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1958-09-10 第29回国会 参議院 運輸委員会 閉会後第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年九月十日(水曜日)    午後一時二十三分開会     —————————————    委員異動 八月二十六日委員草葉隆圓辞任につ き、その補欠として泉山三六君を議長 において指名した。 九月九日委員田中茂穂辞任につき、 その補欠として雨森常夫君を議長にお いて指名した。 本日委員相澤重明辞任につき、その 補欠として天田勝正君を議長において 指名した。     —————————————  出席者は左の通り。    理事            江藤  智君            成田 一郎君            柴谷  要君    委員            井村 徳二君            植竹 春彦君            平島 敏夫君            中村 正雄君            松浦 清一君            市川 房枝君            岩間 正男君   説明員    運輸省船舶局長 山下 正雄君    運輸省港湾局計    画課長     東   寿君    運輸省鉄道監督    局監理課長   原山 亮三君    運輸省自動車局    長       山内 公猷君    日本国有鉄道副    総裁      小倉 俊夫君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○小委員補欠選定の件 ○派遣委員報告     —————————————
  2. 柴谷要

    理事柴谷要君) ただいまより運輸委員会を開会いたします。  委員異動がありましたので御報告いたします。  八月二十六日草葉隆圓君が辞任、その補欠として泉山三六君が、九月九日田中茂穂君が辞任、その補欠として雨森常夫君がそれぞれ選任せられました。     —————————————
  3. 柴谷要

    理事柴谷要君) 交通事故防止に関する小委員辞任及びその補欠につきましては、その取扱い委員長に一任されておりますが、その後、委員異動に伴い小委員に欠員がございますので、この際、私から、三木與吉郎君の補欠として植竹春彦君、大倉精一君の補欠として大倉精一君、岩間正男君の補欠として岩間正男君を指名いたします。     —————————————
  4. 柴谷要

    理事柴谷要君) 次に、委員派遣報告を議題といたします。  先般、産業基盤強化関連港及び離島航路並びに国鉄輸送事情等実地調査のため、第一班山口県、福岡県、大分県に、第二班香川県、愛媛県、山口県に、六日間それぞれ委員派遣をいたしました。その報告を求めます。まず、第一班から願います。
  5. 江藤智

    江藤智君 ただいまから山口九州地方視察報告をいたします。  派遣期間は八月十八日から二十三日までの六日間で、派遣されました委員は、私と中村委員の二人であります。視察いたしました所は、港湾関係として下関港、門司港、小倉港、洞海港苅田港別府港であります。なお、国鉄西部支社訪問し、管内輸送状況説明を聴取し、造船関係としては、林兼造船所及び三菱下関造船所視察いたしました。運輸省地方機関として第四港湾建設局九州海運局、第七管区海上保安本部をそれぞれ訪問し、また、福岡陸運局長の来訪もあり、所管事項に関し、資料を提出、説明が行われました。また、関門トンネル管理事務所訪問、種々説明を聴取し、トンネル視察を行いました。以上が今回の派遣視察個所であります。  次に、各視察個所別にその概要を御報告したいと思いますが、それぞれ詳細な資料が提出され、これを保管してありますので、必要があればそれを参考にすることにいたしまして、特に重要な点につきまして御報告することにいたします。  まず、港湾関係について申し上げます。港湾視察に先立ちまして、第四港湾建設局長から、資料に基き、管内である山口県の一部及び九州一円の港湾整備概要について説明がありました。それによりますと、当管内には本邦屈指外貿港である関門港があり、背後には全国の約六五%の出炭量を示す豊富な九州及び山口炭田を有し、わが国経済の原動力をなす北九州工業地帯を擁している。従って、これら管内各港の港湾整備工事は、輸出入振興のための荷役合理化重要物資輸送合理化あるいは重要基礎産業合理化輸送面より促進し、わが国経済自立を促進するため、いずれも早急に整備しなければならない状態であり、昭和三十一年以降五カ年計画を立てて、その整備に当っている。九州地方の将来の産業開発を見るとき、工業用水港湾は二つの大きな条件となっている。この点から見て今後有望視される地方として熊本県八代、大分鶴崎、宮崎県細島を初め数カ所の地帯が考えられる。すでに北九州工業地帯工業用水の面から制約を受けつつあり、これが解決されなければ飛躍的発展は望まれない状況である。港湾整備計画は、これら背後地産業発展を十分観察し、一体となって計画を進めるようにしているとのことでありました。  次に、港湾別に主要な点につきまして御報告いたします。  一、下関港、下関港は本州の西玄関として、対岸の門司港とともに西日本における重要港であり、埠頭延長六百六十メートル、水深九メートル以上で、一万トン級四バースを持っており、現在外貿埠頭として第一突堤の完成に伴い泊地を九メートルないし十メートルに浚渫整備し、その浚渫土をもって第二突堤を築造して臨海工業埠頭を造成しつつあります。また、特別会計事業費によって輸出専門埠頭バース工事費五億円余)の計画があり、この実現により肥料が近在港湾から分散して輸出されているのを、集中輸出することにより合理化をはかることができます。よって現地では特別会計事業費による輸出専門埠頭早急実現を強く要望されました。  二、門司港、門司港は下関港と同様、西日本における重要港であることは言うまでもありません。門司港の当面の重要問題は、特別会計事業費による田野浦地区における輸出埠頭バースの造成問題であります。この計画は、セメント輸出合理化をはかろうとするもので、昭和三十一年の同港輸出取扱い量は八十九万トンで、全国輸出量の四二%を占め、第一位であり、これが長期経済計画によれば、輸出量だけで百七十万トン、全国比四九%に達する見込みで、このため、田野浦地区に一万トン級輸出埠頭バースを造成しようとしているのであります。それから本港に関して特に問題となっているのは、私経営の線路一・五キロメートルがあり、そのため、運賃が非常に割高になっており、港湾運営上一大支障になっているとのことでありました。これに対しては、一貫輸送措置をすみやかに講ずるよう関係者要望しておきました。  三、関門海峡国際航路改良浚渫事業についての強い要望でありますが、これは現在の関門海峡は、水深、潮流、航路幅等について幾多の問題があるが、なかんずく、水深八−九メートルの浅い所が八カ所もあり、このため、大型船運航に支障を与えている。世界航路としては、水深十二メートルを必要とするが、とりあえず十メートルを早急に整備してほしいということであります。本計画は、特別会計事業費として十七億八千万円が予定されており、これが実現方要望されたのであります。  四、小倉港、小倉港は特に製鉄港として重要な地位を占めている港湾で、各種工場貨物合理化のため、砂津航路及び泊地を九メートルに整備し、防波堤延長し、また、既成工場群の廃かす処理並びに浚渫土砂処分を兼ね、臨海工業地帯を造成する計画が進められています。特別会計事業費としては、製鉄港として六億円余が予定されており、これにより砂津、紫川の十メートル航路及び泊地浚渫計画されており、これが実現を強く要望されたのであります。  五、洞海港わが国四大工業地帯の一つを背後に持つ洞海港は、本邦屈指の大工業港であり、また、本邦随一石炭積出港であるとともに、製鉄港としてその地位はきわめて重要であります。現在工業貨物及び石炭輸送合理化するため、本航路の拡幅と港口防波堤延長が行われています。また、当港域には、八幡製鉄所の新工場建設のため、膨大な埋め立て並びに港湾建設工事が行われています。洞海港港湾整備に関しては、地元関係者から数多くの要望がなされましたが、特に、石炭積出港及び製鉄港として特別会計事業費十七億円余の実現方についても強い要望がありました。  六、苅田港苅田港は、筑豊炭積出港としてきわめて重要な地位を占め、昭和三十二年百四十万トンを積み出し、昭和三十七年には三百六十万トンを積み出す計画を持っており、そのため、特別会計事業費によって石炭埠頭バースを造成することになっており、地元関係者一同からこれが実現について熱心な陳情がありました。なお、背後地産業の育成の将来計画についても、苅田地区はその立地条件がきわめて良好であるところから、地元としては非常な熱意を持っておりました。  七、別府港、別府港は観光施策の一貫として昭和二十六年より着工したわが国最初観光港で、現在一万トン級客船埠頭を築造中で、一応二千トン級の着船ができるようになっています。御承知通り別府観光都市として、瀬戸内海より阿蘇、雲仙に通ずる国際観光ルートの要衝であり、今後観光旅客の激増と旅客船大型化に対応するため、一万トン岸壁、防波堤整備を早急に実現できるようにとの強い要望がありました。なお、別府市役所において、別府市長大分市長大分当局大分鉄道管理局長鶴崎市、海運局等関係者が参集され、それぞれ事情説明陳情等が行われました。その要旨は、  一、さきに述べた別府国際観光港の   整備促進  二、大分鶴崎臨海工業地帯の造成   その他県内重要港湾整備促進  三、別府阿蘇観光道路建設促進でありました。  以上で港湾関係を終りたいと思いますが、今回視察いたしました港湾は、いずれも重要港湾であり、目下運輸省計画されている港湾特別会計事業の対象となっている輸出製鉄石炭港でありまして、関係者一同より、港湾特別会計事業が早急に実現できるようにとの、きわめて強い要望がありましたことをお伝えしておきます。  次に、造船関係について申し上げます。  視察いたしましたのは、林兼造船所及び三菱下関造船所の二カ所でありました。まず、感じましたのは、造船界不況現状がきわめて深刻であるということであります。すなわち、林兼造船所においては、本年度生産実績は昨年の二分の一で、受注量は本年十一月ごろで終り、あとは全く見通しがなく、本年に入ってから相当数従業員の整理を行い、従って、下請関連中小企業にも深刻な影響を及ぼしております。三菱造船所の方は、造船のほか修理、鉱山機械等の製作が行われ、状況は若干相違していますが、不況の深刻さは同様であります。この不況対策として、当面第十四次造船に期待せざるを得ないのでありますが、両造船所はいずれも中型不定期船が対象で、十四次造船大型船定期船鉱石車用船等に重点が置かれる結果、その割合が少くなるのではないかと心配していました。  次に、関門トンネルについて御報告いたします。関門トンネル管理事務所訪問、開設以来現在までの使用状況問題点等について説明が行われました。それによりますと、現在までの収入実績は(三月から八月十八日まで)一億三千万円(一日平均八十一万円)で、これまでに要した維持管理費は五千四百万円となっています。本トンネルは、一応二十六カ年の償還が考えられており、それによれば一日平均百五十万円の売り上げがなければならないことになっておるが、現在ではそれが大体八十万円程度の姿になっているとのことでありました。もちろん、開設以来半年ぐらいで将来の予測をすることはできませんが、いずれにしても通行料金は相当高額(たとえば普通自動車、乗用、貨物とも片道九百円、現在は割引七百円)であって、そのため、せっかくのトンネルが十分に利用せられないおそれもありますので、通行料の再検討の要ありと思われます。なお、管理者側としては、運営の経験からして、スピード制限のアップ、現行三十キロを三十五キロに引き上げる必要があると同時に、最低スピードの制限をする必要があるが、これは道路交通取締法との関係もあり、目下検討を加えているとのことでありました。  次に、国鉄関係について申し上げます。国鉄西部支社において管内輸送状況概要について説明が行われました。まず、運輸収入については、旅客関係においては、経済界不況という悪条件にもかかわらず、種々積極的な増収施策を推進した結果、八月末において対計画一〇一%、金額にして五千万円余の増収となっている。しかしながら、貨物収入においては、経済不況が直接影響し、一部予想も入りますが、上期において計画に対し九二%となり、金額にして十億円程度の減収になるとのことでありました。  電化計画については、北九州電化計画利用債の引き受けも決定し、昭和三十五年度には久留米まで電化を達成したい。また、山口県側の電化については、広島計画中であるが、関門を通じ北九州と一体として考えたい。なお、直流、交流の分岐点関門トンネル門司側出口ということに本社において決定をみたが、具体的計画については、西部支社としても検討を進めているとのことでありました。  次に、九州海運局福岡陸運局、第七管区海上保安本部から、それぞれ所管事項について資料が提出され説明が行われましたが、そのうち主要な点について申上げます。  九州海運局関係として旅客船保有公社設立実現してほしいこと、第十四次造船計画早期実現九州においては、特に中型不定期船のワクを増加してほしい、また、予算定員増加してほしいとの三点についての要望がなされました。  福岡陸運局関係として、軌道法に基く許可申請が、申請者から知事を経由して建設大臣運輸大臣に送られ陸運局を通らないが、必要な事項陸運局としても把握しておきたいから、陸運局を経由してほしい。また、神風タクシー対策は、地元の実情を考慮し、適切な措置をとっているとのことでありました。  また、島原鉄道山鹿鉄道に関しては、先国会で法律が成立したので、その線に沿って行政措置をしているが、島原鉄道復旧作業に着手したが、山鹿鉄道はまだ着工していないとのことです。  なお、車両検査の要員の増加について要望がなされました。  第七管区海上保安本部においては、七管の勢力は、全海上保安の約四〇%を占める地位にあり、その特徴として対馬、壱岐、五島列島等離島が多く、また、朝鮮、中共、中国などとの接触点であり、その上李ラインにおける日本漁船の保護という重大任務が課せられている。これらに対し、優秀船舶配置増加が強く要望されました。  以上で今回の視察報告を終ります。  なお、今回受け取りました陳情書は次の通りであります。  洞海港改修事業に関する陳情書、洞海航務局委員長松尾守治。  門司港湾関係公共事業費予算要求等に関する陳情書門司市長柳田桃太郎。  若松市北海岸埋立促進に関する陳情若松市長吉田敬太郎。  九州石炭積出港緊急整備に関する陳情日本石炭協会九州支部長伊藤八郎。  大分港湾整備促進等に関する陳情大分県知事木下郁。  最後に、今回の派遣に御協力いただきました関係者一同に厚くお礼申し上げます。  以上でございます。
  6. 柴谷要

    理事柴谷要君) 速記をとめて。   〔速記中止〕   〔理事柴谷要君退席、理事江藤智   君着席〕
  7. 江藤智

    理事江藤智君) 速記を起して。  次に、第二班の柴谷要君。
  8. 柴谷要

    柴谷要君 それでは四国中国班調査報告をいたします。  派遣委員三浦委員松浦委員と私との三名でありましたが、三浦委員出発直前、急に差しつかえができ参加できませんでした。  さて、私どもは八月二十七日より六日間にわたりまして、産業強化関連港及び離島航路並びに国鉄輸送事情等の実情を調査して参りました。  まず、訪問個所を申し上げますと、香川県では四国海運局四国鉄道管理局を、愛媛県では松山港を、山口県では徳山下松港及び岩国港を、広島県では広島鉄道管理局広島陸運局をそれぞれたずね、所管事項及び港湾事情につき聴取いたしました。以下調査の結果を、おもな事項別に御報告いたします。  第一に、国鉄輸送の現状について申し上げます。まず、四国管内について申しますと、御承知のごとく、四国地方離島航路及び機帆船等による本土間との貨客輸送が活発であるとともに、近来の自動車輸送の発達並びに最近の経済界不況により、その影響を受けておりますが、これを昨年度営業係数で見ますと、旅客一三五、貨物一八七、平均一五〇を示しております。なお、本年度第一・四半期についてみますと、旅客輸送は対前年比二%減、旅客収入五%増で運賃値上げに伴う影響と見受けられますが、同じく貨物輸送実績では、発送トン数が対前年比四%減、貨物収入七%減ということになっており、特に七月における沿線在貨は戦後最低実績を示しております。また、当局の将来計画として、高松−多度津間が現在併結列車六〇%で線路容量が限界に達しているため、これが複線化に十九億、高松−高知間の無煙化をはかるためのディーゼル気動車の投入並びに利用債九千三百万円をもって高松駅、棧橋駅の一元化をはかる意味から総合駅の新築を行うという問題があります。従って、これらの実現をはかるべく鋭意努力中とのことでありました。  次に、広島管内では、まず、昨年度営業係数を見るに、鉄道は貨客合せて九三、航路一六〇というように、鉄道では比較的良好な営業成績をあげております。これは山陽本線及び美禰線のごとき黒字線区をかかえておる関係であると思われますが、航路では、いずれも民間航路との関係及び輸送原価の点から、なお一そうの合理化に努めたいとのことでした。なお、当面の問題点としては、昭和三十七年度完成予定の岡山−下関間の電化に二百三十三億、山口線気動車十七両及び地上設備七百万円、計二億八千万円、広島地区改良計画として、広島本駅等に六億三千万円、合理化計画として可部線の列車頻発により、自動車輸送との調整をはかるということでありました。  第二は、国鉄宇高航路における輸送力増強の問題であります。まず、当航路の現状について概要を申し上げますと、当航路は宇野−高松を結ぶ航路でありまして、昭和三十年七月新設されました宇高船舶管理部が当航路経営管理を行なっており、貨車航送の客船として総トン数千五百トン級船三隻、貨車航送船として三百トン級船二隻、千二百トン級船一隻、合せて六隻の連絡船が配属され、一日客便往復貨物便十五往復を行い、本年度第一・四半期輸送実績によりますと、一日平均旅客約一万千三百人、貨物ワム換算六百三十七両を輸送いたしております。さて、宇高航路といえば、昭和三十年五月十一日、不幸にも発生いたしました紫雲丸事件は、私どもの記憶に新しいところでありますが、国鉄当局におきましては、安全運航を確保するため、全面的検討を加えました結果、連絡船業務管理機構を改革して、現在の宇高船舶管理部を新設し、紫雲丸についてのみならず、他の二隻の客船についても改造工事を施行し、基準航路を設定して、上り便航路下り便航路を完全に分離し、航路保安をはかり、その他警戒体制、船員の技術指導気象災害対策、船員の勤務、船員の養成等について、それぞれ対策が講ぜられているのでありますが、これらの詳細な内容につきましては、別途、委員長のお手元まで書類を提出いたしておきましたので、ごらん願いたいと存ずるのであります。紫雲丸は引き上げ後改造され、瀬戸丸と改称され、現在再び当航路において運航されておることは、すでに御承知のところと存じます。  さて、当航路における輸送力増強の問題でありますが、先ほど申し上げましたように、当航路の貨車航送船は三百トン級船二隻、千二百トン級船一隻であります。宇高船舶管理部説明によりますと、三百トン級船二隻は著しく老朽化しておりますので、宇高航路輸送力強化の問題は、貨車航送力の増強に重点が置かれ、貨車航送船新造計画であったのでありますが、本土対四国旅客増加に伴う宇野線電化四国各線ディーゼル化による陸上輸送体制強化の将来計画に対応するため、貨車のみならず旅客を搭載し得るよう変更する必要に迫られているのであります。すなわち、陸上側の将来計画、すなわち宇野線、予讃線及び土讃線の増強計画に対応し、連絡船としては現行の客便一日九往復を十二ないし十三往復に増加し、この増加分を新造船によりまかなうこととするためには、五百名ないし七百名程度旅客を搭載し得るよう変更することが必要とされておるのであります。  第三には、港湾関係について申し上げます。視察しました港湾は、高松松山徳山下松岩国でありますが、まず、高松港で問題は、同港拡張のため防波堤の改善であります。高松港は昭和三年にほぼ現在のような修築を終ったのでありますが、当時並びに戦前における国鉄連絡船は三百トンないし五百トン級船で、いずれも全長五十メートル以下の小型船であり、現在の港内面積でも操船に十分余裕があったのでありますが、戦後輸送要請にこたえて新造されて就航をみました連絡船は、客船としては千五百トン級船三隻、貨車航送船としては千二百トン級船一隻でありますが、いずれも全長七十六メートルをこえる大型船でありますので、狭隘な特に奥行きの非常に浅い港内での操船には著しい困難を伴うに至り、また、高松防波堤前面の最強二・五ノットに達する潮流は、港内への出入りを一そう困難にしており、かてて加えて高松港に出入りする船舶は著しく増加しており、港内拡張必要性については、宇高船舶管理部のみならず、高松海上保安部よりも海上保安の面から防波堤改喜について要望があったのであります。香川県当局説明によりますと、本年度においても国鉄港湾工事費負担が確定しないので懸案事項になっているとのことであり、かかる事例は本港のみならず、函館港においても同様の事情にあるやに聞き及んでいるのでありますが、多数の旅客を取扱う国鉄連絡航路港湾整備が不測の事態発生の危険をはらみつつこのような事由によっていたずらに遷延することは許されないことと思うのであります。  次に、松山港について申しますと、本港は昭和二十六年に重要港湾に指定されて以来急激に港勢を拡張し、内港を小型船、外港を大型船専用に使用しております。現在松山港は石油港としての意義を加え、整備計画を樹立して、第一次五カ年計画では三十七年度末完了を目標に工事施行中でありますが、さしあたり本年度分としてスーパー・タンカー受け入れ態勢整備のためのマイナス十二メートルに浚渫する工事に約一億を要し、その他防波堤の延長、物揚場築造等工事計画があるのであります。さらに高浜関係では、棧橋、防波堤建設工事施行中であります。従って、第一次五カ年計画完成の暁に予想される取扱い貨物数量は外、内港合せて六百八十四万トンに達し、三十二年度に比して二三%増を見込まれております。  次は、徳山下松港及び岩国港でありますが、御承知のごとく昭和二十六年に徳山下松港が、同二十七年に岩国港が重要港湾の指定を受けて以来港勢が著しく伸展し、前者は出光興産徳山製油所日本石油下松製油所、後者は三井石油化学日本鉱業等が好立地条件を利して工場を建設し、石油港産業関連港として従来の面目を一新し、新たに時代の脚光を受けるに至ったのであります。まず、昭和三十二年度における以上二港の汽船荷役並びに外国貿易船荷役実績につき一括して申し上げますと、汽船荷役実績では荷揚げ、荷積み合せて徳山下松五百九十二隻、百五十六万重量トン貨物六十九万八千トン、岩国三十五隻、九千重量トン貨物八万五千トンを示し、前者は対前年比二%増、後者は三一%減となっております。また、外貿関係では、徳山下松のみで百十三隻、百四十三万重量トン貨物五十六万トン、対前年比三%増を示しております。  工事関係について申しますと、徳山下松港は本年度重要港湾補助事業として六千五百万円が計上され、それぞれマイナス十二メートルに浚渫する工事を施行し、スーパー・タンカー受け入れ態勢を完了することになっておりまして、その他マイナス九メートル浚渫工事を施行する計画であります。  岩国港もやはり大型タンカー受け入れのため、マイナス十二メートルの浚渫工事が三十二年度完成を見、引き続き本年度から一億八千万円をもって係留施設、泊地等の港湾施設修築工事を施行し、三十七年度完成を見ることになっております。  第四は、高松−日比間自動車航送事業計画についてであります。香川県当局陳情によりますと、本土と四国を結ぶ水陸一貫の輸送径路としては国鉄宇高航路のほかに明石、鳴門の両市を結ぶ国道二十八号線と岡山、高松の両市を結ぶ国道三十号線との二つのルートがあり、明石−鳴門間には、御承知のようにすでに自動車航送が行われておるのでありますが、国道三十号線のルートは、現在空車輸送にとどまり、年々増加する貨物と自動車交通の異常な発展により水陸一貫の輸送力に不足を来たしている現状でありまして、このため香川、岡山の両県は一部事務組合を組織し、この組合が高松港−日比港間にフェリー・ボートを就航せしめ、本土−四国間を連絡いたしまして、貨物輸送時間の短縮と輸送費の軽減をはかろうとする計画であり、目下定期航路事業の免許について運輸大臣に申請中との趣きでありました。  第五は、香川−岡山間橋梁架設計画であります。香川県当局陳情によりますと、香川、岡山両県の一部事務組合によるフェリー・ボート計画実現する見込みであるが、産業経済の発達に伴う強い交通輸送の要求に対しては、なお貧弱であるので、四国と本土間の連絡強化のため、抜本的方策が必要であり、瀬戸内海に点在する島嶼を利用して本土に連絡する橋梁を架設することが最も緊急の要請であるとしております。県当局は、明石−淡路間は水深も深くまた潮流も速いが、岡山−香川間は水深も浅く、地形から見て技術的にも楽と思われるので、架設計画について明石−淡路ルートを調査するなら岡山−香川ルートも調査されたい旨を強く要望いたしておりました。  第六は、船舶検査業務についてであります。四国海運局長の説明によりますと、四国海運局管内における船舶検査官は現在わずか十五人でありますが、船舶検査実績は逐年激増いたしまして、昭和三十二年度は実に二千五百五十隻、三十三万五千トン、また、臨検回数は八千七百回をこえておるのであります。このため、船舶検査官は過労に陥り、健康を害する者多く、船舶検査官はこのような過重な業務に苦悩する一方、検査旅費も相当窮屈で、これまた、船舶検査業務を制約する一原因となっている実情にあるのであります。船舶検査業務の重要性にかんがみまして、このような事態は放置するを許されないと存ずるのであります。  次に第七として、第六管区海上保安業務につき申しますと、管轄区域は広島、岡山、香川、愛媛及び山口県の一部にまたがる瀬戸内海の大半と豊後水道東部で、海域、海岸線、海象、気象、漁業及び船舶交通等の特殊事情のため、かなり管内業務が複雑となっております。まず、海上犯罪では、密航、密輸が南北朝鮮と台湾、沖縄等から瀬戸内海の自然的地勢を利用して最近二、三年来急増しております。また、各漁業区、境界線の不明確による密漁もかなりの数に達しており、犯罪検挙実績としては、海事法令違反、経済事犯等を含め三十二年度において一万五千件、一万六千人に上っている実情であります。  さらに、海難につきましても、内海の自然的要因と人為的要固がからみ、全国的に見て、海難発生が多く、特に衝突件数において全国の二五%、乗り揚げ件数二〇%を数え、三十二年度で六百六隻、四千二百人に達しておるとのことでした。  第六管区海上保安本部より、現有船艇劣勢のため、海上犯罪の取締り及び海難救助上、過去における幾多の苦い経験にかんがみ、巡視船艇増強要望があったのでありますが、巡視船艇のうちには旧海軍使用老朽船が多い現状にかんがみ、その必要を認めざるを得ないのであります。  なお、一言しなければならないことは、先ほど申し上げました通り、海上犯罪や海難事故の多い当管区において、劣勢な現有船艇により幾多の困難を克服しつつ黙々として海上業務に挺進している乗組員の姿でありまして、私どもは心から敬意を表した次第であります。  第八は、海技従事者国家試験の施行についてであります。四国海運局長の説明によりますと、本年度は乙種一等航海士及び乙種一等機関士以下の資格の臨時試験を十回施行の予定であって、すでに四回施行し、受験者数は六百二十八名であり、また、本年度は六月、十二月の二回にわたり定期試験を施行することになっており、六月に施行した定期試験の受験者数二百三十三名であり、これら試験はわずか二名の試験官によって行われているのでありまして、すなわち五カ月間に八百六十名の試験が二名の試験官によって行われたのであります。特に臨時試験は年に十回も行われることを考えますと、わずかに二名の試験官では試験官に過重な負担となっているのではないかということと、同時に、かかる状態にあって地方において施行される海技従事者国家試験が適切に行われ得るかどうかについて、若干の懸念を感ぜざるを得ないのであります。  第九に、陸運局管内事情について申しますと、まず、高松では定員、予算が相対的に自動車数の激増と業務軍増大に反比例して逐年減少していることが著しく、特に車両検査業務に携わる検査官に対する作業労務が過重傾向にあり、一方、旅費も削減されているので、四国周辺に存在する島嶼の車両検査にも円滑を欠く懸念があり得るとのことでありました。なお、管内自動車車両数は現在約八万台、最近五年間に約三倍増加しており、輸送実績では、一般経済の伸長を反映して、三十二年度では貨客合せて二十七年度の約二倍に達しておるのが実情であります。さらに、交通事故では三十二年度は百十五件で、二十七年度六十一件に比し約一・九倍に達しておりますが、将来整備の不良あるいは法規違反等悪質な重大事故の再発防止のため、指導監督を厳にして実効を高めたいとのことでありました。広島についても高松と同じく定員、予算ともに減少しており、車両検査業務に携わる検査官の労務過重が著しいとのことでありました。広島局内の自動車車両数は現在十四万五千台で、過去十年間に約二・七倍増加し、最近の輸送状況においては、経済不況により特に貨物が小口に細分化されているとのことであります。さらに、交通事故ではやはり逐年増加傾向にあり、従って、本年五月より当陸運局内に事故防止対策委員会を設けてその対策をはかっておるとのことでありました。  なお、私どもは小豆島に参りまして、同島における交通並びに観光施設を視察したのでありますが、小豆島は幾多の観光資源に恵まれた風光明眉な島嶼でありまして、映画「二十四の瞳」以来、あまねくその名を知られるに及んだことは御承知の通りであり、観光客も多いのでありますが、一方、島内における道路及び観光航路並びに港湾施設については、地元の要望もありましたが、これらを整備する必要を認めたのであります。  最後に、各地において受けました陳情について、前段触れておりません分の要領を申し上げます。  岩国におきましては、岩国港改修は昭和三十三年度より着工されることとなったが、工場進出による出入船舶の漸増、加うるに岩日鉄道完成の切迫に伴い早急なる完成を地元で希望しておりました。  徳山におきましては、中国定期船協会より、旅客船公社の立法化を次期国会に提案されるよう、これが促進方と、離島航路指定のワクが現在狭義に解釈されているから、これを広義に解釈して指定されたいという瀬戸内海沿岸七県知事の要望並びに現在においてすら乱立傾向にある航路を現在以上増加させぬよう、現状維持に努められたい旨の陳情がありました。  次に、松山から徳山に向う途中、上関町長より、離島である八島の事情につき陳情を受けました。すなわち、本島は町村合併により上関町に編入されたのでありますが、本島は文化、医療施設に至るまで、いまだに前時代的生活状態にありまして、島民の生活安定及び福祉の向上をはかるため、離島振興法の適用を十分受けられるよう、これが善処方を強く要望されたのであります。  以上御報告申し上げます。
  9. 江藤智

    理事江藤智君) ただいまの委員派遣報告について御質問、御意見等がありましたら、順次御発言を願います。  なお、運輸省からは自動車局長山内公猷君船舶局長山下正雄君、港湾局計画課長東寿君、海上保安部次長安西正道君、同じく警備救難部長松野清秀君、日本国有鉄道から副総裁小倉俊夫君が出席されております。
  10. 柴谷要

    柴谷要君 きょうは委員の方も多数おいででありませんから、簡単にただいま私が報告した中のことで御質問したいと思います。  まず最初に、国鉄にお伺いしたいのですが、報告書の中にありますように、高松港の施設が非常に狭いために大型船化いたしました連絡航路に非常に支障があるということで、いろいろ現地で事情を聴取しまして、現場機関の苦労が一そうわかったのでありますが、高松港の港湾施設に対しては、運輸省国鉄との間に話し合いがつかないために延ばされておる。それがために船舶管理部等においても、非常に困難な作業を技術によってカバーしておるというような事情にあるのですが、国鉄側として、あの高松港湾施設に対してどういう考えでおられますか、まず最初に国鉄からお伺いし、引き続き運輸省の見解をお聞きしたいと思います。
  11. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) 高松港の問題とただいまの御報告中にそういうような事例がほかの港湾にもあるというような御注意もございまして、私ども港湾につきましては、やはり港湾局と緊密な連絡をとって港湾整備あるいは背後地の輸送等を共同して推進していかなければならぬと、こう考えております。高松港がいろいろな設備でおくれておるということは、私は具体的には承知しておりませんが、いろいろな話は聞いておりますが、これにつきましては、さらに十分お話のありましたごとく、実情調査してできるだけすみやかに最善の処置をやっていきたい、こういうように考えております。
  12. 柴谷要

    柴谷要君 運輸省側の見解を伺います。
  13. 東寿

    説明員(東寿君) 高松港の連絡船の必要から起りました改修計画について、今まで国鉄側と連絡をしながら管理者である香川県との間で計画をいたしました概要を申し上げて、その経緯をそれにつけ加えたいと思います。  この計画防波堤の陰に連絡船が入りまして岩壁に着くまでの距離が非常に短かいので、これを長くしようということと、潮流防波堤の前面に横から流れてくるので、これを防ぐという、この二つの計画になっておる。防波堤を少し広げますので、工費が約二億になるので、この計画については、細部について検討を加えて国鉄の現地の船舶管理局とよく連絡をとって計画は一応成立いたしております。三十三年度にこの計画の予算要求をいたしましたが、国鉄側との間でまだ全体の間に問題点が残っておるようであります。私たちの方が少し進み過ぎたようであります。予算要求の成立当時にペンディングのまま予算要求を取り戻しました。三十四年度の予算要求に当りましても、御連絡をいたしましたが、まだ検討されておる最中であるようでありますので、三十四年度の予算要求は相控えました。そういうような経緯になっております。
  14. 柴谷要

    柴谷要君 あなたの方の話は進んでおるが、国鉄の方はおくれておると、こういう事情のようですが、あの実績は、ごらんになってみればわかると思うのですが、とにかく、大型船が入りまして操船をするのに、実は専門家である船員諸君が乗っていて、国鉄ではなくて他の船員諸君が乗っておって、実に操船状態が上手だと、しかし、こういうことを長く船員にやらしておくということは、まことに過酷だと、こういう話を聞いた。調査中に、それは船の上で聞いたのですが、かりに技術がよくて事故も起らずいるのですが、それは今あなたのお話を聞きますというと、国鉄計画が進んでおらぬから、あなたの方で予算要求をしたけれども、三十三年度あきらめて、四年度もそういう状態だから見送るのだという、こういうことになっておるのですが、運輸省自体で、何も国鉄の金を出させないでやる意思はありませんかどうか。
  15. 東寿

    説明員(東寿君) この問題は、国鉄が半分負担するということで大蔵省とやっておるのですから、そういう経緯になっております。そこで問題は、もう一つ連絡船のそういう問題は、同時にあすこに船のふえてくることが、あすこで錯綜いたします問題があるものですから、今、一つの対策としては、あの港口に普通の商船あるいは機帆船を、なるべくあの港口から出入りさせない方法が考えられますので、東側の方に朝日町と申しますが、あの方に石炭の埠頭を今作っております。そういうふうに、東側の入口の方に……あの朝日町というのは別な港口でありますが、そういう所に船を移すことによって、だいぶ緩和できるのじゃないかというのが、今の私どもの方の計画の方向でございます。これは着々実施をいたしております。ただ、今の連絡船自体のために起りましたのは、国鉄当局と大蔵省との間で、そういう話し合いが済んで進めておるものですから、そういう経緯になっておりますが、できましたら、大蔵省にあらためて予算要求をする、こういうふうになっております。
  16. 柴谷要

    柴谷要君 もう一ぺん、くどいようだが、お尋ねしておきますが、たとえば二億かかるとすれば、国鉄が一億、運輸省が一億、こういう形で工事が着手される、ところが、二億の金が一ぺんにつぎ込まれるわけでもないので、多少時日がかかるわけですが、あなたの方でも予算を、ある程度、必要な経費の半分なら半分を、一つ現地に与えて、そして仕事をやらせる、その間でも国鉄と十分話し合って、そして工事を進行させるという考えをお持ちになっておりませんか。僕らの視察したところによりますと、現在の計画は、将来船が大型化してくる、高松港が重要港として指定をされていく場合には、今計画されている範囲では、僕らはもう遠からず不足が出てくる、むしろもっと拡張していった方がいいのじゃないかと、こういう結論を現地で出したくらいなんですが、そういうようなことであるけれども、ただ係船をしようとするときに、港内に入って、わずか二百四、五十メートルしかない、そういうような事情にあるので、早くそこを何とか楽な着船のできるような防波堤が早く作り上げるということは、そう一ぺんに国鉄と話し合いがついて、何億という金が出なくても、運輸省で今計画されておる範囲内で、その程度工事の着工ができるような気がして帰ってきたのですが、そこらの点はいかがですか。
  17. 東寿

    説明員(東寿君) お答えいたします。あれは府県で計画をいたしまして、二億かかりますというと、国鉄が一億、それから国が六千万、それから管理者が四千万というので、管理者の計画に対して、国が六割の負担をする計画になっている。国が計画するだけでもって済むものではありませんので、香川県がその計画を立てて、国に六割の分担を出せということになるわけで、私は今、国と国鉄との間だけお話しいたしましたけれども、それはそういうような事情でございまして、香川県と国鉄との間にそういう話し合いができましたときに、初めて国の六割という予算が出るわけでございます。その協議がととのわないものですから、港湾局としましては、予算要求を一応とめておったわけでございます。
  18. 柴谷要

    柴谷要君 三十四年度も、それでは予算要求はしてないのですね。
  19. 東寿

    説明員(東寿君) 三十三年度はいたしましたが、三十四年度は保留いたしております。
  20. 柴谷要

    柴谷要君 保留している。
  21. 東寿

    説明員(東寿君) はい。
  22. 江藤智

    理事江藤智君) それじゃ、私からやはり視察報告に関連いたしまして、数点お尋ねしたいと思います。  第一に、港湾局の方にお尋ねしたいのですが、視察報告に申し上げたように、門司港の田野浦埠頭に入る臨港線の途中に私鉄の線路が一部あるために、そこで貨物運賃がまた別に取られるものだから、非常にその臨港線の運賃が高くなる、そのために、せっかく一万トン埠頭ができているにかかわらず、ほとんど陸上の臨港線は使用されておらない。非常にこれはもったいない話で、何とか一貫輸送をして、普通の港湾と同じような運賃で臨港線が使用されるようにしなければいかぬと考えるのですが、これについてどういう処置をとっておられますか、お伺いしたい。
  23. 東寿

    説明員(東寿君) お答えいたします。あの田野浦埠頭の所が、現在の計画で約二百万トンぐらいのものが計画されるようになっております。現在一万トン級が約二バースございます。さらに、先ほどの御報告にありましたようなセメントの専門輸出埠頭として約八十万トン程度を予定するような計画を立てている。従って、これに対する臨港鉄道の問題が、お知りのような問題になるわけですが、あれを複線化いたします計画をいたしております。従って、あの私鉄を買収いたしまして、さらに、それを複線に増強いたすわけであります。これに要する費用は、今度の特別会計の中に、普通の臨港鉄道として一貫するものとして、あの中に計画をいたしております。従って、特別会計が成立いたしますと、この問題は解決し得ると思うのです。
  24. 江藤智

    理事江藤智君) もうちょっと聞きますがね、複線にすることも非常にけっこうだけれども、あるいは特別会計という、これは何とか作らにゃいけないとまあお考えでしょうが、しかし、それをもっと単線のままでも、今のようなことでほうっておくということは非常に問題じゃないか、もし特別会計ができなかった場合には、やはり何か買収するというような方法は、予算面で考えられませんか。
  25. 東寿

    説明員(東寿君) ことしの予算で約二千万だったと思いますが、一応予算をつけているのです。それは港湾法におきますというと、建設改良をいたしますので、買収ということはちょっと法の適用範囲外になるわけです。従って、予算措置になりまして、特例を必要といたします。そういうようなところで、多少疑問を生じております。当然管理者である門司市がこれを買収いたしまして、それに対して改良なり施す場合に、港湾法としてはこれに予算措置ができるのでありますが、管理者の買収がまだその時期に達しておりませんので、今のところではそのような状態でとどまっているわけであります。その点特別会計でしますと、一挙にそれを解決できるわけなんであります。
  26. 江藤智

    理事江藤智君) いずれにしましても、私も現地では鉄道当局あるいは港湾当局、市にも、何とか一つ話し合ってそういう今のような矛盾は解消するように努力するようにとは言っておきましたけれども、ぜひこれは港湾局としても努力していただきたいと思います。  それから次に、これは船舶局長にお尋ねしたいのですが、先ほどの報告書にもありましたように、九州地方は、長崎の三菱造船のような大きいところもあるけれども、あとはみな中程度以下なんですね。従って、外国のタンカーというようなものの受注の見込みもないし、結局は十四次造船で中型の不定期船というようなものをぜひとりたいのだという希望が非常に多い。しかし、聞くところによると、十四次造船でそれに対応するような船が一体どれくらいあるのか、また、少なければそれにかわった対策というものもやはり考えないというと、相当の問題を起すのではないかという感じを持ったのですが、そういう中以下の造船所に対する対策について、お考えの点があったら御説明を願いたいと思います。
  27. 山下正雄

    説明員(山下正雄君) 中小造船所の問題は、現在の海運市況の不況によりまして、非常に困難な問題をはらんでおります。お尋ねの計画造船、十四次計画造船におきます中型船の問題でございますが、現在のところ約一万トン、隻数にしまして三隻程度のものしか考えられておりません。それが全国の中小造船所対象にいたしたものでございまして、その面だけではなかなか中小企業の困難な点は解決されないと思います。で、御承知のように、来国会に旅客船あるいは沿岸の貨物船建造の法案等を海運局で考えておりますが、それらの法案が成立いたしまして、それらの船の内外の建造なり、また、旅客船の建造というようなことが具体化しましたときに、若干の需要が起きて中小造船所も救われるのではないか。また、私どものふだんの行政指導としましては、東南アジア方面の輸出船、ことに、小型の輸出船につきましては、大きな造船所は遠慮し、それを小さい造船所が受注をとれるようにという行政指導はいたしておりますが、なかなか数が多いものですから、全般に潤うようなわけには参っておりません。
  28. 江藤智

    理事江藤智君) お尋ねしますが、そういう行政指導、それは実際問題どの程度まで立ち入って、船舶局長としてそういうあれをすることができるのですか。
  29. 山下正雄

    説明員(山下正雄君) 私どもとしましては、おもに造船工業会に私どもの考えておることを申し伝えまして、そうしてその線に沿って需給のあんばいなり、また、大きな造船所に注文のあったときには遠慮するようにという精神的に行政指導をいたしております。法律的には根拠はございません。
  30. 江藤智

    理事江藤智君) 次に、国鉄の副総裁にお尋ねしたいのでございますが、先ほどの報告書にも載せておきましたが、現地を視察しました結果、直流、交流の分界点が関門トンネル門司側の出口付近に本社で決定を見た、こういう話を聞いたわけです。一方、あの付近をよく知っておるものといたしまして、北九州とそれから下関あるいは宇部、小野田というような山口県の西部の地区とが、これは経済的に申しましても、あるいは市民の生活の面からいいましても、非常に密接な関係がある。たとえば、今度の視察旅行でも、これは門司の局でもあるいは下関の市役所でも話があったのですが、下関付近の海水浴場に二百万をこえる海水浴客が来た。これは北九州からみんな来るんだ、あるいは御承知かもしれませんが、生鮮食品その他も全部山口県側から行っておりますし、最近は北九州には適当な住宅地が少いから、山口寄りにどんどんそういう人の住宅が移ってきている、こういうような情勢にある。それから鉄道輸送の面から考えましても、これは申し上げるまでもないのですが、貨物輸送で言いますと、幡生の操車場と門司の操車場と上下合せて一体となって一つの機能を果している。旅客輸送から見ても、現在宇部地区には電車運転をやっているのです。こういうのと北九州とは将来当然結ばなければならないのではないかということが考えられる。そういうことを考えてきますと、とにかく密接な関係のあるそういう経済圏のまん中にこういう直流に切りかえるというような、動力車が直通できないという制約のポイントを一つ作るということは、将来非常に禍根を国鉄輸送面、ひいてはあの付近の交通の上にもたらすようなことがあるのではないかというような杞憂を抱いたのであります。もちろん、これは国鉄輸送の非常に重大な問題、これは建設線あたりよりは私はもっと動脈の輸送方式をそこに変えることになるわけです。非常に重大な問題と考えますがゆえに、国鉄当局としても非常に慎重な御検討をなさったと思うのでありますけれども、こういうような杞憂をしている者は私だけでなくて、現地にもおりますし、また、われわれの先輩でその道の非常に権威者といわれているような方もそれに似かよったような意見を吐いているような人もあります。個人的には現在鉄道の部内でも、私が今度旅行している間にそういう点の心配をしている者もいるのでございますので、この機会にそういうおそれはないのだということについて、わかりやすく納得のいくような御説明を願えればけっこうだと思います。
  31. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) 仰せの通り交直の切りかえという問題は、技術上にもまた経済上にも非常にむずかしい問題がございまして、しかも、国鉄といたしましては、交流電化をいたしました方が、投下資本におきましても約二割方安いし、でき上りましたあとの経営費につきましてもやはり二割方安いというような結論が出ておりますので、今後相なるべくは交流電化電化を推進していきたい、こう考えておりますが、そういたしますと、現在直流の区間とその先の交流にするという区間とのつなぎ目をどこにするかということが問題になりまして、これは東北線におきましても、あるいは山陽、九州電化につきましても、いつも問題になる点でございます。そして、ただいまの問題の門司につきましても、いろいろ原案はございました。あるいは岡山で切るとか、あるいは小郡辺で切るとか、あるいは関門の前後のどちらかで切ったらいいというような点が、技術上あるいは経済上いろいろむずかしい点がございました。で、ただいま申し上げましたように、経済的にもそれから投下資本として交流が経済的であるとすれば、できるだけ手前で交流に切りかえた方がいいのでございまするが、しかし、一方切りかえの区間につきましては、切りかえの設備を作らなければならぬ、それに適合した場所を選んでいく、それからまた直流機関車のロング・ランということを考えまして、ある程度直流で走らせませんと、かえって車両面で不経済になるというような点がございまして、交直切りかえのポイントをどこにするかということがむずかしくなって参るのでございますが、門司に置きますのが、結局は機関車のロング・ランという点と、列車のヤードのいろいろな使い方から参りまして、結論的として、一番門司に置くのがいいという結論になりました。詳しい資料は私記憶しておりませんが、詳しい資料ございますから別に提出してもよろしゅうございますが、ただ問題は、門司で交直が切りかえをいたします場合に、あの付近——山口県、北九州あの辺の輸送をいかにするかということが問題になって参ります。私どももちろんあの関門隧道を挾みまして両側は一つの交通地帯であるということを考えておりまして、やはり本土と北九州との間には、やはりある程度の電車運転を考えていかなければいけないと存じております。ただ、問題といたしますのは、例の関門隧道が非常に巨大な投下資本をかけておりまして、それは長距離を優先に通さなければなりませんので、その線路容量ということも考えなければなりませんのですが、ただいまの見当といたしましては、関門隧道にも輸送の余力がございまするので、ぜひあそこは交直両用の電車を製作いたしまして、双方の通勤、通学あるいはその他の近距離の旅客輸送するというふうな考え方で進んでおりまするので、この北九州及び山口県一帯の近距離輸送につきましては、御不便はかけないように研究いたしております。
  32. 江藤智

    理事江藤智君) 今のお話で、山口県、北九州の一般輸送ということについては、絶対に御迷惑はかけないという、こういう御明言がありましたので、これ以上突込んでここでお尋ねすることはやめたいと思いますけれども、しかし、こういうようなことの研究というものは、現在の実績をもとにしてある結論が出ましても、これは将来はもう列車回数につきましても、あるいは車両の進歩という事柄も起って参りますので、今、こうした前提でこれがいいと言われましても、そういうような輸送の一番スムーズにいくべきことにそういう一つのネックを作るということが、必ず将来非常に困るような問題を起さないとも限らないということは、これは事実あることなんで、できるだけやはり交通の高い所はスムーズなシンプルな考え方でというのが、こういう交通計画の基本的な考え方ではないかと思うのでございまして、そういう意味では、今投下資本が多少かかると言われましても、とにかく、国鉄全線電化という面から考えればこれはしれたものでありましょうし、また、直流というものが東海道、山陽を通っておるのでありますから、これが九州の最も輸送量の高い所でそういう一つのネックができるということについては、そういう面から考えて、私は必ずしも今の御説明では納得できないのでございます。しかし、日をあらためてそういう面について御説明願うことにいたしますけれども、私が申しましたことは、一応一つ頭にとめていただきまして、今後また御検討をされるときには、一つ考えられた方が国鉄の将来にいいんじゃないか、こういうふうに考えますので、一応要望いたしておきます。  それから少しまだありますが、問題になったのでこの機会に承わっておきたいのですが、これは鉄監の関係になると思うのでございますが、これは福岡陸運局長からの要望でございますが、軌道法に基いて認可申請を出す場合に、肝心の陸運局長は素通りして、県知事からすぐ運輸大臣あるいは建設大臣に書類が出てくる、従って、現地の陸運行政の責任者としては非常に困る場合があるからして、やはり陸運局長を通じて、あるいは合議のような格好でもよいが、とにかく、陸運局長を通じて書類を出すようなふうに考えてもらいたい、こういう要望があったのですが、これはもっともと思いますが、運輸当局としてはどういうふうに考えておられるのですか。
  33. 原山亮三

    説明員(原山亮三君) 現在軌道法上の軌道の権限につきましては、運輸、運転の一部につきましては、運輸大臣の専管、それからその他の工事面及び事業管理面につきましては、運輸、建設両大臣の共管と、こういう格好になっておりまして、もちろん運輸、運転の運輸大臣専管事項につきましては、陸運局長経由ということで、その点については問題がないわけであります。その他の問題につきましては、工事その他の運転以外の事業管理面の申請書類の関係だと思うのでありますが、それにつきましては、都道府県知事経由となっておりまして、その副本を陸運局長に提出する、こういう建前になっておりますので、実際上陸運局長にはその副本が参っておりますので、全然知らぬということは、建前上ないのでございますが、もしもそういうことがあるといたしますれば、その点は今後あらためる。それから現在の行き方について、都道府県知事経由という考え方を、都道府県知事と陸運局長両方を通じて、運輸大臣の方には陸運局長経由、建設大臣には都道府県知事経由、こういう方法も考えられますので、そういう点について再検討いたしたいと考えております。
  34. 柴谷要

    柴谷要君 関連して。実は地方で軌道設置の申請をして許可を受けておるけれども、いまだ開設に至らない、工事にすら着工しておらぬ、こういうのがある地方に発見されたのですが、これは監督局として、自後どういうふうな処置をするつもりであるか、お伺いしたい。
  35. 原山亮三

    説明員(原山亮三君) 軌道法による特許を受けておりながら工事をやっておらないという事業者は相当数ございますが、工事施行人が申請の期限というものを特許の際に付しますし、工事施行が認可申請期限を過ぎた場合においては、もちろん当然失効という格好になっております。工事施行認可を受けておって、その場合においては、工事着手期限と工事竣工期限というものを付するわけでございますが、そういう一部着工して、資金の関係とか、その他用地買収が意のごとくならぬ、こういうふうな場合におきましては、竣工期限の延伸の申請をいたしまして、事情やむを得ない場合においては、それを許可する、こういう格好になっておりますので、いま少し、おっしゃられましたのがどこの線か存じないのでございますが、事情やむを得ない場合においては、そういう着工なり竣工を一部延期するというふうな措置がとられるわけでございます。
  36. 柴谷要

    柴谷要君 当然所定の手続がされていれば、着工されずにいるのだと思うのでありますが、それが運輸交通政策の上において非常に障害になっておることを聞いてきておるのです。これはゆゆしい問題ですから、いずれ時間があるときにゆっくりその事実を聞きたいと思うのですが、こういうケースが全国にだいぶあるらしい。免許はもらっていながら、工事もしないし、開設の意思もない。しかし、そこに権利を持っているために、他に並行して申請してみても、それに許可になっているために、だめだということで、全然、そういう免許をされているために、交通網が開かれないために、沿線の人たちが非常に迷惑しておる、こういう事例があるのですが、全国に多分そういうケースがあると思うのですが、そういう資料を一つすぐとは言いませんが、臨時国会が月末には開かれるのでそれまでに準備しておいて、一われわれに提供してくれませんか。
  37. 原山亮三

    説明員(原山亮三君) 今おっしゃいました竣工の免許を受けておりながら竣工しないというものについては、最近相当整理いたしまして、数年前よりはずっと減っておる現状でございます。ただ、おっしゃいましたように相当数まだ残っておりますので、それの竣工する能力もないものについては、極力整理いたしたいと、こういう考えで進んでおります。
  38. 柴谷要

    柴谷要君 資料を一つね。
  39. 江藤智

    理事江藤智君) 資料を一つお願いします。  それじゃ次に、もう一つ最後に、自動車局長にお尋ねしたいのですが、それは関門トンネル通行料金の問題なんです。で、もともとこの料金の設定に当っては、根本的に私も非常に異論がある。第一、運輸大臣もこれは法律では共管になっておるから、この場合には相談を受けなくてきめられたようないきさつもあるようでございまして、現地も相当騒いだりしたこともある事柄なんでありますが、今日はそういう問題は別といたしまして、御承知かもしれませんが、関門トンネル開通のときに、フェリー・ボートをこのトンネル開通のためにやめてしまった。そうなりますと、道路整備特別措置法の第三条の一項二号の「通常他に道路の通行又は利用の方法があって、当該道路の通行又は利用が余儀なくされるものでないこと。」と、これに明らかに抵触することになるのじゃないか、もうこれこそ海ですから、ほかに通常通ろうと思っても通れるものじゃないし、こういう新しい事態ができた、でありますから、もう一度そういう点を考慮して通行料金というものを再検討する必要があるのじゃないかというふうに今度の視察で考えたのでありますが、運輸省としてお考えになっておるか、あるいはすでに建設省ともそういうことで話し合いをされたことがあるか、そういうことについて承わりたいと思います。
  40. 山内公猷

    説明員(山内公猷君) これは関門トンネルは有料自動車道路として建設されたのでございまして、有料自動車道路は御承知通り建設省が主管の関係でございまして、料金については、建設大臣から運輸大臣が意見の聴取を求められる、意見を言うということになっておるわけでありまして、それで三月十日の供用開始の際には、これまた道路特別措置法の付則によりまして、建設省におきまして、道路料金までを定めて公団に委託をいたした場合には、運輸大臣の意見は聞かなくてもいいという付則になっておりますので、当所の場合には、運輸大臣の意見を聞いてこなかったわけでございます。ところが、この料金をめぐりまして、ただいま御指摘のようにいろいろ問題がございまして、それで御承知のように三月十日に供用を開始いたしまして六月九日までの三カ月間当初料金の二割引ということでスタートいたしたわけでございますが、そのときにはすでにもう公団の管理をするこれは道路になっておりますので、この割引料金につきましては、運輸大臣の意見を聴取して参ったわけであります。それで運輸省といたしまして、当初からそういったものにつきまして、いろいろやはり交通の実態とか、それから使用者の要望というものを十分考慮して、特に通行実績というものも考えて適切な額を決定すべきであるということを建設省に申し入れをしております。しかし、二割引するという問題に  つきましては、基本的な料金の計算は、まだ問題があるわけでございますが、料金を下げるということにつきましては、了承いたしたわけでございます。ところが、六月十日以後におきましても、この料金の割引を延長いたしまして、明年の三月末までの実績を見た上で再び再検討をするという、建設大臣から六月三日に運輸大臣に意見の照会がございましたので了承をいたしておるわけでございます。それで問題は、今フェリーがなくなったあとでも、料金はそのままでいくかということでございますが、実は先ほどの御報告を拝聴いたしておりましても、当初に予想いたしました輸送量よりは、現在下回っております。われわれの手元には、現在三月分と四月分の公団からの実績の報告が来ておるわけでございますが、最近は一日の収入が八十一万円といっておられましたが、われわれの手元に来ましたのでは、四月には大体一百万円程度の収入がありまして、先ほどの御報告を見ますと、また下ったのではないかという気がするわけでございますが、とにかく、当初の予想を下回っておるわけでございまして、われわれの方といたしましては、来年三月までこれが延期されましたので、いろいろ今後公団とか建設省からも資料をちょうだいいたしまして、この料金については検討を加えたいと、かように考えております。  また、先ほどの代替道路の場合に、有料道路ができるのだという法律的基礎がなくなったのではないかという御質問でございますが、これは先ほど申しましたように、私が答弁するのはちょっと所管違いと思いますが、われわれがこの法律によりまして伺っております場合には、大体通常の場合は、代替道路のある所にそういう有料道路をするのであると、特別異例の場合にはやむを得ないのだというような解釈をとりまして、この関門隧道というように海底を通るのでございますので、ほかの代替の道路というものはありませんで、フェリーという格好であったわけでありますが、これは開設当初にありましたが、これが通りましてから、フェリーの料金がやはり高いものでございまして、経営が成り立たないということでやめたわけでございまして、特殊の事情として考えてよろしいのではないか、われわれの方といたしましては、今までのそういうフェリーがなくなったあとの状況が、一体通過するものにどの程度影響を与えるかということは、今後資料をもらいまして検討いたしますとともに、有料道路の料金の査定、特に受益の範囲というものにつきまして、現在、運輸省と建設省で、根本的に検討いたしておりますので、それらの作業を通じまして、将来検討さしていただきたい、かように考えております。
  41. 江藤智

    理事江藤智君) ちょっと今のお話で伺いたいのですが、第一点は、主管は建設大臣で、運輸大臣運賃問題は意見を聴取してくるのだと、こういうような御説明であったのですね。しかし、道路整備特別措置法の第二条の四で見ますと、「あらかじめ、運輸大臣及び建設大臣の認可を受けなければならない。」と、こうなっておるので、これはむしろ料金の方は運輸大臣の方が主管しているというような感じを私は持っておったのですが、そうじゃないのですか。
  42. 山内公猷

    説明員(山内公猷君) 先生のおっしゃっておりますのは、高速自動車道路でございまして、この有料道路というのは、道路整備特別措置法の中で規定されているのでございまして、これはほんとうの協議ではなくて、意見聴取ということになっておるわけでございます。
  43. 江藤智

    理事江藤智君) この問題は、ちょっと長引きますからあとにいたしましょう。  それからもう一つは、確かに実績が非常に下回っておる。予想よりもそれはむしろ通行料金が高過ぎるから利用者が少いということもはっきり言えると思うのです。とにかく、乗用車が割引しても片道七百円ですから、千四百円かかるわけです。それじゃもうよほどのことでなければ、乗用車でとにかく関門トンネルを通って向うに行きませんよ。そういうような料金を取って少い少いというよりも、むしろ、とにかくほかに道もないのだから、それだけ料金を安くして、そしてできるだけたくさん通す。そしてそれがもし償却や何かがまずいならば、それに対する処置を考えるというような方向に持っていくべきであって、とにかく、通行量が予定よりも少いから、もっと高くしょうなんて……、高くなったらますます通行量は減ってくるのじゃないかというのが、私のほんとうの現地を見た感じなんです。せっかく本土と九州とを結ぶ道路ができた以上は、国家的にいっても、これを、理想からいえば、できるだけ安い金で利用できるように、こういう方向に一つ持っていくべきではないか。まあ、これについては、今後は運輸大臣も十分に相談に乗られるわけであって、そういうふうに一つ考えていただきたいと思うのです。どうですか。
  44. 山内公猷

    説明員(山内公猷君) 仰せの通り、安ければたくさん通るのではないかということは、もちろん考えられるわけでございます。こういう料金を考えます際には、できるだけ運輸省としては、安くて、そういう一般的な利用ができるということをもちろん考えております。しかし、減価償却その他のものも考えなければなりませんので、両方から一番いい料金というものを検討をするわけでございます。まあ、それらのことにつきましては、いろいろのデータも、現在、運輸、建設両省でこういう有料道路の料金というものについて検討を進めておりますので、その作業を終りましてから、この問題につきましても善処いたしたいと思っております。
  45. 柴谷要

    柴谷要君 最後に、これは相当期間いろいろ検討してみなければならぬ問題なんですが、これだけはちょっとお尋ねしておきたいのですが、ごく一言でけっこうですからお答えを願いたいと思うのです。官房長が来ていないので——官房長がおられれば説明願おうと思ったのですが、大へん恐縮ですが、担当局で一つ御検討願いたいと思うのです。先ほど御報告のありましたように、船舶検査官が全くいないで、大へん苦労をかけているのを見てきたのですが、三十四年度の予算で増員の要求をしているかいないか、それから現状をよく認識されておるかどうか、これを一つ聞かせてもらいたい。
  46. 山下正雄

    説明員(山下正雄君) 船舶検査の現状でございますが、全国的に非常に船舶検査官が多忙をきわめております。特に最近、機帆船または漁船等が地域的に非常に分散をしておりまして、その根拠地に検査官を置いてくれという各地の要求がずいぶん出ております。それに比しまして、検査官の増員というものは、この四、五年間全然行われておりませんので、私ども毎年大蔵省に、検査旅費の増額と人員の要求をいたしております。来年度予算におきましても、人員につきましては、三十三名の検査官の増員を要求をいたしております。また予算的にも、検査旅費の増額を、一六%の予算要求をいたしております。増加要求をいたしております。しかし、何にいたしましても、増員の問題と旅費の増額の問題は、大蔵省との折衝でいつも非常な困難を来たしておりますので、来年度におきましても、この検査官の苦しい実情が改善されるようなことになるものかどうか、私ども非常に心配をいたしておるわけであります。
  47. 柴谷要

    柴谷要君 確かに、私ども実情を見て参りまして、何というか、超人的というか、全く検査官という制度がむしろない方がいいんじゃないかというくらいに人間扱いしていない検査官の実情を見てきたのです。これは一つ局長、大いに事実を指摘されて、大蔵省に反省を求めて拡充できるように、また、われわれ委員会として、これは大きな問題ですから、十分一つじっくりこの問題を検討してみたいと思うのですが、あなたも実情を十分一つ訴えられて努力されるように要望しておきます。  それから次は海技試験官、これはどなたの担当か知りませんが、これは全く話にならぬ。これで国家試験なんて言えるのかどうか。これはどなたが担当になりますか。海技技術者の試験、この数字をあげておきましたけれども
  48. 江藤智

    理事江藤智君) ちょっと申し上げますが、これは船員局の関係で、だれもいないらしいので、この次にでも一つ。
  49. 柴谷要

    柴谷要君 いつも口癖に言っておるが、次は自動車局だが、自動車局の実情を一つ聞かしてもらって。口をすっぱくして言っておるから、あとはもう申しませんが、車検検査員。
  50. 山内公猷

    説明員(山内公猷君) 車検登録の要員につきましては、たびたびこの席上で御説明いたしました通り、六年でありますが、大体車は二倍半、要員は一割八分というような、アンバランスな情勢でございまして、特に本年度につきましては、ただいま船舶局長が申しましたように、旅費におきまして五%の一般削減がありましたので、現場は非常に困っておる実情でございます。私どもといたしましては、いろいろ予算をやりくりいたしまして、できるだけ現場に迷惑をかけないようにやっておりますが、やはり総額が大きいので、非常に困っておるというふうに、われわれも十分承知いたしております。それで来年度におきましては八十二名——検査五十名、登録三十二名という増員の要求をいたしておりまして、実情は非常に困っておりますので、大蔵当局に十分実情を御認識願ってお認め願いたいと、今努力をいたしておるところでございます。
  51. 柴谷要

    柴谷要君 それで、もちろん今言ったように、あなた方も努力されておると思うのですが、全くこれはよその機関を見たって、比較にならぬのですね。それで各省の人員状態を調べておるのだけれども運輸省が一番悪い。これはもういろいろな資料を持っていったら、大蔵省は認めると思う。特に今度、大蔵大臣は交通関係から出ておるのだから、これはもう真剣にやって、運輸委員会等も実情をほんとうに見て、これは車検場あたりを一度、全員でもいいから見学して、実情を見て、大蔵省に当るくらいの態勢をとらぬと、これは実際、人をふやせばいいという安易な状態ではなくて、私はやはり合理化には賛成で、必要な部面の合理化は大いに進めるべきだと思うのです。しかし、必要な最小限度の人員は確保しなければならぬと思っておるのです。そこで、少しお尋ねいたしますが、陸運局は運輸事務官と地方事務官に分れておる。陸運事務所は、この機構が非常に阻害しておると思う。この機構を一元化するように自動車局は意を払っておられるかどうか。
  52. 山内公猷

    説明員(山内公猷君) お説の通り、現在の陸運事務所は、地方公務員の身分を持っておりまして、予算、定員は運輸省がめんどうを見るが、業務の指導は県知事がやる。非常にいわばはっきりしない制度をとっておるわけでありまして、われわれといたしましても、交通というようなものの本質からいいまして、やはり全国的に統制のある仕事をやりたいということで、運輸省の職員であり、運輸省の部局であるという方向に将来いたしたいというふうに考えておるわけでございます。
  53. 柴谷要

    柴谷要君 私、一つ要求しておきたいと思うのですが、これは運輸省全般的の問題だと思うのですが、比較的に皆さんはお隠しになっておると思うのです。たとえば今、船舶局長さんのように、明らかに、何名、何名要求して、予算をどうした、こういう前年度と比較して多くしたということを皆さん言って下さらないが、われわれは外部に秘にしますから、われわれ議員だけは知っておく必要があるのですから、本年度要求した予算は幾らであるという資料を一つお見せ願いたいと思うのですよ。部外秘でわれわれだけ検討して頭に置けばいいので、運輸当局はこれこれ要求したのだから、大蔵省は出さなければいかぬと、けちなことを言って大臣を責めるようなことはいたしませんから、それが果して妥当な要求をあなた方がされているかどうか、われわれは知りたいし、また、実際の部面において、必要な部面には他を省いても回ってもらうとか、あるいは新規要求をし、新規に採用してもらうとか、いろいろな方法はあると思います。そういう問題はいろいろ真剣に考えていかないと、現場では検査といっても自動車の検査にしてもおろそかになります。あの状態では船にしてもあると思います。国家試験という権威ある試験をやるのに、六、七百人の試験をわずか二人でやる、それを年何回もやる、こんなことで満足に試験の答案が見られるかどうか、疑問に思ったのですね。だから、そういう重要な部門における必要な人員だけはぜがひでも採るというようなことでやはりいかなければならぬと思うので、一つ、そういう点で要求される予算の内容等はごく簡単なものでけっこうですから、われわれに知識を与えていただくという意味合いにおいて一つ御提示願いたいと思いますがね。これを一つ私は要求いたしまして、きょうは時間が来ましたので、いずれまたゆっくりしたいと思います。
  54. 江藤智

    理事江藤智君) 委員の変更がございましたので報告いたします。  相澤重明君が辞任され、その補欠として天田勝正君が選任せられました。  他に御発言がなければ、本日は、これにて散会いたします。    午後三時二分散会