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佐藤(虎)
委員 私は、時間もありませんので、大臣に、特別立法は作るか作らないかという
久保田議員からの御質問があって、御答弁がありましたが、これをいささか補足し、
道路局長、
河川局長とにあわせて御質問し、一問一答の質問はやめたいと思います。
なぜ特別立法を作らなければならないかということについては私は、
土木災害につきましては起債で認可になる、この起債に対しては、九五%の
地方交付金によっていささかでも補われるのでありますが、
農林、漁業、中小企業
災害に対しましては、その恩典がないように見受けておりますために、どうしてもこの特別立法が必要ではないか。そこで、ただいま
久保田議員の御
要望もございましたごとく、償還期間を延期してくれ、あるいは利子補給も何とかしてくれというようなことも、あわせて
罹災者の大きな声だと思います。ちょうど大臣は、あの
災害の起りましたあくる日に直ちに参られまして、
交通遮断がされておるためにヘリコプターか何かで行かれた。私は、ちょうど
三島に行く、大臣は飛行機で飛び出す、これはいかぬということで、長岡に参りまして、以後
久保田議員とも常に会っておりましたが、四日間にわたって奥地までジープで行ったり来たりして参ったのですが、その
要望です。そこで、どうしてもこの際特別立法を作らないことには、
罹災者が安心しないじゃないかということでありますから、特にこの点にお力を入れて、閣議において
実施されるように
要望いたします。
そこで、
道路局長に、一応
要望であり意見を申し述べたいと思いますが、なぜこのための
災害が起きたか。
狩野川の
災害の根源をなしたのは、治山治水にも因がありますが、一つは、あの天城山脈から大木が根こそぎ流れてき、あるいは林野庁の天城の材木が何万石と押し流されて参りました。そこに、当時はその計画であったからよろしかったが、
修善寺橋という
永久橋があります。この
永久橋に全部つかえまして、ダムになってしまった。この
永久橋は、持ちこたえることができ得ず、崩壊しなければならぬ。その
永久橋の
修善寺橋が崩壊するまでには、危険水位を突破するだけの水量であったのです。それに
修善寺橋が崩壊したために、一度に流れてきた水が、危険水位以上に約三メートルの高さできた。これが押し寄せてきたために、
修善寺のあの中学校、あの
堤防を押し流し、そうして
大仁橋を流し、熊坂を一なめにしていく、あるいは大仁の
中島なり、よって来たったこの惰力で、長岡の
堤防が切れ、あるいは江間の
堤防が切れたという一つの原因となった。ちょうど今日の電源開発のダムが、あれだけの水圧で持ちこたえられなくて流れてきたのと同じような結果が、このたびのこの大
災害をもたらしたのであります。これは、私は今後
橋梁は、
道路計画による
橋梁の場合には、今までのような橋げたであってはいけない、ああいうスラブであってはいけない、少くともアーチ式のものにして、そういう立木が流れてきても、そこにつかえないような
橋梁計画を立てなければならぬと思うが、これに対して、そういうお考えがありますかどうかということです。
いま一つ簡単に尋ねます。御承知の
三島から
修善寺に通ずる二級国道でありますが、蛇ケ橋より長崎、ちょうどここに
久保田議員もおられますが、
久保田議員の原木あるいは韮山、いわゆる長岡の駅に通ずるところが非常に
道路が狭いのです。今までは、土地の問題がどうだこうだという理屈もありまして、なかなか拡幅ができなかった。しかしながら、このたびまた行ってみますと、異常の惨害であります。見る影もない
災害のありさまで、泥だらけで、何としてこれを除去することができるかというような哀れなる姿であります。これは、三十四年度にはいずれにいたしましても、この
道路は拡幅しなければならない
道路であります。そこで私は、村長初め
久保田議員とも打ち合せまして、この際土地の価格が安い高いというよりも、何とか政府にも余分に金を出していただいて、今これを払幅してしまおうじゃないか。そこで、来年度の
予算をことしいただければ、いささかでも移転しなければならないような住宅の資金にも、一応繰り入れられることになるではないかということを、村長、村議
会議員、
久保田議員とも話し合ったところが非常に喜ばれまして、ぜひそのようにしていただきたい、こういうのでありますから、これは一つ
実施していただいて、災い転じて福となるように、私どもも直ちにはせ参じ、
久保田議員とともに御協力申し上げたいと思いますから、地元の
要望にこたえてやっていただきたい。
そこで、
河川局長にお願いいたしますことは、どういたしましても、今の
堤防計画というものが、流れていったやつを見ますと、あの
堤防のてんばに水がたまり、前から切れるよりもむしろうしろから切れてくるのがいつの
災害でも多いのでございます。このたびの長岡の切れたのを見ますと、事実そういうように聞き及んでおります。裏から食われてきて、前の水圧で持ちこたえられなかった。ちょうど
久保田議員にも御協力願いましたのですが、あの千歳橋から水宝閣に参ります間、てんばは舗装
道路にして、そうして一方
交通にして、いま一段下げて、それも舗装
道路にしてあります。これは、
東京急行があそこを経営しておるために、何とか上を舗装にできないかというので、
建設省の御了解を求め、御認可を得てやったのですが、ここは微動だもしない。てんばを舗装しない、いま一段下には水が出ておるというようなことがあった。そこで、長岡から大仁に通ずる、今度流れました
堤防のきわまで思い切ってやってくれないかというので、私が
東京急行の五島慶太社長に頼んだら、それもよかろうというのでありましたが、当時紀本という沼津の土木所長のわからず屋やろうがいやがって、こいつが全然認可しない。そのために、それが流れたではないか。てんばがあって、その裏をいま一段下に下げて、やはり舗装
道路にしておったならば、りっぱなものになって、今日の
災害を除去することができたじゃないかというようなことも私どもは考えておるのでありますから、今後恒久的
堤防を構築する場合には、前も必要でありますが、どうか裏の方の土固めを十分にしていただきたいということを、私は
要望しておきます。
そこで、大臣にお願いと申しますか、お考えがあるかどうか。第一、このたびのこの
災害というものは、非常に山くずれが多かった。それに伴うところの治山、いわゆる砂防計画がなかった、こういうことであります。一体
建設省が
河川改良をいたしましても、砂防計画ができておらなかったら何にもならないというのが、これはいつの時代にも明瞭にわかっております。そこで、今日私どもが考えておるのは、特に
建設大臣は、
農林行政の大家であります。でありますから、特に私は御意見を承わっておきたいのですが、
河川改修はし、
改良はいたしておりますが、
農林省におきまする治山施設
事業というものがあります。これらを、自分たちは自分たちだけでやる。
河川は
河川でやれというようなことであって、いわゆるなわ張り根性を持っております。大臣は、これを今度話し合ってやるというが、なかなかなわ張り争いというものは、いつまでたっても解決のつくもんじゃないことは、大臣みずからが御承知のはずです。そこで、幸いこの内閣におきましては、行政改革を叫んでおります。そこで、私は、少くとも行政改革でありますから、こうした
災害を取り除くために、一丸として、
農林省におきまする治山施設
事業とかなんとかという項目がだいぶあるようです。あるいは港湾に至りましては、
農林港湾とか漁港とかいうもの、水のはけるところに港湾ができる。あるいは山には、自分たちの砂防計画が十分にできておらぬということは、大きな
災害を今後日本じゅうにもたらすものでありますから、一つのなわ張り根性をやめさせまして、幸いにして行政改革によって、このたび大臣も十分決意されて、閣議で御発言願って、全部一丸として土木
事業というものに対しては
建設省に包含して——名前は何とくっつけようとかまいません、この
災害を一つの契機として、再び
災害が繰り起らないように一つ一つ解決するようにしていただきたいのであります。特にこれは、社会党が喜ぶことでございましょうが、私どもは
現地を歩いて、鈴木茂
三郎先生にもわざわざ行っていただいて、そのときの新聞発表を見ると、
自衛隊がよく働いておることに感謝するということを申されております。大臣みずからが、国会で、
自衛隊の御好意によりと言ったので、だいぶヤジられたとか嘲笑されたとかということがあったじゃないかということを、今度
現地に行って、ちょうど
久保田君の村です、韮山村の役場へ行ったら聞きました。とんでもないやろうだ、国
会議員なんというやつは、ろくなやつがいない、大臣が所管大臣であるから、
現地に見にきて、そうして
自衛隊の涙ぐましいこの働きに対して感謝するということは、自分が
罹災者の一員になった気持で発言をしたのであろう、もしそれを笑ったりばかにするような者があるならば、われわれ
罹災者は許さないぞというような心がまえでおったのですから、大臣は悲観をしないで、大いに奮斗していただきたいと思うのであります。これは、ほんとうに私が聞いてきた声であります。
そこで、このたびの
災害で、一番
自衛隊がお働きになって下すったことに私も感謝はいたしておるのでありますが、
自衛隊の
要望として、私どもに一番ほしいものがあります。何だと聞いたら、ヘリコプターだそうであります。このヘリコプターは、電信電話が不通になり、あるいは食糧輸送、あるいは
被害者の救助その他の点について、大なる活躍をされたのでありますが、遺憾ながらわずかに五台しか用意ができ得ない。しかも高田の連隊、あるいは練馬の連隊、豊橋の連隊という方からみな持ってきたというお話であります。
自衛隊にも、今後グラマンを買うとかロッキードを買うとかいっている話ですが、余分のことではありますが、各
自衛隊には十分にヘリコプターを与えてやっていただきたい。これは、毎年ある
災害でありまして、私どもは二十八年の九州の
災害も見ました。これは、非常に必要なことだということを、私どもは毎度体験しておるのであります。どうか、行政機構改革に伴うところの土木
事業の所管省は、全部
建設省に包含して、国土省なり何なり必ず作るという決意をもって臨んでいただきたい。しこうして、このたびの
災害は、
静岡県、あるいは
福島、あるいは青森あたりが相当ひどいようであります。これらにつきましても、特別立法の処置を講じられまするように、一段の御
努力と御奮斗をお願いして、私のお願いといいますか、質問はこれで打ち切ります。