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1958-10-03 第30回国会 衆議院 議院運営委員会図書館運営小委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年十月三日(金曜日)     午前十時二十四分開議  出席小委員    小委員長 松澤 雄藏君       飯塚 定輔君    福永 健司君       三和 精一君    木下  哲君       下平 正一君    山本 幸一君  小委員外出席者         国立国会図書館         参事         (管理部長)  枝吉  勇君         国立国会図書館         参事         (一般考査部         長)      酉水 孜郎君         国立国会図書館         参事         (支部図書館部         長)      上里美須丸君         国立国会図書館         司書              (受入整理部         長)      岡田  温君         国立国会図書館         参事         (国際業務部         長)      市川泰治郎君         国立国会図書館         参事         (国立国会図書         館支部上野図書         館長)     山下 平一君         国立国会図書館         参事         (管理部経理課         長)      大山  寛君         国立国会図書館         司書         (受入整理部編         さん課長)   村尾 成允君     ————————————— 本日の会議に付した案件  国立国会図書館運営に関する件      ————◇—————
  2. 松澤雄藏

    松澤委員長 これより図書館運営小委員会を開会いたします。  本日、図書館側から御出席願いました方々は、前管理部長、現在支部上野図書館長山下平二君、管理部長枝吉男君、管理部経理課長大山寛君、受入整理部長岡田温君、受入整理部編さん課長村尾成允君であります。  なお、皆様方会議に入る前に御報告申し上げますが、副館長中根秀雄君が、十月二日午後三時逝去されました。本三日午後六時から八時まで通夜をいたしまして——これは自宅で行いますが、葬儀は、四日の正午、告別式は、午後一時から二時まで、護国寺で行いますから、御報告申し上げます。なお、図書館小委員会を代表した立場におきまして、私の方から御弔問をきのうのうちに申し上げておきましたから、これまたあわせて御報告申し上げます。     —————————————
  3. 松澤雄藏

    松澤委員長 それでは、これから質疑に入ります。
  4. 下平正一

    下平委員 図書館側に、もう二、三人おいでを願いたい。国際業務部長市川さんと、一般考査部長西水さん、それから支部図書館部長上里さん、それだけ一つ出席要求いたします。
  5. 松澤雄藏

    松澤委員長 それでは、国際業務部長市川君、一般考査部長西水君、支部図書館部長上里君の手配を願います。
  6. 山本幸一

    山本(幸)小委員 ちょっと前管理部長と現管理部長のお二人に交互に御説明願いたいと思うのですが、図書館外郭団体のような形で春秋会なる財団法人ができておりますが、それはどういうわけで作ったのですか、簡単でいいですから……。
  7. 山下平一

    山下国会図書館参事 最初春秋会というものは、読書春秋という雑誌がございまして、この発行のために、昭和二十四年ごろから作られておったように記憶いたします。その時分は、ほんとう任意団体で、私ども関係しておりませんでした。その後、複写などに関連いたしまして、館の費用が少いために、どうしてもどこかでこれをやってやらなければならぬじゃないかというようなことが起りまして、それには、やはり春秋会の名前でやった方がよかろうというようなことがございまして、それで、春秋会で引き受けてやるというようなことになって参りますと、金銭の授受もございますし、何か財団法人にしないといかぬじゃないかというような議も出ておりました。しかし、財団法人にいたしますには、基本金どもいる関係上、なかなか実現しなかったのであります。そのうちに、複写関係あたりで多少の財源ができて参りまして、これならば財団法人としても立っていけるように見えるから、何とかしてこの際進めたいというので、資金の寄付を仰ぎまして、昭和三十一年十月、財団法人の許可を得まして、財団法人といたしました。目的は、国立国会図書館と協力して、その他内外図書館と連絡提携して……。
  8. 山本幸一

    山本(幸)小委員 よくわかりました。財団法人出資金、幾らですか。
  9. 山下平一

    山下国会図書館参事 二百万円でございます。
  10. 山本幸一

    山本(幸)小委員 二百万円の出資者は、おもにどういう人々ですか。
  11. 山下平一

    山下国会図書館参事 出版界がおもでございますが、有斐閣の江草四郎氏、それから岩波の理事であった布川角左衛門氏、それから毎日の西村氏、それから西川産業西川文一氏、それから連合出版社の外川氏、それから館長、副館長
  12. 山本幸一

    山本(幸)小委員 図書館側出資をしておるのは、館長、副館長だけですか。あとはしておりませんね。
  13. 山下平一

    山下国会図書館参事 しておりません。
  14. 山本幸一

    山本(幸)小委員 そうすると、大半は出版業者出資ですね。
  15. 山下平一

    山下国会図書館参事 そうです。
  16. 山本幸一

    山本(幸)小委員 出資金のほかに寄付があったのですか。
  17. 山下平一

    山下国会図書館参事 寄付はございません。
  18. 山本幸一

    山本(幸)小委員 そうすると、もう一つお尋ねしたいのですが、あなたのお説によると、図書館業務に協力しよう、こういうことですね。図書館費用がないから、こういうものを作って協力しようという結論ですね。なぜ図書館で先にやることを計画されなかったのですか。
  19. 山下平一

    山下国会図書館参事 複写業務について九十万円くらいもらっておるわけですが、これでは、とても図書館複写要求に応じてやるだけの経費はございません。これによって図書館自体でも二百万円ばかり現在いたしておりますが、このほかにも相当利用者がございますので、とてもこの図書館経費ではやりきれませんので……。
  20. 山本幸一

    山本(幸)小委員 そのことをなぜ国会要求しなかったのですか。現実の予算が足りぬことはわかっています。だから、春秋会のやるだけの仕事はできないことはわかっておりますが、春秋会お作りになる前に、図書館自体でそれをおやりになる計画を作り、その計画に基いて予算要求をなぜしなかったか。
  21. 山下平一

    山下国会図書館参事 予算要求はいたしました。
  22. 山本幸一

    山本(幸)小委員 いつしましたか。
  23. 山下平一

    山下国会図書館参事 それは毎年やっております。現在でもやっておりますが、これはなかなか認められません。
  24. 山本幸一

    山本(幸)小委員 だれが来て説明しましたか。
  25. 山下平一

    山下国会図書館参事 これは、予算のときには館長が参りまして、説明したと思います。
  26. 山本幸一

    山本(幸)小委員 予算全体は、私どもは、要求を受けたことはありますが、こういう事業をやるからというような点については、たとえば今の複写の問題については、かつて一言も聞いたことがない。これは、私ばかりではない、だれもそういう説明を聞いたことはないのです。
  27. 山下平一

    山下国会図書館参事 あの中には項目が載っておると思いますが、大体ここへ来て館長が御説明しますのは、重要な事項だけでございますから、あるいはその点落ちておったかとも思います。予算にはいつも載っておりまして、要求しておるのでございます。ただしかし、ここで御説明申し上げますのは、大体大蔵省と折衝がついて、削減されたものが載っておったと思います。なまのままではあまり出していなかったと思います。
  28. 山本幸一

    山本(幸)小委員 それからもう一つは、衆議院事務局の中に、こういう財団法人ができたということをあなたは知っておるでしょう。前の事務総長の時代に……。
  29. 山下平一

  30. 山本幸一

    山本(幸)小委員 何とかいう外郭団体……。
  31. 山下平一

    山下国会図書館参事 存じません。
  32. 山本幸一

    山本(幸)小委員 少しは知っておりますか。
  33. 山下平一

    山下国会図書館参事 何か、消費組合的なものがあるようには聞いております。
  34. 山本幸一

    山本(幸)小委員 館長は知っておるのですか。あなたは知りませんか。
  35. 山下平一

    山下国会図書館参事 よく存じません。
  36. 山本幸一

    山本(幸)小委員 春秋会というような外郭団体を作って、そういう業者との間に請負事業なんかをやる。しかも、その財団法人責任者図書館長であり、実際の仕事図書館の人がやる。他に三、四名の技術屋を必要によって雇い入れているだけである。従って、国から給料をもらっておる図書館職員が、経理から企画から一切をやる、あまつさえ業者から仕事依頼を受けた形をとる、さらに依頼を受けた業者に対して、図書館がまた委託をするというような形をとっておる、そういう業務を、国から給料をもらっておる図書館員が、やっていいと思いますか。
  37. 山下平一

    山下国会図書館参事 これは、図書館が当然すべき複写業務だと思うのですが、それができない関係で、春秋会がやむを得ず代行するというように私は考えていいのじゃないかと思います。それは、準公務としてやるというような基本的な考え方に立ってやっておったわけでございます。
  38. 山本幸一

    山本(幸)小委員 わかりました。意図善意であろうとも、何ら国会にそういう話も報告しないで、国から給料をもらっておる図書館員が、そういう利潤を上げる財団法人仕事——意図は別ですよ、あなた方がおやりになろうとする意図は、図書館がやれぬことをやってやろうというのだから、従って主観の立場からいえば、公務に準ずることなんだ、こういう解釈もできるでしょう、意図は私はわかります、わかりますが、そういう意図は別問題にして、図書館という国の重要な機構の中で、しかも館員給料をもらっていて、利潤を上げるような、しかも税金まで払っておる、そういう団体仕事をやっていいと思われるのか、悪いと思われるのか。意図は別問題です。結果がよかったとか悪かったとかいうことは別問題として、そういうことをやっていいか悪いかということをお聞きしたい。
  39. 山下平一

    山下国会図書館参事 どうも理論的に言うと、悪いということになるのかもしれませんが、しかし意図善意でございますし、公益のためということで、私はいいのではないかというふうに解釈しておったのでございます。理論的に言って、突き詰めていけば、あるいは悪いということになるかもしれませんが……。
  40. 松澤雄藏

    松澤委員長 山下君にお聞きしますが、今まで館長春秋会の現況とか、あるいは経理の結果とかいうものを詳しく説明しましたか。
  41. 山下平一

    山下国会図書館参事 とにかく予算決算というものは、必ず館長も出まして理事会を聞きまして、そうして予算を作り、それから報告いたしております。また、重要なことについては、決済を受けてやっておりますので、特に一々やったということはございませんけれども、必ず報告はいたしております。
  42. 松澤雄藏

    松澤委員長 もう一つ。さっきあなたが、国会の正規の費用では、複写業務費が九十万円ぐらいしかなくてできなかったために、これを作ったという意味のことを言われました。しかも、山本委員の御質問に対して、あまり確固たるお話がなかったのですが、館長がここに来て、複写業務費が特に足らぬためにこういう団体を作らざるを得ないと思うというような意向のことは、一度もお話がなかったのです。そばに来ておった君たちも聞いた覚えがなかろうと思うが、これに対して、補佐しておる前管理部長としては、どう考えられますか。
  43. 山下平一

    山下国会図書館参事 予算のときに話すべきだったかと思います——特にそのために外郭団体を作らなければならぬということは、御報告しなければならなかったかと思いますが、そこに私らのミスがあったかと思います。
  44. 山本幸一

    山本(幸)小委員 それでは聞きますが、もし、この春秋会という外郭団体不正がかりにあったり、あるいはあやまちがあった、そういう事態が起きたとするならば、それは、図書館とは全く関係ないというふうにあなたは理解されますか、客観的に見られて……。
  45. 山下平一

    山下国会図書館参事 やはり図書館の人が相当タッチしておるのでございますから、責任がないとは言えないと思います。
  46. 山本幸一

    山本(幸)小委員 それでは、そういう春秋会というものは、人間のやっておることですから、必ずしも全部があやまちがないとは断言しかねると思うので、そういう外郭団体で、国から給料をもらっておる図書館員が、ほとんど仕事をやっておるという今日の事態を、なぜ一ぺんでも国会報告しなかったか。なぜわれわれの耳に入れなかったか。自分だけで勝手に解釈して作るというのは、おかしいじゃないか。
  47. 山下平一

    山下国会図書館参事 そう言われると、確かにそうすべきだったとは思うのでございますが、しかし、そのときはそれほど重要に考えていなかったかと思います。今から考えれば、当然そうすべきだったと思います。
  48. 下平正一

    下平委員 山下君の今の答弁を聞いておると、春秋会は、あなた方の考え方では、当然図書館員としてやってもいいのだというような考え方らしいですね。そこに、ずいぶん考え方として違っておるところがあると思うのです。国会図書館職員としてまず第一にやるべきことは、自分仕事ができなかったら、できるような予算要求を、あるいは説明を、私たちの場所に来てやって、どうしてもこれができぬ場合に、便法としてやるのだ、こういう手段をとるのが当りまえだと思います。そういう基本的なあなた方の考え方がないから、われわれ第三者から見ると、図書館員職員としての仕事をしておるのか、あるいはまた外郭団体のようなものが一ぱいあっちこっちにできて、いろいろな寄付が行われたりしておるような形が、非常に出てきておる。これはあとで、全部部長さんを呼びましたから、部長さんごとにお聞きいたしますが、春秋会をもう少し聞きたいのです。まず、項目別に聞きます。春秋会職員というのは何名なんですか。
  49. 山下平一

    山下国会図書館参事 春秋会は、現在事務局長を入れまして、館員のほかに八人でございます。
  50. 下平正一

    下平委員 それで、春秋会仕事に、そのほかに携わっておる人は何名くらいあるのですか。
  51. 山下平一

    山下国会図書館参事 それは、経理の方も経理課の方でやっておりますので、わずかでもタッチしておる人も入れますと、かなりな人になるかと思います。しかも、人事、経理、庶務、それから実際の仕事をしております者は、おそらく三、四十人くらいになると思います。
  52. 下平正一

    下平委員 この八人の職員仕事は、主としてどういう分担をしておりますか。
  53. 山下平一

    山下国会図書館参事 春秋会機関紙である読書春秋を担当している人が三人おります。それから、実際に複写業務に従事しておる人が三人、それから経理的な仕事をしている人が一人、それに事務局長が一人、それで計八人でございます。
  54. 下平正一

    下平委員 それで、春秋会のやっている一番おもな仕事は何ですか。
  55. 山下平一

    山下国会図書館参事 今申し上げました読書新聞発行複写業務、あるいは図書館界と協力いたしまして、連絡その他資料利用について、いろいろの懇談会などをいたしております。
  56. 下平正一

    下平委員 この三十二年度の事業会計決算書を見ると、総収入が六百二十八万四千円、その事業別に見ると、複写業務がほとんどを占めております。金額的に見ても、複写業務が五百二十六万八千円、春秋会はほとんど大部分複写業務だ、こういうことがいえると思いますが、大体どのくらいの内容を持っておるのですか。
  57. 山下平一

    山下国会図書館参事 これも経理関係かと思いますけれども日本新聞協会というのがございまして、そこと契約いたしまして、大部分中央紙と、それから地方紙数十紙、全部で四十三紙くらいかと思いますが、その複写を引き受けまして、現在やっております。その方の収入が、約三百万ございます。それから、PBレポート、あるいは科学技術関係資料、そうしたものの複写が百万くらいございます。大体それで四百万くらいになっております。
  58. 下平正一

    下平委員 複写はどういう形でやっているのですか。何かロックフェラーからもらった……。
  59. 山下平一

    山下国会図書館参事 ロックフェラーから寄贈を受けました複写設備がございます。これは、もちろん館の複写のために、また館が引き受けて複写をしてやるために使っております。経費関係で、フルに使うことができません。これは、ロックフェラーの方に、どういう利用状況であるかということを報告しなければならない関係もありまして、やはりフルに使っているということを報告するために、春秋会で拝借して複写をやっているというわけであります。
  60. 下平正一

    下平委員 年間の数量はどれくらいございますか。複写は何枚くらいですか。
  61. 村尾成允

    村尾国会図書館司書 春秋会のいたします複写の量は、三十二年度におきまして——写真の用語を使いましておわかりにならなければ、また御質問していただきたいと思いますが、ネガと申しまして、撮影しました分量が二十三万六千五百六十一コマ、それからポジと申しまして、ネガからもう一つフィルムに焼き直すわけでございますが、それが十万九千八百八フィート、そういうことになっております。
  62. 下平正一

    下平委員 それは、春秋会が直接扱っておる分でございますか。
  63. 村尾成允

    村尾国会図書館司書 さようでございます。
  64. 下平正一

    下平委員 そのほかに、あなたのところで下請会社を指定して、下請会社下請さしている量があるでしょう。それはどれくらいあるのですか。
  65. 村尾成允

    村尾国会図書館司書 これは二通りございます。よそから注文を受けまして、春秋会で処理するのに、自分のところで作らないものに二通りございます。一つは、よそから図館館自身が受けました場合と同じように注文を受けまして、それが本館の処理能力以上であったものを、よそにやらせることがあるわけでございます。これが、三十一年の十月以来でございますが、一万二千四百七十一枚作りました。外に注文してやらしたわけでございます。そのほかに、一般注文者と同じ資格ではございますが、業者注文をとってきまして、それを特に自分のところでやらしてくれというのがございます。その数量は、今までにやりました分が、全体で——種別で三つございますが、最初に撮影して作りますフィルムは、一万四千五百六十一コマございます。それをまた別のフィルムに焼きつけますポジフィルムと申しますのが、四万四千五百四十六フィートございます。それから、フィルムから印画に引き伸ばした分が、三万九千八百九十一枚、そんなふうになっております。先ほどよそにやらせると申しました二つのうちの、契約によらない分でございますが、これを枚と申しましたのは、引き伸ばしの枚数のことでございます。
  66. 下平正一

    下平委員 山下さんが御説明になった約四百万の収入のうちに、三百万が新聞協会あとPBが百万、こうおっしゃいましたですね。今おっしゃいましたのは、種類はどういうものでございますか。新聞協会のものは入ってないのですか。
  67. 村尾成允

    村尾国会図書館司書 入っております。
  68. 下平正一

    下平委員 そうすると、これは金額にしてどれくらいになるのですか。
  69. 村尾成允

    村尾国会図書館司書 約七十万というところでございましょうか。
  70. 下平正一

    下平委員 自家扱いのものはどれくらいでございますか。
  71. 大山寛

    大山国会図書館参事 今、村尾課長から申されました春秋会自体でやっておりますのは、大部分新聞協会でございます。三十二年度の春秋会決算によりますと、三百三十七万一千八百二十二円になっております。私は経理課長でございますが、実は春秋会会計担当者ではないのでありまして、監査はしておりますけれども……。そのことをちょっとお断わり申し上げておきます。
  72. 松澤雄藏

    松澤委員長 それでは現在の管理部長枝吉さんにお聞きしますが、春秋会経理関係を扱っているのはどなたですか。
  73. 枝吉勇

    枝吉国会図書館参事 経理課に、小池というのが課長補佐でおります。それが、大体春秋会経理課長の役をやっております。
  74. 下平正一

    下平委員 小池春秋会における経理担当者を呼んで下さい。  それで、下請をさせる場合には、どういう手続、あるいはどういう料金、そういうのがあると思うのですが、下請関係はどうなっているか、ちょっと話して下さい。
  75. 山下平一

    山下国会図書館参事 たとえばPB出版社下請のあれをやっておりますが、この場合には、春秋会でやります場合にも、図書館複写規定によります複写料金でやるというのが原則でございますが、大量に注文を受けてやるというので引きまして、それから下請値段も協定してやっております。たとえば、印画八つ切り一枚二十五円が館の規定によるものでありまして、春秋会といたしましてもそれでやっているのでございますが、これを二十一円でやる。それからマイクロ・フィルムコマ百八十円というのが規定でございますが、それを百六十円、それから一コマ増すごとに十円というのを八円にするというような、割り引きした値段でやってもらっているのであります。
  76. 下平正一

    下平委員 今ここに契約書を持っているのですが、八つ切りは二十五円のを十九円六十銭じゃないですか。
  77. 山下平一

    山下国会図書館参事 そうでございます。
  78. 下平正一

    下平委員 そうすると、平たくいえば、春秋会下請させただけで、一枚について、たとえば印画八つ切りで、五円四十銭ずつただ入ってくる、こういうふうに理解していいですか。
  79. 山下平一

    山下国会図書館参事 手数料と申しますか、そういう差があるわけでございます。
  80. 下平正一

    下平委員 そうすると、春秋会は何のために、一枚について五円四十銭というような相当大きい金額——大体一枚八つ切りが二十五円でしょう、そのうちの五円というのですから、五分の一ですね、この膨大な金額をなぜ春秋会がピンはねするのですか。
  81. 山下平一

    山下国会図書館参事 ピンはねと申しますか、これは実際に貸し出す人もおりますし、春秋会としてやっていくためにも、多少利益を得ておるわけでございます。これが、ほんとう春秋会が引き受けまして複写いたしますと、それだけは入ってくるわけなんでございます。その複写下請させるというのは、実はPBレポート出版社のために、そういう制度を作ってやっているのでございます。といいますのは、複写のための貸し出しということはやっておりません。ただ、PBレポート出版社の方では、PBレポート速報というようなものも出しておりますし、どうしてもPBレポート複写したいという要求があるから、これを複写さしてやりたいというのでございますが、どうも館として、あるいは春秋会として、貸し出してやる方法はございませんので、春秋会が引き受けることにいたしまして、それを下請させるという形をとっているわけでございます。
  82. 下平正一

    下平委員 それはさっきからの説明でわかっているんだけれども、二十五円のうちで、どうして五円四十銭もの差額を徴収しなければいかぬか、その根拠を聞いておるのです。実際春秋会は何も扱っていないでしょう、下請の分については。
  83. 山下平一

    山下国会図書館参事 下請の分については、貸し出しを行なっております。
  84. 下平正一

    下平委員 印画の材料も薬も、全部下請会社がやっているのでしょう。図書館では、ただ貸し出すだけでしょう。それだけの仕事に、一枚二十五円のうちの五円をどうしてとるのです。この費用の計算は、どこでやっているんですか。
  85. 山下平一

    山下国会図書館参事 これは、大体館の複写規定というものがございまして、それが実費よりもかなり多くなっているのでございます。これは、最初PBレポートを購入いたす際に、PBレポートは特別な人が利用するのであるから、使用料をとるということにしてきております。従って、現在館でやっている利用料金と申しますか、複写料金というものは、実際には実費よりも多くなっているわけです。もちろん、国庫に納めてしまうわけです。それを非常にくずしてやると、館の方へ複写依頼する人がなくなってしまうわけです。下請させますと、ちょうど競争のような形になりまして……。館の方ではどうしてもその料金というものは維持していかなければならない料金である。それで春秋会でやる場合にも、館と同じ料金でやるということにしておるわけであります。その関係で……。
  86. 木下哲

    木下委員 山下さんにお伺いいたしますが、今、下平君が非常に善意によっての質問を詳細にわたってしておりますが、私は感じですから率直に申し上げますと、最初からこういうものをお作りになるときには、意図はこれこれであっても、全然相談もなく、その後経過報告もしない。それから質問に対して、そこのところにくると、あやふやな印象を与えるような、今としては、やっておった方がよかったと思いますというようにお答えになるわけです。だから、感じとしては、はなはだよくない。最初から全面的にりっぱな意図でやったのかどうか、これは感じですから率直に申し上げますが、感じとして、そういうことを申し上げておきます。  そこで、あなたとしては、現実に予算が足りないから、こういうことをやったと言う。それでは、その説明をしたかといえば、館長が来て予算要求をしたが、春秋会からこれだけ持ち込む、こういう予算を立てたというようなお話は全然ないし、何度も申し上げますが、感じがよくない。春秋会ができて、その後図書館の方にどの程度のものを持ち込んだか、どういうことになって、幾ら何に使ったかということを、詳細でなくても、総額でいいから……。
  87. 山下平一

    山下国会図書館参事 先ほど私、予算が少いためにのみできたような印象をお与えしておそれ入りますけれども、そればかりではございませんで、いろいろな関係で、館でやった方がいいというところがあっても、どうも名前を出すことは困るというような関係もありまして、やはり館の仕事でも、春秋会あたりの名前を利用してやった方がいいというようなこともございます。必ずしも予算だけの関係ではありません。それから、たとえばアメリカあたりから注文を受けまして、憲政資料複写をやりましたが、その際には、ネガ分とポジ分と両方いただきまして、そうしてポジだけをアメリカに送りまして、ネガ図書館の方に入れる……。
  88. 木下哲

    木下委員 それはいい。僕の質問は、総額を聞いている。
  89. 山下平一

    山下国会図書館参事 総額は、かなりの額にはなっていると思うのですけれども、物でいっている関係上、計算しておりません。
  90. 松澤雄藏

    松澤委員長 私から一つだけお聞きしたいのだが、春秋会でやらせてできることが、同じ館の人がやっているのに、なぜ館ではできないのか。もしも館で規則的な面で縛られているというならば、そのことをどうして図書館運営小委員会なり、あるいは議院運営委員会の方に提出しなかったのか。
  91. 山下平一

    山下国会図書館参事 どうも、予算には毎年出しているわけでございますが、それが……。
  92. 松澤雄藏

    松澤委員長 予算の点もあるけれども、もっと具体的に言うなら、二百万円くらいの基本金でできるものであって、しかも二百万円というものをあなた方はお集めになったことは事実なんです。かりに二百万円くらいのものでできるというなら、もしも予算関係において確保できなくて、万やむを得ずそういう措置をとったにしても、ちゃんと日本の会計法には、国庫納入の寄付行為の受け入れの規定もあるはずだ。それでもってやればできないこともないはずだし、それから貸し出しの方法、手段にしても、現段階の方法で一般の民間人に貸し出せないというようなことがかりにあるとするならば、貸し出せる方法の規則を作るとか、一般の民間団体に貸し出せないものを、なぜ春秋会という財団法人にだけ代行させてできるのかというようなこともあると思う。そういうむずかしい方法を講じなくても——しかも衆議院で過去において春秋会に相ひとしいものがあって、非常に問題になってやめたことも、おぼろげながら、図書館の何億の金を扱っている前管理部長あたりが知らないということもおかしな話である。そういうことを、長年にわたって、よかれと思ってやってきたという回答がさっきあったけれども、まことにふに落ちないという意味のことを各委員が言われることは、私は納得できると思うのだが、そういうものを改正するなり、要求を出すなり、かりに予算関係ができなかったとしても、春秋会というものを作って、同じ館員がやっておって——給仕まで入れても八人、正式の者は三名くらいで、あとはみな雇用員にひとしいような、帳簿にも載らないような人間になっているはずだ。従って、みな国家の給料をもらっている者が、春秋会のために働いているという結果になっている。その収入春秋会の方に入っている。それが個人的に私腹を肥やすとか肥やさぬかいうことは別問題にして、果してそういうことがいいかどうかという質問があったのであるか、どうしてそういうことをやらなかったか、もっとオープンな国家機構の中においてなし得るものを、なぜ春秋会というものを作ったか、そういう点から考えていってもどうなんだということを、お聞きするわけだ。
  93. 山下平一

    山下国会図書館参事 これは館長、副館長、みな相談して、実は私ども指示を受けてやったことなんです。
  94. 松澤雄藏

    松澤委員長 前管理部長にお聞きするが、それは、だれが一体この発案をしたのですか。館長がやったのか、副館長がやったのか。それとも、下部で仕事をやっている者が、仕事がやりにくいといって、君たち一、二名の者が上申したのか。
  95. 山下平一

    山下国会図書館参事 これは館長であります。読書春秋という雑誌が出ておりますが、これがもとなんでございます。これは館長あたりからポケット・マネーが出て、細々やっておたのですが、それが物足りないというのも、一つ意図であったかと思いますが、そういう関係からして、館長、それから副館長から指示を受けたわけです。
  96. 飯塚定輔

    ○飯塚小委員 今、委員長質問の前に、山下さんのご説明の中で、館でやることであっても、いろいろな関係があって春秋会にやらせるようなことがあるということをおっしゃった。そのいろいろの関係というのは、具体的にこういう関係があっていけなかったとか、こういう関係があるためにどうとかいうことを、例を一つでも二つでもいいのですが、そういうことを聞けば、われわれは疑問も何もないと思います。先ほどの下平さんの御質問に答弁するのに、いろいろな関係があってというだけで、言葉を濁すような感じを与える、これが非常にここの空気を悪くしている。これははっきり言った方がいいんじゃないか、一つ御忠告を申し上げておきます。
  97. 山下平一

    山下国会図書館参事  一つは、今申し上げた読書春秋という雑誌、これは赤字だったのですけれども、何とかしてもり立てて続刊したいというのが館長一つの念願であり、これがもとをなしておりまして、これの続刊を切望しておったというのがおもな理由であったのでございます。     〔小委員長退席、飯塚小委員長代理着席〕
  98. 下平正一

    下平委員 さっきのお話、中座して横にそれましたけれども八つ切り一枚で五円四十銭の手数料を取っている根拠を、もう少し聞かしてもらいたい。あなたの説明を聞いていると、館で二十五円ときめてある。この二十五円の単価については、相当利益が入っている。その値段をくずさないためにやっているというのですが……。
  99. 山下平一

    山下国会図書館参事 利益と申しますか、これは人件費を入れますと、当然そのくらいかかるわけでございます。
  100. 下平正一

    下平委員 人件費が入っていると言いますけれども、あなたのところでは四人くらいでしょう。臨時を入れても八人くらいでしょう。
  101. 山下平一

    山下国会図書館参事 人件費というのは、館の複写料金を定める際に、実費なり人件費というものを込めて利益というものが考えられるわけです。従って、業者がやっている値段とそう変りはないはずでございます。
  102. 下平正一

    下平委員 人件費が入っているといいましても、春秋会職員は、ほとんど国会図書館職員だ。春秋会としては人件費は要らないはずだ。現に決算書を見ても、一切がっさい見てもわずか七、八十万円、そればかりの人件費です。だから、人件費というものは、春秋会としてはほとんど一銭もかからない。館の料金をきめるときに、二十五円ときめるのは、これはいいでしょう。春秋会の場合は、人件費はみな国から出している。人件費を見る必要はない。そうすると、五円四十銭は単に館の料金をくずしたくない、それだけの理由ですか。
  103. 山下平一

    山下国会図書館参事 それは、これによって二百万くらいの収入を上げて、国庫に納付しているのでございます。ほかに競争者があって、その値段をくずしてやるとすれば、これはみなそちらの方にいってしまって、館の方の収入はなくなるわけです。それでは、収入がこれくらいあるということを申して、当然国家として組まれている予算でございますから、それをなくすることは困るので、その値段をくずすことは困るわけです。
  104. 下平正一

    下平委員 そうすると、五円四十銭というものは、館の値段をくずしたくないためだ、実費として計算した根拠から出てきたものではない、こう理解していいですね。
  105. 山下平一

    山下国会図書館参事 さようでございます。
  106. 下平正一

    下平委員 そうすると、利用者の立場から考えていますと、国会図書館の任務は、図書を利用させることによって、九十万円予算を組んだら、二百万円の収入がなければいかぬ、こういうものではない。国会図書館法に流れている精神というものは、できるだけ無料でサービスをせい、こういうのが国会図書館の一番基本的な精神だと思う。そこで、九十万円の予算を組んで、二百万円の国庫収入を上げなければいかぬということもおかしい。またもう一つは、その二百万円の収入を確保するために、実際は十九円何がしでできるものを——実際かかった費用はやむを得ないと思うが、二十五円の値段を維持するために、五円四十銭取るのだ。しかも、取った五円四十銭は、国庫収入に上っていないでしょう。春秋会にぽこっと入っているでしょう。それはどうなりますか。
  107. 山下平一

    山下国会図書館参事 とにかく春秋会というのは、財団法人でございますけれども、公益法人と私たちは解釈しております。これによって出版界に奉仕する、あるいは図書館奉仕を援助し、拡充する、そういう費用にも充てるというために、多少事業によって利益を得ようという趣旨でございまして、値段をくずしてはいけないという点と、それから収入がないと公益事業というものはできませんので、その費用に充てるためにこれを上げているわけです。
  108. 下平正一

    下平委員 春秋会全体として、純利益はどのくらい上げているのですか。
  109. 山下平一

    山下国会図書館参事 年額大体百万円。
  110. 下平正一

    下平委員 その利益金の処分は。
  111. 山下平一

    山下国会図書館参事 その中で、税一が三十六万円くらいと思います。あとは翌年度に繰り越しております。繰越金も、実は新聞協会の方からの収入が、ポジを一本、館の方に寄贈してもらっているわけですが、この金を春秋会の方で持ってほしいということになっておりまして、今年は三分の一を持ち、来年度は三分の二を持ち、その次からは全部春秋会で持つということになっておりまして、その収入が大体七十五万くらいと思いますので、翌々年度からはその収入がなくなるわけでございまして、翌年度への繰り越しも、おそらくなくなると思います。
  112. 下平正一

    下平委員 ちょっと聞き漏らしましたけれども……。
  113. 山下平一

    山下国会図書館参事 新聞を複写いたしまして、そうしてネガ新聞協会の方に出します。ポジ、その裏表といいますか、白黒が逆になっている、これを図書館の方に寄付してもらっているわけですが、その経費春秋会で、利益が相当あるようだから、持ってほしいということでございまして……。
  114. 木下哲

    木下委員 今のお話ですと、百万円くらいあって、三十何万円の税金で、あと六十万か七十万、大へん簡単な理論になると思うのですが、今、下平委員の調べているところに基いて発言されている、五円四十銭が高いとか——これについて何も意見を申し上げるわけじゃありませんが、私の聞こうとしていることは、五円四十銭が十円幾らでもいいが、それに対する利益の総計がそのくらいのものですか。五円四十銭が高いとか高くないとかいう議論でなくて、それは十円取ろうが二十円取ろうが、結局非常に多くの枚数を計算していった場合に、百万円くらいのものですか。そうした場合に、春秋会収入が七十万円の利益になるのか。たとえば役員報酬とか月給とか、それはお取りになっているのでしょう。
  115. 山下平一

    山下国会図書館参事 失礼いたしました。純利益というのは、百万円ではございません。これは、残っている金のことでございまして、利益は、おそらく二百万円くらいはあると思います。
  116. 木下哲

    木下委員 その場合に、春秋会の役員が、相当な報酬を取っているわけですか。
  117. 山下平一

    山下国会図書館参事 役員といたしまして、事務局長が一人おります。これは月給七千円くらい。
  118. 木下哲

    木下委員 出資している方は……。
  119. 山下平一

    山下国会図書館参事 出資している方には、全然出しておりません。これは財団法人でございますから……。雑誌の方を出す関係で、部長が一人おるわけですが、これは現在二万円。それから六月、十二月の期末手当、これは大体職員並みのものを出しております。これだけでございます。そのほかは全然出しておりません。
  120. 木下哲

    木下委員 今の二万円を十二かけたところで二十何万円、そういう小さなことを根掘り葉掘り伺うんでなく、今言ったような程度のものと了承してよろしゅうございますか。
  121. 山下平一

    山下国会図書館参事 全部入れまして……。
  122. 木下哲

    木下委員 二百五十万でも三百万でもいいのですが、それに非常な違いはありませんね。
  123. 山下平一

    山下国会図書館参事 ございません。
  124. 枝吉勇

    枝吉国会図書館参事 御参考に、三十三年度の春秋会の歳入の予算がございますから、これについて申し上げますと、総収入が六百二十八万でございます。それで事業収入といたしまして五百十六万でございます。それと基本財産の利子がございます。これが十二万円、それに前年度よりの繰り越し、これが大体利益剰余金に当るわけでございます。これが百万円見込んでおります。合せまして大体六百二十八万円という数字になっております。事業収入のうちのおもなものは、先ほどお話が出ました新聞協会のマイクロ、その他の写真複製事業、これが三十三年度は四百六十万、そのうち三百万円ぐらいのものは新聞協会のものでありまして、大体四百六十万円と一応見込んでおります。それから、先ほどお話がございました読書春秋という雑誌がございます。これはあまり売れておりませんが、若干誌代が入って参ります。それが三十七万ほど年間見ております。それと、そういう読書春秋や、あるいはPRのリーフレット、納本週報とか「ぶっくわごん」とか、四ページぐらいのものでありますが、図書館界に配っておるものがございます。そういったものに、外部からの本屋、丸善、紀伊国屋などから広告を出してもらう、そういう広告収入が十九万円ほど見込んでおります。大体年間の予算といたしまして、収入の面ではそういうふうになっております。
  125. 大山寛

    大山国会図書館参事 ちょっと、さっき私が申し上げた字を訂正さしていただきます。私はさっき新聞協会の三十二年度の一年間の決算が、三百三十七万と申し上げましたが、これはちょっと私数字の見違いでございまして、売上原価の問題でございまして、春秋会の三十二年度の刊行物の総売上高は、五百五十一万四千九百円になっております。結局その五百五十二万四千九百円の中で、新聞協会のものは、約四百万円の収入になっております。ちょっと訂正さしていただきます。
  126. 下平正一

    下平委員 まだちょっと私了解ができないのですが、一枚二十五円で、人件費も人って多少もうかっておるというものを、なぜ五円四十銭頭はねをするのですか。図書館は全然手をかけていないでしょう。あなた方は、ただ図書の貸し出しをこの人に許可しただけでしょう。貸し出しを許可しただけで、十九円何がしでできたら、十九円何がしで国民にこれを利用させるのが、一番いいのです。それを五円何十銭も春秋会がピンはねをする必要はないと思います。それは、あなた方の方でこれだけの費用がかかっておるという実費の計算できておるのならば、私は文句は言いません。二十五円で図書館がやっておる。その値段をくずしたくないために、春秋会が中に入って、十九円何がしという値段で、五円四十銭ももうけておる。何も手数はかからない。それが国庫に入るならば、私は何も言いません。しかし国会職員がこれをやって、機械は国の財産だ、これは国からもらったものだ。国の財産を使って、国の職員がやって、ただ単に館の値段を維持するためだといって、一枚について五円四十銭ずつもピンはねをしておる。それが国庫に入るならばいいが、春秋会というトンネル会に入ってしまう。こういうことは、どういうように理由づけますか。利用する国民の立場からいえば、大切なこういう文献というものは、なるべく安く、なるべく安直に、迅速に手に入れたいというのが、国民の希望なんです。また、特に科学技術関係の文献については、そういうお世話をするのが、あなた方国会図書館の役目なんです。その役目の上から見て、どう考えてみても、五円四十銭のピンはねは理解できないのです。
  127. 山下平一

    山下国会図書館参事 さっきも申し上げましたように、春秋会は、やはり事業収入を上げて、公益的な事業の方に回さなければなりません。どうしても収入が必要なわけです。それから、PBリポート社ならPBリポート社が下請をいたしまして、実際に業者の間でやっておるものは、もっと高いものだと思います。館でやっておるものよりも、もっと高いものだと私どもは思っております。
  128. 飯塚定輔

    ○飯塚小委員長代理 先ほどもあなたに、ばく然とした抽象的なことを言うと、かえって疑惑を生むからと御注意を申し上げたのですが、今も公益的なほかの事業に回さなければいけない、そういうことを言うから——それははっきり言った方がいい。
  129. 三和精一

    ○三和小委員 私は、先ほどからの質疑応答を聞いておると、春秋会というのは、どういう性格の何ものだ、だれがどうして作ったのか。
  130. 山下平一

    山下国会図書館参事 実は、財団法人春秋会寄附行為というものがございまして、その趣旨だけをちょっと御説明申し上げます。「この会は、国立国会図書館と協力して、同館が国立国会図書館法に基いて行う立法、行政及び司法格部門の図書館その他内外の図書館等との連絡提携と図書館奉仕を援助しその充実の促進を図り、」……。
  131. 三和精一

    ○三和小委員 わかった。会長はだれですか。
  132. 山下平一

    山下国会図書館参事 金森徳次郎さんでございます。
  133. 下平正一

    下平委員 今、山下部長説明を聞いてみますと、あなたはとんでもない勘違いをしておるのじゃないか。国会図書館は、文献を国民に広くサービスして、いろいろ学術を振興させるために、国会図書館というものがあると思うのです。そのためには頒布する価格、複写料金等もなるべく安くする、これが精神でしょう。ところが、実際は二十五円ではもうかっておる。そして下請会社に十九円何がし、五円四十銭の余裕があったら、それは下げるべきじゃないか。下げて、一般国民に安く利用させるべきじゃないか。それがほんとう国会図書館の使命だと思うのです。あなたの説明を聞くと、春秋会にもうけが入ってこないから、この差額だけはとっておかなければならぬ。そうすると、国会図書館ではなく、春秋会予算のつじつまを合せるために、春秋会事業のために、利用する国民に不当な価格を押しつけておる、こういうようにしか理解できないのです。
  134. 枝吉勇

    枝吉国会図書館参事 実は私の聞いておりますのは、この図書館がきめました価格は、二十八年にきめております。現在ではいろいろ物価の値下りもございます。現状に照しては、国会図書館複写関係経費はやはり高い、われわれもそう考えまして、来年度の予算は、これをずっと引き下げたもので計上しております。国庫の収入は、約二十万円減くらいになると思います。大蔵省は、果して何と言いますか、この説明はいたしましたが、まだ具体的に決定するまでに至っておりません。一応引き下げるという方針で進んでおります。
  135. 下平正一

    下平委員 私が聞いておるのは、二十五円の単価が安いとか高いとか、そういう問題でない。なぜ途中で春秋会収入のために、一枚につき五円何十銭というものをとるのか。二十五円が高いとか安いとか、それはものの相場は幾らでも変えられますよ。問題は、五円何十銭というものを、なんの手数もかけないで——しかも図書を貸し出すことは、図書館の任務ではないか。その図書館の任務を図書館にいる職員がやって、何も手数をかけないで、五円何十銭というものを春秋会がとってしまう。ここのところはどういうわけかということを聞いておるのです。
  136. 枝吉勇

    枝吉国会図書館参事 十分検討いたしまして、改むべきは改めたいと思います。ただ現在のところ、そうした引き伸ばしで五円のさやができるような注文のケースは、ほとんどございません。     〔飯塚小委員長代理退席、小委員長着席〕
  137. 下平正一

    下平委員 そうすると、ちょっとこまかくなりますが、具体的に扱った枚数を私とも調べてみると、大体三十二年度に三十二万六千ページぐらいやっておる。これは間違いないですか。PBリポート関係だけですが……。
  138. 村尾成允

    村尾国会図書館司書 今お尋ねを受けておりますのは、契約によりまして、業者複写注文を持ってきた場合のことでございますか。それの製作料でございますね。種類がいろいろございますが……。
  139. 下平正一

    下平委員 簡単にお伺いします。先ほど下請関係のトータルとして、どのくらいの収入が三十二年度にあるかという質問に対して、七十万円ということですね。七十万円春秋会収入として上ってくる、こういうあれでしたね。下請会社は幾つあるのですか。
  140. 村尾成允

    村尾国会図書館司書 今まで収入関係のあります業者は、二軒でございます。
  141. 下平正一

    下平委員 下請会社として契約を結んでおるのは……。
  142. 村尾成允

    村尾国会図書館司書 現在でございますか。——現在は六社でございます。
  143. 木下哲

    木下委員 まだやらしていないというのですか。
  144. 村尾成允

    村尾国会図書館司書 そうでございます。
  145. 木下哲

    木下委員 いつから契約したのですか。
  146. 枝吉勇

    枝吉国会図書館参事 大体下請と申しますのは、自分注文を集めて参りまして、それでもって幾ら——それで春秋会は、業者がよそから注文を持ってきたものを一応引き取りまして、それを下請料金と申しますか、大体春秋会経費が一コマ十円になっておりますが、それを八円で業者にやる、そういうような関係になっております。
  147. 木下哲

    木下委員 注文は向うが持ってくるわけですね。
  148. 下平正一

    下平委員 問題がこまかくなりますから、それはまたそれで、下請会社の方の領収証を全部集めてきましたから、その領収証に基いてあとでまた調査をいたします。それは別の機会に譲ります。
  149. 松澤雄藏

    松澤委員長 私は、最終的な面だけ一つ聞きますが、腹を据えて答えていただきたいのです。これほどみんなから疑問視され、これほど質疑応答的な面が出てきておる。そうしてあなた方は、完全にこれにお答えできないようですね。前管理部長も、今までの任期でやってきたあなたでさえも、十分なお答えができない。そういうふうな春秋会というものは、今後それを継続していった方がいいと思うか、あるいは館長とかなんとかの御意向は別ですよ、そうまで皆さんに御疑問をいただいておるならば、この際きれいにやめた方がいいと思うか、それだけを聞いておきたい。これは現管理部長と前管理部長と二人に、参考のために結論として聞いておきたい。
  150. 山下平一

    山下国会図書館参事 春秋会というのは、いい面もあると思いますが、そういった金銭的なあれになってきますと、かなり疑惑を持たれるような面もありますので、本来ならばない方がいいと私は思います。ただそれには、今言った予算を十分もらって、図書館運営がやれるというような方法がつきますれば、私はない方がいいと思います。ただ、名前などを使って、多少図書館ではできない面ができるといういい面はございますし、また図書館が、春秋会としての経費があれば、もっと図書館界に貢献することもできますので、これはぜひやりたいとは思いますが、しかし、これは収入が伴わないことにはできないことでございます。そういう疑惑を持たれるということは、まことに残念でございますし、むしろなくなった方が、私たちはさっぱりしていいのではないかと思います。
  151. 枝吉勇

    枝吉国会図書館参事 私も、組織のあれとしてのお答えになると、非常にむずかしくなると思います。個人の考えですが、国の予算が十分あり、われわれの念願するいろいろな図書館活動、複写も含めまして、それが十分できる状態になりますれば、特別にこういう団体は必要ないと思います。
  152. 松澤雄藏

    松澤委員長 そうすると、今のお話は、お二人とも予算が十分にあればということですが、そうなってくると、国家予算というものは、現在盛んに陳情的ないろいろなものがありますが、それに全部当てはまらなければ、ほかの官庁でもみんな君たちのような外郭団体を作ってもいいということを、われわれに認めろということを含んでおるのか。
  153. 枝吉勇

    枝吉国会図書館参事 そういう強いあれではございません。現状の予算では、いろいろ外からの注文がさばき切れない。つまり、これには十分な材料費を持っておりませんとできませんので、従って、そういう春秋会というようなものができ上りましたが、材料費を、一応国庫収入も伴いますから、大蔵省が相当程度認めてくれれば、今までの活動は国において十分継続してやっていけると思います。
  154. 木下哲

    木下委員 今の御発言で、組織のものではない、個人としてということがございましたが、それにこだわるわけではございませんが、承わる方としては、個人も組織も人間は同じですから、それは組織ではどうこう、組織では違っておるというふうには受け取りませんから、明瞭にいたしておきます。
  155. 下平正一

    下平委員 念を押しますが、あなたの言い分を聞いておりますと、国会図書館の活動を助けるという善意に出ておれば問題はないという考え方が、あなた方を支配しておると思う。これは大へんな間違いだと思います。御承知の通り、法律もありますし、国家予算の取り扱いもちゃんとある。今までお伺いしたところからみると、春秋会というものは、こういうことなんです。春秋会の役職員は、ほとんど全部国会図書館員である。これは国家から給料をもらっておる。それから、使っておる機械は国有財産である。しかも、その国有財産に対して、三十一年分として借用料を払っていない。国有財産を、借用料も払わないで、無断で使っておる。そうして、そこから上ってくる収益を財団法人春秋会が全部とる、こういうことが荒筋である。そうすると、大体国会職員である公務員が、そういう仕事をやっていいかどうか。これは、現実には公務員法の問題になる。国会職員法に抵触する事件です。もう一つは、国有財産を使って、借用料も払っていない。これは明らかに違反です。それから、図書館職員が、図書館仕事をして、それから上る収益については、全部国庫に納付しなければならないのに、春秋会を作って、当然国庫収入になるような金が春秋会に入って、国庫に一銭も入っていない。これだけは明らかなんです。そういう点は、私どもから申せば明白なんだ。それでもなおかつ、善意から出ていればいいという解釈を、まだ持っておられるのですか。
  156. 枝吉勇

    枝吉国会図書館参事 その前に——今国有財産を無料で使っておる云々とおっしゃいましたが、三十一年度においては、これは十二月からの分でありますが、八万円国に納めております。三十二年度は、二十四万円納めております。  それから、正確に申しますと、公務員として望ましくない。ただ、先ほど来山下前官理部長が申しましたように、一応善意の発足で参りまして、やむを得ざる必要悪としてわれわれはこれにタッチしております。正確に申しますと、望ましくないと思います。
  157. 下平正一

    下平委員 やむを得ざると言いますが、あなた方の怠慢ですよ。あなた方の答弁を聞いていると、あるいは今までの予算折衝の過程、あるいは図書館委員なり、あるいは議運の委員なりに対するあなた方の予算報告事業計画のいろいろな相談等々をみても、先ほど皆さんから追及があったように、何らの相談もないことは、あなた方は、春秋会が悪いと思いながら、これに完全に寄りかかっておって、国会図書館職員としての職責を忘れておる。もし、公務員としていけないということをあなた方が感じておるならば、なぜいい方法に直さないのですか。予算がなかったら、予算をとるように、人的な構成が悪かったら、人員の増加をするように、法文上間違っておってできなかったら、法文の改正をするように、なぜあなた方は職員としてそれをやらないのですか。必要悪だなんと言ってうそぶいていることは、おかしいじゃないか。あなた方は、国から給料をもらっておる公務員でしょう。だから、当然公務員としてやるべき任務を怠っておる。怠慢ですよ。そうはお考えになりませんか。
  158. 枝吉勇

    枝吉国会図書館参事 おっしゃる通りでございます。
  159. 下平正一

    下平委員 本会議もありますから、また続けていただくことといたしまして、この問題はこれでやめますが、あなた方がそういう態度をとっておりますから、図書館の中にはいろいろな問題がぎっちりあるんじゃないですか。たとえば、赤坂離宮前の野球場は、どういう経営をしているのですか。料金をとっておりますね。
  160. 枝吉勇

    枝吉国会図書館参事 寄付金という格好で、使用料みたいなものをとっております。あれは、私、始まった時日をはっきり今承知しておりませんが、あすこの運動場の維持後援会という名義のもので、一時間当り幾らという金を、寄付金という格好で受けまして、そうして一人、今運動場の整備とか、草取りとか、ライン引きとかをしたりする人を雇って、それから多少運動器具、野球用具程度のものを備えるということでやっております。
  161. 下平正一

    下平委員 その入ってきた寄付金の処理は、どういう処理をして、だれが担当をしておりますか。
  162. 枝吉勇

    枝吉国会図書館参事 一応、会長というのが副館長になっております。それから、正確には何という名前になっておりますか、申しわけないですが、その下で管理部長がいろいろな処理に日を通す、こういうことになっております。
  163. 下平正一

    下平委員 その金は……。
  164. 枝吉勇

    枝吉国会図書館参事 それは、庶務課の方で運動関係の者が一名、その関係の者として金の受け入れをやっております。
  165. 下平正一

    下平委員 年間の金額は。
  166. 枝吉勇

    枝吉国会図書館参事 年間約三十万円見当だそうであります。なお、その維持管理の後援会のメンバーには、職員組合の者も入っております。
  167. 下平正一

    下平委員 私、調べてみると、一試合に四百円ぐらいずっとっているらしいですね。
  168. 枝吉勇

    枝吉国会図書館参事 多分民間と官庁と違いますが、官庁の方は安くしております。民間は、私の記憶では、一時間二百円見当だと思います。
  169. 下平正一

    下平委員 その金は、だれが扱っておるのですか。具体的にどこの収入になるのですか。
  170. 枝吉勇

    枝吉国会図書館参事 現金は、経理課で扱っております。それで収入と申しますと、その運動場の維持後援会というものは別にございまして……。
  171. 下平正一

    下平委員 これは赤坂離宮の広場ですね。
  172. 枝吉勇

    枝吉国会図書館参事 今間違いました。庶務課の厚生係の方が扱っているそうであります。
  173. 下平正一

    下平委員 これを管理して金を扱う団体の正確な名前、責任者
  174. 枝吉勇

    枝吉国会図書館参事 国立国会図書館運動場維持後援会、会長が副館長であります。
  175. 下平正一

    下平委員 図書館の連絡協議会というのがありますか。
  176. 枝吉勇

    枝吉国会図書館参事 連絡協議会というのは、どういうものでございますか。
  177. 下平正一

    下平委員 支部図書館部長さんお見えですか。
  178. 枝吉勇

    枝吉国会図書館参事 見えております。
  179. 下平正一

    下平委員 あなたのところに、専門図書館協議会という一つ団体お作りになっておりますね。これはどういう団体でございますか。
  180. 上里美須丸

    上里国会図書館参事 専門図書館協議会は、大体大分けにして三つのグループの会員がございまして、一つは官庁の、たとえば文部省の図書館とか、そういう官庁の図書館、それから地方議会の図書室、全部入っております。それから民間の図書館、三菱造船とか、こういう三つのグループがございまして、全体の会員は、約三百ぐらいでございます。
  181. 下平正一

    下平委員 仕事は、何をやっておりますか。
  182. 上里美須丸

    上里国会図書館参事 これは、一つ仕事は、地方に資料のセンターというものがございまして、官庁から出ました官庁刊行物をセンターに送りまして利用してもらう。そのほかいろいろな資料とか官庁刊行物が出た場合に、それを取り次いで会員に送っております。
  183. 下平正一

    下平委員 そうすると、大ざっぱにいって図書館業務ですね。図書館の当然の業務を、春秋会と同じように、補佐するような役目を持っていると理解していいですか。
  184. 上里美須丸

    上里国会図書館参事 趣旨はそういうことでございますが、その発足のときの事情は、その当時の図書館……。
  185. 下平正一

    下平委員 専門図書館協議会の要綱を見ると、さっき春秋会でやった複写のあっせんもしておりますね。
  186. 上里美須丸

    上里国会図書館参事 しております。
  187. 下平正一

    下平委員 そうして、内容を見てみると、刊行物の図書目録の配付とか、あるいは官庁刊行物総合目録の実費頒布とか、そういう図書館として当然の任務を補佐的にやる機関のように見えます。これは、相当の金を集めているのですか。年間どれくらい集めているのですか。
  188. 上里美須丸

    上里国会図書館参事 年間七十万。
  189. 下平正一

    下平委員 会員一人について、幾らずっとるのですか。
  190. 上里美須丸

    上里国会図書館参事 官庁の図書館はとりませんで、民間の図書館、それから地方議会の図書室、それから年間六千円の会費をとる。そうして、その半額の三千円だけを中央の方へ出して、あとの半額の三千円は地方にセンターがございまして、そのセンターで、人を置いて、資料の整理をいたしております。中央にくる金は結局七十万円くらいでございますが、これで現在三人の人を置いて、地方へいろいろな資料を送付したりしております。
  191. 下平正一

    下平委員 これを管轄して、この金の掌握をしている人はだれですか。
  192. 上里美須丸

    上里国会図書館参事 支部図書館部長の私でございます。
  193. 下平正一

    下平委員 これは、会員名簿でありますが、たとえば西日本相互銀行とか、小野田セメントとか、三井化学とか、三菱造船、こういうのが会員になっておる。間違いないですね。
  194. 上里美須丸

    上里国会図書館参事 間違いございません。
  195. 下平正一

    下平委員 時間がないようですから、お聞きしたいことをあとに残しますが、もう一つ管理部長さんにお聞きしたいのは、今清水さんはおいでになるのですか。
  196. 枝吉勇

    枝吉国会図書館参事 今外遊中でございます。十一月の九日に帰ってくる予定になっております。
  197. 下平正一

    下平委員 どういうことで外遊しておるのですか。
  198. 枝吉勇

    枝吉国会図書館参事 生産性本部が主催いたしまして、外国における調査機関の活動という問題を調べようというので、当初東大総長の茅さんあたりが委員長になられていく予定でございましたが、いろいろな御都合で人の出入りがございまして、現在九名の方がアメリカに行っておられますが、その中に加わって行っておるということでございます。
  199. 下平正一

    下平委員 これは、図書館として当然に派遣をする性格ですか、それとも、一般民間人の立場として派遣をするという性格ですか。
  200. 枝吉勇

    枝吉国会図書館参事 図書館の調査機関としては、外国に一人人をやるということは望ましいことだと思っております。しかし、海外旅費というものがございませんので、生産性本部の方が、向うの滞在費その他を持ってくれると申しますか、見てくれますので、支度料を含めまして、約二十一万くらいの経費図書館側で出しまして、出張命令を出して、行っております。
  201. 下平正一

    下平委員 この人の旅券は、どういう性格の旅券で行っておりますか。
  202. 枝吉勇

    枝吉国会図書館参事 本来公用旅券で行かせたかったのでございますが、本人はいろいろ方々に自分で折衝いたしまして、外務省あたりで公用旅券でない方が行動が楽だろうというような話もあったそうでございますが、結局公用旅券ではなくて行っておるように承知しております。
  203. 下平正一

    下平委員 これは、あとでまたお聞きしますけれども図書館図書館の目的で職員を出張させるならば、当然旅費も館から出し、旅券は、一般民間でなくて、公用旅券を持っていくというのが、当りまえでしょう。どうして、そういう手続なり、そういう方法を踏まないのですか。
  204. 枝吉勇

    枝吉国会図書館参事 実は、内部的なことを申し上げて恐縮でございますが、清水部長が人事課に一任されれば、当然そういう手続をとったわけでございますが、御自分でいろいろ折衝されて、話がそういうふうになってしまったというのが実情でございます。
  205. 下平正一

    下平委員 あなたのところの部長さんを、いやしくも館の目的をもって出張させるという立場で、部長が個人的に勝手にあっちへ行って交渉する、こっちへ行って交渉する、そんなことを許したのですか。
  206. 枝吉勇

    枝吉国会図書館参事 許したというわけではございませんが、本人が飛び歩いてしまったという、あれになっております。
  207. 松澤雄藏

    松澤委員長 それでは、今の二十一万という館から出した金は、どういう予算から出したんですか。
  208. 枝吉勇

    枝吉国会図書館参事 支度料が六万円で、あと十五万円ほどのものを旅費の一部として、生産性本部に出しております。
  209. 松澤雄藏

    松澤委員長 あなたの方の予算の中の何から出したのですか。
  210. 枝吉勇

    枝吉国会図書館参事 六万円の支度料の方は、職員の旅費から出しております。その残額は、調査立法考査局の持っております庁費から流用しております。これは大蔵省に折衝いたしまして、もちろん承認を得ております。
  211. 下平正一

    下平委員 この問題はあとでお聞きいたしますが、もう一つ市川さんお見えですか——市川さんは、今現職の国際業務部長さんのほかに、何か外郭団体の役員をやっておりますか。
  212. 市川泰治郎

    市川国会図書館参事 今やっておりません。
  213. 下平正一

    下平委員 日豪協会という羊毛の輸入の……。
  214. 市川泰治郎

    市川国会図書館参事 日豪協会は、私が図書館に入りましたのが、昭和二十三年十一月でございますが、そのときに、金森館長からお話がございまして、入館についていろいろ話があったときに、日本と豪州との間に当時国交が途絶しておりましたが、国交回復前に通商関係で国交を回復して行こうじゃないかというお話がございまして、兼松商店ほか数社の方が集まって、日豪貿易協会を作ろうというお話がございました。その仕事を若干やっておりましたので、そのことを申し上げまして、御了解を得ました。その翌年の六月に、日豪協会が発足いたしまして、協会の方から引き続いてその仕事をやってくれないかというお話がございましたので、私は、協会の方から館長の了解を得てくれ、了解を得られれば私いたします、こういうことで、協会の会長の河相達夫さんから了解を得てもらっております。
  215. 下平正一

    下平委員 日豪協会の事務局図書館内に置いてあったそうですが……。
  216. 市川泰治郎

    市川国会図書館参事 そういうことはございません。
  217. 下平正一

    下平委員 一ぺんも置いたことはないのですか。
  218. 市川泰治郎

    市川国会図書館参事 ございません。ただちょっと申し上げますが、個人的にわたっておそれ入りますけれども、一時事務職員の中に会長のお気に入らない方がありまして、善処しろ、こういうお話がございました。私首にされてはかわいそうだと思いまして、私の手元へ置きまして、いろいろと仕事を教えておりました。そういうことが、あるいは事務所を置いたかのように誤解されたのではないかと思います。
  219. 松澤雄藏

    松澤委員長 それでは、いろいろ御質問もありましたが、まだまだ序の口なんで、われわれの資料から見ていくと、もっといろいろ御質問を申し上げたい。それでこの際、資料で正式に提出してもらうことにいたしましょう。  そこで第一に、春秋会というものを正式にあなた方としてはどういうふうに取り扱っておるか、春秋会に関するわれわれのわかりやすいような書類を、一括して出してもらう。それから、専門図書館協議会というものがある。これに関する一切の書類を整備して出してもらいたい。それから、国際資料協会、これに関係した書類、場所、資本金、それから会員から何ぼくらいとっているか、そういうものを一切含めて出してもらいたい。そのほかに国会資料協会というものがある。きょうは、時間がないから、そこまでいっていないが、これも出してもらいたい。その他図書館関係している外郭団体に関する一切の資料——われわれのまだ未調査の分まで含めた意味で出していただきたい。それと当方における資料を突き合せて、検討してみたいと思います。きょうは、この程度で質疑を終りたいと思います。多忙のところをおいでになっていただきまして、ありがとうございました。  ほかにありませんか。——それでは、本日はこれにて散会をいたします。     午後零時六分散会