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1958-07-02 第29回国会 衆議院 逓信委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年七月二日(水曜日)     午前十時四十三分開議  出席委員    委員長 淺香 忠雄君    理事 秋田 大助君 理事 上林山榮吉君    理事 武知 勇記君 理事 粟山  博君  理事 早稻田柳右エ門君 理事 片島  港君    理事 小松信太郎君       鴨田 宗一君    河野 孝子君       進藤 一馬君    谷川 和穗君       根本龍太郎君    井手 以誠君       大野 幸一君    金丸 徳重君       佐々木更三君    原   茂君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 寺尾  豊君  出席政府委員         郵政政務次官  廣瀬 正雄君         郵政事務官         (郵務局長)  坂野  學君  委員外出席者         専  門  員 吉田 弘苗君     ――――――――――――― 七月一日  委員栗林三郎辞任につき、その補欠として栗  原俊夫君が議長指名委員に選任された。 同月二日  委員池田清志君、河本敏夫君、高見三郎君及び  松野頼三君辞任につき、その補欠として河野孝  子君、谷川和穗君、竹下登君及び鴨田宗一君が  議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 六月三十日  お年玉つき郵便葉書等発売に関する法律の一  部を改正する法律案内閣提出第四号)(参議  院送付) 同月二十八日  西の川部落公衆電話架設請願森本靖君紹  介)(第二〇三号) 同月三十日  葛畑簡易郵便局を四等局に切替えの請願(佐々  木盛雄君紹介)(第二一九号)  松戸向山特定郵便局設置請願片島港君紹  介)(第二五四号) の審査を本委員会に付託された。 六月三十日  原水爆禁止平和記念切手発行に関する陳情書  (第四三号) を本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  お年玉つき郵便葉書等発売に関する法律の一  部を改正する法律案内閣提出第四号)(参議  院送付)      ――――◇―――――
  2. 淺香忠雄

    ○淺香委員長 これより会議を開きます。  内閣提出参議院送付にかかるお年玉つき郵便葉書等発売に関する法律の一部を改正する法律案議題とし、質疑に入ります。質疑の通告があります。順次これを許します。片島港君。
  3. 片島港

    片島委員 本日の議案に関連をいたしまして、またその前提ともなるわけでありますが、郵政事業のサービスをよくするために、窓口機関を整備拡充するということが前内閣時代からの大きな懸案でありました。特に前郵政大臣は二千局に及ぶ四等郵便局という構想を明らかにいたしておったのでありますが、本年度は御承知のように無集配特定局が二百局予算が成立いたしております。それとまた簡易郵便局が百局だけ予算が成立いたしておるのでありますが、従来の例から見ますと、無集配特定郵便局は年々五十局ずつしか予算で成立しておらぬのであります。しかもこの五十局のうち、実施せられておるのは年々四十局程度でありまして、五十局すら完全消化されておる年はないのであります。一昨年までの平均では四十局ないしそれ以下になっておりますが、昨年はどういうふうになっておりますか。一昨年までは四十局以下でありますが、昨年だいぶ委員会でもいろいろ質疑されましたから、五十局が消化されておるかどうか。おそらくこれもされていないと思うのです。今すぐ電話で調査をされてもわかると思うのでありますが、されておらぬ。ところが、今年は二千局というような膨大な放言をしながら、しかも二百局の無集配特定郵便局新設予算がとれておりますのに、この前の委員会大臣は、今年度新設は慎重に検討しておる——今までは慎重に検討しないで、毎年々々五十局といって、きまり切った予算がとれておるにもかかわらず、それが消化できないで、四十局くらいで打ち切りになっておった。そしてもちろん予算は全部使ってしまっております。機関設置しないで、定員がとれた分はどこかほかの方に回すということで、実際は予算は使ってしまっておる。しかし窓口機関はそれだけ設置されておらない。ことしは二百局の予算をとっております。また、今ごろ慎重にやっておられたならば、あと幾らもないのでありますが、例年の四倍以上の予算をとっておいて、しかも簡易郵便局を百局予算にとっております。この実行についてどれだけ自信を持っていらっしゃるか、最初にお伺いしておきたい。なお、四等郵便局というような構想もあるのでありますが、それとの関連においてお伺いをいたしたい。
  4. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 一応大綱についてお答えを申し上げ、詳細に関しましては郵務局長から答弁をさしていただきたいと思います。  御指摘のように、本年度特定局といたしましては二百局設置をするということで、すでに予算もとり、そのような方針を立てておって、これはこれから慎重にその個所あるいはその設置をしていくということについて——私が前会申し上げたと思いますが、設置場所等も逐次決定をいたしておりまして、まだかかっていないということではなく、すでにもう相当部分は設置を実際に進めていっておるわけであります。  なお、御承知のように特定郵便局制度答申等にかんがみまして、あるいは簡易局というものを大量に設置をする、こういうようなことを、前田大臣からその方針といったようなものについての発言があったかに聞いておりますけれども、この問題は、むしろこれからその答申を尊重いたしまして検討していく、そして決したい、こういうふうな考え方でありますが、詳細につきましては郵務局長からお答えをいたします。
  5. 坂野學

    坂野政府委員 お答えいたします。昭和三十二年度の五十局分でございますが、これはこの前御説明申し上げましたように、実は地方にこの通達をしたのが三月の多分中旬ごろだと思います。そのように、例年今まではその年度置局すべき郵便局を、年度末になってこれを配算するというような、きわめて緩慢なる仕事をやっておった次第でございまして、そういう点につきまして御指摘を受けましたので、三十三年度の二百局分につきましては、すでに四月の上旬にこれを郵政局に全部割り振って、現在その二百局のうち大体半分くらいは設置地点等もきまりまして、実際の郵便局長任命等の作業にかかっておる状況でございます。私どもといたしましては、ぜひとも少くとも本年末までにはこれらの郵便局を全部設置してしまいたい、こういう工合に考えまして、ただいま事務を進めておる次第でございます。ただいままでの開局数は、いまだまだ三局でございまするけれども、これらは各地方郵政局通達をいたしまして、郵便局舎を建てて開局するというまでには、年度当初にやりましても、やはり半年以上はどうしても局舎の便その他でかかるわけでございまして、御指摘の点につきましてさらに一段と事務を促進いたしまして、ぜひとも年内には相当なものは開局できるという運びにいたしたいと思います。  また、ただいまの簡易郵便局の点でございまするが、これは手数料が安いというような面もございまして、多くの希望者が得られないというような状況に相なっておりまするけれども、本年度予算にこの手数料増額方予算も少々認められておりまするので、こういうような措置をも合せまして、この簡易郵便局設置につきましても同様に促進をいたしたい、このように考えておる次第でございます。
  6. 片島港

    片島委員 どこの省におきましても、その年度予算国会通過するのを非常に待ちに待って、予算通過すると同時に計画を作って実施に移るのに、郵政当局は、三十二年度予算通過して三十二年度の終りの三月になってから、それを年々今まで各地方局通達をしておった。これはおそらくここにおられる委員の方々は非常に不思議な事務の進め方だと、おかしく考えられるであろうと思う。どこの省でも、その予算通過をするのを待ちあぐんで、実行計画を立てるのです。それを年度が終るときになってその年度のやつをやろうというのは、これは一年間わざわざ遅滞させておることになるのであります。しかもそれが、毎年例を見ますと、一年間おくれても、その五十局というのが四十局ぐらいしか完成をしておらない。各地方から窓口機関を開設をしてもらいたいという要望は数百局から一千局あるのです。これは前の大臣もはっきりと言っておられますように、無集配特定局設置してもらいたいという要望が、この特別国会においても数件陳情が出ておるのでありますが、全国では数百ないし一千ある。それが毎年五十局予算通過をしておったのに、それを年度末になって通達をして、しかも予算一ぱいはやっておらないという状況です。三十二年度の五十局を今年の三月になって通達をしたとすると、今年新しく通過をした二百局と、それから昨年分のしょい込み五十局、二百五十局をやらなきゃならぬ。ところが、今までのあなた方の実績、実力から言うならば、一年おくれをやってすら五十局しか消化できなかった。郵務局長がかわった、大臣がかわったからといって、どれだけの、何倍の実力を発揮せられるかわかりませんけれども、これが置局できなかった原因というのは、やはり局舎の問題、あるいは定員問題——ことし二百局のらち局長定員が二百名とれて、あとのいわゆる事務員定員の二百人は、事業取扱いがふえたからというその予算の中に隠して、その中に入れてある。四百人とれておる。これはうっかりすると、悪く解釈をすれば、局を作って新しい窓口機関を増置するかのように見せかけて、実際は予算定員をとって、その定員を適当に自分のところで食っていく、こういう手段に使われておるのじゃないか。現に今日まで置局を一年間おくらせたというのは、定員が一年間だけほかの方へ回せたわけで、決してこれを大蔵省に返上しておるわけではありませんから、そういうようにして今年も二百五十局については——局舎の建築などというのは、どこの地点設置するかというような非常に重大な問題があるのです。その困難性というのは従来一つも解決されておらない。条件は全く同じなんです。同じ条件のもとに、昨年の五十局をしょい込みながら、今まではそれだけすら消化できなかったのに、今年度の新規の二百局を、もう年度も中途になろうとしておるのでありますが、果してこれを実行できる自信があるのかどうか。口の先で言っても、それは実行できません。できないのです。一局を作るのにも、もたもたして大へんなことです。地方に行ってみると、局舎新設あるいは局長の人事の問題——寺尾大臣特定局制度の問題ともからみ合せてと言われたが、そんなことをからみ合せたら、これは三年先になってもできやしない。それは別として、現に予算で成立している分に対してだけでも数百局から一千局の希望があるのに、これを今日まで怠慢によっておくらかしておる。それを今年は二百五十局というものをやらなければならぬ。坂野郵務局長は、もうだいぶ進んでおりますと言うが、これは去年の五十局分ですか、新しい二百局分ですか。
  7. 坂野學

    坂野政府委員 本年度の二百局分につきましても、地点等について全然手をつけておらないというのは六十八局しかございません。あとの百三十局の方は……。
  8. 片島港

    片島委員 前の五十局は。
  9. 坂野學

    坂野政府委員 前の五十局につきましては、三局はすでに開局済みでございまして、その他の約四十局分につきましては、これは今年と同じように地点等は大体きまっておるわけであります。
  10. 片島港

    片島委員 そういたしますと、簡易郵便局が百局とれておるのでありますが、簡易郵便局というのは最初のころは非常に評判がよかったけれども、だんだんやってみると、いわゆる請負をしておる町村なり農協とかいったようなところがその負担にたえかねて、直轄に昇格をしてもらいたいという陳情新設以上にたくさんある。私どもずいぶんその陳情を受けて、陳情書国会にも出ましたし、あるいは郵政当局にも出たのでありますが、しかし、またこれを切りかえるということが、取扱い物数などの関係でなかなか困難である。実施をしてみたところが、早くいえば評判がよくない。その評判の悪い簡易郵便局を百局もことしも設置する。前の内閣時代、特に田中郵政大臣は、二百局と百局という、いわゆる直轄局簡易郵便局で三百局をとったのは、予算の範囲内においてできるだけ窓口機関を拡充をしたい、極端に言うならば、二千局という四等郵便局を作りたい、この二百局をとったのは、局長定員一名、事務員一名の二名であるが、一名ずつにして、倍の四百局くらいは作りたいということも考えておる、ぜひとも窓口を拡張したい。これは非常に熱意をもって示されておった。しかし大臣の御説明のようであるならば、今年はそういう構想は取り下げて、従来通り、今までの五十局であったのに加えて二百局、すなわち二百五十局ことしは無集配特定局設置する、そのほかに百局の簡易郵便局新設をする、これが必ず実現可能であるとあなたたちがここで約束できる、こういうふうに私たち了解してよろしゅうございますか。なかなかそう簡単にいかぬのじゃないですか。
  11. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 御指摘のように、予算のとれております特定局二百局と、三十二年度から持ち越しておりますまだ完成いたしておりません五十局を加えて、特定局といたましては二百五十局、それからほかに簡易局というものが百局ありますから、まずこれを、御指摘もありましたので、私の方といたしましては極力早急に大努力をさせまして、本年度中に完成させる。なお先ほど私が特定郵便局制度答申案を尊重して検討すると申し上げましたのは、その他の簡易局を相当ふやそう、こういったような田中大臣方針の問題について、今後の問題として検討していく、こう申し上げたわけであります。
  12. 片島港

    片島委員 いや、大臣はそうおっしゃっても、予算直轄集配特定局が二百局、簡易郵便局が百局、これだけしか予算がないのですよ。だから、その他と言っても、予算はないのです。予算はないが、それでやりくりをやろうというのが田中郵政大臣構想だったが、それを今郵務局長の御説明でもはっきりされましたように、今までと同じような制度で今年実施をするとさっき言われた。それは今年中に持ち越しの五十局と、ことしの二百局と、それから新たな簡易郵便局、これは事務費だけです。一局についての取扱い手数料という金が少しついておるだけですよ。それを百局、これを年内に全部やるように努力する。やるようにしなさるならば、それで全部消化してしまうのですから、制度の改善、答申案などここにしんしゃくする余地はなくなってしまうのです。今まで五十局でさえ、一年繰りで繰り延べにして、それが全部できなかった。今年は昨年のかかえ込み五十局、ことしの二百局、合せて二百五十局を完全に実施せられるかどうか、このことを聞いておる。
  13. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 今お示しの特定局二百五十局、簡易局百局ということにつきましては、年度内にこれを完成すべく大いに努力をいたします。なお将来の問題としては、先ほど申し上げましたように、この答申案を尊重いたしまして検討する、こういうことであります。
  14. 片島港

    片島委員 今の大臣の将来の問題は、来年度予算からの問題であります。私は今年度の問題を言っておる。そうすると郵務局長に重ねて念を押しておきますが、二百局置局に伴う局長定員二百名、あとの二百名は事業の増進の目的で組んでありますけれども、この四百名というものは、いわゆる特定局設置するために使うのであって、その定員には今でも手をつけておられては困るのですよ。ほかの方に回しておられたら、郵便局設置ができなくなるのです。その定員は手をつけないで残しておいて、そうして特定局を本年度内にその定員を消化して、局舎を作って二百五十局設置される見通しがありますか。
  15. 坂野學

    坂野政府委員 仰せの通り、その定員は別にのけておきましてやるという方針であります。
  16. 片島港

    片島委員 それでは、もうやると言われるならば、今後の実行の進む状態を私たちの方から監視をしておきまして、その進行状況によりましては、あらためてまたお尋ねをいたしたいと思います。  本日議題になっておりますところのお年玉つき郵便葉書に関する件につきましては、本委員会ではすでに前国会においても相当詳細に論議をせられておりますし、またほかの委員からの御質問もあろうかと思いますから、私は一点だけお尋ねをしたいのでありますが、この法律案通過をいたしました場合に、去年までは四億五千万枚が寄付金つきであったのでありますが、この一円の寄付金のついたのを何億枚くらい発行せられる予定であるか、この点をお尋ねをいたします。
  17. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 前田大臣構想といたしましては、すでに委員会でも一応その方針を示されたと聞いておりますが、寄付金のついておりますものを七億枚、寄付金のつかないものを一億枚、こういう決定をされて一応その方針を示されておったと聞いております。従いまして、私といたしましても、ひとまずこの数を一応目安として一つ検討をしたい、そういうふうに考えておりますが、ただ前国会におきまして与党並びに野党双方から、発行枚数については国民要望等を勘案して、特に寄付を強制するというようなことにならないように、こういう御注意もありました。一方、寄付金についての各方面からの要望もあり、かたがた国民消化能力という点をも勘案をいたしまして、郵政審議会その他各界の識者にも意見を聞き、これらを参酌いたしまして決定をいたしたい、かように考えております。
  18. 片島港

    片島委員 この法案の審議最後になろうかと思うので、最後にだめを押しておきたいのでありますが、憲法第八十九条には、公金その他の公けの財産、いわゆる公共施設博愛事業などに対し、慈善、教育などの事業に対して、その利用に供してはならないということをいっておるのでありますが、この関係をこの際明らかにしておいていただきたいと思います。
  19. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 郵政大臣寄付募集の主体となりますが、寄付金は国庫の歳入となる、郵便局から郵便募金管理会に払い込まれるということになっておるわけであります。従いまして、郵政大臣が国の支出によって寄付するのではありませんから、憲法第八十九条には違反をしないものと考えております。
  20. 片島港

    片島委員 あなたは間違った答弁をしておられる。今国の支出は何らないと言うが、従業員窓口で労務を提供する。国家公務員ですから、国の支出ですよ。お年玉寄付金窓口で取り扱うというのは国の施設です。郵便局窓口は国の施設ですよ。ですから、寄付金を国の施設利用して使っているじゃありませんか。
  21. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 なお、このはがき発行及び売りさばきに要した費用は、この法律の第五条第六項によって郵便募金管理会から郵政省へ納付することになっておりまして、国はこれらの団体に金銭上の利益を与えるということになっていないのであります。
  22. 片島港

    片島委員 まだそれでは不十分なんです。憲法には公けの施設などを使って寄付金を募集するというのは——その取り扱った経費をちょうだいするならば、それでいいという意味じゃないのですよ。公けの施設を使ってはならないということは、公けの権威という、すなわち金銭にかえられないところの国の権威、公けの権威というものを利用して慈善事業その他の博愛事業などに使ってはならないというのであって、国の方に経費幾らかちょうだいしたらいいのだということは、憲法八十九条の解釈には当てはまりません。たとい経費をとっても、そのあたりで街頭募金をやるのと違って、郵政省という非常に大きな権威寄付金の母体となるということは、金銭にかえがたい大きな効果があるのです。だからそういう国の支出をしてはならぬということがこの憲法第八十九条に書いてある。
  23. 坂野學

    坂野政府委員 憲法八十九条には、公金その他の公けの財産博愛事業云々、これに支出し、または利用に供してはならない、こういうことが書いてございまして、私どもといたしましては、これは、実際上これに対して利益を与えるというような方法でこの利用に供してはならない、こういうように解釈をしておりますし、また従来、たとえば私立学校等におきましても、これは実は国から経費が出ておりまして、憲法上の問題になりましたけれども、これは八十九条の違反の問題ではない、こういう工合法制局その他の解釈も一致しております。郵便局を使いまして、この寄付を募るということも、単に郵便局通常施設、だれでも利用できる施設をこのために利用するというだけでございまして、私立学校等に国が補助をするというような場合とちょっと趣きを異にいたしまするけれども、私どもといたしましては、これは八十九条の違反ではない、このように考えておる次第でございます。
  24. 片島港

    片島委員 それは八十九条の憲法解釈について非常な曲解です。これは私が申し上げました通り、国という公けの権威一つのよりどころにして寄付金などの仕事をやってはいかぬということが憲法に書いてあるのであって、ただ、だれもが使うところだから、だれでも使います。役場でも、市役所でも、東京都庁であろうと、県庁であろうと、それはだれでも使う公けの施設であるが、そういう一つ権威を持ったところをよりどころにして寄付を集めてはならぬ。それが問題になりながらも、一番最初にこの法律案通過するときに、軽く、それをそう大きな疑義としなかったのは、寄付金の対象となる金額が少かったものですから、この程度のことならばというところで、これはそう大きな問題にならなかった。ところが、それが四億五千万になり、今度は七億になり、十億になり、二十億になり、これが何十億になっても、幾ら大きくなっても問題にならぬというわけにはいきません。一応一番最初は、金額が少い。少いうちは、法律違反しておっても大したことはない。同じ法律で罰金を取られるにしても、たとえば軽犯罪法では立ち小便をしてもこれはやはり犯罪になる。しかし事柄がきわめて軽微であるから、それは刑罰に付さないだけです。見ても見ぬふりをする。しかし、それがだんだん大きくなれば、大きな問題になります。国会正面玄関に来て立ち小便をやったら、それはやられますよ。そういうことで、問題は同じことであっても、金額が小さくて、あまり大した問題でない場合は見のがすことができるが、今言われたように、だんだん金額がふえてくる。昨年四億五千万、今度は七億と、だんだんふえてくるのですから、そうなった場合には、一番最初の場合と、この法律解釈も変ってこなければならぬと思うのでありますが、どうお考えですか。
  25. 坂野學

    坂野政府委員 憲法八十九条に関連する問題といたしましては、それは金額という点ではなくて、事柄の性質から、違反であるかどうかという問題でございまして、この八十九条に郵便局による募金違反するかどうかという問題につきましては、当初この法律を作ります場合にもいろいろ論議をされたのでございまするが、これは八十九条の違反ではないという結論に到達いたしまして、今日これを実行しておる次第でございます。
  26. 片島港

    片島委員 あなた方はこの法律案を出されたのでありますから、自分たちで、そういうことでも、ここで答弁をしなければ、なるほど、それはそうでございます、憲法違反とは承知しながら出しました、とは言えないのは当りまえです。しかし、問題は寄付金ですから、寄付金という金額がついた場合には、それが非常に少額である場合には見のがす、しかし金額が大きくなれば見のがせない、こういうことが出てくるのは当然であります。しかし、このことは私が幾ら言っても、今のような答弁しかないと思うから、それでは、さらに郵便法の問題でただしておきたいと思うのであります。  郵便法の第二十二条には、御承知のように、「年賀状として差し出された通常葉書の料金は、四円とする。」こうなっておる。ところが大臣からの先ほどの答弁、またおそらくそうなるであろう今までの政府側答弁からいくならば、八億枚発行して、七億枚には一円ずつの寄付金をつける。そうすると、要するに八分の一しかこの郵便法第二十二条によるはがきは買えないわけです。八分の七は、どうでもこうでも、年賀状を行って買おうとすれば、五円で買わなければいかぬ。一円は寄付金だからと強弁されるでしょう。一円は寄付金であろうと、なかろうと、それしがなければ、それしか買えない。それじゃ私製はがきを買って、それに四円の切手を張ればよろしい——これは四円のはがきがあるわけですから、官製はがきという制度があるのに、わざわざ私製の紙代を出し、印刷代を出して別に作ったら、また一円以上につくかもしれぬ、つくでしょう。良質の私製はがきを作ったら……。やはり四円では出せない。せっかく郵便法第二十二条に、年賀状として出す場合には——たくさん出してもらうのだからという意味もありましょう、四円とすると、こう書いておいて、お年玉お年玉でみなつくわけですが、寄付金のついたのが八分の七ということになるならば——今年のように二億五千万枚は四円が出る、四億五千万だけが五円であるということになれば、約半半は四円というのがありますから、まだ幾らか救済できますが、八億のうち七億だけは五円だということになると、この法律二十二条は羊頭狗肉の政策ということになっていくのであるが、この点についてどうお考えになるか。
  27. 坂野學

    坂野政府委員 四円を出すか、あるいは五円の寄付金つきを何枚出すかという点につきましては、先ほど大臣から御答弁になりましたように、いろいろ一般の要望その他御意見を承わってこれを出すということに相なる次第でございまするが、私どもの世論調査等をいたしてみました結果によってみましても、やはり五円の寄付金つきのものを相当出してほしいという声も、ちょっと今詳しい数字はわかりませんが、約六〇%程度はあるわけでございます。また四円でも五円でもいいというようなパーセンテージも一五%くらいあるというようなことでございまして、その他意見なしというようなのもございまして、私どもといたしましては、そういうような点も勘案しながら、四円をほしいという方に御不自由をかけるというような意味でなく、この寄付の趣旨もよく了解していただいて、この発行の枚数を決定いたしていきたいと、このように考えておる次第でございます。
  28. 片島港

    片島委員 あなたは、それを自分だけが持っている資料だと思われるから、そういう下手な答弁をされるが、その資料は私も見ているのですよ。その資料には、四円も五円も両方出してくれというのが大多数なんです。それはその通りでしょう。だれが五円ばかりにしてくれというのが過半数になって、四円が幾らでもいいというのが少いなんて——それは常識で考えてみても、ここにおられる皆さんに、四円と五円と両方あった方がよろしゅうございますかと聞いたら、それはみな四円、四円というのが百人が百人当りまえですよ。それは寄付をするだけの能力のある、普通われわれは五円でもかまいません。しかし小学生でも、いろいろな社会施設などに入っている非常な貧困児童あたりでも、やはり年賀はがきは出したい。そういうものに私製はがきを買うてきて、四円張れば出せるなんというようなそっけないことでは、郵便のサービスはできない。やはり郵便局に行けば、四円で、一円でも安いものが、非常に貧乏な大衆でも買えるという制度があって初めて、郵便事業というものがほんとうに一般大衆のサービス機関であるということになってくる。あなたのような言い方をされて、憲法上の疑義もない、それから五円というのは、一円は寄付金だからというようなことで考えていくと、八億枚のうち、一万枚だけは四円をつけておいて、七億九千九百九十九万枚は五円でもかまわぬ、極端にいえばそうなる。あるいは一つも出さぬでいいかもしれない。もとは四円で、あとはみな寄付金ですから、郵便料は四円であるし、この法律の第二十二条というものは、四円でも買えます、出せますという趣旨ですから、それにプラス一円がついた場合に五円になる。もとの郵便料は四円ですと解釈をしてみたところで、貧乏な子供なんかにわかりやしません。四円と書いてあるから四円だ、こういうように考えておる。それを四円は少くてもかまわぬ、資料はこらだとおっしゃるが、私は資料は拝見しました。資料はやはり四円も五円も一緒にあった方がいい、こうなっておりますが、どうですか。
  29. 坂野學

    坂野政府委員 資料によりますと、四円でもいい、五円でもいい、四円、五円両方出すべしという意見も、御説の通りございます。しかしこの四円の方を何枚出したらいいか、あるいは五円の寄付金つきを何枚出したらいいかという点の資料というよりも、両方あった方がいいという一つの調査の結果でございますが、これは安ければ安いのがいいというのが人情でございます。しかしながら一円の寄付というものは、とうとい社会なべ的な性質のものでございますので、国民の方も、これは一般の恵まれない人の正月のお年玉なんだから、この郵便はがきに一円のお年玉をつけてやってもいいのではないかという御意見の方も相当ございます。そういうことも、われわれの方としてもいろいろ考慮しながら、その数字をきめていきたい、こういうふうに考えております。
  30. 片島港

    片島委員 郵務局長は、そういう非常に曲解される言葉を使ってはだめです。四円のはがきにも、五円のはがきと同じようにお年玉はついておるのです。今言っているのは寄付金です。お年玉は四円にも、五円にもついています。あれを持っていけば抽せんでくれる。それを一般の人が五円の方はお年玉の代金だと考えると、これは大へんな間違いだ。四円にも同じようにお年玉はついているのです。五円というのは、一円は寄付金なんです。それを郵務局長という最高権威の人が、お年玉を一円つけてやってもいいという、そういういいかげんな言葉を使っては困ります。これは議事録に残る。私が言っているのは、一円くらいの寄付金はよかろう、これは一般の人は問題ない。しかし、どのくらいにしたらいいかということは、資料に出ない。それは出ないですよ。どのくらいの需要があるかということを、一般大衆が知っておるわけがありません。一億出して、そういう四円のはがきもありますということを感じるならば、一億がどの程度行き渡るものであるかというようなことは、利用者は知りませんが、しかし八分の一しかないということだけは、これはわかる。郵便局に行って、八分の一しか四円のはがきが買えない。あとは五円だ。一円はどうでも強制的です。それを買う以上は、私は寄付しませんと言っても仕方がない。それを五円でしか売らない。その点はどうですか。
  31. 坂野學

    坂野政府委員 私の説明がどうも不十分でございましたので、補足させていただきます。四円にも、五円にもお年玉がつきます。おっしゃる通りでございます。ただ私の申し上げましたのは、一円の寄付金というものは、ちょうど一般の利用者がお年玉をもらうと同じように、一般の貧しい人にも、お年玉的な意味で一円を寄付しようという方も多いということを申し上げたわけでございまして、今までも過去二年間、四円にも五円にもお年玉がついておる次第でございます。どうも説明が不十分でございました。
  32. 片島港

    片島委員 その点は釈明されても、四円という問題については何ら答弁になっておらぬのであります。あなたは先ほど一円くらいの寄付金はやってもいいというふうに簡単に言われましたが、一般大衆は、先ほど言いましたように、いつでも四円が買えるということの方が喜ぶのは当りまえです。しかし郵政省発行しなければ買うことができない。それを五円と四円が七対一という関係になるならば、この法律が羊頭狗肉の法律になるのではないかということを私は追及しているのです。
  33. 坂野學

    坂野政府委員 もし八億発行するといたしまして、七億が寄付で一億が四円でいいのかどうかという点につきましては、先ほど大臣が御答弁になりましたように、これは各界の御意見等をもお聞きいたしまして、そうして郵政審議会の議を経まして、そこできめるという段取りになっておりまして、ただ私どもといたしまして、前国会ではこうだという点を申し上げた次第でございます。
  34. 片島港

    片島委員 郵政審議会と言われますが、あなたの方で案を作って、説明をして、やはり質疑はありますが、それに反対するような委員——あなたの方で郵政審議会委員は任命しておられるわけですし、おそらく絶体多数で、自分たちの腹が痛むわけじゃありませんから、みな、一円でやろうじゃないか、よかろうということになる。しかし一般大衆はそういうわけにいきません。小学生まで年賀はがきは出すんです。最近は昔の風潮に返りつつある。私はいいことだと思う。一年に一回のごぶさたおわびぐらいはやった方がいいと思います。それが、法律的に四円で買えるのが買えないようになります。サービスが悪くなる。今までは二億五千万枚買えたのが、一億枚しか買えない。減るんです。だんだんサービスをよくしていこうというのに、サービスが悪くなる。しかも去年は、四億五千万と二億五千万、合計七億であった。ことしは昨年の分には全部寄付金をつけるということになりますから、非常な不便、サービスの低下になる。私はこの点を追及しておる。しかし、ほかの委員から関連質問があるそうでございますから、ほかの問題については、またあとで伺います。
  35. 淺香忠雄

    ○淺香委員長 金丸徳重君。
  36. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 お年玉の法案につきましては、前国会からすでに論議が続けられております。私がいささか疑問に思っておったことにつきましても、すでに十分尽されておるかもしれぬことをおそれるのでありますが、しかし、一応私といたしましてはやはりお伺いをいたしておきたいと思います。さような意味におきましてお答えを願いたい。  この法案で一番問題になります点は、今片島委員から問題にされましたところの数量のことだと思います。実際問題として、私は地方におって見ておったのでありますが、お年玉つきはがきの数量につきましては、現地の郵便局長、特にいなかの特定郵便局長などは、この売りさばきについてはずいぶん苦労をいたしておるのが、今までの状況でありました。そのために、事前に注文取りに歩くとか、あるいは自分で何かの宣伝方法を持ったりして、数量の消化に努めておるというようなことであったのであります。そこで、この数量は、今聞きますと、今年は四億五千万であったのが、来年は七億くらいを出そうと言われるのですが、このような飛躍的に増加する、あるいはされなければならない事情、あるいはしてもよろしいとお見込みになった条件、そういうようなものについて少し承わらしていただきたいと思います。
  37. 坂野學

    坂野政府委員 お答えいたします。三十二年度お年玉つきはがきの売りさばき状況並びに年賀郵便の総売りさばきの枚数は、大体八億六千万でございまして、ことしの郵便物の伸びからいたしますると、大体九億くらいには十分なるという見通しでございまして、年賀はがきの八億は、昨年の売りさばきの状況から見まして、さして困難な数字ではない、さように考えておるわけでございます。それから寄付金つきのものをどうするか、あるいは四円のものを幾ら出すかという点につきましては、先ほど大臣からお話がございましたように、さらにいろいろな御意見等も承わりつつ、また今後の社会的ないろいろな要望という点も勘案しつつ、今後の審議会で決定されていく、このような状況になっておる次第でございます。
  38. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 数量の点については、これから十分世論を調査なさる、あるいは審議会で審議を受けてと、こう言われますが、しかし実際問題としては、何か七億くらいで計画が進められておるのじゃないかという疑いを私は持つのであります。前国会における討議の中におきましても、これは強く主張されておるところでありました。のみならず、この法案を通すにつきましては、厚生省との間にもかなりいろいろと折衝が持たれておると思います。厚生省といたしましては、このお年玉つきはがきによって受けるところの社会福祉施設についての経費といいますか、そういう方面に対して、かなり大きく依存している、期待していると思います。それが七億と押えられるか、それとも四億と押えられるかにつきましては、社会福祉事業の将来の見通しについてずいぶん大きな問題だと思います。私はさような意味におきまして郵政省が七億という一応の根拠といいますか、数字を出されたことにつきましては、ずいぶん検討されておると思いますので、これを非常に重要視してお尋ねをいたしておるのであります。問題は、去年寄付金つきでない二億五千万を種にして、四億五千万を売りさばいた、しかも、このさばき方については、これは中央におかれてはどうごらんになっておるか知りませんけれども、私ども地方においていろいろ勧誘を受けた方ですから承知いたしておるのでありますが、前々から注文取りをする、説明会をする、あるいは利用者を集めてお茶菓子くらい買っていろいろやるというようなことをして、苦労をいたしておるのであります。二億五千万を種とするということは少し不穏当かもしれませんけれども、とにかくそういうものを持っていて四億五千万をさばく場合においても、なおかつそういう苦労をしておる。今度の御計画のように一億きり出ないんだ、それで七億という比率をもってこれをさばけということになりますと、現地の者としては、今まで以上に何倍かの苦労をしなければならぬと思うのでありますが、その点はどういうものでしょうか。
  39. 坂野學

    坂野政府委員 すでに七億で準備しておるのじゃないか、こういうようなお話でございますが、これはただいま決してやっておりません。一応この前の国会のときにそういう案もあるということをお話した状態を、今日までもまだ続けておる次第でございます。  それから、この売りさばきにつきまして従事員が非常に苦労をする、これは私どももその点につきまして十分に承知いたしており、また私ども非常に感謝をいたしておるわけでございますが、これらの労苦をなるべく軽減をさすようないろいろな売りさばき方法につきましても、今後十分に対策を立てますと同時に、これらの労苦に報いるような各種の年末の施設につきましても、さらに検討いたして考えていきたい、このように思っておる次第であります。
  40. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 数量の点につきましては、これ以上かれこれ言っても仕方のないことでありますが、そこで、数量がどうなるにいたしましても、去年の四億五千万よりも減るとかなんとかいうことはあり得ないように私は思うのであります。またそのように、郵政大臣としては、これに大きく一歩前進されたというよりも、社会福祉施設について今までとかく縁の下の力持ち的な存在といいますか、そういう立場できたものが、今度ほんとうに表に出て、全責任を持ってこれに力をお入れになるということでありますので、ほんとうに画期的な第一年を迎えられることと思います。さような意味におきまして、去年の四億五千万よりももう少しよけいになるであろうことは想像されますし、また私どももそういうことを期待するのであります。それだけに現地の実際に売りさばきに当る者、消化に当る者たちの苦労なり何なりにつきましては十分御研究をいただいて、これに対する対策を練っておいていただかなければならないと思います。今郵務局長からのお答えによりますと、十分考えておる、こういうことでありますが、物質面においていろいろと対策を講ぜられるということ以外に、何か精神的といいますか、心理的に非常に張り合いを持つ、あるいは非常に意義を感じるというようなことについて何かお考えを進められておりますか、どうですか。
  41. 坂野學

    坂野政府委員 この法案の条文はちょっとわかりませんが、寄付を受ける団体等が守るべき事項というような項目がございまして、その中にも、この寄付を受けて作られた施設が、ほんとうに郵便従事員の汗水たらした結果によるものだという表示もぜひしてもらいたいというようなことを、この中に一項目うたう予定でございますし、さらに寄付を受ける団体あるいは一般の国民に対しましても、このお年玉はがきによる寄付金の意義を今後ともさらに一そう周知徹底させていきたい、このように考えておる次第でございます。
  42. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 まあ心理的に張り合いを持たせるというような意味におきまして、私もそう具体的な案を持つわけではございませんけれども、ただ管理会の構成などについては、自分たちの最も注文しやすいとか——あるいは注文というとおかしいですが、近しい人々を送り込んでもらう、あるいは各現地にある社会福祉協議会というようなものの構成メンバーに——公務員が入れるかどうか知りませんけれども、しかし公務員たるの地位から去った者、しかしながら郵政事業に非常な理解のある者を、そうした社会福祉協議会というようなもののメンバーに送り込んでおいて、その中で、社会福祉事業の運行の状況なりを承知しながら、またお年玉はがきの売りさばきによって社会福祉事業に貢献せんとする郵政従業員の意思が、そこに十分に反映していくような形をとるようなことも、一つの方法だと思うのでありますが、いかがでありましょうか。
  43. 坂野學

    坂野政府委員 すでに中央の共同募金会におきましては、御承知のように郵政省関係の人も入っておりまして、連絡も十分にとりつつやっておる次第でございますが、地方におきましても、今後私ども、共同募金会あるいは日赤等とも十分お打ち合せをいたしまして、連絡を緊密にいたしまして、この寄付金による施設がうまくできる、このように進めるための、ただいまおっしゃいましたような方法につきましても、一つ今後いろいろ打ち合せをしていきたいというように考えております。
  44. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 私は、この法律が今まで長く懸案にされておった幾つかの問題を片づけるという意味において、大へん御苦労なさったことにむしろ感謝の念をさえ感ずるものでありますが、それにつきましても、これによって郵政従業員が表に出てきたという意味におきまして、非常に責任感を強めると思います。苦労は増してくる。今まではほかの、厚生省の仕事をお手伝いするというような気持であり、また現地でいろいろ問題になって、たとえば抱き合せするとは何事だとか、五円があって、四円が売り切れるとは何事だというようなことで、窓口ではとかくいざこざを起しておる。それらに対して汗水たらして弁明これ努めておるというような状況であったのでありますが、それにもかかわらず、よそさんの仕事を手伝うというような気持もあって、若干は気が楽であったかもしれません。しかしこの法律で、今度は表に出て、自分たちが全責任を持ってこれに当らなければならないという立場に置かれておると思います。さような意味において、そういうことについての責任感を満足せしめるだけの対策というものは十分立てておいていただかなければならないと思います。この問題につきましては、それだけにとどめておきます。  もう一点、これは話が非常に飛躍するかもしれません。しかしこの法律の中にはお年玉つきはがきばかりでなくて、その他の寄付金つきはがきが出せるような形になっておるのであります。かって四、五年前でありますが、私はかすかに記憶するのでありますけれども、広告を刷り込んだ官製はがきを売り出すというような制度をとられたことがあったように思います。この制度の現在の状況などについて一つ承わりたいと思います。
  45. 坂野學

    坂野政府委員 広告を刷り込んだはがき発売は今までいたしておりません。ただ済印にかける際に、その済印に広告を入れまして配達をするという例はございます。
  46. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 それは政府として研究されておったということだけだったんで、実際問題として表に出なかったということでありますか。研究されたことはあったように記憶するのでありますが、いかがですか。
  47. 坂野學

    坂野政府委員 いろいろお申し出もありまして、研究をいたしましたけれども、これを売りさばく等につきまして非常に難点がございますので今日まで実現を見ておりません。
  48. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 実はこのお年玉はがきの売りさばきについては、私は苦労する面ばかりを見ておるものですから、特にそんな感じを持ったのでありますが、これは期限的に非常に制約されており、あとはただになってしまう。ただと言ってはおかしいが、むだになるということで、現地の郵便局長なりその他の幹部の人たちは、この消化について非常な苦労をしておる。これは期間的に限定されており、しかも数量が多いからということであるのでありましょうが、せっかくこの法律ができますので、今のお考えをもう少し進めていただいて、一般的に常時寄付金を取れるような形、これは必ずしも一月とか二月ということでなしに、半年かかっても一年かかってもいいから売れるというような寄付金つきの、しかもそれは利用する方で——利用するというとおかしいのですが、寄付する方で自分仕事の広告にもなるという、一挙両得の案をお考えになる時期になったのではないかと思うのですが、いかがでありましょうか。
  49. 坂野學

    坂野政府委員 郵便はがき等に広告をとるとか、あるいはこれに常時寄付金をつけてやるというようなことにつきましては、その手数等も非常に煩瑣でございますので、ただいまのところ私どもとしては考えておりません。
  50. 片島港

    片島委員 少しく締めくくりをしておきたいと思うのでありますが、昨年までの寄付金四億五千万円というものは、その配分の時期、それからその管理についてどういうようなことが行われてきたのでありますか。今度は新たに管理会というのが別にできますから、そこで出納をやるようになっておるのでありますが、出納のみでなく、その管理をどういうふうにしていかれたか。たとえば四億五千万円というのには相当の利息などもついたであろうと思うのでありますが、そういうものはどういうふうな処理がされたか、そういった管理の方面をお伺いしておきたい。
  51. 坂野學

    坂野政府委員 このお年玉はがき発行の当初におきましては、御承知のように寄付金郵便局から直接に共同募金なり日赤に参ったわけでございます。ところが、その寄付金幾ら集まったかという集計等につきまして、いろいろ手数を要しますると同時に、またその使途等につきましても、御承知のようにいろいろ批判があった、こういうことで、昭和三十一年と思いますが、そのころから共同募金と日赤が共同いたしまして、私的な団体でございまするが、募金の保管部というものを置きまして、この金を保管部が管理する、こういう仮の制度を作ったわけでございます。ただいままでのやり方は、各郵便局から郵務局長個人の振替口座に金が一括して払い込まれ、その寄付金を保管部に回す、このような変則的な形をとっているわけでございます。その理由は、先ほど申し上げましたように、この寄付金の清算をいたします場合に、郵便局におきましてどのくらいはがきが売れたか、その枚数がわかれば、当然そこに寄付金の額が全部わかるわけでございますけれども、これを通り抜けにいたしますと、たとえば共同募金にそのまま参りますと、共同募金の方では各種の募金もたくさんございますので、それと混在いたしまして、なかなか清算ができにくい、こういう関係になりますので、ただいまは一応郵務局長をトンネルにいたしまして、保管部にそれが保管される。それらの利息でございますが、ただいままで約一千九百万円の利息がたまっております。これらの利息は、郵政審議会等にも諮りまして、この寄付目的に沿って、さらにこれを配分するという計画を持っております。
  52. 片島港

    片島委員 そうすると、今度管理会というのができるわけでありますが、従来共募、日赤で作っておった管理部ですか、保管部、あるいは今郵務局長個人の口座に入っておった四億五千万円、その関係は、今度法律案が改正になりますれば、四億五千万円は、郵政大臣と厚生大臣の覚書にもありますように、従来と同じように手をつけない。こういうような趣旨でありますから、今後は四億五千万円は郵務局長の個人口座にも何も入らないで、そのまま、従来通りとすれば、日赤二、共同募金八という二対八の割合で配分されておるのでありますが、それは郵務局長の口座なども通過しないままに直接行くようになるかどうか、その点を御説明願います。
  53. 坂野學

    坂野政府委員 この法律案にもございますように、すべて寄付金は一応全部郵便募金管理会に保管をされるということになりますので、直接には共同募金にも日赤にも行かない、こういう仕組みになっております。
  54. 片島港

    片島委員 従来だんだんと四億五千万にまでせり上った既得権があるのでやはり共募、日赤八対二の割合でおそらく今後も配分されるものと思うのでありますが、非常に高額な金額でありますので、私はこの機会に共募及び日赤の役員構成、その役員の、たとえば会長あるいは副会長、常務理事、そういう方々の前歴、今まで何をやっておられたか、そして現在は何をやっておられるか、この名簿を明日の委員会に出していただくようにお願いしておきます。
  55. 淺香忠雄

    ○淺香委員長 次会は明三日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午前十一時四十九分散会