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1958-09-26 第29回国会 参議院 内閣委員会 閉会後第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年九月二十六日(金曜日)    午前十一時二十九分開会     ―――――――――――――    委員の異動 八月十一日委員藤田進辞任につき、 その補欠として島清君を議長において 指名した。 八月二十日委員平林剛君及び島清君辞 任につき、その補欠として矢嶋三義君 及び藤田進君を議長において指名し た。 八月二十七日委員増原恵吉辞任につ き、その補欠として斎藤昇君を議長に おいて指名した。 九月十一日委員斎藤昇辞任につき、 その補欠として増原恵吉君を議長にお いて指名した。 本日委員松本治一郎辞任につき、そ の補欠として占部秀男君を議長におい て指名した。     ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     永岡 光治君    理事            大谷藤之助君            松岡 平市君            矢嶋 三義君            竹下 豐次君    委員            上原 正吉君            木村篤太郎君            松村 秀逸君            伊藤 顕道君            占部 秀男君            近藤 信一君            八木 幸吉君   国務大臣    国 務 大 臣 左藤 義詮君   事務局側    常任委員会専門    員       杉田正三郎君   説明員    防衛庁長官官房    長       門叶 宗雄君    防衛庁防衛局長 加藤 陽三君    防衛庁装備局長 小山 雄二君    調達庁長官   丸山  佶君    法務政務次官  木島 虎藏君    法務省刑事局長 竹内 壽平君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件理事補欠互選派遣委員報告 ○国の防衛に関する調査の件  (航空自衛隊次期主力戦闘機の機  種選定に関する件)  (ジョンソン基地内における射殺事  件に関する件)     ―――――――――――――
  2. 永岡光治

    委員長永岡光治君) これより内閣委員会を開会いたします。  去る八月二十日平林剛君が委員辞任され、後任として矢嶋三義君が委員に選任されました。以上御報告いたします。
  3. 永岡光治

    委員長永岡光治君) それではこれより議事に入ります。  まず、理事補欠互選の件についてお諮りいたします。さきに矢嶋君が委員辞任されまして以来、理事に欠員を生じていたのでありますが、ただいま御報告いたしました通り矢嶋君が委員に復帰されましたので、この際矢嶋君を再び理事に選任することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 永岡光治

    委員長永岡光治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
  5. 永岡光治

    委員長永岡光治君) 次に、先ほど理事会の打ち合せをいたしました結果について皆さんに御報告をし、御承認をいただきたいと思います。本日の委員会は、まず冒頭先般行われました委員派遣報告を求めます。第二番目に、国の防衛に関する調査案件の中で、ただいま問題になっております戦闘機の新機種選定の問題に関しまして、機種選定選定委員会が作られるやの動きがあるようでありますが、それについての質問、それから機種決定について、これを早急にやる意思があるかどうか、政府にただす件であります。これをめぐりまして資料要求をいたしたいということになっております。第三番目は、本月七日のジョンソン基地内の射殺事件についての質問、以上三伴を本委員会において質疑を行うことに打ち合せを決定いたしました。  なお、次回の委員会は二十九日本会議終了直後委員会を開会いたしまして、案件調査承認要求に関する件を決定をいたしまして、それが議運で承認され次第、さらに委員会を開くことになっておりますが、その委員会は大体午後を予定いたしております。  なお、本日はこの報告を終りましてから一応休憩いたしまして、午後一時かっきりに開会いたしたいと思いますので、時間の励行をお願いいたします。
  6. 永岡光治

    委員長永岡光治君) 次に、閉会中の継続調査に関連いたしまして、国の地方出先機関及び防衛産業実情等調査のため、去る八月上旬大阪府及び兵庫県、並びに青森秋田県下に二班の委員派遣を行なったのでありますが、この際各派遣委員の御報告を求めます。まず、近畿班から御報告を願います。
  7. 松岡平市

    松岡平市君 それでは私から報告をいたします。  永岡委員長並び松岡委員は、去る八月六日より八月十日までの五日間大阪府及び兵庫県に出張いたしまして、主として国の地方支分部局行政運営実情及び防衛産業工場実情調査いたして参りました。なおこの調査には、正式の派遣委員ではございませんが、八木委員が参加せられました。視察先大阪府庁外務省大阪連絡事務所近畿地方建設局大阪通商産業局及び第五管区海上保安本部、並びに酒衛産業工場として川崎重工業株式会社であります。なお、今回の視察中に松下電器産業株式会社の高槻及び茨木の両工場を見学する機会を得ました。以下順を追って調査の概要を簡単に御報告申し上げます。  まず大阪府庁におきましては、第一に国の地方出先機関、特に過般大阪府に設置せられた外務省大阪連絡事務所及び大阪通産局業務運営について、府庁側の所見をただしましたが、まず外務省大阪連絡事務所について府庁の詳明を申し上げますと、当事務所設置は、従来より地元関係者の強い要望に基いたものであり、今回この事務所設置せられたことにより、特別外貨による渡航者に対する旅券発行等が直接当事務所で行われることとなっため、海外貿易の盛んな阪神地区商社にとって、その渡航者のために著しく便宜となり、当事務所設置については、地元商社等より非常な感謝をもって迎えられておるとのことでありますが、将来は特に一般外貨による渡航暑に対する旅券発行も当事務所で行い得るようにしてほしい旨が述べられました  次に、大阪通産局について申し上げますと、現在通産省の施策地方庁へよく浸透しないうらみがあるため、涌産局をさらに強化し、その施策を十令浸透させ、積極的に地方庁を指導する体制を整えてほしい旨が述べられました。  第二に、去る三月米側により返還せられた伊丹空港整備について府庁の見解をただしましたが、大阪府としては一日も早く大阪国際空港を作ることが念願であり、これがため国の計画に協力して、その実現をはかるため努力しておるとのことであり、特に大阪国際空港実現のためには、現在の伊丹空港の規模は狭少であるため、新たに一万フィートの滑走路設置と、これに伴う土地の買収が急務であり、このためには約十二億五千万円の予算を必要とするが、政府においても、昭和三十-四年度にはこの予算措置をぜひ講じてほしい旨、また、伊丹空港拡張に対する地元民の意向は、民間空港のための拡張ならばやむを得ないという考えにまで緩和してきており、拡張のために特に反対する空気はない旨が述べられました。  第三は、臨時職員処遇に関する問題でありますが、大阪府には、本年七月一日現在六百二十八名の臨時職員がおりますが、この職員は主として河川道路関係単純労務者であり、その処遇については雇用期間を除き、任用給与等については正規職員と差別はなく、逐次正規職員繰り入れを行なっており、また河川道路工事は、これを請負に切りかえること等により、ここ二、三年のうちに臨時職員は解消する予定との説明でありました。  次に、外務省大阪連絡事務所について申し上げます。当事務所は、特別外貨による渡航者に対する旅券関係業務のほか、総数三十三に上る阪神地区領事団出先中央官庁大阪府庁及び地方公共団体との連絡、諸外国賓客に対する接待、便宜の供与、及び国際事情に関する啓発等をその所掌事務としておりますが、設置されて聞もない現在においては、これらの事務を積極的に遂行していくとともに、特に当地貿易通商の盛んな土地であることを考慮して、海外の現実の情報を早急的確に伝えることに努める方針である旨が述べられ、また、現在当事務所職員は、所長以下四名というきわめて貧弱な陣容であり、かくのごとき現状では、所期の目的を達成することは至難であるため、昭和三十四年度においてはその組織定員予算等につき抜本的拡充改善がなされたい旨の要望が述べられました。  次に、近畿地方建設局について申し上げます。近畿地方建設局においては、過般の定員法改正の際行われた定員外職員定員化について、当建設局におけるその実施の状況を調査いたしました。近畿地方建設局における定員外職員は、準職員及び補助員の二つに分れており、このうち準職員の定数は千二百六十三名となっておりますが、今回はこの準職員のうちから七百六十二名が定員化されております。さらにこの内訳を見ますと、事務技術系職員実数七百三十七名のうち六百十四名が、また技能労務系職員実数五百九名のうち百四十八名が定員化されており、事務技術系に比し、技能労務系が低率となっております。また、新定員への任用選考要領は、国家公務員試験合格者を優先任用するほか、事務技術系職員選考については、次の三段階にわたって行われたとのことであります。すなわち、第一次選考としては、局長、部長及び事務所長よりなる定員化のための会議を開き、まずABCの三段階に区分して任用候補者を選定し、第二次選考においては、これら候補者に対し面接試験実施、第三次選考として、局長委員長とする選考委員会を設け、第一及び第二次選考の結果を総合的に検討の上、任用予定者を内定したとのことであります。また、技能労務系職員選考については、各事務所長より順位を付して候補者を推選させ、その順位に従って選考委員会において選考の結果、任用者決定したとのことであります。近畿地方建設局においては、千二百三十六名の定員化要求したのに対し、七百六十二名が認められることになりましたので、この限られたワク内において選考するためには、このような方法によって行うほかなく、この選考方法については、職員組合等承認しており、フェアーな方法であると信じ、任用者については六月中旬までに昇格をほとんど完了しておるとのことであります。  次に、大阪通商産業局について申し上げます。  大阪通産局においては、同局特色及び組織権限等改善を要すると思われる点についてただしたのでありますが、まず同局特色について申し上げますと、大阪地区日本における貿易中心地区であるため、これに対応し、輸出入に関する業務を総括して処理するため、他の通産局には設置されていない通商部内部部局一つとして特に設け、しかも、この通商部大阪通産局業務のうち、最も重要な地位を占めておることであります。現在通商部定員九十一名でありますが、当地貿易実績は本年上半期において、全国輸出認証額の約四七%、全国輸入承認額の約三三%を占めており、その業務を処理するため、通商部は他の部局より人員の応援を得るほか、特に地元輸出組合より十一名の人員を借りて、人員不足を補っておるとの説明でありました。  次に、改善を要する点としては、特にその権限委譲の問題でありますが、現在通商関係事務のうち、輸出に関する権限相当大幅に通産局委譲されておるが、輸入に関する権限はほとんど本省に残されておるので、この際広範な外貨資金割当等権限通産局委譲されることが要望されており、特に大阪通産局においては、貿易業者の大部分当局管内に存在するため、そのサービス面から見ても、外貨資金割当等権限委譲を強く要望されたのであります。  次に、第五管区海上保安本部について申し上げます。神戸にある第五管区海上保安本部におきましては、第一に当本部業務特殊性について調査をいたしましたが、そのおもなものは、密輸密航及び漁業紛争に関する警備業務海難救助灯台業務等に見られますが、特に密輸密航関係では阪神地区が朝鮮、台湾、中共関係外国人居住者が非常に多い関係上、密輸密航事犯の根源が常に当地区にあるため、その警備業務を効果的に行う必要があるとのことであります。また、海難捜索救助には、早期救助を要するもの、長期間にわたって広大な海面の捜索を要するものが多く、現在の当管区の能力では、その救助に万全を期しがたく、その任務を完全に遂行するためには、二千トン級の巡視船及び航空勢力の充実が必要である旨が述べられました。なお、海難事故原因を見ると、適切な措置がとられれば、事故を未然に防止し得ると思われる点もあり、海難の起る原因を解消するために努力することがまた必要である旨が指摘せられました。  第二に、第五管区下部組織整備についてただしたのでありますが、現在当管区下部組織は、警備救難業務遂行上、至って劣勢であるため、さしあたりこれが強化のため、管内に六つの海上保安署新設及び遠洋海難捜索のため、航空基地新設を希望しておる旨が述べられました。  なお、海上保安庁船舶整備については、特にその修理のための予算が僅少であるため、十分な補修ができず、船舶は年々消耗を激しくしておるとのことであり、一般的に海上保安庁予算は、さらに改善を要する点が感ぜられたのであります。  最後に、川崎重工業株式会社について申し上げます。川崎重工業株式会社におきましては、造船関係における防衛産業工場一つとして視察をいたして参りました。当社は現在防衛庁より潜水艦の発注を受け、これの建造に当っております。この潜水艦海上自衛隊昭和三十一度度の艦船建造計画に基くものであり、川崎重工は昨年末、本艦の建造に着手し、私たちが参りましたときは、船体の外部が七割程度でき上っておりました。川崎重工は戦前においては、旧海軍の戦艦、空母、潜水艦等建造を行なっておりまして、特に潜水艦建造については、日本における最大の建造所一つであったとのことであります。今回建造されている潜水艦は、排水量約一千トン、水中速力約十九ノット、潜行深度百五十メートル、シュノーケル装置の最近型潜水艦であるため、高度の建造技術を必要とし、その建造には特に慎重を期しておるとのことでありました。なお川崎重工は、このほか海上自衛隊艦船建造としては、昭和三十年度の艦船建造計画一つとして警備艦一隻を建造し、本年二月竣工、防衛庁への引吏渡しを終っておるとのことでありました。  なお調査の詳細につきましては、委員会会議録の末尾に資料として添付することといたしたいと存じますので、右御了承願います。  以上をもちまして調査報告を終ります。
  8. 永岡光治

    委員長永岡光治君) 次に、東北班から御報告願います。
  9. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 当内閣委員会決定に基きまして、八月四日より九日までの六日間、青森及び秋田の両県下にある国の出先機関行政運営実情調査し、あわせて両県庁において人事行政等につき調査して参りました。なお、竹下理事も私と同道の予定でしたが、急に健康を害されまして参加ができませんでした。  視察先青森県庁青森海上保安部水産庁十和田湖孵化場秋田県庁秋田営林局及び秋田食糧事務所等でありました。以下、視察の結果について簡単に御報告申し上げます。  ます、青森県庁及び秋田県庁については、調査事項が共通しておりますので、便宜、一括して申し上げます。調査事項は、主として給与関係定員外職員の問題でありましたが、第一の給与関係は、特に寒冷地手当及び薪炭手当支給実情についてでありました。青森県の寒冷地区分は、全県五級地でありますが、秋田県は五級地と四級地の両地区に分れております。  青森県について申し上げますと、当地寒冷度は、北海道南部地区に比較してもほとんど劣らぬ程度の激しさであるにもかかわらず、青森県における薪炭手当の額が、北海道における石申手当の額に比較してもきわめて少額であることは、生活環境の相違があるとはいえ、不均衡ではないかとの意見県当局より述べられました。  また秋田県においては、県下における従来の寒冷地級区分が必ずしも適正ではなかったので、これが是正方要望しておったところ、今回の人事院勧告に基いて大幅な改正が行われることとなったのでありますが、それでもなお当県の河辺郡雄和村のごとく、一部にはいまだ取り残されたのではないがとも考えられるような地区もあるとのことでありました。  一般的な給与問題につきましては、両県ともに今までは定期昇給及び昇格等も比較的順調に行われてきたが、地方公務員国家公務員と異り、役所の比率が非常に少いため、現行のごとき給与体系においては、今後の昇給及び昇格に関して、国家公務員に比し、著しく不利益をこうむるのではないかとのことでありました。  また、今回の人事院勧告に基く初任給基準の引き上げ及び期末手当増額等に関する財源としては、国の場合と異り、既定予算の範囲内でまかなうことは、すこぶる困難であり、県財政立場からは従前と同様に、この増額分については特別交付金に待つよりほかはないとのことでありました。  第二の定員外職員の問題につきましては、両県ともに過去における定員縮小の影響を受けて、相当に多数の定員外職員をかかえており、その数も青森県においては定員約三千四百名に対し、定員外約一千二百六十名、秋田県においては定員約三千五百名に対し、定員外約一千一百名程度でありまして、両県ともにこれらの定員外職員の中に、準職員制度を設けてこれに該当する者はほとんど一般定員内職員と同様の処遇を与える等、種々その待遇改善策を講じておるようでありますが、これが定員化には、国の場合と同様すこぶる苦慮いたしているとのことでありました。  第三に、各県下にある国の地方出先機関との事務連絡等についての問題でありますが、両県ともにかつて他府県においても要望せられましたように、陸運行政に関する改善措置についての要望が述べられました。これを具体的に申し上げますと、陸運事務所は形式的には県の機関でありながら、実情人事権予算執行権も、すべて運輸省の手にあって、知事の責任ある行政執行は不可能な状態にあるので、これを実質的にも完全なる県の機関となるように改正してもらいたいとの要望が述べられました。その他、起債事業に対する監査制度及び各種事業に対する補助金交付方法改善措置等についても強い要望がなされました。  次に、青森海上保安部について申し上げます。当青森海上保安部は、塩釜市にある第二管区海上保安部下部機構でありまして、その所管区域は陸奥湾、津軽海峡及び日本海の三地区となっております。また、その業務警備救難港長事務、通信、水路、航路標識及び機雷探知等すこぶる多岐にわたっておりますが、このうち海難関係だけに限ってみても、管内における件数は昭和三十二年度四十七件、本年度においては七月末現在で三十六件を数え、第二管区内においては八戸、塩釜、釜石に次ぐ海難の多い地区でありますが、その救助率は六〇%で、このうち当庁による救助率は三五%であるとのことであります。今後の対策といたしましては、海難防止の啓蒙に努めることはもちろんでありますが、なお、これが救助に当る巡視船の増強が望ましいとのことでありました。特に当庁のごとく大型船配置はわずかに一隻のみであり、これを浮流機雷の警戒に充てるため、その行動の大半がこれに占められておる実情では、この間にもし万一青函連絡船等の大海難が発生しても、その救助活動はきわめて困難な状態にありますので、大型船の増配及び連絡施設の完備、でき得れば哨戒機ヘリコプター等配置も考慮すべきであり、なお、かかる問題は一部特定地域のみの問題ではなく、海上保安庁全体についても言える問題ではなかろうかと思います。  次に、水産庁十和田湖孵化場について申し上げます。当孵化場昭和二十七年に開設され、機構といたしましては場長以下三名の小世帯でありますが、十和田湖利用して姫マス人工購化を行なっております。十和田湖姫マスは近年その乱獲に災いされて、年々減少の一途をたどってきたのでありましたが、昭和二十七年当孵化場の開設以来、漁獲量の制限及び人工孵化量増加等、その指導に努めてきた結果、最近二、三年間においては漁量が急激に増加の傾向をたどっておるとのことでありました。  当地は、冬期積雪が非常に深いため、一年のうち十一月下旬から翌年四月下旬までは、外部との交通が全く遮断されてしまい、子弟の教育はもとよりのこと、種々の不便を忍ばなけれ心なりませんが、特に医療の面では万一の場合を考えますと、まことに重大な支障を来たすことになりますので、何とかこれが善後措置を講ずる必要を痛感いたしました。  次に、秋田営林局について申し上げます。当営林局においては、主として定員外職員の問題について調査いたしました。元来営林局における定員外職員の構成は、その業務の性格上非常複雑多岐にわたるものとなっておりまして、その総数は本年六月十五日現在をとってみても一万五千三百二十七名となっております。しかしてその内訳は、常勤作業員一千四百九十四名、堂用作業員一千八百十五名、定期作業員四千二百四十名、月雇作業員四千八百三十五名及び日雇作業員二千九百七十六名となっておるのであります。  また、その処遇実情について申し上げますと、常勤作業員にあっては、一般公務員法の分限、懲戒及び保障に関する規定はすべて適用されており、従って給与月給制をとっておりますが、その他の職員にあっては、日給制あるいは出来高払い制形式等をとっております。しかしながら、常用作業員といわれる者の中にも、その仕事の内容一般定員内の職員とほとんど変らない者も相当に多数おるとのことでありました。過般の定員法改正による定員外職員定員化につきましては、当営林局としても一応五百八人の割当がありましたので、近々中に選考試験を行なって、定員内に繰り入れを行うとのことでありました。  最後秋田食糧事務所について申し上げます。当食糧事務所は、管内に九支所、六十五出張所及び政府倉庫八棟をかかえており、職員数は本職員五百九十七名、常勤職員四十名及び通年非常勤職員三名の比較的大きな機構であります。  当所定員外職員について申し上げますと、本年三月三十一日現在においては、常勤職員六十名と通年非常勤職員二十九名で計八十九名の多きに達しておりましたが、過般の定員法改正により、本年四月一日付をもって常勤職員より四十六名が定員化され、通年非常勤職員より二十六名が常勤化された結果、定員外職員は現在のごとく常勤職員四十名、通年非常勤職員三名で計四十三名となったのであります。しかしながら、現在の常勤職員の中にも、勤続年数五年以上の者がいまだ半数以上も残されておるとのことでありました。  なお、当食糧事務所においては、将来の田沢疎水開通に伴う増反計画八郎潟干拓による増反計画及びその他耕地整理等の進捗に伴って、予算及び定員数増加はもとより、支所出張所増設等による機構拡充整備、また経理上の問題としては、支出官制度等について強い要望がなされました。  またこの際に、従来からしばしば問題となっておりました主要食糧調査統計事務につき、食糧事務所農林省統計調査事務所及び県庁との事務連絡実情についてただしましたところ、各機関ともそれぞれの立場において調査事務を遂行しており、形式的には一見類似または重複するように見えても、その利用目的、対象、精度及び時間的性格を考察するとき、その内容が異なるものが大部分であって、当所においても調査事務合理化のため、極力類似重複調査の弊を避けるとともに、他機関調査結果の利用に努めており、必要最小限度の独自の調査にとどめておる。なお、当所の取りまとめた結果については、それぞれの機関意見を徴し、また反面、県から意見を徴された場合には、当所調査結果について資料を提供し、あるいは意見を申し出る等の方法によって連絡をとっておるとのことでありました。  なお、調査の詳細につきましては、委員会会議録の末尾に資料として添付することといたしたいと存じますので、右御了承願います。  以上をもって口頭報告を終ります。
  10. 永岡光治

    委員長永岡光治君) それではただいまの御報告に対し、御質疑がございませんか。
  11. 竹下豐次

    竹下豐次君 松岡さんに簡単にお尋ねいたしますが、大阪通商産業局の貿易部が定員が足りないので、何か民間団体に加勢をさせておるという問題がございましたが、これは非常に異例なことだと思いますが、困った結果だろうと思いますが、よほど制度としては考えなければならぬことじゃないかと思うわけです。数年前これとちょっと違いますが、税関でやっぱり手が足りませんで、民間の団体に寄付させて、昔の請願巡査みたいのようなことをやっておったことがありました。それはいろんな弊害も伴うということで、私もそういう意見を出したことがあるのですが、それを大蔵省の方でやめさせたこともあるのです。今度の場合はそれと違いますが、ちょっと似通った点が考えられるのじゃないかと思います。そういうことだったら、ほんとうに人が足りないなら、むしろ定員を増してやらなければしょうがない。どうせ、貿易関係の人たちの定員の不足から派生しておる問題と思いますが、疑いますればそこにいろんな心配が起らないでもないと思います。仕事の内容を私は全く知りませんから、初めから疑ってかかるわけにはいきませんが、どうもちょっと変な取扱いじゃないかと思います。その点何か立ち入って定員の増員をしたいというようなお話があったのでしょうか。何か事情があったのでしょうか。
  12. 松岡平市

    松岡平市君 お答え申し上げます。その点につきましては、ただいま竹下委員から御指摘になったようなことを永岡委員長からも、私からも現場を視察したとき指摘いたしました。これは十一人かと思いましたが、十一人の人間をどういう団体が出しておるか、その事務内容が何であるかとか、あるいはその使命というようなことまで調査する必要があるものかということを考えましたが、いずれにいたしましても、そこまで調査する必要もない、そういうことはまことに不都合なことである、すみやかにそういうことはやめるようにしてほしい、こういう要望を述べておきましたが、これは適当な機会に通産省に向ってその事実を指摘して、それがやめ得るように、適当な措置をとらせるように、当委員会において私みずから通産省に勧告したいと、かように考えております。私たちも竹下委員の御指摘になったような心配を現地でして参りました。もっと詳細な調査をして報告することがよかったかもしれませんが、それよりも、もうそういうことはいけないのだ、こう考えましたので、そういうふうに当局に言って帰ってきたわけであります。
  13. 竹下豐次

    竹下豐次君 今承わりまして私も安心いたしたわけであります。なおできますならば、行政管理庁の方にもこれをお知らせ願っておいた方がいいじゃないかと思います。通産省の方ですぐ改めるということになれば、その必要もありませんけれども、通産省との話し合いの模様で、行政管理庁にお知らせしたらいいと思います。そういうふうにお願い申し上げます。
  14. 松岡平市

    松岡平市君 今竹下委員のお話しのあとの部分の行政管理庁のことですが、これに通報ということについては、調査の結果報告に基いて、これは調査室が一番適当であろうと思いますが、そこから行政管理庁に調査の結果を御通報していただくようにしていただきたい。さよう委員長からお取り計らい願いたいと希望いたします。
  15. 永岡光治

    委員長永岡光治君) ただいまの御要望委員長においてさように取り計らいたいと思います。  他に御発言もなければ……、ただいまの御報告中、両班とも調査の詳細にわたる資料会議録の末尾に掲載されたい旨の御要望がありましたが、さよう取り計らうことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 永岡光治

    委員長永岡光治君) それでは本件についてはこの程度にとどめ、委員会は午後一時から再開いたしたいと思います。これにて暫時休憩いたします。    午後零時六分休憩      ―――――・―――――    午後一時三十一分開会
  17. 永岡光治

    委員長永岡光治君) それでは委員会を再開いたします。  議事に入る前に、左藤防衛庁長官の方から、台風に関する問題について発言を求められておりますので、これを許します。
  18. 左藤義詮

    ○国務大臣(左藤義詮君) 御承知のように、ただいま相当大規模な台風が近づいておりますので、皆さん御心配をいただいたことと思うのでありますが、私どもの部隊のこれに対する準備態勢、あるいは災害等の場合の出動能勢につきましてこの機会に防衛局長から御報告させていただきたいと思六ます。
  19. 加藤陽三

    説明員(加藤陽三君) 台風二十二号は大体きょうの九時の図でございますが、この方向に向って北進を続けております。中心の気圧は九百ミリバール、最大風速は七〇メートル、中心入ら東側六百キロが二十五メートル以上の風速、中心から西側百キロメートルが二十五メートル以上の風速で大体北の方に向って進んでおるのでございます。現在は日本海にあります前線が南下しておりまして、これに台風が乗ス可能性が強いのでありまして、この場合は本土のいずれか、関東または車海道の方に上陸する可能性があるのでございます。速力はやや早くなっておりますので、今夕の七時ごろには本土に接近するのではないかと思っております。  私どもはこのような状況に対処いたしまして陸上、海上、航空の各自衛隊とも万全の準備態勢をとっております。各幕僚幹部における係官の当直を増強いたしております。陸上自衛隊につきましては第一管区、第十混成団全部隊に対しまして待機を命じまして、いつでも災害派遣の要請があれば、出動できるように万全の準備をさせております。海上自衛隊につきましては、海上にあります各艦船に対しまして刻々台風の状況を伝達しておりまして、それぞれもよりの港に入港し、荒天準備をするようにいたしております。すなわちエンジンの始動その他警戒に万全を期しまして、艦船の被害をなくする措置でございます。航空自衛隊は格納庫全部を使いましてこれに飛行機を収容し、収容できませんものは、地上に繋留をいたしております。土のうその他によりまして、相当の風速にも耐え得るように配慮いたしておる状況でございます。
  20. 永岡光治

    委員長永岡光治君) それでは国の防衛に関する調査のうち、航空自衛隊次期主力戦闘機機種選定に関する件を議題といたします。  まず、矢嶋君から発言を求められておりますので、これを許します。
  21. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 質問をする前に、ただいまこの台風状況について、長官みずから委員長に発言を求められて防衛庁の現在対処しつつある情勢について報告されたことにつきましては、私どもの従来希望申し上げ念願いたしておった線に沿うものであり、そのセンスに対しましては敬意を表します。全く異例の自発的発言としまして、まずこれに敬意を表し、その計画に基いて善処されるよう御要望申し上げて、質問に入りたいと思います。  本年度は、例年と事情が異なって、予算編成の作業というものが早くなっております。もちろん予算の編成権は、政府にあるわけでありますけれども、私ども立法府に席を置く者といたしましては、防衛庁の来年度、あるいは将来長きにわたる業務計画につきましては、重大なる関心を持っております。従って予算の編成作業と関連いたしまして、これら業務計画についてただしたいというのが、わが日本社会党の基本方針でありまするし、特にその計画の中の一つとしての新しい戦闘機種の問題につきましては、前国会において、あるいは予算委員会、あるいは当内閣委員会においてわが党の委員から質疑がなされ、また、それに対し意見も申し述べ、御要望も申し上げた次第でございますが、その後御承知のごとく衆議院の決算委員会においても、これらが取り上げられ、私どももそうでありますが、国民全般に対しては、大きなる疑惑を抱かしめるに至っているほど、まことに遺憾なことだと思っております。従って業務計画そのものもそうでありますが、この新戦闘機種の選定にからむ問題は、徹底的に立法府としてはこれを解明、究明しなければならぬ、こういう立場に立っております。従って事は急いでおる問題でありますので、私どもの党といたしましては、本日、相当突っ込んだ質疑もいたしたいと考えたのでございますけれども、いろいろ事情があり、午前中委員長理事打合会あるいは全員懇談会がありまして、本日は制約された範囲内において若干の質疑を申し上げよう、そうして当委員会としては、責任ある所管委員会として徹底的にこの問題を国民の前に明らかにする必要があり、場合には必要な人の証人喚問もする必要があるであろう、こういう話し合いがなされたわけであります。委員長理事打合会の申し合わせに従って、二、三点について長官に伺いたいのであります。その線に沿って一つお答え願いたいと思います。  まず伺いたい点は、きょうの持たれた委員会の趣旨は、おわかりになったでしょうが、それに沿って長官もお答え願いたいと思いますが、新戦闘機種の問題が衆議院の決算委員会においてすら、ああいうように取り上げられてずいぶんと問題化して参ったその原因、いきさつというものを長官はどういうように把握されておられるかということと、今後の見通しについてどういう御見解を持っておられるかということを、次の質問をする前提としてお伺いしたいと思います。
  22. 永岡光治

    委員長永岡光治君) ただいま政府側の方から出席をされております方々は左藤防衛庁長官、門叶官房長、加藤防衛局長、小山装備局長、廣岡国防会議事務局長、丸山調達庁長官、久保田調達庁補償課長、木島法務政務次官、以上であります。念のため申し上げておきます。
  23. 左藤義詮

    ○国務大臣(左藤義詮君) 次期戦闘機は、御承知のように四月の十二日に内定をいたしておるわけでありますが、それを国防会議で正式に御決定をいただくために、これを進行せしめるための諸条件の整備をいたしますために今努力いたしております段階でありますが、その段階におきまして、参議院の決算委員会においてそのことについて証人の御喚問があり、いろいろ本日もまだ続いておるようでございますが、御審議のようでございます。私も証人として喚問せられて、私の存じまする限りのことを申し述べたのでありますが、これがどういうような経過で、どういうふうに開かれたかということは、国会のことでございますので、私ども証人として喚問せられまして、これに対してお答えをいたした、こういうことでございます。  なお、今後のことにつきましては、先ほど申しましたように、私どもといたしましては、できるだけ早く国防会議で御決定をいただいて、御承知のようにこれは日本だけの予算でまかないきれませんので、相互援助計画によりまして、米側相当な負担をしてもらう。その日米交渉をいたしまして、その結果日本側で国産をいたします分につきまして私ども予算を出しまして、これが国会で御審議をいただいて、初めて契約その他の段階に入るわけでありまして、現在は国会でこの事態をいろいろな御疑念がございますれば、その点を明らかにしていただきまして、一日も早く国防会議の正式の決定に至るようにいたしたい、かように存じている次第でございます。
  24. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 国会の方で取り上げられているので、国会の解明はできるだけ早くしていただいて、一日も早く国防会議で最終決定をしたい、かようにお答えになっておられるわけですが、このことは国民も重大関心を払っていることであるから、国会におけるこの問題の究明が明確になり、国民がいだいている疑惑というものが解明されるような状態にならざる限りは、拙速はやらない、こういう長官のお考えだと了承してよろしゅうございますか。
  25. 左藤義詮

    ○国務大臣(左藤義詮君) この問題について正式に国会の御質疑をいただきますのは、私どもが国産の計画を立てまして予算を御審議願うのでございまするが、特にこの内閣委員会は何かとお世話になっている所管の委員会でございますので、ここでもしこの問題について御疑念がございますれば、広きるだけ私どもは事態を明らかにいみして、国民に疑惑の残らないようにしたいと思いまするが、しかし従来の経験から見ましても、日米交渉に相当の時日を要しまするし、できますれば子算が最後の閣議決定をされまするまでには、国産の予算案というものを私どもは持ち込みたいと思いまするので、当委員会におきまして御審議をいただくことはむろんけつこうでございますが、たくさんな国民のことでございますから、いろいろなうわさとか、あるいは意識的な反対とかいうようなことが全部解決しなければ、国防会議決定に至らないというようなことは、私ども申し上げかねるわけでございますが、できるだけ、臨時国会も開かれることでございますので、御審議をいただきまして、ガラス張りの中で国防会議最後の御決定をいただくようにいたしたい、かように存じております。
  26. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私はわれわれ自身この重大な関心を払っておりまするが、それ以上に納税者である国家の主権者は重大な関心を持っているわけです。だからあなたが申されるように、九千万の国民全部が了承した後でなければ云々ということでは困るというのは、ごもっともだと思います。それは私はわかりますが、少くとも現在の時点に立てる状況で、国防会議で最終決定をして、そうして事を運んでいくということは、行政府として言うのは穏当でないと私は考えるのですが、この点については長官も同感と思いますが、いかがでしょうか。
  27. 左藤義詮

    ○国務大臣(左藤義詮君) いつ国防会議を開いて、これを決定をいたしますのは、国防会議議長でございますが、私ども、私もその議員の一員でございますが、特にこれを所管いたしておりまする防衛庁といたしましては、先ほど申しまするように、予算の作成がございますので、大筋につきまして事態が明らかになりますれば、一日も早く国防会議で御決定をいただきたいと、かように存じます。
  28. 永岡光治

    委員長永岡光治君) 御質疑の途中でございますが、ただいま委員の異動がございましたので、御報告いたします。  松本治一郎君が辞任され、占部秀男君が選任されました。
  29. 永岡光治

    委員長永岡光治君) それでは、質疑をお続け願います。
  30. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私は長官にお伺いするわけは、先般長官は国防会議議長であり、かつ総理である岸さんにお目にかかって予算編成の作業も進んでおるようだから、できるだけすみやかに機種を決定をしてほしいという要望をされた。これに対して岸総理は、今の状態では無理だ、もう少し国民の前に事を明白にする必要がある、こういう御意見を述べられたということが各新聞紙上に報道されておるのですが、おそらく岸総理としてはそういうことを言われたと思うのです。大筋として云々と申されましても、この大筋を明確にするのには、ちょっとかかると思うのです。私はこの委員会の一員とし、また私の党を代表いたしまして、今の状態では、早く決定してほしいと総理並びに議長要望される長官の態度に対しては、私は不満です。少くとも全国民をこれだけ心配させておる問題、そうしてわれわれ立法府の者自体、先国会において質疑応答した内容、それから衆議院の決算委員会でやられている内容を速記録で拝見して、われわれ自体がわからない。キツネにつままれたようだ、徹底的に事をはっきりしなければならぬという気持で今一ぱいでおるわけです。従ってそれが明確になるまでは、機種の決定等を長官において急がれて、総理並びに国防会議議長に催促されるような態度は、一つ再考慮していただきたい、かような願いを持っているわけですが、いかがですか。
  31. 左藤義詮

    ○国務大臣(左藤義詮君) できるだけ事態を鮮明にして事を運びたいのは、私も同感でございますが、また、私は国防計画、将来の日本防衛の責任者といたしまして、日米交渉、その時間、予算、最終決定の時間に間に合うように、そういう点においても私は非常な焦慮をいたしておるわけでございます。その点に対しましては、私としては事態が明らかになり、しかも、すみやかに決定に至るように努力いたしますることは、私の責務であろうと存じております。
  32. 永岡光治

    委員長永岡光治君) なお、政府側からさらに山下防衛庁経理局長が見えておりますので、御報告申し上げます。
  33. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 事態が明らかになりかつすみやかに、こういうお話しで、一応この点の質問をやめましてこれに関連することですが、先ほど私の質問の前半の部分についての答弁は、長官としては私は不十分であり、不見識であると思う。この問題の事態を明らかにするに当っては、どういうわけでこういうふうに問題化して、全国民に心配をかけ、疑惑をいだかしめるに至ったか、われわれがやったどういう点に工合が悪い点があったのか、問題化したのはどういういきさつがあってこういうことになったのかという点については、長官はやはり考えを持っていなければならぬと思う。それでなければ、今後の解決策というものはないと思う。ところが、そのことについては、これは国会のことだから私には別に見解も何もありません、こういう御答弁ですが、これはちょっと無責任であり、不見識であると思うのですが、もう一回お聞きしたい。
  34. 左藤義詮

    ○国務大臣(左藤義詮君) どうしてこれが国会で取り上げられ、どういうような点が問題点になっているかにつきましては、私ども十分研究をいたしておりますが、しかし、国会のそういうお取り上げになった御意図等につきまして、私の方から御答弁する限りではないと存じます。遠慮をさしていただきたいと存じます。
  35. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その遠慮さしていただきたいということできょうは切っておきます。いずれこの点は私はあらゆる角度から究明したいと思います。委員長理事打合会の申し合せもありますので、これで切っておきます。時間を短かく終る関係上、率直に伺います。が、次り質問を発するために伺うわけですが、あなたはこの問題について防衛庁長官という資格において与党の三役とかあるいは大役とか、そういう人に呼ばれて意見を述べることを要請されたり、あるいはあなたに希望を述べられたりしたことがありますか、ありませんか。その有無と、あったならばその内容を簡単にお願いします。
  36. 左藤義詮

    ○国務大臣(左藤義詮君) 政党内閣でございまして、私ども与党から出ておる閣僚でございますので、党の幹部といろいろ打ち合せをいたしましたり、あるいは相談をいたしますことはございますが、いつどこで、どういう話があったということにつきましては、私はこれも御遠慮いたしたいと思います。
  37. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その点は遠慮を許されぬことだと思う。きょうのところは一、二伺って、いずれあらためて聞きますが、長官は岸総理に対して、予算編成も迫っておるから、早く国防会議を開いてきめてほしいという要請を長官としてされております。で、私はここで伺いたい点は、長官としては、F11F-1Fというのを、グラマンですね。これで早くきめてほしいという気持でおられ、それに努力されておられるのか。それとも川島幹事長とか、あるいは河野総務会長から非常に要請があるF104-Cですね。あなたは幹部に会ったとき遠慮しているのは、このF-104Cの検討を総務会長から相当強く要望されているはずです。そのF-104Cを政党内閣だから、あなた党出身の大臣だから、その要請もあるから、それを検討しようとするのか、あるいは全く白紙なのか、今の現在の時点における長官の態度はどうなんですか、お伺いしたい。
  38. 左藤義詮

    ○国務大臣(左藤義詮君) 御遠慮すると申し上げましたが、今御質問の点について申し上げますと、F-104Cというものについて、いろいろな、非常に安くていいものがどんどんできているということであるので、その資料についてもう少し検討したらどうだということで、私どもといたしましては、104Cをプロポーズしておりますロッキード社にいろいろデータを聞きまして、これを検討いたしたのでございますが、これにはただ会社の申しますだけでは、先ほど申しまするように、これを国産化しなければなりません。国産化する場合には、いろいろな条件を考え合せまして検討いたしますと、必ずしも会社の申しているようではないのでございまして、私ども防衛庁の自主的な立場から、世間で言われておる、あるいはロッキード社が言うておるように、これが非常に安くて非常にいいものだというふうには考えられませんので、その資料を私どもが出しておるのでございますが、そういうことも、先ほど国防会議においてはお考え合せいただきまして、決定をいただくことと思います。
  39. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 あなたの言動と今の答弁からは、私は現在のあなたの態度はかような次のようなことだと考えるのですが、お答え願いたいと思う。それは、あなたは八月十九日にF-104Cの十分でない、今ここで述べられたような内容のことを河野さんに話しているわけです。そのときに、河野さんから検討が足りないといってけ飛ばされているわけですね、拒否されているわけです。それらと、その後、総理である、議長である岸さんに会って、早くきめてほしいということから考えるときに、四月十二日に内定したグラマンのF11F-1F、これがやはり今のところ最適である、だからこれを早くきめていただこう、こういうことが心理状態にあるものと推察するわけですが、いかがですか。それとも、グラマンもロッキードもいずれも白紙にしているのか。私がここで伺っているのは、何も私はグラマンがいいとか、ロッキードがいいとかいうのでなくて、いずれ、ミサイル時代における防衛体制については、本質的にあなたの御意見を伺おうと思っているのですが、きょうはそういう点からあなたのお考えを伺っているので、その点明快にお答え願いたい。
  40. 左藤義詮

    ○国務大臣(左藤義詮君) C104につきまして私どもがロッキード社の言うそのままじゃございません、私どもの方の立場から検討をいたしましたその資料も、むろん私どもが国防会議資料としてお出しするのでありますが、防衛庁において検討いたしました結果は、C104についてロッキード社の申しておりまするようなそのままを私どもはとることはできませんので、これを国産化しますいろいろな私どもは条件を十分整備をいたしまして、そうしてグラマン社のF11F-1Fの資料と比較しましたものを、国防会議に出しまして御決定をいただきたいと思います。
  41. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そこで質問を続けますが、問題を明確にしてできるだけ早くきめたいということになれば、決定に至るまでには、プロセスというものがある。その過程は非常に大事だと思う。その立場から伺うのですが、八月二十二日に党大役会議に衆議院の決算委員長の田中さんとあなたも出られて、そうして機種選定委員会を作る。しかも、これは赤城官房長官を中心に作って、そういう党の幹部の考え方で、白紙の人で構成するために、防衛庁関係の人を除いてそうして調査し、きめる。正式な名前はきまっていませんが、機種選定委員会を赤城さんを中心に作る、通称これは赤城委員会と言っていますが、こういうものを作るということを、党の幹部とあなたを含めてきめている、防衛庁長官を含めて、このことについては長官としてはどういう見解を持たれているのか。新機種をきめるに当っては経過があるわけで、どこでどういうように議論されるかということは大事なことだと思います。従ってその立場からこれを伺っているので、八月二十二日のこの話し合いがあったことは事実です、これを否定されるならば否定すると言って下さい。それであったら、そういう委員会を設けてやるということについては、これを防衛庁長官としてはどういうふうにお考えを持っておられるか伺いたいと思います。
  42. 左藤義詮

    ○国務大臣(左藤義詮君) そういうお話がありました席に、私もい合せましたのでございますが、私の存じまするところでは、これを正式に党で、あるいは官房長官と党員の話し合いできめてこういう委員会を作ろうということを最終的に御決定になったものではないと私は存じております。ただ、非常にいろいろな、今までの決定、内定につきまして問題があるようだから、C104のことについても、防衛庁としては念を入れてやってみたが、われわれの意見を、今までの研究を大きく変えるような状態ではないということを申し上げたのでありまするが、しかし防衛庁だけの意見で、やはり世間の人を納得するように、もう少し外から学識経験者等のいろいろな意見も聞いたらいいじゃないか、こういうような御注意もございましたので、国防会議事務局長があっせんをいたしまして、特に航空機の生産について経験のあります人々に、防衛庁から今まで検討いたしましたその結論を一つ何と申しますか、御批判を願ったのでありますが、その結果も、私どもの結論と大きな変りはなかったのでございますが、しかし、まあそれでもまだ世間のいろいろな疑惑が十分解けないならば、官房長官のところでもっと広く学識経験者を集めて防衛庁がこういうふうに検討しているこの資料について間違っているか間違っていないかということをお調べいただくこともまたいいのじゃなかろうかというような話がございまして、それじゃそういうふうにしようとか、何々委員会を作ろうというようなところまでは、党議としても、むろん官房長官も御決意になったわけではないと存じております。今後国会における御審議等も私はおそらく見まして、お考えになることだと思います。こういうふうにしたらよかろうというなお話は私はそばにいて聞いておりましたが、新聞等に出ておりますような機種選定委員会だとか、あるいは赤城委員会とかいうようなものを、いよいよ作るということにつきましては、まだ決定をいたしていないというように私は存じております。
  43. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 まあよく言えば、防衛庁当局は謙虚だとともとれるが、しかし謙虚ととれないですよ。これはまことに私は自主性のない、まあ、言葉は適当でないかもしれぬが、だらしないと思っております。非常に問題があります。重ねて聞きますが、それでは長官の認識としては、機種を調査する、あるいは選定するような、そういう委員会を内閣に設けること、それから四月十二日のF11F-1Fの内定を白紙に戻す、この二つが決定されたと申しますか、この二つの、党六役会議と田中さん、あなたを入れてこの内閣に委員会を作るということと、四月十二日の内定を一応白紙に返す、この申し合せというものは白紙になっている、そういうことはないのだ、こう長官は認識している、かようにとってよろしゅうございますか。
  44. 左藤義詮

    ○国務大臣(左藤義詮君) さようでございます。
  45. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それからちょっと返ってさらに伺いますが、先ほどあなたは廣岡国防会議事務局長を中心にして、そして民間業者、経験者のお集りを願って検討する会を持つということですが、これは廣岡事務局長が自発的に持ったものでなくて……、持ったことにするとおかしいと思う。国防会議の構成上からおかしいと思うのです。これは廣岡事務局長が自発的に持ったのじゃなくて、防衛庁長官のあなたの方から廣岡君、君の方で一つ主催者になってそして経験者を集めて検討してもらえぬかということを、あなたの方から廣岡事務局長に持ちかけて、これを廣岡事務局長はいやいやながらそれを受けてやっているわけですね。これをあなたはどう考えられますか。これはあなたは非常に文化人ですから、私は同僚として敬意を払っている点があるのですが、謙虚さはある。しかし、物事には筋というものがあると思う。謙虚さなんかでは済まされぬことだと思う。あれだけの機構組織を持ち、予算を使っている防衛庁日本防衛の大綱のもとに研究するという場合に、みずからをネグレクトして、そして国防会議事務局長あたりを中心にしてやるということは私はとんでもないことで、私は無責任とさえ感ずるのですが、今の長官はどのような段階におられますか。
  46. 左藤義詮

    ○国務大臣(左藤義詮君) 私の方で出しました資料を、今国防会議整備いたしておるのでございますが、その資料につきまして、私どもは自信を持って出しておるのでございますが、いろいろ世間の御心配もあるようだからして、できるだけこれを広く学識経験者の意見を聞いた方がいい、こういう党の方の意見でございますので、それならば私どもが自分のやっていることをリコンフアームしてもらうために、私どものところでお願いするよりも、われわれの出す資料整備して国防会議に出すべき責任を持っている国防会議事務局長の方でごあっせんをいただく、むろん、この資料を作りました私どもの方の責任者は、その席に行って御説明は申し上げます。この御説明を申し上げる私どものいろいろ作業をいたしましたことを、角度を広くしてお調べいただく、こういうことでございまするから、国防会議事務局長の方にお願いをいたした次第でございます。
  47. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 しかも、その八月十九日の廣岡事務局長主催にかかる研究会ですか、それに対して河野総務会長はそんなやり方じゃだめだと言うて、防衛庁当局並びにあなたに苦言が呈せられた。これを否定するかどうかということですね。そのあとで出てきたのは、そんなものではだめだから、だから赤城さんを中心に内閣に検討する会を作ろう、それには防衛庁関係の人が入らなくて研究の委員会を作ろう、こういうことにきまったと私は認識しているのです。そこで、私は繰返して伺うのですが、今度の防衛庁を除いた内閣直属の検討する委員会というようなものを、国務大臣として、防衛庁長官としてそういうものをあなたは認められるのかどうか。検討するに当っては、やはり防衛庁当局としてはその責任を負って参加するような形で最終決定のコースを歩まんとしているのかどうか、その点明確に一つ答えを願いたい。
  48. 左藤義詮

    ○国務大臣(左藤義詮君) 国防会議議長あるいは党の幹部が、もう一度一つ念を入れてということで、官房長官のおっしゃるように、どうなりますか、そういうような私どもの作りました、作業をいたしました資料を、もう一度よく一つ再確認していただくということでございますれば、先ほど防衛庁を除くとおっしゃいましたが、むろん、私どもが作りました作業でございますので、これを御説明いたさなければ、資料がないわけでございますから、どういう形のものができますにしましても、防衛庁が全然除外せられて防衛庁がつんぼさじきに置かれて、他の場所において決定をすることはないと思います。繰り返して申し上げますが、決定をいたしますのは、国防会議でございます。国防会議には私も議員として出席をいたします。その国防会議に提出すべき資料を私どもが作った。その資料をもう一度一つ念を入れて御検討になるかどうかということです。しかし、これは先ほど申しまするように、そういうふうにしたらどうだろうという御相談はあったようですが、それが決定いたしまして、いよいよこういうものを開くからということは、私は御通知もいただいておりません。官房長官からもそういう話は聞いておりません。
  49. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 機種選定機関は、重点はそういうところに動きつつあると思うのです、政治的には。だから、緊急だから、この点私は明確にする必要があるので、意見をまじえて伺っているわけで、重ねて伺いますが、この国防会議の構成等に関する法律の六条には、議長関係者を会議に出席させ、意見を述べさせることができると規定があるわけです。それから国防会議の構成等に関する法律の施行令には、御承知のように参事官八人もいるわけなんです。それから幹事もいるわけです。こういう機関があるわけですから、さらに意見を聞こうと思えば、専門家を呼んで意見を聞くことができるわけですから、検討する機関というものは、さようにして作られなくちゃならぬと思うのです。巷間伝えられているような、防衛庁の連中はどうも信用できぬ、どうもくさいからというような、こういう立場で、これを除いた形で、機種選定委員会を赤城官房長官が主催するというような印象を与えるような報道がなされて、また、そういう方向にいきつつあると思うのですが、これは私はゆゆしき事柄だと思うわけです。重ねてこの点に対する長官として、国務大臣として、党に対し、あるいは閣議において、どういう対処の仕方をするかという点を明確にしてもらうことと、それと関連して、きょうは限定されていますが、大きく聞きませんが、伺いたい点は、これをあわせ考えるときに、河野さんの動きというのは、私はおかしいと思うのです。あの人は経済企画庁長官として、十二月も一月も四月も全部国防会議並びに懇談会には出ている。しかも、その国防会議決定というものは全会一致制をとっている。その議員であった人が、今議員でなくなったからといって、一連の言動をされている点については、これはぜひとも究明しなくちゃならぬクェスチョン・マークであると思うのですが、あなたも今、国防会議の議員ですが、長官をやめられると議員をはずれるわけですね。あなたもそういう立場に立ってくるわけですが、一体ああいう言動に対しては、対処の仕方については、今長官であられるあなたとしては、どういう見解をもってながめておられるか、あなたが今度防衛庁長官をやめられて、そうして一参議院議員になったときに、国防会議の事項のあらためて起った場合に、あなたがどういう態度をとられるかということは、私は重大なる関心があると思う。だからそういう立場からお伺い申し上げているわけです。その二点を伺いたいと思います。
  50. 左藤義詮

    ○国務大臣(左藤義詮君) 最初の御質問でございますが、申すまでもなく、最後決定は国防会議でいたされますので、国防会議の私一員として、またこれを責任をもって資料を作成いたしました防衛庁を代表する者として、十分私の立場を明らかにしたいと思っております。  河野総務会長のことについてのお話がございましたが、これは私から申し上げるべきことじゃないと思います。私自身が現在は議員でございますが、議員をやめたあとどういうことをするかというお話しでございますが、私は党の実力者でもございませんし、仮定のことについては今……、やめることは仮定じゃなしにきまっておりますけれども、その場合に私が議員として在任中に賛成いたしましたことを、かれこれ私がまた違った意見を申すようなことはあり得ないと存じます。
  51. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そこで、申し合せがありますから、もうちょっとで終りますが、先ほどの機種最終決定に至るまでの過程としては、あくまでも防衛庁はできるだけの資料を整え、これを説明し、国防会議はもちろんのこと、国会、国民もその疑惑の晴れるように努力をし、そういう形で決定いたしたい。その決定の時期というものは、あなたのお考えでは、でき得べくんば来年度の予算が最終確定するまでには決定に至りたい、そういう目途で今後進んで参りたい、こういうお考えだと、かように了承してよろしゅうございますか。
  52. 左藤義詮

    ○国務大臣(左藤義詮君) そういう方向に向って微力を尽したいと存じます。
  53. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 最後に、私は資料要求いたしておきますが、資料要求する前にちょっと要望申し上げておきます。それは新機種決定は、昨年は十二月末までには終りたいという目途で進んでいたようです。それがだんだんおくれ、さらに科学の進歩と飛行機の件能の進歩等によって、情勢も変って克ていると思うのです。だからそういうミサイル時代における新しい要素も新たに加、えて検討すべきじゃないか、また私はしてほしいと、こういう要望をまずもって申し上げておきます。  それらはいずれ当委員会で、各委員諸君からの質疑と調査によって明白になってくるかと思うのですが、そこでその調査のための資料として若干御提出を願いたいものをお願い申し上げますので、おとどめおき願いたいと思うのです。その一つは、四月十二日の国防会議に提出されました機種選定に必要なる資料、それには価格とかあるいは性能とかが書かれておるわけでありましてその資料、それからその後あなた方が過去機種の性能あるいは価格について入手された資料があるはずです。その資料もあわせて出していただきたい。  それから次は、先般の国会で、この委員会に出されました航空機生産関係資料という資料ですね。ジェット機T133A、F-86Fの生産計画、それから日米経費分担これらの表を出されているわけですが、こういう表はその後変っていないのかどうかですね、変っておられたら、その変更の部分を示していただきたいのです。まあ、他の委員諸君も審議する必要上、なくされている人は困ると思うのであらためてプリントして出していただきたいと思います、審議上重要な資料でありますから。  それと四月十五日に私が当委員会質問したときに、小山装備局長はこういう答弁をしているのです。具体的に生産機数とか、生産計画を作るわけだ。その生産機数とか、生産計画が具体的にできた後に、どこに発注するかがきまる。こういう答弁を私の質問にしているわけです。ところが、その後衆議院の決算委員会の速記録を見ますと、発注をする担当会社を新三菱ときめた。それから川崎航空をサブときめた。その両会社に持たしたわけですね。新三菱を主にしたわけです。そうして新三菱の方からアメリカに五月、六月調査団をやった。かように廣岡事務局長が証言しているわけですね。健って提出要求をする資料はこの資料と、これは変ったのか変らぬのかということと、四月十五日小山装備局長が私に答えました生産機数と生産計画はいっきめて、その内容はどういうものかそれを表にして出していただきたい。
  54. 左藤義詮

    ○国務大臣(左藤義詮君) それは新しい方の分ですか。
  55. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そうです。この答弁ではできているはずです。できていないで新三菱と川崎がきまって、そうしてアメリカに飛んでいったりして、それから価格なんかきめるというはずはない。この四月十五日の答弁か!言えば当然あるはずですから、なければこの答えは私にうそをついたということになるわけです。容認できぬのです。だからそれを資料として出していただきたい。それからもう一つは、ミサイル時代の防空体制をこれをどういうふうにお考えになって、どういう計画であるかということを文書にして出してもらいたい。ということは、かつて永岡委員長からわが国の現在における兵備と防衛計画についての文誰を資料で出していただいたことがある。津島長官のときです。それは質疑もかなりやったわけですが、その後情勢が変っておりますし、少くともミサイル時代においての防空体制をどう考えているかということは、飛行機の機種選定に当ってその性能と関連を持ってくるわけですからね。防衛庁当局としては一応まとまった作文というものを私は持っていると思う。だからそれを作文化して出していただく。一応きょうのところは、三つの資料を次の委員会が開かれる前日まで、各委員のボックスに置いていただくようにしていただきたい。
  56. 左藤義詮

    ○国務大臣(左藤義詮君) ただいま御要望資料はできるだけ整備いたしたいと思いますが、第一は四月十二日に出しました資料、第二にそれ以後に入手した資料というお話しでございましたが、私どもはあらゆる努力をいたしまして、いろいろな米軍関係資料を入手しておるのでございまして、これは米軍の秘密の関係もございまするし、その後の四月十五日に出しましたのが私どもの結論でございまして、その後のいろいろな私どもが勉強いたしております資料を全部出すということになったら、大へん膨大なことになります。
  57. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その資料についていろいろあるわけですが、国民の疑惑を解く意味においてロッキードだけ出していただきたい。これは当初はアメリカ軍からなかなか出されなかったけれども、その後米軍からオーケーがあって、秘密でなくなっているはずですからね。その後米軍の許可を得て出されたものがある。これは出せると思います。それを出していただきたいと思います。
  58. 左藤義詮

    ○国務大臣(左藤義詮君) 了承しました。  第三はT-33、F-86Fの生産計画、これは前にも出しましたが、その後喜、二、三と進めております実態を十分実情に応じまして差し上げたいと思います。  それから第五のミサイル時代の防空体制につきましては、私どもとして検討しておりますものを作文いたしまして出したいと思います。  第四番目のこれは装備局長がお答えをいたしましたのはT-33、F186F等のことについて申し上げたと思いますが、今度の新機種について……。
  59. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 これは新機種についての答弁ですよ。
  60. 左藤義詮

    ○国務大臣(左藤義詮君) 新機種につきましては、国防会議で四月十二日内定をいたしましたのは、今後の計画の進行なり、諸条件を整備するために一応内定いたしたということでございまして、これをいよいよその資料整備いたしますためには、グラマン社のものにつきまして、これを国産するのには、どれくらいの時間がかかって、どういうような費用でできるかということを、実際にいわゆる見積りをしなければなりませんので、これは通産省がこういう航空機その他のことについては指導権を持たれるのでありますが、私どももむろん相談をいたしまして、現在の資力や技術とかいろいろなことを考え合せまして、三菱がメインを持っていただく、川崎がサブを持っていただくということでやれるかどうか、やらしていただきます、それなら一つ三菱の方ではこれを実際部品を入れ、その指導を受けてやるのはグラマンでございますから、これらと十分向うと打ち合せしなければなりません。それをさせて価格等を出させたわけでございまして、これは決してこの契約でもございませんし、ただ向うが勉強をいたして一つこういうふうにやりますということなんでございまして、このことがむろん予算は一文もついていることじゃございませんので、何ら政府を拘束することはございません。もしこの計画ができませんければ、これは三菱のリスクになることなんでございまして、そういう意味におきまして今仰せられましたような趣旨の資料を出すということは、行き過ぎかと思うのであります。
  61. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 これは行き過ぎでなくて、もう一回これは申し上げて私は出していただきたいと思うんですね。納得できぬですよ。行き過ぎどころでなくて、これはあなた方としても無責任ですよ。私はこの前の国会で四月十二日にF11-1Fのグラマンが内定したときに、その当時の説明では、三カ年計画で三百機作るんだというお話があって、一体どのくらいだと言ったら、約百万ドルもあればいい、これは加藤さんの答弁なんです。それで千億をこえますというようなことで、この新機種の決定に当っては、いろいろまあ会社が、外国商社も争ったが、日本商社も川崎航空と新三菱重工がやはりさや当てしたこともこれは事実なんだから、じゃどこにどういうふうにやらせるつもりかということを伺ったら、それは生産機数がきまり、生産計画というものがはっきりして、それからどこにどういうふうにやらせるかということがきまるんだという説明で、私は了承したわけです。それを今のような話であると、何機作るか、それから何カ年に作るか、施設設備をどうしていつに作るか、それからコストを幾らにするか、そういうことをきめないで、それでまずその機種だけきめて、そうしてその新三菱さんと川崎さんにやらせて、そうしてあなた方専門家だからアメリカに行って二百五十機なら幾ら、三百機なら幾らでできるということを相談してきてほしいということで、当事者を向うにやってそうしてアメリカのメーカーと日本のメーカーがそろばんをはじいて、二百五十機なら幾ら、三百機なら幾らとはじいてくるのを受けて立つ、受けるというような、そんなべらぼうなことはないと思うのですよ。このF1111Fにきまっただけで、グラマンの株はアメリカで上ったということが当時伝えられたのですね。大喜びだったようなのですね。国内の方は、三菱さんにしたって、川崎さんにしたってこれで相当もうけることは間違いないでしょう。T133のジェット機もなくなるし、F-86Fの場合三十五年の三月に切れるわけですからね、だからのどから手が出るように新機種をほしいわけです。そういうアメリカと日本の軍需産業家だけに何機どういう計画で作ったら幾らになるということを検討させるというようなこんな不見識なことはないと思う。これはあなた方は幹事会もあるのだし、それから参事官というのもいるのだし、それからどれからでも意見を聞くことができるのだから、当然小山さんが私に答弁したように、英知をしぼって十分資料を合せてそうしてA、B、Cそれぞれ五種類飛行機があったわけです。それらについて生産機数は幾ら、あるいは三百なら幾らというちゃんとテーブルを作って、飛行機の性能等の表も作って、そうしていずれにきめるかという行き方が当然じゃないのですか。小学校や中学校の生徒にこういう決定の経過というものを説明したって納得しませんよ。私は当時小山さんが生産機数とか生産計画を作る、それからどこにやらせるかということがきまるのだと言うので、そのときに値段、単価も話し合いされてきまるものと、かように思っておったわけです。ところが、最近衆議院の答弁を見るとおかしいから、だから四月十五日の速記録に基いて資料として出していただきたい、かように要望申し上げておるわけですから、どんな簡単なものでも、あるものでけっこうです、それよりいたし方ないと思いますから、出していただきたい。
  62. 左藤義詮

    ○国務大臣(左藤義詮君) 私の申し上げましたのは、一部に心配されておりまするように、われわれが内定だけで、将来国民の負担になるような契約を、それに類することをしたのではないか、とにかく拘束されるようなことをしていないかというようなことを心配されておりますので、さようなことはいたしておりませんということを申し上げたわけでございまして、今お話しの資料はどの点まで出せるか、四月十五日の経緯もございますので、これは装備局長から御説明いたします。
  63. 小山雄二

    説明員(小山雄二君) 四月十五日に私はどういう話をしましたか、あとで私も速記録を読んでなにしますが、おそらく機種が内定いたしましてこれを決定に持っていくための諸条件を整備するということがありますので、矢嶋先生の御質問の意味は担当会社をいっきめていつ契約のような段階にいくのだというお話に対する答弁だと思います。今諸条件を整備するための準備をいたしまするのは、普通のものを買うのと違いまして、アメリカの会社でどのくらい作れる力があり、また日本の会社はどのくらい作る力があるということを相互に打ち合せまして、それに対する設備の関係いろいろまとめまして、二つまとまったものを一つにしました計画を作らせませんことには、すべての段取りはっかぬわけです。従って通産省が、かりにこれが採用になるとすれば、主メーカーは三菱、副メーカーは川崎、これはこの産業の上から選定してその含みで作業をしてもらいたい、一つ作業をするかと、それはしましょうということで、そういう作業をしまして、これにはわれわれの条件をいろいろ与えまして、それをまとめた三菱とグラマンの両方の提案というものが出ている。われわれがこれを国防会議に出しますのは、そのまま出すのじゃございません。われわれとしていろいろな点をチェックしまして、査定をいたしまして出す。その資料の御要望なら出します。その前の資料は、内定のときに防衛庁会議の設備やいろいろな実情を聞かずに、要するにグラマンと三菱というものがきまっておりませんから、防衛庁だけの判断で作ったもので、これは先ほどの国防会議に提出した資料ということでお許しいただきたい。
  64. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 とにかく出してみて下さい。
  65. 八木幸吉

    八木幸吉君 新機種選定委員会の問題に関連して、ごくおもな点、一、二をお伺いしまして、引き続いて資料の提出をお願いしたいと思います。  第一に伺いたいのは、一体新機種の決定は、国防会議決定を経なければならぬ問題であるか、あるいは防衛庁だけで決定し得べきものではないか、この点を防衛庁長官に伺いたいのであります。と申しますのは、防衛庁設置法の第四十二条には国防会議のことが規定されておりまするが、その中に内閣総理大臣が国防会議に諮らなければならない事項として 「国防の基本方針」、「防衛計画の大綱」、「前号の計画に関連する産業等の調整計画の大綱」、「防衛出動の可否」、「その他内閣総理大臣が必要と認める国防に関する重要事項」、こういう事柄が列挙してありましてしかも御承知の通り国防会議の構成員というものは、きわめて高いレベルの人たちであります。必ずしも技術的の・専門家ではないのでありまして、私はこの新機種の決定といったようなことが、果して国防会議の議決事項になるかどうかという点については、相当疑問があるのじゃないか。たとえば今後の日本の国防方針をミサイルに重点を置くか、あるいはこの段階においてもなお戦闘機を中心にするか、陸軍、海軍、陸上自衛隊、海上自衛隊航空自衛隊のバランスをどのようにするか、あるいは日本とアメリカとの防衛の体制をどういう方向でやるかといったようなもっとハイ・レベルなものをきめるのが国防会議の本来の性質であって、新機種をF11F-1Fにきめるか、あるいはF-104Aにきめるかというようなことは、これは防衛庁そのものが責任を持っておきめになることじゃないかと私は思います。もちろん、内閣総理大臣としては防衛庁長官を指揮監督する立場でありますから、それはいろいろ諮問されることもいいでしょう。また、国防会議そのものが今後の新機種はどういうものにきめたのだというふうな意見が出れば、これに答えるということもむろんいいでしょう。しかし、これを機種の内容まで果して国防会議できめなければ、防衛庁というものは何にもできないのだといったような、そんな自信のないあわれな存在であると私は思わない。でありますから、果して、問題はもとに戻りまして新機種決定というものが、国防会議の議決事項であるならば、このうちの一体どれに当てはまって、どういう見解でぜひ議決しなければならぬか、この基本的な点をまずお伺いしておきたいと思います。
  66. 左藤義詮

    ○国務大臣(左藤義詮君) これを国防会議に付議いたしました当時、私着任以前でございますが、非常に大きな計画であり、また数年にわたって大きな財政の裏づけが必要でありますので、またわが国の防衛産業という面からも関連をいたしますので、もし法律で申しますならば、第五の、総理大臣が必要と認められて、防衛庁長官と御相談の上で、これを私は国防会議の議題とせられたものと、かように存じております。
  67. 八木幸吉

    八木幸吉君 今、新機種の決定防衛産業との関係がある、こういうふうな御答弁でありましたけれども、それは新しい戦闘機を百機日本で作るか、あるいは三百機作るか、年次計画をどうするかというふうな問題がありましょう。しかし、これは104にきまろうが、F11F-1Fにきまろうが、その辺のところまでが一体それほど大きな日本のあるいは外務大臣とか、あるいは大蔵大臣が寄ってきめなきやなら也問題だと私は考えない。それほど防衛庁というものがかよわい、頼りない存在であると私は思わない。今の長官の御答弁は、非常に便宜的な答弁でありますけれども、本質的なものでない……。私は考えますので、必ずしもこの席でその答弁を突き詰めてまで私は求めませんけれども、あるいは法制局なり、あるいは内閣なり、もう少し本質的に問題をお考えになって、新機種の決宗ということが、一体国防会議の議決事項であるかどうかという点についての御研究を私は希望いたしておきます。これ以上私は答弁は求めません。  次に私申し上げたいのは、衆議院の九月九日の決算委員会の議事でありますが、この中で川島証人がこういう評言をしておられます。ちょっと読んでみます。「防衛庁だけで研究した結果、疑惑を持たれたのでありますからして、防衛庁の影響力のない委員会を作る必要があるのでありまして、それには防衛庁と離れて内閣に、赤城官房長官を主催にして、適当な民間の人を集めて研究してもらう、こういうことが趣意であります。言いかえれば、防衛庁がやった今までの措置に対しまして疑惑を一掃するために防衛庁以外の人が必要だ、こう考えたわけであります。」、これが川島証人の証言でありますが、一体今の新機種の決定に対して、いろいろ国民の間に疑惑のあることは事実であります。事実でありますけれども、いやしくも防衛庁という大きな行政機関があって、それが一部国会で問題になったからというて、すぐ防衛庁以外に委員会というものを作って、内閣、党でやられることは、これは別なんです。内閣で作って、内閣官房長官がその委員長格になって、そうしてきめなければならぬというほど、一体防衛庁というものはあわれな存在であるかどうかということを私は疑います。防衛庁というものは、日本の国防の責任に任じておる重要な一つ組織であります。その組織が疑惑を持たれたからといって、防衛庁以外の、防衛庁の影響力のない委員会でこれを審議する、ばかばかしい話だと私は思う。でありますから、疑惑があれば、国会でいかなる手を尽しても、防衛庁そのものがこれの解明の任に当る、これは当然でありまするけれども、防衛庁以外にこういう委員会を作って、そうして防衛庁の国民からの疑惑を一掃するというようなことを甘んじてお受けになる私は長官のお考えがよくわからない。職を賭してもこういうことには反対されることこそ、日本の国防の最高の地位におられる長官として当然じゃないか。であ、りまするから、もしそのような話が出ましたならば、こういうのは一切御無用である。国会を通じて、自分の方の疑惑はあくまでも資料を整え、条理を尽して解明するに努力する。党の方で何の委員会をお作りになるのも御自由でありますけれども、少くとも政府機関としてはそのようなものは一切御無用に願いたい。これこそ私は防衛庁本来の立場であると思いますが、それに対する長官のお考えはいかがですか。
  68. 左藤義詮

    ○国務大臣(左藤義詮君) 御意見として承わっておきます。
  69. 八木幸吉

    八木幸吉君 私は、承わるでなしに、私の申し上げました考えについて長官はどのようにお考えになるか、これは防衛庁立場で疑惑を一掃するのは当然であるとお考えになっているか。あるいは被告の地位に甘んじて、防衛庁以外のもので解明されることが便利であるとお考えになるか、その二つのいずれをおとりになるかということを伺っておきます。
  70. 左藤義詮

    ○国務大臣(左藤義詮君) 国会を通じて、もしお疑いがありますれば明らかにしたいと思います。
  71. 八木幸吉

    八木幸吉君 国会を通じてもしお疑いがあるならばとおっしゃいますけれども、現在お疑いがあるからして問題になっておるのでありまして、これを解明するのは当然でありますけれども、内閣にこういう委員会を作り解明する必要をお認めになるか、お認めにならないか、これがポイントであります。御答弁を伺います。
  72. 左藤義詮

    ○国務大臣(左藤義詮君) 先ほども申しますように、かような委員会ができるということを、まだ正式に私は聞いておりません。総理が国防会議議長としての心がまえを作るためにいろいろな意見をお聞きになる、そのお世話を官房長官がなさるのかもしれませんが、いずれにいたしましても、さようなお話がありましたときには、先ほどの八木委員の御意見をよく私体しまして、私といたしましては国会を通じてすべてを解明をすることに主力を注ぎたいと思います。全力を注ぐことにいたします。
  73. 八木幸吉

    八木幸吉君 総理は国防会議議長でありますけれども、同時に防衛庁の庁務を指揮監督する立場にあるが、これは長官を通じてであります。従って、諮問をされるならば、当然防衛庁長官を通じて諮問されるということが、これが私たちは本領であると思います。その本領でなしに、内閣の世話役の官房長官を通じてということは、これは私は邪道であると思います。この点に対するもう少し明確な、かつ、もう少し自信に満ちた答弁を私は求めたいと思います。いかがですか。
  74. 左藤義詮

    ○国務大臣(左藤義詮君) 国防会議議長がどういうようなことをなさいますか、私自身といたしましては、先ほどから繰り返して申しますように、国会の御審議を通じまして疑惑を解明いたしまして、防衛庁の責任におきまして十分作業をいたしましてその資料によって国防会議の御決定をいただく、かように存じております。
  75. 八木幸吉

    八木幸吉君 防衛庁長官としては、かような委員会設置は希望せぬ、こういうことを総理におっしゃるだけの決意はおありになりますか。
  76. 左藤義詮

    ○国務大臣(左藤義詮君) 委員会というのが、官制によるものか、あるいは閣議の申し合せによるものか、官制あるいは閣議の申し合せ等でございますれば、私としては、そういうような委員会でなしに、疑惑は国会を通じて御解明をいただき、私どもの作業をいたしますことに御信頼をいただくようにお話をしたいと思います。
  77. 八木幸吉

    八木幸吉君 反対の意思を表明されますか。
  78. 左藤義詮

    ○国務大臣(左藤義詮君) 先ほど申しまするように、防衛庁というものが全くつんぼさじきに置かれて防衛庁が御信任をいただけないような、そういう意味での正式のもし委員会でございますれば、これは反対いたします。
  79. 八木幸吉

    八木幸吉君 正式でなければ、内閣にそういうものは置かれても差しつかえないとお考えになりますか、また、正式という意味は、行政組織法第八条の委員会という意味でありますか。あるいはそういう官制、法律によらなくても、閣議の申し合せのものなら、それは正式と認めないで黙認をされますか、反対の意思を表明されますか。
  80. 左藤義詮

    ○国務大臣(左藤義詮君) 閣議においてさような話が出ますれば、私は反対をいたしたいと思います。
  81. 八木幸吉

    八木幸吉君 それでは資料要求をいたします。これは新戦闘機機種決定に関してのものであります。第一は、F100-D、F-104A、F-104C、F11F-1Fの性能、価格等の一覧表、それから永盛調査団、佐薙調査団がアメリカに機種の選定について行かれたということでありますが、その調査団の報告書の結論の写し、それから新戦闘機種選定の基準、次が昭和三十三年四月の国防会議においてF11F-1Fを内定されたときの決議といいますか、結論といいますか、その結論の、決議の写し、それからF11F-1Fを防衛庁において国防会議に提案すると決定されたときの防衛庁の決議といいますか、議事録といいますか、それの決定の写し、それから新聞によりますと、昭和三十二年の十月の末に防衛庁ではF-104Aを次期戦闘機種に決定したということが新聞で報道されておるのでありますが、もしこれが事実であるとしますならば、そのときの事由を証明する議事録といいますか、決定録といいますか、その書類、それから前記四種類の戦闘機のパイロット養成機関はどういうことになっているか、それの一覧表、それからF-86Fの生産状況と。パイロット養成状況の均衡状態に関する一覧表、それからこれは先ほど矢嶋委員からも御要求がありましたが、たとえば地対空ミサイルと戦闘機のバランスをどの程度にするのが望ましいといったような大体目安があるだろうと思います。それの年次計画、それから衆議院の決算委員会に提出されましたこの問題に間連する資料全部、それだけをなるべく早い機会に、よくわかるようにお書きをいただいて、御提出をいただきたいと思います。
  82. 門叶宗雄

    説明員(門叶宗雄君) 資料関係ですから、私からちょっとお伺いかたがたお答え申し上げたいと思います。第一番目はF-100とF-104CとF11F-1Fと、それからもう一つ何でございましたか。
  83. 八木幸吉

    八木幸吉君 F-104AとCです。AとCは同じようなものらしいのですけれども。
  84. 門叶宗雄

    説明員(門叶宗雄君) 性能と価格の一覧表でございますね、二番目は、永盛報告書の結論はどういう結論が出ているかということですか。
  85. 八木幸吉

    八木幸吉君 永盛、佐薙両調査団が調査してこられたのですから、いずれ報告があると思います。その報告書の結論です。それから先ほど四種と言いましたが、それにもう一つN-156もつけ加えていただきたいと思います。
  86. 門叶宗雄

    説明員(門叶宗雄君) 佐薙幕僚長は、これは別の目的で渡米いたしておりますので、このF-Xの問題についての報告書というものは提出されていなかったと承知いたしております。永盛報告書につきましては、結論について報告できると考えております。第三番目の四月十二日の決定につきましては御報告申し上げます。三月十五日の防衛庁決定というのは、おそらく国防会議に、四月十二日に提出せられたものと大体同じと思います。それから五番目は十二月でございましたか、F-104Cについてということでございますか。
  87. 八木幸吉

    八木幸吉君 今までのに一つ抜けております。それは戦闘機種選定の基準、それから四番目に申されました国防会議に提案されたF11F-1Fを防衛庁がいいと思うということを提案されたわけですね。そのいいと思うと決定されたのは、これの数日前、たしか四月の五日ごろじゃないかと私は思うのですが、そのときの省議の決定されたとき、どういう形で決定されたか存じませんが、かりに省議が残っておれば、その決定の要項、要項といいますか、決定の写しをいただきたい。それから次に私が要求いたしましたのは、昭和三十二年の十月の二十七、八日ごろだと思うのですが、防衛庁ではF-104Aを次期戦闘機種に決定した、こういうことが新聞紙に報ぜられております。新聞紙の報道が間違っておれば別ですが、そういうことはおそらくあったろうと思うのですが、そのときの議事録といいますか、決議といいますか、決定録といいますか、それであります。
  88. 門叶宗雄

    説明員(門叶宗雄君) 今お述べになりました十二月F-104Aに決定された事実はございません。
  89. 八木幸吉

    八木幸吉君 十月二十八日。
  90. 門叶宗雄

    説明員(門叶宗雄君) 十月ですか、そういうことはありません。あるいは新聞に報道せられておるかもしれませんが、そういう事実はございません。
  91. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 なければないといって書いて下さればいいのです。
  92. 門叶宗雄

    説明員(門叶宗雄君) あと六番の四機種は。パイロットと航空機生産との関係、承知いたしました。七番目が現在のF-86Fと。パイロットの乗員との計画でございます。八番目がGMと航空機とのバランスの年次計画というのは、今持っておりませんですが……。九番目は了承いたしました。
  93. 八木幸吉

    八木幸吉君 年次計画はお持ちにならなければ、大体数をどういうふうに、われわれとすればどこにウエートを、非常にぼんやりとした議論で言えば、ミサイルにウエートを置くのか、戦闘機にウエートを置くのか、そういうことになるのですが、それをもうちょっと具体的に、専門的と申しますか、数字的に出せれば出していただきたいということと、それから一体しかしこれは作るのに二年もかかるものですから、当然私は外へ出せる出せないは別として、あるべきはずのものだと思います。  もう一つは、これは先ほども矢嶋委員からお話がありましたが、F-86FとT-33A、この二つについては、日米でその経費の分担割合がすでにきまっているそうでありますが、この新機種がきまったときに七対三、六対四という経費の分担割合が交渉の段階になると思いますが、もしそれが予想がつけば、それも合せて出していただきたい。もし予想がつかなければ、それでは要りません。以上であります。
  94. 松岡平市

    松岡平市君 ちょっと今の資料八木委員要求について。いずれ論議になると思いますが、今あげられたもののほかに、あるいはノース・アメリカンの会社で推奨してきて問題になったもの、あるいはコンベアで推奨してきて、あなたの方で論議されたF-102ですね、こういうものについても同様に性能その他、あなたの方で計画論議されたものについては、これはすべて網羅して、どうせ論議の過程で出て参りますから、経過を明らかにすることのできるように、すべての機種についての検討された詳細がわかるようなふうに改められても、それは追加になるだけのことですから、八木委員資料要求と背馳せぬと思いますから、私はそれをさらに追加して一覧できるようにしていただきたい、こういう要望をいたしておきます。よろしゅうございますね。
  95. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 最後に、私のところで一つ意思表示をしておきたいと思いますけれども、それは先ほど八木委員から新機種なんかは防衛庁設置法の精神からいっても、防衛庁単独できめられるのじゃないかと激励も含めた意味の質疑があり、検討されるよう御要請があったわけですが、非常に大事なことですから、私のところでも意思表示をしておきますが、私どもの考えではF-86Fの三百機、生産計画は半数にも至らない過程において、すでにF-86は実戦戦闘機としては役に立たぬ、時代おくれだというような過去の例もあったことですし、ミサイル時代になっての航空という問題を考えた場合に、どの機種を選ぶかということは、ミサイル時代下における防衛計画の大綱にも影響することですし、また、一千億以上も費すようなことになりますと、国民生活にも影響を及ぼすことでもありますので、私どもの考えとしては、新機種の決定防衛庁設置法の第四十二条の二項の五、先ほど防衛庁長官が答弁されましたそれに基いて、当然国防会議の議決を得るべきものと、こういう見解を持っているということだけは念のために申し上げます。
  96. 八木幸吉

    八木幸吉君 少し言葉が足らなかったので、この際補足をいたしておきますが、私は新機種の決定は、防衛庁が行政府としては責任を持ってこれに当るべきである、こういう点を実は強調したわけでありまして、国民の前には国会を通じて十分にそれの審議をする、従ってその審議の資料となるベヨものは差しつかえのない限り、十分親切に国会に提出をして、そうして国会では十分この審議を戦わすという意味で申し六六げておるのでありまして、政府部内の責任の明確化、事務の系統からいって、ほかの者がかれこれ言うのは間違っておる、こういう点に中心があるのでありますから、念のために一言、つけ加えておきます。
  97. 永岡光治

    委員長永岡光治君) それでは他に御発言もなければ、本件の質疑は、次回に譲ることといたします。
  98. 永岡光治

    委員長永岡光治君) 次に、本月七日のジョンソン基地内における射殺事件の件を議題といたします。  矢嶋君から発言を求められておりますので、これを許します。
  99. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 九月七日ジョンソン基地で武蔵野音楽大学の宮村君が射殺された事件が起ったわけですが、これについて、若干簡潔に伺います。  まず、お伺いいたしたい点は、この事件について日本政府は、米軍当局レ対して、抗議なりあるいはこのことについて要望なり、何らかの意思表示もしたかしないか。きょうは官房長官おいで願えなかったので、調達庁長官たり、あるいは国務大臣からお答え願います。
  100. 丸山佶

    説明員(丸山佶君) この不幸なる事件につきましては、調達庁は御承知の通り、裁判管轄権の点を除きまして、補償事務を取り扱っております。さっそく現場調査並びに軍連絡をいたしておるわけでございますが、もちろん、このような不注意きわまる事件、これらが起るということは、はなはだ潰滅にた、えない。十分に原因を調べ、今絡繰り返されることのないようにということは、調達庁としても軍側にさっそく申しておることでございまして、これに対しまして軍側では、本件全く恐懼、まことに申しわけない、遺族の方々にはできるだけのことはいたしたい、こういう態度で終始しておる。
  101. 永岡光治

    委員長永岡光治君) 重ねて政府側の出席の方々の氏名を発表しますが、左藤防衛庁長官、丸山調達庁長官、久保田調達庁補償課長、木島法務政務次官、竹内法務省刑事局長、以上でございます。
  102. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 調達庁の出先機関で遺憾の意を口頭で表明した、それにとどまっているというように私はとれるのですが、私の伺っている点は、日本政府として抗議なり、あるいは遺憾を含めた今後に対する要望なり、そういうものを文書をもってなしたかどうかということを伺っているわけで、この点左藤国務大臣に伺います。
  103. 左藤義詮

    ○国務大臣(左藤義詮君) 政府といたしましては、特に調達庁を担当いたします私といたしましては、今丸山長官から申しました、これが政府としてのこの事件に対する私どもの意思表示でございますが、もっとトップ・レベルと申しますか、米国大使等に外務省から政府としての文書等による交渉をいたしましたかどうかは、いずれ取り調べまして御報告申し上げたいと思います。
  104. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 非常に私は残念に思うのですが、私も新聞、ラジオをできるだけ注意しておりましたが、日本政府として何らの正式な意思表示をしていない、講ぜられていないことは非常に残念なことだと思います。その証拠には、左藤国務大臣が知っておられないということで明白だと思います。全くこういう問題については、日本国民として、民族感情として許し得ない、こういうことは遠慮してならないと思います。決して、アメリカに対して日本政府は不遜というようなことになるわけじゃないから、筋は筋として明確にただして、このジョンソン基地の問題はどうなるかということは、いまさら私が申し上げるまでもないと思うが、日本政府は明確に文書をもって抗議なり、遺憾の意を表明して今後の補償について要請すべきだ、それをただ出先機関調達庁長官あたりが向うの出先機関と会って、遺憾である、申しわけなかった、そんなところで済ますところに私は問題があると思う。これはこういう質疑があったということを左藤国務大臣から官房長官に伝えて、できるだけ早い機会に意思表示をしてもらいたい。これは日本国民の国民感情が許しません。物事をはっきり、筋を通す場合は通すべきだ、いまだに何らの正式の抗議もしていない、遺憾の意を表明していない、それで出先の公務員にまかせているというようなことは、まことに私はだらしないと思う。これについての善処方を要望いたします。国務大臣いかがでしょうか。
  105. 左藤義詮

    ○国務大臣(左藤義詮君) ただいまの矢嶋委員の発言の趣旨は、官房長官に伝えまして相談いたします。
  106. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 法務当局に伺いますが、現在ロングプリー氏の身柄はいずこにあり、調査はどの段階までいっているか簡明にお答え願います。
  107. 竹内壽平

    説明員(竹内壽平君) ロングプリーの身柄はジョンソン基地の憲兵隊の拘置所と申しますか、拘置下と申しますか、そういうところに身柄は確保されております。  それから取調べは、すでに地元狭山警察署の取調べを終了いたしまして検察庁に事件は送られております。検察庁におきましては大体調査を終了いたしておりますが、なお細部の若干の法律問題等のからむ事実の調査が残っておりますために、まだ処理が決定される段階になっておりません。これは近く決定されると思います。
  108. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 伺いますが、かれは十九才と言うのですが、その物理的な年齢はとにかくとして、かれは臨時憲兵として執務しておったアメリカ軍の一軍人です。そうして住居を持っておった。こういう実質的な面からあなた方は、これは一人前の人間と考えるか考えないか。それとも、一人前の人間じゃなくて、これは少年か。少年であるというようなお考えに立つか。要するに、一人前の、実質的に一人前の人間と考えるのが妥当かどうか。そういう点についてはどういうお考えを持っておりますか。十九才とか、法律的な物理的な年令、数字にとらわれることなく、実質面からどういうお考えを持っておるか承わりたい。
  109. 竹内壽平

    説明員(竹内壽平君) ロングプリーが十九才でありますことは御承知の通りでございますが、このロングプリーが、私どもが一口に少年、少年と申しまして、保護観察あるいは保護措置を与えられるような、そういう意味においての社会的意味と申しますか、そういう意味においての少年というふうに考えるかどうかという御質問でありますが、私は、いやしくも軍の用員として日本に渡って来て、軍の用務に勤務しておるわけですから、一人前の人間として扱われておるものと私は考えておりますので、社会的意味においていわゆる少年というような考え方をしていないのでございますけれども、日本の法律に従ってロングプリーを処理するということになりますと、日本の法律は満二十才に満たない者は、これは少年法の適用を受けるということになっておりまして、これは画一的でございます。発達のいいのも、発達の悪いのも、ひとしく満二十才でない者は少年法の適用を受けるということは、これは理の当然でございますので、少年法がかぶってくるということは、これは否定しがたいのでございますが、先ほど申しましたように、事案が、少年法がかぶるとはいいながら、少年処遇になじまないと申しますか、そういうような事案であるというふうに考えておる次第であります。
  110. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その答弁に対する再質問は、またあとでかえって参りますが、一応次に進んでお伺いいたします。これは法務大臣は閣議で過失致死であるというような報告をしておるわけですね。ロングプリーは、あなた方の調査では、実弾が入っておったことを忘れておった、知らなかったと、取り調べでは答えておるわけですか、どうですか、この点。一体現在臨時憲兵を務める一人前の、実質的に一人前の兵隊が実弾をこめておって、それを忘れておったとか、みずからこめておって知らなかったというような、そういうような主張が通るものかどうかですね。よく警官がピストルに実弾が入っているのを忘れて暴発して人を傷つけることはありますが、それは過失でしょう。そんな暴発ということとは違うと思うのです、これは。来る電車をボックスからねらったことは絶対間違いない。しかも実弾が入っている。当然これは傷害致死で扱うべきである。それは私は常識であると思います。これをそのロングプリーが、たまが入っておったかどうかを忘れておったようだ、従ってこれは過失致死だ云々と言うに至っては、常識で考えられない。これらの点については、取り調べの結果どういう見解を持っておられるか承わりたい。
  111. 竹内壽平

    説明員(竹内壽平君) 愛知法務大臣が閣議の席上で、過失致死だというふうに御説明になったということでございますが、私もそういうようなことは承知いたしておりません。なおロングプリーが検察官の取り調べに対してどのような供述をしておるかということの詳細は、いつも、この種の事件に限らず、捜査中の事件につきましては、私たち御説明を申し上げるのに若干の制限を受けているわけでございまして、この点は御了承いただけると思いますが、いずれ御説明をする機会が余りましたならば、もちろん進んで御説明をする考えでございますが、だからといって、何も言えないというのでは、御質問に答えることになりません。ただ検事の調べがどうなっておる、現状がどうなっておるかということの御質問というふうに承わらないで、若干その点につきまして角度を変えて申し上げてみたいと思いますが、この事件は狭山の警察署からは重過失の事件であるとして検察庁へ送られてきた。重過失ということは刑法二百十一条の規定でございます。いわゆる傷害致死というような、矢嶋委員のおっしゃるような意味においての故意犯ではないという建前になっているのでございます。その点も検察庁としては慎重に取調べをしていることと私は了解いたしております。
  112. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 当然この問題は十九才ですから、少年法を適用されて、家裁に一応送られましても、差し戻しになって、刑法によって刑事処分に付さるべきものと思いますが、これは日本人としての常識です。また、それが国民感情でもあると思う。この線をはずれたら、重大なことになると思うのですが、いかがでございましょうか。
  113. 竹内壽平

    説明員(竹内壽平君) 先ほど申しましたように、少年法になじみにくいケースであります。従いましておユらくは刑事処分が相当であるという意見で、検察側からは家庭裁判所の方に送られるものと、かように想像いたしております。
  114. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 当然そうあるべきであるという意思表示を私はいたしておきます。それからちょっとここで少年法に触れますが、非常にこれは今世人が関心を持っていることですから、ちょっと触れるわけなんですが、検察当局は、従来ずっと少年法の適用の二十才を、十八才に下げるべきであるという主張をずっと持ってきている。裁判所側は、いやそう簡単にはいかぬ、やはり二十才でいくべきだ。社会の趨勢からいってもそうすべきだ。ただ年齢を引き下げて厳罰にするということだけではいけない、こういう点で対立しておったように記憶をするわけです。最近このロングプリーの問題とか、あるいは東京都の小松川高校等に起った事件等から、少年法を十八才に下げるべきであるというような意見がありますが、それにまた、新聞にもちょうどそれに対して準少年法というのですか、何か十八才以上に、若干十八才以下の少年法と違ったような適用をしようという考えが法務大臣初め法務省にも出つつあるという記事が、ちょっと新聞にも出ておりましたが、二十才以下が少年法の適用だから処罰することはできぬ、できぬというのですね。だから少年の一部に、悪いことをするなら二十才以下のときにやっておけ。二十才以下のときならあまり重く罰せられぬ、こういう印象を与えているわけですが、ところが、実際は今あなたが答弁されたような扱いもあるわけで、必ずしもそうではないと思う。法規ではそういう点明確になっていないし、法の運用自体では相当成果を上げ得ると思う。また、きょうはこれは本論でないから、私はこの点について多く意見を言うことは控えますが、家庭裁判所から差し戻されたような場合でも、その裁判をするに当って、実に保護観察所にしても、あるいは裁判所にしても、家庭裁判所にしても、それらの間の関連というものがうまくいっていない。だから今の法で家庭裁判所へいって、むずかしいかもしれないが、どうこうしてうまく運用すれば、二十才というのを十八才というところに下げなくても、十分私は目的を達する。むしろそういう方向で進むべきではないか。これをこれらの事件が起ったからといって、直ちに少年法を改正して十八才に下げるとか、あるいは準少年成人法とか、少年法とかいうものを考えるということは、これはよほど慎重に進めなくちゃならぬという危惧の念を持っているわけなんですが、政務次官はどういうふうに考えておられるのですか。
  115. 永岡光治

    委員長永岡光治君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  116. 永岡光治

    委員長永岡光治君) 速記を始めて。
  117. 木島虎藏

    説明員(木島虎藏君) お答え申し上げます。  ただいま矢嶋委員からお話がございました少年の限界を幾つにするかという問題は、現下の日本の少年犯罪、その他世相にかんがみまして、慎重に考えなければならぬ問題だと思います。元来、二十才にしたということはどういうわけかというところにも問題があると思います。それから何才にするかということは、その当時の教育の程度、社会の風潮、いろいろな社会条件によると思います。そういうことで、先ほど矢嶋委員がおっしゃった準少年とかいうようなことは、私まだ承わっておりませんが、法務省では、この問題は非常に重要な問題だということで、早急に慎重な研究をしよう、こういうことになっております。  それから次に、家庭裁判所との問題につきましては、御指摘のような問題もございまして、これとも関連さして、根本的に少年問題をこれから研究いたそうと考えまして、来年度はその方面の予算要求しておるような次第でございます。
  118. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 この点はとどめまして、あと二点ほど伺います。それは補償の問題ですが、宮村君は、学生で収入がなくて、日米行政協定で計算すると約四十二万円程度ということが衆議院で答弁されておるわけですが、時間がないから、その点は私から申し上げませんが、母一人子一人で、現になくなった宮村君は、アルバイトして授業料を出し、自分の食費をまかない、しかも、最近は、月五千円程度ニコヨンをしている一人の母親に送金をしておったわけです。そういう気の毒な人が、今度のようなああいう場合に四十二万円というのは、私はおかしいと思うのですQこれは、日米行政協定できまっておるというのですが、日米行政協定は占領中にこしらえたものであって、米軍としても、占領軍というような意識のもとに、日本人の人命とか財産というものを、きわめて過小評価しておったと思う。そういうときにきめられた日米行政協定で四十二万円というようなことでは、われわれの常識が許さぬと思います。第五福龍丸のときは、大体一人当り二百-万円、久保山未亡人に対しては六百五十万円というのが出ておる。ジラードの場合は約六十三万円請求が出ておる。飛行機が落ちても、あるいは国鉄の車に乗って死亡した場合でも、こんなものじゃない。これは、一体調達庁当局はどういうふうにお考えになっておられるのか、お答え願いいただきたい。
  119. 丸山佶

    説明員(丸山佶君) 本件に関する補償の関係について、詳しい実情を申し上げます。別に、四十二万円の根拠が、行政協定できまったものではございません。本件に関しまして簡明に申し上げますれば、先ほど私も申し上げましたように、軍側でも、できるだけ遺族の方には処置をいたしたい、この趣旨から、今日まで、つまりその事件の当初の東京における慰霊祭、あるいは九月十五日の郷里における葬儀、これまでの間に、軍側といたしましては、本人自身並びにジョンソン基地の司令官自身、おのおの五万四千円の弔慰金を贈り、また、本人の所属しておる部隊では、十三万七千円ほどをみなが集めまして弔慰金に贈り、なお、葬儀並びにお母さんの上京の滞在費等について七万二千円、それになお九州の板付が葬式に対してもそれぞれ若干のもの、私が承知しておる限りにおいて、ただいままで三十一万余円出しております。しかし、これらは、加害者の直接の関係の者が手当をいたしたものでございますが、これとは別に、米軍といたしまして、遺族の方に慰謝申し上げる、これが、これから遺族の方のお出し下さる申請書に基きまして、軍側が額をきめる問題でございます。これがどのようにきまるであろうかということ、従来のこのような実例等から判断をいたしまして、先ほど先生のお話しにもございましたように、この場合の従来の実例から推しますと、収入の一日に見積った額の千日分、それからなお、その際資料といたしまして、六十日分というものを基礎に計算いたしますのが従来の例でございます。それによりまして、もし学生のように何ら収入がない者はどうしたらいいか、これは一日三百五十円と推定する、このようなことから一応の四十二万円とかいう数字が出た、あるいは私の係の者が申したかと思いますが、実は、これまで私どもも、お話しのような宮村君が楽団で働いておる、それらの事情も調査しております。これらのものから見ましても、普通の学生の倍額以上には必ずなるであろうと考えます。なお、いろいろの方からの申請書によりまして、その他の事由、事情等がありまするならば、それらについてもなお考慮を加えたい、このように私は考えております。
  120. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 この生い立ちから家庭の事情を調査していただけばわかると思いますが、要望として、私は、お母さん一人の遺族の終身保障という立場から当局者は善処してもらいたい。こういう要望を持っておりますが、それにどういう御見解を-持っておられるか。最後に伺いたい点は、戦後十三年たったのですが、いずれあらためてやりますが、平和条約締結以前、締結後、駐留外国軍隊、軍人によって日本国民の生命というものが奪われて中にはずいぶん泣き寝人りをしておる者があるのです。私の承わっておるところでは、約一万件あるということなんですが、今あなたは、これをどういうふうに数字をつかんで、概要はどうだというふうにつかまれておるか、簡単にお答え願いたい。いずれ、これらの問題は、条約締結前、締結後、ともどもに全部せり上げて根本的に解決しなければならぬ、かように考えておるわけでありますが、あなたの御見解と、今どういうデータを持っておられるか、簡明にお答え願いたい。
  121. 丸山佶

    説明員(丸山佶君) 占領時代に軍人のために被害をこうむった日本人の人身被害、傷害を受けたり、あるいは中には不幸にも死亡した、これらのことにつきまして、当時数年にわたりまして政府は見舞金の処置をとって参りました。この統計から見ますというと、件数はなるほどお話しの通り一万件近くの処理件数に-なっております。しかしながら、それは追給処置、あるいは療養と、死亡に対する見舞処置と、一つの件数につきまして何回も処置した、これらも数えておりますので、直接の員数としましては、あるいは私七千件ぐらいかと考えております。これにつきまして、政府が見舞金処置をとりましたものが三億一千万円ほどでございます。この問題につきまして、その後今日までに私どもなおそれらの見舞金すらも受けなかった、支給漏れであるというような陳情も再三受けた事例もございます。またなお見舞金は受けたが、それではとうてい足りないで、今現にその傷のために相当困窮しておる、これらのことにつきましての話もずいぶん承わっております。従いまして、私、調達庁といたしましては、支給漏れは当然なお今後とも支給しなければいかぬし、なお見舞金処置によっても、お困りの方についての対策も講じなければいかぬ、それにつきましては、実態を十分に調査してみなければいけない。当時占領時代、府県庁に委託いたしまして、それぞれの処置をしてもらったのでありますが、それらの点をなおケースごとに十分な調査をした上、適切な措置政府は考えるべきだと、このように考えまして、今、もっぱらその調査に従事しておる次第でございます。
  122. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 資料をちょっと要求しておきます。資料として、占領中、並びに条約締結後起ったケース、並びにその傷害とか、殺人とか、その内容の概要、それから見舞とか補償の状況、それを、今あなたのわかっている範囲内でよろしいですから、テーブルにして上委員会に出していただきたい。そうしてあらためて伺います。
  123. 丸山佶

    説明員(丸山佶君) できるだけそのような資料を整えて提出するようにいたします。
  124. 永岡光治

    委員長永岡光治君) 他に御発言もなければ、本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十四分散会