○受田
委員 わかりました。それでは、そういう結果だという御
回答でございます。これは、私は、都道府県知事がそういう問題に対する関心を十分かり立てる
努力を続けてやられないと、ただ単に一片の通牒にとどまって、実態はこれに伴っていないという結果になると思うのです。
厚生省、
労働省としては常に
連絡をされていると思いますが、
厚生省からは、
自分の
所管事項の中に、ぜひ優先的に
就職等を取り扱ってもらいたいという問題があれば、それを
労働省に
連絡する、
連絡と同時に、
労働省はこれに対して
厚生省と相談して、その具体化をやるというのが常にやられていると思いますが、やられておりますね。それがやられている以上は、双方の協議の結果、どういう形の上にその精神が現われてきたかという実例を常に徴して、それの
努力が足りなければ、さらにハッパをかける、こういうことを繰り返していかなければ、行政事務というものは形式に流れて、なかなか実態は伴わないものですね。お
役人の数が少いといって、
皆さんの方では特に事務量な
ども多くて
——労働省や
厚生省などというものは大衆サービス省でありますから、ほかの省と比較して一そう御苦労が多いと思いますけれ
ども、しかし、一日の勤務を大いに能率を上げて、こういう人道的な問題を解決するためにお
役人が精を出すということは、やはり非常に意義のあることでありますから、お骨は折れましょうけれ
ども、少し馬力をかけて実態を
調査してもらいたい。形式に流れるよりか、実態が大事なんです。形式はよくやっていても、実態が伴っていないということが、多くの行政事務の結果なんです。ここに
大臣や政務次官を呼んでいろいろとお尋ねしたって、部下の職員にこうせよという
指示を与えるだけで、実際の仕事をされるのは事務当局なんです。事務当局が本気にならなければ、
大臣命令するといえ
ども、下これに従わず、何言うか、
大臣はいつかわるかわからぬというようなことで、小ばかにして、事務官たちがこれを取り扱ってくれたならば、
国民の全体の奉仕者としての立場にあられる
皆さんの任務を果したことにならぬのですから、私は、この
委員会ができて十年以上もたっているのに、こうした問題をあとからあとからと
政府に問いただして御督励申し上げねばならぬということは非常に残念ですけれ
ども、大体機先を制して、
国会の発言を待つまでもなく、もうおやりになっておらなければならぬはずなんです。だから、具体的な数字等をそのつど
国会にお示しを願いまして、都道府県知事が身元保証をやった数はどうであるか、身元保証をやった者が
就職後一年後において、あるいは半年後において離職した数がどうであるか、その
就職先は、大企業、中企業、小企業あるいは零細規模の家内工業等までも分けて、どういうふうに
就職しておるかというようなところもお示しをいただけば、われわれは非常に参考になると思います。これらの諸君が、住み込みなどで寝食をともにしているところは、また別の
意味で実態収入があるわけでありますけれ
ども、給与がどういうふうなところで、初任給どの程度これらの者がもらっているか、これは安定所を通じて調べればすぐわかることです。そういうものも
一つお示しをいただきたい。また、今、両親または
片親のないものの中で
就職のできなかった一%とか一一%とかいう、残された人は
一体どういう形になっているのか、ほとんどが救われておるように見えますけれ
ども、救われなかった方が大事なんです。全然
就職の道を閉ざされた人々、こういう人々が今何パーセントか残っている。その残った人を
一体どういうふうに補導していくかということ、これは路頭に迷っておるということでは済まされないのですから、これは一〇〇%
就職というところまでいかなければならぬ。十分満足できるところへの
就職は不可能でも、次善の策として、ある程度の
希望を持って働けるようなところへ道を開いてやる、これは親にかわって国家がやってあげなければならぬ。国家の命令でなくなられた人々の場合とか、あるいは国家の命令で外地へ出されて、祖国へ帰ってみたら
就職の道は閉ざされておるというような人々に、優先的に道を開いてあげる
努力が必要なんですから、その具体的な
努力の過程をそのつどお示しいただき、
政府も
国会も
一体となって、この長期にわたる戦争の痛手を受けた人々をお助けするという大事な仕事を達成したいと思うのですが、どうでしょう。
大臣の命令
一つでやられるのでなくして、
国会の発言を待つまでもなく、みずからどんどんそういうところへ
——頭のいい人がお
役人になっておるはずです。その他の人は公務員試験にパスしないし、あるいは官庁へ
就職されないはずなんですからね。非常に優秀な人が公務員の地位にあられるのですから、そういうところは消極的でなくして、積極的に行政事務を担当するという面を、
一つお持ちいただきたい。特に
労働省、
厚生省というお役所は、そういうところに積極性を持って大衆にサービスするというところに、こういうお役所に勤務される人の光栄があると思うのです。御決意のほどをお示し願いたい。