運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1958-06-23 第29回国会 参議院 内閣委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年六月二十三日(月曜日)    午前十一時四分開会     ―――――――――――――   委員異動 六月十二日委員島村軍次辞任につ き、その補欠として竹下豐次君議長 において指名した。 六月十六日委員後藤義隆辞任につ き、その補欠として永野護君を議長に おいて指名した。 六月十八日委員剱木亨弘辞任につ き、その補欠として手島栄君を議長に おいて指名した。 六月二十日委員永野護辞任につき、 その補欠として佐藤清一郎君を議長に おいて指名した。 本日委員近藤信一君、千葉信君及び松 本治一郎君辞任につき、その補欠とし て藤田藤太郎君、大河原一次君及び北 村暢君を議長において指名した。     ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     永岡 光治君    理事            大谷藤之助君            矢嶋 三義君            竹下 豐次君    委員            上原 正吉君            木村篤太郎君            苫米地義三君            増原 恵吉君            松村 秀逸君            伊藤 顕道君            大河原一次君            北村  暢君            藤田  進君            藤田藤太郎君   国務大臣    国 務 大 臣 左藤 義詮君   政府委員    防衛庁長官官房    長       門叶 宗雄君    防衛庁防衛局長 加藤 陽三君    防衛庁装備局長 小山 雄二君    大蔵政務次官  佐野  廣君    大蔵省主計局次    長       村上  一君    文部政務次官  高見 三郎君   事務局側    参     事    (委員部第二課    勤務)     川上 路夫君    常任委員会専門    員       杉田正三郎君   説明員    防衛庁教育局長 小幡 久男君    大蔵省主計局給    与課長     岸本  晋君    文部省体育局長 清水 康平君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○理事辞任及び補欠互選国家公務員制度及び恩給に関する調  査の件(国家公務員共済組合法の施  行に関する件) ○国の防衛に関する調査の件(第三回  アジア競技大会における自衛隊の協  力に関する件)     ―――――――――――――
  2. 永岡光治

    委員長永岡光治君) これより内閣委員会開会いたします。  委員異動がございましたので、事務局から報告させます。
  3. 川上路夫

    ○参事(川上路夫君) 御報告いたします。  去る六月十二日付をもちまして、島村軍次君が辞任され、後任として竹下豐次君委員に選任されました。  六月十六日、後藤義隆君が辞任され、後任として永野護君が委員に選任されましたが、永野君は六月二十日辞任されまして、補欠として佐藤清一郎君が委員に選任されました。  六月十八日、剱木亨弘君が辞任され、後任として手島栄君が委員に選任されました。  六月二十三日、近藤信一君が辞任され、後任として藤田藤太郎君が委員に選任されました。  以上でございます。     ―――――――――――――
  4. 永岡光治

    委員長永岡光治君) それでは、これより議事に入ります。  まず、理事辞任の件についてお諮りいたします。  高瀬莊太郎君から、去る十八日付文書をもって、都合により理事辞任いたしたい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 永岡光治

    委員長永岡光治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  つきましては、この際、高瀬君の辞任に伴う理事補欠互選を行いたいと存じます。  互選の方法は、前例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 永岡光治

    委員長永岡光治君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事竹下豐次君を指名いたします。     ―――――――――――――
  7. 永岡光治

    委員長永岡光治君) 次に、国家公務員制度及び恩給に関する調査を議題といたします。  国家公務員共済組合法施行に関する件について調査を進めます。矢嶋委員から発言を求められておりますので、これを許します。  なお、本件につきましては、政府委員の方としては、村上主計局次長岸本主計局給与課長が見えております。
  8. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 この件について質疑をするに当って、大蔵大臣並びに主計局長出席要望しておったわけですが、衆議院予算委員会開会に伴って、そちらの方へ御出席するそうですから、一応次長に若干点ただしたいと思います。  国家公務員共済組合法並びに国家公務員共済組合法長期給付に関する施行法の二本の法律は、御承知通り、前国会末期審議が行われ、成立した次第ですが、その際、審議時間の関係もあり、若干われわれの要求資料も未提出のまま、審議を終った形になっております。その際に、国会閉会後においてもけっこうであるから、財源計算書をぜひ一つ提出してほしいということを要請しておきましたが、まだ提出になっていないようです。この財源計算書等はいつ出していただけるのか。それから、一般論として、この両法の一部は七月一日から施行されるようになっているわけですが、その進捗状況はいかようになっておられますか、概要を一つ次長からお答え願いたい。
  9. 村上一

    政府委員村上一君) お答えを申し上げます。御指摘のございましたように、七月一日から発足をいたしますわけでございますので、私どもとしては、今それに必要な政令案検討を急いでおります。素案のようなものはだいぶ前にできまして、これを関係各省を通じまして、各組合にもお示しをいたしまして、各意見を取りまとめております。何分相当技術的な制度法案でございますから、個々の事項につきます各省、各組合意見相当差異がございまして、今、目下それをいろいろ取りまとめ、調整を急いでいるところでございます。  御承知のように、この制度につきましては、審議会法律で設置をされておりまして、この審議会は正式には、七月一日、制度発足と同時に発足するわけでございますが、その人選も急いでおります。これは御承知通り法律学識経験者行政機関職員組合員という三者から委員をお出しいただくことになっております。そこで、その人選が大体二十五、六日にはでき上ると存じておりますが、人選が終り次第、なるべく早く、つまり法律上は七月一日の発足でございますが、事実問題といたしまして、その以前に、今私ども検討しております法律に基く政令案を含めまして、いろいろな問題をこれらの委員の方に御審議をわずらわしたいと思っております。  御指摘のございました財源計算の点でございますが、これは前の法律案審議のときからの問題でございまして、われわれもよく承知しております。しかしながら、この財源計算をいたしますにつきまして、そのこと自体につきましていろいろな問題があるわけでございまして、どういったやり方で財源計算をいたしますか、その各個々の問題につきましても、やはりこういった審議会委員の方の御意見を伺ってからきめたいという点が残されております。そういった点も同時にお諮りをいたしまして、財源計算も急ぎたい、かように存じております。
  10. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 この法律審議する場合に、非常にわれわれが懸念をいたし指摘した一つとしては、大蔵大臣権限が非常に強化され、独裁化するのではないか、それから組合員意向というものが軽視されるおそれがあるのではないか、こういう点について各委員から相当突っ込んだ活発なる質問がなされたのでありますが、その当時、一萬田大蔵大臣は、決してそういう心配はない、組合員意向も十分聞いて、そして審議会等を通じて十分民主的に運営していく、決して大蔵大臣権限を強化し、独裁的な運営をしようと考えているのじゃない、こういう御発言があって、記録に残っておるわけです。なお、第一院がこれを可決するに当りましては、御承知と思いますが、組合員範囲その他について適切なる付帯決議をなされたわけです。わが参議院においてこの法律審議する最終段階において、私の方から大臣に対して、第一院のこの付帯決議は尊重されるかどうかということを、あらためてただしました。そのときに政府委員は、議院の付帯決議は十分尊重して政令をこしらえ、また運用して参りたい、こういう確約をされたわけですが、このことは、内閣がかわって第二次岸内閣と相なりましても、事務当局におかれても、また大臣におかれても、この方針というものは間違いなく踏襲されておる、実行されているものと思いますが、念のためお伺いしておきます。
  11. 村上一

    政府委員村上一君) お答え申し上げます。御指摘の点は、前にお答えを申し上げました当時と、全然変っておりません。先ほど申し上げました審議会構成をごらんいただきましても、学識経験者のほか、関係行政機関職員、それから組合員、こういうものから委員を選出されておりまして、組合のお考え、またそれを管理しておりますいわゆる行政機関職員考え方、そういったものは審議会十分反映をしていただくことになると思います。そういった意見はできるだけ尊重していきたいという気持は全然変りありません。
  12. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その通りでけっこうです。了承いたします。  で、具体的に伺いますが、百十一条で、審議会構成は、今あなたがお答えになりましたように、委員九人から構成になり、学識経験者行政機関職員組合員、この三者構成に相なっているわけです。そうしてこの審議会考え方といいますか、運用方針というものが、この法律のもたらす影響、結果というものに非常に私は影響が大きい重大な審議会だと考えるわけですが、それだけに関係者重大関心を持っているわけです。組合から推薦があった場合は、その推薦をあなたの方で採用されて任命されるものと、かように前の一萬田大蔵大臣答弁から了承いたしておりますが、相違ございませんね。
  13. 村上一

    政府委員村上一君) お答え申し上げます。御指摘法律百十一条に、第四項でございますか、委員はこれこれから任命するというふうに書いてございます。そこで、組合員の中からその利益を代表する方、大体三名を予定しておりますが、委員になっていただくわけでございまして、一応私どもとしては非現業、現業、それから地方、こういったそれぞれの三つの組合関係利益を代表していただく方を予定しております。これらにつきましてそれぞれの方から御推薦がありました場合は、できるだけそれを尊重するつもりでおります。
  14. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 次に伺いたい点は、この政令案については、本日同席されている伊藤委員から、ずいぶんしつこく当時資料提出要求並びに要望がなされたことは、御記憶があると思うのですが、というのは、政令定めようによって内容がずっと変って参るものですから、しかも非常に政令の数が多いわけです。しかも、先ほど指摘されましたように、各省庁に関係があるというので、非常に複雑多岐なものです。で、関心を持ちまして要求しましたが、検討中ということで、十分これらについてただすことはできなかったわけです。ただ、大まかな点については、立法府要望もし、意思決定もして、一部は付帯決議となっているわけでありまして、そういう限られたワク内において、そういう方針に基いて行政府は当然政令というものを制定しなければならぬということは申すまでもないと思うわけです。  これらが審議された場合に、政令行政府の一方的な見解で制定されるという例がよくある。そういうことによって法律内容そのものが、実際運用してみると、立法府審議した当時予想したものと非常に違う内容のものとなる場合があるという点から、ぜひともこの審議会に諮ってほしいということを要望し、それらの点について相当速記録は長きにわたって残っております。結論としては、審議会発足させる政令そのもの審議会に諮るわけに参らないから、行政府がこしらえます。他の政令はその発足する審議会に諮りますということを、あるいは千葉委員、あるいは藤田委員、あるいは私の質問に対して、最終的に石原主計局長から明確に速記が残されております。これは参議院内閣委員会速記録の第二十八号ですが、残っております。  それで、先ほどの次長答弁から、私はこういうふうに了承するわけですが、念のために伺います。それは、七月一日から一部は発足する。従って、審議会委員を任命しなければならないし、それに伴う政令、さらに他に必要な政令もある。従って、審議会発足すると同時に、すぐ政令も出さなくちゃならぬので、時間的な関係上、審議会委員を二十五、六日ごろ人選内命をして、そうしてこの事務当局で若干準備されている政令案を、事実問題として、その内命人選しました審議会委員の方にお目通しを願って、そして御了承を得て、そして正式には、七月一日以降、審議会にさらに正式にかけて政令をきめていきたい、こういう答弁だったと、かように具体的に私は推察するわけですが、念のために伺っておきます。
  15. 村上一

    政府委員村上一君) おっしゃる通りであります。これは前の国会の御審議の際からそういう御要望がございましたところでございますが、また、最近私どもも重ねてそういう御要望もいただいております。そこで、法律に基く正式に審議会発足いたします以前に、顔ぶれがきまり次第、事実上の問題として、さっそくその政令案を中心として、それに関連する幾つかの問題を事実上の御審議をわずらわしたい、かように考えております。
  16. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 これは要望ですが、政令の数も多いし、内容複雑多岐でございますので、審議会委員になられた方もなかなか骨が折れることだろうと思うのです。従って、できるだけそれを検討する時間に余裕があるように、人選を急いで取り運んでいただきたいということを要望申し上げておきます。  そこで、もう一、二点伺いたいのですが、先般、私は、これはプライベートに、ある方に――ある方といっても大蔵省のある方ですが、伺ったのでありますが、その方のお言葉によりますと、とにかく七月一日から発足するに当っては、組合員はどういう範囲かということがまず明確にならぬことには発足できぬので、そういう点については自分たちは、プライベートな話ですが、かくかくに考えているというような点を承わったわけですが、そのかくかくに考えているという点について、十分私の考え方と一致しているのか一致していないのか、明確でない点があるわけです。そこで、私はここで基本的なことだけ伺うのですが、たとえば、立法府においてこの法律審議した場合の付帯決議の中に、非常に具体的にこの付帯決議衆議院でなされております。たとえば「一年以上雇傭される常勤的非常勤職員」は適用対象とするというように、「一年」という数字まで入れて付帯決議がなされております。この点についても当院において質疑応答がなされたわけですが、このことについて尊重されるということが速記に残っているわけです。従って、私は、これらの点は十分政令作成に当っては尊重されているものと推察いたします。  御承知のごとく、この非常勤職員というものは六万から七万いるわけでありまして、先般の国会でそのうち二万七千が定員化されました。あとは定員化されておりません。ところが、各省庁の主管大臣に伺いますと、これらの人々はそれぞれ行政遂行のためにみんな必要な人々で、定員法で許すならば全部定員化したいのだということを、各大臣予算委員会分科会で御答弁されております。あるいは本委員会でも答弁されました。しかも、こういう非常勤職員のうちには、一年未満人々ももちろんおりますが、ひどいのになると、五年、十年をこえて定員外職員で、定員内の職員とほとんど変りないような仕事をなさっておる方があるわけですね。従って、この点は、この法律審議する場合に非常にわれわれは関心を持った点でありますが、こういう点と、大まかにいって、私は、公務員身分を保有している人は組合員対象として扱っていくべきである、かような考え法律審議するときから主張し、ただして参ったわけです。当時、一萬田大蔵大臣も、これは公務員能率増進のために、また生活安定の一助としてこういう法律をやるのだから、御期待に沿うようにするという意味の答弁をなされたことを記憶しているわけです。それで、あまり深入ったことはきょう伺いません。私は今、次長に伺いたい点は、各種共済組合等がありますが、いずれもそういう運用をいたしております。すなわち、公務員身分を保有している人は、共済組合員としてこれを扱っていきたい。それから、この付帯決議をなされておりますように、常勤的非常勤職員でも、一年未満は全部とは申しませんが、付帯決議にありますように、一年以上雇用されているような人は、この立法の精神からいって、組合員対象にしていくような政令案というものを考えられているのであろうと、かように推察するわけですが、確定していなければそれはよろしゅうございますが、お答え一つ願いたい。
  17. 村上一

    政府委員村上一君) 御指摘がありましたのは、常勤的非常勤職員という名で呼ばれている方々だろうと思います。これらの方々共済組合法上の取扱いにつきましては、御承知のように、前から相当長い間の問題になっております。で、今回発足します際、これをどういうふうに取り扱うかという点が相当大きな問題でございますが、御承知のように、そういった常勤的非常勤職員につきましては、現在、共済組合制度以外の面、たとえば任用、それから給与、あるいは服務、また身分保障、あるいは定員法等関係等で、その他の一般公務員と、程度はいろいろございますが、差が設けられております。そこで、共済組合制度でこれを全く同様に取り扱って参りますかどうか、それらの点は、やはり私どもとしては、公務員制度全体としまして、今申し上げました任用給与、あるいは服務定員といった問題と、やはりあわせて検討を要する問題だろうと思います。従いまして、それらはもちろん審議会十分検討をいただく問題だろうと思いますが、もう少し慎重にそういった機会に検討いたしたいと、かように考えております。     ―――――――――――――
  18. 永岡光治

    委員長永岡光治君) 御質疑の中途でございますが、ただいま委員異動がございました。  千葉信君が辞任され、後任として大河原一次君が委員に選任されました。  以上、御報告いたします。     ―――――――――――――
  19. 永岡光治

    委員長永岡光治君) 質疑をお続け願います。
  20. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 関連。今の矢嶋委員から質疑のあった常勤的非常勤ですね、そのほか休職者とか停職者、こういうものまでがこの組合員から除外されているかに聞いているのですが、もしそうだとすると、前国会衆議院の、いわゆる今お話しのあった付帯決議を完全に無視している、そういう結果になろうと思うのですが、そういうことはないと思いますが、念のためお伺いしておきたいと思います。
  21. 村上一

    政府委員村上一君) 非常勤職員のほかに停職者関係の問題が御指摘がございましたが、これもまた一つ相当前からの問題でございます。そこで、今度の発足に当りまして、それをどういうふうに取り扱いますかの問題でございますが、これはいろいろ、先ほど申し上げましたように、ほかの制度関連をして参ります。そこで、私どもとしましては、先ほど申し上げましたように、政令案につきましてのまず素案を作りまして、関係各省組合等意見を今伺っております。また、それを審議会委員方々に、七月一日以前に御審議いただきたいと、かように考えておりますけれども、そのもとになります案としましては、私どもはやはり現在現行でどういうふうに行われてきたかということから発足いたしまして、どういうふうに改善すべきか、こういうふうに御議論を進めていただきたいというつもりで、原案を準備しております。
  22. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 これで私の質疑は終りますが、村上さんに要望申し上げておきますが、今のあなたの発言ですが、私はここであまり突っ込んだ質疑応答はいたしません。要は、三者構成になる審議会で、十分一つ時間をかけて審議していただきたい。決してそういうところで強引に多数決でやるようにしないで、せっかく共済組織法ができるわけですから、十分話し合って、納得できるところで一つきめていただきたい。  その際に、私、先ほど申し上げた点と重複する点があると思うのですが、立法府付帯決議として活字になっているものは、ぜひとも一つ尊重していただきたい。それから、組合員範囲というものは最も基本的な問題で、重要な問題だと思うのですが、公務員身分を保有する者は、こういう共済精神のもとにできるこういう組合では、組合員として扱っていくべきである、そうしてもらいたい、こういう私は基本的な考えを持っているわけで、そういう立場から、前国会でもいろいろと質疑応答をやったつもりでございます。従って、この第二条から申しまして、政令でそれはきめられるわけですが、公務員身分を保有する人は組合員対象とするよう政令をこしらえて、審議会にかけてほしいこと。  それから、最後にもう一つは、冒頭に申し上げましたように、大臣権限が非常に強化されて、組合員福利厚生事業等組合員の総意の線に沿ってやれなくなるのではないかという懸念があり、その立場から、資金運用部資金原資資料等も出していただいて、われわれも審議したわけですが、政令作成に当っては、繰り返して申しますが、これらの点については十分この組合員意向というものが反映されますように、組合員積立金資金運用部資金原資に繰り入れられて、そうして大臣の一存によってそれらが原資として運用されて参って、組合員福利厚生事業が行えない、制約されるような事態になるということは非常に好ましくないことだと思いますので、政令案作成に当っては、特にそういう点、一つ要望をお願い申し上げておきたいと思います。
  23. 永岡光治

    委員長永岡光治君) 委員長からも特に要望しておきますが、実はこの施行法国会末期に提案された法案でありまして、当時審議過程でも論議されたのでありますが、できるごとならば、予想される政令案内容提出をいただいて、要綱程度は少くとも提出していただいて、そうして審議しなければ、どうも責任が持てないという情勢にあったのでありますけれども、特に大蔵当局の強い要望があり、早急にこの施行法を一連の法律として成立せしめなければ、本法の効果も期待することができないという強い要望があって、他面、時間の制約も受けたために、細部にわたって問題は論議されずに成立を見たうらみがあるのであります。しかし、その審議過程では、いろいろ各委員から要望され、また質疑をされましたように、この政令内容にわたっては、付帯決議国会要望というものを十分尊重して盛ってもらいたいということを、つけ加えられておるはずでありますし、また、そのことを政府の力でも確約しておるわけでありますから、どうぞその辺の行き違いがないようにお願いいたしたいのと、同時に、それから、特に組合員範囲の問題につきましては、恩給制度と違いまして互助制度でありますから、保険制度でありますから、あまり窮屈に考え過ぎて、この共済組合法、新しい退職年金制度を作った精神が没却されないように、そういうことを特に一つ考慮していただいて、ただいま矢嶋委員からも御要望がありましたが、その点について特段の一つ御配慮をいただくようにお願いをいたしておきたいと思う。  そして、七月一日、短期給付ということになりますが、実施適用ということになりますが、あまりにも急ぎ過ぎて、組合員側要望が無視されることのないように、十分一つ時間をかけてもらって、これは私は必ずしも法律上から見まして遡及といっても悪くないのじゃないかと思いますので、七月一日以前に必ず政令で出さなければならぬという筋合いのものでもないと考えられますので、そういう疑点のあり得ることについては慎重なお取扱いをされていただきたいと、特に要望いたしておきます。
  24. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 岸本給与課長にお伺いしておきますが、前国会末期の当委員会で、御承知のように、政令と、それと財源計算書提出方を再三にわたってお願いいたしたわけです。特に岸本給与課長からは確約があったわけです。ところが、国会が終って、もう特別国会になっても、いまだに提出がない。これは委員会意向を無視するもはなはだしいと思う。どのような理由でいまだに提出がないのか、はっきりと一つ理由を伺っておきたいと思います。
  25. 岸本晋

    説明員岸本晋君) 法律に基きます政令案あるいは財源計算につきまして、伊藤委員からも御要求のありましたことを、私十分記憶いたしております。本日まで提出がおくれておりまするが、事情を申し上げますと、政令の方でございますが、これは先ほど御説明がありましたように、各省意見を今伺っておる段階でございまして、ほぼ政府部内の意見というものが統一された段階でありませんと、これでやるのだという意味で、かりに提出申し上げてもいかがかと存じます。今のところ、御遠慮申し上げておるわけであります。  財源計算の方につきましては、今回非現業の雇用人、それから五現業の職員、大体六つに分けて財源計算をいたさなければならないわけでございまして、従来の共済組合法におきましては、この財源計算のやり方が各組合ばらばらな点があったわけであります。これを、今度新しい法律ができます機会に、この審議会等財源計算の基本的な方法等も諮問いたしまして、そこで考え方を統一した上で正確な財源計算はやろうじゃないか、こういう方向で進んでおります。これは組合員の方でも、むしろそれの方を希望しておられるようであります。一応審議会意見を聞き、政府として自信のできた基礎での財源計算見通しがつきました段階で、これを御提出申し上げたい、かように考えております。
  26. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 そのような事情があるならば、一応確約されたわけだから、かくかくしかじかでおくれておるということを、中間報告でもいたすのが常識であろうと思う。そういう点についてははなはだ遺憾だと思うので、今後御注意いただきたい。
  27. 永岡光治

    委員長永岡光治君) ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕
  28. 永岡光治

    委員長永岡光治君) 速記をつけて下さい。     ―――――――――――――
  29. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 防衛関係は、アジア大会に対する出動の問題だけでなく、他の委員からもいろいろだだしたい点があると言われておりますし、防衛庁長官もかわられたことですから、長官以下政府委員出席の上で、あらためてやる必要があると思っております。  このアジア大会に自衛隊が多数出動した件につきましては、その経緯並びにその出動人員等について資料を要求いたしましたところが、一応の資料が出ております。しかし、まあこれに対する質疑は、防衛庁の責任者並びにスポーツの所管大臣である文部大臣出席の上でなければ質疑ができませんので、質疑を後刻に回すことに異議ございません。ただ、文部省側に資料を文書をもって提出を要求いたしたいと思います。  アジア大会の主催者は組織委員会あるいは実行委員会だと思いますが、しかし、体育局長はそのメンバーでありますので、資料は出せると思うのです。その立場から、資料の提出委員長を通じて要請をいたします。内容は、防衛庁、自衛隊に対してどういう協力要請をしたのか、どの程度の協力をしてほしいという要請をしたのか、その点と、それからアジア大会に、多数の学生、生徒、児童が、切符を持ちながら入場できなかったわけですが、その実情並びに原因は那辺にあると文部当局は把握しているのか。それから、もう一点は、これは去る二十八回国会において私が予算委員会でただし、当時の松永文部大臣から期待に沿う答弁があっておった問題ですが、その後、その当時の確約に反して、依然として高等学校、中学校生徒から半強制的に寄付金を集めております。それはだれが責任者で寄付金を集めているのか、その金額は幾らなのか、なぜそういう寄付を大臣は遺憾であると言いながら半強制的に求めなければならないのか、それらの点を文部当局はどういうふうに把握しているのかという点が明確になる資料を、文書をもって提出するように要請をいたします。
  30. 永岡光治

    委員長永岡光治君) ただいまの要請事項は、文部当局が出席しておりませんので、委員長から、できるだけただいま要請された資料の提出ができるように、その線に沿って努力をいたします。  他に御発言もなければ、午前の審議はこの程度にとどめ、午後は一時から再開することといたしまして、主として防衛問題について調査を行うことにいたします。  これにて暫時休憩いたします。    午前十一時四十五分休憩      ―――――・―――――    午後一時三十一分開会
  31. 永岡光治

    委員長永岡光治君) 休憩前に引き続き、委員会を開きます。  委員異動がございましたので、事務局から報告させます。
  32. 川上路夫

    ○参事(川上路夫君) 御報告いたします。  先刻、松本治一郎君が辞任され、後任として北村暢君が委員に選任されました。  以上でございます。     ―――――――――――――
  33. 永岡光治

    委員長永岡光治君) 次に、左藤防衛庁長官から、ごあいさつのため発言を求められておりますので、これを許します。
  34. 左藤義詮

    ○国務大臣左藤義詮君) このたび、はからずも防衛庁の仕事を担当することを命ぜられまして、この委員会においては特にお世話になることが多いと存じます。何分浅学非才でございますので、皆様の御鞭撻、御協力をひとえにお願い申し上げる次第でございます。     ―――――――――――――
  35. 永岡光治

    委員長永岡光治君) それでは、これより議事に入ります。  国の防衛に関する調査を議題として、調査を進めます。  矢嶋委員から発言を求められておりますので、これを許します。
  36. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 防衛問題については、先国会調査審議した件に関する結末の問題とか、あるいは明年度の防衛事業計画なり、あるいは先般本委員会で視察しました技術研究に関する問題とか、種々あると思うのです。それらの問題についてこの国会中に本委員会でただしたいというのは、わが社会党の方針でございますが、本日は、自衛隊の出動関係について、具体的には、アジア・オリンピック大会の出動とか、あるいは災害出動、あるいは領空侵犯に対する出動、それに限定して、若干お伺いいたしたいと思うわけです。  この質問を展開いたしますれば、当然文部行政に関連いたしますので、委員長におかれては、私は文部大臣を要求しているわけですが、文部大臣がどうしても都合悪ければ、少くも政務次官くらいは御出席願いたい。  その質問をするに先立って、恒例としまして、やっぱり防衛庁長官の所管事項に関する所信表明と申しますか、そういう点について一応お伺いをして、それから具体的な質問をいたしたいと思いますので、委員長においてしかるべく委員会を運営願いたいと思います。
  37. 永岡光治

    委員長永岡光治君) ちょっと速記とめて下さい。   〔速記中止〕
  38. 永岡光治

    委員長永岡光治君) 速記を起して下さい。
  39. 左藤義詮

    ○国務大臣左藤義詮君) 就任日が浅いのでございますが、前長官からも引き継ぎまして、第二次岸内閣の担当大臣としての所信を簡単に申し上げます。  最近の世界の情勢は、緊張のうちにも国際間の対立を打開しようとする真剣の努力が続けられておるのでありまして、私は、このような世界の大勢に応じまして、国際連合を通じて国際緊張の緩和、世界平和の建設に積極的な努力を続けていきたいと存じます。  わが国の防衛につきましては、世界平和の維持を根本とし、変化する世界の情勢を勘案し、政府の決定した国防の基本方針に基いて、わが国の国力と国情に応じた防衛力を、質に重点を置いて漸進的に増強していきたいと考えております。防衛力整備に当りましては、積極的に海外の新技術を吸収し、装備の近代化をはかり、自衛隊の任務達成のため万全を期していきたいと存じます。核兵器につきましては、その装備は行いません。  自衛隊の任務は、広く国民の理解と支持を受けなくては全うされないことは、申すまでもございません。国民から信頼と支持を受けるにふさわしい実質を備えるように、努力いたしたいと存じます。このために、平素から適切なる教育と訓練を行い、わが国土の防衛に任ずるという任務の尊さに対する自覚と、これに伴う責任感をもって、隊務に従事することができるようにするとともに、また、信賞必罰を明らかにしまして、厳正な規律の保持に努め、いやしくも国民の信頼と期待を裏切ることのないよう万全の措置をいたしたい、かように存じている次第でございます。
  40. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 ただいまの所信表明に対しましては、いずれ次回の委員会で、他の委員並びに私からもお尋ねしたいと思います。きょうは具体的の点についてお伺いいたしますが、その前に、ただいまの所信表明に関連して、一点だけ伺っておきたいと思うのです。  まず、官房長に伺うのでありますが、内閣がかわるたびに防衛庁長官がおかわりになる。そのつど私感ずることなのですが、防衛庁の内部部局においては、文民優先ということがはっきりと堅持されているかどうか、今後もその点について自信が持てるかどうかということを承わりたいと思います。私は、内閣のかわるたびに防衛庁長官がおかわりになる、このことは長官としても非常に骨の折れることだと思うし、事務当局もいろいろとこの経緯、経過、現状等を御説明申し上げるのに骨の折れることと思うのです。そういう事態がありますと、よほど内部部局において文民優先が確立されていないと、情勢次第では文民関係は押しまくられて、かつての日本の軍部が犯したあやまちを再び犯すおそれなしとしないと思う。そういう点、私は内閣がかわるたびに感じます。私ども社会党としては、この今の再軍備計画というのは憲法違反であるという解釈をいたしております。そういう立場から反対をいたしておるわけでありますけれども、しかし、予算が、あるいは法律が、国会で可決成立して施行されて、そのことは厳粛なる事実で認めざるを得ない。そういう事態においては、その事態の範囲内において誤まりなきを期さなきゃならぬ、そういう立場で私ども再軍備に、自衛隊の増強方針に、大きな方針として、主張としては反対でありながらも、内閣のかわるだびに非常にその点懸念をいたしておるわけであります。官房長はこれについてどういう見解を持たれているか、私は承わっておきたいと思います。
  41. 門叶宗雄

    政府委員(門叶宗雄君) 私からお答え申し上げるのもいかがかと存ずる問題でございますが、文民優先ということは、前の大臣が当委員会その他でしばしばお答えになっております通り、しょせんは政治の軍事に対する優先を意味しておることと存じておるわけでございます。われわれいわゆる内局におりまして、大臣を補佐しておる者といたしましては、政治が軍事に優先し、万事政府においておきめになった線に沿うて仕事をやっていく。いやしくも軍当局あるいは制服を着ておる者が政治に優先するというようなことのないことに、今後十分心がけていくつもりでおります。われわれ内局におる者といたしまして、また各部局におりまして仕事を担当しておる者といたしましても、その点については十分注意をいたし、戒心をいたしておる次第でございます。今御指摘のありましたことは万ないと存じておるわけでありますが、なお今後とも十分注意をして、御期待に沿うようにいたしたいと考える次第でございます。
  42. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 長官にお伺いいたしますが、長官、さぞかし御苦労のことと御推察申し上げるわけでございますけれども、今申し上げた基本的な問題について左藤長官にお伺いすることは、おこがましいことかと思いますけれども、お伺いしなくてもわかっていることかと思うのでございますけれども、あらためてそれらの点について所信をお伺いいたします。
  43. 左藤義詮

    ○国務大臣左藤義詮君) 先ほど申し上げましたように、浅学非才、未経験ではございますが、ただいまの文民優位ということにつきましては、国務大臣として、防衛庁長官として、全力を尽す覚悟でございまして、今後行き過ぎるようなことは絶対させませんように、責任をもって努力いたしたいと思います。
  44. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 次にお伺いいたしたい点は、国務大臣は総理のお許しを得れば私企業にも関与できることになっているわけですけれども、歴代の総理はできるだけそういう方面から国務大臣になるとともに縁を切るように配慮されて参ったようです。従って、藤山外務大臣の誕生のときのごときは、ずいぶんと関係私企業との縁を切られたことをわれわれ承知しておるわけでありますが、こういう点について長官はどうお考えになっておられるか。ということは、きょう私若干お伺いしたいと思うことは、アジア・オリンピック大会との関係もあるのですが、前長官の津島さんが非常な活動家で、実行力のある優秀な長官でございましたが、防衛庁長官とアジア・オリンピック組織委員会委員長を兼ねられて、あの前後の様子を見ますと、私はやはり御無理なんじゃないかということを感じました。一九六四年のオリンピック大会東京招致についても関係されているようですが、今後は、長官にそういう問題が起っているかどうかわからないが、私は、私企業と同時に、防衛庁長官という地位につかれたら、ああいうのはやはり兼ねられない方がいいのではないか、こういう私は感じを持っているわけですが、従って、事が起ったときにとやかく言うことは好ましくないので、事前に、長官はどういうお気持でいらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
  45. 左藤義詮

    ○国務大臣左藤義詮君) 営利的な私企業につきましては、内閣方針としてできるだけ辞退するということに……。ただ、私、いろいろな、大阪府並びに市の仏教会長であるとか、そういうものを兼ねておりましたが、全部これはやめる手続をしております。私、自分の親の代から、私立の女子の学校の理事長兼校長をいたしておりますが、それにそれぞれ担当の人がおりまして、ほとんど実際の仕事をやっていないのですが、学校が幾つかに分れておりまして、これをまとめていきます上にも、やはり私の名前を持っておる方が非常に統一しやすいということで、これは報酬を受けませんということで、営利事業ではございませんので、総理のお許しをいただくように今手続をいたしておるのでございまして、それ以外の仕事は全部辞任をいたすつもりでおります。
  46. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それでは、先ほど委員長のお許しを得ました点について、若干お伺いをいたします。  まず、文部省の清水体育局長に伺いますが、アジア・オリンピック大会の開催責任者はだれですか。
  47. 永岡光治

    委員長永岡光治君) ちょっと、ただいま出席されている方を申し上げます。防衛庁の方から左藤防衛庁長官、門叶官房長、加藤防衛局長、小山装備局長、文部省側から高見文部政務次官、清水文部省体育局長、以上でございます。
  48. 清水康平

    説明員(清水康平君) 第三回アジア競技大会が東京で開かれることになりまして、きまりましてから、それに対する組織運営につきましては、三十年の十二月十七日に第三回アジア競技大会組織委員会というものを組織されました。競技大会の主催はアジア競技連盟でございますが、実施機関として、ただいま申し上げました第三回アジア競技大会組織委員会というものが組織されたわけでございます。これは国会政府、東京都、体育協会、その他関係の団体あるいは学識経験者から選ばれまして、大体七十名をもって組織されておるわけでございます。会長が津島壽一氏でございます。その組織委員会の下に、実質的な事務局といたしまして、事務総局を置かれました。それで、競技を進行するために、組織委員会の下に事務総長を置き、その下に競技局、競技の運営推進につきましては主として日本体育協会がこれに当り、競技以外の一般の事務、いわゆるゼネラル・アフェアーズにつきましては、東京都の広報渉外局が当って参ったわけでございます。実質的な機関といたしましては、その事務局の競技局と総務局が当ったということでございます。以上でございます。
  49. 永岡光治

    委員長永岡光治君) なお、出席されておる方は、防衛庁の山下経理局長、同じく防衛庁の小幡教育局長が見えております。
  50. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 従って、実施機関としての組織委員会が中心であり、責任はここで持つ、企画もここでする、かように了承してよろしいのですね。
  51. 清水康平

    説明員(清水康平君) けっこうでございます。
  52. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 関連して参りますが、一九六四年のオリンピックを東京に招致いたしたい、国会も議決をし、準備委員会発足をして対策を講じつつあるわけですが、これが実現した場合の責任ある開催実施機関の主体は、何だと考えておるのですか。
  53. 清水康平

    説明員(清水康平君) お答えを申し上げます。幸いに、いや、私どもは確信を持っておるわけでございますが、期待を持っておるわけでございますが、一九六四年に東京都で十八回オリンピック大会が開かれますと、その主催はオリンピック委員会でございます。しかし、実際の実施機関といたしましては、アジア競技大会と同じような、名前はどうなりますか、東京オリンピック大会組織委員会というようなものが組織せられるのではなかろうかと思っておる次第でございます。そうしてその下にやはり事務局のようなものが置かれて運営されるのではないかと思っております。
  54. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その答弁、了承いたします。  問題は、その委員会構成のいかんが問題となって参りますが、ここは内閣委員会ですから、あまり逸脱しない程度にあとで伺って参りたいと思いますが、まず組織委員会構成されて、計画するに当って、組織委員会防衛庁当局にどういう協力要請をされたのか、その理由と内容、まずそれを伺います。
  55. 清水康平

    説明員(清水康平君) 申し上げます。すべての運動競技会は自主的に運営されておるわけでございますが、しかし、このたびのアジア競技大会の実施機関であります組織委員会といたしましては、スポーツの国際競技といたしましては空前のものでございまして、これには国民各界の御協力を得なければならぬのでありますが、反面、仕事の性質上、各省各庁の御協力を得なければならぬというので、組織委員会から関係のある各省庁に御協力方を申し出られたわけでございます。文部省にもそういう連絡のことがございました。しかし、文部省といたしましては、こういう運動競技、アジア競技大会の主管といいますか、所管と申しますか、そういう立場から、文部事務次官からそれぞれ関係のある各省庁に協力方をお願いいたしたわけでございます。  内容をもう少し詳しく申し上げますと、文部事務次官から、本年の三月十三日付をもちまして、七つの関係各省各庁にお願いを申し上げたのでございます。通牒の内容をちょっと申し上げますと、第三回アジア競技大会開催について依頼といたしまして、来たる五月二十四日より六月一日まで東京において開催される第三回アジア競技大会については、かねてから種々御配意をいただいていることと思いますが、別紙の事項については――別紙の事項ということは、これは組織委員会から依頼方を申し出たものでございます。別紙の事項については特に急を要する事情にありまするので、よろしくお願い申し上げます、という御依頼文を差し上げたわけでございます。  まず、防衛庁に対してはどういうものを出したかという御質問でございましたが、これにつきましては、ただいま申し上げました所へ、別紙の事項といたしまして、第三回アジア競技大会開催に伴い貴庁協力依頼事項要旨といたしまして、一として、聖火リレー用P2V派遣方について、それからもう一つは、開・閉会式式典祝砲について、二項についてお願いいたしたわけでございますが、その日に各省の次官会議がございまして、以上のことを各省にお願いすると同時に、その他組織委員会からいろいろ御協力方を願い出ていると思うが、アジア競技大会の意義の重大性から、何分ともよろしく御協力方お願いするという意味合いのことが、次官会議において文部次官からお願い申し上げた次第でございまして、なお、この開会式の祝砲についての問題もありますので、閣議におきまして、主管省といたしまして文部大臣から進んで発言を求められまして、アジア競技大会の意義を申し上げ、特に式典の場合における祝砲について、これはいろいろ礼砲という点はございますが、祝砲も礼砲の一つというようにも考えられますけれども、アジア競技連盟規約によります三十一条によりまするというと、祝砲発射ということが憲章に規定されてありまして、そういう関係もありますので、その他文部大臣から特に発言がございまして、各省の御協力方をお願いをし、御了解を得ている次第でございます。以上でございます。
  56. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私は、一九六四年のオリンピックを東京に招致し成功さしたいという、そういう希望を熱烈に持っているものでありまして、そういう立場から、この問題を少し掘り下げて聞きたいと思うのです。  組織委員会としては、防衛庁当局にこれだけの要請をしなければ、アジア・オリンピック大会が開けないという判断に立ったのかどうか。防衛庁当局から出された資料によると、多い日で五百五十九人、少い日で二百五十一人、これだけの人員が十日間出動しているわけです。それ以外に通信器材から航空機とか、ずっと出ているわけですが、聖火リレー等に飛行機が出る、これも必要でしょう。また祝砲というのも、これは儀礼的なものとなっているわけですから、こういうものは必要でしょう。しかし、それ以外にも資料として出ているわけでありますが、これだけの人員とこれだけのものを防衛庁当局に御支援願わなければ、アジア・オリンピック大会は開けない、こういう判断のもとに組織委員会は要請をされたのかどうか、その判断を一つ
  57. 清水康平

    説明員(清水康平君) アジア競技大会の尊い経験によりまして、来たるべきオリンピック大会については、それぞれお互いに謙虚に反省をいたして、対処していかなければならぬと思っている次第でございまして、ただいま、九日にわたってアジア競技大会防衛関係で協力した人は、延べにいたしまして四千四百八十九名に達するじゃないか、こんなに大ぜいなくちゃならぬかというお話がございましたが、この点につきましては、組織委員会の御意向もよく聞かないと何とも言い得ませんけれどもアジア競技大会の経験によりまして、将来この種、これ以上の競技大会の開催には、より簡素な、より強力に責任体制を明らかにしていかなければならぬと思っている次第でございます。  ただし、アジア大会におきます防衛関係の支援内容を見ますると、御存じと思いますが、選手の導入要員、プラカードを持って入られた人でございますが、それから標旗の要員でありますが、それからブラスバンド、祝砲。ブラスバンドは、各国のオリンピックはアジア大会と違いまして、各国はみんな軍隊を使っておるようでございますが、日本におきましては防衛庁の協力を得たのでございますが、その他警察、消防庁の協力を得ております。学生の協力を得ておりますが、それからブラスバンド、祝砲とかあるいは国旗掲揚台のあの掲揚の問題でありますとか、あるいは無線連絡。射撃が一つの競技種目になっておりますが、射撃場の要員でありますとかというように、御協力願ったわけであります。  それで、日本で最初のああいう大きな規模でございまするので、これが非常に多過ぎたのではないかどうかという、延べが四千四百八十九になりますから、そういうふうにお持ちになるかもしれませんが、防衛関係につきましては、各人それぞれ与えられた仕事にきわめて熱心に協力せられましたので、ただいまのところ、多過ぎたという感じは今のところは持っておりません。非常に協力を得て、組織委員会としても深く感謝いたしておる次第でございます。
  58. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 あなたがそういう答弁するなら、私ももう少し掘り下げて伺いましょう。あとで伺いたい点は、自衛隊としては自衛隊法のどの条章に照らしてこれだけの動員をしたかということでございますね。たとえば、具体的に申し上げますよ。選手導入要員という、あの各国の選手を、開会式と閉会式のときにプラカードを持っていったですね、あれは何も防衛大学の生徒でなくちゃならぬということはないと思う。日本体育大学の学生がこのアジア・オリンピック大会に協力された姿というものは、まことに見上げたものだったと思う。あの生徒は前後十二、三日ぐらい奉仕したようですが、りっぱな勉強になったと思うのです。私はほんとうに彼らの働くのを見て頭が下った。りっぱなああいう日本体育大学の学生だったら、選手導入要員に使われたら、彼らは誇りを持ってりっぱにやりとげたでしょうし、また彼らの教育にもなったと思う。何も防衛大学の学生を、あの神奈川県からおいで願って、これに使わなくても、ほかに防衛大学の学生は、私は十分研修すべき事柄があると思う。何がゆえにああいう学生を使ったかということ。  それから、標旗要員でもそうです。あれは、日体の生徒ができなかったら、ボーイ・スカウトでもガール・スカウトでもいいです。幾らでも奉仕に来ておった。それから、国旗掲揚要員ですね、これは三位まで入った国の国旗をあげますね。私が見ておっても、やはり戦争時代を思い出したですよ、あの高い所に国歌とともに国旗があがっていくと、それを制服制帽の軍人があげていると、東南アジアでは日本の兵隊が行って戦争やった国もあるわけですから、僕は戦争の経験のある兵隊さんだったら、国歌とともに日本の国旗が制服制帽の軍人の手であがれば、あれはかんばしくないと思う。あれだって何も私は自衛隊員でなくても、あれは日体の生徒で十分間に合うと思う。それから、聖火台のところへずっと行って見ておったが、あの聖火台の、聖火の周囲の熱いところで守っておったのは、あれは大学生じゃないですか。それから、各国の国旗がたくさんあがっていますね。あの国旗は、開会式と閉会式のときだけ自衛隊員がするのですね。命令か知らぬが、掲揚と降下をやりました。ところが、平素ナイターがあって、夜の九時か十時に下げるのは日本体育大学の生徒がやっておる。自衛隊員は開会式と閉会式のはなやかなときだけ国旗をあげて、平素はみな日本体育大学の生徒がやっていた。私はよく見ていたわけですけれども、これらの点については適当でないと思う。それから、陸連の本部とかああいうところに、自衛隊の相当の階級の人が入っておったが、何がゆえにああいうところに入るのか。  とにかくもう少し、私は自衛隊は自衛隊としてやるべきことがあると思う。自衛隊法のどの条章に照らしてこれらの者が出て来たのか、この点、私は防衛庁長官に伺いたいと思う。  それから、エキジビションもずいぶんりっぱなものもありましたし、外国人も感心して帰ったのですけれども、これに参加した防衛大学の学生の集団体操もりっぱでしたし、これは非常にけっこうだと思うのですけれども、ところが、あの中に防衛大学の学生が、一個小隊か二個小隊ほど、鉄砲をかついでエキジビションでやったことは、ちょうど国際劇場かどっかで、歌劇のときに少女歌劇がやるようなことをやった。ああいうことを平素防衛大学でやってい出るのですか。何の目的があってやるのか、ちょうど国際劇場で歌劇を見るような調子です。あんなものをわざわざ久里浜から東京まで連れて来てやるのに、何の意義があるのか。どうも防衛大学とか自衛隊をあの期間に宣伝しようというような誤まれる考えがあったのではないか。良識から考えると、どうも考えられないのです。  それから、プールの中へ入ると、プールにやはり制服制帽、ちゃんと軍靴で自衛隊の人が何人か入っておって、やはり国旗の掲揚をやっていた。あんなものは水連の学生諸君でもけっこうできますよ。何も制服制帽の軍人を軍靴のままあの屋内プールに入っていただかなくても、できると思う。  私は、ああいうことを要請しなければアジア・オリンピック大会は運営できぬと判断した組織委員会は、よほどどうかしていると思う。そんな考えでは、一九六四年のオリンピックなんかやれませんよ。それからまた、どういう要請があったかもしらぬが、そういう要請がどの程度あったか知らぬが、派遣した防衛庁長官の私は感覚もずれていると思う。一体、自衛隊法のどこにもありませんよ、そういうものは。それは答えていただきたいと思う。  それから、答弁の不十分な点は反問いたしますが、さらに、具体的にあわせてお答え願いたいのですが、ヘリコプターが相当出ておったのですが、あのヘリコプターで盛んにテレビ撮影をやっておったのですが、あのテレビはどこにお貸ししたのですか。NHKにもNTVにもお貸ししたのか、特定のテレビ会社に利用さしたのか、それらの点も私は伺って、さらに質問を続けたいと思うのです。
  59. 清水康平

    説明員(清水康平君) 大へん失礼いたしました。あの防衛関係が四千も出て、多かったか少なかったかというお話だったものですから、そういうことを申し上げたのですが、将来あの種、あるいはあれ以上の大会を催されるときにどうするかという問題につきましては、なお検討を要するものがあるだろうと思っておる次第でございます。  なお、御参考までにちょっとこの際御報告申し上げますが、大会の始まりから終るまで、各方面の協力を得て、無事終了したのでございますけれども、特にただいまお話ございました通り、日本体育大学の学生、ボーイ・スカウトの諸君のまことに献身的な努力、奉仕については、まことに涙ぐましいものがあった次第でございます。特に、ちょっと申し上げますというと、日体の人たちは毎日千五百人程度出ております。延べにいたしまして一万六千三百四十名というものに、協力してもらったわけでございます。これは、会場が十四ございますが、後楽園のサッカーの競技場を除いて、十三カ所に出動していただいたのでございまして、この日体の学生たちは、入口の切符の点検でありますとか、観客の誘導でありますとか、あるいは座席の案内、あるいは場内整理、あるいは通路の確保というような問題、それからただいま御指摘のございました通り、競技場のぐるりのあの二十カ国の旗、これは朝早く来てあげ、夜おそくおろすというようなことに、心から協力していただいたわけでございます。それから、ボーイ・スカウトの人たちは、これは一日大体六百か七百、延べにいたしまして六千百八十名の多数の人方が御協力願ったのでございますが、この人たちは主として、主競技場に近い千駄谷駅でありますとか、信濃町駅の交通整理をいたしましたばかりでなく、会場の案内、あるいは誘導、警備、それから競技場以外の外の国旗の掲揚にも努力していただいたわけでございます。  それぞれ、日本体育大学は学生として、またボーイ・スカウトはボーイ・スカウトとして、それぞれの立場で御協力願ったのでございますが、それ以外、今申しましたように、防衛関係といたしましては、主としてこの儀式に参加していただいたわけでございます。  それで、今後どうするかという問題につきましては、なお検討を要していかなきゃならぬ。この次には最も能率の上るりっぱなものにお願いをしなきゃならぬと思っておりますが、一つの例といたしまして、先ほどの国旗掲揚台、あれなどは非常に高い所でございまして、ふちがなくて、風があると、よほどしっかりしていないとだめなのです。もう一つ欲をいえば、旗が下の方からするするとあがってしまうと、あそこにこう自衛隊の人ががんばっていただかなくてもよかったのでございます。  それから、もう一つは、御承知と思いますが、この儀式は相当団体訓練と経験のある人、それから長い間行事に耐え得る体力というような点から、組織委員会といたしましては、防衛庁に御依頼なすったのではないかと思っておるわけでございます。今後の問題につきましては、またあらためて検討し、御協力願わねばならぬところは御協力願い、各方面とも連絡を密にして、遺憾のないようにして参りたいと思っております。
  60. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 ちょっと、防衛庁当局の答弁の前に……。局長の答弁は絶対に了承できない。あなたの答弁では、日本体育大学の学生はあれだけの奉仕をしたが、日本体育大学の学生の訓練と体力では、選手導入要員とか、あるいは国旗掲揚等は勤め得ない。だから、体力と訓練の非常に徹底している自衛隊の出動をお願いしたのだ、これは組織委員会の見解だと、こういう意味のあなたは答弁をしておる。そういう意味ですか。
  61. 清水康平

    説明員(清水康平君) お願いをしたときにはそういうことで……。
  62. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そういう意味ですか。重大な発言ですよ。日体当局に対しては冒涜ですよ。
  63. 清水康平

    説明員(清水康平君) 今のお話でございますが、このアジア競技大会の経過を申し上げたわけでございまして、今後この種、これ以上の大会をやる場合には、改まった観点からこれを検討していかなきゃならぬと思っておる次第でございます。以上でございます。
  64. 門叶宗雄

    政府委員(門叶宗雄君) 防衛関係の事務的な点についてお答え申し上げます。  先ほど文部省からもお話がありました通り、今回の行事につきましては、関係各省の事務次官その他をもって構成されております、第三回アジア競技大会組織委員会で、大体各省の協力分野について協議をいたされたわけであります。その結果、今回防衛庁などで御協力申し上げた以外にも、相当たくさんな御要請があったわけでありますが、部内においてそれぞれ協議いたしました結果、先ほど来お話の中にございました通り、あるいは防衛大学生の標兵の問題、あるいは誘導、あるいは旗のあげおろし、その他礼砲を撃つとか、あるいはP2Vを出したというような点について、防衛庁側で意見をまとめまして御協力申し上げた次第でございます。  防衛庁といたしましては、今回の行事が国際的な行事であり、国際の親善に寄与するところが多大でありますし、今お話がありました通り、過去のこの種競技大会の各国の軍隊の御協力の様子なども承知いたしておりますので、根本的な方針といたしましては、できるだけ御期待に沿うように御協力申し上げたいということで臨んだのであります。  ただ、はなはだしく防衛庁の任務とかけ離れておる、あるいはいたずらに非難を招く、批判を受けるという点につきましては、十分部内においても協議を重ね、この程度のことは協力するのもやむを得ないという考えで望んでおる次第でございます。  なお、御指摘のございました防大生のドリルの点につきましては、これは学校としては正課としては取り上げておりません。課外で同好の学生が行なっておるものであり、防大が儀式等を行う際に、学校の性質上厳格と緊張の連続となるので、行事に若干の色彩を添えるという意味から参加いたしたのでありまして、この点につきましては、特に主催者側から強い要請がありましてやった次第であります。なお、防大生の標兵を出し、あるいはプラカードを持って選手を導入したのは、私たちには課外訓練、ちょうど土曜日の午後でもありますし、閉会式の場合は日曜の夜間でありますので、課外教練の一つとして考えておった次第であります。  なお、お尋ねの一つでありまするテレビ、ヘリコプターによるテレビの放送についての御協力は、これはどこのテレビ、どこの会社ということでなくて、主催者側の御要請に基きまして、その選択は主催者においてきめたのでありまして、それに基いて全国に対する中継放送に御協力申し上げたという次第でございます。
  65. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 自衛隊法の何条を適用されたわけですか。
  66. 門叶宗雄

    政府委員(門叶宗雄君) ただいま申し上げましたほかに、ブラスバンドによる軍楽隊の支援、これは私たちが部内広報等やっております広報活動の一環として、実施いたしておる次第でございます。祝砲につきましては、先ほどお話がございましたが、特に本件につきましては、オリンピックの憲章にもございますし、閣議決定に基きまして実施いたした次第であります。  なお、P2Vのマニラ飛行につきましては、これまた閣議決定を見たわけでありますが、自衛隊の訓練にその基礎を求めております。その他の支援につきましても、自衛隊法に基く訓練といたして実施いたしておる次第でございます。
  67. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 いや、訓練でなくてですね、出動されておるわけですからね。閣議決定でもそうですが、閣議決定はどの条章に基いて閣議決定されたのか。さらに、こういうブラスバンドとかそういうのでなくて、きわめて広範に出動されておるわけです。とにかく各所至る所で目について、しようがないのだ。こういうときに、あれほど自衛隊を目につかせる必要はない。もう少し、自衛隊は本然の職務というものがあると思う。ああしなければアジア・オリンピック大会が開かれないというんなら、一九六四年のオリンピックは開かれぬですよ。私は強力なる推進論者だりたが、ああしなければならないというのなら、考えを改めます。あれは、たとえばこれは儀礼的なもので、祝砲要員が要るとか、あるいはブラスバンドを派遣するとか、これなら常識的だと思うのです。けれども、これだけ広範なものが出る以上は、自衛隊法の条章のどこかに求めなければならぬと思う。どの条章を根拠に閣議決定、あるいは部内の解釈をされたのか、その条章を私は指摘願いたいと思う。
  68. 門叶宗雄

    政府委員(門叶宗雄君) 今度のアジア・オリンピック大会に対しまする防衛庁、自衛隊の協力は、出動とは考えておりません。矢嶋先生御承知通り、出動は防衛出動、治安出動、災害出動、その三つの場合に限られておりまして、今回の御協力は全くいわゆる出動の考え方ではないのでございまして、設置法に基きます。設置法の第五条には、普通の広報活動の規定がございます。同じく五条に訓練の規定がございます。この二つを大体の根拠といたしております。また、祝砲については、先ほど申し上げました通り、国際儀礼、しかも国際慣例上こういうことをやっている。しかも、防衛庁以外にはどこもこれをやり得るところがないということで、特に閣議決定をお願いいたしまして、実施した次第であります。
  69. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 たとえば公共事業訓練として地方自治体に協力するというのは、たとえば百条なんかにちゃんと条文がありますね。あるいは出動でなくて災害派遣であったら、都道府県知事云々で第八十三条に根拠がありますね。みんなあるわけなんです、訓練にしても。しかし、今度のあのアジア大会に、ここに出るのは僕はどこにもないと思う。ことに自衛隊の任務、第三条からいって、逸脱していると思うんです。しかも、それは見る人の目によって違うでしょうが、私は開会式も閉会式も見ましたが、非常に感激しました。りっぱな大会でした。あれを、防衛大学の学生が外国の選手を導入しなければならぬということはないと思う。教育大学の体育部の学生にしても、日体にしても、幾らでもあると思うんだ。優勝者表彰の国旗掲揚など、制服制帽の自衛隊員があれをやる必要は何もない。それから二十カ国の国旗掲揚を見ると、さっき言ったように、開会式と閉会式だけ自衛隊の諸君がやっている。ほかのときは、夜おそくまでみな日体の生徒がやっているわけですよ。だから、日体の生徒から、あの中から要員をピック・アップしたら、適格者は十分いると思うんです。少し目につき過ぎましたよ。僕はブラスバンドを出すとか、祝砲ですね、これはこの前の大会では競技場で撃って批判があって、このたびは競技場外で撃ったという配慮をされた点はいいと思うのですが、こういう配意は常識的でけっこうだと思うのですが、しかし、今度の自衛隊はよく協力をしてけっこうだったという、こんな調子で、今後あらゆる場合にこういう動員をしたり、また一九六四年のオリンピック大会が開かれた場合に、そういう考えでやられたら、僕は納得できない。こういう点で、私は、防衛庁長官がどういうお考えでやっておられるか、お考えを承わりたい。
  70. 左藤義詮

    ○国務大臣左藤義詮君) 防衛庁といたしましては、課外訓練あるいは広報活動の一環というつもりで、組織委員会の要請におこたえをいたしたのでございますが、ただいまの矢嶋委員の御意見、まことに傾聴に値すると思いますので、将来の問題につきましては、十分ただいまのような御意見も参酌をいたしまして、度を過ぎないように、自衛隊本来の任務を逸脱しないように、慎重にいたしたいと思います。
  71. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 長官のただいまの答弁、了といたします。そこで、私は官房長に伺いますが、これだけの自衛隊員並びに防衛大挙の学生が動員されるに当って、たとえば防大の学生が東京まで来るのに、組織委員会からどの程度の手当を受けたか、またあなたの方としては旅費その他としてどの程度支出したか、承わりたいと思います。
  72. 門叶宗雄

    政府委員(門叶宗雄君) 今回のアジア・オリンピック大会に要した経費についてのお尋ねでございますが、ちょっと今資料が見つかりませんので、正確に後刻お答え申し上げたいと思いますが、費用の中で一番かかりましたのは、P2Vのマニラ往復に要する燃料費その他でございます。これが大体百五十万と記憶いたしております。その他を合せまして、全部で二百万足らずと記憶いたしております。今調べまして、至急にお答え申し上げたいと思います。
  73. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 車馬賃あるいは油代その他の名目で、アジア・オリンピック組織委員会からどの程度の領収をされておられるか、概略、承わりたいと思います。
  74. 門叶宗雄

    政府委員(門叶宗雄君) 組織委員会から特別にそれらについての報酬をもらっておるというふうには、承知いたしておりません。
  75. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それがないかどうか、はっきり後日までに確かめておいていただきたい。  それから、エキジビションに出た生徒には旅費を支給しておるわけですか、支給してないのですか。
  76. 門叶宗雄

    政府委員(門叶宗雄君) 先ほど来申し上げました通り、これは全く課外教育としてやっておるので、旅費は支給してないと承知いたしております。
  77. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 学生は全部ポケット・マネーで参加したことになっているわけですか。
  78. 門叶宗雄

    政府委員(門叶宗雄君) ドリルにつきましては、防衛大学の正式な学科でないので、これは同好の人たちの集まりでございますので、そちらの同好の方から出したと承知いたしております。
  79. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それで、集団体操の方は……。
  80. 門叶宗雄

    政府委員(門叶宗雄君) ちょっと、教育局長の方からお答えいたします。
  81. 小幡久男

    説明員(小幡久男君) 詳細調べましてから、あれしたいと思います。
  82. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 責任あるものを文書をもって出して下さい。  私は、防衛大学の集団体操は非常に感心して見ました。よかったです。しかし、ドリルか、何ていうのか知らぬが、歌劇のようなあんなものは、同好か何か知らぬが、あんなところでやることはどうかと思う。僕はこれは大学の教育方針だからあえて介入しないが、防衛大学の学生は勝手なことをあまりやるわけにはいかぬと思う、国費で一人当り年間三十六万何がし注ぎ込んでいるのですから。毎月三千五百円、国から手当をもらっているのです。それ以外に、あなた、衣服からあらゆるものを支給されているわけであって、普通の大学生と立場が違うわけですから、見る人によって違うかもしらぬが、幾ら僕ら見ても、あれは何ですよ、日劇か国際劇場でやる歌劇とそっくりですよ。あれを趣味でそこらあたりでやるのはけっこうだが、防衛大学という名のもとにああいう国立競技場でやるということは、僕はどうかと思う。何の意義があり何の目的があって、こういう訓練をやり、大学長がわざわざここまであれだけの生徒を派遣してやらせるんだろうかと、どうも理解できない。どういう効果があって、何を目的としたのか、それを、考えがあったら一つ説明していただきたい。少くとも防衛大学の学生を見る目は、普通の大学生とは違いますよ。僕らは当然だと思う。これは当然です。それは東京国立大学の学生、あるいは早稲田大学の学生、官公立、私立に限らず、そういう普通の大学の学生を見るのとは違う。少くとも防衛大学という立場で出てこられるわけです。昨年の十二月に、東京ステーション・ホテルでダンス・パーティをやったのが、衆議院委員会で問題になりましたね。それは個人としてなら問題にならぬでしょうけれども防衛大学云々という形で、何百人の人が集団で来てやれば、これは単にクラブの云々たという問題だけでは済まされないと思う。これは普通の大学とは違うんですからね。その点、僕は学校長と教育に携わっている人は考えてもらわなければいけないと思うんです。そういう立場から僕は伺っているわけなんです。
  83. 左藤義詮

    ○国務大臣左藤義詮君) 教育者であります矢嶋さんから、防衛大学の学生のあり方について、御親切な御意見がございました。十分一つ大学当局とも研究をいたしたいと思います。
  84. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それから、こまかいようですが、今のヘリコプターの問題ですね、三機出動しているわけなんですが、確かにテレビ撮影をやっていました。私は双眼鏡で見ておったんです。どこのテレビにのっていたのか、それは確認できなかったんですが、今の答弁によると、組織委員会から出動を要請されたから出した。そして油代ももらわないで出動したというわけです。そしてどこのテレビに御利用を願うかは、組織委員会にまかしたというんですが、こういう点も僕はどうかと思うんです。それはNHKもあれば日本テレビも、あるいは東京テレビですか、いろいろあるが、これからだんだん出てくるわけですが、それは、かりにもそういうふうに出動することはどうかと思うんですが、それは平等に御利用を願うようになればともかくも、ある社には利用させて、ある社には利用させないということになったら、報道陣というのは自由競争ですから、宗谷なんか出発のとき、お帰りになったときの様子をごらんなさい。あの埠頭に行くと、人のしゃべるのが何も聞こえたいですよ。協定があるけれども、競争で写真撮影をやっている。それは競争だからですよ。そういう状態であるにもかかわらず、どなたがお使いになるかわからない、組織委員会から要請があったから出した。組織委員会は、適当にどこかにお貸ししたんだあろうというようなことでは、私は済まされない。無責任であると思う。今後のこともありますから、伺っておきたい。それを知っていないことは、私は不十分だと思います。
  85. 門叶宗雄

    政府委員(門叶宗雄君) ヘリコプターについてのお尋ね、お答えが不十分でございましたから、補足いたします。趣旨は、先ほど申し上げました通り、競技大会の要請によって、広く国民に周知させたいという希望をいれたわけであります。従いまして、個々の放送局または報道機関からの要請ではなく、組織委員会の報道計画に御協力申し上げたというものであります。放送機関は、開会式はNHKでございます。それからマラソン放送はラジオ東京でございます。この三社を組織委員会において指定して、その指定によって私たちの方が御協力申し上げた、こういうことに相なっておる次第でございます。
  86. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そういう見方は両面あると思いますが、私はあまり適当でないと思うんですよ。これは、新聞社はそれぞれヘリコプターを持ってやっているので、そういうことになれば、僕がもし新聞社の社長なりラジオの社長だったら、自衛隊にたくさんあるから、何、君、別に社であまり買わなくても、自衛隊に要請すれば喜んで貸してくれると、僕が社長だったらやりますよ。あまりそういうことは適当な事柄でないと思うんですよ。もう少し自衛隊のヘリコプターなり飛行機を使う方途を考えなくちゃいけないと思います。やはりそういう点も逸脱していると思うんです。これは警告を発しておきます。  そこで、もう少し私は伺って参りますが、大臣に要請願ったんですが、大臣はおいで願っておりませんので、次官に責任を持ってお答え願いたい。岸総理大臣並びに灘尾文部大臣は、常々スポーツの振興と、スポーツの健全たる発展に助成をするということを、常々申されているんですが、第二次岸内閣もこの方針に相違ないと思うんですが、いかがですか。
  87. 高見三郎

    政府委員(高見三郎君) お答え申し上げます。この方針には間違いございません。
  88. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 体育局長に伺いますが、組織委員会の経理の精算は、黒字になっているんですか、赤字になっているんですか。どういうふうにあなたは了承しておりますか。
  89. 清水康平

    説明員(清水康平君) 組織委員会アジア競技大会に基く収入支出の決算は、まだできておりません。私どもといたしましては、国から補助金を出した関係もありまするので、できるだけ早い機会にこれを調査して報告するように言ってございますが、なかなかまだできておりません。数日前にも要求したのでございますが、おそらく正確なものがわかるには、五カ月かかるんじゃないか、率直に申し上げますと。それじゃ、あまりかかり過ぎるんじゃないかといって、催促したのでございますが、毎年開かれます国民体育大会も、収入支出のあれがわかるのは、少くとも六カ月以上かかるということでございます。しかし、それでは困るので、もっと早く何とかわからぬものかといって催促いたしております。  それで、大まかな点でございますが、全体の予算は三億八千万円でやっております。これは本年度ばかりでございません、数年前から……。それで収入支出の関係でございまするけれども、収入の方は、若干予定よりは少くなるんじゃないだろうかと思っております。その他、寄付金あるいは入場料が若干少いんじゃないかと思っております。その他、選手の分担金、寄付金などを考えますと、今のところ、よくわからないのでございますけれども、ある程度とんとんにいくんじゃなかろうかと思っております。しかし、これはよく調べておりませんから、わかりません。  大体以上でございます。
  90. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 この大会終了後、小、中、高等学校の生徒から、半強制的に募金をやっておるが、あれは何の目的をもって、どういう金額を目標にやっているのか。文部省はこれを了承しているのか、していないのか、お答え願います。
  91. 清水康平

    説明員(清水康平君) 大会終了後、半強制的にという今お話がございましたが、私は今ここで初めて伺ったのでございますが、ただこういうことを前々伺っております。これは数年前からでございますが、オリンピック派遣あるいはそういう国際競技に派遣する選手の強化のために、一般民間からお心持をちょうだいしておるということを伺っております。そこへアジア競技大会が参りましたので、オリンピック後援会が、各府県のオリンピック支部に連絡をいたしまして、小学校、中学校、一円でも二円でもよろしいからというようなことで、寄付がございますれば受け取るということを聞いておりますが、ただいま申されましたような、強制的なものはないはずでございます。しかし、そういう危惧もございましたので、この前の国会でも御質問ございましたので、そういうことのないように、局長からさっそく通知を出しまして、そういうことのないように注意の通達は出ております。アジア競技大会後、そういう半強制的と申しますか、寄付を仰いでいることは、今初めて聞いたのでございますが、さっそく調査いたしてみなきゃならぬかと思っております。
  92. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 あなたは体育局長になって日が浅いから、あまり追及いたしませんがね。私はいずれ文部大臣と総理大臣相手にやりたいと思っているのですが、無責任ですよ。たとえば勤務評定みたいな通達は強引にやらしておいてこういう趣旨の通達はきわめて無責任である。  これは政務次官に伺うのですが、この前の国会予算委員会でやったのですよ。小学校の子供は一円、中学校が二円、高等学校が五円を、半強制的に集めてやっている。非常にそれは文部大臣がいかぬというので、そういうことのないようにという通達を出したのです。私は、そういう費用は予備金からでも支出しなさい、りっぱな大会をやるのだから、予備金からでも出して、そういう子供から半強制的なことをやらぬようにというので、岸さんにも、当時の松永文部大臣にも申し上げたのです。ところが、今大会が終って今清水さん、初聞きなんというのは、ちょっと無責任じゃないかと思うのです。二千万円の目標で集めているじゃないか、二千万円で。子供は、何の目的で集められるのか、わからないで出している。東京都では何か、二百四十万円の予算を出している。子供は何の目的で、何に使うか知らないで出している。オリンピック後援会がこの募金をやっており、末端では教委、並びに学校の体育関係者が関与しているのであります。従って、末端の子供にとっては半強制的になるのであります。こんなことは即座にやめさせなさい。やめさすべきだ。そうしてそこらの不足分は、僕は予備金から出すべきだと思う。これは岸さんの大会のあいさつから見ても、当然ですね。それは岸内閣がやるべきだ、予備金から出すべきだと思う。そうして子供から徴収した金は返還すべきだ。それだけの決意と方針がなければ、一九六四年のオリンピックなんて開けませんよ。かわいい子供から一円、二円、お小ずかいをしぼりあげるなんという考え方は、私はとんでもない考えだと思うのです。一体これらの点について政務次官はどういうふうにお考えになりますか。私の意向をよく文部大臣に伝え、閣内で強力な発言をして、即座に、第一次岸内閣で確約したことを実行に移してもらいたいと思うのです。お答え願います。
  93. 高見三郎

    政府委員(高見三郎君) 矢嶋委員予算委員会で御質問になりました経緯は、私は速記録で拝見をいたしておりますが、この問題につきましては、私も就任早々で、実ははっきりしたことを申し上げる段階に達しておりませんが、御趣旨のありました点につきましては、十分一つ研究いたしまして、何らか善処の道を講じたいと思います。
  94. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 政務次官、研究を要しない問題で、即座にお答えをいただけることをお伺いしたいと思うのですがね。このことしの予算書にもありますように、六千万円は組織委員会に国が補助したわけなんですね、これはその大会を実施する機関ですから。組織委員会は六千万円使われたわけです。ところが、三百数十名の選手団を構成して、選手団に対してはびた一文、国は補助を出していないわけですね。それで一体、選手団の構成ができるかどうか。あなたはごらんになったと思いますが、入場式、終了式にしても、制服をととのえ、ブレザー・コート、靴、帽子も要るし、それから大会中は合宿もしなきゃならぬ。大会前のコンディションを整えるためのそれらの費用も要りますよ。間接の費用は要るし、さらに、地方からの選手が東京に来るには、旅費も要りますよ。ところが、あれだけの大会を開くに当って、選手団に対しては、体育振興とか助成をするとか、公約しておきながら、びた一文出していない。このこと自体から、こういう小、中、高等学校の生徒に半強制的に、こういう寄付を強要するという結果が出てくるのですよ。私はそういうふうに思う。あなたはどういうふうに思われるか。当然国は、三百数十名の選手団に対しては若干の国は助成をしてしかるべきだと思う。へまな外交よりは、よほど効果があるのですよ、ああいう大会は。  あなた、ごらんになったと思うのですが、金がなければ、たとえば内閣官房に報償費が一億九千万円あるのですよ。公安調査庁の報償費というのが四億円ある。外務省の報償費が三億一千万円ある、それから在外公館は、これはやはり必要でしょうが、機密費、報償費として四億九千万円。今度来たのは、二十カ国のアジア諸国の選手諸君が来た。あなたごらんになってわかると思うのですが、大したこれは民間外交ですよ。それは私は、外交官が四億九千万円の機密費、報償費を持っている。公安調査庁でも……。こういうのを見れば、四百名の選手団を構成するに当って、ものの一千万円くらい、予備金から出すくらいの問題は、これは考え方の問題ですよ。できるできないの問題じゃない。それをやらぬで、小、中、高等学校の生徒から、お小づかいを引っぱり出す。しかも、子供は何の目的か、何に使うのかわからないで、出さされている。しかも、国会で追及されて、そういうことは好ましくないから中止させますと確約しておきながら、今行われているという事態は、非常に無責任であると思われる。いかがでございますか、お答え願います。
  95. 高見三郎

    政府委員(高見三郎君) 六千万円の委員会に対しまする補助金は、これは競技大会を実施いたしまする費用としての補助金であります。選手団に対しては、矢嶋委員のただいまのお話、まことに私どもごもっともと思いますけれども、これは従来いろいろな競技におきます選手団に対する扱いの問題もあったであろうと思います。  それから、中学校、高等学校の生徒、学生に対する寄付の問題にいたしましても、競技大会というものを通じて、ただいまお話しのような、ほんとうに有意義な民間外交であったと思うのでありまするが、そういうことの認識を深める意味においての自発的な寄付ならば、それは大へん意味があることであったかもしれませんが、お話のような強制的な意味を持っておるということであれば、これは私ども考えざるを得ないと存じておるのであります。何分にもこの問題につきましては、なおよく私自身が研究をいたしまして、善処させていただきたいか、ように申し上げておく以外にないのであります。
  96. 永岡光治

    委員長永岡光治君) 佐野大蔵政務次官が見えておりますから……。
  97. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 就任早々ですからね、私はあまり追及しませんがね。文部省当局は少し、私はだらしないと思うのだ。今のようなことは、はっきり問題を的確に把握して努力すれば、できぬことはないと思う。  ちょうど今、佐野政務次官がおいでになって、途中からですが、その点について佐野政務次官に私は伺いたいと思うのです。だから、要点だけ申し上げますからね。この岸総理大臣にしても、松永文部大臣にしても、今の灘尾文部大臣にしても、まあ岸内閣全体として、体育の振興とか、それに対する適正な助成ということは、常に叫ばれていることなんです。あなたも御承知通り参議院予算委員会でも、相当にやった問題なんですがね。ところが、先般のアジア・オリンピック大会を開くに当って、ぎりぎり一ぱい、この組織委員会に六千万円だけ予算に計上したわけなんですね。ところが、四百人近くの選手団を構成するに当って、国内でやるのだからというので、補助金を一円も出さなかった。金を一円も出さなかった。このこと自体、私はおかしいと思うのですけれどもね。そのために、文部大臣みずから好ましくないと言いながら、大体二千万円の目標で、児童を対象に金を集めているわけなんですよ。で、子供は、小、中、高等学校の生徒は、何に使うのか、何で足らなかったのかわからぬで、自分たちは切符を買ったが、競技場に行ったが入れてもらえなかった。にもかかわらず、あとで寄付という、何に使うのか、わけわからぬで金を出しているわけですね。これは結局、選手団に金を出さなかったからであって、私は、今生徒児童から集めている金を、直ちに前文部大臣が約束したように中止すべきだ。それから、集めたものは返すべきだ。そしてその選手団のために必要な最低限の金は、まだ予備金が残っているのだから、あれだけの成果を上げた大会なんだから、その意義を岸内閣として確認すれば、予備金から支出すべきだ。そのためには、私は、第一番目には、文部大臣がしっかりした考えをまとめて、そうして文部大臣が閣議で強力なる発言をするとともに、大蔵当局の了承を得なければならぬと思いますが、大蔵当局においても私はこういう点は理解をもって対処すべきではないか。  それと関連してですが、アジア・オリンピック大会、あるいは一九六四年のオリンピック大会を成功させるために、国内のスポーツを振興させるという意味から、国体の意義というものは非常に大きいと思います。国体の地方持ち回り等の問題もあると思います。再建団体にはさせるとかさせないとか、閣議決定をしたとか、了解させるとか、いろいろあると思いますが、私は、第二次岸内閣発足した機会に、こういう問題についてもよく大蔵省は渋りがちですが、体育振興という立場から、国民体育大会の地方持ち回りというものを再確認すべきだ。岸さんは静岡大会等でうれしい顔をして見ている。ほめたりされて、うまいことを言っているが、六百五十五万しか補助しておらない。一千五百万円、国の税金、国民の税金で助成したからといって、決して批判を受けやしません。今やるべきだ。むしろ、われわれは六百五十万円――あと予算書を見ると、あまり必要でないところにたくさん金を使っている。報償費あたりは、私はどんな趣旨でどんなふうに使っているかわけのわからない使い方をしている。一方でそういう使い方をして、体育に助成をするといいながら、それが実を伴わない。しかも、私がさっき言いましたように、かわいい子供の、紙芝居のあめをなめるような小づかい銭をしぼるようなことはやめたらどうか、教育上おもしろくない、こういう見解で、前国会予算委員会以来一貫して主張しております。文部大臣は約束しておきながら、文部大臣の通達が生きないで、やられているわけです。だから、それらの点について一つ善処をお願いしたい、こういう立場で伺っているわけです。  政務次官も、就任早々ですけれども、有力な政治家として、大蔵省内においても、さらに大蔵大臣を通じて閣議を動かしていただきたい、こういう立場でお出で願ったのです。お答えを願いたい。
  98. 佐野廣

    政府委員(佐野廣君) 矢嶋議員の大へんスポーツ振興に対する理解ある御発言は十分尊重いたしまして、主管省の方とも、文部省の方とも相談いたしまして、御意見を聞いて、予算編成の際に十分努力いたしたいと考えております。
  99. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 当面のあれはどうしますか。来年は来年。当面の問題は……。
  100. 佐野廣

    政府委員(佐野廣君) 当面の、今のお話は私も就任早々初めてお聞きいたしまして、よく聞いてみないとわからない点がありますのと、児童からそういうふうな金を出したということが大蔵省とどういう関係になるか、この辺の根締めは、もう少しやってみないと確信のあるお答えができかねますので、よく調査してみたいと存じます。
  101. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 では、文部政務次官にはっきりお答えを願いますが、選手団に私は助成すべきだと思う。それを予備金の方から支出するように、文部省は文部大臣を通じて閣議において努力すべきだ。そうしてこの子供から集めているようなことは即座に中止すべきだと思うのですが、いかがですか。
  102. 高見三郎

    政府委員(高見三郎君) 選手団に対して予備費を出して補助をするというような考えは、従来のこの種競技会での選手団に対する経緯等も調べてみないと、わかりません。そこで、私、十分事情がわかりませんので、十分研究をいたしまして善処いたしたい、かように申し上げておるわけでございます。
  103. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 では、文部政務次官としてお伺いするのですが、大会が済んだあとで、小学校の生徒幾ら、中学校の生徒幾らという金を集めるようなことは、望ましいことですか、望ましくないことですか。
  104. 高見三郎

    政府委員(高見三郎君) これは申すまでもなく、望ましくない、好ましくないことです。この間の事情がどうなっておりますかは、そういう問題が続いておるといたしますならば、その間の経緯があるだろうと思いますので、十分調査をいたしたいと思います。
  105. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 政務次官も体育局長も、就任早々で事情をつまびらかにしていないのであるというので、これ以上進まない。従って、私は、次回までにあなた方はどういう原因のもとにこういう事態が起ってきているのかということを十分研究、究明されて、それに対するあなた方の判断はどうかということを固めてこられて、その対策はどういうことをしたということを答弁できるように、次回までに次官並びに局長においてその用意をしていただきたいと思います。よろしゅうございますか。
  106. 高見三郎

    政府委員(高見三郎君) 次回までに十分研究いたして参ります。
  107. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 お伺いしたいことがいろいろありますが、あと文部省関係については一点で終りたいと思うのですが、それは体育局長に伺いますが、あの大会に切符を持ちながら生徒、児童が入場できなかったということについては、組織委員会構成に欠陥があった、こういうふうに私は判断をしております。数が多いだけで動かない組織委員会、ああいう形で組織委員会構成されるのでは、一九六四年のオリンピック大会は開けないと思う。私はそういう結論を持っている。それで、あなたはどういう考え方を持っておられるのか。たとえば国立競技場は、都の方では収客人員は七万と言っている。それから国立競技場で出している絵はがきを買って見ると、収容人員は七万人と書いてある。消防庁の調査では、五万五千人しかはいれないという。プールについても、案内書を見ると、三千数百人収容できるというが、消防庁が言っているのは、二千七百人しか収客できない、競技場に何人収容できるかということが明確でないのですね。こういう点は非常に無責任だと思うのです。この一番大きな欠陥は、私は組織委員会構成にあったと思うのですよ。一九六四年のオリンピック招致に準備委員会発足して乗り出しているわけですが、どういう体制を持っておられるのか、この際伺っておきたいと思います。
  108. 清水康平

    説明員(清水康平君) 第三回アジア競技大会は、まことに空前の盛儀ではございました。国際親善の上から見ましても、実に大きな効果をもたらしたことは認めておるところでございますが、しかし、六四年のオリンピック招致のことを考えますというと、多々反省すべきところがあると思うのでございます。もちろん、この点につきましては、組織委員会におきまして、それぞれの団体におきまして、反省もしておることでございますが、私の見るところにおいては、大体数点に要約されるのではないかと思います。  ただいま御指摘になりました組織委員会のいわゆる組織運営の問題ですが、より一そう強力に、しかも簡素な責任体制を持った組織委員会を作らなければならぬだろうということを感ずるわけでございます。その次には、まず第一に考えますことは、駐車場の問題でございます。駐車場をどういうふうに計画するか。もちろん、これは首都建設委員会との関係もございますので、その点を早急に検討いたさなければならぬ問題が一つではないかと思っております。その次は、いわゆる選手村のことでございます。おそらくオリンピック大会が開かれまするというと、外国の役員、選手だけで一万名は来られるだろうといわれております。そこへ外国人の観客人、欧米の例を見ますと四万人を越えるそうであります。それを思い、これを考えますというと、選手村をどこに作る、また選手村と練習場との関係などを考えますというと、私は選手村の設置ということはきわめて大きな問題じゃないかと思っておる次第でございます。あるいはその他、屋外プールの問題でありまするとか、競技場の拡充の問題でありますとか、施設の面がございますが、そういうようなことが今のところ考えられておる大きな点じゃないかと思っております。一番大切なのは、やはり組織委員会といたしましては、組織運営の点じゃないかと思っております。  以上、思いつきましたところを申し上げた次第であります。
  109. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 ここは内閣委員会ですから、文部省関係質疑は、他日文教委員会あるいは予算委員会でやりたいと思いますので、切ります。従って、文部省関係、私に関する限りは退場してけっこうだと思います。  派遣の問題について、防衛庁にもう一、二点伺いたいと思っております。
  110. 永岡光治

    委員長永岡光治君) 伊藤さん、ほかに御発言ございますか、なければ、文部省関係は御退席……。
  111. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 大臣は、衆議院予算委員会というので、御退席願った。就任早々ですから、あまり承知していないでしょうから、官房長で事足りると思いますので、官房長に伺いますが、一つには、災害発生時期を控えたわけですが、災害派遣についてはどういう指示、通達を下部に流して備えをしているかという点を伺いたいと思います。特に、私は第二十八回国会で、この自衛隊法から申しましても、災害が発生した場合には十分自衛隊は真価を発揮すべきだという立場から、訓練並びに施設、設備についても要請をしておったわけです。そのときに、私が具体的な例としてあげましたことは、九州は非常に災害が多いわけですが、昨年の七月の災害に際して、たとえば、先般申しましたように、国鉄の線路は、――国鉄だけですよ。民有鉄道を除いて、国鉄の分だけで九千七百三十一メーター、約一キロも線路は流出しているわけです。これらの復旧に要した延人員、実に四万二千という人が動員されている。この九州の動脈ともいうべき、島本線、長崎本線が九日から十五日間も不通になっておったわけです。で、これらの復旧、一日も早く汽車を通すという作業をやるに当って、自衛隊が使えないということですね。国鉄当局から取った資料によりますと、大村の駅の構内に、五十人だけ半日加勢してもらった。約一キロから線路がずたずたになったのだが、実は貨車は四千両という貨車を動かしている。従って、動かしたところの砂利、土というものは、相当な量になると思うのですが、これら応急工事に自衛隊員が全然使えないというわけですね。訓線していないというわけですね。これは国鉄当局の責任者の言葉なんです。私は、そういうことが自衛際の本務ではないのだけれども、災害派遣ということがちゃんと条文にあれば、そういう幹線道路がずたずたになって通らぬ場合に、一刻も早く汽車が通るように、自衛隊がそういうところに出動できて、この線路の築堤ですね、これに加勢できるくらいな私は訓練と設備は保有してしかるべきじゃないか、こういう点について善処を要望しておいたわけですが、いかなる配慮をなさっておられるか、災害派遣に関連してお答えいただきたいと思うんです。
  112. 門叶宗雄

    政府委員(門叶宗雄君) お答え申し上げます。災害派遣につきましては、毎年執拗に起きます災害の実情に照らしまして、派遣を予想せられる地域につきまして、派遣部隊、任務等を示して、災害派遣の大筋をきめまして、また各部隊においては、こちらから示す大筋に基きまして、管内の実情を勘案して具体的な派遣計画を立て、御要請があった場合にすぐこれに応ぜられるよう万端の準備を整えている次第でございます。  ただいまお話がございました鉄道の復旧の問題につきましては、かねて矢嶋委員からも御要望、お話もありますし、本年度におきまして、鉄道の補修を中心とする鉄道建設の部隊を作り上げるべく、目下国鉄当局と御連絡をいたしまして、国鉄の方の指示を得て、少くとも災害時における鉄道の応急的な復旧程度は、これに当り得るよう、予算のうちからも数千万さき、計画を実施すべく目下努力中でございます。将来は少くとも建設部隊の一個大隊程度はそういう方面に使いたいという希望をもちまして、目下努力をいたしている次第でございます。
  113. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私は、災害の起ることを望まないことはもちろんですけれども、本年あたりは相当大きな災害が来る回り年になっているので、そういう予感がするんですが、ぜひともアジア・オリンピック大会に派遣した以上の、熱意をもって、災害対策には善処していただきたいことを折り入ってお願いしておきたいと思うんです。  それから、他日伺いますが、ちょっと結果だけ伺っておきたいと思うんですが、この四月二十八日から領空領海侵犯に対して出動を実施しておりますが、その後の状況はいかようか、結果だけ承わって、詳細については後日また伺いたいと存じます。
  114. 門叶宗雄

    政府委員(門叶宗雄君) 御承知通り、この四月二十八日に、領海領空侵犯に対してこれを排除する出動を実施した次第でございますが、今日まで領空侵犯の事実及びこれに対して排除の措置をとった事実はございません。
  115. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 何ですか、その要員としては、新聞に伝えられているF-86ジェット機四十機、パイロット三十人と、こういう要員で備えているわけですか。
  116. 門叶宗雄

    政府委員(門叶宗雄君) ただいまお述べになりました通り、ジェット四十機及びパイロット三十数名でこれに当っている次第でございます。
  117. 永岡光治

    委員長永岡光治君) 他に御発言もなければ、本日の審議はこの程度にとどめまして、本日はこれにて散会いたします。    午後三時十一分散会      ―――――・―――――