○原田
委員 その集団暴力の点について、私はなお質問を続けたいと思うのでありますが、先般高知県の檮原という村で騒ぎが起きた。これはやはり
勤務評定反対問題にからみまして、六月二十六日に高知県下一斉にストライキをやった。この事件の起ります前に、檮原村の各校下で、各校下民が
学校の先生たちと話し合いをして、どうか
学校を休んでくれるな、どうぞ一斉休暇だけはやめにしてくれ、今まで先生たちには
勤務評定反対に署名してくれと言われたら署名もしてきた、しかしながら子供をほったらかしにして
学校を休むことだけはやめにしてくれ、何なら五割休暇でもいいから、半分だけでも
学校に残って
一つ授業をやってくれ、こういう交渉をしておる。しかるに先生の方では、私たちはそう思っても
日教組の指令であるから、われわれも組織
委員であるから、この組織の指令というものは守らなければならぬ、こういうことで、結局先生たちは六月二十六日に一斉ストに参加した。この檮原村において起った事件は、三、四のほかの
学校では一日、二日で片ついておりますが、西ノ川の小
学校におきましては、これが十五日間も
解決に手間取った。これはどういうことかというと、これが参議院の文教
委員会で取り上げられて、先生に対する部落民の集団暴力であるというようなこと、人権じゅうりん問題であるというようなことで取り上げられたのでございますが、私も実地へ行ってみまして、参議院で論議されておることは、これはもうだいぶ違うということをはっきり見きわめてきたのでありますが、それは今言いましたような過程を踏んで、二十六日に先生が
学校を休んだ。そこで父兄は、今まで先生たちのためにできるだけのことをしてきた、ここの小
学校は大半父兄の醵出によって、父兄の金によって建てられた小中
学校である、それから別に先生の舎宅が建っておる、これも去年父兄が先生に住んでもらうためにということで、自分たちの金を出して建てて、現在もその所有は部落民が持っておるというようなことで、先生のために、今までの
教育ということに対して非常に熱心である先生に対して、尊敬の念を払ってきたが、今度の場合に、ここまでわれわれが頼んでおるのに、先生たちは――子供があるがゆえに
教育というものはある、その大事な子供をほっぽり出しても、
日教組の指令に従わなければならぬ、こういう先生に子供を頂けておいても
教育効果が上らないじゃないかというところから、同盟休校をやろうということを言い出した。それから先生が住んでおるところの家に、去年特に便所と炊事場とふろ場とを増設しておる。それまで先生たちは
学校の便所、炊事場、ふろ場を使っておった。
学校の門の中にその家があるのですが、校庭を伝わって、そうして
学校の施設に行って先生たちは炊事をやっておった。それでは気の毒だということで炊事場を建てたのでありますが、そこまで一生懸命やってきておるのに、先生たちが言うことを聞いてくれないなら、これはもう先生たちに出ていってもらわなければしようがないじゃないか、こういう
意見にまとまった。しかしながらこのことはやはり
考えて、それでは炊事場というものは今までは先生たちは
学校のものを使っておったから、これは閉めてもらおうということで、二十七日先生たちが帰ってきたので
校長さんと代表者が会って、きのうあれだけ頼んだのに先生たちはほうって行ってしまった、これは先生どうだ、あやまりなさいと言ったら、
校長はあやまっておる。済まなんだ、これは
校長さんからじかに私は聞いた。
校長以下教員にも全部会いました。それで、家を明け渡せといってもすぐに出るということは困るからということで、しかし炊事場などは閉めてもらう、これはしようがないということで、先生がついていって、そうして置いてあった荷物なんか出して、そうして住宅の方は、出入口をあけておいて、いやがらせに窓ガラスをとんとんと打ちつけておる。そして通路は二カ所あって、一カ所は閉めておるが、一カ所はこういう工合にさんをしてまん中から通れるようにしてある。先生たちに、あなた方は脅迫されたかということを聞いてみたら、脅迫されたとは思っていない。それか
らいろいろなことを聞き、また警察官にもその人権問題についても、法的措置はどうかということを尋ねたが、そういう
疑いもない。こういうことを
国会においてれいれいしく、人権問題だとかいやどうだとかいうことで取り上げられておるのであります。実態は、ほんとうに先生たちのために父兄が一生懸命に尽してきた。今日まで一ぺんも騒ぎがなかった。(「それは
文部省のやることだ」と呼ぶ者あり)今言われるように、これは
文部省がやらなければならぬ仕事に違いないが、なかなかこれが理屈
通りいかない。そこで父兄が金を出して作っておる。こういう
努力が重ねられて、現在まで十年の間
義務教育というものは残念ながらこういうことが積み重ねられてきて、
教育というものが維持されておる。それらの父兄の願いを打破して、教組の指令の方が大事だということで、
学校の先生が授業を放擲するということは、これは明らかに
法律違反であると私は
考える。また部落の人がなぜそのようないやがらせをするか。これは私の推測、だけれ
ども、
教育長を押し込めて小便にもいかせない。このバケツの中で小便をしたという事件は、高知県下で非常に有名な事件になっておる。だから、実際西ノ川の先生がやったのではなく教組がやったのだけれ
ども、先生も教組の言うことはよく聞くのだから、あなた方も一ぺん便所く
らいへ行ったらどうか、去年までは校庭を通って行っておったのだから。これは何か報復的な魂胆があったのじゃないかというように私は
考えるのであります。こういうことで、集団の力によって圧迫を加える、卒倒するまでやる、小便もさせないというような犯罪を平気でやっておる。これを警察が取締りをしなかったら、今度警察がやらなければおれたちがやるという形で現われたときに、
国家の治安が乱れる。この
国家の治安が乱れることを望む者はだれか。
社会党の
諸君は、先ほど聞いておったら、冷却期間を置けと言うが、実際はどないしたらよいかわからぬ。
日教組には突き上げられ、といって
法律は曲げられぬ、これが実態なんだ。だから、
法律をほんとうに守るということは
政府が真剣に
考えなければならぬ。この集団暴力事件について、
一つ青木長官並びに法務
大臣から特にもう一度御答弁をわずらわしたい。