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1958-08-30 第29回国会 衆議院 建設委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年八月三十日(土曜日)     午前十時四十一分開議  出席委員    委員長 堀川 恭平君    理事 木村 守江君 理事 佐藤虎次郎君    理事 瀬戸山三男君 理事 二階堂 進君    理事 中島  巖君 理事 三鍋 義三君       逢澤  寛君    大久保武雄君       川崎末五郎君    坂田 英一君       砂原  格君    橋本 正之君       服部 安司君    石川 次夫君       小川 豊明君    兒玉 末男君       東海林 稔君    塚本 三郎君       武藤 武雄君    山中 吾郎君       山中日露史君  委員外出席者         建設政務次官  徳安 實藏君         建設事務官         (大臣官房長) 柴田 達夫君         建設事務官         (計画局長)  美馬 郁夫君         建 設 技 官         (河川局長)  山本 三郎君         建 設 技 官         (河川局防災課         長)      山内 一郎君         建 設 技 官         (道路局長)  佐藤 寛政君         建設事務官         (住宅局長)  鬼丸 勝之君         専  門  員 山口 乾治君     ————————————— 八月十一日  委員島村一郎辞任につき、その補欠として山  手滿男君が議長指名委員に選任された。 同日  委員山手滿男辞任につき、その補欠として島  村一郎君が議長指名委員に選任された。 同月十六日  委員井原岸高君、及び大久保武雄辞任につ  き、その補欠として小枝一雄君及び原健三郎君  が議長指名委員に選任された。 同日  委員小枝一雄君及び原健三郎辞任につき、そ  の補欠として井原岸高君及び大久保武雄君が議  長の指名委員に選任された。 同月二十九日  委員橋本正之辞任につき、その補欠として佐  藤洋之助君が議長指名委員に選任された。 同日  委員佐藤洋之助辞任につき、その補欠として  橋本正之君が議長指名委員に選任された。 同月三十日  委員荒舩清十郎辞任につき、その補欠として  坂田英一君が議長指名委員に選任された。 同日  委員坂田英一辞任につき、その補欠として荒  舩清十郎君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  道路に関する件  河川に関する件  昭和三十三年豪雨災害に関する件  派遣委員報告に関する件      ————◇—————
  2. 堀川恭平

    堀川委員長 これより会議を開きます。  この際、政府当局より発言を求められております。これを許すことにいたします。徳安政務次官
  3. 徳安實藏

    徳安説明員 この機会に本年発生災害につきまして、その概況を御報告申し上げたいと存じます。  本年も、例年のように冬季風浪融雪等による災害発生を見ておりますが、その程度は比較的軽微でありまして、六月末までの被害報告額は三十八億円余の少額にとどまっていたのでございます。ところが七月に入りまして、災害が急増いたして参りまして、上旬の豪雨によって島根広島県等に二十二億円余の災害発生いたしましたあと、二十三日に台風十一号が本土に上陸いたしまして、中部、関東、東北地方に三十九億円余の災害発生を見、なかんずく静岡東京、茨城の各県におきましては激甚な被害をこうむっておるのでございます。これに引き続きまして、下旬に、豪雨により東北中部近畿等地方に約六十五億円の災害発生いたしまして、秋田、山形、新潟、長野、石川岐阜の各県は、非常な大災害発生を見ておるのであります。これによりまして、七月のみでも約百二十七億余円の災害を受けたことに相なる次第でございます。  また八月に入りまして、中旬に局地的豪雨により、青森県等に約十二億円余の被害があったのを初めといたしまして、二十五日に、台風十七号が和歌山県下に上陸し、近畿地方を縦断したため、近畿中部地方に現在までに三十四億円の被害報告されております。特に和歌山、奈良、滋賀、岐阜愛知、三重、静岡の各県の被害が激甚をきわめております。これら本年に発生した災害で、現在までに報告のありました総被害額は二百二億円に達する状況でありまして、うち直轄災害十六億円、補助災害百八十六億円となっております。  建設省におきましてはこれらの事態に対処いたしまして、被害の甚大であった県に対しましては災害発生後直ちに査定官を派遣いたしまして、現地調査並びに緊急復旧の指導に当らせておる次第でございます。なお速急に復旧資金を必要とする実情にありますので、復旧資金融資につきましては、大蔵省とも協議の上、地方財務局長の管掌する一般財政調整資金ワク内におきまして、とりあえず融資の方法を講ずることといたしましたが、なお希望によりましてはさらに資金運用部資金融通あっせんをも考慮することにいたしております。また予備費早期支出をはかるために、七月上旬までの災害につきましては、すでに直轄災害分に対しては八千万円、補助災害分につきましては緊急査定を完了した北海道、新潟富山島根広島の一道四県に対しまして、二億二千五百万円の支出をいたしておるのでありますが、台風十一号及び七月下旬の豪雨によりまして激甚なる災害を受けました岐阜県外十県に対しましては目下順次緊急査定を実施中であります。また台風第十七号で激甚な被害をこうむった県に対しましても、準備の完了次第、緊急査定を実施し、予備費支出をはかりたいと考えております。  なお本年の補助災害につきまして、過去四カ年の同期までの被害報告額と比較いたしますと、二十九年災が二百六億円、三十年災が百三十九億円、三十一年災が百億円、三十二年災が百九十五億円、三十三年災が百八十六億円でありまして、この五カ年災害のうちでは二十九年災、三十二年災に次ぐ災害であり、平均を上回っておる状態であります。  なお、この機会委員長並びに各位にお礼を申し上げたいと存じます。休会中における国政調査並びに御視察に当りまして、これらの災害につきまして、特に日程を変更願いまして、親しく現地について御視察を願い、委員長初め各位の御熱意に対して、各当該府県はもちろん、現地の諸君は非常に喜んでおるのでありまして、上京するたびに、異口同音に感謝の言葉を述べております。建設省といたしましても、非常に感激いたしておるところでございますが、いずれ御報告等もございましょうから、それらに対しましては、すみやかに皆様の御期待に沿うような措置をとりたいと考えております。ここに、大臣にかわりまして、委員長初め各位に深く感謝の意を表しまして、災害の御報告を終りたいと思います。     —————————————
  4. 堀川恭平

    堀川委員長 次に委員会におきましては三班に分れまして委員を派遣いたしまして、高速自動車国道建設状況災害復旧等に関しまして調査をいたしたのでありますが、この際派遣委員より報告を聴取することにいたします。中島君。
  5. 中島巖

    中島(巖)委員 私は去る七月二十八日より八月二日までの六日間にわたり、静岡愛知岐阜富山の各県における建設事業調査して参りましたので、その概要について御報告申し上げます。  御報告は、事業別にこれを行うことといたしまして、まず道路関係について申し上げます。今回の調査目的といたしましては去る第二十八回国会において成立いたしました道路法改正によりまして、一級国道の新設または改築及び維持管理等を、原則として建設大臣が直接行うこととなったことに伴う諸事情を調査することが、その一つであったのであります。一級国道直轄管理の問題は多年の懸案であったものでありまして、ようやくにして本年度よりこれが実現の運びとなりましたことは、道路事業を画期的に促進しようとする今日、まことに意義深いものと言わねばなりません。また同時に、これが成果につきましても、大いに期待を寄せておるものであります。かかる見地よりいたしまして、本事業が能率的、合理的に遂行されることを望むものでありますが、実情は、必ずしも満足すべきものではないように考えられるのであります。と申しますのは、直轄管理区間として指定されることによりまして、当然に擬制事業事業量が増加して参るのでありますが、この事業量を消化するに足る人員整備が十分でないという点であります。これは定員の増加を伴うことでありますので、他の問題との関連もあり、かなり困難な問題であることが想像されますが、国の方針として取り上げた事業である以上、仕事ができるようにだけはする必要があると考えるのであります。さらにまた、現在は都道府県に委任をしております行政上の管理についても、かりに逐次国に移行していくものであるとするならば、人員の問題と同時に、地方建設同等の機構についても、考え直す必要があるのではないかと感じたのであります。この点に関する政府方針を承わりたいと思うのであります。  さらに申し述べたいと思いますのは、道路退避所の問題であります。私ども東京より名古屋を経由しまして富山に至ります間に、一級国道一号線、二十二号線、二級国道岐阜—高岡線、その他多くの国道並びに地方道自動車にて視察をいたして参ったのでありますが、この間におきまして、至るところに経験をさせられて参りましたことは道路幅員が狭いために、すれ違いが困難であった個所が非常に多かったことであります。わが国の道路の現況ではこれは全国的な問題であろうと存じますが、これが応急対策といたしましては特殊改良事業として退避所設置することであろうと考えます。しかも、それを道路改良の将来計画と合致するように設置するのであれば、二重の投資とはならないのであります。明年度における本事業の大幅な予算増額要望するものであります。なお、建設省においては、現在明年度予算の要求についての作業をしているころだと考えられますが、これに対する具体的な対策があれば、この際承わっておきたいと考えるものであります。  次に、われわれは、各県にわたり多くの道路事業視察いたし、またそのつど地元の熱心な御要望を聞いて参ったのでありますが、これを一々申し上げることは避け、そのおもなものを拾って申し上げますと、まず道路整備促進要望するものといたしましては、二級国道静岡—浜松線の清水までの延長、国道一号線の未改良、未舗装区間早期完成国道二十二号線の整備促進名四国道建設県道名古屋—小牧線整備促進国道十九号線の改築主要地方道大垣—一宮線整備促進国道八号線改良工事早期完成、二級国道七尾—高岡線、同じく岐阜—高岡線整備促進等々であり、橋梁関係といたしましては、魚津市庁貝川天神橋立山町常願寺川立山橋について、それぞれ現地において、永久橋にかけかえの要望を受けて参りました。また二級国道一級国道への昇格に関しまして、名古屋—富山線昇格につきまして、関係県である愛知岐阜富山の各県よりそれぞれ強い要望がありました。これらは、各地方実情からして当然の要望であると考えられますので、この際当局善処をお願いする次第であります。  次に、河川関係について申し上げます。河川関係といたしましては、主として河川維持管理の問題を重点として取り上げ、中でも、特に砂利採取との関係について申し上げたいと思います。  御承知のごとく、近時におきましては、各種産業施設並びに高層建築資材として、河川砂利採取が非常に活発となっておるのであります。従いまして、業者間の競争が激しく、利潤追求のあまり、管理当局の命令を無視して違法に採取する者が続出したために、河床は極度に低下し、堤防護岸の基礎がゆるみ、橋脚の沈下とか、水道用水農業用水取水口が浮き上って取水が困難となる等、河川管理上ゆゆしい実情を呈しておるのであります。かくのごとく、違法に砂利を採取する業者が続出する原因の一つといたしましては、これらの違法行為に対する現行河川法制裁規定が、微弱に過ぎるのではないかという点が考えられるのであります。現行規定によりますと、最高二千円の罰金を課することができる程度でありまして、これでは現在の業者採取状況からして、全く制裁効果がないと思われます。一方、先年制定された海岸法におきましては、海岸における違法採取に対し、一年以下の懲役または十万円以下の罰金に処する旨の規定があるのでありますから、河川の利害が住民に及ぼす影響は、海岸におけるそれと比較してまさるとも劣らないものであることと考え合せ、本問題解決のため、早急に必要な法律改正を行うべきであると考えた次第であります。河川維持管理重要性につきましては、今さら論ずるまでもないところでありまして、災害を未然に防除するためにも、このことに怠慢であってはならないのであります。本問題に関しましても、後ほど政府当局の御所見を承わりたいと思うのであります。なお、河川事業関係につきましても、各地で種々要望を受けて参ったのでありますが、そのおもなるものといたしましては、静岡関係といたしまして、大井川の直轄改修工事促進狩野川直轄放水路開発工事促進愛知関係といたしまして、日光川、庄内川、木曽川、豊川の改修事業促進岐阜県におきましては牧田川改修事業直轄施工富山県におきましては、黒部川、常願寺川、庄川、小矢部川の直轄改修事業及び井田川外八本の中小河川改良事業促進等々でありますが、これらにつきましても、当局善処を強く要望する次第でありましす。  次に、都市計画事業関係について申し上げます。まず名古屋周辺臨海工業地帯造成計画について申し上げます。名古屋周辺臨海工業用地として現在計画されておりますのは名古屋南部、荒子川地域西南部地帯の三カ所約一千万坪にわたる地帯でありますが、われわれが面接視察をして参りました名古屋南部地帯について申し上げます。  名古屋港は京浜、阪神地区のほぼ中央に位し、中部日本における産業経済交通、文化の枢軸をなす中京工業地帯中心に位置しており、これを中心とした臨海工業地帯造成が同地方の発展に寄与するところ絶大であることは申すまでもないところであります。そこで、この南部臨海工業地帯有望性でありますが、まず第一に、臨海地帯造成する地域が遠浅で、周辺を浚渫することにより埋め立てができ、用地造成が容易であること、第二に、知多半島は、一般に洪積層丘陵地帯よりなり、その洪積層が海面に傾斜しているため、全般的に地盤がよいこと、第三に、工業用水交通気候等工業地帯としての立地条件がよいこと等がそれであります。計画によると、浚渫土をもって容易に埋め立てができる用地は、四百六十万坪であり、このうちより公共用地を差し引き、工場敷地として使用可能な用地が三百七十万坪となるのでありまして、その効果といたしましては約七万人の労働力が吸収され、年間一千三百六十億円の生産増が見込まれているのであります。本事業は単に建設省のみの関係ではないのでありますが、政府といたしましても、工業立国見地より、本事業に惜しみなき援助を与えるべきであろうと考える次第であります。  次に、富山魚津市の火災復興事業について申し上げます。魚津市が去る昭和三十一年九十日、たまたま台風十二号の襲来中、民家より出火して、たちまちのうちに十五万余坪を灰じんに帰した事件は、いまだわれわれの記憶に新しいところであります。当時の調査によりますと、焼失した家屋は、住宅一千三百九十二戸、非住宅その他二百余戸で、八十億円余の損害をこうむったのであります。直ちに県並びに市当局は十八万余坪にわたる区画整理事業計画を立て、道路幅員の拡張、共同耐火建築物集団的建設を行い、現在すでに百十戸の防火建築帯造成され、新しく近代都市として生まれ変ろうとしているのであります。しかしながら同市の区画整理区域内には、約三千余の墓碑があり、そのうち千数百基を移転しなければならないのでありますが、同地方は古来より非常に大きな墓碑建設する習慣があり、その移転には多額の経費を要するので、当初の査定補償額では移転が困難となり、区画整理事業の推進に大きな障害となっているのであります。魚津市といたしましては本事業完遂のため、補助金増額要望しておるのでありますが、これに対する政府善処要望するものであります。  最後に、今回の国政調査の直接の目的ではなかったのでありますが、岐阜県に参りましたときが、たまたま同県飛騨地方豪雨が襲来した直後であり、災害を目のあたりに見て参りましたので、これについて申し上げます。  去る七月下旬、本土に多くの被害を与えた台風十一号が東方に去った直後、不連続線が北陸地方から中部山岳地帯にかけて停滞し、七月二十五日、二十六日にわたって飛騨川、宮川高原川の各河川の広大な水源地帯に、最大雨量六百六十八ミリという記録的な豪雨が降り続いたのであります。この豪雨によりまして、飛騨川、宮川高原川危険水位を突破し、各所で堤防護岸が決壊流失し、これらの河川流域道路橋梁は寸断され、山地の崩壊、住家流失、死者、行方不明者が続出、田畑においても流失埋没等被害を受け、総額にして二十三億六千余万円、公共土木関係にして約十億円の被害をこうむったのであります。地元といたしましては鋭意復旧に努力いたしておりますが、同地方積雪寒冷地帯でありまして、冬季に入るのが比較的早く、また台風季を控えておりますので、復旧工事は緊急を要し、国庫補助事業の対象となるものについては、緊急査定を実施し、でき得る限りすみやかに着工できるよう強く要望いたしておるのであります。また羅災者に対する融資対策として、住宅金融公庫等貸出資金ワクの増配、あるいは市町村の実施する応急工事のためのつなぎ融資確保等、種々要望があるのでありますが、政府当局といたしましては、その後本問題に対していかに対処してきたか、この際伺っておきたいと同時に、災害復旧が早急に実施されるよう、強く要望する次第であります。  以上で御報告を終ります。     —————————————
  6. 堀川恭平

    堀川委員長 それでは次に道路河川及び住宅に関する件につきまして、調査を進めることにいたします。質疑の通告がありますので、これを許すことにいたします。中島委員
  7. 中島巖

    中島(巖)委員 ただいま中部班報告を申し上げたのでございますが、これとも関連いたしまして、この中でも政府道路政策について一部質問申し上げてあるのでありますが、これらと関連いたしまして、ちょうど来年度予算編成期にもあたり、新聞などでいろいろ報道されておりますので、これは大臣に質問するのが当然でありますが、本日は、大臣もお見えになっておりませんので、政務次官もしくは道路局長に対して御質問いたしたいと思うのであります。  実は、このごろの新聞を拝見いたしますと、前通常国会において道路整備緊急措置法外三件の法律が成立いたしたわけでありますが、そのときに政府当局説明といたしましては五カ年間におけるところの道路整備費が九千億というような説明であり、しかもその九千億の内容につきましても、それぞれ有料道路幾らである、何は幾らであるというようなことを国会答弁されたのでありますが、このごろの新聞を見ますと、九千億を一兆に予算を拡大する、その財源に対しては、ガソリン税をもって充てるというようなことが、佐藤大蔵大臣の談として各新聞に出ていたわけでありますが、そのような計画があるのかどうか、この点について、政務次官もしくは道路局長でけっこうでありますから、御答弁願いたい。
  8. 徳安實藏

    徳安説明員 ただいまの御質問でありますが、従来の九千億円を一兆円にしようということにつきまして、政府も党も大体意見が一致して参っておりますが、その他の問題につきましては、ただいま作業中でございまして、むしろ私が御答弁申し上げますより、一日にはこの委員会も重ねて開会の予定だそうでございますから、大臣から責任のある御答弁を申し上げた方がいいと思いますので、この答弁は、一日までお待ち願いたいと思います。いろいろ構想もございますけれども、まだまとまってこうだといってはっきり申し上げる段階に達しておりませんから、そういう際に、私や道路局長が軽々な御答弁を申し上げることはいかがかと思いますので、一つ大臣が出ますまで、一日にはなるべく出ていただいて御答弁するようにいたしますから、お待ち願いたいと思います。
  9. 中島巖

    中島(巖)委員 政務次官からも、ただいまのような御答弁でありますので、一日にはぜひ大臣出席を要求いたして、大臣に対して質問いたしたいと思います。  それから、こまかいことでありますので、これは道路局長にお伺いいたしますが、この報告にもありましたように、私ども長い二級国道を、何千キロになるか知りませんけれども歩きましたが、そのうち一番痛切に感じましたのは、最近自動車が大型になったために、よけ合いができなくて、三十分くらいずつかかってバックしてはよけ合いしてきたわけであります。そこで、国では大幅に道路費増額いたして、道路整備五カ年計画を樹立いたし、法律も通ったわけであります。しかし、これらの二級国道の末端までは、これだけではできないわけで、またできるといたしましても、五カ年間の残り日子を要する。その間において応急処置として、どうしたらばよいかというようなことをわれわれ委員の間でいろいろ話し合ったのですが、その結果、現在行われておる特殊改良の例の突角芟除退避所設置、これを大幅に行うことによって、ある程度これが救済できるのじゃないか、しかも、これも将来の改良計画ができるという条件を付してやりますれば、この突角芟除退避所設置も、次の計画に入った道路改良のときに、その金が浮くわけであります。二重投資ではないから、この点に、来年度予算編成については、大幅に重点を置かねばいけないというようなことが、私ども委員の一致した意見でありましたが、これに対しまして、道路局長はどういうお考えを持っておられるか、さらに来年度予算編成に対して、どういうお考えで臨むか、この二点についてお伺いしたいと思います。
  10. 佐藤寛政

    佐藤説明員 ただいま中島先生から御指摘がありました、未整備道路に対する応急措置と申しますか、退避所でも設けまして、バスその他自動車等すれ違い交代だけについても、支障ないようにいたしたい、こういう御意向に対しましては私どもはおっしゃる通り全面的に考えが同じでございまして、ただいまそういう措置をいたしております。実は道路整備事業によりまして、相当道路が年々改良されて参るのでございますが、全国九十万キロの道路から見ますと、まだ未整備道路が残っております。一方、バス等交通、現在年々足がふえると申しますか、山村の地までどんどんとバスが延びております。そういう交通に対処いたしますには、道路整備を少しでも進捗させるようにいたさなければなりませんが、それにいたしましても、なお相当整備期待いたしますには、数カ年かかるのでございます。そういう状態でありますので、応急に間に合せるためといたしましてはとりあえず改良が予定される改良計画に沿うて、できますところは二百メートル、三百メートル、できるならもっとこまかく、大した構造、施設でなくてもよろしいから、たとえば、がけを削りまして、すれ違いができるようにということを考えております。五カ年計画におきましても、そういうような応急自動車交代待避施設相当見込むつもりでおります。来年度予算におきましては、事業費にいたしまして十五億、予算にいたしまして七億五千万ほどの事業応急的にやりたいと思っております。なおそういう大事な路線を調査いたしまして、たとえば、山地等国道あるいは県道が一本しかなく、それが災害等によって、かりに短時間であっても不通になると、全然行き来ができなくなるというようなところは本線そのものの改良考えなければなりませんが、万一のときの代替線に対して、至急にそれをやらなければならないかと存じますので、そういうような緊急度を調査いたしまして、来年度から特殊改良といたしまして、待避所設置を全国的に実施して参りたい、なお五カ年計画におきましては、相当それを見込むようにいたしたい、こういうふうに考えております。
  11. 中島巖

    中島(巖)委員 時間がありませんので、先へ急ぎますが、今道路局長より、特殊改良について御答弁があったわけでありますけれども、私ども考えといたしましては、重複するようではありますが、将来の改良計画にのっとってやれば、二重投資にならないのでありますから、来年度相当思い切った大幅な待避所、すなわち特殊改良予算を組むべきである、こういうように考えますので、一つ十五億なんてこまかにことを言わずに、もう少し大きくお考え願いたいと思うのであります。  次に、災害関係について河川局長にお伺いいたしますが、先ほど政務次官からも報告がありましたように、本年度は、すでに百八十何億というような数字になっておるようにお聞きしたのでありますが、いずれにいたしましても、最近重なって大きな災害があったわけでありますし、さらに台風期に突入いたしまして、今後相当大きな災害がありはしないかと予想されるわけであります。  そこで、質問の一点、この緊急査定に対しまして、予備費から支出されておるわけでありますが、この予備費について限度があって、今後の災害に果して完全に対処できるだけの財源があるかどうかということが一つと、もう一つは、このように各県に一緒に災害が起きては、防災課の方の査定官人員が間に合うのかどうか、この二つが心配なんですが、この点について、約得のできるような御答弁をお願いしたいと思います。
  12. 山本三郎

    ○山本説明員 ただいま御質問のありましたように、本年の災害は、当初に考えておりましたよりも、今日までに相当額を発生いたしまして、私どもの所管いたしておりまする公共土木の施設被害だけでも、直轄、補助を合せまして、大体二百億と相なっております。それに対しまして、本年度どのくらいの金が要るかと試算をいたしましたところが、大体二十八億ぐらい要るという試算になります。これはもちろん査定をいたしてみなければわからないわけでございますけれども、大体従来の実績に徴しまして試算をいたしますと、この程度に相なります。御承知のように、この災害の当年の支出につきましては予備金から支出するわけでございまして、予備金は八十億ありまして、大体のところ、そのうち五十億程度災害に充当するということになっておるわけでございまして、ただいままでの分につきましては予備金でまかなえるというふうに考えられております。  それから災害の査定が間に合うかどうかということでございますが、この資料に差し上げてございますが、この説明をいたしませんでしたが、すでに現在七月の下句までの分の緊急査定は終了いたしまして、八月に起った分につきまして、目下県の準備の整ったものから査定をいたしておるということに相なっております。査定官は防災課に正式の査定官が十名おりまして、それに補助員がおるわけでございます。防災課につきましては、査定官のほかに、課長補佐等もおります。またそれ以上の人を要する場合におきましては河川局のほかの課、あるいは道路局、あるいは地方建設局の人を動員いたしまして、査定に当るわけでございます。そういう方法はまだ現在の緊急査定の段階におきましては地方建設局の人まで応援を求めるような段階にまで来ておりません。いずれ本査定を同時にやる場合におきましては、地方建設局を動員しなければならぬということでございますが、それを動員いたしますれば、現在程度災害ならば、十分に間に合うというふうに考えております。
  13. 中島巖

    中島(巖)委員 もう一つ河川局長にお伺いいたしますが、実は島根広島災害にも、私党としてあちらへ派遣され、またこのごろ、中部班の一員として災害地を親しく視察したのですが、従来の災害と最近の災害と違ったことは梅雨前線と申しますか、台風の通ったあとにおいて、停滞しておった気圧によって局部的に豪雨があるというようなことが、従来と非常に違っておるように感じたわけなんです。従いまして、大河川というよりは小河川に局部的にものすごい被害が各所に見られたわけであります。従いまして、それらを視察したときに、災害にあった場所の護岸堤防だけではどうにもならぬ状態でありまして、どうしても奥地に相当大きな砂防堰堤を築かねば、下でいわゆる原形復旧堤防を築いても、また再びやられる、こういうふうに感じたわけなんです。そこで、質問の要点は、原形復旧とあわせて、奥地の砂防なんかも緊急にやられるのかどうか、これは、建設省方針としてはどういう方針であるのか、この二点についてお答え願いたいと思います。
  14. 山本三郎

    ○山本説明員 御説の通り、本年の災害におきましては、台風に伴いまする不連続線によりまして、局地的豪雨が起りました。そのために、大河川というよりも、小河川に非常に被害が多かったという状況でございます。それに対処いたしまして、災害復旧だけやったのでは目的が達せられないのじゃないかという御質問でございますが、その通りでございまして、これに対処するためには上流の砂防、砂どめの工事、それから河川につきましては災害だけでなく、改良的の立場に立ちましてやらなければならぬということは御説の通りでございまして、砂防につきましては従来におきましても、現在持っておる予算の中に、そういうものに対処する費用がとってございます。それをもちまして、新しく荒廃した土地に対しまして砂防工事を行う、緊急砂防といっておりますが、そういう事業はできるだけ早く着手してやりたい。九月になりましたならば、緊急を要するものは着手したいということで、今調査を進めております。  それから河川復旧の問題につきましても、災害助成、あるいは改良費等をつけ加えまして、災害だけでなくて処置していきたいというふうに考えております。
  15. 中島巖

    中島(巖)委員 官房長が見えたようでありますので、官房長と、それから道路局長にお尋ねいたしたいと思いまするが、過ぐる特別国会で、例の経済基盤強化資金四百三十六億のうち二百二十何億かが、道路、港湾その他へ大蔵大臣の権限で、予算措置ができて使えることになっておるわけだと思いました。そこで、当時特別国会におきまして、建設大臣から、この二百二十何億かの資金のうち、半額くらいは建設省所管として使いたいというような答弁が、当委員会においてあったわけであります。その結果、道路、港湾その他にどういう割り振りになってで、どういう指示をして使うようにしてあるかを官房長にお伺いしたい。  それから、この金額の大部分は、道路関係だと思いまするので、この金額を、工事種類といいますか、どういうような割り振りをして、どういうふうな指示を各県へ出しておるか、その二点について御答弁願いたいと思います。
  16. 柴田達夫

    ○柴田説明員 経済基盤強化資金に関しまする法律に基きまして、また本年度のいわゆるたな上げ資金でございますが、予算にそういうものがございますものの措置につきましてどうなっておるかというお尋ねでございます。経済基盤強化資金の法律で、それらのたな上げはこういう目的に使われるということはきまっておりますが、現実に本年度におきまして、これをどのように用いるかという政府方針、まだ全然伺っておらないようなわけであります。その中に、お説のように、私どもの方の関係では道路整備——港湾は運輸省になっておりますが、それから異常災害といったようなものがございまして、実は本年の予算編成の際には、今後の情勢の問題であるけれども道路整備についてはたな上げの中から、建設省といたしましても、ぜひそれを追加して使いたいという期待を持っておりましたことは事実でございます。しかしこれは、たな上げ資金全体が、やはり経済の情勢に対応して用いるような状況が起ればこれを使うという方針が、一般的に出されておるだけでございまして、まだ何ら具体化しているということを伺っておりません。私の方の関係ではございませんけれども、これは、たな上げをなにするには、予算補正の手続が要るわけでございまして、補正予算は組む考えがないというように伺っておるわけでございますので、いかようにこのたな上げ資金を使って参るかということにつきましては、まだ承知いたしておらないわけであります。ただ、あとにちょっとお話がございましたように、それとは無関係に、私どもの方では今日の経済情勢もございまして、きまっている予算をできるだけ早く執行して、そうして資金を一般に流していくことが非常に必要なことでございますので、公共事業本来の立場からも、これは当然のことでありますが、できるだけ予算の実施を促進いたしますような措置はこれは別途計画的に講じるように進めている次第であります。しかし、今お話しのございました経済基盤強化資金をその結果用いることになるかどうかということは全然現状におきましては承知しておらない次第でございます。
  17. 堀川恭平

  18. 坂田英一

    坂田(英)委員 先ほど私、石川県の県会の決議等について陳情いたしたわけでありますが、皆さんに御了承いただきまして、大へんありがとうございました。  そこで、まず委員長にお願いしたいのですけれども、あのような特殊な、つまり局部的に、しかも非常に深刻なというのは、最近珍しい災害状況であると思いますので、最初委員長にお願いしたいことはこの激甚な能登地区あるいは加賀の一部、この水害の変った、しかしてまた激甚な意味の災害でございますので、建設委員の方々で一つ調査をしていただきたいということを、特に委員長にお願いする次第であります。  それから河川局長に御質問申し上げたいのでありますが、先ほどの中島委員の御質問に対して、復旧だけでなしに、でき得る限り改良を加えるということをお聞きしたわけでありますが、特にその中で、私どもは今度の災害に当って、先ほど申しました、小さいけれども局部的であるが、きわめて深刻である、数多くそれが災害を受けておるということからいたしまして、木橋がことごとくやられておる。特に能登地区は、先ほどの陳情の中にもありました通りに、最近ほとんど常費的に毎年といっていいくらい台風のおみやげを、受けるのでありまして、木橋をこしらえ上げてはまた落ちて、さいの川原のようになっておるわけであります。そうして一つの小さな町でも、十幾つ、二十幾つという割で落ちておるような関係にありますので、この復旧に際しまして、でき得る限り永久橋のものに復旧していただくということをお願いしたいのでありますが、今お聞きするところによりますと、バスの路線とか、あるいは百台以上の橋についてはさような方針であるというようなことをお聞きしておるのでございますが、それでは、とうていさいの川原を救うわけにいきませんので、こういう点についてどういうふうにお考えか、一つお聞かせを、願いたい。
  19. 山本三郎

    ○山本説明員 木橋を永久橋災害復旧せよという問題でございますが、これにつきまして、従来の取扱いにおきましては十年間に三回流れなければだめだというような規定でございました。今年一月からの災害につきましてはお話のように、ある程度の制限はございますけれども、重要なもの、あるいは河川状況等によりまして、どうしても木橋ではすぐ流れてしまうというようなものにつきましては、永久橋で採択するということに取扱いを大蔵省と定めまして、その方針によってやっていくこととしております。今のお話のごとく、どれもこれも全部木橋を永久橋にということには相ならぬわけでございますが、重要なもの、あるいはかけたところですぐまた流れることがわかり切っておるというようなものにつきましては、永久橋にするということに取扱いを改正いたしましてやっておるわけでございます。具体的な問題につきましては査定の際、いろいろ資料を整えていただきましてやるわけでございますが、現在のところ、以上のような方針でやっていきたいというふうに考えております。
  20. 坂田英一

    坂田(英)委員 ただいまの御答弁によりまして、でき得る限り永久橋に改めるというように方針が変ったということをお聞きして、非常に喜んでおるのでありますが、バス路線とか、あるいは百台以上ということを聞いております。しかし、これだと、御厚意はありがたいけれども、多く落ちたやつについて、さいの川原を防ぐことができないような状況でありますので、この扱いを緩和していただかないと、御厚意が届かないということになるのですから、どうかよろしく。
  21. 山内一郎

    ○山内説明員 木橋を永久橋に採択する問題につきましては、ただいま河川局長から大体お話がございました。昨年までよりも、本年からは大いに改善をいたしまして、重要な橋であるとか、何回も災害を受けるというような橋については永久橋で採択をするというふうにしております。ただ、あまり山の中、というと語弊がありますが、重要でない橋まで災害永久橋にするというようなこと、道路改良関係からいってもあるいは支障があるのではないかというふうに考えますので、重要である橋、それからどうしても流れる橋というものにつきましては最小限度橋脚だけでも永久構造にして、再び流れないようにしょう、そういう方針でやっておりますので、本年度から、そういうふうにいたしたいと思います。
  22. 坂田英一

    坂田(英)委員 時間もありませんから、もう一つ河川局長にお伺いしたいのであります。今度の災害の特徴として、われわれいろいろ状況を見ますと、さきに申しましたように、深刻であるが、小さいというところにすべてのなにが起って参っておるのであります。この河川改修については中小河川はやっていただいた。そういう関係から、河川改修のできたところ、あるいは砂防工事の完成したようなところはその後の災害が非常に少い、ほとんど起らないというようなことで、全く最近、県民としても、また全国的であろうと思いますが、河川改修なり砂防工事の真価を真にそこからわかってきて、感激しておるように思われるのであります。そこで、お伺いしたいのは中小河川の改修はでき得る限り進捗していただき、また小さな河川についても、局部改良は行われておりますが、中小河川よりもっと小さいものについてはほとんど放置されておるわけです。今まで、この小さな河川についての災害はあまり起らなかったように思うのですが、近年、むしろ小さい方へみな集中して災害が起っておるのです。この小河川の改修がほとんど行われていないのはどういうことによるものでありましょうか、お答えを願いたいと思います。
  23. 山本三郎

    ○山本説明員 お説の通り、最近におきましては局地的豪雨によりまして、流域面積の広い大河川よりも、流域面積の狭い、ちょうど豪雨に当ったところの小河川が非常な被害を受けているということでございます。さて、小河川に手がつけられていないということでございますが、この点につきましては、中小河川というのがございまして、それによりまして、現在までは、直轄河川以外の改修工事は中小河川だけでやっておったわけでありまして、中小河川として取り上げるべき河川も、全国では千本以上やらなければならぬものがある。ところが、現在までにできているのが、まだ三百本足らずというような状況でございますので、新しいものを入れるのがなかなか困難で、お説の小河川まで手が回りきらなかったというのが実情でございます。しかし、最近の災害におきましては、中小河川に取り上げていないような河川、それよりもむしろ規模の小さいものに災害が集中しているというような状況でございますので、私ども新しく小規模河川の改修を取り上げまして、従来の中小河川を進めると同時に、小河川も、全国的に本数をふやしてやりたいというふうに考えておる次第でございますので、県等から要望がございますならば、それに基いて強力に進めていきたいというふうに考えております。
  24. 堀川恭平

    堀川委員長 小川委員
  25. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 一日に委員会が開かれるそうで、私、一日にお尋ねする資料というようなことでお尋ねしたいと思います。  数府県にわたる直轄河川建設省が直接改修をやっておられる。そこで、直轄河川というの、日本に一体どれくらいあるか。さらに、直轄河川ですから、府県等では手をつけることができない。これは、当然建設省で改修等をやられると思う。そうすると、各府県に負担金がかかってくる。この負担金を各府県が背負うのはどういう根拠からですか。それから負担金の割合が各府県違っておる。その違うのはどういう根拠からですか。  いま一つは直轄河川工事のために、逆に河床が下ったことからだろうけれども、塩害が起ってきておる。この被害は激甚である。そこで、この塩害に対する対策は直轄河川だから、県でどうすることもできない。建設省としても、塩害対策考えてやらなければならぬと思うが、この対策はどういうふうに考えているか、この点を伺います。
  26. 山本三郎

    ○山本説明員 まず第一に、全国で直轄河川を何本やっているかということでございますが、全国では大体八十本程度を内地でやっておる。それから地方負担金を、これは県でございますが、都道府県が多く負う根拠。これは法律で定められておりまして、特殊の場合がございますけれども、一般的には三分の一を関係の都道府県が分担するということになっております。これは法律でそう定まっておりますが、そういうふうにきまっておる基礎は、国家的の利益でもありますが、地方におきましても、それに応じて利益が上るということから、そういうふうに定められておるというふうに解釈しております。それから、たとえば、利根川等におきまして改修工事をいたしますと、それが数府県にまたがるわけでございまして、ただいま申し上げました地方の公共団体、都道府県が持つべき金が三分の一になるわけでございますが、それをどういうふうに各府県に割り振るか。これを各府県で分担し合ってもらわなければならぬわけであります。その分担し合う割合の問題でございますが、これは改修工事を行なったために受ける利益をおもなる因子として計算をいたしまして、各都道府県と相談して、その分担率を定めております。  次に、早塩害対策に対する工事はどうするかということでありますが、私どもといたしましても、河川を利用する立場、あるいは治水上の観点、両方から塩害、旱害等が起きてはいけないわけでございますので、河川工事として、これらの事業も積極的にやっていきたいというふうに考えておる次第でございます。
  27. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 御答弁で大体わかったのですが、負担金が三分の一というのはその河川の総工事費の三分の一ですか、何の三分の一ですか。
  28. 山本三郎

    ○山本説明員 総工事費の三分の一でございます。
  29. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 それから、改修することによって利益を受ける、その利益率によって負担金をきめる、かような答弁のようでしたが、その利益とはどういうことを利益というのですか。
  30. 山本三郎

    ○山本説明員 その川を改修したために、はんらんを防止できる区域における被害がどれくらい起きるだろうかということを考えまして、それを計数的に出しまして、その比率で分担をお願いしておるということでございます。
  31. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 そうすると、今の利益というのは、河川がはんらんした場合に、人畜、耕地等に被害が生ずるであろう、それを改修することによって被害を免れるであろうということを計算して利益を出す、こういう御答弁ですが、河川を改修することによって被害を免れたと考える利益と、その水を利用することによって受ける利益とがある。その水を利用することによって受ける利益、この中に入れないような御答弁ですが、その場合、どういうふうになりますか。その水を使うことによって利益を受けられるということに対して、負担金に入れるべきじゃないか、こういう気がしますが、あなたの見解はどうですか。
  32. 山本三郎

    ○山本説明員 河川の改修工事等はその目的が治水でございまして、はんらん防止が主たる目的でございますので、今のような観点でやっております。ただ特別にダム等を作りまして、その水を特定の目的のために利用するというような場合につきましてはそれも考えに入れまして分担をお願いしておりますけれども河川の改修の場合につきまして、主たる目的が治水の目的でありますので、そういう観点で利益を計算いたしまして、それを基礎に分担をお願いしておるということでございます。
  33. 堀川恭平

    堀川委員長 それでは、坂田委員にお答え申し上げます。ただいまの石川県への調査委員派遣の御要望に対しましては九月一日の理事会で御相談申し上げまして、決定いたしたいと存じております。さよう御了承願いたいと思います。  次会は九月一日午前十時から開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午前十一時四十三分散会