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1958-06-16 第29回国会 参議院 運輸委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年六月十六日(月曜日)    午後二時十三分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     大和 与一君    理事            成田 一郎君            三木與吉郎君            柴谷  要君    委員            平島 敏夫君            相澤 重明君            大倉 精一君            中村 正雄君            高良 とみ君            市川 房枝君            岩間 正男君   国務大臣    運 輸 大 臣 永野  護君   事務局側    常任委員会専門    員       古谷 善亮君   説明員    運輸省自動車局    長       山内 公猷君    日本国有鉄道副    総裁      小倉 俊夫君    日本国有鉄道常    務理事     吾孫子 豐君    日本国有鉄道資    材局長     平出  彬君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事辞任及び補欠互選 ○小委員会設置の件 ○小委員の選定の件 ○小委員長指名の件 ○運輸事情等に関する調査の件  (交通事故防止に関する件)  (山陰本線八木千代川駅間の事故  に関する件)  (日本国有鉄道志免炭鉱に関する  件)   —————————————
  2. 大和与一

    委員長大和与一君) それではただいまから運輸委員会を開会いたします。  理事辞任及び補欠互選についてお諮りいたします。  大倉精一君から理事辞任いたしたい旨の申し出がありましたが、これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 大和与一

    委員長大和与一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。  つきましては、直ちにその補欠互選を行いたいと存じます。この互選の方法は、成規手続を省略して、便宜その指名委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 大和与一

    委員長大和与一君) 御異議ないと認めます。それでは私より柴谷要君を理事指名いたします。     —————————————
  5. 大和与一

    委員長大和与一君) お諮りいたします。  運輸事情等に関する調査のうち、交通事故防止に関する調査のため、前国会同様の構成をもって交通事故防止に関する小委員会を設けたいと存じます。御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 大和与一

    委員長大和与一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。  なお、小委員選任並びに小委員長につきましては、成規手続を省略し、便宜私から指名いたしまして、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 大和与一

    委員長大和与一君) 御異議ないと認めます。それでは小委員江藤智君、三木與吉郎君、平島敏夫君、大倉精一君、柴谷要君、高良とみ君、市川房枝君及び岩間正男君を、また、小委員長江藤智君を指名いたします。     —————————————
  8. 大和与一

    委員長大和与一君) 永野運輸大臣から発言を求められております。これを許します。
  9. 永野護

    国務大臣永野護君) 私はこのたび運輸大臣に就任いたしました永野護でございます。運輸委員会皆さん方格別の御協力と御指導によりまして遺憾なきを期したいと考えておりますので、今後何とぞよろしくお願いいたします。  申すまでもなく運輸交通産業経済振興の基盤でありまして、これが発達なくしては産業経済発展は望み得ないのであります。運輸省といたしましては、この重要性にかんがみまして、今日まで種々の重要施策を策定し、推進して参ったのであります。運輸行政にあずかりました以上、私といたしましても、運輸交通の健全な発達をはかり、国民経済発展に貢献するようあらゆる努力をいたす覚悟でありますが、皆さん方の深い御理解と御協力なくしてはとうていよき成果を上げることはできないのであります。何とぞ皆さん方の一そうの御指導と御援助をお願いする次第であります。一言ごあいさつ申し上げました。(拍手)     —————————————
  10. 大和与一

    委員長大和与一君) 交通事故防止に関する件を議題といたします。  第二十八回国会の四月十八日の委員会において、自動車事故防止に関する決議がなされ、関係当局に同決議文を送付いたしましたが、その後、当局において講ぜられた措置等について御説明を願います。
  11. 山内公猷

    説明員山内公猷君) いわゆる神風タクシーの問題につきまして、両院の御決議をいただいたわけでございますが、その後、四月二十二日の最終の参議院運輸委員会が開かれました以後の本省並びに陸運局によりましてとりました措置につきまして御報告申し上げます。  まず初めに、参議院並びに衆議院の運輸委員会でなされました自動車事故防止に関する決議につきましては、本文の送付を受けまして、直ちに決議趣旨に従いまして、各業者に各陸運局におきまして自動車事故防止に万全を期するよう通達をいたしました。  次に、省令改正本省におきまして鋭意努力いたしたわけでございますが、これにつきましては、過般、内閣交通事故防止対策本部におきまして決定されましたタクシー事故防止対策要綱趣旨に基きまして、自動車運送事業等運輸規則に所要の改正を行いまして、六月九日公布をいたしました。その大体の要綱は、乗務員の休憩の施設及び睡眠または仮眠施設について、この規則の中に取り入れました。次に、タクシー運転者乗務距離最高限度について定めることにいたしました。三番目には、タクシー事業におきますノルマ禁止につきまして定めました。四番目には、運行管理者資格要件を定めるべく運輸規則に設けたのであります。五番目に、事業計画の遂行に十分な数の運転者選任について定める、これが大体の要綱でございまして、このうち、施行期日といたしましては、休養施設の整備並びに日々雇い入れられる者等選任禁止に関します事項につきましては八月十日から施行し、その他の規定公布の日、すなわち六月九日から即日実施するようにいたしたわけでございます。  次に、東京陸運局におきましてとりました措置といたしましては、特別監査実施、その結果に基きます行政措置を行なっております。四月の九日にハイヤータクシー事業特別監査本部を設けまして、その特別監査計画の第一次監査といたしまして、四月の九日から四月の二十五日までの十七日間に五十四社について監査実施いたしました。第二次監査は、五月の二十日から六月の十四日までに四大会社を含む五十二社の監査を行なったわけでございまして第三次以降につきましては、逐次行うべく計画を立てております。第一次監査の結果に基きましては、おおむね良好と認められましたのは一社だけでございまして、この一社を除きます五十三社に対しましては、輸送施設使用停止処分事業計画に定める業務の確保命令事業改善命令または勧告というふうに、それぞれ違反事実の事項によりまして行政上の措置をとったわけでございます。  次に、今回の問題につきまして最も強く取り上げられました給与体系合理化につきましては、三団体設置をいたしました東京ハイヤータクシー事故防止特別対策委員会に対しまして、陸運局といたしましては、内閣に持たれました対策本部の結果その他につきまして指導を行なったわけでございますが、現在またその勧告の結果、各社がどういう給与体系について変更を行なったかというものにつきましては集まっていないのでございます。早急にそれを各社において提出するように各業者当局から命令を出しておりますので、近く集まって御報告できると思います。ただ、第一次監査の結果と第二次監査の結果というものを比較してみますと、第一次監査の場合には、まだはっきりと対策要綱がきまっていなかったときでございまして、第二次監査におきましては、大体にそういう方向が打ち出されたときでございますので、その結果の比較におきましては、第一次よりは第二次の方が成績がよくなっておるという報告を受けておるわけでございます。  以上簡単でございますが、四月二十二日以降の行政措置につきまして御報告申し上げます。
  12. 大和与一

    委員長大和与一君) ちょっと速記をやめて。   〔速記中止
  13. 大和与一

    委員長大和与一君) 速記をつけて。  ただいまの御報告について御質問なり御意見なりございますか。
  14. 柴谷要

    柴谷要君 都内タクシー監査の結果報告がまとまったようですが、細部の点については、小委員会で十分議論して参りたいと思うのでありますが、一点聞いておきたいことがある。それは、さきに運輸規則の発表をされておるが、今陸運局で盛んに監査をやっておるのに、そのような運輸規則改正を行なって公示をしておるけれども、障害にならぬかどうか、この点を一つ聞いておきたい。
  15. 山内公猷

    説明員山内公猷君) ただいまの監査障害にならないかというお尋ねでございますが、ただいまの監査は、今後はこの運輸規則趣旨に沿って事業者が行なっておるかどうかということを監査するわけでございまして、障害になるとは考えておりません。
  16. 柴谷要

    柴谷要君 それでは具体的に一つ聞いておきたいが、運輸省言明は、仮眠施設状態は大体一畳でよろしいと、こういう言明運輸省はやっている。ところが、労働省の方は二・五平方メートルなければいかぬ、こう言っておる。労働省の方は一畳半なければ仮眠施設の基準とは認めない、こういうふうな強い方針を出しておるけれども、運輸省は一畳でもいいという見解を出しておる。こういうようなことが果して監査の上に支障が来ないと言えるのかどうか、一つ聞いておきたい。
  17. 山内公猷

    説明員山内公猷君) その点につきましては、労働省等とも意見の交換をしたわけでございますが、運輸省といたしましても、二・五平方メートル、いわゆる一畳半程度のものは将来仮眠施設として必要であるというふうに考えております。ただ、この省令関係で一畳程度であれば今回はある程度やむを得ないのではないか、といいますのは、省令によって、欠けたところがあるとすぐ処分の対象にしなければならないわけでございますが、御承知の通り東京都内情勢として、直ちにこの一畳半というふうに高めて実施ができるかどうかということになりますと、短期間でそれを要望するということは行政上無理がある、少くとも一年くらいの間にそこまで高めたいという趣旨でございまして、その点労働省におきましてもわれわれの趣旨と変ったところはないわけでございまして、一畳半程度が、まあいわゆる最低的なものに将来高めていきたいという行政の目標をそこに置いておるわけでございまして、一畳でいいと言っておるわけではないのでございまして、現在の情勢では一畳くらいでやむを得ないけれども、将来できるだけ早い機会に一畳半にまで高めたい。一畳以下であると、やはりこれは運行の安全を阻害するものというふうにも考えられるのでありまして、将来に対しては一畳半ということをわれわれも考えておるわけでございまして、その点労働省見解とわれわれの見解とはそごするわけではございません。
  18. 柴谷要

    柴谷要君 今の説明で大体了解はするけれども、最近労働省経営者が行って陳情している内容を聞くと、運輸省は一畳でいいと言っておるし、労働省が一畳半を主張しておるのは、われわれの企業をつぶすつもりかと、こういうことを言っておるようです。であるから、局長言明されたような方向に暫定的であるけれども、一応は今日の状態を認めて将来は一畳半にしていくと、こういう指導方針でいくというならばわかるけれども、経営者自体はそのような考え方でなしに、運輸省はいいと言っておるから労働省がおんぶしたらいいのではないかという、こういうような交渉をやっておるようだけれども、そういう感じを業者に持たせることは、指導上よくないと思うので、厳にそういうことを間違いを起さないように指導をやってもらわなければならない。この要望だけをしてきょうはこの問題については打ち切ります。
  19. 大倉精一

    大倉精一君 一点だけお伺いしておきたいが、走行キロ等の制限、ノルマの廃止などもけっこうだと思うが、それに伴って運転者の給料が減ったということになると、これは本末転倒しておると思うが、給与の問題との関連性をどういうふうに考えておるか。
  20. 山内公猷

    説明員山内公猷君) 給与の問題の総額につきましては、これを高めろという命令はなかなか出しがたいというわけでございまして、これらにつきましては、労使の間で十分のお話し合いを願わなければならない問題ではないかと思っております。ただ、そういう点で現在従業者経営者の間に新しい賃金体系に移る際の交渉が持たれておるわけでございます。そういった点につきましては、経営者にはやはりその給与をできるだけ確保するようにしてもらいたいというふうにわれわれも考えております。
  21. 大倉精一

    大倉精一君 むちろん給与の問題は、これは労働組合経営者がやるということになるわけでありますけれども、そういうことに言ってしまえば、ノルマの問題も、走行距離の問題も全部それに包含されるわけです。聞くところによると、大阪陸運局固定給を六〇%以上にするのだ、こういう勧告を出したということを聞いておるのです。この反響なりその後の実施状況についておわかりになっておったらお知らせ願いたいと思います。
  22. 山内公猷

    説明員山内公猷君) この点につきましては、現在経営者給与体系変更をやった会社もあり、まだ交渉中のところもあり、全体的に集まっておりません。それで東京におきましても、そういった中間的なものはとにかく、そのように表示して陸運局に全部の給与の新しい状態についての資料を出すようにという要請をいたしましたので、まとまり次第御報告申し上げたいと思います。
  23. 大倉精一

    大倉精一君 これはいずれ小委員会等において検討もされると思うのですけれども、やはり運転手諸君の生活の安定ということが事故防止の一番大きなウェートを占めておるということは、協議会の結論で明らかだと思いますけれども、給与の問題については格別の関心を持ってやってもらいたい。特に、先ほどの報告では、経営者から報告を求めているという話を伺いましたけれども、この報告は果して給与実態報告をしておるかどうか、これは非常に問題だと思うのです。こういう点についても内部に立ち入って監査を願って、非常に悪いところがあったならばこれはやはり改善するように勧告をするように努力をしてもらいたい、こういうことを要望してきょうは一応質問を終ります。
  24. 相澤重明

    相澤重明君 局長に、この前の記録を出された中に、今、大倉君も指摘されたように、乗務距離規定それからまた地域指定をする、こういうことを言われておりますが、それについては一ヵ月以内に運転手乗務距離最高限度をきめる、そうして十五日以内に陸運局長に届出をさせるということになっておるわけですね。これについて業界の方ではそれぞれ業界としての立場をとって運輸省陳情をしておると思うのでありますが、肝心な従業員考え方というものはどういうところで生かすつもりなのか、運輸省としては、業界だけの陳情を聞く、あるいはそういう意見を聞いておるということなのか、あるいは従業員のそういう意見というものも何らかの形で聞いておるのかどうか、まずこれを最初に私はお尋ねをしたいと思います。
  25. 山内公猷

    説明員山内公猷君) このいわゆる乗務距離最高限度といいますものは、全国的に実施されるわけではございますが、やはり特殊の必要のある地域を限ってやるのがいいのではないか、といいますのは、閑散な駅にありますような所ではこの必要がございません。常識的に見ますと、大体流し営業をやっておるような地域において必要であろう、こういうことを考えますと、六大都市とこれに準ずるような都市といいますと、大体博多程度のものが包含されて参るというふうにわれわれ考えておるわけでございます。それからまあそれぞれの土地について交通安全を守ってやるのには一体どの程度の一日の走行距離が必要であるかということは、ある程度客観的に調べられるのではないか、これはもちろん陸運局だけできめられるものでもありませんので、その方の関係の、たとえば東京で申しますと、警視庁等とも十分打ち合せた上で客観的な根拠のあるものを出してやらなければならないので、陳情によってどうこうというよりは、やはり客観的に調べた上で決定さるべきものであるというふうにわれわれも考え、そのように全国の旅客課長にも指示いたしておるわけであります。
  26. 相澤重明

    相澤重明君 今の答弁はやや正しいと思うのですが、運輸省自体の自主的なやはり法案、あるいは規則を作る場合の考え方というものは筋を通さなければいけない。そこで、ともすればやはり陥りがちなのは、業者意見というものは割合よく反映する、けれども、一方において、労使団体交渉等によってそういう問題も当然論議される、あるいは先ほどのお話のように給与の問題についても論議をされるが、やはり業者としてはなるべく多くの金を出したくない、なるべく多く走らして収入を多くさしたいというような相矛盾した考え方というものが出るのが神風タクシーが出たそもそもの根本原因だと思う。そういう面で労使十分話し合いをさせて、お互いが納得するような線というものを私はやはり作らせる必要があるのではないかと思う。ですから小委員会でもちろん十分そういう点については討議も進められると思うが、私はこの際、運輸省としての確固たる信念を持っていくためには、やはり関係者の十分な意見を聞くということでなければいけないと思う。そういう点の努力をやるつもりなのか、それとも今言われたように、単に六大都市地域とか、博多くらいの所であとの所は考えておらないのかどうか、こういう点について局長意見を聞かしてもらいたい。
  27. 山内公猷

    説明員山内公猷君) 私が申し上げましたのは、この輸送最高限度をきめるという場合に、ほかの土地にそういうものを実施してもその必要性が非常に少いわけでございます。といいますのは、こういうものが問題になりますのは、流し営業をやっておるということが基本でございますので、流し営業をやらないような地域最高限度をきめましても、そういう実態がないので、行政を簡素化いたしますために、必要な地域にそれを実施していこうということで地域指定を考えたわけであります。  それからそういう地域におきまして、一日に八時間労働制のもとにどの程度距離が走れるか、といいますことは、もちろん関係者意見も十分徴しなければならないわけでございますが、結局は客観的にある線があるのではないか、そうしますと、そういうものを見出す合理的な手段を努力いたしましてきめるのがいいのではないか、といいますことは、結局、そういう関係者意見が不必要であるというのではなくて、陳情とかそういうことではなくて、やはり交通安全のための走行距離は、客観的にどのくらいが最高限度であるかということを、やはり官庁といたしまして、責任を持って割り出していくという努力はされなければならぬということを考えておるわけでございまして、関係者意見を不問にしておるというわけではないのでございますが、また、関係者意見に盲従しなければならぬということもないわけでございまして、要は合理的なそういう走行距離を割り出す努力をしなければならないというふうに考えておるわけであります。
  28. 大和与一

    委員長大和与一君) ほかにございませんか。—— それでは次に参ります。     —————————————
  29. 大和与一

    委員長大和与一君) 去る六月十日に発生しました山陰本線八木千代川駅間の事故に関する件について報告を求めます。
  30. 山内公猷

    説明員山内公猷君) ただいま委員長が御指摘になりましたように、六月十日にこの事故発生いたしたわけでございまして、発生をいたしました場所は、亀岡千代川町関という所の山陰線の踏切りでございます。この事故を起しました会社は、京都交通株式会社でございまして、営業所八木営業所でございます。起しました自動車は、ふそうB二五型五十一年式でございまして、この車は乗車定員が六十一名でございます。当時の乗車人員は九十一名でございますが、これは小学校の生徒を乗車させておりますので、十二才未満の小児につきましては、乗車定員一人について一・五人に換算されますので、定員面から申しますと一・五名の定員の超過になっております。損害の程度でございますが、事故発生とともに即死されました方が二名、負傷後死亡されました方が二名、重傷は二十九名でございました。この中には乗務員二人を含んでおるわけでございます。軽傷が三十六名。この車は大破をいたしたわけでございます。乗務員運転者中沢秋雄という方でございまして、年令三十八才、経験年数は十四年であります。車掌は井上久栄といいまして、年令十九才、経験が四カ月でございます。  道路並びに踏切りの状況につきましては、道幅は九メートルでございまして、舗装してございません。上り勾配で右に曲る道路になっております。砂利道でございまして、路面が乾燥をいたしまして、道路状態は良好ということでございます。踏切りは第三種の踏切りでございまして、警報器の鳴る踏切りでございまして、幅が九メートルでございます。踏切り直前後の道路の幅員は八・六メートルでございまして、取付勾配は千分の四、見通しはそう悪くないようでございます。で、線路は単線でございますが、二本ございまして、踏切り道の長さは四・三メートルということになっております。これが事故の現場の概況でございます。  当時の状況といたしましては、この自動車亀岡から小学生八十九名を乗せまして八木山中新庄発電所を見学いたしまして帰る途中、山陰本線線路に並行する国道の道路上を進行中、この踏切りに差しかかりましたところ、列車がバスの運転席にぶつかりまして、車両は大破して機関車は全軸脱線をいたしたわけでございます。なお、この運転者重傷いたしましたので、原因はまだ十分はっきりいたしておりませんが、当時の模様から推察いたしますと、踏切の一旦停車をしなかった模様でございます。この見学の車は三両編成で運行されておりまして、前の二両が線路を渡りまして、あとの一両が追いつこうとして少し急いだのではないかと——これは推測でございまして、まだはっきりいたしませんが、そういうことでございます。  以上がこの事故の概要でございますが、まあこれによりまして一番われわれの方といたしまして遺憾であることは、道路交通取締法におきましても、また、われわれの方の自動車運送事業等運輸規則におきましても、踏切りにおいては必ず一旦停止しなければならないという原則を常に強く業界指導しておりますが、この非常に簡単で、特にまた重要なことが忘れられていたということでございまして、この点につきましては、運輸省といたしまして、直ちに当該陸運局であります大阪陸運局にこの会社特別監査を命じまして、会社のその経営のあり方その他の情勢につきまして、今調査を進めておるわけでございます。また入梅にかかります時期にも差しかかりますので、これらの事故を契機として、こういつた事故発生がないように、全国的にさらに各陸運局長に監督を厳重にするように通達を発した次第であります。
  31. 大和与一

    委員長大和与一君) 御質問ございますか。
  32. 相澤重明

    相澤重明君 今、局長報告では、当時の乗員が——乗っておった人ですね、乗っておった人が九十一人というような報告をされておりますが、そうですか。それから定員が六十一名ですか。これは当時の毎日新聞等の速報を見ると、九十四人乗っておった。それからあなたの言われた死亡四人、それから重傷二十九人はその通りだと思うのですが、軽傷者が三十六人と局長報告しておったけれども、六十二人もあったということに報道されておるのですが、その真実性はどうなんですか。
  33. 山内公猷

    説明員山内公猷君) 私どもの方は新聞の報道ではなくて陸運局からの報告によりまして、御報告を申し上げているわけでございますが、私の方に参りました報告といたしましては、当時の乗車人員は九十一名あった、その内訳といたしましては、乗務員が二名、生徒が——小学生でございますが、八十七名、つき添いが二名ということで報告をされております。
  34. 相澤重明

    相澤重明君 もちろん陸運局長からの報告に基けば、それが一番正しいと思うのですが、当時の新聞で見ますと、学童は九十、つき添いの教師が二名、運転手一、車掌一、ということになると九十四ということになるわけでしょう。だから、そういう運輸省報告というものを一応私どもは信頼はしたいと思うけれども、当時の新聞で、あれほどの大きな事故として発表して、非常に世間が大きな関心を持っているということからいうと、なお調査が足りないのじゃないかというような気もするわけであります。さらに問題なのは、負傷者の人数が非常に少く報告されているが、多いのではないかという気もするわけです。そういう点について遺憾のないような私どもは措置をしてもらいたい。私はもちろん現地を見たわけでもなし、また、あなたの報告を信頼をしないということじゃないけれども、新聞にあれほど大きく載せていることだから、あまり報告が違うというのも、ずいぶん国会としてはやはり関心を持たなければならぬことだと思う。そういう点で事故の起った問題については、原因を探求するとともに、これらの報道についても十分一つ慎重なる配慮をしてほしい、これを申し上げておきます。
  35. 山内公猷

    説明員山内公猷君) どうも申しわけございません。私、昨日の報告に基きまして御報告申し上げましたが、先生御指摘のように、本日の報告によりますると、軽傷が五十名となっております。その点たけ訂正さしていただきます。
  36. 相澤重明

    相澤重明君 私、これで終るわけですが、そういう点についても、運輸省の方として、あと事故の概況というものを一つ委員に配付をしてもらいたい。
  37. 大和与一

    委員長大和与一君) ちょっと一つお伺いしますが、罹災者に対する措置報告はなかったと思うのですが、それを一つお聞かせ願いたい。
  38. 山内公猷

    説明員山内公猷君) 罹災者に対する措置といたしましては、まだ現地からも報告が御指摘のように参っておりません。運輸省といたしましては、実は本日委員会で御説明申し上げますので、その点も合せて御報告申し上げたいと思っておったのですが、まだ調整がとれませんので、次の機会に御報告さしていただきたいと思います。
  39. 大和与一

    委員長大和与一君) なるべく早くそれはお願いしたいと思います。
  40. 大倉精一

    大倉精一君 せっかく問題が出ましたからお尋ねしますけれども、踏切りの事故は日本が一番多いということを聞いているのです、世界の統計から見まして。その他にもトラック等も衝突した事故かありますが、いろいろな踏切りの事故が起っているのですが、これに対して運輸省としては、踏切りの事故について抜本的な調査をし、対策を立てるというようなお考えを持っておられるかどうか。
  41. 山内公猷

    説明員山内公猷君) 踏切り事故といいますのは、われわれの方でも大きな事故で、一番多い問題でございまして、これに対しましては踏切りに対する特別な法規を作るように鉄道監督局で従前から研究をいたしているわけであります。要は踏切りがなるべく立体的になるということが、もちろん交差をしなくて事故も少くなるわけでございますが、日本の道路状況、鉄道の状況というものが全般的に平面になっておりますので、漸を追って法律の改正ももちろん考慮しなければならないわけでございますが、われわれの方といたしましては、踏切り事故というものは、非常に先ほど申し上げましたように、一たん停止ということで避けられるわけでございまして、その点ちょっとした不注意から大きな事故を起すことも多いわけでございますから、この点は一般的な、そういった立体交差になるまでにはまだ相当時間があると思いますが、どうしてもこの点の順守励行ということを強く指導して参らなければならないと思っております。非常に踏切りについてわれわれの方といたしましても、たびたび通知を出しているわけでございますが、えてして見通しのよい事故の起りそうのないところで事故を起すということは非常に安易に車掌が考え、あるいは運転手が考えるというところに大きな事故の起る原因があると思いますが、その点一般の運転手についても注意を喚起いたしますとともに、今後各会社監査につきましては、社内がどういうふうにそういうものを取り扱っておるかという点について、十分調査をいたしたいというふうに考えておりまして、今回この会社につきまして、特別監査をするように命じましたのも、これが会社が従前どういう処置をとっておったかということを、一つの不幸な事件を契機といたしまして、二度、三度起ることのないようにしていくための特別監査を直ちに命じたわけでありまして、われわれといたしましては、ぜひ運転手諸君に踏切り一たん停止という簡単な原則を守っていただくように、さらに呼びかけたいと思っております。
  42. 大倉精一

    大倉精一君 この事件は非常に痛ましい事件なんでありますけれども、こういう事故発生した会社が依然としてこの事業を継続しているということについても、どうも世間の声も非難があるのですけれども、そういう会社に対して格別措置をするというお考えはないのですか。こういう非常な大きな事故を起した、こういう場合ですね。
  43. 山内公猷

    説明員山内公猷君) もちろんこういう事故を起しました場合には、十分その事故原因会社の責任というものを調べまして、そのときどきによりまして法に照らした処置をとるべきものと考えております。
  44. 高良とみ

    高良とみ君 今回の事件は非常に児童の犠牲の量が多いのでありますが、私ども都市においては自動車局長が言われるように、バス等は一たん踏切り停止のほかに、車掌は一々下りてそして向うに渡って、それからまた自分が乗車するというように非常に丁寧にやっておるのでありますが、ある意味からいうと、年若い車掌諸君の責任に負っておるところが多いのであります。私はその点自動車局の御指導もよろしきを得ていると思うのでありますが、ただこの場合も、経験時間が四ヵ月くらいの年若い女性が、その全責任を負うようなことになったのでありますから、その点は特に自動車局も今後車掌の勤務状態、あるいはこの責任を十分負えるかどうかというようなことについても、十分御指導願いたいということを希望したいのです。ところが、私は国鉄に伺いたいのでありますが、今度はあの線を図面で見ますと、上り坂になっているところで一たん国鉄の線をバスが越えて、またしばらく行くとまた同じ線をさらに今度は西へ向って越えているというようになっているようであります。現地の状態は存、じませんけれども、これは常識から言いますと、あの辺は川沿いであったり、狭い所を国鉄が通っているから無理でありましょうけれども、もし国鉄が、これだけの百人近くの人たちの生命を今後再び繰り返して犠牲にしないというつもりなら、一つ道路に沿うように路線を動かしていけないのか、あるいは道路の方を国鉄の線に沿うように動かしていけないのか、その辺に、あの大した距離でもない範囲のようでありますが、その辺に今後の事故防止の根本策が立たないものかということを伺いたいのであります。これは図面で見ましてどれくらいの距離かよくわかりませんが、こういうふうに警報器のある踏切りといえども、一たん上り坂を上って越えたと思うと、またしばらくして踏切りを越え、そこにも警報器があると思いますけれども、しばしば警報器のない状態にあるのでありますから、この点が国鉄の路線の状況と一般に増加しつつある道路通行量との関係がどうなっているか、その辺国鉄の方もやはり一半の責任はお感じになっていただきたい、こう思うのでありますが、いかがですか。
  45. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) 仰せの通りにあの道路は、今回事故を起しました踏切りの手前で一度国鉄線を横断しまして、路線を並行に走ってまた踏切りになっております。私どもの方からすれば、踏切りは一つでも少い方がよろしいのでございまして、私が記憶いたしております範囲では、一つ山陽線におきまして同様な道路と鉄道の関係がございまして、それを改善いたした例を記憶いたします。ただ、ただいまの問題になりました点につきましては、まだ現地をはっきり調査いたしておりませんので何とも申し上げかねるのでございますが、仰せの通りに、わずかの距離に同じ道路に二つクロスするということにつきましてはおもしろくないことだと存じます。ただ、ああいうふうなことになりましたのは、何か道路と鉄道との関係でああいうふうなつけ方をしなければならなかったのかもしれませんし、そういう点は御注意によりましてもう一回精査いたしてみたいと存じております。
  46. 高良とみ

    高良とみ君 そこのところにお気づきだろうと思ったのでありますが、今回は自動車局の所管のバスの失敗であるばかりでなく、やはりこれは警笛を鳴らしたけれども思いがけないところに自動車が飛び込んできたということだろうと思いますが、やはり国鉄側においても一つ御精査の上、今のお話の通り私どもにも資料を見せていただいて、そして責任を分担していただけば、今後繰り返さない一つの戒めになるかと考えるのであります。どうぞできるだけそうしていただいて、できることならその二つの踏切りをなくしていただければ、一つもなくなれば、そこでよほど線もまっすぐになるし、そういう点で一つ御改良の御調査を願い、それを私どもにいただきたいと思います。
  47. 大和与一

    委員長大和与一君) ほかにございませんか。——では次に参ります。     —————————————
  48. 大和与一

    委員長大和与一君) 次に、日本国有鉄道の運営に関する件を議題といたします。
  49. 柴谷要

    柴谷要君 国鉄問題といいましても、本日は志免鉱業所の払い下げ問題をめぐって質問をいたしたいと思います。  古い話で大へん恐縮でございますが、新聞を見まして実は驚いた事件がありましたので、これをまず最初にお尋ねをしてみたいと思います。中央の炭鉱界筋の話によると、鉱業権は三菱、販売権は三井、それから武内礼蔵氏には特別に利権を考慮しておるのだ、こういうことで志免鉱業所の払い下げがきまった。ところが、それに関連をして当時の経済企画庁長官である河野長官から、そういうことをしてはならぬ、指名競争入札にしなければならぬという話が出て、だいぶ話がもつれてきた、こういうことが実は西日本新聞に載ったのを最近私は見たのでありますけれども、そういう事実が過去にあったのかないのか、この点から一つお尋ねをしていきたいと思います。
  50. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) 志免炭鉱にしまする問題は、三、四年前から、経営調査会の答申または行政管理庁の勧告等に出て参りましたので、いろいろなうわさをまいておりまして、いろいろ新聞に出ましたことも一部は承知いたしておりまするが、しかし、この志免炭鉱をいかに措置すべきやということは、今回委員会も設けまして、その決定によるのでございまして、それ以前につきましては、何の決定もございませんので、今お話しになりましたようなことは、私ども実際あったかなかったか、そういうことも承知いたしませんし、また、あるべきはずのこともなかろう、こういうふうに考えております。
  51. 柴谷要

    柴谷要君 最初に私がお尋ねしたことは、あったかなかったか全然わからぬ。まあ当事者でありまする副総裁からのお言葉ですから、なかったものと私はこの点はとりたいと思うんですが、そういうないものを、西日本新聞ともあるものが書き立てたということに対して、国鉄当局は、これを打ち消すような処置をおとりになったかどうか、この点を一つお聞かせ願いたい。
  52. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) 先ほども申しましたように、いろいろな揣摩憶測も飛んでおりますので、私どもはそういうことにつきまして、一々訂正というようなことは、一切いたしておりません。
  53. 柴谷要

    柴谷要君 私は、事実無根のことであるとするならば、まずこの新聞の報道が全く誤まりであるということを訂正をしておきませんと、特に一つの国の財産を、民間に払い下げるとはいいませんが、払い下げようというような話の出ているときに、国民を迷わすような、新聞がこのような報道をした場合に、き然とした態度で、やはりそれを打ち消すだけの方法をとらないと、疑惑が疑惑を生むということになりはしないかと思いますが、この見解に対して、副総裁はどのようにお考えでございましょうか。
  54. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) ただいまも申しました通りに、国鉄といたしましては、いろいろ研究はいたしておりましたが、何らその当時まで具体的な手段、措置、態度を決定いたしておりませんので、そういうことはもう全然ないことであると確信いたしまして、そういうことにつきましては、何らの措置もいたさなかったのであります。
  55. 柴谷要

    柴谷要君 ところが、本年に入りまして、四月の二十五日ですけれども、またまた西日本新聞が、調査委員会は志免払い下げを決定と報道いたしております。この記事の内容については、百パーセント私どもも信用はいたしませんが、しかしその方向にあるということは、これらの新聞が伝えているまでもなく、進んでいるのではないか。特に昨年、私が中間報告がなされたというので、質問をいたしましたが、特に調査委員の要望があって、これは外部には発表できない、こういう御答弁でありましたが、その中間報告なるものが、そのような方向で打ち出されているものと今日私ども考えているんですが、そのように現在進んでおるかどうか、その点をお聞かせを願いたい。
  56. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) 行政管理庁の勧告が再度ございまして、志免炭鉱について、国鉄当局の善処を促されましたので、志免鉱業所調査委員会設置いたしまして、委員の御就任も願いまして、それで調査研究をしていただいております。その結果によりまして、私どもはその方向によって善処いたしたいと、こういうふうな段階でございます。
  57. 柴谷要

    柴谷要君 まあ今日調査委員会ができて、その議事が進行しておるということも聞いておるんですが、新聞がどうも二度三度にわたってこのようなことを報道しておるけれども、実際の方向は今日白紙であって、調査委員会の結論によって、国鉄の態度というものはそれから論議されてきまる、こういうふうにわれわれは解釈しておったんですが、どうもことごとく世間に漏れて参りました状態は、新聞が書き立てるように、やはり払い下げを前提に調査委員会を進行さしている、こういうふうに受け取れる節が相当あるのですが、やはり国鉄当局では、白紙でなしに、そのような方向努力をされ、調査委員会の結論を待っておられるのかどうか、この点を一つお聞かせ願いたい。
  58. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) 調査委員会設置につきましては、当時の運輸大臣にもお届けいたしまして、去る三月の中旬に設置を見まして、それから十回余りの御審議を願ったのであります。それで先ほど申し上げましたように、まだ終局的な御答申はいただいておりませんですが、中間的に、志免はこれを分離すべきであるという御答申をいただいております。
  59. 吾孫子豐

    説明員吾孫子豐君) ただいま副総裁から、三月下旬に委員会が発足したというふうに申されましたですが、三月の十八日の日に、運輸大臣から、委員会設置のことについて御承認をいただきました。そして委員会が発足いたしましたのは四月の七日でございます。四月七日に第一回の委員会を開きまして、自来十二回ほど委員会を御開催願ったような次第でございます。その点ちょっと申し上げておきます。
  60. 柴谷要

    柴谷要君 今、副総裁は、調査委員会から払い下げるべしという答申をいただいた、こういうお話だったと思いますが、間違いございませんか。
  61. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) 先ほど申し上げましたように、委員会の最終的な御答申はまだいただいておりませんが、中間的の御答申として、志免鉱業所は分離するが至当であるというような御答申をいただいております。
  62. 柴谷要

    柴谷要君 その中間報告は、いつごろなされたものでございますか。
  63. 吾孫子豐

    説明員吾孫子豐君) その中間の御答申は、今年の四月十九日でございます。実はこのときに、前国会で柴谷先生からお尋ねがありましたのは、このことであったわけであります。
  64. 柴谷要

    柴谷要君 その際に、中間報告については、委員から、特に口外してもらっては困るという強い御要望があったので申し上げられない、こういうことで、当時吾孫子理事が答弁されておりますが、その後委員の了解を得て、発表してよろしいということになったわけでございますね。それはいつごろでございますか。
  65. 吾孫子豐

    説明員吾孫子豐君) 当時は、先ほど副総裁からも申し上げましたように、これは終局的な答申というわけではないから、まだいろいろ検討すべき点もたくさん残されているから、発表することは差し控えてほしい、こういう委員会の御意向でございましたので、御説明を申し上げなかったわけでございます。ごく最近になりましてから、委員会の方に御了承をいただきまして、何月何日であったかははっきりちょっと覚えておりませんけれども、比較的最近に、おそらくいろいろ国会等におけるお尋ね等もあるのじゃなかろうかというようなことで、委員会の御意向を伺いましたところ、これは中間的なものであるという性格をはっきりして、そのまま内容を発表しても差しつかえない、こういうお言葉をいただいたわけでございます。
  66. 柴谷要

    柴谷要君 これはうがった私どもの考え方かもしれませんが、その部外発表禁止が解除になったのは、衆議院解散直後ではございませんか。そこでまあわれわれはそのような日にちをまあせんさくしようとは思いませんが、さきの国会では中間発表はかたく禁じていると言いながら、国会が解散になるというとこれが解除になったということを考えるというと、国会解散中に早く処分してしまえ、国会が始まるとうるさいからと、こういう筋合いのものではなかろうかと想像するのでありますが、そのような気配は事実ありますか、ないのですか。
  67. 吾孫子豐

    説明員吾孫子豐君) 今お話のございましたような、この国会解放中にどうこうしろというようなお考えは毛頭なかったと思います。現にまだいろいろと御検討をいただいております問題がたくさん残っておりますので、委員会としても最終的な結論に達するのには相当期間がかかるものとお考えになっておられるように伺っております。そうしてこれを発表してもよろしいということの委員会の御了解を得ましたのは、別に解散直後というようなことではないのでございまして、むしろ今次国会が始まります少し前に、今度の国会でいろいろお尋ねがあるかもしれないからということで御了解をいただいた、こういうことでございます。
  68. 相澤重明

    相澤重明君 関連質問。今小倉副総裁なり、吾孫子務理事の答弁を聞いておりますと、国会解散とか、あるいは国会が開かれるということには無関係であるという答弁だと思うのです。ところが私は一つ、この志免炭鉱の問題が、どうもやはり柴谷委員の言っているようなにおいがくさいと、こう思うのです。そこでこれは志免炭鉱の問題に関連してお尋ねをするのですが、この新九州という新聞に、こういうような大きな見出しの事件が載っているのでございますが、こういうことをあなた方は知っておりますか。これは、門鉄局の客車清掃委託問題ということで、やはり国会解散中に、非常に大きく仕事を進めようとした。ところが国会が、いわゆる衆議院の総選挙は二十二日に行われて、どうもその結果、これはまたどうもやられそうだということで、あわててこの民間会社を作ることを取りやめたというような記事が載っておるのです。こういうことをあなた方は知っておりますか。
  69. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) 承知しておりますが、その今お話の通りのことではございません。ただし、そういう会社を作ろうとして現在それを取り消したということは事実でございまするが、国会云々とかというようなことについては、その新聞の言うことは承服いたしかねるのであります。
  70. 相澤重明

    相澤重明君 この問題は、いずれあと運輸委員会なり、また決算委員会で私は取り上げるつもりでおりますが、きょうはこの問題は中心でありませんから、志免炭鉱の問題を中心にしておるわけでありますが、符節を合せるように、この会社は五月一日に発足をしようというのだ。五月一日に発足をするということは、四月のうちにそれが準備ができておったということだ。だから四月の国会解散ということを見越して、やかましくならぬときに新会社を発足させてしまおう。ところが、どうも文句が多く出てきた。そこで五月の二十二日の投票の結果、二十四日にこれを元通り取りやめることにした、こういうふうに言っている。大体さっき柴谷委員から質問したように、四月のこの本委員会において、吾孫子務理事は、調査委員会の中間報告というものについて、発表を差しとめてほしいということであるから、運輸委員会には発表はできないと、こう言った。ところが、今お話を聞いてみるというと、四月十九日のこの中間報告について、調査委員会の了解を得て発表することとした。この了解を得て発表することとしたのは、五月なのか、六月なのか、こういう点を今少しく話をしてもらわぬというと、私は何か同じように、この作業が進められておったふうに疑われても仕方がないと思う。疑われたくなければ、疑いのないような一つ話を私はしてもらいたい、こう思うのですが、どうですか。
  71. 吾孫子豐

    説明員吾孫子豐君) 実はこの十九日の中間答申の内容については、お尋ねがあった場合には御説明を申し上げても差しつかえないという御了解を得ておる、こういうことでございまして、積極的にまだ発表をするとかなんとかいう運びではございません。従いましてまあ国鉄当局といたしまして、これを公式に世間に発表するとかなんとかいうことは今も考えておりません。ただ、たまたま御質問がございましたので、副総裁はこの内容をお話をしてもいいということに、委員会の了解を得ておりますので、御説明を申し上げたと、こういう事情でございまして、従いまして今まで——実はきょうが初めてまあこの中身を公開の席上で申し上げたような次第でございまして、中間の答申でもございますし、これをあらためて正式に発表するとかなんとかいうようなことは現在考えてはおらないような次第でございます。
  72. 相澤重明

    相澤重明君 どうもその点が、答弁がのらりくらりしておって、はっきりしない。ということは、四月十九日の中間報告を、調査委員会の了解を得て発表してもいいというのは、つまり私の言っているのは、五月の月にそういうことの御了解をいただいたのか、六月になってからそういう了解をいただいたのか、こういうことを聞いているのです。だから、それはいずれの月であったか、その点いかがですか。
  73. 吾孫子豐

    説明員吾孫子豐君) それはきわめてまあ最近のことでございます。
  74. 相澤重明

    相澤重明君 きわめて最近ということは、六月となってからというふうに了解をしてよろしいか。
  75. 吾孫子豐

    説明員吾孫子豐君) たしか六月の初めであったと思います。
  76. 相澤重明

    相澤重明君 関連質問ですから、そう長く申し上げませんが、少くともまだこの最終的な結論が出ておらない——あるいはまあ行政管理庁のいわゆる勧告というものも出されておりますが、とにかくまだ最終的に結論が出ておらないというのに、何がゆえにこの六月になってから、国鉄当局はその調査委員会に発表をしてもいいという了解を求めたのか、この点を一つお聞きをしたいと思う。
  77. 吾孫子豐

    説明員吾孫子豐君) 先ほど御報告申し上げましたように、調査委員会が発足いたしましたのが四月の七日でございます。その後かれこれ二ヵ月の余にわたっていろいろ御審議をいただいておりますので、二ヵ月間の間には相当いろいろ調査した事実もあるであろう、従ってその進行の模様というようなことについてお尋ねのある場合もあるであろうから、その場合に、それでは委員会で御検討願った事柄のうちどの程度まで御説明申し上げて差しつかえないかどうかということを委員会の御意見を伺って、この程度のことは一応中間的な答申ではあるけれども発表されても差しつかえない、こういう御返事をいただいたようなわけでございます。
  78. 相澤重明

    相澤重明君 これで私は終りますが、今までのこの国鉄当局の各種問題を審議をすることを見ると、非常にスローモーが多かった。さっきもちょっと踏切りの事故の問題も出たけれども、踏切り対策なんというものはなかなか長年月かかって解決ついておらない。この問題に限って四月の七日に発足してから十二回開催しておる、こういうお話である。私よく調査委員会委員の諸君を、どういう人がなっておるか知らぬのだが、調査委員会委員の氏名、それから調査委員会における内容、そういうものをあとで資料として本委員会に提出をしてもらいたいと私は思うのです。これは委員長から一つ国鉄当局に言ってもらいたいと思います。  そこで、私はどうもこのことを見ると、国鉄当局があまりにもこの問題が頭に来ているのじゃないか、そういうふうに考えられるのだが、一般の問題と同じように、やはり十分慎重な配慮というものがあってしかるべきだと思うが、なぜこの問題だけに限ってそれだけ、ほかの仕事をほったからかしてやったような印象を受けるのだが、こういうふうに私は思うのですが、一体どうなのですか。その答弁いかんによっては私はさらに質問する。
  79. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) この問題を特に他意があって急いだとか何とかいうことはございませんです。先ほども申しましたが、志免の問題は経営調査会、あるいは行政管理庁からずいぶん以前から取り上げて御注意を受けておる問題でございまして、しかも今回またあらためて、本年度になりましてから勧告を重ねて受けたような次第でございまして、そういう点から申しますれば、私どもはこれを何らか早く措置をいたさなければ相済まないという点が一つと、とにかく先ほどもいろいろ新聞のお話がございましたが、いろいろな揣摩憶測その他で現状を不確定のままに置いておくということは、まことに諸方面に対して迷惑をかけることになりますので、委員会にはいかに志免炭鉱措置すればいいのかというお伺いをいたしまして、この問題につきましてはなるべく私ども勉強いたしまして、調査会の答申を尊重いたしまして、何らかの決定をいたして参りたい、こう思うのでございまして、ほかの問題につきましても、スローモーだとおっしゃいましたが、ほかの問題につきましてもできるだけ勉強して片づけて参りたい、こう思っている次第であります。
  80. 柴谷要

    柴谷要君 中間報告の様子については一応わかりましたが、切り離してよろしいというだけの中間報告でなくして理由が付してあると思うのですが、その理由についてお尋ねをしておきます。
  81. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) 御答申の趣旨は、国鉄から分離することが適当である、その理由としましては、まあこういう御趣旨のようでございました。つまり国有鉄道は現在の状況におきまして必ずしもどうしても炭鉱を直営しなければならないという、そういうはっきりした理屈は成り立たない、で、一方やはりいろいろな情勢を勘案して炭鉱の合理的な開発または現在の施設の有効なる利用ということが社会的に見ましても、国家的に見ましても必要である、そういうふうな趣旨からいって、国鉄がこれを分離して、その山としての価値を高める方向に考えたらいいではないかというような御趣旨でございました。
  82. 柴谷要

    柴谷要君 ただいまの小倉副総裁の答弁によりますと、かつて経営調査会が答申をしたときの内容を私少しくここで記憶しているんですが、志免鉱業所は海軍から引き継いだ、しかも炭鉱ストライキの危機を救った時期があった、あるいは国鉄が購入炭価決定の場合に非常に役立っている。こういう点で志免鉱業所というものの存在意義があるのだ、こういうことを経営調査会があなたの方に答申しているはずです。そういう点は全然無視して、もはや国鉄がこの炭鉱を持っている必要はないのだ、こういったような論拠に基いて払い下げをする、こういう切り離せというような御意見はまさに首尾一貫しておらないと思うんです。たとえば、行政管理庁の勧告にしましても、切り離すことが望ましいことであるけれども、困難がいろいろある、困難があるからにおいては、それに向って努力していけ、こういう内容になっていると思うんです。それから経営調査会の答申にしても、種々なる困難が生じてくるから、当面経営合理化によって、赤字であり、将来好転する見込みのない志免炭鉱であるけれども、努力をしてみなさい、こういう勧告がなされたと思うんですよ。ところが、行政管理庁なり、経営調査会等から再三にわたって勧告されておって、その責任が果せないから、こういうふうなあなたはおっしゃり方をしているようだけれども、実際に志免鉱業所は、実によく、何といいますか、合理化をやって、当時赤字の、将来好転する見込みがないとまで極論された志免鉱業が、今日では非常に大きな黒字を出して、経営しているじゃないですか。この黒字の志免鉱業所をそう急速に私は払い下げする理由というものは生まれてこないんじゃないか、こういういろいろな議論の展開をして参りますと、何かどうも志免鉱業所をめぐって、宝の山を一つわれわれに渡せというふうな運動が側面的に行れていて、その手にどうもあやつられているような、乗っけさせられているような感じがする、そうして多難な、いろいろ困難な問題を国鉄が処理していかなければならぬ、重荷だけあなた方に背負わされて、いい汁というか、うまいところは払い下げ・られたところの人たちがもうけてしまう、こういうような結果になってきて、非常に国鉄の幹部の皆さんがお気の毒な状態に置かれているのじゃないか、そういう事情を率直に勧告に従って、われわれは経営合理化をやった、この通りりっぱな経営を今日やっているのだから、払い下げる必要はごうもない、こう言って開き直っていいんじゃないかと私は思うんですが、この点副総裁の心境はいかがでしょうか。
  83. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) 行政管理庁が三十年でございましたか、勧告をされまして、さらに今年の四月に再度勧告がございました。その勧告は、勧告事項といたしまして志免鉱業所について、志免炭鉱はその後かなりの合理化措置が講ぜられ、経営成績も向上しているが、特にこれを直営とする積極的意義も認められないので、事業経営に不可欠な資産以外はでき得る限りこれを切り離す趣旨から、これが整理について慎重な検討が望まれる、こういう勧告をいただいておるのでございます。行政管理庁は以前にも、国鉄は国鉄本来の仕事に集中して努力をし、資力も集中すべきであるという御見解に立っておられまして、現在志免鉱業所の炭を鉄道がどうしても直営して確保しなければいかぬというふうな情勢ではないのであるから、という意味は、志免鉱業所は国鉄に移管になりました当時はいろいろな環境から申しましてこれを取得する価値がございましたのですが、現在どうしても直営でいたさなければいかぬのだという理屈はない、むしろ国鉄としましては本来の事業に精励すべしという見地から見れば、これを切り離したらいいではないかという再度の御勧告でありましたので、その間に矛盾はないものと考えております。
  84. 柴谷要

    柴谷要君 どうも国鉄当局行政管理庁、行政管理庁といって、行政管理庁の何か勧告でもあるというと、金科玉条のように考えられておるのですが、行政管理庁の諸君とあなた方と比較して、国鉄経営の力というものはどっちにあるかといえば、あなた方にあるのです。経営の衝に当っておられる皆さん方、しかもエキスパートであるあなた方、私は国鉄の幹部の皆さんが、これは志免鉱業所はその重荷だけしょわされて、どうも困難な目にばかりあっているということだけ残されて行政管理庁の勧告通りこれを実行した場合には、これは喜ぶ連中だけ喜んで、あなた方は苦しみだけ味わっている、こういう事態にまで追い込まれてまでも行政管理庁の勧告に従わなければならぬ。今日行政管理庁の勧告なり、あるいは経営調査会の答申なりを忠実に守って、実績を上げて、今日は黒字なんです。過去の功績も十分認められておる。そういう中に立って初めてあなた方が今日国鉄の事情からいえば、これは持っていった方がいいのだというあなた方の決意次第によって、これらの勧告も、また内容が変って出てくるではないか。特に副総裁は、今行政管理庁の勧告の中と同じように、輸送の業務に専念すべきだと第一項でそう言っておる、これは当然のことなんです。しかし、輸送の業務を遂行する上において必要なものであって、決してこれは不必要なものではない。そうでしょう。五十万トンからの燃料の出炭です。国鉄が買って使う五百万トンの石炭の一割も志免で出している。ここの業績によって……、炭の購入というものが、炭鉱業者の独占によって高いものを国鉄に売りつけようとするには、志免鉱業所がない方がいいのだけれども、それを防ぐためにはああいう炭鉱を国鉄が持っている必要がある、これが第一点。そうして今日持っておっても、決して国鉄から——赤字だからといって別に運輸収入の方から向うへ持っていかなくてもいいのです。かえって逆に向うが黒字なんです。これはもう吸い上げてこられるという経理状態になっていて、このくらい有利なものを持っていて、行政管理庁あたりの勧告をポンとはねられるだけの意思をお持ち合せにならぬのですか。私はどうもその点が不可解なんです。しかも将来にわたって石炭は要らなくなる、副総裁はこういう主張をされておる。ところが、電化がそれでは急速に進むかといえば、なかなかそうはいきません。昭和三十二年と三十三年度の石炭の、購入の炭価を見ても金額上減っておらない。そういう事情の中で、一挙に石炭が減ってくるから志免鉱業所は要らないという理由はここには私は生まれてこないと思うのです。  それから志免の炭量は少いと言っておりますが、専門家の方に言わせれば垂ぜんの的なのです。カロリーもいい、かなりいい石炭だ、何とか払い下げをすればかなりもうかる山だ、こういうふうに見当をつけているという話を聞いています。そうすると、副総裁がお持ちになっている第三点の、炭量が少いから早く売ってしまわなければならない、値の高いうちに売ろう、こういうことも全く副総裁のお考えだけでは通用しないと思うのです。  それから、志免は災害が多いという。大手各社の災害状態を調べてみれば、全くこれは、志免の災害は少い。これは統計がここに明らかに示しておりますから、必要なら私の方からお上げしてもいいのですが、そういうことで炭鉱業界の大手筋と比較して志免は決して劣っていない。  しからば一人の労務者の出炭量はどうかといえば、九州大手の労働者諸君よりも上回っている出炭量を出している、こういう状態です。どうも国鉄当局はこれを払い下げようとするから、近代的施設もしない。それがために重労働にあえきながらも黒字を続けるような従業員は……、非常にまじめな得がたい職員がここに働いている。こういう条件を備えていてどうもはたからとやかく言われるから払い下げをしなければならぬというようなことになるというのは私は国鉄の真意じゃないように思う。そうなってくると、政治的圧力か、あるいは、ボスの何というか、暗躍か、こういうものに乗っかるということについてはわれわれは断じて承服できない。そこで、今特にわれわれが要望したいことは、国鉄がほんとうに腹をすえて今日の志免炭鉱というものを見直していただいて、この払い下げという問題について勧告されても、慎重に一つ検討し、そのような方向を阻止していくという決意を持ってもらいたいと私は思うのですが、この私の質問に対して副総裁はどのようにお考えになっておりますか、重ねて質問いたします。
  85. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) この問題につきましては、あるいは政治的だとか、あるいは取引だとかいうことは一切ございませんで、先ほどから繰り返します通りに、国鉄をできるだけすっきりした、能率の高いものに持っていかなければ私どもは相済まぬということで進んでおるのでございます。行政管理庁の言うことを何から何まで聞かぬでもいいではないかというようなお話もございましたが、私どもは公共企業体でございまして、政府の機関のいろいろな勧告と、正式な文書による勧告というものには非常にウエートを置いて考えなければならないのでございまして、行政管理庁に限らず、たとえば会計検査院の指摘といったようなものにつきましては、常に私どもは謙虚な気持で反省しなければならぬということは、全く私どもは理の当然だと考えるのでございます。しかしながら、その問題はきわめて重大でございますので、行政管理庁のさような御勧告が出たにもかかわりませず、さらに慎重審議を重ねていただくという意味合いで志免鉱業所調査委員会という委員会を作りまして、いかに国鉄としては処理すべきかということをあらためて朝野の権威者に御相談を申し上げました結果、その中間として、分離するというのが適当ではないかというような御答申をいただいたということを御報告いたした次第であります。
  86. 柴谷要

    柴谷要君 中間報告ですから、これはまあ最終的結論が出てから国鉄としては態度を決定されると思うのですが、そのようにわれわれ考えていてよろしゆうございますか。
  87. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) 最終的な、全体の結論が出ましてから、私ども十分尊重して措置すべきものだと考えております。
  88. 柴谷要

    柴谷要君 私は以上で質問を終りますけれども、委員長に要望しておきたいことが一つある、というのは、国鉄の志免鉱業所払い下げというものをめぐって調査委員会ができた、その調査委員会の中間報告として切り離すべきだという結論を出しておる。これは重大だと思う。やはりこの審議に加わった調査委員会のメンバー全員から聴取するというわけには参りませんから、調査委員会の責任者、いわゆる会長なり、あるいは委員長というものができたと思う。この方に一つ国会においでをいただいて、一つ実情を聞くと、こういう機会を一つ作っていただくように提案をしておきます。  それからあわせて経営調査会の委員長も当日できますならば、時期を見計らって呼んでいただいて事情を尋ねる、こういう方法を一つ国会としてとっていただくように要望して質問を終ります。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  89. 大和与一

    委員長大和与一君) ほかの委員の方御異議ございませんね。——それではお諮りをしまして、そのようにできるだけすみやかに善処いたします。
  90. 相澤重明

    相澤重明君 一つだけお尋ねをしておきたいと思うのですが、まあ三十年の十一月の第一回の勧告ですね、それから三十三年の、この間の四月七日の勧告、私どもよくわかりました。そこで国鉄当局輸送業務に専心をしたい、すっきりした仕事をしたい、こういうことでまあ副総裁はお話しになっておるわけですが、そうすると、いわゆる国鉄のバスであるとか、あるいはその傍系の、そういうものについては全然やめるので、レールだけを守っていくという考え方を国鉄はこれからとるのかどうかということも一つお尋ねをしておきたいと思う。  それから二つ目は、この志免炭鉱の現在の埋蔵量というものはどのくらいか、カロリーはどのくらいか、そうしてまたこのいわゆる山に対するところの評価というものはどのくらいなのか、こういうことをわかっておったら今答弁してもらいたい。わからなかったら資料を提出してもらいたい。以上。
  91. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) 先ほど私申し上げましたのは、行政管理庁が国鉄は本来の業務にできるだけ勢力を注ぐべきであるというような見解を持っておられるので、それは私どもとしても全くそういう心がまえでいかなければならないのだということを申し上げた次第でございます。で、またしかし、自動車をやめるのかという仰せでございますが、自動車とレールとは一体になって輸送の責任を果しておりまするので、自動車をやめるというようなことは全然考えておりません。
  92. 相澤重明

    相澤重明君 あと質問はどうした。
  93. 平出彬

    説明員(平出彬君) 御答弁いたします。志免の炭のカロリーでございますが、これは粉炭で、ただいま作っておりますが、六千八百カロリー、塊炭が六千五百カロリー。次に埋蔵炭量でございますが、一応私どもの計算いたしておりますのは、約現在千二百万トンということになっておるのでございますが、実際これが将来ともこれだけの採掘ができるかどうか、こういう点は非常にむずかしい問題がありますので、調査委員会におきましても、一応専門的な御検討も願っている次第でございます。なお評価につきましては、志免の財産の再評価がまだ完了しておりませんので、現在幾らになるか、それはちょっとわかりかねる問題でございましてこれにつきましてもなお調査委員会におきましての御意見を承わった上で、私どもとしてその評価額を考えたい、こう思っておる次第でございます。
  94. 相澤重明

    相澤重明君 何ですか、調査委員会意見を聞かなければ評価はできないのですか、国鉄自体としては、今までたとえばバス一台ならばどのくらいのバスか評価される、山ならばどのくらいの山か評価されるというようなことは、自主性を持ったそういう考え方というものはないのかどうか。
  95. 平出彬

    説明員(平出彬君) 現在私どもの財産整理をしております帳簿価額におきましては、約二十五億という数字は出ております。しかし、これはいろいろ再評価いたしましたり、あるいはその価値判断というふうなこと、あるいはまた無形財産である鉱業権、こういうようなものにつきましての評価につきましては、いろいろ検討しなければならぬ問題が残っておる、こう存じておるものでございます。
  96. 相澤重明

    相澤重明君 帳簿価額が今発表されたわけですが、当然帳簿価額というよりは、現在の日本の産業構造の中で占めるところの、いわゆる炭価というものは考えられるべきものだと思うのです。そういう点については調査委員会意見を聞くというんだから、調査委員会がどういう評価をするかわかりませんが、いずれにしても先ほど柴谷委員の言うように、関係者をやはり国会としては呼んで、十分この問題を究明する必要があると私は思う。  それから、いま一つ参考のために聞いておきたいんだが、国鉄の志免炭鉱の山の近所には、関係をしておる山があるかないか、つまりそれから通じていけばとれる炭があるかないか、そういうようなことも研究をしたことがあるかどうか、一つお尋ねをしておきたい。
  97. 平出彬

    説明員(平出彬君) 志免の鉱区には重複あるいは隣接しておる鉱区としまして三菱鉱業の鉱区、それから永田鉱区、日本炭業の鉱区、これがございます。これは部分的には総合開発ができるものである、こういう鉱区はあると、こう存じております。
  98. 相澤重明

    相澤重明君 今の、はっきりしないんですが、三菱に、日本炭業に、いま一つどこですか。
  99. 平出彬

    説明員(平出彬君) 永田鉱業でございます。
  100. 相澤重明

    相澤重明君 永田鉱業。この山の炭はどのくらいあるかというようなことも研究されましたか。
  101. 平出彬

    説明員(平出彬君) これは、相手方の会社の鉱区のことでございますので、正確なところは今のところわかっておりません。
  102. 相澤重明

    相澤重明君 しかし国鉄は、これは日経連に加入しておるんだから、当然いわゆる全般の産業の問題についてよくわかっておると思うのですよ。だから、たとえば石炭鉱業連盟の中で、どこの山はどのくらい埋蔵量がある、どの山はどういうふうになっておるというぐらいのことは、少くとも日経連の中でははっきりしておるわけですから、これはむしろ、もし諸君が知らぬというならば、こちらから教えてやってもいい。しかし、私は少くとも経営をあずかる最高首脳部としては、そういったことも全般的について私は知っておると思う、また知らなければならぬと思う。そういうことをしないで、単に国鉄の志免炭鉱だけが対象に論議をされる、こういうことはまことに不可解な問題だと思う。しかしきょうは、私は何も結論を出しておるわけじゃありません。まあいわゆる当局説明を求めておるので、いわゆる先ほど柴谷委員が言ったように、慎重な配慮が必要であるし、また関係者を呼んで、十分その中の質疑の中で私どもの立場というものもはっきりしていきたい、こう思っておる。  以上で私は質問を終ります。
  103. 大和与一

    委員長大和与一君) 私も一つ質問したいのですが、志免鉱業所の国鉄の職員は、この問題の推移の中で不安も動揺もなくて、安定して仕事をしておるだろうか。それに対して当局の所長以下職場にがんばって不安のないようにきまるまでは仕事をし、またきちんと仲よくというか、穏やかにというか仕事をしておるか、こういうことについてどういう配慮をしておるか、その点一つだけ質問いたします。
  104. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) この志免の問題がいろいろうわさされておりまするので、志免の鉱業所の職員は、決してすべて落ちついておるということは申し上げかねると思います。現に本社にも再三再四陳情団が参っておるということから考えましても、いろいろな先の不安を持っておるのではないかと考えます。で、私どもは、陳情団の職員諸君に対しまして、われわれはできるだけ諸君の心配のないように善処していくつもりであるから、決して動揺しないようにということを再三再四繰り返して申しておりまするが、現在の段階におきましては、志免の職員は分離反対ということを申しておりまするので、その間にいろいろなトラブルが起っておるということはいなめないことでございまして、私どもは決してこの分離ということと職員の生活の安定ということは、これは必ず両立するものであると信じておりまするので、そういう方面で今後も極力努力して参りたい、こう思っておる次第であります。
  105. 大和与一

    委員長大和与一君) その大事な所長さんが、うわさかもしれませんけれども、まああまりよく職場にいないのじゃないか、こんなことをちょっと聞いたのですが、それがまあほんとうだったらよくないと思うので、その点もしおわかりでしたら……、あるいはまたやはり大事なときに職場にきちんとおっていただいて、そうして対処していくと、こういう態度がやはりいいのじゃないかと、このように考えますが、その点はおわかりでございますか。
  106. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) いろいろな打ち合せで本社にも出て参ることもありますので、何の問題もないときと比較しまして、鉱業所におる機会が少くなっておるということはあるかもしれませんですが、仰せの通りに重要な時期におきましては、現地においてできるだけ現場の不安を除き、また能率も落さないようにということをするのが所長の務めでございますので、私からも十分注意して参りたいと思っておるわけです。
  107. 大和与一

    委員長大和与一君) ほかに御質問、御意見ございませんか。
  108. 相澤重明

    相澤重明君 副総裁にお尋ねしますが、公務員は夏期手当もらったと思うのですが、国鉄の方はもう支給したのですか。あるいは妥結したのですか。
  109. 吾孫子豐

    説明員吾孫子豐君) 目下なお交渉中でございます。
  110. 相澤重明

    相澤重明君 交渉中というと、いつごろ妥結するのですか。まだそれは見通し全然ないのですか。
  111. 吾孫子豐

    説明員吾孫子豐君) できるだけ早く妥結いたしたいと思っております。
  112. 相澤重明

    相澤重明君 もうこれはよく団体交渉で一つ話し合って、そうしてまあよい結論を出して、早く支給するように私からも要望しておきます。それから——それ、いいですな、そのことは。先に副総裁答弁して下さい。
  113. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) できるだけすみやかに妥結するよう努力いたしたいと思います。
  114. 相澤重明

    相澤重明君 それから、先ほど申し上げた新九州新聞のこの客車清掃の問題について、客貨車等のその問題については、一つ当局も副総裁は承知しておるというから、資料を一つ運輸委員会に提出をしてもらいたい。これはやはり私どもとしては非常に重要な問題で、ともすれば非常なこの国民の諸君から誤解を受ける。何かといえば国鉄一家ということで、つまらぬ誤解を受けるので、そういうことを直すためにも資料を十分よく取って作って、本委員会に提出をしてもらう、こういうようにしたいと思うのですが、委員長、一つ副総裁に聞いて下さい。
  115. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) 承知いたしました。
  116. 大和与一

    委員長大和与一君) それでは、次の委員会の日取りを今きめますか、理事会におまかせいただけますか。(「理事会でいい」と呼ぶ者あり)  ほかに御意見ございませんね。  それじゃ、きょうは、これで散会いたします。    午後三時五十七分散会