○谷垣
説明員 最近の酪農事情の状況を御報告申し
上げます。
お配りした資料があるかと思いますが、この三十二
年度におきます牛乳乳製品の
需給の大体の予想を御
説明申し
上げておきたいと思います。三十二
年度、ことしの三月までの状況を申し
上げますと、昨年の上期、四月から九月までの状況は、農乳
価格が三十一年の一月、二月以来ずっと上っております。夏乳価もそのままで持ちこたえておりましたような関係があったわけでありますが、
生産の方も、そのような影響を受けまして、内地におきまして前年比一一九%、北海道におきまして一二四%というように、前
年度の比較におきまして
相当強い
生産の伸びがあったわけであります。これに対しまして、市乳の方の消費は、夏分かなり天候が悪かったのでありますが、あるいはまた市乳の消費者
価格値
上げの動きがありましたが、
価格値
上げをしないで参ったわけでありますが、市乳消費は、内地におきまして前年に対して一一四%、北海道におきましては一〇六%
程度の伸びがあったわけであります。従いまして、この
生産と市乳消費のずれが乳製品の
生産になって現われて参ったわけでありますが、その結果、内地におきましては前年に比べますと一二九%というような増大を見、北海道におきましては一三六%というような大幅の
生産の増大を見たのであります。ところが、乳製品の消費の方は、主としまして大カン練乳の砂糖消費税免税
措置撤廃を見越しました買いだめあるいは買い急ぎがあったかと思いますが、前年に比べますと一三二%
程度の消費があったわけであります。ただし、これは、末端消費という
考え方よりも、中間におきまする販売業者、あるいはそれを原料といたしまして加工いたしまするところにメーカーの方から流れていった
数字になりますが、大体一三二%
程度の増加があったわけであります。
下期に入りまして乳価の値下げがあったのでありますが、この期におきましては
生産量の増大が鈍化いたしております。次のページの表に出しておりまするように、市乳用、加工用の
価格が漸次下って参っております。この
価格は農民手取りの
価格でありますために、実際の値下げがありました月よりも時間的にずれた形になってここに出ておりますが、とにかくこのような形で
生産の対前年比の率はかなり下った率を逐次示して参っておるわけであります。市乳消費の点は、この期に入りまして一—三月の学校給食を実施したわけでありますが、これによりまして、市乳の消費量は、前年に比べて、内地において一一八%、北海道におきましても一一〇%というようにかなりの伸びを見せております。しかし、乳製品の
生産がやはり同様に——若干の市乳の増加はございましたけれ
ども、残りの
ものが乳製品の
生産に回りましたので、前年に比べて、内地で一一五%、北海道におきまして一一六・七%という
数字をやはり依然として示したわけでございます。ところが、この期におきましては乳製品の消費が著しく減退して、対手前年比一〇六%というような
数字を示して参っておるわけであります。大体、三月の末、四月、五月、そろそろ夏場の動きが
見え始める時期でございますが、この
あたりの天候が、御存じの
通り、四月、五月、割合に冷涼な天候が続いた。また、
生産の方は、当初予定をいたしておりました、私たちの方で昨年から実施しておりまするところのミルクの
生産量予察がございまして、これはある
程度確実な
数字を今まで示してきておったのでありますが、この二、三、ことに三月の予想と実績がかなり違った形で出て参っております。これは、いろいろ、たとえば野菜類の豊作のための、牛乳
生産のえさに向けられ、ブダ等にも向けられたと思いますが、そういうような、影響もあったかと思いますが、予想いたしました
ものよりも高い
生産量を示しております。そのような
ものと、それから、四月、五月の割合に冷涼な天候、こういうような状態が続いて参りました。もちろん四月に入りましての
生産量は若干低目に
数字を出しております。従いまして、夏期の消費の
見通しを非常に期待しておったのでありますが、かなりの
生産が伸び、そうして消費の方が伸びなかったための
需給の不
均衡がそこに生じて参った
ものだ、こういう状況でございます。
さような形で、本年の六月上旬ころに、数
府県に対しまする乳業者から乳価の値下げの
申し入れが行われたのであります。大手筋がまず動き始めまして、現在中小の諸君もそれにならおうとする気配が
見えておる、こういう状態でございます。現在におきまする
生産の予察等は、まだ五月の実績がわかっておりませんが、ある
程度の下降を示してきておる
ものと見ております。
大体そういう状況になっておるのでありまして、当初学校給食の実施を一—三月にやりまして、
あとは秋九月あるいはむしろ十月くらいから再開しようと
考えておったのでありますが、三月の末におきまして、四月、五月の状況を判断いたしまして、四月、五月に学校給食を実施いたしました。六月に入りましては、北海道等の冷涼な地帯におきましての実施をいたしておりますが、その他の地帯におきましては、六月以降の学校給食は、
政府の
補助金を出しまする
体制の
ものは一時中止されております。大体そういう状況で現在まで推移しておる、こういうわけであります。