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説明員(
鬼丸勝之君) それでは
仙台市営の
中央卸売市場の
建築のことにつきまして、
基準法違反の事例がございましたので、ただいままで
市当局あるいは県の
当局から事情を聴取いたしました結果、判明した経緯並びにそれに対する私どもの所見、今後とるべき
措置等につきまして、取りまとめて御
説明申し上げたいと思います。
この
市営の
中央卸売市場は
仙台市の東の方に位しておりまして、将来貨物駅ができる
地点の
隣接地域に建っておるわけでございます。なお近所には県営の総合運動場が連なりまして、周囲はおおむね住
宅地域でございまするが、この市場の敷地は準工業地域に指定されております。この位置に敷地面積約一万五千坪の中に、建物といたしましてはむね数にいたしまして十三棟、総延べ面積二千八百二十坪
余りということでございまして、現在の
工事の進捗
状況は約八七%完成しておるのでございます。これは市場でございますから、もちろん売り場面積が相当広くとられておりますが、そのほかに製氷工場、冷蔵庫、管理事務所等がございます。その構造は、その用途に供せられる建物の種類によりましていろいろでございますが、建物
部分については現状のところでは基準法上は適法になっておると認められます。
そこで違反の問題につきましてこれから申し上げますと、大きく分けまして二
通りの違反の事例が生じておるのでありまするが、最初に、昭和二十七年当時でございますが、製氷工場の
建設工事が申請されてきております。製氷工場を最初にまあやったと、この場合には
中央卸売市場の
計画の一環としてこれを申請したのでなく、
中央卸売市場のプランに関連したものとして考えられているというような
説明で、実際は単独の製氷工場の申請を
計画——これはまあ公共団体がやりますので、普通の確認という言葉を使いませんで
計画通知ということでございますが、いわゆる申請をしてきたのでございます。そこで卸売市場そのものの一部ではないということで、これを特定行政庁におる
建築主事は認めたわけであります。しかしながら実質的には、この
建設費の中に卸売市場
建設のための起債も含まれておりますし、単なる卸売市場
計画の関連施設という
説明は、実質的には当らないのではないか。やはり当初から卸売市場
建設計画の一環として申請されてきたと見るのが至当である。かように考えますると、この申請そのものが実は基準法の第五十三条の規定によりまして、市場の位置につきましては、特定行政庁の許可を受けるか、あるいは都市
計画の施設として決定したものでなければならないと、こういう基準法の第五十三条の規定がございますので、その前提の条件を満たしていないで申請をしてきておる、違法な申請であると実質的には考えられるのでございます。この点が違反の第一点。
それから他の売場その他の建物につきましては、市の内部におきましていろいろ文書の往復がございましたが、結局正式に申請の処理がなされないまま今日に至っておりますので、これはもちろん五十三条の違反であると同時に、
計画通知の手続も了してないと、こういう
状況でございます。
そこで、今二
通りに分けて違反の事例を申し上げましたが、この違反の核心となっておるところは、先ほど申し上げましたように、
建築基準法の第五十三条の違反ということに相なると認められるのであります。そこで、なぜこの五十三条、あるいはさらにこの規定に関連しまして五十四条にも関連してきますが、こういう手続を無視してやったのであろうか。という諸般の実際の
実情につきましては、なお多少私どもまだ自信をもって申し上げかねる点もあると思いまするが、どうも、当時の既存の卸売業者の問に、新しい
中央卸売市場の
建設につきまして反対があった、ということが一番の理由のようであります。
で、都市
計画の施設として決定するには、御承知のように審議会にも付議しなければなりません。やはり
地元の意向というものがそこで反映される。それから都市
計画として決定しないで許可をする場合には、聴聞を行いまして審査会の同意を得なければならぬ。こういう聴聞を行うということは、やはり
地元の既存業者に相当反対があればまあ通ることがむずかしいというふうに懸念されたようであります。
そこで、
仙台市も今回の五十三条を中心とする違反には、まあ完全にシャッポをぬいだような態度でありまして、ただ今までの違反はまことに遺憾であるという意思を表明し、同時に今後どうするかということにつきまして、すみやかに法律上適正な処置をするということで、基本的には了解いたしております。で、この処置と申しますのは、先ほども申し上げましたように、都市
計画の施設として決定することも一つの方法でありますが、今日に及びましては、今回は早急にこれを処置することが望ましいわけでございますから、いわゆる五十三条の特定行政庁の許可によって処理する。そのためにはもちろん公開聴聞を行いましてこの敷地の処置を許可をしよう、こういうふうに
措置をする方針を
仙台市としてはとっております。で、法律上はそういう
措置で一応片づくわけでございまするが、実質的に都市
計画上、周囲の
状況等からみまして支障があるか——適否の問題でございまするが、この点につきましては
計画局の判断ももちろん必要でございまするが、私ども一応今まで聞いたところでは、都市
計画上支障があるものとは認められないと考えます。
そこで今後こういう種類の違反が出ないように、私どもといたしましても十分注意いたしますとともに、今回の
仙台市の違反事件につきましては、ただいま
仙台市が最終的に考えました
措置につきまして、われわれも賛意を表したい——同様な意見を持っている次第でございます。以上、簡単でございまするが、一応の御
説明を終ります。