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川上政府委員 この前からの御
質問に対しまして、相当細部にわたっておりますので、私から便宜答弁申し上げます。
私の方としましては、
中小企業対策としましていろいろ問題があるわけでございますが、第一の問題としましては、この組織の強化の問題についきましては、昨年臨時国会におきまして
中小企業団体組織法が制定されまして、この法律が四月の一日から
実行されております。四月以降におきまして
中小企業安定
審議会を設置いたしまして、この安定
審議会におきまして、いわゆる第九条の
不況要件の判定基準を決定いたしまして、これを五月の二十日に告示をいたしておるわけであります。今日まで
中小企業安定法に基きます調整組合制度による調整組合が、約三百くらい、すでにこの団体組織法に基く商工組合に切りかえられております。それからまたいろいろな調整命令とかそういうものも、この法律による命令に切りかえておるわけであります。新しい組合につきましては、今のところまだ出てきておりません。近いうちにいろいろなものが出てくる気配になっております。おそらく八月、九月ごろになりますと、各方面からいろいろな組合の申請が出てくるんじゃないかというふうに
考えます。私
どもの方としましては、この法の精神に照らしまして、またこの
委員会、国会の
決議を尊重いたしまして、この組合の組織に対しまして遺憾のないように努力したいというふうに
考えております。
それから
中小企業金融の問題につきましては、先ほどいわゆる
政府の
財政投融資関係につきましては、数字をお示ししまして申し上げました
通りでありまして、私
どもの方としましては、この秋口になりまして相当問題が起きる可能性もないとも
考えておりませんので、何とかその際を切り抜けるために、現在持っております
余裕金の方から極力
増額して出すように努力したいというふうに
考えておるわけであります。
なお、
中小企業信用保険公庫につきましては、この前の国会において法律が制定されまして、この七月一日から公庫が成立し、すでに発足を見ておるわけであります。これは産業基盤
関係の法律がまだ通過しておりませんので、これに基く六十五億につきましてはそのままになっておりますけれ
ども、従来から特別会計で持っておりました二十二億と、今回の
予算によって一般会計から出されることになりました二十億、それを合せて四十二億の基金をもちまして、先ほど申し上げましたように、この七月一日からすでに発足をしまして業務を開始いたしておるわけであります。これが軌道に乗りますれば、相当一般の
金融機関からの
中小企業向けの
金融が円滑に行われるものと期待いたしておるわけであります。
それから第三の問題としましては、税の問題でありますけれ
ども、従来から、たとえば事業税につきましても、法人税につきましても、あるいは所得税につきましても、いろいろ
中小企業のために特別なことをやって参りましたが、必ずしも私
どもは十分ではないと
考えますので、特に事業税の軽減等につきまして、さらに研究を進めまして、今後特に零細企業を重点とした事業税なりその他の税の軽減に努力をいたしたいというふうに
考えておるわけであります。
それから第四の問題としましては、設備の近代化の問題でございますが、本年度におきましては昨年度よりもさらに二億増加いたしまして
政府の出し前を六億としまして、また県の方から同額、すなわちそれを入れますと十二億、県及び
政府の方で合せて十二億、それから従来の回収分を入れますと大体十五億くらいの金が、本年度設備近代化のために無利子の金が出されるわけでございます。こういたしますと、三十三年度におきましては、少くとも四十五億程度の設備の近代化が行われるのではないかというふうに
考えておるわけであります。しかしながら最近の大企業と中少企業との格差の
関係とかあるいは
輸出貿易の
関係とか、いろいろな点から見ますと、どうしても四十五億程度の設備の近代化をはかるということでは、とても私の方ではこれはようし得ないというふうに
考えますので、三十四年度以降におきましては、さらにこれに対しまして
政府の金も
増額し、あるいは特別な
金融措置も
一つ考えて、設備の近代化をもっと進めなければならぬというふうに
考えて、現在
検討いたしておるわけであります。
それから第五の問題としましては、いわゆる技術の指導とか経営指導につきましては、いわゆる
中小企業診断制度というものがありますが、本年度におきましてはこれも
予算におきましては
増額されまして、強化されております。あるいはまた試験所の問題についても、本年度におきましては新たに助成金を六千万円程度地方の各公設試験所に出しまして、機械の入れかえ等を行いまして、ほんとに
中小企業の世話ができるような試験所にしよう、指導機関にしようということで現在進めておりますが、こういう問題につきましても、今後さらに強化したいというふうに
考えておるわけであります。
その次の問題としましては、小売商業
対策の問題でありますが、私
どもといたしましては前国会におきまして私の方から出しました小売商業特別
措置法案が流産になりまして、そして近いうちにまたこの法案をもっとよりよいものを作って出せというこの
委員会の
決議にもなっておりますので、私
どもとしては現在この問題をいろいろ
検討しておりまして、たとえば小売市場の問題でありますとか、あるいは生産協同組合との
関係、あるいは購買会との
関係、あるいはまた大企業が小売に進出する場合の問題とか、そういう問題をいろいろ
検討いたしまして、前よりもよりよい案を作りまして、できれば臨時国会にこれを出したいということで、現在いろいろ進めておるわけであります。
その次には、
輸出振興関係につきましては、特に
中小企業が
輸出関係に占めております大きな地位を
考えますと、この際どうしてもこの
中小企業の
輸出振興対策について一段の努力をしなければならぬというふうに
考えております。従来からもたとえば
中小企業輸出振興施策奨励費助成金とか、あるいは
中小企業輸出振興技術研究費助成金とか、あるいは
輸出向け特産品の発掘、販路開拓事業費とか、そういういろいろなものに対してある程度の助成金なり、そういうことをやりまして、努力をいたしておるわけでありますが、私
どもの方としては今後さらにこれを強化すると同時に、もう
一つはやはり
中小企業で
輸出に適格な産業につきましては、どっちかといいますと、非常にかゆいところまで手が届くような行政をやってきておりませんので、私
どもの方としてはこれからは通産省の各原局なり、あるいはその他の省との十分緊密な連繋をとりまして、もっとこれを深く掘り下げて助長なり、あるいは指導なりをやっていきたいというふうに
考えて、これに対して今後は最も大きな力を注いでやるべきことの
一つではないかというふうに
考えておるわけであります。
それからこの前からいろいろ問題になっております共済制度の問題につきましても、私
どもとしてに最近の
中小企業者の従業員の問題とか、あるいは零細企業者の問題とか、そういう点をいろいろ
考えますと、やはりこういう共済制度というものが必要ではないかというふうに
考えますので、この問題につきましては最近いろいろ
検討をいたしておりまして、これは臨時国会になりますか、通常国会になりますか、ぜひともこういう制度の確立に持っていきたいというふうに
考えております。ただこういう問題につきましては、一般的な共済制度との
関係もありますので、その辺を十分考慮して
措置したいというふうに
考えておるわけであります。
それからこの前の国会において問題になりました最低賃金法の問題につきましても、これは
中小企業問題としても非常に大きな問題でございますが、最近の
中小企業の
現状からいいまして、あるいはまた
中小企業の中でも何とかこういう制度があることが、雇用確保の上からいいましても、あるいはまた
輸出貿易の
関係からいいましても、どうしても必要じゃないかという意見もありますが、それかといってこれを急激に推し進めるということもなかなかむずかしい問題でございますので、私
どもとしてはこの問題についてもさらに
検討しまして、この問題は労働者の問題でありますが、十分連絡をとりまして、
中小企業者にとりましても最も妥当な案を
一つ出していただいて、そういう制度を確立する必要があるんじゃないかというふうに
考えております。
それから最後に最近問題になっております週休制の問題でございますが、この週休制の問題につきましては実のところ私
どもの方はまだ十分
検討いたしておりません。昨年昔の商店法
関係を研究いたしまして、何か時間制とか、週休制とか、こういう問題について確立する必要がありはしないだろうかということを
検討しましたが、なかなかこれは時間にしましても、あるいは週休制の問題にしましてもむずかしい点がありまして、私
どもの方としまして自信のある案が全然今のところはできておりません。ただこの問題につきましても、
中小企業者の従業員や
中小企業者それ自体から見ましても非常に大事なことではないかと
考えますので、十分この問題は労働省その他の方と連絡をとりまして
検討したいというふうに
考えておるわけでございます。
大体
中小企業問題につきましては今のところそういうような情勢になっております。