○山田節男君 私は
郵政大臣にこの際御質問申し上げたいと思いますが、ただいま
郵政大臣から
所管事項の
説明をいただいたのでありますが、これは現状の報告でありて、今回の第三次岸内閣において
郵政大臣の職を持たれる
寺尾郵政大臣として、前
大臣の田中
大臣のとっておられた第二次岸内閣の
郵政大臣としての
郵政事業に関する方針、これはおそらく主要な点については、
事務引き継ぎをされておるだろうと思う。そこで、これはせんじ詰めれば、
寺尾郵政大臣の今後
所管事項の将来の方針をどうするものであるかということのあらかたの筋道は、もうすでにお立てになっておるのじゃないか、これは本日とは私申しませんけれども、ことに、こういう重要複雑な問題を控えておる
郵政大臣としては、やはり
国会に対して、今度は所信の表明と申しますかね、これはやっぱり一つしていただきたいと思う。ことに御
承知のように、
放送事業につきましては、
放送法の一部改正を出されて、これが
審議未了になった。その他問題がありますが、第三次岸内閣の
郵政大臣として御抱負があると思うが、その御抱負を一つ具体的に述べていただきたい。
それに関連して私一言、一つだけ質問申し上げますが、昨日、衆議院でも
郵政大臣に対する質問がありました。そのうち若干は今朝の新聞で私拝見したわけであります。これは、もうちょうど今度の第三次岸内閣の成立前におきまして、田中
郵政大臣が新聞紙上において発表されたのか、あるいは記者会見のあったときに発表されたのか、あなたの引き継がれるべき事項に関して、田中
郵政大臣の方針というものが発表されておるわけです。これもまた非常に重大な、これに関しての御発言があったわけです。これを私どもが新聞紙上において知り得る事項について、
郵政大臣は全面的にこれを受け継がれるのかどうか。一例をあげますと、FMの
放送については、昨日、
寺尾郵政大臣としての御抱負の開陳があったことを新聞で知っております。しかし、
寺尾郵政大臣が御就任になって間もなく、新聞紙上においてNHKの聴取料を値上げしなくちゃいかぬというようなことも言われたかに報ぜられております。それから私が最も憂えておる問題は、カラー・テレビの問題で、これは私はいろいろ
事情を見ますと、
昭和二十六、七年、ちょうどテレビジョンの方式、民間テレビと公共
放送とどちらを先に許すか、これをめぐりまして、ことに、私は見苦しい政党内の、政党政治としての最も悪弊とも言われる点が露骨に現われてきた。これがために、当時の所管
大臣佐藤榮作君にしても、塚田十一郎君にしても、非常に困られた。このカラー・テレビジョンが、これは前
国会までは、モスクワにおいてカラー・テレビの標準方式の会議がありまして、それが済んだあとに、その結論と申しますか、結果を待って、カラー・テレビジョンの政府の方策も立てたいということを前
大臣も言っておられた。ところが、このカラー・テレビジョンに関して、政府はHNKに対しては、今御
説明があったように、UHF、VHFの
実験をやらしておる。民間のNTVに対してはVHFの
放送をやらしておる。二重の
実験放送をやっておる。これが今日、今申し上げましたように、
昭和二十六、七年の民間テレビ
放送、公共
放送、どちらを先にするか、標準方式をアメリカ式にするか、ヨーロッパ式にするか、これで一大論争が開かれて、しまいには政党の中における暗躍鳴動となって、まことに私は思い出すにも不愉快な目にあった。カラー・テレビジョンの場合に、こういうことを再び繰り返すということは、これは
寺尾大臣としては、当時、
電気通信委員であったというように私は考えておりますが、よくその間の御
事情を御存じだと思います。あなたの在任中において、再びカラー・テレビの標準方式免許の問題で、かようないかがわしい事件が発生するということは、これはまことに私は残念に思うのです。これは杞憂であることを私要望いたすのでありますが、これらの点につきまして、やはり
郵政大臣として、政府は今後どうするのか。モスクワ会議においては標準方式の結論が出ていないやに聞いております。これを時期として、当分はやらないのだ、やっぱりイギリス、ドイツ、フランスのごとく、もう五、六年どうしてもやらないのだというように、ちゃんと政府の腹を示しませんと、メーカー、あるいは商業
放送資本家、あるいは公共
放送というものが再び、何と申しますか、見苦しい
闘争を展開する、こういうことを私は予防するためにも、
大臣は就任早々でありますが、
関係の専門
政府委員を督励されて、速急に結論を打ち出して、
国会を通じて内外にこれを明らかにするということは、これは私は一刻を争うのじゃないかと思う。そういう見地から私はあなたに御質問申し上げたのでありますが、今日の
所管事項の
説明に続いて、
寺尾郵政大臣としての、これらの
電信電話事業、あるいは
電波放送事業等について、これはこういうようにやるのだということの、あなたのポリシーを、一つできるだけ近い機会において、少くとも本
国会の開会中に、本
委員会を通じて、御声明になることが私はいいのじゃないかと思います。それに関しての
大臣の現在の御心境なり、また将来そういうことができるかできないかというあなたのお考えを一つこの際御表明願いたいと思います。