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石井説明員 御質問の項目がたくさんでございましたので、あるいは全部
お答え申し上げることをうっかりするかもしれませんが、そのときはあらためて御
指摘をいただきたいと思います。
第一に、どういう基本方針で時刻
改正を行なったかという
お話でございます。今度の時刻
改正の要点は、
一つは非常に込んでおります長距離列車、これを改善いたしたいと考えておったわけであります。これは昨年までの時刻
改正でほぼ列車数も入れましたので、非常な繁忙期はどうにもなかなかお客様の御満足を得るような
状態にはなっておりませんが、少くとも普通の時期におきましてはできるだけ十分楽にいくように、こういう観点でやって参りまして、今度は特に鹿児島
方面に対する特急と申しますか、長距離
輸送のサービスが——今まで特急が長崎と博多までしかございません。鹿児島には二夜行というような非常にスピードのおそい急行が動いております。これをむしろやめて、特急として速い速度でサービスを申し上げる、その方が車両の
運用上も経済的であるし、またお客さんも満足するということが
一つ。それからいま
一つは、全体的にまだスピード・アップの余地があるのではないか、特に山陽、九州
方面ではもう少しスピードが出せるのではないかという点もいろいろ
支社の方で検討いたしておりまして、その答えも出ましたので、それを織り込んで多少なりともスピード・アップ、特にローカル列車のスピード・アップを考えておる次第であります。それから東北
方面には従来特急はございません。いろいろ御要望もございましたので、東北
方面に特急を一本設定いたしまして、東北地区内の長距離
輸送の方の御便宜をはかるとともに、北海道
連絡にもよい設備の列車を作りたい、こういう観点が主でございまして、あまり大きな時刻
改正ではございません。
それからもう
一つ、先ほど
お話の出ましたビジネス特急でございますが、これは
東海道線が全部電車になりましたので、全部電車でもって長距離
輸送するということにつきましては、従来の電車構造から見ますといろいろ難点があったわけでございます。ところが、技術の進歩によりましてこの難点を相当克服されまして、昨年以来
東海道線には
東京—名古屋間、あるいは名古屋—大阪間に準急というものを電車で動かしましたところ、非常な好成績でございました。こういうものに基礎を置きまして
東京—大阪間の特急は現在「はと」と「つばめ」の二本で、繁忙期には「さくら」という臨時特急も動かしておりますが、非常に御需要が多いわけであります。そういうわけでございますのでもう一往復特急を作りたい、こういうふうに考えておったわけでございます。たまたま電車製作の技術が進歩いたしましたので、電車によった方がいいだろうという観点で、電車によるところの特急を作る。その場合に、電車となれば今までよりもある
程度のスピードも上げられるということから、車両の
運用で
東京—大阪間を一日に一往復ということにいたしますれば、同じ車両で今までよりは倍の列車ができるわけであります。そういう点でビジネス特急というような
構想で
東京—大阪間の特急電車を
計画いたしたわけでございます。
貨物列車につきましては、これも非常にスピード・アップをして荷主さんの御要望にこたえたいということでございます。いろいろ検討いたしましてできるだけ無用の停車回数—無用と申しては何ですが、今まで用がないのにとまっていたかということになるのでございますが、率直に申しますと、
貨物を取り扱う駅におきまして一日に一回停車すればいいところも、全
貨物列車が停車しておったというようなこともございます。そういう点について厳密な検討を遂げて、列車回数をふやすというようなことも検討いたしました。そうして
貨物列車の速度アップもいたしたわけでございます。これを要するに、今回のねらいは全般的な時刻
改正ということでなくして、多少スピード・アップできる点をこの際活用いたしまして、そうして同時に長距離のお客さんの御便宜をはかるように特急を設定いたしたいという点がおもなねらいでございます。
通勤につきましては、これはいわゆるローカル
輸送の問題でございますので、この点につきましても十分意を用いてやっております。ただいま私の手元に数字を持っておりませんが、通勤につきましてはこの四月と今度十一月十日からのを合せまして電車が両数にして百数両できます。これを投入いたしまして、一例を中央線で申しますと、現在ラッシュ時間帯は十両編成の電車が動いております。時間帯が三十分くらいかと思いまするが、これを少し延伸いたしまして、この十一月からはラッシュの最盛期の一時間は、全部十両編成の電車を動かすというふうにいたしたい。あるいは横浜線、南武線というような、特に
工場通勤者の多いところにつきましては電車をふやすという
計画をいたしておりまして、この点につきましてもできる限りの努力をいたしていきたいと思っておる次第でございます。
次に本年度の車両
計画は順調にいっているかどうかという
お話でございまするが、ただいまのところでは私
どもの方で実行
計画といたしまして作りました車両政策は順調に参っておると思っております。
なお民有車両は来年もやるかどうかという御質問でございますが、これは来年度の本
予算がきまって国会の御承認をいただかなければならないことでございまするが、その見通しが今日はっきりいたしておりませんので、私
どもの方といたしましては、できるだけ
予算でもって
資金の調達を認めていただきまして、それによって順調な車両政策をやって参りたいと思っております。この点の見通しいかんによっては、あるいはまた民有車両というような
計画も出てくることもないことはないかとも思います。ただいまでは私
どもは来年も民有車両をやるのだというような積極的な気持は持ってはおらないのでございます。