運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
1958-06-18 第29回国会 参議院 本会議 第6号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十三年六月十八日(水曜日) 午前十時十八分
開議
━━━━━━━━━━━━━
議事日程
第六号
昭和
三十三年六月十八日 午前十時
開議
第一
国務大臣
の
演説
に関する件 (第二日)
━━━━━━━━━━━━━
松野鶴平
1
○
議長
(
松野鶴平
君) 諸般の報告は、 朗読を省略いたします。
━━━━━━━━━━━━━
昨十七日
議長
において、左の
常任委員
の辞任を許可した。
商工委員
小山邦太郎
君
建設委員
吉田
萬次
君 同日
議長
において、
常任委員
の
補欠
を 左の
通り
指名した。
商工委員
吉田
萬次
君
建設委員
小山邦太郎
君 同日各
委員会
において当選した
理事
は 左の
通り
である。
大蔵委員会
理事
栗山 良夫君(
小笠原二三
男君の
補欠
)
文教委員会
理事松永忠二
君(
竹中勝男
君 の
補欠
) 同日
内閣
から
予備審査
のため左の
議案
が送付された。
経済基盤強化
のための
資金
及び
特別
の法人の基金に関する
法律案
同日
内閣
から
予備審査
のため左の
議案
が送付された。よ
つて議長
は即日これ を
大蔵委員会
に付託した。
外国為替資金特別会計法
の一部を改 正する
法律案
同日
社会労働委員長
から提出した左の
委員派遣変更
を
要求書記載
の
通り議長
は、即日これを
承認
した。
委員派遣変更承認要求書
昭和
三十三年六月十二日提出し、六 月十二日
議長
の
承認
を得た
中共地区
引揚者の
実情調査
のための
委員派遣
承認要求書
の
派遣委員
中「
木島虎藏
」 とあるのを「
勝俣稔
」に変更いたした い。 右要求する。
昭和
三十三年六月十七日
社会労働
委員長
久保 等
参議院議長松野鶴平
殿 —————・—————
松野鶴平
2
○
議長
(
松野鶴平
君) これより本日の
会議
を開きます。
日程
第一、
国務大臣
の
演説
に関する件(第二日) 昨日の
国務大臣
の
演説
に対し、これより順次発言を許します。
曾祢益
君。 〔
曾祢益
君登壇、
拍手
〕
曾禰益
3
○
曾祢益
君 私は、
日本社会党
を代表して、昨日、本院における
岸首相
の
施政方針
に関し、
首相
並びに
関係閣僚
に対して、以下若干の
質問
を行いたいと存じます。 まずもって、
総理
の
施政方針演説
がまことに無内容、おざなりのものであって、
国民
の
期待
を大きく裏切ったことは、はなはだ遺憾に存じます。しかも一方においては、目に余るような金の力による
選挙
の結果、それに酔って、
国民
の圧倒的多数の
支持
を受けたという、自信の過剰のみがあふれ出ていることに対し、早くも心ある
国民
は、
民主主義
の
前途
を憂えているのであります。
首相
は、一方においては、
わが国
の
民主主義
の
基盤
がなお弱いことを認めておきながら、
民主政治
の健全な
発達
のための
措置
としては、単に
国民
に対し法の
権威
を守ることを要求し、
民衆団体
に対しては、
国会
の威信をかさに着て、
権威
と
権力
をもって臨もうとする面ばかりを強調しておるのであります。(
拍手
)なるほど
演説
の
末尾
において、
首相
は一応、国政の
運営
に当っての謙虚な
気持
を
表明
することを忘れてはおらないのでありますが、われわれがこの
首相
の言を真に受けるには、あまりにも
国会
の
内外
における
政府与党
の多数の
横暴
と、
権力主義
を見せつけられていることを指摘しなければなりません。われわれの憂えるところは、
選挙
の結果を、
国民
の
自民党
に対する
圧倒的支持
と誤認し、
自民党
と
岸内閣
が
内外
の
施政
と
国会
の
運営
に当り、謙虚なる心がけを欠き、多数
横暴
をもって処するならば、やがて
国会運営
の不円滑と、
国内
における
階級対立
の
激化
とは、
国民
全体の
民主主義議会制度
それ
自体
に対する失望を招き、
左右両極
の
独裁制
に道を開くおそれがあるということであります。従って私はまず最初に、あらためて
民主主義
に対する
総理
の信念を伺い、ことに、
さき
に指摘いたしましたように、
首相
の
所信
の冒頭と
末尾
との間における矛盾について、明確な解明を求めるものであります。 次に、同じく
民主主義
の
基本
に触れる問題として、ぜひこの際伺っておきたいことは、
選挙
中から露骨となって、新
内閣
の人選、ことに
労働大臣
や
文部大臣
のそれにおいて、すでにそのほこ先が一そう明らかになったところの
労働運動
に対する
強圧政策
であります。良識ある
国民
はだれしも、
全逓労組員
の
職場集会
の
行為
を、
郵便法違反
として罰しようという
政府
のやり口を、
民主主義
に逆行する危険な
傾向
として警戒の目をもって見守っております。
郵便法
第七十九条の
規定
を
争議行為
に適用しないことは、
制定
当時、
当局
もまた認めたところであります。
政府
はこの際、
郵便法
、
鉄道営業法
その他の
事業法
の
規定
を、
労働運動
の
弾圧
に悪用するごときは取りやめるべきと信ずるが、
政府
の明確な
所見
を、
首相
、
労相
、
逓信大臣
、
運輸大臣
、法務大臣から、それぞれ伺いたいと存じます。 さらに、
全逓労組
の
職場集会
、
教員組合
の一斉
休暇闘争
、ないしは全
司法労組
の
順法闘争
などに対する
当局側
の取締りと
対抗措置
は、明らかに
社会
の通念を越え、これに反したところの
政治的弾圧
であります。ことに
全逓関係
における
検察側
の
態度
は非常識きわまりないものであって、証拠の隠滅や逃亡のおそれがないという裁判所の判決に対し、なおも準
抗告
、次いで
特別抗告
の追い打ちをかけようとしております。
政府
はこのようなファッショ的な
検察当局
の行動を抑制すべきが当然であると思うが、
首相
、法相から明確なる返答を承わりたいのであります。(
拍手
) 良識ある
国民
はまた、
政府
がその
文教政策
の貧困をよそに、文教
行政
なるものを口にするけれども、実は、
教職員組合
に対する
政治的攻撃
の道具に、
行政
を悪用している
傾向
を特に危険な兆候と見ております。
教員
の
勤務評定
が元来科学的、合理的な
基礎
を欠いているばかりでなく、これを天下り的に押しつけようとする結果は、
教員
のはつらつとした創意と民主的な
教育活動
を阻害し、
教員
をして、単に
評定権
を握る校長や上司の鼻息をうかがう、
こそく
な
地方吏員
に堕落させ、新しい
民主主義教育
と
民主政治
の
基盤
を掘りくずすであろうことは、すべての良識ある
国民
の憂えるところであります。しかも、
検察側
の
組合
に対する手入れがいかなるものであったかについては、私は最近の
有力紙
の報道の一節が最も雄弁に語っていると思うのであります。これを引用いたしたいと思います。「警察官がドヤドヤと学校に乗りこんでくる。
教職員組合
の分会を家宅捜索するためだ。土曜日の午後を選んではいるが、それでも校庭にはまだ
こどもたち
が残っている。ものものしい
捜索ぶり
をおびえた表情で、窓からのぞきこんでいる。これは去る七日警視庁が東京都
教組
の
下部組織
を手入れしたときの風景だ。信頼している
先生たち
が目の前で
犯罪人扱い
を受ける。
こどもたち
にどんな印象を与えたかと思うとやりきれない
気持
になる」、われわれは、この記事の筆者と全く
同感
であるばかりでなく、単にやり切れない
気持
以上に、激しいふんまんと、
民主主義
の
前途
に対する深刻な不安を禁じ得ないのであります。(
拍手
)
政府
は、このような
勤務評定
の強行と
教員組合
に対する
弾圧措置
を直ちに取りやめるべきであると思うが、
総理
、文相、
警察担当大臣
の
見解
を求めたいと思います。 さらに、
石田労政
から
倉石労政
に移って間もない今日、すでに
倉石労相
は、
仲裁裁定
の完全な
実施
の
公約
を、いわゆる
尊重
の線まで逆戻りさせるとともに、ILOの結社の自由と
団結権擁護
に関する
条約
の批准問題についても、もう批准を行わない腹をきめ、公労法の
改悪
、さらに
労調法
、
労基法等
の
改悪
を意図していることが伝えられておるのであります。
政府
は、果してこのような
労働政策
の
反動化
を意図しているのか、この際、
首相
並びに
労相
の明確なる
所信
を伺いたいと存じます。(
拍手
) 次に、
外交
問題について、若干当面の問題に限ってお尋ねいたします。第一は、
国際緊張
の
緩和
に対する
政府
の
見解
であります。
首相
はその
演説
の中で、
国際緊張緩和
の
努力
が続けられ、特に
東西巨頭会談
の
動き
には大いに注目すべきものがあると、きわめてあっさり、あたかも対岸の火災を見るような
態度
をとっておられる。むろん
国際緊張緩和
に対する
わが国
の貢献の面には限界があります。しかし
東西
の冷戦が
核兵器
、
ミサイル競争
の
段階
に突入した今日、
わが国
の置かれている地政学的な条件から見て、
わが国
の
外交
の
方向
や、ないしはその一挙手一投足が、
国際緊張
に与える影響は決して過小評価すべきではなく、少くとも
総理
のように、
わが国
の国際平和における
責任
に、ほおか
ぶり
をするような
態度
は断じて許されないと信じます。たとえば
日米関係
についても、近く
外相
または
首相
の
アメリカ訪問
が行われ、
日米安全保障条約
の改訂や
沖縄
施政
権問題について、
アメリカ譲歩
を勝ちとるために、これと引きかえに
自衛隊
の装備のいわゆる
高度化
に踏み切る
意見
が、
閣内
で台頭しているやに伝えられておるのであります。このことは、憲法の改正、再軍備の
強化
と
自衛隊
の
核兵器
、
ミサイル武装化
並びにこれらの兵器の
持ち込み
に通ずる問題でありまして、
国際緊張激化
の
方向
にほかならないのであります。同様に、
大陸中国
との間の不幸なる
対立
を
よそ目
に、
日本
と
台湾
との間の
民間
の政治的な
動き
、並びに
日韓交渉
が続けられておりまするが、万が一にも、
台湾
や韓国の
動き
や、その他の
外部勢力
のそそのかしに乗ぜられて、
軍事同盟
とまで行かずとも、
反共連盟
などの
方向
に走ることがありとするならば、これまた、
わが国
の平和と安全を脅かし、
国際緊張
を強めることは言を待たないところであります。従って私は、次の二点について明確な
方針
を
首相
並びに
外相
からお伺いいたしたいのであります。 第一に、
外相
または
首相
の渡米と防衛問題に対する
基本方針
、なかんずく
自衛隊
の
核兵器
、
ミサイル武装
に関する明確な
所信
を、あらためて示していただきたいのであります。 第二に、
日韓会談
、
日台交流
に関連し、
アジア極東軍事同盟
とか、あるいは
アジア反共連盟
に参加する
意向
があるのかないのか、ないのならば、これを明確に断言されたいのであります。
首相
はまた、大国間の
軍縮
とあわせて、
原水爆
の
実験
はもとより、その使用、製造、貯蔵の
全面禁止
の
実現
にたゆまざる
努力
を誓っておられます。しかし、
国際情勢
の現
段階
において特に必要なことは、このような単なる抽象的な願望や悲願ではなく、
核兵器
の
禁止
と
軍縮
を、いかなる順序で
国際政治
の現
段階
においてこれを
実現
させるかのプログラムと、これに伴う現実的な
努力
でございます。われわれの最も遺憾とするところは、過般のソ連の
原水爆実験
の一方的停止の宣言以来、
米英ソ
三国の間に
核爆発
の
探知制度
を含む
協定
によって、一切の
核実験
の停止を、
核兵器
の
全面禁止
や
軍縮全般
から切り離して、まずこれを
実現
し、これを契機として、
軍縮
、
国際緊張緩和
並びに
東西巨頭会談
への大道を開こうとする
方向
がようやく固まり、七月初めからジュネーヴにおいて、この
探知制度
を
中心
とする
専門家会議
が開催されようとしているさなかに、それにもかかわらず、
政府
が依然として
核実験
の
禁止
を、他の問題から切り離して、まず
実現
を要求する
政策
をここに明らかにし得なかったことは、そうしてその優柔不断と不誠意に対しては、われわれは断固としてこれを追及するものであります。しかもこの問題こそ、
東西巨頭会談
の成功の重要なかぎであり、ある
意味
では、
日本
こそが、強力かつ有効的に推進し得るところなのであります。よって、あらためて
核実験禁止協定
を、他の問題から切り離して成立させる点についての
首相
の熱意ある御
答弁
を
期待
いたしたいと存じます。
核兵器
問題の第三の面は、
日本
及び
沖縄
に
核兵器
、
ミサイル
を持ち込ませないことであります。この問題についての前
国会
における
審議
の経緯は、今さら多言を要しないところでございまして、要するに、法律的、
条約
的には、
沖縄
はむろんのことであるけれども、
日本本土
についても、
アメリカ
による
持ち込み
を断わる
根拠
がないのであります。従って、単に
政府
の政治的な
見解
の
表明
では、
内外
の不安と不信とを取り除き得ないから、われわれは、
国会
の意思を院議によって確定することを提案したわけであります。不幸にいたしまして、前
国会
におきましては、各派の御賛同を得ないまま、幕切れとなってしまったのであります。従いまして、さらに
選挙期間
中、わが党から
自民党
に対し、この
趣旨
を含んだ
日本
の
非核武装宣言
を共同で行うことを提案いたしましたが、遂にこれまた拒否されたのであります。ついては、この際あらためて、
一つ
には
自民党総裁
としての
岸首相
が、この
趣旨
の
国会
の議決に賛成されるかいなか。二つには、このような
国会
の機能とは別に、
首相
として、何らかの形式において、
アメリカ
の
核兵器持ち込み
を禁ずる
趣旨
の国際取りきめを行う御
意向
があるかないか、この際はっきりとお答え願いたいのであります。(
拍手
) 次に、
日中関係
につきましては、
首相
は、
わが国
の現在の
立場
において可能な
最大限度
に
貿易
や
文化交流
を促進し、漁業問題を解決したいという
方針
を述べ、国交未回復の
現状
のもとにおける
相互
の
立場
を理解し合うことの
期待
を
表明
されました。われわれは、この表現が少くとも前
国会
の未期から
選挙
中にかけて、もっぱら否定の面のみを強調した
政府
の言動に比べて一進歩であると、これを一応額面
通り
受け取るとして、今後の
実行振り
を見守りたいと思います。またわれわれは、ここにいたずらに、過去の
政府
の
失敗
を追及ないしはわれわれの正しい主張である
人民共和国
を唯一の
中国
として認めるべきことをあらためて論じようとは思いません。より現実の問題として、私は
日中貿易
の完全なる
途絶
と
漁業協定
の
効力
を失なったこと、その他事実上
文化交流
もとだえがちである、この不幸な
現状
を打開することが、
わが国
の
経済
の
至上命令
であるばかりでなく、
日中両国
の
友好親善
と互恵平等の
経済
の
発達
のために、両国にとってきわめて望ましいという認識に立って、以下
質問
を申し上げたいと存じます。 その第一は、
基本精神
の問題でありまするが、これは前に申し上げましたごとく、
中国
との
友好親善
を口、にすれば、ただちに
承認
問題に触れるから、これを避けると言わんばかりの
態度
を、
日本政府側
がまず一興することが必要でございます。言うまでもなく、
中国
においても、当面
承認
問題に触れず、しかし真に
友好親善
の
基礎
に立つ限り、
積み上げ方式
に
異存
がないとわれわれは今日でも確信いたしております。従って、要は、
日本政府側
の
気持
と
態度いかん
に帰着すると思うが、この
友好親善
の
基本方針
についての
総理
の明確な
所信
を承わりたいと存じます。 第二に、さしあたって必要なことは、すでに
民間
三団体と先方との間に締結した第四次
貿易協定
を完全に
実施
するための
政府
の
支持
と
協力
を与えることであります。それがために、特に
中国
の
国旗
に対する
日本政府
の三百代言的な
態度
を改める必要があります。
国旗
に対して尊敬を払うことは、これは常識の当然であって、これは
国際慣例
でもあります。そのことと国家ないしは
政府
の
承認
とが直接
関係
のないことは、これは
国際法
上議論の余地がないのであります。いわんや
新興国家
の場合、
国旗
に対する
考え方
は、われわれの想像をはるかにこえる強烈なるものがあります。その
気持
を
尊重
するところに、初めて
国際友好親善
の
基礎
が固まるのであって、
国旗
に対する
損壊
などを、未
承認国
の場合には
毀棄損壊罪
をもって処理しようなどという
日本政府
の交通巡査的な
考え方
を、まずもって清算することが肝要だと思うのであります。これは良識の問題であります。
政府
は、よろしく
長崎事件
について遺憾の意を
表明
するとともに、いかなる国の
国旗
に対しても、十分の
尊重
と
保護
を確保することが当然だという
態度
を、あらためて
表明
すべきであります。私は、この問題がきわめて機微なることを十分に承知しておりますが、もし
総理
において
同感
ならば、はっきりと肯定的な
答弁
を願いたい。しかし、特に御注意を促したいことは、不用意な言辞や不適当な
答弁
をなさるくらいならば、むしろ私は沈黙を希望いたします。(
拍手
) 次に、
民間代表部
の処遇の問題でありますが、これもまた
承認
問題とは何ら
関係
のない事項であって、要は
相互
に
通商事務
に必要な便益と
保護
を与え合うことでありますので、
首相
も、万御
異存
ないと信じまするが、そのような御
答弁
を
期待
いたしたいのであります。 このように考えて参りますると、第四次
日中貿易
協定
を軌道に乗せ、これによって
貿易漁業等
の行き詰まりを打開することは、今日なお可能であり、わが党としても、
政府
の
出方いかん
によっては、あえて
協力
を惜しむものではないし、
中国側
に対しても、−われわれはわれわれなりこ自主的な
立場
から大局を説く心がまえを持っていることを、ここに明らかにしておきたいと存じます。(
拍手
)要は
政府
が、
首相
の抽象的な
見解
の
表明
にとどまらず、すみやかに
閣内
、党内の
意見
を統一し、
現状打開
の手を打つのか、それとも一部の
強硬論
に押し流されたり、安易な
楽観論
たとえば
中国
の方が困るであろうというような、そういうような誤まれる論に傾いて、ここ数カ月の間無為にして静観の
態度
で送ろうとするのか、この点であります。
政府
がいずれの
態度
であるか、特に
首相
、
外相
及び
通産相
から、はっきりとした御
意見
を伺いたいのであります。 なお、われわれ
社会党
といたしましては、前に述べたように、
政府
の
決意
を促しつつ、しばらくその出方を見て行くものであるけれども、他面、
日中経済危機打開
の
国民運動
の先頭に立って、世論の喚起に努める
意向
であることを、はっきり申し上げておきたいと存じます。(
拍手
) 次に、日中漁業問題でありまするが、われわれとしては、不幸にして
民間協定
が
効力
を失った後においても、
中国側
に対し、
日本側業者
が
協定
を確実に守るための
決意
をしているから、さしあたり
協定
の範囲における漁撈を黙認してくれるよう要請した次第であります。しかし、
協定
の侵犯に対する制裁は、もはや
業者
にまかしておけない
段階
に至りましたので、この際、
政府
としては、適当な
行政措置
によって
協定
の履行が実質的に確保できるようにすべきと思うが、これまた
首相
並びに
農林大臣
の
見解
を承知いたしたいのであります。 次に、
財政経済
問題に関して
質問
をいたします。われわれは
さき
の
国会
における三十三年度
予算
の
審議
に当って、この
予算
の
基礎
とされた三十三年度
経済計画
が、すべて
輸出
三十一億五千万ドル
達成
を
中心
として組み立てられたものであり、しかも、この
輸出目標自体
がきわめて安易な
楽観
の上に立った架空のものであることを指摘し、従って、この
予算
がその
基盤
から崩壊するであろうことを警告したのであります。しかるに今日では、本
年度輸出目標
三十一億五千万ドルの
達成
はもはや不可能であり、せいぜい二十八億ドル程度ではなかろうかという
見通し
になってしまいました。かくして本
年度予算編成
の最も重要な柱の
一つ
はくずれ去り、三十三年度
経済計画
は、
根本
的に再検討の余儀なきに至りました。今や
岸政権
の
外交
の
失敗
の結果、
日本
の商品は、
中国
においてはシャット・アウトされ、東に向えば
アメリカ
からも突き返されておる。言うならば、
往復ビンタ
でも食らわされたような情ないありさまになっておるのであります。 そこで、まずお伺いしたいことは、
政府
は本
年度輸出目標
三十一億五千万ドルを
達成
する確信を持っておられるかどうか。もし
達成
し得ると言うならば、その
根拠
を具体的に計数をもって明らかにされたいのであります。
日中貿易
に関する
外交措置
につきましては、すでに
質問
いたしました
通り
でありまするが、かりに
日中貿易
の
途絶
が相当長期にわたって続くとするならば、この面だけから見ましても、年間少くとも一億ドルの
輸出
の不足をいかにして他の面でカバーされるのであるか。その
対策
があるならば、これを明確にお示し願いたいのであります。また現在まで、
貿易途絶
のために受けた
業者
の
損害
は約三百五十億円に達すると算定されておりまするが、これらの
損害
の
補償
、なかんずく
中小企業
あるいは
日中専業
の
貿易業者等
に対する
補償
ないし救済を、いかにしようと考えておられるか、この際伺っておきたいのであります。 さらに、
東西貿易促進
の機運が世界的に高まっているこの際、
わが国
は率先して
ココム制限
の撤廃を提唱すべきと思うが、この点をいかにお考えであるか。一方、最近の
アメリカ
における
日本商品
の
輸入圧迫
の企図に対しては、
政府
は、真に重大な
決意
をもって画期的な
外交措置
を講ずべきと思うが、
関係閣僚
の
派米
その他の風説を含めて、いかなる
具体策
を用意しているか、お示しを願いたいのであります。なお、対
米貿易
に関する
恒久方策
としては、
家内工業
における極端な低
賃金
をただ
一つ
の武器とする
飢餓輸出麦るい
は
出血受注
、雑貨の
投げ売り競争
、こういう
貿易
並びに
産業構造
を改め、
中小企業
と
下請産業
の特色を生かしつつも、逐次、
高級雑貨
、
精密工業
、
機械類
の
輸出増進
に努めなければならないと思うのであるが、それにつけても
最低賃金制
の名に値する
最低賃金法
、
家内労働法等
の
制定
によって、
わが国
の
経済構造
と
社会秩序
を近代化することが急務と信ずるが、
政府
の
所信
を伺いたいのであります。 第二に、現在の
不況打開
の
対策
についてであります。この点につきましても、
輸出
の
見通し
と同様、前
国会
の
予算審議
において、われわれは
政府
の見込みのように四−六月をもって
不況
が底をつき、漸次
経済
が上向きになるというような、安易な
楽観
は絶対に禁物であることを警告したのであります。今日、繊維、
鉄鋼産業等
を初めとする
操業短縮
はますます
強化
され、大資本に対する
インフレ金融
を
よそ目
に、破産、倒産する
中小企業
や、窮乏化する農民は、デフレの犠牲となって打ちひしがれ、
失業者
は四月五十五万をこえるありさまであります。この大衆の
購買力
の減少の前に膨大な
設備投資
が
過剰設備
として立ちはだかり、供給と
有効需要
との
アンバランス
はますます
深刻化
の様相を示しております。加えて
中共貿易
の
途絶
、さらに凍霜害、
日干害
その他の災害の発生を見るに至って、
不況対策
はまさに一刻もゆるがせにできない緊急な課題となったのであります。そこで、
不況対策
の
根本
は何であるべきかと言えば、まずもって、前に申しましたように、三十三年度
予算
の
基礎
がすべて崩壊したのであるから、
政府
はこの際、いさぎよくその
見通し
の立て直しを断行するとともに、
補正予算
を提出するのが当然でなければならないと考えるのでありますが、まず
政府
の
財政経済
の
見通し
と
補正予算
に対する
見解
を伺いたいのであります。(
拍手
) 次に、現下の
不況対策
の
根本
は、
輸出振興策
と並行いたしまして、従来の大
企業本位
の
緊急政策
を改めるとともに、
国内
の需要の抑制ではなしに、
勤労大衆
の
購買力
を増強し、
過剰生産
に基因する需給の
アンバランス
を回復することに
重点
が置かれなければならないと信じます。この
意味
から、さしあたって
経済基盤強化
の名目でたな上げされる四百三十六億円の
資金
を
資金運用部
に預託し、大
産業向け
に運用する方式は取りやめ、これを直接、
失業対策
、
中小企業
、
農林漁業
の諸
対策
に充当し、景気を振興する
方針
に切りかえるべきと思うが、果して
政府
がこれを断行する
決意
があるかどうかを伺いたいのであります。 さらに具体的には、次に申し上げるような緊急諸
対策
を講ずる必要があると思うが、
首相
並びに
関係閣僚
の
所見
をそれぞれ承知いたしたいのであります。 第一は、
失業対策事業
の拡大でありまするが、
吸収人員
を三十五万人に増員し、
就労日数
を二十五日まで確保し、
失業保険金
の
給付期間
を三カ月ないし六カ月延長すること、第二、国の
責任
において、
雇用拡大
のため、
公共事業費
の繰り上げ支出、特に
雇用度
の高い
事業
、たとえば
土地改良
、灌漑、漁港、
港湾工事
、道路及び
住宅建設
に
重点
を置くこと、第三、糸価の安定、凍
霜害補償
、麦価の
減収加算
の
措置
を講ずること、第四、
零細企業
、
農林漁業
に対する融資を増額し、金利の引下げ、
利子補給
、
損失補償
、
債務保証
を
実施
すること、第五に、公務員の
夏期手当
を〇・二五カ月分追加支給すること、以上についてのお答えを願いたいのであります。 最後に
質問
いたしたいのは、
選挙公約
の
実施
と、これを含んだところの
明年度予算編成
の
方針
についてであります。
自民党
幹部は、
選挙
に当って、七百億円の減税と、他方、明年度からの無醵出老令年金の
実施
、さらに明後年には
国民
健康保険の完全
実施
を
国民
に
公約
しました。
岸内閣
が、三十三年度
予算
において、われわれの反対にかかわらず、
社会
保障に対し何らの熱意を示さなかったにもかかわりませず、
選挙
を前にして、木に竹を継いだように唱えたこれらの
社会
保障の充実のスローガンであるがゆえに、その真実性に対して、われわれは多大の疑問を抱いたのは当然と言わなければなりません。(
拍手
)いずれにいたしましても、今日、
国民
は、
自民党
の
選挙公約
なるものが、例のごとくから手形であるのか、それとも
実現
の運びに至るものであるかを注目して見守っておるのであります。まず、減税でありまするが、その財源であるところの税収の自然増は、もはや今日
期待
できないのみならず、現下の
不況
のもとにおいて、税収の主軸である法人税は、自然増どころか、かえって見積りにも達しない、税務署はやっきとなって、ほこ先を
中小企業
に向けておるありさまであります。従って、ここに伺いたいことは、
政府
は、果して明年度七百億円と言われる減税の
公約
を実行する確信と誠意を持っておられるのかどうか。もし持っておられると言うならば、その確信の
根拠
、特に、今年度の税収の見込みをいかに算定しておられるかを明らかにされたいのであります。具体的には、標準世帯月収二万五二円までの無税、個人
事業
税は所得二十万円以下は免税、これは必ず実行するものであるかどうか、その場合、例のように、間接税の増徴というようなごまかしの奥の手を使うものでないかどうか、この点も明確にお答えを願いたいのであります。(
拍手
) 次に、
国民
年金と
国民
皆保険の
実施
について伺いたいのであります。
国民
年金は、まず無醵出老令年金一万二千円という、全く老令年金の名に値しない内容のごとくでありまするが、しからば無醵出の母子年金、障害年金はどう計画されておるのか、さらに、醵出制の年金をどう考えておられるのか、その全貌を、大綱なりともこの際お示し願いたいのであります。
国民
健康保険につきましては、明後年度完全
実施
というような、鬼が笑う
公約
ならばいざ知らず、少くともまじめな計画ならば、明年度における計画の概要を明示すべきであると思うけれども、明年度、明後年度にわたって、各被保険者の数何名を目標とするか、国の負担割合をいかにするか等の財政的、
基礎
的計数を教えていただきたいのであります。 私は、以上をもちまして一応
質問
を終りたいと存じまするが、どうか
首相
並びに各閣僚は、率直かつ明快にお答え願いたいと思います。(
拍手
) 〔
国務大臣
岸信介君登壇、
拍手
〕
岸信介
4
○
国務大臣
(岸信介君) お答えをいたします。 曾祢君は、私の
所信
表明
を最初に言っていることと、最後に言っていることとの間に、何か矛盾があるようにお話しでありますが、私は絶対に矛盾はないと思います。大体、言うまでもないことでありますが、お互いに
民主政治
、
民主主義
というものを完成して行く上におきましては、やはり
社会
の秩序と法律というものを守るということが前提要件でなければならぬ。もしも、われわれが民主的に作り上げたところの法律が
社会
の状態に合わないとか、あるいは適当でないという場合においては、これを民主的にわれわれは
国会
を通じて修正、改正して行くという方法が明らかにあるわけでありますから、その前提であるところの法や
社会
の秩序を守らないで、これを
一つ
の実力で押しつぶそうとする
動き
というものは、何といっても、その思想的背景のいかんを問わず、それは
民主主義
の敵であり、
民主主義
をこわすものである、こういうことをお互いに十分に理解し合って、そこに初めてわれわれの
民主政治
、平和な
社会
というものが成り立つという考えのもとに、そういう間違った行動に対しては、やはり国政を
運営
し、
民主主義
を守るという
意味
から、これに対して適当な取締りを加えるべきことは、これは私は当然であると思います。決して曾祢君の言われるように、何かそれが反動的な、
弾圧
的な、あるいは
権力
的なというような言葉で、これを非難すべき性質のものではないと思います。そういう
意味
におきまして、よく私の申し上げたことを翫味いただくならば、最初と終りとの間に決して矛盾がないのであります。(
拍手
) 労働問題及び
勤務評定
その他
文教政策
等に、何か
弾圧
的なものがあるじゃないかというお考えでありますが、決してそういうことを私どもは考えておりません。今申しました
根本
の、
民主主義
の前提であるところのものの上に立って考えてみるとき、
勤務評定
にいたしましても、これは公正な人事管理の上から言って、
勤務評定
がされるということは私は当然であると思う。ただもちろん、今お話がありましたように、
勤務評定
の内容としての事項が、果して実際に適しているか、あるいは適当であるかどうかという問題に関しましては、これは私は建設的な
立場
から十分検討もしなければならぬ、人間が作るのでありますから、最初から万全であるということは言えないのであります。しかしながら、
勤務評定
そのものに反対するという
考え方
というものは、私はとらないのであります。(
拍手
) なお、全逓の運動、争議に対しまして、いろいろな刑罰、刑法その他
事業法
等を適用すること、
郵便法
等を適用することは適当でないじゃないかというお話であり、
郵便法
の
制定
のときのお話がありましたが、これは御承知の
通り
、
郵便法
が
制定
された当時と、その後におきまして、全逓の職員が、
立場
、地位が変っております。従いまして、その
行為
が公労法に一面において違反し、あるいは一面において、
事業法
にかわる
郵便法
に抵触するという場合におきましては、法の解釈として、これの適用がないのだという解釈は間違っておる。これは前
国会
におきましても、その点を明らかに法律解釈は申し上げております。それからもちろん言うまでもなく、
労働運動
の正しいあり方というもの、すなわち労働者が団結してその生活権を確保し、また、その労働条件を改善して生活を向上して行くという、この正しい
労働運動
の目的なり、あるいは労使間のよき慣行を作り上げるということにつきましては、これは
弾圧
すべきものでないことは言うを待たないのでありまして、従来とも、そういう
方針
で
政府
はずっと一貫しておることも、これは御承知の
通り
であります。ただ、その行き過ぎなり、今申し上げました
根本
的の前提を破るという場合におきましては、これは当然
民主主義
を守る
意味
から、われわれとしては法の命ずるところによって取り締る、こういうことであります。(
拍手
) 次に、国際問題に関しまして、
国際緊張緩和
の問題に関連してのいろいろな御
質問
でありましたが、私やあるいは
外相
の訪米するというようなことが新聞等にちらほらいたしておりますが、私どもは、まだそれを具体的に決定はいたしておりません。そういうようなことが一部で言われておるというだけでございまして、従いまして、今日私どもが訪米する意図をきめておるわけでないということであります。従って、そういうことについていろいろな御
質問
の点は、前提がそうでありますから、お答えするまでもないと思います。 また、日韓あるいは
台湾
等との
関係
から、
軍事同盟
や、あるいは反共連盤というものに参加する考えはないかという御
質問
でありますが、そういう考えは一切持っておりません。明確に申し上げておきます。
核実験
の
禁止
の問題でございますが、これはそのことについて、そのことが
軍縮
やその他の問題と切り離されて、そういう国際
協定
ができることに対して、どう思うかということでありますが、私は非常に望ましいことであり、一日も早くそういう国際
協定
ができることを望んでおります。また、
日本
に対する
核兵器
の問題につきましては、しばしば私が明確に申し上げておりますように、
自衛隊
を
核兵器
をもって武装する意思はない。また、
核兵器
の
持ち込み
は、これを認めないということを明確に申し上げておりますが、その考えは将来といえども変らないということを申し上げておきます。また、そのことに関して、
持ち込み
禁止
について、
日本
と
アメリカ
というような、何か国の間に国際
協定
を作ったらどうかというお考えでありますが、私は今のところ、そういう必要は認めておりません。 それから次に、
日中関係
の問題でありますが、曾祢君の御
意見
のように、現在の状態は非常に
日中両国
にとって不幸な状態であり、望ましくない状態である。これが改善されることを私も称君と同様に望んでおります。しかし、この問題に関しては、私の
所信
表明
のうちにも明瞭にいたしておりますように、今日、
両国
は、まだ国交が正式に回復されておらない、その状態において、われわれは
文化交流
もし、あるいはまた
貿易
関係
も増進していって、
友好親善
を進めて行こう、こういう
立場
にあることを、お互いに冷静に十分に理解し合っていくということにおいて、私はこの問題が打開される道ができると思います。
国旗
問題その他についてのお話がありましたが、これは非常なデリケートな問題であり、また、こういう問題についていろいろ仮定的な事例をあげて、それに対する法律の解釈だとか何とかということをすることが、非常な誤解の
意味
も作っておるように思います。私は、従いまして、今申しました
根本
的の私の考えで、御了承を願いたいと思います。 それから
貿易
関係
は、そういう
意味
におきまして、中共との間における今までの行き詰まりが打開されて、これが
文化交流
やその他の問題とともに開けて行くことを私が望むということで申し上げたのでありますが、これに関連して、
国内
における中共側との
貿易
に専業しておった中小
貿易
商等、あるいは
中小企業
等が、相当な
損害
を受けているじゃないか、これに対する救済はどうするかという問題でありますが、今申しましたように、私としては、この問題が、
両国
の先ほど言ったような
考え方
に基いて打開されて、そういう状態が改善されるということを前提として今日の状況においては考えることが適当であろうと、こう思っております。 それから
貿易
全体の問題につきまして今日、
日本
の置かれている
国際情勢
から見て、
貿易
の
前途
が必ずしも
楽観
を許さないということは、その
通り
であります。しかし、われわれが三十三年度の目標としておる三十一億五千万ドルの
輸出
というこの目標を、今直ちに改めなければならぬ、それは不可能であると、こう論断することは、私はまだ早いと思います。決して私ども
楽観
をして、これが必ずできるというふうな安易なことを考えているわけではございませんけれども、まだ年度が始まりまして第一四半期が終ったばかりでありますから、今後、
貿易
振興に関する積極的な各種の方策を立てることによって、ぜひともその目的を
達成
するようにいたしたいと思います。たとえば、この
貿易
振興の問題につきまして、われわれは特に東南アジア方面に対する
貿易
の振興ということを
重点
に考えておりますが、それにつきましては、従来行なっておるところの延べ払いの
方式
というようなものを、さらに拡張することによって、この
貿易
を増大する道も私は具体的に考えて行きたい、こういうふうに考えておりますが、いずれにしても、この目標は、
日本
の
経済
上から非常に重要な問題でありますから、私どもとしては、ぜひ三十一億五千万ドルを
達成
するように、今後とも格段の
努力
をいたすつもりでおります。 さらに、対
米貿易
の問題及びココムの
禁止
の問題についての御
質問
でございましたが、ココムの問題につきましては、いわゆるチンコムの制限については、これを一般東欧の共産国に対する並みに改めたことは御承知の
通り
でありますが、さらにこれを
根本
的に、一切の共産国に対する制限をなくするかどうかという問題に関しましては、今ココムの品目に上っておるものが、いわゆる戦略物資と称せられているところのものでありまして、これの検討は、ハリにおいて、
委員会
においてやっております。われわれとしては、なるべくこれが広がることの
方向
に
努力
をすべきものであると、かように考えております。 対
米貿易
の問題は、
アメリカ
が
日本
の
商品
に対していろいろな輸入制限や、制限的な
措置
や、あるいは関税の障壁を高めるというようなことは、はなはだ私は遺憾な状態であると思います。これに対して
アメリカ
側の反省を求めることはもちろん、また、これに対して
日本
側として
措置
すべきものは、個々具体的に
措置
しながら、これが打開をはかって行く必要があると考えております。また、今お話がありましたように、対米
輸出
の品物をだんだん
高度化
して行く必要があるじゃないかというようなお考えは、私も
同感
であります。
最低賃金法
につきましては、私ども先
国会
にもこれを提案いたしたのでありますが、不幸にして議決を得るに至っておりませんが、私どもは、あの提出した
最低賃金法
案が、最も
日本
の事情に適しておる、適当なものであると考えまして、一日も早くこれが成立を望んでおるわけであります。 最後に、
不況対策
についてのお話でありますが、昨年来とって参りました総合緊急
対策
の大きな目的であった国際収支の
関係
は非常に改善されておりますが、
国内
における過度の
設備投資
の行き過ぎ等に対する整理や、あるいは制限等の
措置
は、私どもが最初考えておったより多少おくれておる状況でございます。しかし、その基調なり、あるいは大筋というものは私は間違っておらない。従って、今お話がありましたが、
経済計画
をすべて
根本
的に再検討して、これを変えなければならぬというような事態では私はないと思います。 それから、
補正予算
の問題でありますが、すでに三十三年度
予算
を編成する場合におきまして、この総合緊急
対策
に伴うところの整理
自体
における
失業者
のふえること、またこれが
中小企業
や農林水産業に及ぼす影響等も考慮いたしまして、これに対する
対策
については、一応、三十三年度の
予算
にこれが盛り込まれておることは御承知の
通り
であります。従いまして、今日、今すぐに
補正予算
を出して、これに対処するという必要は私は認めておりません。それから、将来必要があれば、そういうことをすることは当然でありますけれども、現在のところはその必要はない。さらに最後に、公務員の給与の
夏期手当
について〇・二五を引き上げるという問題については、私どもは法律の
規定
通り
〇・七五を支給することにして、すでに支給をいたしております。(「減税問題の
答弁
がない」と呼ぶ者あり) 減税及び
社会
保障の問題につきましては、私がこの
施政
の
所信
において申し述べましたように、両方とも、これを必ず万難を排して実行するという私は考えであります。なお、具体的の数字等につきましては
関係
大臣からお答えいたします。(
拍手
) 〔
国務大臣
愛知揆一君登壇、
拍手
〕
愛知揆一
5
○
国務大臣
(愛知揆一君)
全逓労組
の問題につきましては、
総理
大臣からお答えを申し上げた
通り
であります。 公労法の第十七条によりまして、今回の職場離脱というものは
禁止
されておる違法な
行為
でございます。従って、その
行為
が
郵便法
第七十九条その他の刑事罰に触れる限りは、処罰を免れないものでございます。従って、法に照らしまして捜査を進めるに至ったものでございまして、正当な
労働運動
に介入して、これを刑事罰をもって規制するというような意図は持っておりません。(
拍手
) 次に、検察官におきましては、本件の事案の規模や罪質や捜査の範囲等の事情を考慮いたしまして、被疑者の身柄を拘束して取調べを行わなければ罪証を隠滅されるものと考えまして、勾留請求の
措置
をとったのでございます。裁判所はこれと
見解
を異にしておるのでございまするが、検察官の捜査の主宰者といたしまして、本件捜査の責務にかんがみまして、法に定めるところによって不服申し立ての手続をとったのでございます。決してそれ以外
特別
の意図を持っておるものではございません。かくのごとき
検察側
の捜査の手続上の
措置
を、ファッショ的な行動と断ずるわけには参らないのでございます。(
拍手
) 〔
国務大臣
寺尾豊君登壇、
拍手
〕
寺尾豊
6
○
国務大臣
(寺尾豊君) 曾祢議員から私への御
質問
は、
総理
並びに法務大臣から詳細御説明いたしましたから、私はその分を避けまして、この事件が一般の破廉恥罪と異なり、いわゆる公安事件として微妙なものでありますので、検察、警察側に十分の事情を説明いたしまして、捜査に当りましては、監察官は郵政業務に関する専門的な分野における物的資料の収集、保全の面において
協力
をいたしました。強制捜査、すなわち家宅捜査、被疑者の逮捕取調べのような捜査は、独自の
立場
におきまして検察、警察両
当局
がやっておることを御了承願います。(
拍手
) 〔
国務大臣
永野護君登壇、
拍手
〕
永野護
7
○
国務大臣
(永野護君) 曾祢議員の御
質問
に対して、私の
関係
しておりまする部門についてのお答えをいたします。
鉄道営業法
の
運営
に関する御
質問
でございまするが、これに関しましては、すでに
総理
大臣及び法務大臣から一般的のお答えはあったのでございまするが、特に鉄道に関しまする限り、私の
所信
を申し上げます。 この
鉄道営業法
は、御承知の
通り
、純然たる商事法規でございまして、いわゆる労働法規ではないのでございますから、その
運営
はあくまでも、その商事法規の本質の範囲内にとどめる
所信
でございます。 次に、
港湾工事
のような
公共事業費
を少し増して、この不景気
対策
に加えたらどうであるかというような御
意見
もごさ、ましたか、この点は全く御
同感
でございまして、昨年度に比べまして、すでに御協賛も得ました
予算
で十二億円の増額になっておりますけれども、なおこの上、
経済基盤強化
資金
の
運営
等の
実施
に当りましては、御
期待
に沿うように
努力
をして参るつもりでございます。それだけでございます。(
拍手
) 〔
国務大臣
灘尾弘吉君登壇、
拍手
〕
灘尾弘吉
8
○
国務大臣
(灘尾弘吉君) 私が
文部大臣
に就任いたしましたことにつきまして、何か
教職員組合
に対して政治的攻勢をかける、あるいは
弾圧
をするとかいうような使命を持っておるかのごとき御発言でございましたが、さような意図は毛頭ございません。ただ、私といたしましては、
教職員組合
がいわゆる職員
団体
として、しかもまた学校の先生という、そういう身分を持った人の職員
団体
として、もっと品格のある、また誇りのある行動をやってもらいたい。(
拍手
)同時にまた、法令で定められておりますところの
教職員組合
の性格から逸脱しないような、正常な行動をやってもらいたい、このことを念願するものであります。今回の
勤務評定
の問題につきましては、問題はきわめて単純な事柄であります。学校の教職員の人事を適正にやって参りますために、
勤務評定
が必要であるということは申すまでもございません。同時にまた、このことは法令で定められておることであります。この法令の
規定
に基いて、地方の教育
委員会
がその
実施
をはかろうといたしておるのであります。これは決して押しつけとか、天下りとかいう性質のものではございません。問題は、この法令の施行に当りまして、各方面の
意見
を聞くということは、これは当然のことであります。教職員の諸君の
意見
にいたしましても、もちろん建設的な
意見
については、これを聞くにやぶさかであってはならぬと思います。しかしながら、今日の状況を見ておりますというと、
教職員組合
といたしまして、この法の施行を頭から拒否をする、かような
態度
でいろいろ行動しておられるような事実が少くない、まことに遺憾千万に存じておる次第であります。われわれといたしましては、あくまでも、この法令の施行ということについては、教職員の方々の御
協力
を得たいと思っております。ぜひ
協力
していただきまして、りっぱな
勤務評定
を
実施
するようにいたしたいと考えておる次第であります。これに反対するの余りに——反対の
意見
もけっこうであります。筋道の立った反対なら何も差しつかえございません。けっこうでありますけれども、この反対の余りに、法規に違反し、
教職員組合
として、その性格から逸脱した
行為
をするということは、どう考えましても容認するわけには参らないのであります。このために、まじめな現場の先生には、非常に苦しんでおられる方が多いと思います。同時に、また、世間の父兄の方々も、かような事態に対しまして、深い憤りを感じている人も少くないのであります。 願わくは、ただいまのごとき
教職員組合
の諸君の行動は、まじめな先生を苦しめ、また、世の親御さん方の憤りを買い、
日本
の教育のために百害あって一利ないと考える。私どもは教職員諸君とともどもに、
日本
の教育をもっとよくしたいと考え、この念願のもとに
行政
に当って参りたいと考えておりますので、さよう御了承願いたいと思います。(担手) 〔
国務大臣
倉石忠雄君登壇、
拍手
〕
倉石忠雄
9
○
国務大臣
(倉石忠雄君)
政府
の
労働政策
はどういうことかということでございますが、一口に申し上げますならば、自由民主党の
労働政策
の壁頭にうたっておりますように、われわれの
基本
的理念は、福祉
国家
の建設ということでありますから、そういう
方向
の線に沿って、勤労者の幸福をはかりながら産業平和を維持して行きたい、これが
労働政策
の
基本
的理念であります。 そこで、全逓の従業員の問題についてお話がありましたが、すでに各大臣から御説明がございましたが、労働省側から申し上げられることは、
保護
を受ける
労働運動
は、法律に定めてあるように、正当なる
労働運動
ということでありまして、正当ならざるものは、当然、法の
保護
を受けないということは、これは常識であります。 第二の点は、
仲裁裁定
について何か後退したのではないかというお話でありますが、一昨年、私が
労働大臣
の当時に、公共企業体等労働
関係
法の改正をいたしました。そのときに、
仲裁裁定
というものが出たならば、これはあとう限り移流用をやって、これが
実現
できるようにという
努力
義務をわざわざつけ加えた法案を出したのは、私自身であります。その私が後退するはずはないのでありますが、そこで、その
仲裁裁定
が下った場合に、何か新聞の記事のことについてお気づきになったのかろうと思いますが、
仲裁裁定
というものが下りましたときには、これは最終的に決定する者はだれであるかと言えば、
国会
であるというのが、この法の建前であります。従って、
政府
は
尊重
して法の命ずるところによって、
国会
の最終的御意思によって決定されるということであって、その
国会
が意思決定をなさるために、
政府
がこれを、ともにその
実施
をいたすことに
協力
をするということは当然なことでありまして、岸
総理
大臣、石田前
労働大臣
が、しばしば声明されましたときと、少しも政治的な
考え方
において変っておらないのであります。 第二の、ILO
条約
の八十七号につきましては、これは私の
考え方
は、先般、公共企業体等労働
関係
、公共企業体についての
審議
会を
政府
が設けまして、これによる答申が出ております。時間がありませんでしたから、第一次
岸内閣
においては、この答申について、まだ
態度
が決定しておらないようでありますが、もし、これが何らかの形で行われるということになれば、それに伴う公労法というものは、当然大幅な改正を要するわけであります。法律というものは、朝令暮改すべきではないのでありまして、そういうような大幅な改正が行われるようなときには、四条三項についても、われわれは、当然いろいろな議論が出るでありましょうし、また、この
条約
の批准というものは、曾祢さんもすでによく御存じのように、
国会
の御意思の決定を必要とするのでありますから、その
国会
の御意思、すなわち多数党である自由民主党のそういう方々の御
意見
が、十分これを批准するという機運になったときでなければ、
政府
と与党との
考え方
が違っておるときに、批准を要求しても、何も
意味
がないのでありますから、そういう
意味
で、私はそういうことを説明いたしたのであります。 第三にお尋ねのありましたのは、いわゆる労働三法の改正についてであります。いわゆる労働三法というものにつきましては、私どもの考えは、御承知のように、自由民主党内にあります労働問題
特別
調査会というところでは、七、八カ月前から熱心に、こういうことについて検討を続行しておるのでありまして、その結論はいつ出るか私にはわかりませんが、そういう結論が出た場合には、あるいはこれは党として世論に問うような場合もありましょうし、研究を続けておられるのでありますから、その結果、どういうことになるかということは、そのときの情勢に応じて考えられることでありまして、今直ちに、こういう法律について改正の手をつけるというようなことについては、ただい事決定いたしておりません。 それから、失業、雇用の問題についてでありますが、この点につきましては、私どもも心配いたしておる一人でございますが、御承知のように、先々月と先月の情勢は、大体、失業状況というものは横ばいでございます。そういうような状況に応じて、ただいま国際収支改善に伴う
財政経済
政策
を
総理
大臣から御説明がございました。ああいう状況下における失業をどうするかということは、やはり三十三年度
予算
においては、御承知のように、昨年よりも
吸収人員
を二万五千人もふやしておりますし、あるいは財政投融資等による公共
事業
の増強などということで、曾祢さんのお話の中にも、そういうことを
期待
いたしておられるところがございましたが、私どもも、そういうことによって、今出ております失業問題については対処して行くつもりでありますが、この問題については、
政府
はさらに
努力
を継続して参りたいと思っております。どうぞ御
協力
を
一つ
お願いいたします。(
拍手
) 〔
国務大臣
青木正君登壇、
拍手
〕
青木正
10
○
国務大臣
(青木正君)
勤務評定
反対運動に対する警察の取締りの問題につきまして、御
答弁
申し上げます。 申し上げるまでもなく、
勤務評定
は、教育
委員会
その他学校管理
当局
の
責任
でありまして、警察側は介入すべきものでないことは申し上げるまでもありません。ただ、しかし、その反対闘争が地方公務員法第三十七条の違反等の疑いがある場合は、警察
当局
として、これを取り調べることはやむを得ないと思います。また、むしろそうする
責任
があると考えております。その場合に取調べの必要上、学校に出入することも、これは必然的に起ってくる問題であかます。ただ、警察
当局
といたしましては、原則といたしまして、日曜、土曜以外は学校に行かないようにいたしておるのであります。ただ、相手方の都合によりまして、また希望によりまして、場合によってはそれ以外に参ることもあるのであります。しかしその場合も授業に支障のないように十分注意すべきことは当然でありまして、そのことが学校の児童等に心理的な影響を与えることにつきましては、警察
当局
も十分注意せなければなりませんし、また、そういうことのあることは極力私どもも注意いたすように、今後も十分指示いたすつもりであります。(
拍手
) 〔
国務大臣
藤山愛一郎君登壇、拍 手〕
藤山愛一郎
11
○
国務大臣
(藤山愛一郎君) 私の渡米の問題に関する御
質問
があったわけでありますが、先ほど
総理
がお答えになりましたように、まだ渡米を決定はいたしておりません。ただ、
日本
の外務大臣といたしまして、各国の外務大臣その他と常時いろいろな話し合いを気軽にいたしますことは、
日本
の
外交
展開上非常に必要なことだと思います。特に
アメリカ
との
関係
は、われわれ
友好親善
の
関係
を樹立して参りたいと思っておりますので、従って
アメリカ
側に対しまして、占領後今日までの情勢のいろいろな変化によって、
日米関係
を
基本
的にいろいろ調整して行かなければならぬ問題もあるわけであります。
日本
側の
立場
を率直に言い、また
アメリカ
側も
日本
側の
立場
を率直に聞き、反省してもらう必要もある点があろうと思うのであります。ことに先ほど御指摘になりましたような対
米貿易
の問題等につきましても、
わが国
中小商工
業者
の
立場
を、もっと明確に
アメリカ
側に理解してもらいますことは非常に必要なことであります。そういう見地に立ちまして、私は適当な機会を得られますれば、
アメリカ
に参りまして、十分、将来
両国
の
関係
の
基礎
になるような問題について、いろいろ話し合いをいたして参りたい、こう存じております。 また、
核実験
禁止
の問題につきましては、昨年、国連総会に提案しました以後、今日世界の情勢がいろいろ変化をいたしております。従いまして、それらの情勢にも対応しながら、新たな構想をもちまして、国連総会等に提案をいたしたいと、鋭意ただいま研究をいたしておるのであります。
日中貿易
の問題につきましては、われわれは
日中貿易
の
拡大
と振興ということを、岸第一次
内閣
以来
支持
、
協力
いたしておりますので、そういう問題が
達成
せられるように、現在、静観をいたすのが適当だと思います。(
拍手
) 〔
国務大臣
高碕建之助君登壇、拍 手〕
高碕達之助
12
○
国務大臣
(高碕達之助君)
日中貿易
の
関係
につきまして、昨年一月から十二月までの
輸出
数量は六千万ドルに達しております。で、本年におきましても、四月、五月におきましては、大体二千万ドルを超過いたしておるような状態でありまして、
わが国
の
経済
関係
におきましても、きわめて重要なるアイテムと存じますから、できるだけ早く、この
両国
の
関係
を正常化されるように希望する次第であります。 それから対
米貿易
の問題につきましては、今日
アメリカ
で問題となっております問題は、主として
日本
の中小工業の製品が
アメリカ
の市場に出ておるわけであります。それがちょうど
アメリカ
におきましても、
アメリカ
の中小工業がやっておるのと同一の品種でありまして、先ほど曾称議員が指摘されたごとく、従前、
日本
の中小工業の製品がダンピングに近い、労働
賃金
の安いということをモットーにいたしておったのでありますが、これをだんだん改良いたしまして、技術の向上と
商品
の
高度化
をはかりまして、同時に不当競争を防止するというような方法を講じますと同時に、できるだけ
経済
外交
を推進するために、先方の当
業者
と
日本
の当
業者
がよく折衝し合うという機会を作るように、
政府
は指導して行きたいと考えております。(
拍手
) 〔
国務大臣
三浦一雄君登壇、
拍手
〕
三浦一雄
13
○
国務大臣
(三浦一雄君) 曾祢君のお尋ねに対しまして、第一は日中の
漁業協定
に関しますることであります。この日中の
民間
側で提起されました
漁業協定
の
尊重
と、この格守につきましては、日中漁業議会が
中心
になって自主的にとり行なって参りました。しかしながら、この協議会が忠実にやって参りまして、特にきびしい制約のもとにやって参りました。制裁
委員会
等を設けまして、そうして適切な
措置
を講じて参ったのでございますが、その統制を
政府
側としましても
支持
し、
保護
し、援助するために、水産庁等におきましては監視船等を派遣いたしまして、そうして今日まで何らの支障なくとり行なって参ったのでございます。不幸にして
協定
が今日で切れて参ったのでございますが、従来、日中漁業協議会等がやり来りましたこの実績に徴しまして、今後ともこの
方針
をとり行うことにいたしたいと考えておるわけであります。 第二番は、
不況打開
対策
につきまして、特に緊急施設として、
農林漁業
に対する融資の
拡大
、金利の引き下げ等の御提唱がありましたが、御承知の
通り
、本年度の農林
予算
等につきましては、すでに協賛をいただきました
通り
、相当増額いたしておりまして、これから
実施
期に入るわけであります。これから
実施
されることになりますから、これは雇用の上におきましても役立つべきことは申すまでもございません。さらに融資の点につきましては、
農林漁業
金融公庫等の融資も
拡大
いたしておりますし、自作農創設
資金
等も相当の増額をいたしております。かようなことでございますから、これも役立つべきことは申すまでもありませんし、同時に、金利等の引き下げにつきましては、
経済基盤強化
に関しまする
資金
が運用されますると、主として金利低減の方途にこれを充てたい考えでございます。 なお、
不況対策
といたしまして、特に御指摘になりました点につきまして申し上げたいと存じます。第一は蚕糸
対策
でございますが、皆様御承知の
通り
、昨年の秋の夏秋蚕の増収と、本年春先の豊況に伴いまして、相当繭の増産が
拡大
して参りました。他面、糸の
需要
面は、近年まれな低調なことになったので、むしろ糸の過剰を生み、同時にまた繭糸価の
対策
が必要と相なったのでございますが、繭の
対策
につきましては、すでに千四百円程度の繭価は維持して行きたいと、こういうことを言うておるのでございますから、これが実効を期し得まするように、ただいま具体的な法案を準備中でございまして、近く皆様の御協賛を仰ぐ
関係
でございます。 第二番の凍
霜害
につきましては、すでにこれは霜雪害
対策
実施
要領を前
内閣
でとりきめまして、所得税の減免
措置
、さらに農業災害
補償
法の適用等をいたしまするほか、天災融資法に基く営農
資金
の供給、肥料、農薬等に対しまする助成等の
措置
を現に講じて参りました。すでに所期の目的を達しておるような次第でございます。 なお、繭の
減収加算
についてのお尋ねでございますが、この点は農業保険、その他災害
対策
等と関連を持ちますので、これらの観点から十分検討をいたさなければなりません、かつ、繭の減収を
基礎
づける資料等もまだ整備しておりませんので、現に検討中でございまして、善処いたしたいと考える次第でございます。(
拍手
) 〔
国務大臣
三木武夫君登壇、
拍手
〕
三木武夫
14
○
国務大臣
(三木武夫君) 私に対する御
質問
は、本年度の
輸出
目標である三十一億五千万ドルの
達成
が可能かというお話であります。曾祢君御承知のように、
アメリカ
やヨーロッパの景気の低迷、あるいは
わが国
の
輸出
市場である東南アジアの外貨不足、あるいは
輸出
価格の低落等によって、なかなか
輸出
が所期の予定
通り
の数字に達しないことは御指摘の
通り
であります。けれども、まだ年次計画は出発以来二、三カ月でございますから、あの三十一億五千万ドルを目標とする
輸出振興策
に対しては、あらゆる手を打ちたい。
民間
の
協力
も得て、できるだけ困難ではあるけれども、目的の数字に近づけたい。これが現在の
考え方
でございます。(
拍手
) 〔
国務大臣
佐藤榮作君登壇、
拍手
〕
佐藤榮作
15
○
国務大臣
(佐藤榮作君) お答えいたしますが、盛りだくさんのお尋ねでございましたが、
総理
大臣を初め、
関係
各大臣からそれぞれすでに御
答弁
がありましたので、残っております特に税に関する問題についてお答えをいたしたいと思います。 御承知のように、前回の
選挙
を通じまして、わが自由民主党は
公約
事項をうたっておるのでございますが、
政府
といたしましても、与党である
自民党
の
公約
事項は、忠実にこれが
実施
をする
考え方
で準備を進めておるのでありまして、すでに昨日の閣議におきましても、税制調査会を設けて、中央税並びに地方税、これを一緒にいたしまして、総合的な税制の改革調査をいたす
考え方
でございます。その際におきまして、特に標準家族についての給与所得月収二万五千円までを非課税にすることであるとか、あるいは個人
事業
税について二十万円まで免税とする点につきまして、税制改正全般の中の重要な一環として、ぜひ
実現
するよう
努力
いたしたいと考えておるのでございます。 なお、税制改正に関しまして、特に間接税の増徴等について御心配があるやの御
意見
でございましたが、税制改正は、各般の事情をにらみ合せ、全体としてバランスのとれた、一そう公平な税制を
実現
することを目途とすることは当然でございます。特に間接税を増徴するというように、あらかじめ予定した
態度
で来年度の税制改正に臨むようなことは考えていない。この点を明確にいたしまして、お答えといたします。(
拍手
) 〔
国務大臣
遠藤三郎君登壇、
拍手
〕
遠藤三郎
16
○
国務大臣
(遠藤三郎君) 道路、河川等の公共
事業
等
失業対策
の問題についてのお尋ねでございましたが、御承知のように、
昭和
三十三年度の
予算
におきまして、
特別
失業対策
費二十四億円、さらに臨時就労
対策
費として七十四億円の
予算
を計上してございます。この三十三年度の
予算
を急速、施行して参りますれば、御
趣旨
に相当沿い得ると思うのでございます。従いまして、急速にこの
予算
の施行をして参りまして、
失業対策
に遺憾なきを期したいと存じます。(
拍手
) 〔
国務大臣
橋本龍伍君登壇、
拍手
〕
橋本龍伍
17
○
国務大臣
(橋本龍伍君)
国民
年金の問題に関しましては、先に
内閣
から
社会
保障制度
審議
会に諮問をいたしておったのでありますが、それが
審議
会から先般答申がございまして、私も
総理
とともに
委員長
の報告を承わりまして、この報告の線に沿いまして、なるべくこれを完全に
実施
するようにいたして参りたいと考えております。で、
委員長
の御報告でも、一応、財政計画の標準を示しましたけれども、これはいろいろ弾力性のある問題なので、なお検討してほしいということでありました。御承知のように、厚生省の中で五人の
国民
年金委員を設けておりまするので、この
社会
保障制度
審議
会の答申を
国民
年金委員の手によって、さらに検討いたしまして、八月くらいまでの間に具体計画を立てたいと考えておる次第であります。
基本
的な問題に関しましては、答申の
趣旨
にもありまするように、現在の各種の年金制度の適用を受けておりません被用者、あるいはまた自営
業者
、農民等を対象にいたしまして、醵出制度を原則とする年金制度、それに無醵出を併用して
実施
をいたすつもりでございます。 なお、曾祢議員から、一万二千円では
国民
年金の名に値しないという御
意見
がございましたけれども、この点も、都会で暮しておりますると、そういう感もいたしまするが、農家の家庭などで、老人が月千円、年に一万二千円の手当を持つということは、これは非常にやはり家庭内における地位の改善という点におきましても、
意味
があると考えておりまするので、
国民
年金の名に値しないと考えておりません。むしろ、なるべく早く
実施
をすることが必要だと考えておるのであります。で、
社会党
が御提案になりました法律におきましても、竹中議員に伺いましたところだと、この年額八万四千円というのは、約二十五年くらいかかるとのことでありまして、当座、御
実施
になりまするものは、所得や年令によって違いまするが、一番安いのは年額六千円、それから一万二千円、二万四千円ということでありました。六千円でも一万二千円でも、十分、
国民
年金の名に値するものであるというお考えのようであります。私どもも、そう考えておりまするので、どうか、そういうような
趣旨
に従って、
実施
についての御
協力
をお願いいたしたいと思います。(
拍手
) なお、
国民
健康保険の問題に関しましては、
国民
健康保険の普及四カ年計画を立てておりまして、
昭和
三十三年度におきましては、約四百十万人被保険者を増加いたしまして、年度末に三千八百四十万人といたし、また、自後は毎年五百四十万人ずつ増加をいたしまして、三十四年度末には四千三百八十万人、三十五年度末には四千九百二十万人に達する予定であります。その際、被用者保険の被保険者が四千二百八十万人でございまするので、これで
国民
皆保険を
達成
する計画であります。 財政面の問題につきましては、医療費の国庫負担二割、さらにこの十月から調整交付金を五分つけまして、事務費につきましても、合理化をはかりながら、全額国庫負担をやって参るつもりであります。 財政計画の問題につきましては、十分これの
実現
をはかって参るつもりであります。それよりも、むしろ
国民
皆保険の
実施
につきましては、やりやすいところは、むしろ今までの間に相当
実施
をいたしておりまして、残っておりまするところは、あるいはこの保険税の徴収でありますとか、あるいはまた医師会との
関係
等で、なかなか骨が折れるわけでありますから、財政面の処理も十分できると思いまするが、それよりも、ほんとうに熱をもって
実施
についての助成と言いますか、助力というものをする必要があると考えておるのでございます。その面については、われわれもきわめて
責任
が重大であると考えておりまするので、この上とも
実施
についての御
協力
をお願いする次第でございます。(
拍手
) 〔
政府
委員淺井清君登壇、
拍手
〕
淺井清
18
○
政府
委員(淺井清君) 期末手当の問題について、お答えを申し上げます。 公務員の給与が改善せられることは、まことにけっこうだと考えておりまするが、人事院といたしましては、この種の手当は、常に
民間
における同種の手当と均衡を保たせる
方針
でございます。もし不均衡と認められますれば、増額の勧告をいたして参っておるのでございます。そのために、毎年、大規模の
民間
の給与調査をいたしております。ところが、今年度の給与調査がまだ結論に達しておりませんために、今日の時点におきましてこれを増額するという結論は出しておりません。(
拍手
)
曾禰益
19
○
曾祢益
君 再
質問
をお願いいたします。
松野鶴平
20
○
議長
(
松野鶴平
君) 曾祢君。 〔
曾祢益
君登壇、
拍手
〕
曾禰益
21
○
曾祢益
君 各大臣の御
答弁
の中で、非常にまだ納得しない点が多いのでありますが、これらについては、いずれも
委員会
あるいはその後の本
会議
等において、同僚議員の方からそれぞれ御
質問
があると思いまして、詳細は触れませんが、ただ、三点だけ重要な問題でお伺いしたいのは、第一には、
総理
が
民主主義
の
考え方
について、法律を守るのは当然ではないか、法を守らないような問題に対しては、これを守らせるようにするのは当りまえだ。そういうような観点から、ただ
権力
的な
態度
で
労働運動
や民衆運動に臨もうとしておる。私はそのことが第一間違っておる。もとより労働
組合
の行動が、すべていかなる場合においても完全無欠ということは私は言えないと思う。しかし問題は、
政府
の
考え方
、
総理
の
考え方
の中に、これは法律だから、それを守ってこい、自分の方から
権力
で押しつけるという、こういう
考え方
そのものが、これはやはり多数の
横暴
と
権力主義
の現われだ。こういう点、
日本
のまだひ弱い
民主主義
のもとにおいて、
権力
者の
考え方
から直して行くことが、私は
民主主義
のために必要であると思う。この点もう一ぺんはっきり申し上げて、さらに御
意見
を伺うことができるならば幸いだと思う。 第二の問題は、
核兵器
の問題でありますが、
総理
が率直に、
実験
禁止
の問題は、これを切り離して、大国間の
協定
ができることが望ましいと言われたことは、これは私は了とします。ただ、
日本
に対する
核兵器
の
持ち込み
について、
現状
においては、そのような
協定
の必要がないからやらない。これは私どもはどうしてもわからないのであります。これは率直に、私が
総理
のような頭のいい人に法律論や
条約
論をするつもりはありませんが、これは明々白々たる事態であって、これは安全保障
条約
、
行政
協定
、ないしはあなたのやってこられましたアイクとの共同コミュニケによって、どうしてもカバーすることのできない
一つ
の欠点である。だから、法律上こういうことこそは、かりに同盟国であっても、そういうことを英米間においても、びしびしと、きめるべきは国際協約できめるのが当りまえだ。それをいいかげんに政治論でやって行こうというところに、私は
岸内閣
の自主性のない姿を発見せざるを得ないことを、はなはだ残念に思います。ですから、この点ははっきりと、
条約
的な
効力
のある国際
措置
をとっていただきたい。 それから
核兵器
のこの問題について、先ほどお答えが
一つ
なかったのは、私は特に総裁の
立場
において、去る
国会
の末期において、私どもが提案いたしました
日本
の非核武装の
宣言
、これは二つの内容からなっておりまして、
一つ
は、
日本
みずから核武装しないということと、第二に、特に重要な点は、
核兵器
を持ち込まないということを、
国会
のこの意思によってはっきりきめておこう、この問題に対して、
自民党
は常にあいまいな
態度
をとっておる。これははなはだ私として情ないと思うのであります。従って、この点について、今、
首相
として
アメリカ
との約束を今日やることが適当でないと思うお考えであるならば、
国会
の意思として、
自民党
が
社会党
の提案に当然賛成すべきことと思うが、この
日本
の
国会
における核非武装共同
宣言
と言いますか、決
議案
と言いますか、これについての明確なお答えを願いたいのであります。 最後に、
日中貿易
の問題については、私はこれ以上こまかく追及と言いまするか、
質問
を続けるのは適当でないと思います。従ってやめますが、ただ一点だけ申し上げたいのは、最後に岸
総理
の言われた中で、私のまた伺いだい
質問
の
一つ
の
根本
はと言いまするか、重要点は、一体いわゆる静観の
態度
で行くのか、それともすみやかに
措置
するのか、積極性なのか、見送りなのか、これが私の最も伺いたいところであります。不幸にして
総理
の御
答弁
は、この点において非常に不明確であります。むしろ避けられたのかもしれません。ところが外務大臣の御
答弁
は静観、通産大臣の御
答弁
は、すみやかにこれの事態を改善したい。私は決してつまらないいやがらせの
意味
で、両大臣の
根本
的な
答弁
の食い違い等を問題にするのではなくて、この点は非常に、私の
質問
の中にもありましたように、
閣内
、党内においても
意見
を統一すべき
段階
にきていると思う。だから、そのゆとりを私は持って初めから御
質問
したのであるけれども、
基本
的には、
友好親善
の
立場
に立って、すみやかに軌道に乗せるように
努力
する
方向
なのか、それともやはりいわゆる静観の
態度
をもっていくのか、この点、はっきりと
総理
から御
答弁
願いたいと思います。(
拍手
) 〔
国務大臣
岸信介君登壇、
拍手
〕
岸信介
22
○
国務大臣
(岸信介君) お答えをいたします。
民主主義
の本旨として、私は法律なり秩序を守るということが前提になるのだということを申し上げましたが、従って、もしもこれに違反をし、法律を順守しないというようなことは、正当なる、私は
民主主義
のもとに許される
労働運動
だとか、あるいは民衆運動ではないと考えております。そういう事態ができ上るということが私は遺憾でありまして、そういうことのないように大いに注意をすべきものである。しかし不幸にしてそういう事態があれば、やはり
政府
としてこれを取り締るということは、決して私は
権力主義
であるとかいうものではなくして、これは当然、国政の
運営
をはかる
意味
から申しまして当然のことである、こう思っております。
核兵器
の問題につきまして、
協定
を日米間においてやったらいいじゃないかというお考えも
一つ
のお考えでございます。しかし私は、今日安保
条約
のもとにおけるところの日米共同
委員会
ができております。こういうところにおいて、十分にこういう問題を話し合う機会があるのでありまして、従って、そういうことをするのが日米間においては適当である。私自身がきわめて明瞭に私の意思を、
政府
の意思を、中外に声明をいたしております。これに対して、
アメリカ
側は、何らの異論を唱えるとか、あるいは一部で心配されておるような
持ち込み
の事実があるとかいうようなことは絶対にない
現状
におきまして、特に
協定
を作る私は必要を認めないということを申し上げたのでございます。 それから
核兵器
の
禁止
と言いますか、
核兵器
で武装しない、
持ち込み
をさせないという私の声明を
国会
の決議にすることに対して、
自民党総裁
として何と考えるかという御
質問
でございますが、私は、そういう
国会
の議決ができるということに対して、別に反対をいたす考えはございません。私自身がそういうことをはっきりと声明をいたしておるのでありまして、
国会
がさらに決議をする必要ありとお認めになるのならば、私は
趣旨
において反対をいたしておらないということを申し上げておきます。
中共貿易
に関して静観かどうかという問題でありますが、私は先ほど申し上げましたような
趣旨
において、現在の状態は、不幸の状態であり、望ましくない状態であるから、これを改善しなければならぬということを申しております。その改善をしなければならぬ方法として、どういう方法をとることがこの際において適当であるかという問題として、私は静観ということを申し上げたのであります。静観ということは、ただ腕をこまねいて、そうして傍観をしておるという
意味
では決してないと御了承願いたいと思います。(
拍手
) 〔小林孝平君発言の許可を求む〕
松野鶴平
23
○
議長
(
松野鶴平
君) 小林孝平君、何ですか。
小林孝平
24
○小林孝平君 先ほど厚生大臣の
答弁
中、
社会労働委員長
竹中勝男
君の名前をあげまして、同君が、事実無根であると認定されるような御
答弁
がございました。従いまして、もう一度明確に、先ほどの御
答弁
がどういう
答弁
であったかということを、詳細御
答弁
を願いたいと思います。その結果によりまして、再びその
答弁
の取り消しを要求するかどうかの
態度
を保留いたしたいと存じます。
松野鶴平
25
○
議長
(
松野鶴平
君) ただいまの小林君の議事進行に関する発言は、厚生大臣もお聞きの
通り
でございます。厚生大臣からお答えを求めます。 〔
国務大臣
橋本龍伍君登壇、
拍手
〕
橋本龍伍
26
○
国務大臣
(橋本龍伍君) 私の言葉に誤解がありましたら、恐縮でありますが、実は前に大内さん、末高さんと一緒に、私が割合に近いころ放送座談会に出ました際に、
社会党
の御案についてもお話があったのであります。その際に、この金額のことが問題になりまして、大体やはり金額は少くとも、早く
実施
をした方がいいじゃないか。そういう場合に月一千円というのは少いようだけれども、大体その辺が常識的な発足の金額じゃないか。これで大体
国民
年金として発足していいのじゃないかというようなのが大体の御
意見
でございました。その際に、わが党の方の話も出ましたし、竹中氏からも、
社会党
の案につきまして、年令や所得によって六千円、一万二千円、二万四千円という案があって、そういうところで当座は発足をいたしたい。それで八万四千円ということが、完全に
実施
されるまでには二十五年ぐらいかかる。しかし当面の問題としては、やはりそういうような比較的低いところでも、早く発足した方がいいという御
意見
だったと承わっておるのであります。それを実は申しました次第であります。(
拍手
、「進行々々」「
議長
々々」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し) 〔小林孝平君発言の許可を求む〕
松野鶴平
27
○
議長
(
松野鶴平
君) 小林君。
小林孝平
28
○小林孝平君 ただいまの厚生大臣の御
答弁
を承わりますと、━━━━━━━━━━また、その発言は、放送討論会において行われたものでありまして、正式な発言ではないのであります。かくのごとき発言を取り上げまして本
会議
場においてわが党を攻撃するがごとき発言をされたのは、きわめて遺憾であります。従いまして私はこの機会に、
竹中勝男
君に一身上の弁明をさせていただきたいと思います。(「必要なし」「もっと誠実にやれ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し) 〔
竹中勝男
君「私は一身上に関する弁明をいたしたいと思います」と述ぶ〕
松野鶴平
29
○
議長
(
松野鶴平
君) 竹中君に申し上げます。一身上の弁明は、本人において通告すべきものでありますが、竹中君は、弁明をされたいのですか。
竹中勝男
30
○
竹中勝男
君 やります。
松野鶴平
31
○
議長
(
松野鶴平
君) 竹中君に発言を許します。 〔
竹中勝男
君登壇、
拍手
〕
竹中勝男
32
○
竹中勝男
君 ただいま橋本厚生大臣が、去る数カ月前の放送討論会における座談、懇談のときの私の言葉に
根拠
を置いて、本
国会
において、あたかも
社会党
を誹謗するような発言をされたことにつきましては、
国会
の
運営
の正常化の上において、両党の今後のあり方において、私は、はなはだ遺憾に思います。もし、
国会
のかかる本議場の
質問
に対する厚生大臣の
答弁
であるならば、
社会党
は、すでに
社会党
の年金法案を公表いたしております。われわれは印刷物において、明確に
社会党
の年金制度における計数的な発表をいたしておるのでありますからして、厚生大臣であるならば、
責任
のある発言をするものであるならば、その資料に基いて発言をしていただきたいのです。それを、あたかも小手先のような言葉の端をとらえて、これを議場においてしかも、私の発言を正しくとらえていない……(「ここは放送討論会じゃない」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
松野鶴平
33
○
議長
(
松野鶴平
君) 静粛に願います。
竹中勝男
34
○
竹中勝男
君(続) 発言をするというようなことは、……(「しっかり」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
松野鶴平
35
○
議長
(
松野鶴平
君) 静粛に願います。
竹中勝男
36
○
竹中勝男
君(続) これは
社会党
を誹謗し、両党におけるところの
国会
の正常な
運営
を
自民党
みずからが破壊するところの発言であると私は思わざるを得ないのです。重ねて言いますが、
社会党
は、
国民
年金保険の中で無醵出の年金は三つ、母子年金、身体障害者年金、老令年金の三つをはっきり出しております。そうして母子年金月三千円、身体障害者月三千円、老令年金月二千円、曾祢君の言われる
通り
に、
自民党
の月一千円は、あまりにも老令を保障するものとして、過少ではないか、低いではないかということは、まさに当然であります。……
松野鶴平
37
○
議長
(
松野鶴平
君) 竹中君、一身上の弁明にとどめて下さい。
竹中勝男
38
○
竹中勝男
君(続) まさに私は、放送討論会において橋本君が今言われるような発言をしたことはないのです。もし、橋本厚生大臣が、何かの勘違いを
基礎
にして言われたのであれば、私は、はなはだ遺憾である。━━━━━━━━━━
社会党
は、
国民
年金保険法案をすでに前
国会
において提出いたしておるのです。
社会党
は、
国民
の
社会
保障計画の中で、老後の生活の保障をきわめて忠実に、計数に基いて、そうして可能であると考える、架空でないところの年金法案を出しておるのでありますから、
自民党
は、どうぞ
社会党
の年金法案を忠実に取り上げてもらいたい。真剣に取り上げてもらいたい。ことに厚生大臣は、こういう座談会の言葉をもって
社会党
を誹謗するというような意図をもっては、
わが国
における養老年金あるいは
国民
年金制度の確立は、きわめてむずかしいと考えるのでありますからして、厚生大臣たるものは、はっきりわれわれは出しておるのですから、その他記録に従って、印刷物に従って発言していただきたいのです。私としては、厚生大臣がかかる発言をしたことについて、取り消しを要求するものであります。(
拍手
、「懲罰々々」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し) —————————————
松野鶴平
39
○
議長
(
松野鶴平
君) 佐藤尚武君。 〔佐藤尚武君登壇、
拍手
〕
佐藤尚武
40
○佐藤尚武君 私は、緑風会を代表しまして、昨日の
総理
大臣の
施政方針
の
演説
に対し、以下二、三の点につき
質問
いたします。 〔「おかしいぞ」「どうするんだ」と 呼ぶ者あり、その他発言する者多 し〕
松野鶴平
41
○
議長
(
松野鶴平
君) お静かに願います。
佐藤尚武
42
○佐藤尚武君(続)
日本
は、
昭和
三十一年国連に加盟し、また、昨年十月には、安全保障
理事
会の非常任
理事
国に当選したのでありますが、
日本
の国連に対しまする関心は、主として政治的方面に払われてきたと見られるのであって、
経済
方面の活動は、むしろ二次的に考えられていたように見えるのであります。戦後十年を経てようやく国連に加盟し、また、その後、国連の重要組織である安保
理事
会への加入を急いだ
日本
といたしましては、無理からぬ経過であったと言うべきでありましょうが、しかし、
日本
としては、政治問題に没頭することのみをもって足れりとするわけには参らないのであって、あすとも言わず、直ちに
経済
方面への進出をはかるべきであると信ぜられます。よって、これらの問題について、
総理
大臣並びに外務大臣の注意を喚起し、
所信
をお尋ねしたいと思うのであります。 まず第一に問題とする点は、
日本
として、国際
経済
の方面にできる限りの力を注がなければならないという点であります。米英を初め、世界各国の
経済
が、国際的のつながりを持っていることは、事新しく申すまでもありません。
日本
の
経済
もまた、国際的
基盤
の上でなければ、とうてい
拡大
発展は望まれないのであります。しからば、
経済
の国際的
基盤
をいずれに求めるかと言えば、それは国際連合の機構を通じての
経済
活動であり、すなわち国連総会、
経済
社会
理事
会、その他数多くの専門機関の活動に待つのが最も効果的であると言わねばなりますまい。果してしからば、
日本
も、国連の
経済
活動にでき得る限りの力を注がなければならないのであって、さしあたり本年九月の国連総会に、識見豊富にして、そうして国際的に活動のできるような有能な財界人を
政府
代表として派遣し、総会、
経済
委員会
を通じて、肝木
経済
の進展をはかるとともに、世界民福の増進に寄与するていの手段を講ずる要があるものと認めます。問題が起きたたびごとに、あわてて外国に泣きつき、救済を求めるのではなくして、常時世界的な場面に手を打ち、
日本
の
経済
発展の地盤を築くことに力を入れねばならないと考えるものであります。いわんや米英の
経済
界は深刻な
不況
に襲われ、その余波を受けて世界各国の
経済
は著しく萎縮しておる今日、強度に
相互
依存の
関係
にある世界
経済
の回復は、おそらく米国一国の力にのみたよることのできない問題であると思われます。かるがゆえに、ドル不足に悩む各国は、みな今秋の国連総会に嘱目をして、有力な代表者を派遣して鳩首合議、何とかして景気挽回の方策を見出すべく
努力
するに相違ないと思われるのであります。現にマクミラン
首相
は、最近アイゼンハワー大統領を訪問し、帰途カナダに立ち寄っております。むろん
不況対策
や、後述する後進国
経済
開発問題のごときも話題に上ったことでありましょう。また、
日本
の財界を襲った不景気も、表面に現われているより以上に深刻なものがあるように見えるのでありまして、なまやさしい
対策
では、この
不況
を切り抜けるということは困難ではないかとおそれられるのであります。こういう際といたしまして、
日本
も袖手傍観は決して許されないのであって、積極的に乗り出す必要ありと信じまするが、
首相
、外祖は、果して今秋の国連総会に対して、その
経済
方面の活動を重視して、十分力を入れる用意がおありかどうか、お尋ねいたすのであります。 第二に、これに関連した問題でありますが、いま
一つ
の課題があります。
日本
は現在は安保
理事
会に一議席を占めておりますけれども、一年半の後には、引き下らなければならないのであります。よってその後は、直ちに
経済
社会
理事
会に肩がわりをするように今から
努力
の必要があると認められる点であります。
経済
社会
理事
会が安保
理事
会と並んで、
経済
、
社会
、文化、保健の各部門にわたり重要な役割を演じているのは、いまさら多言を要しません。
日本
もこれに有能な代表者を配して、常時
経済
方面の世界的地歩を固むべく
努力
の要ありと信ずるものであります。
首相
、
外相
の御
所見
を承わりたいと思います。 第三の点は、アジア開発基金の問題であります。岸
総理
は、昨年来、東南アジア各国を訪問されて、各地において開発基金並びに技術訓練センターの設置の考案を提唱されたのでありまするが、この構想は、豊富な天然資源を保有する国々の利益増進をはかるのを目的とすると同時に、技術及び熟練工を提供する余力を持つ国々にとりましても、また大なる魅力であることは申すまでもございません。しかし、アジア開発基金の構想は、単に
日本
一カ国ではとうていしょい切れないほどの大問題であります。必ずや米国その他の資本供給国との連携を待って、初めて成果を上げ得るものと思われるのでありますが、実は私は、これは個人的な
意見
でありますけれども、他の資本国との協同のみをもって足れりとしないのであって、これを国際連合のワク内に入れることが、きわめて望ましいと信ずるものであります。なぜならば、開発基金ができたといたしましても、受け入れ国側において、安心して受け入れられるような形にしてやらなければ目的
達成
は困難と思われるからであります。かりに
日本
が他の資本国と提携しまして基金の設定に成功したといたしましても、
国民
の
経済
力がまだ脆弱な後進国にとりましては、ほとんど例外なく、基金援助の陰にひそむ重圧を感じ、その受け入れをちゅうちょするだろうと信ぜられます。ところが、アジア諸国に対しては、従前より米国の直接援助ないしはコロンボ計画の援助等があるのでありますけれども、今後相当の長年月を費さなければ所期の効果をおさめることは不可能な模様であります。やはり受け入れ国側の不安を除くことが先決問題であって、これには援助基金計画を国連のワク内に移すことが何よりも必要なことになると信ずるものであります。同じ基金の投下でも、国連の旗じるしのもとでやるとなりまするならば、受け入れ国側にも直接供給者たる大国側よりする重圧を感せずして済むのでありまして、すでに小規模ながら、国連の機構として設置されておる彼のSUNFED、つまり国連
特別
経済
開発基金でありまするが、このSUNFEDの組織の
拡大
強化
をはかるということが、大いに望ましいと考えるものであります。
総理
大臣のこの点に関しまする御
所見
を承わりたいと存じます。 第四の問題といたしましては、第一次
岸内閣
当時に、
政府
のとったきびしい金融引き締め
政策
によって、
民間
業者
にかなり酷な犠牲を払わせたのでありますが、結果としては、
日本
の国際収支が改善されて、幾分の黒字を出すことができるようになった模様であります。しかし、
日本
の
経済
はようやく
不況
を切り抜け得たものの、いかにもわが財界の底力の貧弱さが如実に示されたのは、おおうべくもありません。国際収支改善のため、もっぱら
輸出
振興が唱えられておるのでありますが、そうしてまた
輸出
の
拡大
に
努力
を要することは、これは万人の認めておるところであって、異論のないところではありますけれども、しかし、現在のような萎縮した世界の
経済
の中で、下手に
輸出
を伸ばしまするならば、かえって焦げつき債権を累積するということになり、結局は
国民
の負担に帰してしまうおそれが十分にあると思うのであります。そこで、
日本
としてはどうしても
貿易
以外の国際収支、すなわち見えざる
輸出
を考えなければならぬということになるのであります。それには豊富な
日本
の観光資源を開発整備して、外客を誘致し、そうして彼らをしぼるというのではなく、
日本
人一流の親切心をもって彼らを接遇し、心から内地の観光を楽しましめ、好感をもって帰途につかしむることのできるような手段を講ずる要があると考えるのであります。しかしそのためには、まずもって
国内
の整備を急がなければならないのでありまして、整備の整わないうちに外客を誘致するのでは、事態はかえって反対の結果を来たすことになるでありましょう。しかるに、従来の
政府
のやり方を見ますると、むしろ
国内
整備が不十分な間に外客誘致を急いだ感があります。もっとも、観光の海外宣伝と言いましても、まだ十分ではなくて、外来の観光客もわずかに十余万人を数え得るにすぎない今日でありまするが、そういう事情ではありまするが、今にして
わが国
の観光を正常な軌道に上さないことには、不測の結果を招くことをおそれるものであります。
民間
の観光
事業
の方面におきましても、近時、幸いにこれらの欠陥を痛感いたしまして、
国内
整備と国外宣伝の
事業
を一元化する機運が逐次かもし出されておる模様であります。この
傾向
は、
わが国
観光
事業
の促進に寄与するものと考えるのでありまするが、
政府
はこの
傾向
をどういうふうに見ておられるか、また、どういうふうに対処されるお考えであるか、お尋ねいたしたいと存じます。これは
運輸大臣
にお願いしたいと思います。 最後に、私は第五の問題といたしまして、教育問題について一言いたしたいと存じます。先ほど、曾祢議員の
質問
に対しまして、
総理
大臣から御
答弁
がありました。その御
答弁
の
趣旨
は、私どもの
考え方
と大部分一致しておる模様であり、その他、法務大臣ないしは
文部大臣
、その他
関係
大臣から、それぞれ御
答弁
があったのでありまするけれども、以下述べまするところは、緑風会の
意見
としてお聞き取りを願いたいのであり、それに対しましての御
所見
を承わりたいと存ずるのであります。 最近の青少年犯罪の激増は、実に戦慄を感ぜしめられるありさまであります。毎日の新聞記事の中には、まさに目をおおうものがあります。これには、映画、ラジオ、週刊雑誌等の露骨な、挑発的な出し物が大なる影響を与えているであろうことは、看過できない点であります。また一面、われわれ父兄の
立場
から言いまするならば、義務教育を担当する小学校の
教員
諸君の行動に対しましても、はなはだしく納得しかねるものがあります。(
拍手
)いずれの
社会
におきましても、
勤務評定
の制度のないところはないと思われるのでありまして、従って、教育
社会
においても
勤務評定
が
実施
されるということは、その事
自体
に対して
教員
諸君が反対する理由はないはずだと思われるのであります。(
拍手
)ただ、
勤務評定
の内容とか、その
実施
の方法等について異論があるというならば、それは
当局
との間に協議決定することができるはずのものであると考えます。しかるに、日
教組
は、この挙に出ないばかりでなく、和歌山におけるあの実例のごときは、ついに実力
行為
にまで出てしまったという重大事態さえ招致したのであります。このようにして、
教員
諸君は、ほしいままに教場を捨て、
教員
としての義務を怠った、そういう結果を来たしている実情であります。こういうことが青少年たちに及ぼす悪影響の大なることは、言を待たないと思うのであります。(
拍手
)このような事態を前にして、
政府
はどういうふうに考えておられるか、また、いかような処置に出られんとしておるかにつきまして、
総理
大臣並びに
文部大臣
の御
所見
を伺うことができれば幸いと存じます。 私の
質問
を終ります。(
拍手
) 〔
国務大臣
岸信介君登壇、
拍手
〕
岸信介
43
○
国務大臣
(岸信介君) お答えをいたします。 国際連合の活動は、政治問題ばかりでなくして、
経済
面における活動も非常に重要なものであり、ことに国際
経済
というものの有機的な
関係
を考えると、
日本
経済
の立ち直りの上におきましても、国際連合のさらに
経済
活動に
日本
が積極的に
協力
して行かなければならぬという御
意見
につきましては、私ども全然
同感
に考えております。従来もそういう
意味
において、国際連合の
経済
的活動には、できるだけわれわれ
協力
をし、またそれに参加して参ったのでありまするが、この点に関してお尋ねの二点、すなわち、ことしの総会に対しては、
経済
に関して特に知識経験のある財界人を代表の中に加えたらどうかという御
意見
でありますが、私は必ずしも財界人と限るわけではございませんが、
経済
知識、もしくは、ことに国際
経済
に関して見識を持っておるところの有力な人を代表のうちに加えるように、その選任をいたしたいと思います。また、
経済
社会
理事
会の
理事
の問題に関しましては、すでに
日本
といたしましても、これに立候補するような準備を進めております。 次に、東南アジア開発基金の問題を、むしろ国際連合のワク内においてこれをやることが、いろいろな面において望ましいんじゃないかという御
意見
であります。もちろん、この私の構想は、
日本
だけでできるわけではございません。従って、東南アジア諸国にもこの構想を話をし、また
アメリカ
、カナダその他の国々にも話をいたしております。最初いろいろな、十分に理解がいかない点もありましたが、近時、この構想そのものに対しては、よほど理解がいっております。私はしかし、これを国際連合よりも別の、
一つ
の私の構想として別に作らなければならぬというようなことは絶対に考えておりません。あるいはさらに、国際連合の中の今ある基金をさらに
拡大
し、これを通じてやるというようなことが、東南アジア諸国の多数の国の希望でもあり、またこれに
資金
を出す国々が、そのことが望ましいというようなことであるならば、そういう方法も、もちろん私は適当であると考えております。 次に、観光
事業
については、私どもは全然
同感
でありまして、大いにこれを推進したいと思いますが、その具体的なことにつきましては、
運輸大臣
からお答えをいたします。 文教問題に関しましては、青少年の問題、私の
所信
表明
のうちにもその点に触れまして、青少年の不良化を防止することについて、特に考えなければならぬということを申しております。まことに憂うべきような事態もあります。これにはやはり
社会
環境をよくして、青年に希望と情熱を持たせるような諸施設をして行く必要があると思っております。 また、
勤務評定
の問題につきましては、すでにお答え申し上げましたように、私はこれは実行すべきものだ。ただ、その方法や内容等について、いろいろな方面の建設的な
意見
については、十分取り入れて行くように
努力
をすべきものであると、かように思っております。(
拍手
) 〔
国務大臣
藤山愛一郎君登壇、拍 手〕
藤山愛一郎
44
○
国務大臣
(藤山愛一郎君) 国連の機構の中を通じて、
経済
の問題を重要な課題として取り扱うということにつきましては、私どもも全く御
同感
でありまして、実は、昨年の冒頭
演説
におきましても、ドル不足の問題その他に対して、何らか国連が考えるべきではないかという
趣旨
のことを申し述べておったわけであります。その第二の
委員会
において、萩原代表は実際上の
委員長
として活躍し、SUNFEDがなかなか進んで参りませんので、それに直接かわるとは申し上げかねますが、直接動いて行く必要のあるような機構として、国連
特別
基金の設置というようなものを提案されました。これが採択されておりまして、おそらく今度の七月一日から始まるジュネーヴの
経済
社会
理事
会におきまして、この問題がさらに具体化されるような
方向
に進むのではないかと思っております。 なおエカフェ等の地域活動につきましても、できるだけ
協力
をいたしておるのでありまして、そういう
意味
において、国連の機能におきます
経済
的な機能を十分に生かして参ることが必要だと思うのであります。そういう
意味
において、今後とも対国連の
政策
の面に十分盛り込んで参りたい、こう存じております。(
拍手
) 〔
国務大臣
永野護君登壇、
拍手
〕
永野護
45
○
国務大臣
(永野護君) お答えいたします。 観光
事業
の重要性に関しましては、佐藤議員のお説と全く御
同感
であります。私、運輸省の仕事をまだ十分に研究しておりませんが、今日まで私どもの知り得た範囲内におきましても、運輸
行政
の中で観光
事業
に関する
努力
は、なお十分に勉強し、これを増進して行かなければならない余地が非常に多いと痛感いたしておるのでございます。最近いろいろな国際
会議
が
日本
で行われますし、また、オリンピック大会の
日本
に招致されることも
期待
されますので、それまでには、どうしても外国からこられるお客さまの満足のいくような受け入れ態勢を整えたいと念願いたしておりますけれども、これが、みんな財政支出に
関係
のある問題でございまするから、その成案ができました節には、議会の皆さま方の御
協力
を切にお願いいたす次第でございます。 これをもちまして
答弁
といたします。(
拍手
) 〔
国務大臣
灘尾弘吉君登壇、
拍手
〕
灘尾弘吉
46
○
国務大臣
(灘尾弘吉君) 文教に関する御
質問
でございますが、大体、
総理
大臣がお答えになりました
通り
でございます。 最近の教育界の状況は、決して快い姿ではないと思うのであります。ことに
勤務評定
の問題を
中心
といたしまして、各地にいろいろな事態が起っておりますことは、私まことに残念に存じております。日
教組
の健全な
発達
ということについては、われわれ心から願うところであります。また、そのために必要があれば、いかなる御助力もいたしてみたいと思うのでございますが、しかしながら、今日の日
教組
のあの状態につきましては、ただ遺憾千万と申すほかないのでございます。一日もすみやかに正常な
組合
の状態に立ち返っていただきたいと思うのでございます。これにつきましては、もとより私どもといたしましては、いやしくも法に違反するとか、あるいは法を無視した行動をするというようなことにつきましては、はっきりした毅然たる
態度
を持して参りたいと思います。同時にまた、地方の教育
委員会
の方面におかれましても、その心持をもって対処してもらいたいと思うのでございます。いやしくも不当な圧力によりまして、
行政
の秩序を乱すというようなことは、断じて容認のできないことでございます。この問題は、結局何と申しましても、
組合
を構成する教職員諸君の反省と自覚に待つのほかはないと思うのであります。(
拍手
)われわれといたしましても、この
方向
において、できるだけ
努力
もいたしたいと考えますし、地方のまた教育
委員会
におきましても、冷静に、かつまた辛抱強く、この自覚と反省を促すために
努力
してほしいと思うのでございます。もちろん教職員
自体
の方が、すみやかに正常な
組合
運営
に立ち返って参りますことを、心から念願するものであります。同時に、教職員諸君の自覚と反省を促すためには、やはりいわゆる世論の公正な批判と
協力
がなければならないと思うのでございまして、この
意味
におきましても、私どもは、さらに一そうの
努力
を継続するつもりでございます。 これをもってお答えといたします。(
拍手
) 〔小林孝平君発言の許可を求む〕
松野鶴平
47
○
議長
(
松野鶴平
君) 小林君。
小林孝平
48
○小林孝平君 議事進行について……。先ほど厚生大臣の発言に関しまして、竹中君より一身上の弁明がありましたが、橋本厚生大臣の発言中、事実と相違する点があるように存ぜられますので、
議長
において速記録を調査の上、善処されんことを望みます。
松野鶴平
49
○
議長
(
松野鶴平
君) 御発言の趣きは承わりました。
議長
は、速記録を調査の上、善処いたします。 これにて質疑の通告者の発言は、全部終了いたしました。質疑は、終了したものと認めます。 次会の
議事日程
は、決定次第、公報をもって御通知いたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十七分散会 —————・————— ○本日の
会議
に付した案件 一、
日程
第一
国務大臣
の
演説
に関 する件(第二日) —————・—————