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八木昇君 私は、
日本社会党を代表いたしまして、ただいま上程せられました
会期四日間
延長の件について
反対討論をなそうとするものであります。(
拍手)以下、その
理由を簡潔に申し述べたいと存じます。
私は、第一に、
国会の
会期あるいはその
延長は、本来、
国会の多数党が、おのれのみの
意思によって一方的にきめるがごときことは、望ましいことではないと考えるのであります。(
拍手)今
国会の
会期が、当初、
与野党の話し合いによりまして、二十五日と
協議決定をいたしましたことは、この精神によったものであると信ずるのでございますが、にもかかわらず、今回、
自由民主党は、みずからの一方的な
意思によりまして、昨晩突如として
会期の
延長を策し、
多数決により、しゃにむにこれを押し切ろうとしておるのでありまして、これは、明らかに、二大政党による円滑なる
国会運営の
あり方を、
政府与党みずから根本的にくつがえすものであるといわなくてはなりません。(
拍手)
第二に、特に
会期の
延長は、全
国民のひとしく認むるような特別の
理由によって、特に例外的に、まれに行われることがあり得るという性質のものでなくてはなりません。しかるに、最近の
状況は、
自由民主党が、常に多数の横暴により、いずれの
国会も、ほとんど例外なく
会期が
延長せられておりまして、今また今
国会も
会期延長をなさんとしておるのでありますが、今次
国会の当初、
与野党一致で
会期をきめた以上、
自民党は、あくまでもこれを守る
公党としての責任と義務があるのであります。(
拍手)当然、
自民党は、確固たる見通しを持って
会期二十五日としたのでありまして、今いよいよ
会期末となって、みずから望むだけの十分の成果を上げ得なかったとしても、これはみずからの不明と無能をこそ恥ずべきものでありまして、一方的に
会期を
延長するがごときは断じて許されないのであります。(
拍手)
第三に、今次
会期延長の
提案は、ちょうど、
参議院におきまして、
管理職手当法案の
会期内成立をはかるためには、
文教委員会の
審議を全く行わずとも、また前例がなくとも、直ちに
委員長の
中間報告を求め、本
会議で直ちに
採決のほかはないと称して、おそくとも数時間後には明らかに
法案が可決されんとする、しかも、
会期がなお一日余っておるという昨夜十一時、突如として衆議院の議運に
会期延長を
提案せられたのでありまして、これは全く
矛盾撞着もはなはだしいものであります。(
拍手)一つの
法案については、
会期があと一日だけしかないから、
委員会審議を省略して、いきなり本
会議にかけ、
強行採決をはかりながら、他方におきましては、同じ時刻に、ほかにも重要
法案ありとして、
会期延長を
強行ずる提案をなすがごときは、これは全くもって多数党のみによる得手勝手な
やり方でありまして、
公党間の信義にもとる遺憾千万の
あり方であります。(
拍手)
最後に申し上げたいことは、一体、
自民党の皆さんは、
自分たちだけが
国民の
代表者であって、しかも、みずからのすること、なすこと、百パーセント
国民が
白紙委任をしているとでも考えておられるのでありましょうか。いつの
国会においても、幾つかの
法案が難行するのは、一体どういうわけか。それは、少くとも、
国民の
相当多数の者に熾烈なる絶対
反対の意見がある場合でございます。
社会党が全力を尽して
反対する
法律案は、常にこのような場合でありまして、それを、ただいちずに
多数決をもって押し切り、しかも、毎
国会の
たびごとに
会期を
延長して、一方的に、しゃにむにこれを押し切るがごときは、われわれの承服できないところであります。われわれは、多数の
法案について今回まで
賛成もし、また、
反対の
法案の
相当数につきましても、
国会の多数派が
賛成であるならば、やむなしとしてきたのでありますが、少くとも、
国民の三分の一以上の支持を得ておるわれわれが、あくまでも承服できないという、こういうわれわれの考えによる絶対悪法だというものについて、一体どうして、徹底的に
与野党話し合うことが
自民党にできないのであるか、きわめて遺憾であります。(
拍手)
以上、私は簡略に
会期延長の
反対理由を述べたのでありまするが、今次
国会の
会期延長のきっかけをなした
管理職法案のごときは、今全
国民が一日も早い
成立を切実に求めておるような
法律案ではございません。各新聞が一斉に報じておるように、これは明らかに、
勤務評定とともに
政府の
日教組分断政策でありまして、新しい
議員による院の構成をなし、
内閣首班を指名し、
施政方針を宣明することを、おもなる目的とする短期の
特別国会において、一挙に
成立せしめんとすること、それ自体、無理な相談でありましょう。(
拍手)これを要するに、
会期延長は、
自民党の
党利党略による、
国会の
民主的ルールを無視した全く非民主的な
やり方でありまして、
自民党がますます一
党独裁、
ファッショ化を深めたものであると断ぜざるを得ないのであります。(
拍手)
以上をもって
反対討論を終るのでありまするが、何とぞ各位の御賛同を切にお願いする次第であります。(
拍手)