次の(4)といたしましては、
交通飽和地点
の
増加表
でございます。
交通条件
が非常に
悪化
をいたしておる
資料
として、
先ほど
は
国電
の
状況
について表をお出ししたのでございますが、ここではいわゆる
道路交通
、
自動車交通
の、面から、非常に
交通条件
が
悪化
しておるという
資料
といたしまして差し上げてございます。これは、大体一日の
交通量
が一
交差点
で三万台以上あります場所をここに掲げておるのでございまして、
昭和
三十二年の十月に調べましたところでは、
山交差点交通
で一日三万台以上の
自動車
が通っております
交差点
の数が四十七でございます。これは、二十八年から三十二年までずっと間隔を置きまして
統計
をとってございますが、それを比較していただきますと、逐年これが
増加
をしております
状況
がおわかりいただけると思うのでございます。これらの点につきましては、
既成市街地
の
整備
の問題といたしまして、あるいは
立体交差
の問題でありますとか、こういった問題とすぐつながって参ります問題でございます。 それから
東京
を
中心
とする
交通機関別年間輸送人員
でございまして、これは、
先ほど
の
資料
で
国電
につきまして御
説明
を申し上げましたような問題につきまして、
国電
、私鉄、都電、地下鉄、バス、こういったものにつきまして
輸送人員
を調べた
数字
でございます。大体概算をいたしますと、やはり
定員
の二倍半から三倍というものを
輸送
しておるという結論が出てくるのではないかというふうに考えております。 それから
国鉄線
の
乗車効率
でございますが、これは、主として
国鉄
の
中央線
、
京浜線
、
山手線
、
総武鉄道等
につきまして、二時間帯の
平均
をとりました
数字
がここに出ておりまして、やはりこの
数字
も、二五〇%
内外
を上下をしておるという
状況
でございます。(b)は、
各線別乗車効率
でございまして、大体二五〇%から三〇〇%という
数字
がここに出て参っております。 それからその次は、
国鉄線
の
各線別
時間
帯輸送量
の
変動形態
でございます。これは、午前中の通勤時間帯をとりまして、
京浜
、
山手
、
中央
、
総武
のそれぞれにつきまして図表でお示しをいたしたわけでございまして、
先ほど
申し上げましたように、二五〇%
内外
という
定員
よりもたくさん運ばれておるという
状況
がこの図で
ごらん
いただけると思います。 それからその次は、
東京都区部
における
規模別工場数
及び
従業者数
でございます。
工場数
は、全
工場
が四万三千九百、約四万四千あるのでございます。その中で百人以上の
従業者
を持っております
工場
の数は
手工場
でございまして、全体の約二・三%という
比率
になっておるのでございます。従いまして、
東京
都におきましては、
割合
に中小の
工場
が多いという特殊な状態に置かれております。従いまして、大体百人以上というものは、相対的に、
東京
の
工場
の
特殊性
から見まして、大きな
工場
であるというふうに私どもは見ておるのでございます。それから
従業者数
といたしましても、百人以上の
工場
に勤めております
従業者
は、全体の三五%という
数字
を示しているのでございます。 それからその次は、
東京都区部
における
産業申分類
別
事業所
数及び
従業者数
でございます。二十六年から二十九年の間の
増加
の
状況
をここに示しているのでございます。 それからその次は、十二
ページ
でございまして、一人
当り
の
業種別
作業場床
面積
がここに出してございます。これは、大体今度の
法律
によりまして
工場
の
制限
規模をきめます際に、大体
従業者
が百人以上というところを基礎といたしまして政令で定めるわけでございますが、それの
資料
になるものといたしまして、ここに床
面積
を出してございます。いろいろな業種によりまして坪数が違って参りますが、大体の
平均
は四・七坪という
数字
がここに出してございます。 それからその次は、各種基準における
大学
学生
一人
当り
の講義室の
面積
の調べがここに出ておりまして、大体
大学
設置基準によります文部省令で定めておりますものが、一人
当り
〇・六坪という
数字
になっております。 それから九番目は、
東京
都所在
大学
及び短期
大学数
並びに
学生数
、これを、文部省の
資料
によりましてここにつけ加えてございます。 以上はなはだ簡単でございましたが、
資料
につきまして御
説明
申し上げました。
堀川恭平
6
○
堀川委員長
次に、質疑の通告がありますから、順次お許しいたします。三鍋
委員
。
三鍋義三
7
○三鍋
委員
私はただいま御提案になっております
首都圏
の
既成市街地
における
工業等
の
制限
に関する
法律案
につきまして、若干の質問をいたしたいと思います。 この法案の提案理由によりますと、
首都圏整備
法第二十七条における「
工業等
制限
区域
内における
施設
の新設又は増設の
制限
に関し必要な事項は、別に
法律
で定める。」とあるこの規定によりまして出されたもののようであります。ただいま事務局長から詳細にわたるところの
資料
の提出により、御
説明
を得たのでありますが、これによりましても、とにかく膨大な
人口
が既成
都市
に集中されている。この結果といたしまして、交通上その他このままどうしても看過することのできない状態に追い込まれている、
人口
は近く一千二百万人にもなんなんとしている、何とかしてこのあたりでこれを食いとめる方法がないか、こういったことが提案の
説明
なのでありますが、私たちもこの
東京
に生活いたしまして、毎日いろいろな交通の混乱した場面に遭遇しているのでありますが、私は、この法案を審議するに先だちまして、根本問題に触れてみたいと思うのであります。この問題につきましては、私は、やはり建設大臣その他責任ある立場の人に
構想
意をお聞きしなければならないのでありますが、きょうは、事務局長に
一つ
そういう意味も含めてお尋ねしたいと思うのであります。 ただいま、まず
人口
問題の、
増加
の
推移
に関する
資料
による御
説明
を得たのでありますが、一番の問題はこの点であると思いますので、
一つ
お聞きしたいと思います。どうも私が得た
資料
と、ここに御提出いただいて
説明
いただいた
資料
と、そう大した違いではないけれども、
数字
的に多少違いがあるように思うのでありますが、この二枚目の「
東京
都の戦後
人口推移
における
社会増
と
自然増
」のこの表は、
東京
都政
概要
から抜粋されたものであるらしいのでありますが、これは、いつの
統計
でございますか。
樺山俊夫
8
○
樺山政府委員
これは、
昭和
三十一年の
統計
でございます。
三鍋義三
9
○三鍋
委員
これをもとにして調べてみますと、年間の
増加数
は、二十四年度からずっと実数が下ってきておるのでありますが、三十一年度におきましては、年間の
増加数
が二十四万何がし、こういう工合に、多少なりと
増加数
が低下してきているのでありますが、それはどういう原因であるか、その見通しについて御
説明
願いたいと思います。
樺山俊夫
10
○
樺山政府委員
ただいま御指摘がありました
通り
に、三十四年度から逐次減っておる
数字
になっておりますが、疎開者の引き揚げとか、あるいは外地からの引き揚げとか、こういったものがこの三十四年、五年等に非常に多かったのじゃないか、こういう
推定
でございます。
三鍋義三
11
○三鍋
委員
二十四年、五年ごろは、私はやはりそうだと思うのでありますが、その後におきまして、やはりずんずんと減ってきておる。それは、一応
東京
へと思って来たけれども、郷川へとか、あるいは親戚とか、そういうところにずっと疎開していった、その形がここに現われているのですか。この三十一年までの
推移
の
状況
を見まして、そのように解釈していいでしょうか。
樺山俊夫
12
○
樺山政府委員
ただいまお話がありました
通り
でございまして、この
人口
増は、
転入
いたしましたものから転出いたしましたものを差し引いた
数字
がこの増の欄に出ておるのでございます。従いまして、
東京
に参りましても、引き揚げたものもございますし、また従来
東京
におりましたものが何らかの理由で外に出ていくというものも転出の中に入りまして、これが差し引かれておるということになります。
三鍋義三
13
○三鍋
委員
私の手に入れた
資料
によりますと、これは、三十六年度までの推計でありますけれども、依然としてやはりずっと減っていくわけなんですね。この多少ずつでも減っていくということは、もちろん大へん問題にするほどの
数字
ではないのでありますけれども、自然はやっぱりずっと
増加
していくのでありますが、こういった問題を、今度法案を提出されようとする意図との関連性におきまして、何かお考えになっているかどうか、これをお聞きしたい。
水野岑
14
○水野
説明
員 この
統計
によりますと、今御指摘がありましたように、三十一年度までは確かに
転入
著増の傾向というものは減少しつつあるのでございますが、三十二年の一月一日と三十三年の一月一日、この一カ年問の
社会増
の
状況
を
統計
によって調べてみますと、十九万八千七百二十六人というふうに
社会増
が出ておる、約二十万というふうにまた
社会増
の
状況
がふえつつある。こういうようなことになっておりまして、この二十四、五年をピークにいたしまして、三十一年までは確かに減りつつございますが、こういう
状況
でだんだん減っていくの、だというふうには考えられないのじゃないか。どうも今申しましたようなごく最近の一カ年の
社会増
の
状況
を見ましても、約二十万というふうにまた上りつつある。 それからまた御案内の
通り
、農村
地帯
におきましては、いわゆる潜在失業者と申しますか、過剰労働力と申しますか、そういうようなものが相当あるわけでございまして、やはりりこの首都という
大都市
へそういう
人口
がどんどん流入してくる、こういうふうなことは、理論的にも考えられるところだと存じますので、どうも三十一年までは減少しつつあるから、手をこまぬいていていいというのではなくて、これは、どうもなかなか楽観を許されない、やはりこれは、
首都圏整備
法に規定されておりますように、
人口増加
の原因となる新増設を抑えて、できるだけ
転入
しないようにする、こういう対策が必要ではないかというふうに考えておる次第でございます。
三鍋義三
15
○三鍋
委員
先ほど
来
都市
人口
構成につきまして詳細な
資料
をいただきました。概略の御
説明
を得たのでありますが、手に入れたばかりでありまして、これから
一つ
の結論的なものを見出してで論ずるところまで、私はまだ準備がないのでありますが、結論的に、あらゆる階層において
東京
へ
東京
へと
人口
が集中してくるというこのことだけは、はっきりとわかったのであります。そこで、どうして中小
都市
から
大都市
へ、そうして
東京
へとこのように
人口
が集中してくるか、この原因につきまして、どのように
状況
を御判断になっているか、これをお聞きしたいと思います。これは、ちょっと御無理な答弁を要求しておるようにも思うのでありますが、やはりこの問題は、一番重要な根本問題だと思いますから、一応お考えをお聞きしたい、こう思います。
樺山俊夫
16
○
樺山政府委員
先ほど
御
説明
申し上げました
資料
の六
ページ
に「
社会増
の
理由別
内訳
」という欄がございます。
先ほど
ちょっと申し上げましたように、一番多いのが就職、転職のための者が約二十一万という数になっております。その次が就学、退学、停学、転校のための者が八万一千という数でございます。その次に多いのが住宅事情解決のため
転入
して参りました者、これが五万三千人、転勤のために
転入
して参りました者が五万二千人、求職のために入ってきました者が三万二千人、結婚、離婚、養子縁組、離縁、復縁のために入って参りました者が三万三千、家業家事手伝いのために入りました者、それから入院、病気療養、退院、病気全快のため、あるいは開業、転業のためというような
内訳
になっております。
三鍋義三
17
○三鍋
委員
その
内容
を私はお聞きしたのではないのであります、これは、やつぱり質問としてはちょっと妥当ではなかったかもしれません。私のお聞きしたかったのは、いろいろな就職、転職のためとか、あるいは求職のためとか、こういった姿でどうして
東京
へ来なければならないかということなのであります。これは、政治の根本問題でありますから、これ以上お尋ねするのはやめましょう。ただ私は、やはり農村における次男三男坊対策が十分できていないというのが、第一の原因であると思うのであります。それにもう
一つ
は、やはり農村の生活というものと、都会にあこがれるところの若い者の気持、こういったものが
東京
へ
東京
へと、
東京
へ行けば何とかなるんではないか、こういう姿で集中してくるのである、こう考えるのであります。なぜこのようにして
東京
へ集中してくるかという根本問題を解決しないと、こういった
法律
を一応きめましても、私はなかなかその実が上らないのではないかと考えるのであります。ちょうど砂糖のかたまりがあれば、そこヘアリが寄ってくるのです。これは、どんな高いところへ上げても、どんなさくをしても、乗り越え乗り越えしてアリが集まってくるのです。この砂糖のかたまりをほかの方へまき散らしてやれば入ってこない。そこへ行くのです。そこに新しい
都市
、衛星
都市
の問題も考えられてくるのでありますが、こういった根本問題をやはり前提としてやらぬと、この法案では所期の目的は達せられないのではないかと思うのであります。しかし、このままではどうしてもほっておけない、これも現実の事実であります。そこで、この問題解決策として、国土
開発
縦貫
自動車
道の
法律
ができたのでありますが、こういうところに、私たちはもっともっと真剣に考えて、その
事業
の進捗をはからなければならぬ、こう考えるのでありますが、現実の問題として、これをどうするかというところにこの法案が出てきたわけです。そこで、日本の
東京
の悩みは非常な悩みなんでありますが、外国の事例に関連いたしまして、こういった悩みをどのようにして解決しているか、そういった外国の適切なこの処置に対する事例といいますか、成功しているやり方、こういったものにつきまして、何か御調査になっておりますならばお聞かせ願いたいと思います。
水野岑
18
○水野
説明
員 諸外国で、ただいま御質問になりましたような先例になる最もいい例といたしましては、やはり大ロンドン
計画
に求めるべきだと考えております。ロンドンにおきましては、非常な
人口増加
、
産業
の
集中状況
にかんがみまして、一九四四、五年ごろから大ロンドンを建設する、こういうようなことで、総合的な
計画
を樹立いたしまして、約十四のニュー・タウンをロンドン
周辺
に設けまして、そしてロンドン・シティの方へ新設されます
工場
、そういうものを
制限
いたしまして、そうしてニュー・タウンの方へ誘導していく、それから既存
都市
の拡張という政策もあわせて並行して実施をいたしまして、このロンドン・シティの
周辺
の
地域
に各種の立地条件を
整備
いたしまして、そこへ
工業
を誘致する、こういうような政策を職方にとったのでございます。このニュー・タウンにおきましては、御案内のように、各
都市
ごとに新しい公社を設けまして、
工場
用地の買収、その造成
事業
、それから住宅の建設
事業
、その他必要な
道路
、街路の
整備
というような
事業
を一貫してこの公社に行わしめる、そうして
工場
導入を呼びかけたのでございます。そういうような政策を実施いたしまして、現在約十数年たつわけでございますが、現在の
状況
を見ますと、ロンドンにおきましては、ロンドン・シティの
人口増加
は毎年ほとんどございません。一九四四、五年におきましては、ロンドンに非常に
人口
が集中しておりましたが、現在におきましては、
人口
の
増加
状況
はほとんど見られない、こういうような実績になっておりまして、やはり大ロンドン
計画
に基きまして、そういう衛星
都市
の建設であるとか、それから特に
首都圏構想
にございますように、ロンドン・シティの
周辺
に広域緑
地帯
を設定して、その既成の
市街地
が無秩序に
発展
膨張するのを断ち切る、こういうようなこと、それからロンドン・シティにおきましては、できるだけ
工場
の新増設というものを押えるように指導していく、こういうようなことが実を結んだ結果であると私どもは考えておるのでございます。つい最近でございますが、フランスにおきましても、パリの
人口
や
産業
の
集中状況
にかんがみまして、
一つ
この
産業
の分散ということをぜひやろうということで、新しい衛星
都市
の建設につい最近着手した事例がございます。何といいましても、私どもそういう今お尋ねのございました問題につきまして、いい
参考
になるのは、このロンドン
計画
であるというように存じておる次第でございます。
三鍋義三
19
○三鍋
委員
ただいまロンドンの
人口増加
の抑制に対するところの大きな
構想
のお話をお聞きしたのでありますが、私は、今御
説明
にあったようなそういった根本問題に触れなければ、
先ほど
からも申し上げておりますように、これはだめだと思うのです。この法案を見ましても、たとえば四条におけるところの新設の
制限
、あるいはその
制限
に対するところの除外例にいたしましても、適用除外、経過措置、許可の申請、こういったものをよく調べていきますと、私は、この
法律
はもう抜け穴だらけでありまして、何のためにこういうものを出されるのか、疑問に思うくらいなのであります。何か気休めに出されたといったような印象を強く受けるのでありますがなぜもう少しこういった目的を別な観点から処理できるような強い態度をもってこの法案を出されなかったのかということに対して、非常に疑問を持つのであります。しかし、この法案をお作りになるまでのいろいろの御苦心のほどにつきましては、各省
関係
でなかなかむずかしかっただろうと思うのでありますが、非常に不満に感ずるのであります。そこで、この法案が成立したといたしまして、一体どれほどこの
人口集中
に対する抑制効果が見込まれているか、これを
一つ
御
説明
願いたいと思います。
樺山俊夫
20
○
樺山政府委員
ただいまお尋ねの人言抑制の効果でございますが、
先ほど
ちょっと
資料
で御
説明
申し上げましたように、過去五年間におきまして、就業者が百五名以上の
工場
が新しく
開設
されました数は、年間
平均
いたしまして二十五
工場
でございます。その中で、この
法律
では五百坪以上ということになっておりますので、業種によりましては、百二、三十人
従業者
がおりましても、五百坪以下のものがございます。従いまして、百人以上がすべて五百坪ということになりませんものですから、その安全率を大体二割程度引きまして、それからいろいろ許可基準によりまして、例外的に許可をしなければならないものも一部あると思われますので、それも大体二割程度という安全率を見まして計算をいたしました。それから直接入って参りました従業員が、抑制をされますと同時に、その家族あるいは下請
工場
の
関係
、それから第三次
産業
というようないろいろな関連
産業
が付随をして参りますので、そういった間接的な抑制効果、こういったものをあわせまして、それからまた
学校
につきましては、
各種学校
てふえておりますものがございまして、これは、数はそれほど多くないのでございますけれども、そういったものを全部あわせて計算をいたしまして、年間約二万四千人程度という抑制効果を一応期待しておるのでございます。
三鍋義三
21
○三鍋
委員
私の質問は、大体根本問題に対するところの疑点を一応お尋ねしたのでありますが、この問題につきましては、私は、やはり建設当局に根本問題をもう少しただしたいと思います。それは、また次の機会にさせていただくことにいたしまして、私の質問は、きょうはこれで終ることにいたします。
堀川恭平
22
○
堀川委員長
次に、兒玉
委員
。
兒玉末男
23
○兒玉
委員
二、三点御質問をしたいと思いますが、第一の問題といたしましては、先般建設省から検討していただきたいということで配付されました、国土造成と臨海
工業
都市
開発
の促進を期する目的で、来たるべき通常国会に提案されようとしておりまする新
都市
開発
公団等の
構想
も持っておられるようでございますが、このような積極的な国土造成によるところの新
都市
建設等の
構想
には、全く相反する法案の提案であろうと思うわけでありますが、このような
構想
と、このただいま上程されました
学校
、
工場
等の
制限
に関するこの法案との関連性について、どのような御見解を持たれるか、まず第一にお伺いしたいと思います。
樺山俊夫
24
○
樺山政府委員
ただいまお述べになりました国土造成の問題とこの法案との
関係
でございます。私どもの承わっておるところによると、国土造成の問題は、主要な港湾
地帯
におきまする埋め立て並びに内陸
地帯
におきまする
工業
立地の
整備
、こういったようなことを
中心
に目下研究をされておるように伺っております。それで、私どもの
首都圏
の
構想
といたしましては、今の
構想
と直接関連をいたします問題といたしましては、
東京
湾における埋め立ての問題並びに
東京
の背後
地帯
におきまする新市街の
開発
の問題、これが直接関連をいたしておると思うのでございます。
首都圏
の
構想
におきましては、
東京
都の前面におきまする埋め立てという問題も当然予想しておるのでございますけれども、この
法律
の趣旨にもございますように、
東京
都の前面の埋め立てにおきましては、主として私どもは、港湾
施設
、あるいは住宅、緑地、こういったものの造成に
中心
を置きまして進めて参りたい。ただし
川崎
、
横浜
、千葉の地先におきまする埋め立てにおきましては、ただいま申し上げましたような
施設
と並行いたしまして、臨海
工業
地帯
を造成するという私どもの
構想
で進んでおりますこととただいまの土地造成の問題とは、歩調を同じくしておる、私は、かように考えております。 それから内陣
地帯
の新市街の
開発
の問題でございますが、
先ほど
もちょっと申し上げましたように、来年度の
市街地開発区域
の予定といたしまして、高崎、深谷の地区を予定して
計画
をしておるのでございますが、新しく検討されております新都南
開発
公団の
構想
の中にそれを取り入れてもらいまして、私どもが
明年度
予定しておりますものの造成は、もし新
都市
開発
公団ができますならば、そちらの方の
事業
の一環として取り入れてやっていただくということで、予算の要求もしていただくという話し合いをいたしておるのでございます。
兒玉末男
25
○兒玉
委員
ただいまのことと関連しておると思うのですが、この
制限
するということは、きわめて消極的な政策ではないかと私は考えるわけでございます。そういう見地から考えますと、この
工場
とか
大学
等の新設ということを
制限
するということは、きわめて重大な問題でございまして、むしろ
先ほど
の答弁の中でもございましたが、
東京
湾等の膨大な海面の埋め立てといういわゆる大規模な土地の造成によりまして、この激増するところの
人口
問題に対処しましては、やはり国土の将来に対する長期的な土地の利用
計画
というものを十分考慮する必要があろうかと私は考えるわけでございます。特に
首都圏整備
法の第二十四条の精神等から考えましても、いわゆる衛星
都市
の
開発
等によりまして、
工業
用地あるいは住宅用地、その他公共用地等の
計画
的な土地造成によりまして、むしろそういう
制限
する方向ではなくて、積極的な助成対策等が講ぜられる必要があるのではないか。こういうような積極的な政策の面から考えます場合に、今提案されておりますところのこのような
制限
する法案というものは、きわめて消極的じゃないかと思うのですが、この点についての御見解を伺いたいと思います。
樺山俊夫
26
○
樺山政府委員
ただいまのお説は、まことにごもっともでございます。私どもがこの
法律
を作るいろいろな検討をいたします際にもただいまのお説のような問題を十分検討いたしました。私どもがこの法案の
一つ
の基本的な
考え方
として持っておりますことは、今お話がございましたように、
工場
なりあるいは
学校
を
制限
するという消極的な方途でありますことは、おっしゃる
通り
でございます。従いまして、私どもは、こういう意味の
制限
はできるだけ
最小限度
にとどめていきたい、こういう
考え方
で、いろいろ法案の中にも出て参ります経過措置なりいろいろな問題で、そういった点を相当取り入れて検討したつもりでございます。
先ほど
もお話がございましたように、私どもは、この
法律
を
一つ
のよりどころといたしまして、現在私どもの手でせっかく
整備
の努力をいたしております
周辺地
におきまする
市街地開発区域
の
整備
という問題をより一そう強力に進めていくということが、最も大きなねらいでございまして、両々相待ちまして、私どもはこの
首都圏
の
整備
をやっていかなければならないのではないか、かように考えるのでございます。 それから埋立地の問題につきましても、
先ほど
お話し申し上げましたように、
川崎
なりあるいは
横浜
、それから千葉というような地先におきまする埋め立てにつきましても、私どもの
首都圏
の
構想
としましては、あるいは
工業
地帯
でありますとか、あるいは農地でありますとか、住宅
地帯
でありますとか、そういった
大都市
の
周辺
におきまする需要を充足するに足る土地を造成するという積極的な面につきましては、今後ともただいまお説のように、私どもは十分努力して参らなければならないのではないか、かように存じております。
兒玉末男
27
○兒玉
委員
それからこの法案の一番精神をなしておるところのいわゆる
工場
であるとか、あるいは
学校
等の新設の
制限
という、この
制限
の精神というものが、提案理由の
説明
の中で一応筋を通して
説明
されておりますようですが、条文の各項から検討して参りますと、特に第四条の各項、あるいは第五条の適用除外、この二条の関連から
内容
を検討してみますと、いろいろと
制限
条項に対する脱法的な行為、実質的に
制限
の意図が生かされないという結果にもなりかねないように解釈される面が多々あるわけでございますが、このような
制限
に対する脱法的な行為に対しましては、どのように対処されようとしておるのか、この点について御見解を承わりたいと思います。
樺山俊夫
28
○
樺山政府委員
御承知の
通り
、
首都圏整備
法の二十七条には、
人口
及び
産業
の集中の原因となります大規模な
工場
その他の
施設
の新設並びに増設を
制限
するということが規定してございます。従いまして、私どもは、今回の
法律
を検討いたしますにつきましては、新設の
制限
のみならず、増設の
制限
も必要ではないだろうかということで検討いたしました。いろいろ検討いたしましたが、既存の
工場
あるいは
学校
、そういったものの経営という、いわゆる
産業
政策的な、あるいは文教政策的な、いろいろ複雑な困難をな問題がございまして、新設を
制限
する以外に増設まで
制限
いたしますことは、
首都圏
の立場からのみ
人口
抑制という観点に立ちますと、あるいは効果は大きいのでございますけれども、そういったほかの関連からいたしまして、必ずしも適当ではないのじゃないかという
考え方
で、
施設
の増設の
制限
は、この際いたさないという
考え方
に立ったのでございます。従いまして、ただいまお話がございましたような、新設はなるほど
制限
するけれども、それ以外の問題については相当ゆるいじゃないかという御意見に拝聴したのでありますが、何と申しましても、
制限
をいたします問題はよほど慎重にいたさなければならないのでございまして、私どもが
東京
都に対する
人口
膨張の原因をあまりに大きく見て、それのみに専念いたしますことによりまして、ほかの
産業
あるいは
学校
等の経営という問題との調和がとれなくなるということは、私どもといたしましても相当留意をしなければならない問題でございますので、この際は、新設を
制限
するという立場に立っておるのでございます。従いまして、私どもが
首都圏構想
といたしまして、流入
人口
をできるだけ押えていくという立場だけからの見地から申しますと、あるいは手ぬるい点も私ども自身も持っておるのでございますけれども、この新設の
制限
ということを
中心
にいたしまして、それをまた足がかりにいたしまして、
先ほど
お説のございましたように、新しい
都市
の建設、また新しい埋立地の造成ということによりまして
首都圏
の
整備
という問題を進めていくのが、一番中正であり、また適切な方法ではないだろうかという
考え方
で、この
法律
をお願いした次第でございます。
堀川恭平
29
○
堀川委員長
本日はこの程度にとどめまして、次会は明後三十一日午前十時より開会することといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十一分散会