○
柴谷要君 どうも国鉄
当局は
行政管理庁、
行政管理庁といって、
行政管理庁の何か
勧告でもあるというと、金科玉条のように考えられておるのですが、
行政管理庁の諸君とあなた方と比較して、国鉄
経営の力というものはどっちにあるかといえば、あなた方にあるのです。
経営の衝に当っておられる
皆さん方、しかもエキスパートであるあなた方、私は国鉄の幹部の皆さんが、これは志免鉱業所はその重荷だけしょわされて、どうも困難な目にばかりあっているということだけ残されて
行政管理庁の
勧告通りこれを実行した場合には、これは喜ぶ連中だけ喜んで、あなた方は苦しみだけ味わっている、こういう事態にまで追い込まれてまでも
行政管理庁の
勧告に従わなければならぬ。今日
行政管理庁の
勧告なり、あるいは
経営調査会の答申なりを忠実に守って、実績を上げて、今日は黒字なんです。過去の功績も十分認められておる。そういう中に立って初めてあなた方が今日国鉄の事情からいえば、これは持っていった方がいいのだというあなた方の決意次第によって、これらの
勧告も、また内容が変って出てくるではないか。特に副総裁は、今
行政管理庁の
勧告の中と同じように、
輸送の業務に専念すべきだと第一項でそう言っておる、これは当然のことなんです。しかし、
輸送の業務を遂行する上において必要なものであって、決してこれは不必要なものではない。そうでしょう。五十万トンからの燃料の出炭です。国鉄が買って使う五百万トンの石炭の一割も志免で出している。ここの業績によって……、炭の購入というものが、炭鉱
業者の独占によって高いものを国鉄に売りつけようとするには、志免鉱業所がない方がいいのだけれども、それを防ぐためにはああいう炭鉱を国鉄が持っている必要がある、これが第一点。そうして今日持っておっても、決して国鉄から——赤字だからといって別に運輸収入の方から向うへ持っていかなくてもいいのです。かえって逆に向うが黒字なんです。これはもう吸い上げてこられるという経理
状態になっていて、このくらい有利なものを持っていて、
行政管理庁あたりの
勧告をポンとはねられるだけの意思をお持ち合せにならぬのですか。私はどうもその点が不可解なんです。しかも将来にわたって石炭は要らなくなる、副総裁はこういう主張をされておる。ところが、電化がそれでは急速に進むかといえば、なかなかそうはいきません。昭和三十二年と三十三年度の石炭の、購入の炭価を見ても金額上減っておらない。そういう事情の中で、一挙に石炭が減ってくるから志免鉱業所は要らないという理由はここには私は生まれてこないと思うのです。
それから志免の炭量は少いと言っておりますが、専門家の方に言わせれば垂ぜんの的なのです。カロリーもいい、かなりいい石炭だ、何とか払い下げをすればかなりもうかる山だ、こういうふうに見当をつけているという話を聞いています。そうすると、副総裁がお持ちになっている第三点の、炭量が少いから早く売ってしまわなければならない、値の高いうちに売ろう、こういうことも全く副総裁のお考えだけでは通用しないと思うのです。
それから、志免は災害が多いという。大手
各社の災害
状態を調べてみれば、全くこれは、志免の災害は少い。これは統計がここに明らかに示しておりますから、必要なら私の方からお上げしてもいいのですが、そういうことで炭鉱
業界の大手筋と比較して志免は決して劣っていない。
しからば一人の労務者の出炭量はどうかといえば、九州大手の労働者諸君よりも上回っている出炭量を出している、こういう
状態です。どうも国鉄
当局はこれを払い下げようとするから、近代的
施設もしない。それがために重労働にあえきながらも黒字を続けるような
従業員は……、非常にまじめな得がたい職員がここに働いている。こういう条件を備えていてどうもはたからとやかく言われるから払い下げをしなければならぬというようなことになるというのは私は国鉄の真意じゃないように思う。そうなってくると、政治的圧力か、あるいは、ボスの何というか、暗躍か、こういうものに乗っかるということについてはわれわれは断じて承服できない。そこで、今特にわれわれが要望したいことは、国鉄がほんとうに腹をすえて今日の
志免炭鉱というものを見直していただいて、この払い下げという問題について
勧告されても、慎重に一つ検討し、そのような
方向を阻止していくという決意を持ってもらいたいと私は思うのですが、この私の
質問に対して副総裁はどのようにお考えになっておりますか、重ねて
質問いたします。