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1958-10-24 第30回国会 衆議院 建設委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年十月二十四日(金曜日)     午前十時五十八分開議  出席委員    委員長 堀川 恭平君    理事 木村 守江君 理事 佐藤虎次郎君    理事 瀬戸山三男君 理事 二階堂 進君    理事 上林與市郎君 理事 中島  巖君    理事 三鍋 義三君       逢澤  寛君    井原 岸高君       大久保武雄君    久野 忠治君       砂原  格君    永田 亮一君       橋本 正之君    服部 安司君       林  唯義君    村瀬 宣親君       石川 次夫君    兒玉 末男君       東海林 稔君    塚本 三郎君       山中 吾郎君  出席国務大臣         建 設 大 臣 遠藤 三郎君  出席政府委員         建設政務次官  徳安 實藏君         建設事務官         (大臣官房長) 柴田 達夫君         建 設 技 官         (河川局長)  山本 三郎君  委員外出席者         総理府事務官  小野寺 昇君         建設事務官         (河川局次長) 曽田  忠君         専  門  員 山口 乾治君     ————————————— 十月二十四日  委員荒舩清十郎君及び松澤雄藏辞任につき、  その補欠として永田亮一君及び久野忠治君が議  長の指名委員に選任された。 同日  委員久野忠治君及び永田亮一辞任につき、そ  の補欠として松澤雄藏君及び荒舩清十郎君が議  長の指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  河川法の一部を改正する法律案内閣提出第二  九号)  台風第二十二号による災害対策に関する件      ————◇—————
  2. 堀川恭平

    堀川委員長 これより会議を開きます。  まず河川法の一部を改正する法律案議題として審議を進めます。  質疑通告があります。これを許すことにいたします。村瀬委員
  3. 村瀬宣親

    村瀬委員 この河川法の今回の改正案は、時宜に適した非常に大事な改正と存ずるのでございますが、しかし、せっかくこのような管理規定を強化して、改正目的を達成しようというのでございますから、その目的が達せられるような運用方法をお尋ねいたしておきたいと存ずるのでございます。  それには、実際に砂利をとろうといたします場合に、県への申請に当りましては、とろうとする河川の区域の面積期間と深さと量、こういうものが簡単な申請の様式に入るわけであります。ところが、この際一番大事なことは、面積期間でございまして、これは、別に占用するわけでもなし、その許可になった場所を自分のものにしてしまうわけではないのでございますけれども、実際の各河川における砂利をとっておる現状を見ますと、この区間は、自分が何カ月間許可をとっておるのだ、こういうことになりますと、他の人は一切そこでは掘れないのでありまして、いかにも一つ財産権の設定にもひとしい結果を今日見ておるのであります。ことに、面積と深さと量というものが、許可条件に入っておるのでございますけれども、この深さなどは、一雨降りまするならば、また深さがわからなくなってしまうのでありまして、雨が適当なときに降る場合には、申請の数量の何倍という砂利を取りましても、一々それを検査しておるわけではございませんから、ずいぶん多くの砂利申請の量の中で取ってしまう。かりに干立米許可になっておりましても、二千立米も三千立米も取っても何らわからないという結果も現に見ておるわけであります。この法案趣旨も、必ずしも砂を売るというような観点ではないのであって、河川保全管理というものが主眼でございますから、まあ少々、千立米が、千十立米になったから、それをどうせいという性質のものではないかもしれませんが、あまりに極端な例になりますと、これは、せっかくの管理規定幾らでも抜け道がきくということになるのでございますが、私は、問題はやはり許可をするときの面積並びに期間であると存ずるのでございます。こういうきめ方に対しまして、都道府県の方へ管理規定その他の模範例といいますか、基準をお示しになっておるのでございましょうか、いかがでございますか。
  4. 山本三郎

    山本政府委員 お話のごとく、砂利採取許可を受けまして、その通りにやってない者が相当ある、あるいは深さ等におきましても、許可以上に取っておる者もある、あるいは取った跡をよくならしておかなければいかぬというような先ほどお話条件以外に、洪水の場合に、でこぼこがありますと、非常に差しつかえがあるというような点で、いいものばかり取りまして、悪いものは川の中へ捨てていくというような結果から、川の中に非常にでこぼこが出てきまして、洪水の場合に非常に害をするというような場合もございますので、それらにつきましては、従来におきましても、河川管理上から取締りを徹底するようにということ、しばしば通牒等によりましてやっておりましたけれども、今回の法律改正機会に、それらの取締りをさらに厳重にいたすようにしたいと思っております。  それからさらに量の問題につきましては、お話しのように、現地におきまして深さと面積、あるいは量をきめまして許可をしておるわけでございますけれども、現地砂利がどれだけ取られたかというほかに、運んでいく量でございます。トラックで何ばい運べばどのくらいの量になるというふうなことをやっておるところもございますけれども、そういう方法もさらに強化いたしまして、量等の面も、きつく取締りをやっていこうというふうに考えております。
  5. 村瀬宣親

    村瀬委員 私は、やはり量というのを調べるのには、一々河川管理人をつけておくということは、経費の点からも必ずしも収支相償わぬ場合もあるのでございまして、この間の御答弁によりましても、全国の何千という河川で、管理者のついておるのは一%に足らぬような御答弁であったのでありますが、そういうことは、大体実行は不可能と思うのであります。問題は、どれだけの面相を許可して、それから期間をいつにするか、もし半年にもして、さらにそれが幾らでも更新ができるということになりますと、河川敷の一定の面積私有財産のごとく、ある会社または個人がずっと永久に自分の権限にしてしまうことでございまして、そういう点に対しまして、都道府県への管理規定一つ指示といいまするか、模範例のようなものをお示しになっておるかどうか。実際の運用において、永久とは言わぬにいたしましても、非常に都合のいい、砂利を取りよい、また堤防に出しよい、運搬のしよいところをある特定の人がもう何カ月かごとに更新をして、ほとんど半永久的に独占占有をするというような事態に対して、どのようなお考えを持っておられるか。
  6. 山本三郎

    山本政府委員 砂利採取につきまして、許可方針といたしましては、お話しのように、これを永久に取らせるというようなことに考えてはいけませんので、通常の場合におきましては、期間を大体におきまして一年にやっております。ただ業者の経営ということもございますので、その継続につきましては、更新の際に、取っているものは、できるだけ従来の者に取らせるというような処置はしておりますけれども、期間は、大体一年ということを基準にしてやっております。
  7. 村瀬宣親

    村瀬委員 これは、都道府県がやることなのでしょうから、都道府県許可条件にあるわけでございましょうが、その面積とか期間とか、または期間更新等については、おおむねこのようなのが妥当であろうというような案をお示しになっておるのでございますか、それとも府県単独で、三カ月にしておるところもあり、二年にしておるところもあるという実情なのでございましょうか。
  8. 山本三郎

    山本政府委員 実は、先ほど申し上げましたように、最高が大体一年ということでやっております。会後におきましてもそれを加味いたしまして、あまり長い期間をやらせないようにするように、あらためて指示をしたいというふうに考えております。
  9. 村瀬宣親

    村瀬委員 今回の改正案目的は、ほとんどこの管理規定を強化して、河川保全という点にあるのでございますから、どのように法文が整備されましても、運用の面で、千立米許可をしたものが三千立米も四千立米も持っていっても何もわからないというようなことでは、非常に不公平が生じまするし、またさらばといって、どの河川にも、一々積み出しのトラックの台数を調べるというような制度を設けることも不可能でございまするから、許可の際に、それらに対して取締りのきくような、特に期間更新の点、また面積、一ぺん非常に都合のよいところに許可をしたからといって、それが世襲財産的な許可慣例にならないように要望いたしておきます。  第二点にお尋ねしておきたいと思いまするのは、第五十八条の三の規定が突如として追加されたことであります。この点は、提案理由の御説明にも、また今まで微に入り細をうがった質疑応答の際にも出てこなかったように思うのでありますが、「許可受ケズシテ舟筏ヨリ通航料徴収シタル者ハ五万円以下ノ罰金処ス」という規定が新たに出たわけでございますが、これは、いろいろ慣例で、いかだ、あるいは通い船、渡しをつけておるというようなところも、筑後川あたりにはあるのではないかということも感じるのでございますが、たとえば、この間九州の国政調査建設委員会からわれわれ参ったのでございますが、あの原鶴温泉の前あたりは、やはり賃をとって、たくさん至るところにいろいろ通い船みたいな渡し船を置いてあったと思いますが、そういうものとの関連は、どのようになるのでございましょうか。今まで全然なかったものがここに降ってきたのでしょうか、あるいは何らかの形で今まで通航料を要求した者に対する処罰規定があったものを強化したにすぎないでありましょうか、全く新たな規定なんでありましょうか、その点をお伺いいたします。
  10. 曽田忠

    曽田説明員 お答えいたします。ただいまの舟筏通行料の問題でございますが、これは、河川法の四十三条に規定がございまして、この規定に関します罰則といたしましては「河川法第五十八条ニ依レル罰則ノ件」という勅令が出てございますが、この勅令の第二条におきまして「許可受ケスシテ舟筏ヨリ通行料徴収シハ詐欺ノ手段ヲ以テ其許可受ケタル者」こういう者に対しましては「三月以下ノ懲役ハ禁錮、二千円以下ノ罰金、拘留又ハ科料」こういう罰則規定もすでに以前からあったわけでございます。ただ今回改正いたしましたのは、舟筏通行料許可を受けずしてとるということは、財産上の利益をみだりに受けるだけでありまして、特に体刑を課しますことは、いささか酷に過ぎるのじゃないかという議論が出まして、体刑の方は落しまして、罰金だけを課す、そういう改正趣旨でございます。
  11. 村瀬宣親

    村瀬委員 この四十三条一項の許可という問題でございますが、それは、実際の許可申請に対しましては、どのような審査が行われるのでございますか。これは、届け出式に、申請をすればほとんど許可をするという実情になっておりますか、あるいは船舶航路陸上バス路線というようなむずかしい許可審査規定があるのでございますか、実情をお聞かせ願いたいと思います。
  12. 曽田忠

    曽田説明員 具体的な実情は、個々の場合によっていろいろ違っておるのでございますが、この規定にもございますように、舟筏の便をはかるために、護岸とか、そういう特別な工事を施工する場合におきまして、その工事にかかりました費用をある程度償うというようなこともございまして、そういう場合においては、大体治水影響がない限りにおきましては、許可をいたしております。そういう状況でございます。
  13. 村瀬宣親

    村瀬委員 時間がありませんから、もう一問だけお尋ねしたいのですが、一般に今回の改正によりまして、罰金限度額を引き上げておるのでございまして、貨幣価値関係その他から、上げること自体は当然と思うのでございます。御説明の中にも海岸法地すべり等防止法との均衡を考慮して罰金限度額を引き上げたというふうに御説明になっておるのでございますが、この五万円とか、その他の金額が、海岸法地すべり等防止法とどういう均衡になっておりますか。
  14. 曽田忠

    曽田説明員 たとえて申し上げますと、土石採取について申し上げますと、海岸法におきましても、今回の河川法改正と同じように、一年以下の懲役、十万円以下の罰金と、同じ均衡をとってでおります。それから工作物の設置、これも、今回の改正においては、一年以下の懲役、十万円以下の罰金ということになっておりますが、海岸法あるいは地すべり等防止法規定によりましても、一年以下の懲役、十万円以下の罰金と、そういうふうに均衡をとっております。
  15. 堀川恭平

  16. 三鍋義三

    三鍋委員 大臣に一、二点御質問と出し上げるよりも、所信をお承わりしたい、このように考えます。  この河川法の一部改正法律案につきましては、先般の委員会におきまして、またただいまの村瀬委員の御質疑によりまして、大体問題点は一応追及され、政府答弁を得たわけでございますけれども、私は、何もこの法案だけについて申し上げるのではありませんけれども、私たちはこうやって法律を作っておるのでありまして、作るためにはいろいろの角度からこれを検討しておるのでありまするが、どうも見ますと、私たちの作った法律を私たちがこのしりを追っかけておる、しりを追っかけておるというよりも、自分たちが作った法律に振り回されているのではないかといったような感じを非常に強く受けるのであります。たとえばこの法律にいたしましても、三十一年の二月に砂利採取法が成立しておるのであります。この内容を提案理由説明によってみましても、各種建設事業の遂行を円滑ならしめるため、砂利採取業務の健全なる発達をはかることは、経済自立の上からも、また民生安定の見地からも当然緊急の要務であると申さなければなりません。こう言って、そうであるけれども、他面この採取のために、いやしくも河川を破損し、洪水はんらんの原因を作ったり、道路その他の公共施設に被害を及ぼしたり、あるいは農業その他の産業利益をそこなうようなことがあってはならない。であるから、作業主任者というものを設けまして、この管理をしっかりとやらせるのだ、このように一応表面の筋が通っておるのであります。ところが、今度作業主任者というものは、採取業者がなり得るのであります。そうすると、ちょうどネコにカツオ節の番をさせるような考え方もここに出てくるのであります。そういう法律を作ったことによりまして、ちゃんと河川管理維持ができるものであるならば、私は、こういった問題は、また作って苦労する必要がないと思います。こういう点から考えましても、現在出されておるこの法律問題点にいたしましても、この管理規定というものと、この罰則関連性、これがどこまで確実に実施できるのかどうかという大きな疑問を持つのであります。要するに私は、こういった問題は、やはり河川法の根本的な問題を解決せずしてこのままにずるずると引きずっていきますと、ちょうどくつ下の破れをつぐようなもので、一方をやればまた一方が破れてくる、このごろのくつ下は、非常に丈夫になりましたけれども、そういうことで、非常に労多くして効果の少い努力を私たちは積み重ねていかなければならないのではないか、こう思うのであります。近く政府提案、また日本社会党から、この水質保全の問題も出てくるのでありますが、私は、やはりこの河川法に対して、明治二十九年ですかに作られましたこの河川法を根本的に真剣に考えていただかなければならぬのではないかと実は考えまして、これは、解散前の国会におきまして、根本建設大臣に私からお尋ねしておるのであります。この根本問題を本気でやるのか、どういうのかという御質問を申し上げたのでありますが、これに対しまして建設大臣は、今せっかく河川関係審議会の方に付託をして諮問をいたしまして、その答申に基いて処置をきめたい、かように考えておる次第でございます。私といたしましても、でき得るならば今国会においてその諮問に対する答申を得まして、やりたいと思っております。このやりたいと思っておりますというのは、どういうことを言っておられるのか、含みのある表現であるのでありますが、私は何とかして一つ改正に手をつけたいと思っておる、このように意思表示をされたものと考えておるのであります。こういう点から考えまして、私はこの河川法に対するところの大臣の御所信を、一つここではっきり御表明願いたい、このように考えるのであります。
  17. 遠藤三郎

    遠藤国務大臣 ただいま河川法の根本的な検討の問題についてお尋ねがございましたのですが、前建設大臣がお答えいたしましたと同じように、私も、河川法の根本的な検討をしなければならぬ段階にきておると思うのであります。審議会を作ってそれぞれ検討を始めておりますが、御承知のように、非常に関係が広くなっておりまして、あるいは工場関係からいいますと通産省に関係し、あるいは農業用水関係から農林省に関係し、さらにまた水道、下水等との関連等から厚生省にも関連し、まあいろいろの問題が複雑にきわめて輻湊しておるわけであります。それらの関係を全部当って、そして最大公約数のようなものを作らなくてはならぬのでありますが、非常にその関係が広範にわたっておりまして、容易にその原案ができないのであります。私はでき得る限り早い機会に、全省にわたってのこういう問題を、統一的な一本の方針にまとめて、河川法の総合的な運営をはかっていく基本になる法制を樹立していきたい、そういう考えをもって進めておるわけであります。おくれておりましたことは、はなはだ恐縮であります。しかし、ただいたずらにじんぜん日を送っているわけではなくして、そういう関係のいろいろな複雑な問題を一つ一つ処理する段階に今ありますことを、一つ御了承いただきたいと思います。
  18. 三鍋義三

    三鍋委員 私は、当委員会に席を置きまして、この問題を大臣が新しく就任されるたびにお聞きしておるのであります。それは、それほど重大な問題であると考えるからであります。ところがどの大臣でも、今御答弁になったような御答弁をなさるのであります。これは、どういうことかというと、私は、その大臣の任期があまりに短かいからだと思う。私たちは、岸政権のすみやかに崩壊することを心から願っておるのであります。しかし、現在政権を担当しておられる以上は、全責任をもって行政を執行していただきたい。特にこの建設行政なんかは、半年や一年でちょんちょんと変っていくようなそういうやり方では、大臣は、今言ったような答弁しかできないのであります。だから大臣一つ建設委員会で、社会党三鍋が、おれがもう二年も三年もしっかりと大臣のいすを占めて、しっかり建設行政をがんばれといって鞭撻された、こう岸さんに言ってもらいたいのです。私は、有能なる大臣だと御信任申し上げておるのでありますけれども、もし大臣がいろいろの事情でまた交代されなければならないといったような場合がありましても、せめて、政務次官は絶対にかわらないようにしてもらいたい。  同じことを言っているじゃありませんか、それでは、少しもこの建設行政の根本的な問題が処理されないじゃありませんか。こういうことから大きな犠牲を国民にかけておるということは、私は真剣に考えなければならぬと思う。そういう観点から、私は、大臣はかりにかわらなければならないということがありましても、せめて政務次官が、しっかりと二年も三年も内閣の続く限りにおいて、やはり真剣にやってもらいたい。大臣政務次官は、名誉職ではないと思う。まじめに考えたならば、私の願いというものは、真剣に考えらるべきものであると思うのでありますが、大臣政務次官の御所信を承わりたい。
  19. 遠藤三郎

    遠藤国務大臣 非常に貴重な意見を拝聴いたしまして、まことに感激にたえません。しかし私は、二年や三年は大臣をやめる考えはございません。十年くらいやる考えであります。しかし、そんなことを言いましても、なかなかそうやれるものではありませんので、法律は、大臣がかわってもきちっと方針を継承しまして、かかる重大な問題を大臣のかわるたびに方針が変ることのないように、努めてそういう方針で進めていきたいと思います。
  20. 徳安實藏

    徳安政府委員 まことに御好意のあるお言葉で恐縮でございました。私も大臣と同様の考え方でございますから、どうぞあしからず御了承願います。
  21. 三鍋義三

    三鍋委員 河川局長に一点だけお尋ねしたいのですが、この河川法改正によりまして、なかなか困難な問題を内蔵しておると思うのでありますが、これは徹底して実施された場合において、東京周辺におけるところの採取された砂利のコストは、相当暴騰するのではないかと思うのでありますが、現在の一立米に対する価格と、これが徹底された場合における価格との関係は、どのような見通しをつけておられるか、これをお聞きしたい。
  22. 山本三郎

    山本政府委員 お話しのごとく、採取許可を受けた量よりも多く取っているというような問題がございますので、それらに対しましては、採取料が今度ははっきりと県に取られますから、よけいに取った分等につきましては、採取料がそれだけよけいかかってくるというふうに考えております。この採取料は、この間も御説明申しましたように、全体の砂利販売価格に対しましては、やはり何%程度でございますか、そういう点におきましては、上ってくるのではないかと考えております。ただ盗掘等による量は、そう多くの量ではありません。そういうものにつきましては、そう影響はないのではないかというように考えております。
  23. 堀川恭平

    堀川委員長 ほかに御質疑はありませんか。——別に御質疑がないようでありますから、本案に対する質疑は、これにて終了いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 堀川恭平

    堀川委員長 御異議なしと認めます。質疑はこれにて終局いたしました。  これより本案討論に付します。討論通告がありますから、これを許すことにいたします。木村委員
  25. 木村守江

    木村(守)委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました河川法の一部を改正する法律案賛成の討倫を行いたいと存じます。  本法案は、河川における土石採取に対する規定及び河川法上の義務違反についての罰則実情に即するよう整備し、もって河川管理を一そう効果あらしめんとするものでございます。現行法においては、砂利乱掘等違反行為に対する罰則は、およそ時代離れをいたしました体裁的なものでありまして、本法案につきましては、その提出がおそきに失したきらいがあるとさえ思われるのでございます。しかし、本法案をしさいに検討いたしますと、本法案の実施に当りまして政府に要望いたしたいと存じまする点は、第一に、罰則の強化をいたしてましても、実際の監督管理を強化いたしませんと、その実効が上らないと考えるのであります。かような点から、その監督管理を強化するとともに、砂利需要の状態は、近時ますます盛んになって参りまして、産業基盤の拡大となるのでありまするので、将来の砂利需要を見通して、これを河川計画に織り込んでいただきたいと考えるのであります。もちろん河川計画は、治水とともに防災を第一の目的といたしますので、この点は、非常に困難な問題と存じますが、十分に検討をいたしまして、万遺憾なきを期していただきたいと考えるのであります。  以上二点の希望を付しまして、本案賛成の意を表する次第でございます。(拍手)
  26. 堀川恭平

  27. 石川次夫

    石川委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となっております河川法の一部を改正する法律案につきまして、賛成討論をいたしたいと思います。  近時砂利需要の増大に伴いまして、河川における砂利乱掘盗掘によって河床の低下を来たしまして、それによる災害の誘発、あるいは取水の困難等が重大な問題となって参りました。一方河川砂利採取は、都道府県規則にまかせられておりまして、罰則も、最高二千円という程度にとどまっております。この規則も、実際には、この程度では効果が非常に薄かったわけであります。  本法案は、河川の区域内においての土石採取都道府県知事の許可事項として、許可を得ないで土石採取した者に対する罰則を初め、河川法関係罰則を強化して、もって砂利乱掘及び盗掘による被害の防除をはかることを主としたものでありまして、時宜に適した処置であると考えております。  しかし、委員会における質疑においても再三強調されておりました通り、いかに罰則を強化いたしましても、実際に河川管理に当を得ませんと、実効を確保することはできません。従って、河川管理者である都道府県が、本案改正を契機といたしまして、需給を勘案しての合理的な採取量の策定と、あわせて十分な管理をする、そうして災害防除の実効を期し得るような行政指導が行われないと、本案はただ空文に帰してしまうというおそれがあるということを、つけ加えて申し上げたいと思います。  以上希望を申し添えまして、本案賛成をする次第であります。(拍手)
  28. 堀川恭平

    堀川委員長 討論はこれにて終結いたしました。  採決を行います。河川法の一部を改正する法律案賛成の諸君の御起立を願います。     〔総員起立〕
  29. 堀川恭平

    堀川委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決すべきものと決定いたしました。  なお本案の報告書の作成等につきましてでは、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 堀川恭平

    堀川委員長 御異議ないものと認め、さよう決します。     —————————————
  31. 堀川恭平

    堀川委員長 次に、台風二十二号による災害対策に関する件について調査を進めます。前会に引き続き、残余の質疑を行います。中島委員
  32. 中島巖

    ○中島(巖)委員 大臣に最初にお伺いいたしたいと思うのでありますが、本日は、この二十二号災害に対しまして、起債の関係が地方公共団体の財政に非常な影響がありますので、自治庁の出席を要求してあるのでありますが、けさの新聞を見ますと、補正予算が九十億と大体決定した、こういうような記事を見たわけであります。  そこで、大臣にお伺いする第一点は、これは、自民党でも社会党でも現在政調会、政審なんかで問題になって研究いたしておるのでありますけれども、この災害復旧に対する臨時措置を特別立法として出す考え政府としてはあるかどうか。つまり出すといたしますれば、どういうような構想を持っておられるか。それから出さないとすれば、現在の立法でもって十分災害復旧ができるという点を御説明願いたいと思うのであります。  第二点といたしましては、新聞でけさほど見た九十億というものが、これが全額災害復旧に対する補正予算であるか、補正予算であるとすれば、その大ざっぱな内訳はどんなようであるか、この二点についてお尋ねいたしたいと思うのであります。
  33. 遠藤三郎

    遠藤国務大臣 実は、ただいまの閣議で補正予算の大体の決定を見たのであります。補正予算の総額は九十億九千八百三十三万八千円になっております。その内訳を申し上げますと、歳出の方の面では、公共土木及び農林水産業施設災害復旧等事業費が五十四億九千二百万円余であります。それから緊急治山及び緊急砂防事業費の関係が五億三千万円、それから干害対策事業費が十九億三千八百万円余、それから霜雪害対策事業費一億三千七百万円余であります。それから予備費を、補正予算でさらに十億追加をいたしまして——従来の予備費が二十八億ほど残っておったのでありますが、それにさらに十億を追加をいたしました。そうして補正予算全体としては九十億九千八百万円余と、こういう構想でもって大体閣議できめて参りました。ただしこの問題につきましては、まだ数字が整っておらない面もございます。実際災害の復旧をやって参りまして、たとえば初年度二五%をやるという法的な制約がありますが、災害の復旧の場合に、実際その仕事をやって参りまして、それが不足の場合には、さらに追加をするというような意味で、まあいわば一種の暫定的な意味でこういうものを作ったのであります。これは、これだけですべて解決してしまったということではございません。一応現在の段階においてこういう補正予算を組み、しかも足りない分は予備費でまかなう、こういう建前で今進んでおるわけであります。  特別立法の問題は、それぞれ幾つかの所要の法律を作るという方針で閣議の了承も得ております。それは、たとえば米の低価格配給の問題、あるいは起債ワクの拡大の問題、あるいは農地の補助率を引き上げる問題、これは、建設省の所管ではありませんけれども、同時にそれをやって参ります。さらにまた小学校の復旧に要する四分の三の補助をするという補助規定の問題、そういう問題は、いずれも特別立法を必要とする。  さらに建設関係におきましては、住宅関係でもって特別立法をやる、こういうような構想で、これはもうしばらくたちますと、特別立法の法案の内容がきまって参ります。今そういう方向でもって話を進めておる、こういう段階でございますから、御了承いただきたいと思います。
  34. 中島巖

    ○中島(巖)委員 大体のアウトラインがわかったわけでありますが、そこで、私がもう一点大臣にお尋ねいたしたいことは、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の関係でありますけれども、これは、昭和二十八年災害におきましては、国庫負担法の第四条第一項の地方公共団体の税収入に対する負担率を高率に引き上げたというにとが一点と、それからもう一点は、これは、建設省ではなくして自治庁の方ではなかったかと思いますが、政令でもって五万円、つまり大都市においては十五万円、町や村におきましては十万円以下が、私が説明するまでもなく単独災害になっておりまして、この単独災害もしくは小災害と呼ばれるものは常にこの委員会災害ごとに問題になっておったのでありますが、これを政令で五万円以上を起債の対象と認める、こういうようなことで、公共土木施設の国庫負担法には触れずに、そういうような措置をとったわけでありますけれども、これらの問題に対しまして、何か政府としてお考えがあるかどうか、この点、もう一つお伺いしておきたいと思います。
  35. 遠藤三郎

    遠藤国務大臣 その点は、正確に申し上げますと、自治庁の所管になって参るわけでございますが、地方団体の財政とにらみ合せて、標準税収入に対して被害額がどの程度になっておるかということによって、その補給の程度をきめていくという問題になって参りますので、正確には自治庁の所管になりますが、地方団体の事業に対して起債を認めて、その起債の一定率に対して元利の補給をする、それを交付税の交付基準に盛り込んで、政令の裏打ちをいたしまして、復旧事業に支障のないようにしよう、こういう話し合いはしておるわけであります。その具体的な内容については、もう少し関係当局と打ち合せる、こういうことになっておるわけであります。
  36. 中島巖

    ○中島(巖)委員 次に、こまかい問題になるので、これは大臣でなくて、河川局長もしくは官房長、あるいは自治庁でもけっこうでありますが、単独災害のことについてはあとで質問をすることにいたしまして、これは、たしか地方交付税法の十二条の七において、災害復旧費は、基準財政需要額に見込んで、交付税であとで償還するように起債を認める、その場合一円に対して九十五銭まで、つまり九五%を認める、こういうことになっておるわけであります。そこで、これは富裕県、あるいは貧弱県、あるいは同じような町村の関係で若干は違うと思うのでありますが、全体といたしまして、かりに百億なら百億の災害復旧があったという場合に、率も違うのでありまして、一がいには言えぬけれども、七十億なら七十億の国庫負担であって、あとの三十億が地方公共団体の負担であり、その三十億は全額これは起債を認めるということになっておりますが、全額起債を認めた場合において、この償還方法は、たしか三年据置の十七カ年の償還だと思いましたが、その償還方法、それから償還した結果において、これは大ざっぱな数字でようございますけれども、地方公共団体の実際負担になる額はどのくらいになるか、こういうようなものをもしお調べした資料があれば、お聞かせ願いたいと思います。
  37. 小野寺昇

    ○小野寺説明員 ただいまの公共補助に対する地方負担の財源として、一応起債を考えるが、その起債の元利償還について、交付税の基準財政需要に見込む、こういう建前になっております。そこで、そういう措置はとっておるが、なお地方団体の持ち出しが幾らあるか、こういう御質問なんでございますが、ただいまその資料を持っておりませんので、即答できませんが、調べてお答え申し上げます。
  38. 中島巖

    ○中島(巖)委員 それで、このことについて立法措置のことをやかましくいろいろいわれておるのですが、これは、今資料を持っておらぬので、ここですぐ返答はできぬから、あとで御返事願う、こういうことですが、これは、おそらくかりに百億の災害があったといたしましても、七十億が国庫負担であとの三十億は全額が起債になる。それからそれが基準財政需要額に見積られて交付になって九五%が来るとすれば、おそらく地方公共団体の負担というものは、災害後の二十カ年間に二億か三億のこまかい数字になるのではないか。そういうことであるとすれば、この公共土木施設災害復旧事業費の国庫負担法に対する——国庫負担法に対すると申しますと、若干誤まりがあるかもしれませんが、災害復旧に対する臨時立法は、そう必要じゃない、こういうような考えも生まれてくるわけなんです。そこで問題になりますのは、これは、いつもの委員会で問題になるのでありますけれども、その国庫負担の対象にならないところの十万円以下——大都市は十五万円以下でありますけれども、単独災害もしくは小災害と呼ばれるものが、一番ここは問題になってくるわけなんです。そこで、これは自治庁の方にお尋ねしてもいいのですが、基本的な問題として、建設省の方に御答弁願いたいと思うのでありますが、これは、たぶん昭和二十八年度においては、政令でもって、五万円以上のものは全部起債の対象にしたと思いますし、それから農林水産関係におけるところの例の国庫補助法によりますと、三万円以下を単独災害にして、三万円以上は全部拾ってある、こういうような状態になっておるわけでありますが、この点について、何か現在お考えがあるかどうか、これも河川局長にお伺いいたしたいと思います。
  39. 山本三郎

    山本政府委員 小災害の問題につきましては、二十八年の特別立法におきましては、お説の通り建設省の分といたしましては、それを起債をいたしまして元利補給した、農林関係は、補助対象を下げまして国庫負担の対象にしたというのが実情でございます。今回におきましても、小災害が多いのでございますので、私どもといたしましては、それを起債の対象にいたしまして、国の補助と申しますか、地方交付税の対象にするとか、あるいは元利補給するとか、何かの方法一つ援助してもらいたいということを考えております。
  40. 中島巖

    ○中島(巖)委員 それに関連して、重ねて河川局長にお尋ねしますが、結局十万円を五万円に切り下げて国庫負担でやるか、あるいは五万円以上を国庫負担の対象にせずして起債で行う、この二つの方法があるわけです。そこで、私の考えとしましては、現在十万円なんというものはほんとうに小さな工事で、これらを一々建設省が査定するというようなことはおそらくできないから、結局本来なら国庫負担で行うべきであるのを、起債の対象にする、こういうような意味じゃないかと思いますけれども、その国庫負担にせずに起償の対象にするという建設省のお考えと申しますか、その理由はどこにあるかという点についてお尋ねしたいと思います。
  41. 山本三郎

    山本政府委員 小災害を国庫負担の対象にしてやることが非常にむずかししいというのは、お話しのように、小さいもので、数が非常に多いわけでございます。またこれを査定いたしましても、非常に小さいものでございますので、なかなか維持工事との区別もつかないという点で、事務的に非常に困難性があるわけであります。しかし、これも非常に大きなたくさんのものになりますと、財政的に市町村あたりでは困るものがあるから、別途の方法で援助してもらうように考えてもらいたいというのが私どもの考えでございまして、対象として取り上げたくないというのは、やはり国庫負担の対象にするものは適正なものじゃなければいけないから、その査定等におきまして非常に困難性があるものは、そういうことにしない方がいいというふうな考えでございます。また農林省におきまして、二十八年に対象を引き下げまして非常に困難をいたしたという例もございますので、われわれといたしましては、そういう方がよろしいのじゃないかというふうに考えております。
  42. 中島巖

    ○中島(巖)委員 そこで、次に自治庁にお尋ねしますが、過年度災害につきましては、数字がわかっておるから予算措置もできるわけでありますけれども、本年度災害に対する起債の関係ですが、これに対しましては、本年度は公共災害、と言うと語弊があるが、災害復旧費の予算は幾らくらいお持ちになっているか。
  43. 小野寺昇

    ○小野寺説明員 現年災の起債のワクについての御質問でございますが、公共と単独と二つに分けてありまして、通常の災害を予定いたしまして、公共災は二十億、単独災は十五億、こういう三十五億のワクを計画いたしております。
  44. 中島巖

    ○中島(巖)委員 今公共災害とほかの災害というようなお話がありましたけれども、公共災害とほかの災害との区分けは、一々種別をあげるわけにもいかぬでしょうが、それは、政令が何かできまっておるのですか。たとえばどういうものが公共災害であって、どういうものが関連災害であるというような例をあげて、御説明願いたいと思います。
  45. 小野寺昇

    ○小野寺説明員 私どもが通常使っている言葉で申し上げたので、御理解しにくかったと思いますが、いわゆる公共災害と申しますのは、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法による基準以上のものを公共災害と称しております。それから基準以下のものを単独災害、こういう取扱いをいたしております。
  46. 中島巖

    ○中島(巖)委員 両方合せて三十五億では、額が非常に小さいような気がするのですが、本年度の大災害に対処して、それだけの起債の予算でもってやる考えなのですか。
  47. 小野寺昇

    ○小野寺説明員 先ほど申し上げました三十五億のワクは、通常の災害を予定して組んだものであります。そこで、本年度のように七百億をこえるような大災害の場合は、災害の状況に応じて計画を増加して参る、こういう前堤で組んでおったわけでございます。従いまして、今年度においては三十五億では足りぬじゃないか、こういう考え方から、災害の発生並びに公共災害の査定の結果を打ちまして、そうして増額をやる、こういうことにアウトラインだけは大蔵省とただいま協議中でございます。結局結論は、ワクの増額を行うということでございます。
  48. 中島巖

    ○中島(巖)委員 結局、起債のワクは、国会の承認を経なくても、あなたの方で大蔵省と話し合いをすれば自由に伸び縮みができるわけですか。
  49. 小野寺昇

    ○小野寺説明員 別に国会の議決を要しませんが、原資との問題もございますので、大蔵省と協議いたしまして計画を策定する、こういう建前になっております。その前提といたしましては、財政投融資計画に今年度は総額千億円盛っておりますので、その財政投融資の千億をふやし、その増加に応じて地方債計画をふやしていく、こういう形になっております。
  50. 中島巖

    ○中島(巖)委員 ちょっと関連するわけですが、災害の問題と本問題とは、若干離れるかもしれませんけれども、結局交付税は、例の酒税、所得税、法人税の今二七%ですか、そういうことになっているわけですが、これだけの金額と、それから過大の起債の償還の額を合計して交付税とするわけですか、過去の償還はまた別にするわけですか、どういう取扱いをしておりますか。またそれらの総額がどのくらいかということがおわかりでしたら、御説明願いたい。
  51. 小野寺昇

    ○小野寺説明員 災害の償還額と交付税の税率とは関係はないのでございますが、要するに三税のうちの二十七・五%を交付税の総額とする、こういう規定になっておりまして、その中で九四%は普通上交付税になっておりまして、その普通交付税の中で、公共災害の元利償還については一円につき九十五銭、それから単独災害の元利償還については、種別補正をいたしておりまして、二八・五%という格好になっておりますが、そういうことで財政需要をはじいておるわけであります。公債費の額によって交付税の総額がきまるという建前にはなっておりません。  それからもう、一点の償還額が幾らか、こういう御質問でございますが、その資料をちょっと持っておりません。よその財政課がやっているものでございますから、手前どもでやっておりませんので、災害復旧の元利償還が、本年度のものが幾らになるかというのは、あとで調査してお知らせ申し上げます。
  52. 中島巖

    ○中島(巖)委員 それから災害関連が——若干はしているけれども、関連はないのでありますが、地方公共団体の起債の問題なんです。ただいま申し上げましたような災害復旧に対しては、公共災害復旧に対しては一〇〇%の起債を認める、これはわかっているわけです。それからまた地方公共団体によっては、災害でなくして、あるいは都市計画事業になるとかいうような事業、それから国で行うところの国道であるとかいうような公共事業の負担金に対するところの起債、それからさらに公営企業なんかに対するところの起債等、幾種類もあるわけですが、災害は一〇〇%認めるというのは、もちろんわかっているはずなんですが、その他の公共事業の起債のワクとか、その認定とか、そういうものについて、ワクはどのくらいあるのか、どういう方法で認定しているのか、これらについて御所見を承わりたいと思います。
  53. 小野寺昇

    ○小野寺説明員 ちょっと今の御質問の点で、認定と申しますのは、災害の認定でございましょうか。
  54. 中島巖

    ○中島(巖)委員 両方。災害はもちろん一〇〇%ですから。
  55. 小野寺昇

    ○小野寺説明員 そうすると、認定というのは、起債の申請がくる、その起債を認めるか、認めぬかの判断、こういうことでございますね。公共事業災害の方については、御承知の通りでございます。それから単独災害の方につきましては、申請を待ちまして、地方団体の申請によりまして、その内容を審査して、幾ら財源が所要か、なお一般財源で出せるところは、一般財源でやる面もございますが、所要の額を起債で考えていく。それからその他の通常災害でも何でもない、公共事業を執行する際に起債の申請があった、それをどう見るかというのは、各事業によって違いますが、施設の建設あるいは整備、それの緊要度を考えて、さらに一般財政の状況というものを考えて、非常に公債費の高い団体については、起債を抑制して参るという方針をとっております。そこで、一般財政状況と建設事業の緊要性とを勘案いたしまして所要の額を見ていく、こういう考え方をいたしております。  それから地方債の計画のワクでございますが、全体といたしまして一千億の計画になっております。そこで一般会計の分は、四百五十億でございます。この一般会計分と称しますのは、補助事業とか、災害復旧とか、義務教育施設、それから一般単独事業というような事業に充てるワクといたしまして四百五十億、それから退職手当値といたしまして十億、それから収益的建設事業という呼び方をいたしておりますが、港湾の埋め立てとか、あるいは簡易水道、屠場、こういうものに六十億あります。それから先ほどお話しのありました公営企業につきましては四百八十億、公営企業は電気とか、交通とか水道、そういうものでございます。それに四百八十億充てまして、合計千億という数字になっております。
  56. 中島巖

    ○中島(巖)委員 そこで、これはちょっと横道に入るかもしれぬけれども、公共事業で、大体建設省関係で建設省が認めたものの地方負担に対しては、全額起債を認める、こういうようなふうに了解してよろしいですか。
  57. 小野寺昇

    ○小野寺説明員 今の建設省で認めた公共事業の地方負担、これは災害を除いてでございますね。——これにつきましては、私どもの地方財政の健全化の一つの基本方針がございまして、一般会計災の起債が過去にどんどん認められましたために、現在非常に公債費が累増いたしまして、財政の弾力性を失う、こういうことから、一般会計災の総ワクというものを押えていこう。押えるのは、税収とか、交付税とか、一般財源の増強と相待って起債額を押えていこう、こういう考え方で、ここ二、三年来地方財政構造の健全化をはかる方策をとって参ったわけであります。従いまして、今仰せの一般公共事業の地方負担に対しましては、年々ワクを落して参りまして、本年度は百億ということにいたしております。そこで、全体の公共事業の地方負担が約七百億くらいだと思いますが、それに対して百億、こういう現状でございます。そこで起債の認め方といたしましては、公共事業の中にはいろいろございますけれども、河川総合開発とか、港湾とか、あるいは都市計画事業とか、公営住宅とか、そういう特定の事業を限定いたしまして、その地方負担について起債を認めていく、こういう取扱いを本年いたしております。
  58. 中島巖

    ○中島(巖)委員 どうもよくはっきりわからぬですが、本日の議題とは違いますので、またいずれあらためてそれらについて質問をすることにいたします。  そこで、この災害関係で、また重複するようになるわけでありますが、単独災害の起債の関係です。これは、たしか昨年自治庁の方で、各県に対して、一件ごとの額が百万円にならなければ起債の許可をしてではいけない、こういうような通牒を出されて、それに対しまして、私がこの委員会質問いたしましたところが、災害に関しては一件ごとではなくて、全部をまとめて百万円以上になれば起債を許すように取り計らう、こういう答弁を当時の何局長だったかわかりませんが、自治庁の担当局長から答弁を得たのでありますが、その後そういうように実施しておりますか。
  59. 小野寺昇

    ○小野寺説明員 一件の限度の問題でございますが、単独災害につきましては、人口十万未満の市町村、いわゆる小規模団体でございますが、原則的には一事業一件、こういう判断をしております。これは個所別ではございませんが、河川なら河川、道路なら道路、こういう事業別に一件という取扱いをしておりますが、人口十万未満の市町村の一件限度につきましては、災害額合せて百万円以上であればよろしい、一事業別に百万円以上でありますと起債を認める、こういう取扱いをいたしております。
  60. 中島巖

    ○中島(巖)委員 そこが非常に重大な問題であって、一件ことになると、学校は学校、道路は道路、河川河川、そういうことになりまして、従って小さな村なんかでは、年間の税収入が百万円を切れるような村がある、それが一件ごとということになってくると、総額で五、六百万円あっても、ちっとも起債の対象にならぬことになる。それを全部包括して百万円ということになると、ほとんどが起債の対象になる。この点が非常に問題の点で、そこを質問いたしましたところが、一件ごとという通牒は出してありますが、災害に限って、本年度からは総括したものが百万円になれば起債を認めるということになりました、こういうような答弁であったんですが、ただいま私が質問したような全部のものを合計して百万円以上になれば起債を認めているかどうか、その点、重ねてお聞きしたいと思います。
  61. 小野寺昇

    ○小野寺説明員 先ほども申し上げましたように、災害外の通常の起債の場合は、学校は学校、道路は道路、これを一件にして取り扱っておりますが、災害の場合は、いわゆる公共災害でいう負担法別、農林は農林、公共土木は公共土木、河川であろうが、橋であろうが、道路であろうが、一本にまとめてやっておりまして、法律ごとに一件というふうに解釈しております。そこで、十万以下の場合は、法律ごとのやつを一本にまとめる、こういう取扱いをいたしておりますので、仰せのように、公営企業は別でございますが、通常の場合の災害につきましては、一本にまとめて百万円以上であれば起債を認める、こういう取扱いをいたしております。
  62. 中島巖

    ○中島(巖)委員 そこで、災害復旧費の起債の据え渇き、それから償還期限、これを一つお尋ねいたしたいと思います。  もう一つの点は、ただいまの単独災害と、それから国庫負担法によるところの災害による地方公共団体の負担に対する起債と、こう二つに分れるわけですが、この二つとも、起債の方法は、自治庁として基準財政需要額に繰り入れて、交付税でもって同じような方法の償還で認めているのかどうか、この二点を伺いたい。
  63. 小野寺昇

    ○小野寺説明員 償還期限の据え置きだけでございますね。償還期限につきましては、それぞれ土木の場合は、内容がいろいろございますが、一つの例を申し上げますと、道路の場合は期限が十五年以内、そのうち据え置きが三年というふうになっております。それから河川総合開発事業の場合ですと、償還期限が二十年でありまして、そのうち三年以内で据え置く、こういうことになっておりまして、災害の場合も、一般の償還期限と同じ取扱いをいたしております。ただ起債を一件にまとめることがございます。たとえば先ほどのように道路も橋も学校もまとめる、こういう場合がございますが、そういう場合は、特別に償還期限を定めております。これは十年以内でありまして、据え置きが二年となっております。  それから交付税の基準財政需要に算定しておるかどうか、これは、仰せのように算定いたしております。いたしておりますが、公共災害の場合と単独災害の場合と、ウェートは若干違いまして、公共災害の場合は、先ほどお話がございましたように、一円につき九十五銭、単独災害の場合は、これは種別補正の際に使うものですが、二八・五%という格好になっております。
  64. 中島巖

    ○中島(巖)委員 今の単独災害の場合の交付税の率は、二八・五%ですか。
  65. 小野寺昇

    ○小野寺説明員 さようでございます。
  66. 堀川恭平

    堀川委員長 それでは本日はこの程度にとどめまして、次会は公報をもってお知らせいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時十三分散会      ————◇—————