○永井
委員 大臣のだんだんの
お話でありましたが、どうも
大臣はまだほんとうのことを言っていない。よそ行きの、道路の立ち話
程度の話よりまだ話をしておらない、こう思うのであります。現在の
不況の問題については、わが党は、特に、特別
国会ではあるが、この
国会で補正予算を出して
対策を確立するのでなければ、今日の
不況の事態の突破というものをスムーズに運んでいくことはできない、国際的な規模において発展している今日のこの
不況を国内において対処しますためには、この特別
国会の相当重点として、取り扱うくらいの意気込みでいかなければならないというほどに、
不況というものを重視しておるわけです。その深さをわれわれは分析して、相当深いものである、また長期のものである、こういう見通しを立てておる。ところが
政府の方では、いやこれはもうそうなんだから、八月か九月、ころになれば景気が立ち直ってくるだろう、こう簡単に口先では言っておる。口先では簡単に言っておるが、実場際には相当心配になるものですから、いろいろなことをちょこちょこ、補正予算をやらないという限界において小手先をごまかそうとしておる。ここに私はやはりほんとうにこの
委員会において、時間が経過すればそれははっきり答えが出るわけですから、私は
不況というものをこういうふうに
考えておる、そしてそれに対する
対策というものはこういうふうな
考えを持っておるということがここに明確になりませんといけないと思う。ところが
不況に対する論議というものが、今言ったように簡単なんだ、こう突っぱねて、そうしてほおかふりをしてしまう。これではこの
国会を通して国民がたとえば農民にいたしますと、米の価格の問題もあるいは乳価の問題も、どんどん農産物が値下りになって、もう深刻な状態になっておる。あるいは先ほど
中村委員からも話のありました
通り、
繊維関係は相当深刻な状態にある、鉄鋼もその
通りだ、
化学肥料もその
通りだ、造船もその
通りだ、業種別に洗ってみれば相当に深刻な事態ができておる。できておるにもかかわらず、
国会内における論議は、どこの国の
国会かわからないほどに、国内の不景気というものはそっちの方にやってしまって、いや大した不景気ではないのだと言う。こういう問題の扱い方というものは、単に特別
国会に補正予算を出さないからというだけの議会かけ引きとか、あるいは議会、
答弁ということでは済まされない問題である、こう実は私は
考えるわけです。でありますから、そういう点になると高崎さんなんかは、やはり実態をちゃんと皮膚の感覚でも感じておられる。そうしてどうしたらいいかということはもうあなたは勘でも
対策が出てくる、
方向づけられるということに私たちは期待しておるわけなんです。でありますから、国内における有効需要をどういうふうにして今後増していくのか、それにはどういう手をどういう順序でやるのか、あるいは国内における過剰
設備、過剰生産というものを一体どんな形で業種別に、たとえば鉄鋼なら鉄鋼の
関係、肥料なら肥料の
関係、二、三の例をあげて、
繊維の
関係においてはどういうふうな順序によってどういうふうにするのだ、これはこういうふうな現象が出ておるけれ
ども、実態はこうなんだから、これは九月ごろになれば立ち直るし、こうなるんだ、こういうことをごの
委員会を通じてはっきりすれば、この
内閣の
政策というものが
全国的に浸透することにもなりましょうし、またそれでけっこうなのではないか、こう私は思う。ところがそういう深刻な状態に院外が、わあわあ沸き立っておるときに、この院内では
不況の問題について
大臣はほとんど触れてないあいさつをしておる。そうしてその問題についてもほとんど触れないような、大したことはないのだというようなことで、ほおかぶりをしてしまうということになりますと、これは私たちは野党の立場ではなくて、国民の名においてこのままでは済まされない、こう思うのです。でありますから、国内における有効需要の刺激というものは、どういう順序でどういうふうにおやりになるか、それから過剰
設備に対する制限というものをどういうふうにおやりになるか、そしてそういうものを通して、国内における
産業機構の体質改善というようなことを盛んに言っておられるのであるから、どういうような体質改善をされるのか。実際は、
政府は
不況に対する
対策をほおかふりして、そうして診断を間違ったというような形にして、実際は時をかせいで、その中で
中小企業なり何なり、そういう弱小
産業というものを整理して、そうして大企業に集中して独占資本の強化をはかる、こういうことを今回の選挙を通して経団連等から選挙資金を多くみついでもらった結果に対する反対給付としてやるのではないかという心配を私は持つ、またそういう底意があるのではないか、われわれはそう
考える。そうでなければ今日こんな大騒ぎになっている
不況を、院内においてこんな簡単な扱いをされるわけはない、こう思うわけでありますから、まず、
貿易の振興の前に、国内におけるところの
産業体質改善というねらいを持つこれらの
不況対策について、具体的にこの業種を二、三あげて、そうしてどういうプログラムでこれをおやりになるのか、これを明確にしていただきたい。