○森中守義君 会社の性格が変るかどうかということになりますとね、これはいろいろな見方があると思うのです。私が承わっておきたいのは、増資の目的を設備の拡充という工合にうたっておる。そうなると、一体、申請を出し、
郵政省で詮議をして、それで決定されたのに、あまりにもこれは権威がなかったんじゃないか、
電波を出してみて、どうしても設備が不十分であるとか、これでは
電波サービスができないという、そういう既定の事実に立った上での増資であれば、これはわかるのですよ。しかし、先刻も申し上げたように、二カ月ないし三カ月というごく短かい期間に、
電波を出していないのに、実績がないのに、設備の拡充ということは理屈が通らないと、こういうことなんです。だから、一般論的に見れば、よく株式会社等にある
総会荒しというようなものもありましょうし、あるいはその主流派とか反主流派ということで、社長のポスト争いをやる場合も、相手が全然タマがない、そういう場合に、頭から増資をやって、失権株を取るというような、こういう一般的な例はたくさん僕は知っております。しかし今、私が実例として
一つあけたのがそういうことに当てはまるかどうか、これも私は非常に大きな問題ではあろうと思うが、要するに
郵政省が
予備免許を下し、確認書を渡したその権威の問題を聞いておる。そういういいかげんなことでいいものかどうか。だから、少くとも来年
電波を出してみて、六カ月なり一年なりの実績の上に立って、これじゃどうしても
電波サービスの上にまずいというので、設備の拡充をやるために五千万円あるいは一億という増資、これならば理屈が通る。しかしながら、そういうようなことでなくして、まだまだ
電波出してもしないのに、いきなり五千万というような増資をやったとこういうことは、
郵政省に対しての一種の背信行為をあえてしたようなことにもなりかねないし、また、あれだけすったもんだやってきめた
チャンネル・プランがそういうことで逐次くずされていったのでは、
郵政省の面目が私はないと思うのです。その点、現行法でどこまで社内に手がつけられるかどうか、それはよくわかりませんが、少くとも、私の知る範囲では、例の条件というものは相当強い条件であったし、行政権は社内の問題にも当然及ぶと思うんですよ。これはどうなんですか。大阪の実例をこの前言われておりましたがね、今、私が言っておる実例はどこだということは大体ご存じかと思う。こういうことになれは、方々にそういうケースが起きてくるんじゃないですか。ですから、私はやはり民放連なりなんなりが自発的にそういうことを規制していかないと、勢い
放送法をもう少しどうかしなければならないということにも論議が発展していくので、行政上の問題としてこれはいかぬとかいいとかという判断と同時に、民放連あたりに自発的に自粛するような警告でも
郵政省から出せませんか、非常に大きな問題ですよ。私は、民放連の会長あたりに、
大臣がこういうことで
放送法の改正の糸口を作るようなことじゃ困るが、できるだけ
法律を背景にして、あるいは行政権を背景にして民放を規制するようなことはしたくないという、そういう善意な
郵政省であれば、理屈が通らぬことですから、民放連会長あたりに
大臣が警告なり勧告をするということは、そうむずかしいことではないと思う。
政務次官、どうですか。