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説明員(
諏訪光一君) 私、
水産庁の
調整二
課長の
諏訪であります。御
報告申し上げます。ただいままでに大体の
経過の
お話がありましたので、
水産庁といたしましては、この
事件につきまして、どういう監督をしていたかという
経過について御
報告申し上げようと存じます。
本年の四月上旬と思いましたが、本
工場が、
SCPパルプの
操業を
試験的にやっておるというような
東京都の
報告がございまして、それで、
東京都からぜひ一度
工場を視察して、そしてその内容について
一つ見てくれというようなことがございましたので、私
どもの方の
担当の
係長が参りまして、
東京都の
水産課の
係官と
一緒にこの
工場べ参ったわけでございます。その際に、まだ
操業はいたしておりませんで、ほんの試運転中だったのでございますが、私
どもの方で参りました日は、ちょうど機械を運転していなかったという話でございましたが、中を拝見いたしましたところ、
処理施設がない、
沈澱槽がないというようなこともわかりましたので、
東京都の
係官に、こういったようなことでは、いずれ問題が出やせぬか、
工場でどういう
処理をなさるか知らぬけれ
ども、
沈澱施設がないということは危いんじゃないかという御注意を申し上げましてそれから当日、
会社側で御案内してくれた人にも、
沈澱槽がなくて大丈夫なんですかというようなことも話したそうですが、当時のその案内した
会社の方は、十分にきれいにいたしますから、
沈澱槽がなくてもいいんじゃないでしょうかというようなことを言ったそうです。いずれも
口頭の話ですから、はっきりしたことは申せませんが、そういったような
報告を受けておりまして、私
どもその
報告を受けたときに、
沈澱槽がないということは危いなと、
東京都に十分注意しておこうということを申しまして、
東京都の
水産課の方に
はさように
連絡はしておりました。その後、都からの
報告によりますと、四月の二十二日に
本格操業を開始して、
汚水が出ておるというので、四月の二十三日には傘下の
漁業組合あるいは内水面の
漁場管理委員会にも、そういったような
漁民から、
本格操業で、きたない水が出ておるけれ
ども、何とか
東京都の方で処置してくれというような
陳情があったそうでございます。それで
東京都の方から、さようなことがございましたので、どういう
排水が出ておるか、それをよく
調査するようにということを
指導いたしまして、五月の八日に、
漁場管理委員会と
水産試験場及び
水産課の者が
工場を視察いたしまして、その
排水は正確な
調査による決定はできないけれ
ども、今までの経験上から見て、かような水は大体悪質であって、
漁業被害が起る
可能性が十分あるというすうに断定いたしまして、設備の
改善方を
工場側の方に、
水産課の方から申し入れております。そしてそれと同時に、
水産課の方から
建築局の
指導部長の方にも、
排水処理施設をやってくれというようなことを依頼しております。それと同時に、私
どもの方といたしましては、この
水質分析による
被害ということは、非常に高度な
技術を要するというような点もございますし、また、時間もかかるということがありますので、問題の起きないうちに、
一つ早く
調査をするようにというふうに
指導をいたしまして五月の十三、十四と二日間にわたりまして、都の
水産試験場でもって
生物試験と
水質調査を行なっております。そしてその結果をもって、即時に
汚水なりと断定するわけには参りませんが、どうも危いらしいというので、
一つ徹底的に
調査をしようという段階に進んでおりましたときに、五月の二十四日だったと思いましたが、
漁民が
工場に参りまして、
排水口をとめて、そうしてその
汚水が
工場の中に入ったというような
事態があったことを聞いております。そこで、私
どもといたしましては、こういう問題が起きれば、当然
漁業被害ということがあり得るのだから、
被害調査を即時行うということと、
水質の
試験を早く進めるように
指導いたしております。それでその
事件が起きまして、そういう順序で進んでおりますときに、六月の九日、十日にかけての
事件が起きましたので、これは至急にやらなければいけないといって
連絡いたしましたところ、潮どきのかげんで、六月の十八日前後に、徹底的な
被害の
調査を行いたいという都の
水産課長からの
報告がございましたが、詳細な
調査はそのときにするとしても、
被害があったかないかという
程度のラフな
調査でもいいから、早くやるようにということを
指導いたしまして、たぶん六月の十二日か三日かだと思いました。日にちはちょっとずれるかもしれませんが、私
どもの方で
係長が
現場に参りまして、大体
調査方法などを
指導しながら、
被害が大体あるかないかという
程度のラフな
調査を行なっております。その結果は簡単に申し上げますと
排水口から若干下においては、その当時は六月九日の
事件がありましてから
排水をとめましたので、非常に川の水はきれいになっておったそうでございますが、その方は別といたしまして、過去の
汚水による川の底の方の
沈澱物を主として見たそうでございますが、わずか下流のところにおきましては、何と申しますか、あさり、はまぐりを取る
かごのような、このくらい大きな目の
かごがあるのですが、それでひっかいてみましたところが、その
かごの中に、ちょっとひっかきますとこのくらいの泥のかたまりが取れてきて、そして多分
パルプの
残渣じゃなかろうかというような汚物が非常にたくさん上ってきた。
通常、普通ならぱこんな大きな目ですから全部流れてしまうのが、
相当なかたまりが取れてきた。そして、それを手に取ってかいでみると
相当くさかったというようなことから、
相当腐敗もしているのじゃなかろうかということがみられた。それから
今井橋付近で見ましたときに、その層は
相当薄くなっておって、
パルプ残渣ということが認められるか認められないかはわからないが、かなり腐泥らしいものが上った。それからずっと下に下りまして、河口から海面に寄ったところでやってみましたところが、そこでは層が一センチくらいしがなくて、しかもその層になりますと、もはや
パルプの
残渣であるか何であるかはわからないけれ
ども、ともかく新しい腐泥が一センチくらい積って一おってその下はきれいな砂になっておったと、これがどういうものから出たかということは断定はできませんが、新しいような腐泥があって、しかもそれは手で握ってにおいをかいでみても、まだくさくはなっていなかったというようなことが
報告されております。その後も、昨日でしたか、今度は
技術的に、われわれ
行政官じゃなく、
技術者もこれを見ておいてもらいたいということで、
水産本庁ではございませんが、東海区
水産研究所の
担当官にも
一緒に行って見てもらいまして、そして
東京都の
水産試験場及び
水産課の人間に
調査方法などを
指導しながら
現場を見ておりますが、まだその
報告は受け取っておりません。
以上、大体私
どもの方で、都及び
千葉県の
水産課及び
水産試験場を
指導いたしまして、
汚水排水についての
調査及び
排水施設などにつきまして監督いたした
経過は以上のようでございます。