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1958-09-26 第29回国会 参議院 地方行政委員会 閉会後第3号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十三年九月二十六日(金曜日) 午前十時十九分開会
—————————————
委員
の
異動
九月九日
委員大沢雄一
君及び森八三一 君
辞任
につき、その
補欠
として
佐野廣
君及び
梶原茂嘉
君を
議長
において指名 した。 九月十日
委員梶原茂嘉
君
辞任
につき、 その
補欠
として
北勝太郎
君を
議長
にお いて指名した。 九月十一日
委員佐野廣
君
辞任
につき、 その
補欠
として
大沢雄一
君を
議長
にお いて指名した。 九月十二日
委員北勝太郎
君
辞任
につ き、その
補欠
として森八三一君を
議長
において指名した。 九月十七日
委員戸叶武
君
辞任
につき、 その
補欠
として阿
具根登
君を
議長
にお いて指名した。 九月二十四日
委員剱木亨弘
君
辞任
につ き、その
補欠
として
本多市郎
君を
議長
において指名した。 本日
委員郡祐一
君
辞任
につき、その補 欠として
伊能繁次郎
君を
議長
において 指名した。
—————————————
出席者
は左の通り。
委員長
田中
啓一
君
理事
大沢
雄一
君 小柳
牧衞
君 加瀬 完君 鈴木 壽君
委員
伊能繁次郎
君 館 哲二君
本多
市郎
君 森 八三一君
白木義一郎
君
事務局側
常任委員会専門
員
福永與一郎
君
説明員
警察庁警備局長
江口
俊男
君
自治庁財政局長
奧野
誠亮
君
農林省農林経済
局農政課長
小林
誠一
君
建設省河川局防
災課長
山内
一郎
君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
理事
の
補欠互選
○
地方行政
の改革に関する調査の件 (本年七月以降九月に至る間の風水
害対策
に関する件) (
報告書
に関する件)
—————————————
田中啓一
1
○
委員長
(
田中啓一
君) これより
委員会
を開きます。 まず、
委員
の
異動
を
報告
いたします。 去る九月九日
大沢委員
が
辞任
され、
佐野廣
君が
補欠
選任されましたが、十一日に
佐野廣
君が
辞任
され、
大沢
君が再び
委員
に選任されました。また、九月十七日には
戸叶武
君が
辞任
され、阿
具根登
君が
補欠
選任されました。九月二十四日には
剱木亨弘
君が
辞任
され、
本多市郎
君が後任として選任されました。
—————————————
田中啓一
2
○
委員長
(
田中啓一
君) 次に、
理事
の
補欠互選
についてお諮りいた・します。 ただいま
委員
の
異動
で申し上げましたように、
大沢
君が一度
委員
を
辞任
され、その後再び
委員
となられました。よって
委員長
は、
大沢
君を再び
理事
に指命いたしたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
田中啓一
3
○
委員長
(
田中啓一
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。
田中啓一
4
○
委員長
(
田中啓一
君) 本日は、
理事会
の協議によりまして、本年七月以降九月に至る間に
発生
しました
風水害対策
に関する件を議題に供します。 まず
関係政府当局
より、
被害状況
並びにこれに対する
措置等
について
説明
を聴取いたします。
小林誠一
5
○
説明員
(
小林誠一
君) それでは、ただいまから本
年度
に
発生
いたしました
災害
の概況をまず御
報告
いたしたいと思います。 お
手元
に「
昭和
三十三年
発生災害
による
農林水産関係施設被害状況
」というのがございますが、この
報告
は、
都道府県
からの
報告
を集計いたしたものでございます。本
年度
に入りましてからの
施設災害
全部をまとめたものでございまして、まず第一べ−ジを見ていただきますと、
農地関係
と
林野関係
、
水産関係
合せまして、二十一
号台風
までの分の
施設被害
は、百七十六億六千五百万円余に達しておるわけでございます。
農地関係
の
被害
は、そのうち九十五億六千六百万円、
林野関係
が七十億三千三百万円、
水産関係
は十億六千五百万円というものが県から
報告
されておるわけでございます。その内訳は下欄に書いてございますが、ほとんど全
都道府県
にわたっておるわけでございまして、ただここで、二十一
号台風
の
被害
は、当初割合に小さいものであろうというふうに
予想
しておったのでございますが、その後非常にその
被害
の額がふえて参りまして、二ぺ−ジを見ていただきますと、
農地関係
では二十五億五千九百万円という
報告
が参っております。まだその額は若干ふえるのではないかと考えておりますので、従いまして、
トータル
といたしましては九十五億を上回ると考えますが、まだ詳細なところは判明いたさないわけでございます。 それから、二十一
号台風関係
の
林野関係
でございますが、それは三ぺ−ジに記載してございますが、十四億六千四百万円ということでございます。 それから
水産関係
におきましては、十億六千五百万円というものが現在のところ
報告
されておるわけでございます。 現在のところ、この
農地
及び
林野
の
災害
につきましては、八月までの分と申しますか、二十一
号台風
を除きます分につきまして本月中に
緊急査定
を終ることを目途といたしまして、現在やっておるのでございます。それで、とりあえず
予備費
といたしまして、
農地関係
では一億六千八百十万六千円、
林野関係
では五百四十四万八千円というものがここに決定されておるのでございます。そういうことでございますので、二十一
号台風
の
被害
につきましても、早急に
緊急査定
を行うべく
準備
をやっておるわけでございます。 以上が
農地
、
林野
、
水産関係
の施評の
被害状況
でございますが、次に、この
被害農林漁業者
に対します
天災
に上る
被害農林漁業者等
に対する
資金
の融通に関する
暫定措置法
に基きます
経営資金
の
貸付
でございますが、これにつきましては、九月二十日
政令
第二百六十二号をもちまして
天災
を指定したわけでございますが、その
天災
として指定されましたものは、五月から八月までの早魅、それから六月、七月及び八月の
豪雨
並びに七月下旬及び八月下旬の
暴風雨
を指定いたしました。これは、大体八月までの
天災
につきましては、そういうことで
政令
をもって指定をいたしまして、
被害農林漁業者
に対する
経営資金
の
貸付
に遺憾なきを期したいと考えております。まだ二十一
号台風
は
被害状況
が判明いたしませんので、それが判明次第所要の
措置
をとりたい、かように考えておるわけでございます。 以上、
風水害関係
の
措置
につきましての御
報告
を終りたいと思いますが、なお早魅に対する
被害
と申しますか、
農林省
でとっております御
報告
をいたしたいと思います。 本
年度
は、九州、四国を
中心
といたしまして、非常に
降水量
が少いために、早越が
各地
で
発生
いたしたわけでございますが、これにつきましては、早
害応急対策
の
実施要綱
の
閣議決定
がなされまして、これによりまして、早
害地
に対します早
害応急事業
に対する
助成項目
が定められまして、
揚水機等
に対する
補助
の
措置
がとられたわけでございます。当初は、それは主として関東を
中心
といたします
水田
の
措置
でございましたのですが、その後畑地についての早害が非常にひどくなって参りましたので、それにも及ぼすということで、これに準じました
措置
をとることにいたしておるわけでございます。 それからもう
一つ
、
被害農林漁業者
の早越によります
食糧不足
が問題となっておりましたので、この問題につきましては、九月及び十月中に
飯用食糧
の
不足
を来たす農家につきましては、麦または外米を
知事
を通じて売却いたしますとともに、その代金を延納を認めることにつきまして
大蔵省
の了解を得ましたので、それぞれ
関係
の
食糧事務所
及び各
都道府県
の
知事
に連絡をとりまして、
食糧
について遺憾のない
措置
をとるようにいたしておるわけでございます。それから、早越につきましては、苗しろを作るとか、あるいは
仮植田
を作るとかいうものの経費の
補助
につきましても、
大蔵省
と話がつきまして、その実績を現在徴しておりますので、それによりまして
補助措置
を講ずる、こういう段取りになっております。 以上、簡単でございますが、
被害
の
状況
及びそれに対しまして現在まで
農林省
でとりました
措置
についての御
報告
を終ります。
田中啓一
6
○
委員長
(
田中啓一
君) 御質疑は全部済んでからにしていただきまして、次に、
建設省
の方から
災害
の
報告
並びに
対策
について
報告
を求めます。
山内一郎
7
○
説明員
(
山内一郎
君) それでは、お
手元
に
配付
をいたしました「
昭和
三十三年
公共土木施設被害報告額調
」というのがございますが、これに基いて御
説明
をいたします。 これは、便宜上本年の一月以降の分を全部書いてございますが、一番上の欄に、月別の、つまり
台風
の
発生
の時期別に区分してございます。それから縦の方に、全国の
都道府県
の名前が書いてございます。これによりますと、一月から六月の
災害
につきましては、その
総計
は、一番下を
ごらん
になっていただきますと、二十九億四千七百万円、こういうふうになっておりまして、この辺までは例年のような
災害
でございまして、この
原因
といたしましては、冬季間の風浪による主として
海岸地帯
の
災害
、それから
融雪災害
と呼んでおりますが、
雪解け水
の春になりました出水による
災害
、そういうものがこの中に含まれておるわけでございます。 その次、七月に参りますと、次第にその
災害
の
発生
の度数並びに
被害
の
程度
もひどくなって参りまして、これを上旬の
豪雨災害
、それから十一
号台風
、それから下旬の……、これはちょっと
豪雨災害
でございますが、
台風
と書いてございますが、下旬の
豪雨災害
、こういうふうに区分して参りますと、七月の上旬の
豪雨災害
では、この表で
ごらん
いただきますように、
島根
県浜田市を
中心
として
発生
をいたしました
島根
県の
災害
が筆頭になっております。その次が、その近接の広島県の北部の
災害
、こういうものが
顕者
な
災害
でございます。 その次が、十一
号台風
が参りまして、これによりまして相当な
被害
が
発生
をいたしまして、一番下に書いてございますように、三十九億九千万円、こういう
巨額
に上る
災害
が
発生
しております。それの
被害地
のおもなところは、この表で
ごらん
になりますように、五億以上を申し上げますと、茨城県、
栃木
県、
東京
都、
静岡
県というような諸県において
被害
が
発生
をいたしております。 そ・れから下旬の不連続線による
災害
でございますが、これの方が非常に
被害
が
巨額
に上っておりまして、一番下を
ごらん
になっていただきますとわかりますように、六十六億三千九百万円、こういうふうになっております。この
災害
は、
岐阜
県が一番ひどうございまして
岐阜
県の飛騨の高山を
中心
といたしました
災害
でございますが、それが十六億六千二百万円、こういうような
数字
にならています。その次が山形県の十億四千万円、そのほかいろいろな
府県
に、この表で
ごらん
にな−りますような
被害
が
発生
をいたしております。 それから八月に参りまして、上中旬の
豪雨災害
、それから十七
号台風
、それから下旬、こういうふうに三つに区分をいたしますと、上中旬の
豪雨災害
は、比較的
被害
が僅少でございましたが、十七
号台風
になりまして、非常に
各地
に大
災害
が
発生
いたしまして、この表で
ごらん
になりますように、
総計
においては五十八億九千七百万円、
発生
の県といたしましては、ひどい
被害
の
発生
の県を申し上げますと、
滋賀
県、
和歌山
県、こういうような諸県に
被害
の
発生
を見ております。下旬の
豪雨
は、大した
被害
はございません。 それから、二枚目を今度めくっていただきますと、九月の二十一
号台風
、これを
中心
としてここに印刷してございますが、これが
総計
が、今までの本年の
台風
より一番
最大
の
被害
をもたらしておりまして、一番下に書いてございますように、七十六億九千百万円、そのうち一番ひどかったのが
長野
県の
千曲川水系
を
中心
といたしました
災害
でございまして、
被害
の
報告額
は十七億四千六百万円、その次は
新潟
県の阿賀野川の
水系
と、それから信濃川の
水系
の魚野川、この
地方
に大
災害
がございまして十三億一千百万円、その次が
福島
県の只見川を
中心
とした
災害
でございますが、これが十一億五千百万円、——こういうように、非常な
被害
をもたらしているわけでございます。 それで、本日までの一月以降の計を申し上げますと、この一番右に書いてございますが、その一番下を
ごらん
いただきますと、
個所数
で三万二百六十四カ所、
被害報告額
は三百十億二千三百万円、こういうような額に上っているわけでございます。これらの
災害
につきましては、
建設省
といたしましては、
災害
直後、非常に激甚な県には、
査定官
を派遣をいたしまして、
復旧
の
方法
の
指導
に当らせる。それから引き続きまして、県で
査定
の
準備
ができ次第、こちらで
緊急査定
を
実施
をいたしております。それから
緊急査定
の
実施完了
後直ちに
大蔵省
と
予備金
の
支出
の折衝をいたしまして、現在までに、
補助関係
といたしましては八億三千六百万円の
予備費
の
支出
を見ております。それから
直轄関係
もございましてこれは、国が直接
地方建設局
で仕事をしております
直轄河川
の
災害
でございますが、この分につきまして二億六千一円、これだけの
予備金
の
支出
を現在品ているところでございます。 それで、
台風別
に申し上げますと、十七
号台風
までの分につきまして現在
査定
の
完了
あるいは
査定
中のところがございまして、二十一
号台風
につきましては、先ほど申し上げました
査定官
を派遣して、その
方法指導
に当らせる。それから、県の
査定
の
準備完了
消第、こちらから
査定
を
実施
いたしまして、できるだけ早急に
予備費
の
支出
をはかりたい、こういうような
対策
で現在運んでいるところでございます。 簡単でございますが、以上御
報告
出し上げました。
田中啓一
8
○
委員長
(
田中啓一
君) 次に、
警察関係
の
江口警備局長
。
江口俊男
9
○
説明員
(
江口俊男
君)
警察関係
から、七月二十二日、二十三日の
台風
十一号の
被害状況
と、八月二十五日の同十七号の
状況
と、それから、先ごろの
台風
二十一号の
被害状況
につきまして簡単に御
報告
申し上げます。 すでに十一
号台風
及び十七
号台風
の
被害状況
につきましては、そのつど議員さんのお
手元
に
資料
を差し上げてドざいまするので、あるいは
ごらん
いらだいたかと思うのであります。二十一
号台風
につきましては、ただいま
資料
を持って参って
配付
をいたしたはずでございまするから、詳しい点については、後ほどこらんをいただきたいと思うのでございます。 まず
台風
十一号は、七月二十二日の夜から二十三日にかけての
台風
でございまするが、これがために
被害
をこうむりました所は、
静岡
、
神奈川
、
東京
という所を
中心
にいたしまして、
各地
にかなりの
被害
を生じたのでございます。 その特異な点を申し上げますというと、
静岡
県におきまして、その際
死者
が六名出ております。
負傷者
が四名、
家屋
の全
半壊
が七十三棟、
床上浸水
が九百三十八棟という
工合
に、
静岡
県の
被害
が人的に最も多かったのでございます。
神奈川
県におきましては、
死者
二名、
負傷者
十五名、
家屋
の
全壊
が二十七棟、
家屋
の
半壊
五十八棟、
床上浸水
二十四ということに相なっております。次いで
東京
都におきましては、
死者
二名、
負傷者
二十三名、
家屋
の
全壊
四十一、
家屋
の
半壊
二十二、
床上浸水
三千八百八十二という
数字
を示しておるのであります。その際、都内の
降雨量
が百十三ミリにも上りましたために、各
河川
とも増水いたしましたが、午前十時近くに江東区の
中川新橋付近
の
堤防
が、高さ七十センチ、長さ三十メートルにわたりまして
決壊
をいたしましたために、亀戸九丁目から六丁目一帯が約一メートル半の
浸水
を見るに至ったのであります。その後その
決壊場所
は、警察官が四百三十名、その他
消防団
、自衛隊の三百名とともに
復旧
に従事しまして、午後二時
応急作業
を
完了
いたしております。 右申し述べましたところを
中心
といたしまして、全国的な統計を申し上げますというと、十一
号台風
による
死者
が二十六名、
負傷者
が六十四名、行方不明が十四名、
全壊家屋
百六一尺
半壊
百五十九というような
数字
に相なっておるのであります。そのほか耕地の
被害
、道路の
決壊等
、いろんな
数字
がございまするけれども、あるいは
建設省等
とダブると考えますので
省略
をいたします。 その次に、
台風
十七号による
被害
の
状況
を申し上げます。
台風
十七号は、八月の二十五日の午前六時ごろに
高知
県の
南方洋上
に近づいた
台風
でございまするが、その後
進路
を北々東にとりまして、
室戸岬
をかすめて、同日午後六時ごろ、
和歌山
県の御坊、白浜を結ぶ
海岸線
に上陸して琵琶湖の北岸から
裏日本
に抜けたという
台風
でございます。このため
台風進路
に当りました
三重
県、
和歌山
県、
滋賀
県、
長野
県を初めといたしまする十五県にわたりまして、次のような
被害
が出おるのであります。
主要府県
の
被害状況
を申し上げますと、
高知
県におきまして
死者
一名、行方不明一名、
全壊
二、
半壊
四。
三重
県におきまして
死者
二名、
負傷者
七名、一行方不明二名、
全壊
十六、
半壊
五十四、
床上浸水
三百三十七。
和歌山
県におきまして
死者
二名、
負傷者
十五名、行方不明一名、
全壊
六十二、
半壊
四百八十三、
流失
五十六、
床上浸水
二千。奈良県におきまして
死者
二、
負傷者
五、行方不明七、
全壊家屋
十二、
半壊家屋
四十八、
流失家屋
十、
床上浸水
百三。
滋賀
県におきまして
死者
二、
負傷者
三、
全壊家屋
七、
半壊
二十五、
床上浸水
百三十一。
長野
県におきまして
死者
三、
負傷
五名、行方不明三名、
全壊
一、
半壊
一、
流失
…、
床上浸水
二十五。
静岡
県におきまして
死者
三、
負傷者
七、行方不明八、
全壊家屋
十七、
半壊家屋
三十三、
流失家屋
十九、
床上浸水
三百十四というところがおもな
被害
でございます。 その十七
号台風
のときの
特異動向
といたしまして、
和歌山
県の
殿山ダム
、
関西電力
が管理しております
殿山ダム
の放水をめぐる
水害事案
があったことが
一つ
であります。この十七
号台風
により、
日置川
の上流に三百四十ないし四百五十ミリの雨が降りまして、この雨は、二十八年の七月十八日の
水害
以来の
降雨量
でありましたので、
関西電力殿山発電所
の
ダム
では、
貯水量
がオーバーいたしましたために、二十五日の午前六時から徐々に
水門
を開放いたしまして、午後七時には全
水門
十二を開放いたしましたので、三千三百トンの水が
日置川
に合流いたしまして、
日置川
の川幅、
堤防
の高さは、この水量を許容することができませんで、ついに
下流域
の
日置同時安居
、
日置部落付近
の
堤防
が
決壊
をいたしまして、次に申し上げるような
集団的被害
の
発生
を見たのであります。なおこのほか、
下流地域部落
にも相当
被害
を受けたのであります。
安居
(やすい)と申しましたのは、「あご」と読むそうです。
安居部落
、その放流によって
床上浸水
した
家屋
が二百六、
床下
が百二十九、
全壊家屋
が十五、
流失
が二、
半壊
が十八、
死者
が一、
負傷者
が四名。それから
日置部落
が
床上浸水家屋
百八十棟、
床下浸水
二百、
全壊
二、全
壊非住家
五、
流失家屋
が八、
半壊家屋
十八棟ということになっておるのであります。 なお、
災害救助法適用市町村
につきましては、三十世帯以上集団的に罹災いたしましたために、
和歌山
県におきまして十余りの町村と、それから
静岡
県において一町、
三重
県において一町の
災害救助法
の
適用
を見た次第であります。 その際の十七
号台風
におきまする
被害
の
トータル
は、今申し上げたような内容をおもなるものといたしまして、その他の
府県
にまたがって
死者
が十九、
負傷者
が五十五、行方不明が二十八、
全壊
が百四十七、
半壊
が七百四十二、
流失
が百十、
床上浸水
二千六百九十一、
床下浸水
一万七千六百八十八という
工合
になっておるのであります。
水田
その他の
被害
につきましては
省略
をいたします。 次に、去る九月十日
マリアナ群島
の
南西洋上
に
発生
いたしました
台風
二十一号でございますが、これは、発達しながら北上を続けまして、九月の十七日の午前六時三十分ごろには、
室戸岬
の南南西四百四十キロメートルの位置に接近いたしまして、その後
進路
を
北北東
にとりまして、十八日の午前六時ごろ
伊豆半島南端
をかすめ、
三浦半島
から
東京湾
及び
千葉
県を東北に貫きまして鹿島灘を経て
三陸沖沿い
に進み、
千島列島方面
に去った
台風
でございます。 このような経路をたどりました二十一
号台風
は、
中心示度
九百五十五、ミリバール、
中心付近
の
最大風速
五十メートル、海上では三十メートル、
陸上
ではゴ十五メートル以上の
暴風雨
を伴い、毎時平均四十五キロメートルの速さで通過をいたしたのでございまして、このために
静岡
県、
東京
都、
千葉
県を初め、
合計
三十三都
府県
にわたりまして、去る八月二十五日の十七
号台風
の
被害
をさらに上回る次のような
被害
が
発生
いたしたわけでございます。 次に、
主要都県
の
被害状況
を申し上げますと、まず
東京
都でございまするが、二十一
号台風
によって、
東京
都では
死者
が二名、川に落っこちて死んだものであります。
負傷者
が十六名、行方不明が一名、
全壊家屋
が二十七棟・
半壊家屋
が百二十七棟、
床上浸水
を見ました
家屋
が二百四十二という
工合
になっております。次に、
静岡
県におきましては、
死者
が一、
負傷者
が十三、
全壊家屋
が三十五、
半壊家屋
六十一、
流失家屋
十六、
床上浸水家屋
五百十九。
栃木
県におきまして、
死者
二、
全壊家屋
八、
半壊
二、
床上浸水
二十三。群馬県におきまして
死者
が十名、
負傷者
が十名、行方不明が八名、
全壊家屋
十二、
半壊家屋
三、
流失家屋
十三、
床上浸水
百十四。
千葉
県におきまして
死者
が四、
負傷者
が二十八、行方不明が一、
全壊家屋
百十四、
半壊家屋
二百五十九、
流失家屋
四、
床上浸水
が百三十五となっております。山梨県において
死者
が二、
負傷者
六、
全壊
十八、一
半壊
十、
流失家屋
五、
床上浸水
四。
長野
県におきまして
死者
九、
負傷者
六、行方不明八、
全壊家屋
九、
半壊家屋
六十二、
流失家屋
十九、
床上浸水家屋
五百七十五。
新潟
県におきまして
死者
が二、
負傷者
二、
全壊家屋
九、
半壊家屋
三十九、
流失家屋
十二、
床上浸水家屋
三千六百八十五。
福島
県におきまして
死者
九、
負傷者
七、行方不明三、
全壊家屋
六、
半壊家屋
二十四、
流失家屋
四十七、
床上浸水家屋
五百十三。岩手県におきまして
死者
六名、
負傷者
七名、行方不明五名、
全壊家屋
五棟、
半壊家屋
三十八棟、
流失家屋
七棟、
床上浸水
千八百七十四。
青森
県におきまして
全壊家屋
二、
半壊家屋
二、
流失家屋
十三、
床上浸水家屋
二千五百十九ということになっておるのであります。 その
特異動向
として次のようなことが言われると思うのでありまするが、まず
青森
県下の
状況
は、
青森
県では、十七日の夜半から十八日にかけて全県的に
豪雨
がございまして、
青森
市で百五十ミリ、焼山で百八十三ミリ、
弘前
市で百五十九ミリという多大の
降雨量
を見たのであります。このため
弘前
市では馬渕川…・−、
土木関係
がここにございますから、この辺は
省略
いたしまして、最後の
合計
を申し上げます。 二十一
号台風
の
被害
の
合計
は、
死者
が五十三、
負傷者
が百二十、行方不明が三十二、
全壊家屋
が二百八十、
半壊家屋
が六百九十八、
流失家屋
が百四十三、
床上浸水
が一万二千二百七十一、
床下浸水
が四万七千五百八十六というふうに、非常な
被害
があったのであります。 今回の二十一
号台風
の
被害状況
から見ました
特徴
をとらえてみますというと、今回の二十一
号台風
は、
台風そのもの
は
中型程度
でありましたのに、
本土接近
後の
風速
が
予想
以上に速かった。
本土
に近づくまで非常にのろかったのでありますけれども、上ってから非常に速度が速かったということや、
陸上
で瞬間の
最大風速
が四十五メートル、前線による集中的な
豪雨
が伴なったということ等が直接の
原因
となりまして、今申し上げたような
被害
が出たのでありまするが、その
特徴
の第一は、前回の
台風
いわゆる十七号、あるいはその前の
台風
十一
号等
による
被害
をはるかに上回った、
予想外
の
被害
が出たということであります。その
人的被害
について見ますというと、
死者
及び行方不明という点について、十一号の場合が四十名、十七号が四十六名でありましたのに、二十一号では、両方合せて八十五名、
家屋
の全、
半壊
も、十一号で二百六十四、十七号で八百三十九というのが、今回九百七十八、
流失家屋
も、十一号が三十三、十七号が九十九に比べて、二十一号が百四十三、
床上浸水
の
家屋
も、十一号が五千五百、十七号が三千六百というのに、二十一号は一万二千以上ということになりまして、大体二十一号の
被害
は、十一号と十七号を合した
程度
の
数字
になっている
状況
であります。 それから第二には、
人的被害
が割合に多かったということでありまして、これは、先ほど人的な
被害
で申し上げた通りでございます。それから、
人的被害
のうちで、
人的被害
の
原因
を見ますというと、
死者
について見ますれば、濁流にのまれたというのが一番多くて、三十七名ございます。それから倒壊
家屋
の下敷になったというのが十三名ございます。がけくずれによりますのが二十五名、高潮にのまれたのが二名、その他八名ということになっておりまして、濁流にのまれた者、がけくずれによる者というものが大半を占めておるのであります。
負傷者
は、逆に倒壊
家屋
が一番多くて、七十四名、がけくずれが十二名、その他三十四名というような
原因
になっておるのであります。 第三は、
河川
のはんらんや
堤防
決壊
によりまする
集団的被害
が随所に
発生
したということであります。 最後に、二十一
号台風
に対しまする警察の
措置
といたしましては、これは、特別の
措置
をしたということを申し上げる材料はございませんけれども、いつもやりまするように、
関係
都道府県
警察におきましては、罹災地または警察本部内に
災害
の警備本部を設けまして、延べ二万二千九百三十七名の警察官の動員を行なっております。これによりまして罹災者の救出、避難の誘導、あるいは防御、
復旧
作業等の諸活動を展開いたしたわけでございます。以上が警備
措置
の大要でございます。 簡単でございますが−……。−。
田中啓一
10
○
委員長
(
田中啓一
君) 次に、自治庁奥野財政局長。
奧野誠亮
11
○
説明員
(奧野
誠亮
君) 各省から個別に
被害
額の御
報告
があったわけでありますが、きょう現在で私たちが各省についてお伺いしたりいたしましてまとめました
数字
では、五百億円
程度
になっております。これはなまの
報告額
でございますので、今後の
査定
によって相当異同すると思います。しかし、それにいたしましても、かなり大きな金額に上っておるわけであります。
地方
財政の面におきましては、一応国の
補助
の残りを
地方
債でさしあたりの
措置
をして参らなければならないわけでございます。公共
災害
につきましては二十億円、単独
災害
につきましては十五億円を留保いたして参っております。この額でまかなえるかどうか、かなり心配をいたしておりますが、現在までのところでは、大体その
程度
で済むのじゃないだろうか。しかし、今後さらに
災害
が加わって参りますということになりますと、まかない切れない、こういうような
状況
に至っておるわけでございます。なお、
災害救助法
の発動の
関係
もございましたり、あるいは税の減収の問題もございましたりいたしますれば、これは特別交付税の方でめんどうを見ていくということになるわけでありますが、そちらの面では、現在のところ特段従来よりも大きな額に上っておるというふうに思っていないわけでございます。ただ、
被害
総額の
報告
が、なまの
数字
で五百億円内外になっておるものでありますから、今後の
措置
については、若干頭を痛めておるというような
状況
でございます。
田中啓一
12
○
委員長
(
田中啓一
君) ただいま
委員
の
異動
がございましたので
報告
いたします。 郡祐一君が
辞任
され、
伊能繁次郎
君が後任として指名されましたので、
報告
いたします。
田中啓一
13
○
委員長
(
田中啓一
君) 本件につきまして、質疑がございましたら御発言を願います。——ございませんか。 それでは、本日をもちまして、第二十九回国会後の閉会期間中の
委員会
は終ることになるのでございますが、本院規則第七十二条の三によりますと、
委員会
が閉会中調査を終らなかった案件につきましては、その旨の
報告書
を
委員長
より
議長
に提出することに相なっております。従いまして、本
委員会
の調査事件であります
地方行政
の改革に関する調査につきましても、
委員長
より
議長
に対して閉会中調査の終らなかった旨の
報告書
を提出いたしますから、御了承を願いたいと存じます。 本日は、これをもって散会いたします。 午前十一時三分散会