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1958-10-21 第30回国会 衆議院 運輸委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年十月二十一日(火曜日)     午前十時四十四分開議  出席委員    委員長 塚原 俊郎君    理事 天野 公義君 理事 簡牛 凡夫君    理事 堀内 一雄君 理事 井岡 大治君    理事 土井 直作君 理事 正木  清君       宇田 國榮君    川野 芳滿君       菅家 喜六君    小枝 一雄君       關谷 勝利君    高橋 英吉君       高橋清一郎君    羽田武嗣郎君       前田  郁君    三池  信君       島口重次郎君    杉山元治郎君       館  俊三君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 永野  護君  出席政府委員         運輸事務官         (海運局長)  粟澤 一男君  委員外出席者         総理府事務官         (調達庁不動産         部次長)    高野藤吉郎君         大蔵事務官         (管財局国有財         産第二課長)  市瀬 泰蔵君         運輸事務官         (航空局長)  林   坦君         専  門  員 志鎌 一之君     ――――――――――――― 十月二十日  小型船海運組合等助成のための関係法律の整  備に関する法律案内閣提出第一六号)(参議  院送付) 同日  国鉄との連絡運輸車扱貨物運賃計算制度の変更  に関する請願岡部得三紹介)(第六五九  号)  会津線川口行列車増発に関する請願八田貞義  君紹介)(第六六〇号)  国鉄幹線鉄道工事利用債割当廃止等に関する  請願石山權作君紹介)(第七三〇号)  鹿児島県陸運事務所庁舎新築促進に関する請願  (池田清志紹介)(第七七五号)  三陸沿岸縦貫鉄道予定線調査線編入に関する  請願小澤佐重喜紹介)(第七七六号) の審査を本委員会に付託された。 十月十七日  市営バス事業優先免許等に関する陳情書  (第一二七号)  自動車に泥除備付けに関する陳情書  (第一五五  号)  道路交通取締法規等整備に関する陳情書  (第一六六号)  運転士タクシー独立営業に関する陳情書  (第一七五号)  瀬戸内海旅客定期航路整備促進に関する陳情書  (第一七八号)  山陽本線電化促進に関する陳情書  (第一八〇号)  鉄道架線下整理に関する陳情書  (第一八三号)  国鉄貨物運賃割引制度存続に関する陳情書外一  件(第一八四  号)  鳴門、明石間鉄道敷設促進に関する陳情書  (第一八五号)  東京国際空港拡張計画促進に関する陳情書  (第一八六号)  急行及び準急行列車の増設に関する陳情書  (第一八七号)  紀勢線全通に伴う伊勢柏崎駅設置に関する陳情  書(  第一八八号)  関西汽船株式会社瀬戸内海観光船建造計画実  現に関する陳情書外二件  (第一九九号) を本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  海上運送法の一部を改正する法律案  (内閣提出第一五号)  小型船海運組合等助成のための関  係法律整備に関する法律案内閣  提出第一六号)(参議院送付)  空運に関する件      ――――◇―――――
  2. 塚原俊郎

    塚原委員長 これより会議を開きます。  海上運送法の一部を改正する法律案、及び小型船海運組合等助成のための関係法律整備に関する法律案一括議題とし、前会に引き続き質疑を行います。質疑の通告がありますので、これを許します。井岡大治君。
  3. 井岡大治

    井岡委員 海上運送法の一部改正で二十八条の共同行為削除した理由、これを一つまずお伺いをしたい。
  4. 粟澤一男

    粟澤政府委員 二十八条各号でございますが、内容を申しますと、運賃のべもどし制、競争抑圧船制及び契約運賃制、これらにつきまして、現行法ではこういう事項内容とします共同行為すなわち海運同盟条約でございますが、そういうものは私的独占禁止法規制対象になる、こういう考え方でございます。その結果現在では採用が禁止されておる、こういう結果になっております。ところがこういう事項はいずれも国際的に海運同盟に認められた事項でございまして、これらの事項海運同盟航路安定維持というために非常に有力な対外防衛手段ということになっておりまして、先ほど申しましたように、国際的に相当認められておる事項でございます。従いまして今日のように海運界不況になり、各航路安定維持ということが非常に大事な状況になりました場合には、どうしてもこういう同盟防衛手段を認めるということが各航路の安定のために重要でございまして、そのためにこの条項を削除いたしましてこれを海運同盟に譲るということが必要かと思いますので、そのためにこの削除改正案提出した次第でございます。
  5. 井岡大治

    井岡委員 そうしますと、国際間にこういう共同行為はすべて防衛手段として合法的に認められておる、従って現在のような不況時の状態の中で、ひとり日本だけがこのことを禁止しておくことは、国際競争の上からあるいは不況打開立場から考えて適当な処置ではない、こういうお考えですか。
  6. 粟澤一男

    粟澤政府委員 日本だけがと申しますとやや言い過ぎかと思いますが、大体現状を申し上げますと、アメリカ法制がこういう事項を制限するという法制でございまして、古い海運同盟でございます英国系同盟はこれをほとんど認めております。従いましてただいまお話のように、今日のような状況の場合には、日本としてもかつて占領下アメリカのまねをして作っております現在のこの規定をやはり削除した方が適当だろう、こういう考え方でございます。
  7. 井岡大治

    井岡委員 そうすると、先ほど各国国際間にこういうものをいわゆる海運同盟として自衛手段として認めておるというお話だったが、主としていわゆる欧州側航路においてこういうものが認められているということなんですか。
  8. 粟澤一男

    粟澤政府委員 その通りでございます。ただアメリカを中心とする方が制限的でございまして、大勢から申し上げますと欧州系統の方が大勢である、こう考えております。
  9. 井岡大治

    井岡委員 私は不勉強でちょっとわからないのですが、そうしますと世界国際海運がどういう位置づけというか、アメリカあるいはイギリスというように順序があると思うのですが、今どこが一番世界海運を支配している——支配しているといったら語弊がありますが、一番大きく発展しているかということをお尋ねしたい。
  10. 粟澤一男

    粟澤政府委員 定期航路といたしましては、やはり古い歴史もございますし、英国系あるいは欧州系の方が支配と申しますか、世界的に申しますと有力でございます。
  11. 井岡大治

    井岡委員 そうしますと、その定期航路不定期航路というものの割合は、世界はどういうような割合になっておりますか。
  12. 粟澤一男

    粟澤政府委員 航路割合と申しますと、ちょっとはっきりいたしませんが、就航いたしております船の割合で申しますと、大体定期が二、不定期が一くらいの割合かと思います。
  13. 井岡大治

    井岡委員 そうしますと、全体から見てこういうカルテル行為を認めておるのが大体半分で、認めておらないのが半分だ、こういうように理解してよろしいですか。
  14. 粟澤一男

    粟澤政府委員 半分というお話がよくわかりませんけれども、大体こういうカルテル行為をいたしておりますのは定期航路が多うございます。不定期ではほとんど、絶無ではございませんけれども、やや少い。従って定期航路におきましてこういう同盟関係ができてくる、こういうことでございます。特に御承知のように海上運送業というのは非常に自由に発達してきた歴史がありまして、自由競争が建前でございますが、一般不定期に比しまして定期は特定の航路にやはり非常に適性のある船を特に使って配船をする、そうしてその要所々々に支店、代理店その他の施設もいたさなければならぬ、そういうような関係からその航路維持し得るか、安定し得るかということが非常に大きなファクターになります。  従いまして各国とも定期航路につきましては同盟行為をしてこれを防衛する、それがひいては貿易定安、伸張にも役立つ、こういう関係定期航路海運同盟が行われておる、こういう事実になるわけでございます。
  15. 井岡大治

    井岡委員 聞くところによると、この共同行為削除について大手十社の方々が非常に熱心だった、こういうように私は聞いております。ところが政府船舶利子補給を出しておられるのはたしか五十九社か六十社近くだと思うのですが、この行為によって大企業カルテル行為が一そう増大してくるのではないか、こういうように思うのですが、この点はどうなんです。
  16. 粟澤一男

    粟澤政府委員 利子補給を受けております五十九社には定期船会社不定期船会社も、あるいはオーナーもございます。大体日本の有数の定期船会社、特に外国航路をやっております定期船会社と申しますと十数社でございますが、これが現在やっております。従ってそれ以外のタンカー会社とか不定期船会社は、実際に先ほど申しましたように不定期でございますので、カルテル行為はあまり熱心でない、こういう事実はあると思います。従って現在国際的定期に従事しております会社がみんな希望しておるというのは、大体現在そういう同盟を必要上作っておる会社、あるいはその同盟の安定をこいねがっておる会社、これは日本としては必要な会社ほとんど全部であると考えていいんじゃないかと思います。
  17. 井岡大治

    井岡委員 しかし現実に起ってくる問題は、このカルテル行為によって中小企業会社あるいは中以下の会社というものが、かなり大きな打撃を受けるのです。運賃の延べ払いを行うとかなんとかいうことになってくるとかなり大きな問題が起ってくる、こう思うのです。こういう点についてどういうようにお考えになりますか。
  18. 粟澤一男

    粟澤政府委員 中小企業会社が大体この同盟を作ってやっておりますようなところに配船をするということ自体がごく少うございまして、ごくまれに今お話のような事情があるかもしれませんが、私どもはほとんどそういう心配はない、こう感じております。
  19. 井岡大治

    井岡委員 私はそういうようには考えないのです。あなた方の説明によりますと、三十条の四号に、海運同盟船舶運航事業者の行う共同行為に加入を申し出た場合、正当かつ合理的な理由がないとこれを拒否することが禁止されておるという規定がありますとこういうことですね。同時に一方において船腹の過剰というようなことを使っておいでになる。こういう点から考えるとかなり伸びていこうとする日本海運に対して、このカルテル行為を行うことによって独占が一そうきびしくなってくるのじゃないかと思うのです。従ってあなたの二、三の会社にというような御説明でありますが、全体から見てこれは決して二、三の会社じゃない、中小企業にかなり大きな影響を持つものだ、私はこのように理解をするのですが、この点はどういうふうにお考えになりますか。
  20. 粟澤一男

    粟澤政府委員 問題はやはり当該定期航路安定維持することが大勢から見て必要であるか、あるいは実際その航路に新しく出ていくというものを育成していく方が重要であるかという問題の比較検討になるかと思います。ただいま御質問のありました船腹の過剰という問題が当然やはり過当競争を引き起す原因になるのでございまして、その間の判断の問題かと思います。私どもこの規定考えました考え方といたしましては、やはり航路安定維持をはかることがまず大事だ、こういう考え方でございます。もちろん今後の具体例につきまして、一体この場合に果して過当競争を引き起す程度船腹過剰になるかどうかというふうな判断の問題があるかと思いますが、全体的に見ますとやはり現状では航路安定維持をはかる航路調整を行うということが必要だ、こう考えておる次第でございます。
  21. 井岡大治

    井岡委員 問題は今日までの、ことさらにこの共同行為削除しようということ、しかも定期船航路を何とかして維持あるいは発展させなければならない、こういう御意思のようでありますが、一方において五条免許規定のことがあるわけです。これは単にいわゆる届出によって海運事業というものは行われておらない、免許によって行われておるわけです。そういう点を考えるならば、過当競争等のことを考えて、当然免許をするときに考えられなければならない問題だと思うのです、それを野放しにして、そうして若干不況が出てきたからといってカルテル行為を認めていくということになると、中小企業というものはだんだん、だんだん私は衰微していくことになると思う。一方において小型船舶に対するいろいろな補助施策を講じておるといいながら、現実小型船舶というものは今日どのような状態になっているかということは、海運局長は私が申し上げるまでもなしによく御存じのはずだと思う。そういう点を考慮して昨年一ぱい船主問題等考えて、小型船舶組合等を作られたわけなのです。こういう点を考えるならば、私はこういうカルテル行為が行われることによって中小企業への圧迫というものは大きな影響を持つ、こういうように考えます。この点はどういうようにお考えになりますか。
  22. 粟澤一男

    粟澤政府委員 ただいまお話の第五条免許という問題は、国内旅客定期航路事業規定でございまして、離島航路その他の旅客船の事業を行おうとする者に対して運輸大臣免許ということになっております。従いまして今日の問題になっておりますのは貨物定期航路の問題でございまして、五条旅客定期航路事業とは違うのでございます。今日の問題になっておる事業届出で自由に開始できる、こういう事業になっております。これは国際的に見ましても大体こういう事業は自由にいたしております。なお、ただいまのお話のような、中小企業がこれで圧迫を受けるという御心配でございますが、近海の一部を除きましては、海外定期航路中小企業というふうなものは実際上行なってもおりませんし、またなかなか進出ができないのであります。もちろん近海につきましても、同盟その他がやはりできるのでございますが、これにはおのおのそれに適した事業者同盟に入ってやっておりまして、今日の状況でなお今後ますます日本中小企業がそういうところへ出ていかなければならぬというふうな状況ではなく、大体すでに満足に近い状態になっておる、こう私ども考えておるわけでございます。もちろん個々にはなお有力な中小企業が台頭しております。今後それが伸びなければならぬという事例があると思いますが、そのような場合にも、この規定にもなお、不正、不当に差別待遇をするとか、あるいは制限をするという場合には、やはり独占禁止法規定にもとりまして、公正取引委員会がこれを取り上げるという規定は残しておりますので、決してこの規定を全部削除したために日本中小企業船主が、その伸びる率が下るということは、私どもはむしろ心配し過ぎるのではないか、こう考えております。
  23. 井岡大治

    井岡委員 そうしますと、これを削除した理由は、いわゆる国際航路のみに適用する、こういう考え方でございますか。
  24. 粟澤一男

    粟澤政府委員 その規定自身は、国内国際両方に適用されます。しかしながら、ただいま申し上げました旅客航路事業は、この以外でございます。別な規定でやる、こういうことになります。実際問題としまして、国内航路では同盟を作っておりますのは、現在は一つしかございません。従いまして御心配のような、国内航路にこの同盟がたくさんできて、中小企業圧迫されるというふうな事例は今後も起り得ない、こういうふうに考えます。
  25. 井岡大治

    井岡委員 国内汽船にこれが適用されるということになると、運賃ののべもどし制度というものを自由に認めていくことになると、私はかなりカルテル行為が行われる、こう思うのです。このことを心配しているのです。だから、これに対して何らかの措置が講じられるということであれば話は別ですが、単にこれは公正取引委員会がやるだろうということだけでは、少し私は冒険じゃないか、こう思います。
  26. 粟澤一男

    粟澤政府委員 ただいま申し上げましたように、国内航路では現在海運同盟一つしかございません。従いまして今お話のような御心配は、今後もまた実際上国内航路では海運同盟というものができる可能性がはなはだ少いのでございますので、万あるまいと思うのであります。  なお、今の運賃のもどし制につきましては、お話のようになかなか強力な対外手段でございますので、なおあとの三十条の方でそのために不当に荷主を拘束するような場合にはまたこれを認めないというふうな規定も残してございますので、たとえば運賃のべもどし制と契約運賃制を両方採用するというふうな場合には、認めてもいいのではないかというふうな考え方でありますので、ただいま御心配のようなこともこの規定削除したために必ず起るということは、私どもはあまり心配しておらないのであります。
  27. 井岡大治

    井岡委員 往々にして心配してないことが結果的には心配になって出てきているのです。これはあなた方はいつでも法律改正するときには心配ない、心配ないといってお話しになるのですが、結果はそうではなくて、心配したことが起ってきている。だから、単にこの三十条の方で若干残しておると言いながら、現実にはのべもどし制度を大幅に認めていくということになると、だれだって荷主はその方に持っていくことは当然のことなんです。そうなると、結局ダンピングが起ってくると思うのです。中小企業に持っていかなければ運賃ダンピングが起ってくるのです。現に中小企業がやっていけないから運賃ダンピングをやっていることは、海運局長はよく御存じだと思う。こういうものを抑制するという考え方を一方に立てないでこういうことをやると、私はかなり混乱するのではないかと思うのです。この点をどういうようにお考えになりますか。
  28. 粟澤一男

    粟澤政府委員 非常に遺憾なことでありますが、運賃ダンピングというものはいつでもあるのでございまして、この規定削除をしたために運賃ダンピングがよけいになるというふうなことは考えられないのではないかと私どもは思います。運賃ダンピングはやはりいろいろほかの事情がございまして出ると思うのでございます。  この改正をしたために運賃ダンピングがよけい起るだろうというふうなことは、少し御心配が過ぎるのではないかと思います。
  29. 井岡大治

    井岡委員 私は、中小企業がやっていけなかった場合、どういう生きる道を考えるかということなんですよ。そうなってくると、現実ダンピングを行なっている。これは陸上の運賃だってそうなんです。今、日通が困っているのは、中小のトラックがダンピングをやるから困っている。あれだけの大きな規定でワクをはめておきながら困っている。だから私は、あなたの言われることもわからないことはないけれども現実にそういう問題について規定をどういうふうにするかということを一方で考えておかなければ、あなたの考え方だけではいけないのではないか、しかもそのことがカルテル行為を増大することになると言うのです。だからこの点を明確に、そういう心配はありませんではなくて、具体的に説明をしてもらいたい、こう言うのです。     〔発言する者あり〕
  30. 粟澤一男

    粟澤政府委員 ただいまのお話は、今の規定の問題よりもさらに発展いたしまして、中小企業というものを一体どうするかというふうなお話になるかと思います。それにつきましては、私どももかねがねおしかりを受けながらいろいろ検討し、努力しているのでございます。たとえば先般御審議いただきましてやっております小型船海運組合法、こういうふうなものも現在の中小企業の非常に弱体な、しかもばらばらになっている状態をどうするかということから、これを組織化し、あるいは内部で調整規程を作ってお互いに守り合っていこうというふうなことでやっていこうという一つ方法というふうに考えております。なお、そのほかにも税金の問題もございます。あるいは金融の問題等もございまして、今日本委員会にも小型船海運組合等助成法の御審議をお願いしているというふうなことで、別個な方法でやはり中小企業対策というものを考えることが必要だと思いますが、その方はその方でまた私どもも努力する、こういうように考えております。
  31. 井岡大治

    井岡委員 盛んにここでアジっておられますが、アジるのはいいのですが、私は、この点についていろいろな紛争の調整に対する規定を設けておる、こういうような点について考えあわせてみて、かなりこの問題に対して不安がある、こう思うのです。その不安の問題についてもう少し私自身調べますが、この点についてだけはあなたの言われるだけで私は了解できない、こういうように思うのです。従って、きょうはこれで終ります。
  32. 正木清

    正木委員 私は大臣に、この法案と関連してお尋ねしたいと思うのでございますが、大臣が御就任なされてこの方、しばしば新聞その他で大臣海運行政に対する基本的なお考えを私どもは拝見をいたしておるのでございますが、正式に議会、しかも当委員会での御発言は、不幸にして実は承わっておらないように私は記憶をいたしておるのでございます。今日世界的な大不況のしわ寄せによって、戦後ようやく国の思い切った助成育成政策によって立ち直ってきたわが国の海運業界も、ごたぶんに漏れずこの不況の中で非常に苦しい経営を続けておられると実は想像をいたしております。従って、その立場に立たれまする運輸大臣としては、海運行政に対する思い切った大きな施策をお持ちであろうと存じます。しかも新聞で拝見いたしますと、十四次の計画造船に対してすでに船主選考に入る段階にきたように新聞には報道されておりますので、この機会計画造船に対する船主選考の基準、それから現在の海運業界のこの不況に対する、業界自身としても自主的なこの危機を切り抜けるところの方法もお持ちでございましょうし、また大臣自身も具体的なものをお持ちになっておると思います。そういう点も明らかにしていただきたいと思います。従って、船主協会からは打ち切りになっておりまするところの利子補給等に対しても、この際ぜひ復活してもらいたいというような運動もおそらくあるであろうと想像いたしまするが、これに対する大臣の御所見などもこの機会に承わっておきたいと思います。以上御答弁を願います。
  33. 永野護

    永野国務大臣 日本海運行政基本的理念はどんなことであるかという御質問だと思います。当委員会では私はあるいはその辺の機会が今までなかったかとも思いますが、お説の通り、実はいろいろな機会に、私の理念と申しますか、信念は申し上げたことがあるのであります。と申しまするのは、この四つの島に九千万の人口が閉じ込められておる日本人がどうして生きるかという、その基本問題の解決に海運関係が大きく重点を置いて考えられなければならないと私は考えておるのであります。これは日本民族性、それから日本立地条件、いろいろな点を考えまして、日本経済自立を達成する基本的政策の中に海運政策が大きな力を占めなければならぬと私は確信しております。それが皆さん御承知通り戦争によって根こそぎなくなってしまって、しかもそれに対する保険金すら棒引きになったのでありますから、何らかの国家助成をすることによってこの基本国策、すなわち日本経済自立をはかっていく上に欠くことのできない海運事業に対する保護育成ということは考えていかなければならぬと考えております。少くとも最小限度に見ましても、海運だけの国際収支の残が莫大な、年々数億ドルという支払い勘定になっておるというような状態は、最小限度に見ても回復しなければならない。戦前は、海運関係運賃収支に関する国際収支のバランスは絶えず黒字になっておって、一般貿易の赤字はこれで補てんしておったのが、今では貿易黒字を、あるいは貿易外のいろいろな収入の黒字海運関係でむしろ減しておるというような現状は一刻も早く脱却したい、こう考えております。従いまして、海運助成政策というものはどうしても考えられなければならぬ、こう考えておるのでありまして、私、専門家でございませんからこまかいことはよく存じませんけれども、漫然と、六百万トン程度は今申しました日本の目的を達する上に必要だ、こう考えまして、それをどうして作っていくかということが具体的の海運行政の使命だ、こう考えております。十四次造船の問題についても、御承知通り非常に不況でありましたので、場合によったら十四次造船は見送ってもいいのではないかというような議論もあったのでありますけれども、私の今申しますことは日本基本国策であって、目先の一年、二年、景気、不景気によって左右すべきではない、こう考えて、十四次造船の計画をそういう反対論があるにもかかわらず強行して参ったのであります。そういうような意味におきまして、大局から見て海運行政の中にそういう助成政策をどういう形で取り入れるかということがいろいろ考えておられます中の一つとして利子補給の問題があるのであります。いろいろとすでによく論じられていることでありますから、くどくどしく申し上げるまでもないと思いますけれども、とにかく三千億になんなんとする海運業者の借金は、保険金がもらえたらその借金はなかったはずのものが、国家の政策の犠牲になって保険金を取られたがゆえに出てきた借金であるから、せめてそれの利息ぐらいは補給してくれないかというようなことが理論づけられる根拠になっているのであります。従いまして、海運というものを日本基本国策の中に取り入れてこれを助成しなければならぬということが決定しておりますと、何らかの形でそれを行政の上に具体化するという今の行政に応じてまず利子補給ということも考えられる一つ方法だと思いまするので、三十四年度には一応私どもの責任において利子補給の金額を大蔵省に要求しております。私は、これはぜひ認めていただきたいと思うのであります。ただ、今申し上げます一般論は、うぬぼれかもしれませんが、大体世間の同情を得ていると思うのでありますけれども、それに対しまて、実に残念なことではありますけれども、そういう理論を抜きに、利子補給という問題にからまるあまり明朗でない空気がなお払拭し切れないでおるので、利子補給というと何かいやな問題が伴うのではないかという理屈でない一つの空気があるのが一つと、それから、これは海運業者に対していわゆる自粛自戒を求めるという形でたびたび論議されているのでありますけれども海運業者の仕事の運営ぶりが、今こそしゅんとしておりますけれども、一、二年前までは非常に派手な時代がありました。これは全体の経費から申しますときわめてわずかなことなんでありますから、理論的に申しまするとそんなものは九牛の一毛でありますけれども、印象的にそういうつまらないことが、大きな問題を考えるときにかなり大きな影響を与えておるのであります。従いまして理論一本やりではこの問題を踏み切るというのはなかなか困難でありまして、そういう第三義的、第四義的の論拠と申しますか、反対論もこれを払拭しておきませんと、本筋のこういう主張は実現がなかなかむずかしいのであります。そこでつまらぬことのようだけれども、こういう点に気をつけてもらいたいということを海運業者に対して非常に求めております。しかしそういう第三義的、第四義的のことよりは、第一義的の問題として、一体海運業者の数が多過ぎるんじゃないかという基本的の問題、これが無用な競争をする。従って思い切ってここに抜本的の大なたをふるって、海運業者の数を減して、適正な数にまでこれを圧縮する必要があるのではないかという基本的の説があります。こういうことをひっくるめまして、日本海運がいかにあるべきかということを研究の目的とする合理化審議会でも、それをしきりに考えていただいております。私どもはそういう練達堪能の経験者の意見を取り入れまして、本質的、抜本的の計画を考えてみたい、こう考えておりますしかしいずれにいたしましても、絶えず波を打つ海運界の扱い方を、目先のただことし、去年の数字だけに基いて日本海運界全体を悲観したり楽観したりする態度はとりたくないと考えております。運輸省といたしましては今の基本的の海運国策に基いて、目先の波はむしろ目をつむって一貫してやっていきたい、こう考えております。
  34. 正木清

    正木委員 今の大臣の答弁で利子補給の復活ということが、明確になって、すでに三十四年度の運輸省の予算要求の原案の中には入っておる、こういうことが明確になったわけです。そこで事務当局にお尋ねいたしますが、その金額はどれくらい計上して大蔵省と折衝されておりますか。大まかなところでいいです。
  35. 粟澤一男

    粟澤政府委員 二十三億六千四百万円でございます。
  36. 正木清

    正木委員 そこで私、大臣にもう一点お尋ねしたいと思うのですが、新聞で承わりますというと、大臣の新しい構想として鉄鉱石の運送船ですね、これを十四次の中へ入れた。しかもこの鉄鉱石の運搬船については従来の理念と違いまして、非常に業界でもこれが問題になったと聞いておるのですが、この機会になぜ一体鉄鉱石を十四次計画の中へ入れて、従来のように船会社に持たせないので、鉄鋼会社と共同の形をとったのか。その新構想についてこの席で明確に明らかにしてもらいたい。
  37. 永野護

    永野国務大臣 十四次の計画を立てますときには鉄鉱石専用船の問題は含まれておらなかったのであります。実は私の就任前に案はできておったのでありますから、私はその案を実行するために全力を尽したのであります。ところが皆さんすでに御承知のように、その案を実行することは金融情勢の変化から不可能になったのであります。これは一度や二度の折衝ではございません。全力をあげて、大蔵当局の助力も得まして、ほんとうに誠心誠意を尽して銀行業者の了解を得るように努めたのでありますけれども、途中のくだくだしいいきさつはすっかり省略いたしますが、結果はできない。従って何らかの方法考えなければ、いわゆる十四次造船計画というものは実行不可能という状態になったのであります。そこで現われて参りましたのが、この鉄鉱石専用船の問題であるのであります。御承知通り鉄鉱石専用船を作ろうという問題は、これはきのう、きょうに始まった問題ではないのでございます。専用船で運ぶコストと、それから普通のトランパーで運びますコストとは大へんな違いなのであります。これは距離により、大きさにより違いますけれども、最も大きい場合をとりますと、ほとんど半額に近い運賃になるのであります。鉄鋼の原価は原料の方が七割五分もあるのでありまして、それの大部分は運賃なんであります。鉄鉱石の現地における値段というものはほとんどただのようなものでありまして、持ってくる運賃がコストの大部分でありますから、それが半額にもなるというようなことは日本の鉄鋼行政の上には非常な大きな影響のあることでありますから、この問題は通産省で古くから主張しておった問題であります。ところが海運業者の方から申しますと、ベース・カーゴに使って運営をする上に鉄鉱石の問題は重要な——年にとにかく三百万トン以上のコンスタントの荷物でありますから、そのためには五十万トンもの船腹が使われておるのであります。この問題を通産省、すなわち鉄鋼行政に重点を置く通産省本位の取扱い方をされては困る。運輸行政の方からも考えてもらわなければならないというので、昨年くらいまでは鉄鉱石専用船の問題は、いわゆる机上の議論にとどまっておったのでありますけれども、昨年あたりから専用船がぼつぼつ出始めて、その運営した実績が、計画通り相当いい結果を上げておりますので、通産省はもちろんでありますけれども、鉄鋼業者も鉱石専用船の問題には非常に興味を持っておったのであります。そこへ今度海運業者全体の信用が薄弱であるために、金融業者の融資ができないというのでありますから、この海運業者全体に何か信用を加えてやらなければならない。その信用を加えてやる一つ方法といたしまして、鉄鋼業者の信用を使おうということから、鉄鋼業者の信用において銀行の金を借り出す。ところが鉄鋼業者は他の船には金は出しませんが、自分の営業に役に立つ専用船ならば全額共同責任を背負うということを承知いたしましたので、鉄鉱専用船を作ることによりまして、金融業者を納得いたさしめまして、この十四次計画造船の計画というものが成り立ったわけであります。実はそれにしても五そうは多いからというので、せめて一そうでも二そうでも減らそうと思って最後まで努力したのであります。ところが、金融業者はがんとして聞きません。つまり鉄鉱専用船は一番そろばんの見通しがはっきり立つのであります。長期の用船契約を鉄鋼業者がしてくれまして、しかも運賃は逆算いたしましてそれの償却ができるようなレートで借りてくれるのでありますから、銀行から申しまするときわめて安心のできる投資物である上に、さらに全額の保証までするのでありますから、これをトランパーに変えるのは、銀行にとりますと金を鉛に変えるような印象を受けておりまして、どうしても承知いたしませんので、やむを得ず五隻の原案を計上せざるを得なくなったのであります。  鉄鉱石専用船のことにつきましては、あるいは別の機会に、日本海運界における鉄鉱船の占める位置と将来の見通しといったことでいろいろ御参考に申し上げてみたいと思いますが、きょうはよそへ行きますから、この程度で……。
  38. 正木清

    正木委員 今の大臣の後段の答弁でございますが、私も、日本の基幹産業である鉄鋼、それと関連する鉄鉱石の運搬の船舶量、これの基本的な問題は、いずれ機会を見てぜひ承わっておきたいと思います。  そこで私は事務当局にお尋ねをするのですが、そうしますと鉄鉱石を運搬するこの計画造船の資金の手当というものは、財政資金の手当はなくて、市中銀行からだけの手当であるかどうか、この一点を承わりたい。
  39. 永野護

    永野国務大臣 私からお答えいたしますが、その通りであります。財政資金の方は議会で通過しておりますから、百八十億というものは動かないのでありますけれども、市中銀行から求める百七億の金ができなかった。それでその金は、市中銀行が納得する船種に切りかえないと金融がつかなかったということが、鉄鉱石専用船というものが現われてきた唯一の原因であります。
  40. 正木清

    正木委員 そうしますと、製鉄会社が資産、信用状況を調査して、ある特定の船主会社との間に契約が結ばれて、市中銀行からの借り入れば製鉄会社が保証をして借り入れるのですか、この点をはっきりしてもらいたいと思う。  それからもう一点は、できた船の実際上の運航は船会社がやるのであるけれども、実質上の運賃その他は会社と逆計算によってきちっと数字を出して、そして運営の衝に当る。言いかえるならば、船会社は、これだけの運賃で、しかもかかる経費の内容はこれこれでということで、一つの具体的な例を言うと、会社の手数料式程度で押えられる。私が考えることに間違いないとすれば、従来の海運業界が占めておった、この鉱石運搬に必要な船舶トン数は約四、五十万トンであったのでございます。従って船会社としては、この鉄鉱石の運搬が非常にその会社の収益率を高めておったという事実は否定できないわけですね。そうすると、俗な言葉で言うと、このうまみというものは漸次なくなってしまった。こうなると、今の海運業界全体の不況の打開のための大きな国策として政治的に打ち出していく政策と、現実の鉄鉱石専用船というものを打ち出したところには、何か大きな矛盾を感ずるような気がするのですが、この調整で何かお考えがございますか。
  41. 永野護

    永野国務大臣 鉄鉱石専用船か海運界に出現いたしますことは、一口に申しますと海運業のうまみを減殺するものではないかという御懸念でありますが、その点は絶対にないと思います。ある意味から申しますと、ボロもうけはないかもしれません。しかしコンスタントのリーズナブルな収益が確実に入るということでありますから、むしろ海運業の基盤を強めるためには、こういう業態のあり方が望ましいのではないかと思うのであります。しかも海運業全体から申しますと、この鉄鉱石専用船の占めるパーセンテージはそう大きなものでもございませんから、ある程度のものは確定した収入を上げる運航をし、従って、つまりボロもうけがないということは——海運業者がボロもうけをする機会があるということは、鉄鋼のコストが非常にフラクチュエートするということでありますから、それを平均化するということは、裏を言えば海運業者はボロもうけの機会を失ったという、つまりうまみがなくなったということになるかもしれませんが、ボロもうけのないかわりに損のいくときもない。絶えずある一定の利潤はコンスタントにあるという商売ですから、必ずしも海運業者のふためではない。それどころか、私は要らぬ意見を言うかもしれませんけれども、鉄鉱石専用船だけをやる海運会社がかりにできましたら、それは非常に安全な投資物だとすら考えております。
  42. 正木清

    正木委員 大臣考え方はそれでいいでしょう。岸さんは戦時中からの官僚の統制主義者で、計画経済主義者ですから、ある意味では社会党の政策と似通った面もあるのですから……。しかし、僕は一点事務当局にお尋ねしたいと思うのですが、前回の委員会で私が資料を要求いたしまして、利子補給と財政投融資、市中銀行からの返還された累計額の資料が出たわけですが、これを見て私、意外に感じましたことは、これは大臣、聞いてもらいたいと思うのですが、計画造船によって財政資金または市中銀行から借りた返済額が各社別に出ておるわけでございますが、船を保有して各社に船を貸す会社がこの返済の状況から見ると非常な成績を上げておる。それからもう一点特徴的なものは、油送船を主として運営している会社がこれまた非常な成績を上げて、返済も軌道に乗っておる。ところがその反面に、たとえばニューヨーク航路であるとか、南米航路であるとか、西欧各国との航路であるとかいうような、国策の線に沿うて第一線で活躍している定期不定期を加えた日本郵船、大阪商船、三井船舶、川崎汽船等は、いまだに返済額が全然計上されておらない。従ってその会社は無配当である。また無配当でなくても、法律で定められた配当率以下の配当を行なっておる。何かここに私は行政上の矛盾を感じるのです。本来からいえば、国策の第一線に立って、物資があろうとなかろうと、お客があろうとなかろうと、日本という国家を背景にして、その信用と責任の上に立って第一線で活躍しておるこれらの船舶会社に対しては、何らか別途の方途を講ずる必要があるのではないかという感じを私は受けるわけです。この参考資料を見るとそういう感じを受けてなりません。ですから計画造船船主選考の場合においても、利子補給、損失補償をする場合においても、船を持っていて、そうして適時船会社に船を貸して利益をあげる会社、それから時の波に乗る油だけを専門に輸送するタンカー等が膨大な利潤を上げておる。おそらくこの諸君は先ほど大臣が言われた派手な経営をされたのでしょう。しかし一方においては日本という国家を背景にして、お客や物資があろうとなかろうと、ちょうど汽車を運行するように、一定の日にち、時間に、定期不定期をやるこれらの会社は全然借金の返済をしていない。利益がない、あったとしても法律以下の利益配当であるからして返済ができない。何かここに矛盾を感ずるような気がするのですが、事務当局としては海運行政の一環として三国航路等の船舶会社に対して、何か具体的な助成方法考えたことがあるのかないのか。永野さんは海運行政に骨を折っておるのだから、こういうときこそ新鮮味を出す絶好の機会ではないかとすら考えるのだが、もしあるとすればこの機会にここで明らかにしてもらいたい。
  43. 永野護

    永野国務大臣 御説はごもっともであります。日本で船会社といえば郵船、商船、三井といわれておるような大きな代表的な会社がおそろしく悪い内容であり、海運業者としては一流とは言い得ないような会社の方が案外にいい成績を上げておるという点に矛盾を感ずるという御説はごもっともであります。それが何がゆえにこういう結果になったかというと、一番大きな問題は、他の外国の船会社が払っていない莫大なる利息を払っておることが大きな差のできる原因になっておるのであります。こういう大きい会社の競争者は外国であります。外国の船主はそういう負担をしょっていない。つまり重い荷物をしょったものとしよわぬものが競争しているような関係で、ついレースに負けた結果がこういう業績になったと言ってもいいと思うのであります。そこで問題は、一番最初に戻りまして、利子補給の必要性を証明する一番大きな原因はそこの点でありますから、せめて外国の船主と平等の条件に立って競争するだけの立場を与えてやりたい。もちろん海運業が日本経済自立のために占めるウエートという点が基本でありますけれども、その運営の場面になって、一番最初に申し上げました海運界の基本政策という点が第一義的の理由でありますが、第二義的の理由と申しますと、今申しましたように外国の船主と少くも平等に戦えるようにしてやりたいということであるのであります。  それから第三国間の海運業というものに対してお前は何か考えたかという御質問でございますが、考えまして、これまた三十四年度の予算にその補給金を見込んで提出いたしておりますので、追って国会で御審議を願うことになると思います。
  44. 正木清

    正木委員 今の大臣の答弁の中で、大臣の新しい海運行政一つが明確になったわけですが、この三国航路等に対して別途助成の方途を講じてすでに三十四年度の予算原案には盛られておる、こういう御答弁でございましたが、事務当局にお尋ねしますが、どれくらいの予算を計上されておりますか。
  45. 粟澤一男

    粟澤政府委員 三国間航路補助といたしまして十五億円要求しております。
  46. 正木清

    正木委員 大臣にちょっと御心境をお尋ねしておきたいと思うのですが、利子補給で二十数億、三国間の航路助成で十五億くらい、この原案を大蔵省が認めるのには、それこそ大臣が得意として言われる政治力が必要だと思うのです。大臣は相当の御決意で御折衝になると思いますが、これは業界に与える影響等も非常にあるでございましょうが、大臣の心境を率直に承わっておきたいと思います。予算原案では要求したけれども、大蔵省の認めるところに至らなかったというのでは、白紙で委員会提出されたのでは、大臣の政治力はどこにあるかちょっとわからないことになりますので、この機会に重ねてお尋ねいたします。
  47. 永野護

    永野国務大臣 私の心境に対する御質問でありますが、私も私の責任において大蔵省に原案を提出いたしました以上、これの通過にはほんとうに死力を尽してやるつもりでありますけれども、しかし何と申しましても三十四年度の予算はかなり窮屈になると思います。従いまして運輸省の予算がそのまま日の目を見るという期待はなかなかむずかしいのであります。従いまして、海運業に対して御理解のある皆様方の側面的な御援助を切にお願いいたす次第であまりす。
  48. 正木清

    正木委員 最後に私は、大臣の答弁の中で気をつけなくてはならぬ点があるのでございます。先ほど大臣が明らかに御指摘になったように、日本海運業界といえば日本郵船であり、大阪商船であり、三井船舶である。これが非常に経営が悪いのだ、こうきめつけてしまいましたね。私は後段で大臣が明らかにしたように、経営が悪いのではなくて、戦争によってこれらの保有船というものは一そうもなくなってしまった。無手でもって再出発したのが、今の国策に沿うて外国に行って第一線で活躍しておるこれらの会社の保有船である。従って、戦後日本の造船技術を動員して作られた船でありますから、船自体の性能は諸外国に決して劣るものではないと私は考える。ただ問題は、戦後無一物から出発したこれらの会社は、計画造船その他による財政投融資と市中銀行の借り入れによって今の会社を経営しているのだから、それらの返済、金利の支払いに追われて、表面から言えば会社の経営は非常に苦しく見えるのであるが、実質は放漫からくるところの経営困難ではないのだ、こう理解するのが常識ではないでしょうか。大臣、この点についてはいかがですか。
  49. 永野護

    永野国務大臣 基本的の理念ではお説の通りであります。ただ、先ほどからつまらぬことを申しましたけれども、そういうことが本質だと思うにもかかわらず、数字の全体からいいますと、きわめてわずかな——たとえば、よくつまらぬことで議論になるのでありますけれども海運業者はみなすばらしい自動車に乗っているというような、数字からいってみたらきわめてわずかなことでありましすれども海運業者の経営は放漫だというような非難があるのであります。大筋から申しますと、お説の通りであります。ただし、と申しまして、海運業者に自粛自戒の必要はないかと申しますと、これは大いにあると思います。従いまして、根本には海運業者の立場を理解して、しかも海運業の国策の中に占める重要性をよく認識して、これを助けてやっていかなければならぬと思いますけれども、しかしそれにかりそめにも海運業者が甘えてはいけない。そうして国民の一般から海運業者の経営は堅実である、まじめだという常識ができるような経営をしてもらいたい、こう考えております。
  50. 正木清

    正木委員 これで質問を終ります。     —————————————
  51. 塚原俊郎

    塚原委員長 次に、空運に関する件につき調査を進めます。質疑の通告がありますので、これを許します。高橋清一郎君。
  52. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 新潟飛行場の周辺の農家が最近の十一号台風以来たび重なる災害のために大きな損害をこうむったという事実でありますが、結論から先に申し上げさせていただいて、関係庁がどの程度の御熱意をお持ちであるかということをお伺いさしていただきたい、こういう意味の内容なのであります。この新潟飛行場周辺の農家は昔から非常に裕福な村だったのであります。部落民は豊穣さを満喫しておったということは事実でございまして、非常に昔から裕福で、天候その他に恵まれておったのであります。もちろん農家の努力も大したものではございますが……。ところが、新潟飛行場があの周辺を買収いたしまして、でき上った。そのときのいろいろな排水設備あるいは水の流れをどういう方向へ持っていくかという、結局は施設の不完備でありますが、これからきます不手ぎわのために、今回の六十年来の豪雨で、これは不可抗力といえば、それはそうかもしれないのでありますけれども、飛行場から流れます水のために大きな損害を受けたのであります。全然収穫皆無だということであります。今回の農家災害では比較的部分的損失というのが大部分でございましたけれども、新潟飛行場周辺、下山と申しますが、下山周辺の部落の人たちは今泣いておるのであります。従いまして、飛行場に対する怨嗟の声と申しますか、だから私ども農家は反対だったんだよ、飛行場の拡張工事の場合には、という声さえ出始めておるような実情であります。従いまして、どうかこの問題の補償問題については特段の御熱意を持って一つ対処していただきたいということが本音なんであります。ところが、どういっておるかということなんであります。なるほど航空局と大蔵省、どちらかであろうとは想像されるのでありますが、驚くなかれ、まだ特別調達庁の財産下にもあるような話を聞きまして、驚いたのであります。過般私も、半年前でございましたが、林航空局長に、どうも飛行場の事故の原因もやはり飛行場の設備不完全のところから出てきているわけなんだ、それについてはやはり財産はどこに帰属しておるか、管理権の帰属というものがどこにあるかということがはっきりしません場合には、往々にしてこういうふうにして、結局はお互いが責任をなすり合うというような事象を来たしまして、大蔵省に対する熱意のほどもやはり違ってくるということになりますから、調達庁からまだはっきりと移管を受けていないそうでありますが、御努力願いたい、ということをあなたには申し上げてあるつもりであります。それからすでに半歳を過ぎているのであります。まずその責任の所在でありますが、どこが本気にこのような問題については対処しているのかということであります。というのは、周辺の農家の損害は千八百万円であります。これは国家全  体としますれば大したものではないと思いますが、大した部落でない農家としては千八百万円は大きなものであります。どこが御答弁を願う対象者であるかということもわからぬほどなのでありますが、とりあえず皆さんの御相談で御答弁願います。
  53. 林坦

    ○林説明員 新潟周辺の地区の十一号台風のときの災害につきましての御質問でございます。新潟飛行場は、御承知のごとく、本年の三月末まで米軍の接収下にあった、従ってそれを今後は大体民間航空のために使うという趣旨のもとにただいま手続が進められている現状でございます。従って手続がまだ未済と今言われましたけれども、ドル支弁のいろいろの施設その他が多くございます開係上現在まだ調達庁に属している部分があるわけでございまして、これらが完全にまだ移っておりませんので、全面的にその所管を法律的に申しまして運輸省が引き継いでおるというわけには参らないのでございますが、すでに民間空港として使うという建前で進んでおりますから、あの飛行場を民間飛行場として使うことについては、大蔵省方面も、また調達庁といたしましても意見は一致しているのでございます。ただ、ただいまお話のございましたような財産がもし原因で損害を与えたというようなことがありといたしますれば、これらにつきましては、どこかが窓口になってこの問題はもちろん処理しなければならないと思います。実はただいままでその問題について私ども報告を受けておりますところでは、未曽有の豪雨であったあの災害に対しましては、新潟県あるいは市、ともに災害に関してはその救済措置をとらなければならないということで、県の方で打ち合せがあったようでございますが、その結果は、農地の一般の災害としてこれを処理するといいますか、その復旧措置をとるというふうに大体話し合いがついて、それで措置を進められておると報告を受けております。従って今の問題につきましては、ただいままで私どもが報告を受けているところでは農地の災害問題として取り上げられることと考えております。
  54. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 ただいまの御答弁の農地災害として取り上げられるであろうということなんでありますが、それが農民は大不服なんです。とんでもない話だ。そんなほかの農家の方々と同列に対処してもらうような話し合いじゃない。明らかに飛行場が原因で、設備の不完全なためにこうした大損害を受けたんだから、何とかしていただかなければならぬということで、先般大蔵省の管財局でございましたか、大挙陳情をいたしたわけなのであります。そのときには、御趣旨よくわかりましたが、実はどうもあそこは調達庁も関係しておりますし、運輸省も関係あるのです、大蔵省ばかりではございませんから、一つほかの方へも行って下さいということでございましたので、あなたの今のこの程度の処理をしようと思いますというお考えは大きな間違いであるということをはっきり申し上げさせていただかなければならぬと思うのであります。でありますので、あなたはそういうふうにただいまのところお聞きになっておれば仕方がないといたしましても、ぜひ実地検分をしていただいて、果して原因が那辺にあるか、政府でもってこの問題は早急に取り上げて何とか処置しなければならぬという御熱意をお持ち願わなければならぬと思うのであります。  最後に私は、ただいま局長が調達庁の財産移管は全部できたというお言葉でありましたが、ほんとうかどうか、調達庁の方にお聞きしたいと思います。
  55. 高野藤吉郎

    ○高野説明員 それでは調達庁から御説明申し上げます。御承知のように米軍が新潟飛行場を接収いたしましたのは昭和二十年十一月一日でございまして、返還になりましたのは本年の三月三十一日でございます。返還の面積は合計六十万一千六百三十五坪でございまして、この内訳を申しますと、民公有の土地が六千八百三坪、国有の土地が五十九万四千八百三十二坪になっております。この国有の土地と申しますものは、大蔵省所管が約二十万坪、運輸省所管が約三十九万坪と相なっております。三月三十一日の返還の際なお一部残っております。これは坪数は国有の土地千三百三十二坪でございまして、これには米軍の通信施設が残っております。これだけが現在なお残っておるわけでございます。それからなお申しおくれましたが、返還の建物でございますが、これは民公有がございませんで、国有の建物二千五百三十坪が返還になっております。それからこの返還は三月三十一日に各関係の方が立ち会いの上で返還になっております。これは各飛行場とも同様でございまするが、飛行場等一日も休むわけには毛頭参りませんので、三月三十一日に現実の受け渡しを終っておるわけでございます。ただし、いろいろ所定の引き継ぎ書類等はあるいは若干残っておるのかも存じませんが、そのこまかい点は私ただいま報告を受けておりませんが、現実の土地の受け渡しは三月三十一日返還と同時に当日終っておるわけでございます。  それから次に、今回の被害の問題につきましては、実は十月の十四日に大蔵省の管財局から調達庁に、この被害の原因として米軍接収当時の飛行場の施設の関係がどうであるか内容を知らせてくれという照会がございました。そこで当庁といたしましては、実は十六日に電話並びに文書で仙台の調達局の方に照会をいたしております。この照会の点は、果して米軍接収当時の原因によって今回の災害に影響があるかどうかという点でございまして、接収または提供期間中に米軍が実際に施設をいたしましたいろいろな工事の種類、施工日、あるいは施工の位置、概要その他いろいろこまかい点を仙台の調達局の方に現在調査を命じて調査中でございます。  なお先生に申し上げたいことは、こういった災害の原因が明らかに米軍接収時の工事等にございますれば、その原因によった損害の補償業務は調達庁の所管業務になると思量いたしますが、現在のところは果してそれがどの程度影響があるか至急調達局の方で調査中でございますので、調査が明らかになりました上また御回答申し上げたいと思っております。     〔委員長退席、簡牛委員長代理着席〕
  56. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 今のお話で、何とか調達庁としても責任を感ずる、実地検分をしてその結論を見出したいという御熱意をお持ちのようでございます。  話が飛ぶかもしれませんが、局長さん、あなたに御質問したいと思いますが、コントロール・タワーが木更津の飛行場にやったという、そのことはあなたは御存じないかもしれませんが、通信施設も米軍が返還しましたというお話をなさったようでございますね。それに関連しましてお伺いしたいのですが、先般の質問の場合にも私は新潟飛行場に通信施設がないために事故を誘発させるものがあるから、すみやかに通信施設の完備をしてほしいということをあなたに申し上げたと思うのであります。米軍の熱意いかんでございましょう。結局これは航空局がどの程度の熱意を持つかということに支配されることでございましょうけれども、いろいろ聞くところによりますと、羽田の通信施設あるいはどこかの飛行場の通信施設も、みな残っておったものはそのまま当該の飛行場で利用できるようなことになってきた。ところが新潟飛行場の通信施設だけが利用できない。コントロール・タワーのことでございます。非常におもしろくございません。同じ飛行場に事故の原因が何どきどの程度ということを考えますと、なおさらのことであります。一番大事な通信施設が新潟飛行場にない。大蔵省に対して、来年はどうしてもこれだけのものは充足してもらわなければならぬという意味での予算要求はなさっておるわけでございますけれども、現在何とか熱意を持って駐留軍に当りますれば、そういうことであればそのコントロール・タワーは新潟飛行場でお使いなさいということを言われると思うのです。被害のこととは関係ございませんけれども、話が出ましたから、この経緯についてあなたにお聞きしたいと思うのです。
  57. 林坦

    ○林説明員 新潟の通信施設の件につきましては、御指摘のごとく米軍が駐在し、かつひんぱんに使用しておりましたころございましたものは、最近におきましては使用状態でないことは御指摘の通りでございます。私どもといたしましては、新潟の飛行場を将来活用します関係といたしましては、通信施設が第一であることはもっともでございまして、われわれはこの通信の問題については非常に熱意を持って米軍とも折衝しておったのでございますが、何かちょっとした行き違いと申しますか、そういうようなところから現在は使えない状況になっております。しかしながらこの問題につきましては、佐渡の施設などを利用したりなどいたしまして、現在としてはどうにかある程度のものを間に合わしておるといったような関係でございます。来年度以降といたしましては、ぜひこれを整備しなければならないというので、来年度予算に組みまして、今大蔵省と折衝をいたしておる次度でございまして、どうしてもこの問題は早く解決する決意でございます。
  58. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 局長にもう一つ、念を押すようで相済まぬことでございますが、新潟飛行場から東京に参ります場合には、ある程度安全感を持つので乗客が多い。ところが通信施設がない。雲間に低迷しなければならないおそれがあるために、反対の東京から新潟に参ります場合には、この前はお客が一人もなかった。おそらく航空界始まって以来ないことではなかろうかと思われる。これはみんな設備が不完全なためにこういうことになるのであります。この前も申し上げたのでありますが、強く大蔵省に当っていただいて、来年度はぜひ一つ大蔵省からめんどうを見てもらうようにしていただきたいと思います。  それから水害の問題でございますが、どの程度にこの問題を御承知置き願っておるか、お伺いいたしたいと思います。この前も御陳情申し上げたのですが、周囲からも聞いておられるとは思うのですが、御熱意のほどをお聞きしたいと思います。
  59. 市瀬泰蔵

    ○市瀬説明員 新潟飛行場の周辺の農地が十一号台風の関係で水害を受けて相当なる被害を受けたというお話につきましては、実は七月でございましたか、衆議院の農林委員会で御質問がありまして、そのときは全く私ども存じませんでしたので、急速調査してからお答えいたします、こう申し上げたのであります。それから私どもとしましては関東財務局に指示いたしまして、関東財務局では傘下の新潟財務部の職員に指示いたしましてこの関係を調査させまして、大体二カ月にわたりまして一応の調査報告が来たのでございます。ただその報告書を読みまして、一応の結論は先ほど航空局長から御説明申し上げましたような線で回答が出ておりましたけれども、なお大蔵省としまして疑問の点がありましたので、特に農民の方々が主張しておられますように、米軍がこの飛行場を接収してから相当な工事をした。その工事に伴って、たとえば今までの水路を暗渠にした、そのために相当な被害を受けたのである。なるほど十一号台風は新潟で気象台始まって以来の豪雨であったというような非常な天災的な面もあったでございましょうが、そういう米軍工事のせいではなかろうかという疑問が生じましたので、関東財務局の調査におきましても、調達庁の現地の出先の方とはいろいろ相談したのでございますが、資料その他米軍の指示等の関係でつまびらかにしない点もありましたので、正式に調達庁の方に御連絡いたしまして調査をお願いしまして、この点について先ほど調達庁の不動産部次長から御説明がありましたように、目下調達庁の方で徹底的に米軍接収時の工事に対する問題を検討していただく、こういう段取りをしております。大蔵省といたしましては、先ほど調達庁の方から御説明がありましたように、この新潟飛行場は運輸省の所管財産と、それから返還されて参りましたので大蔵省の所管財産と、大ざっぱにいって半々あるのでございます。この運輸省の所管財産の方はよろしいのでありますが、大蔵省所管財産の方はいずれ新潟飛行場の最終的な管理方針が全部民間飛行場とするものであると決定されますならば、全部運輸省に所管がえするものでございますし、あるいは防衛庁の方も副次的にと申しますか、従属的に使用をさせるのだという方針がきまりますとすれば、必要な部分は防衛庁に回す。主たるものは運輸省のものにするという方針でございます。その間の期間は一応大蔵省が所管しておりまして、現在は防衛庁職員の力を借りて警備をしております。そういうような態勢でございますので、先般の豪雨による被害が全く今後起らない、生じないという見通しがつけばよいのでございますが、今後もそのおそれがあるとすれば、この施設に対して何らかの処置を講じなければならない。ただし調達庁の方の調査、あるいはなお大蔵省の方でも現地調査をしておりますが、この調査の結果、この施設のための水害ではなくて、他のいろいろな要素によるものであるという結論が出ればまた別でございますが、この飛行場施設によるものであるということがわかりましたならば、それの防止措置を講じなければならない、こういうふうに考えておるのでございます。いずれにいたしましてもなお調査中でございますので、ただいまはこの程度にさしていただきたいと存じます。
  60. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 あなたのお話によりますと、もちろん現地の事情をつまびらかにし、原因その他を究明しませんことには、政府の責任者でございます大蔵省で何とかいたしましょうということには参らぬと思うのでありますけれども、原因は、周辺の農家の人たちが信じて疑わぬことは、今までどんな豪雨がありましても海の方へ水が全部流れていったものであります。ところが自衛隊が来、どういう工作をしたのかわかりませんが、それが反対になってしまった。それがすべての原因ですよということを言うているのです。でありますから、さっそく一つ、お忙しいところをどうかと思いますが、どちらが主管になっているかわかりませんが、どなたでもけっこうでありますから、どうか一つ三者で十分折れ合って下さいまして、実地検分をすみやかにやっていただきたい。そうして原因を確かめていただいて、これは先ほど一番初めに局長が言われたのでありますが、月並みの農家の被害でもって事を終らすということでなくて、全然事態は別なんでありますから、新潟飛行場の周辺のこの問題に関する限りは絶対政府の責任だと私は思う。でありますから、もっとあたたかい親心を御発揮になって親切な御検分を相願わなければならぬと思うのであります。そのことをぜひ御熱意を持ってお願い申し上げたいと思います。今半々であるということでございますから、一つ局長の方から……。
  61. 林坦

    ○林説明員 私が今までに報告を受けておりましたことに対しまして今お答え申し上げましたところ、高橋委員  から、この飛行場のいろいろの施設が不完全、あるいは飛行場の工事が原因であるというような疑いがあるということを御指摘いただきまして、私どもといたしましてもこの水害で非常に苦しんでおられる方のあることはまことに遺憾でございますので、もちろん関係行政庁みな関係しておりますし、いろいろそれに伴いまして補償に関する法規等も違いますけれども、よく打ち合せをいたしまして、一つ調査を進めるようにいたしたいと存じます。
  62. 簡牛凡夫

    ○簡牛委員長代理 次会は公報をもってお知らせすることとして、本日はこれにて散会いたします。     午後零時十九分散会