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1958-07-09 第29回国会 衆議院 建設委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年七月九日(水曜日)     午前十時二十二分開議  出席委員    委員長 堀川 恭平君    理事 木村 守江君 理事 佐藤虎次郎君    理事 瀬戸山三男君 理事 二階堂 進君    理事 南  好雄君 理事 上林與市郎君    理事 三鍋 義三君       逢澤  寛君    井原 岸高君       大久保武雄君    川崎末五郎君       久野 忠治君    島村 一郎君       砂原  格君    橋本 正之君       服部 安司君    松澤 雄藏君       村瀬 宣親君    石川 次夫君       小川 豊明君    東海林 稔君       塚本 三郎君    武藤 武雄君       山中 吾郎君    山中日露史君  委員外出席者         総理府事務官         (自治庁財政局         財政課長)   細郷 道一君         建設政務次官  徳安 實藏君         建設事務官         (計画局長)  美馬 郁夫君         建 設 技 官         (計画局都市建         設課長)    奥田 教朝君         建設事務官         (河川局長)  曽田  忠君         建 設 技 官         (河川局治水課         長)      川村 満雄君         建 設 技 官         (河川局防災課         長)      山内 一郎君         建 設 技 官         (道路局長)  佐藤 寛政君         建設事務官         (道路局路政課         長)      三橋 信一君         建設事務官         (住宅局長)  鬼丸 勝之君         専  門  員 山口 乾治君     ————————————— 七月四日  委員久野忠治辞任につき、その補欠として小  西寅松君が議長指名委員に選任された。 同月九日  委員林唯義君辞任につき、その補欠として久野  忠治君が議長指名委員に選任された。 同日  委員久野忠治辞任につき、その補欠として林  唯義君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 七月八日  一、国土計画に関する件  二、都市計画に関する件  三、道路に関する件  四、河川に関する件  五、住宅に関する件 の閉会中審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  道路河川住宅及び都市計画に関する件  七月上旬の豪雨災害情況に関する件      ————◇—————
  2. 堀川恭平

    堀川委員長 それではこれより会議を開きます。  この際豪雨災害について政務次官より発言を求められておりますから、これを許すことにいたします。徳安政務次官
  3. 徳安實藏

    徳安説明員 島根県及び広島県の水害につきまして、その後の状況を御報告申し上げたいと存じます。  六月二十八日から七月二日にかけての豪雨による島根県下及び広島県下災害状況につきましては、すでに御報告申し上げた通りでありますが、その後七月四日まで引き続き豪雨がありまして、このため島根広島県下におきましては、さきに被災した公共土木施設がさらに若干の増破をいたしております。  まず島根県下におきましては、七月四日までの連続雨量は、浜田市で五〇五・七ミリに達したほか、桜江町で四〇三ミリの雨量を記録しております。このため、一たん減水しつつあった各河川が再びはんらんし、各地被害の増大を見ておる状況にありますが、現在までに報告のありました被害報告額は約九億円に達しておりまして、目下行なっております調査がが進むとともに、さらに被害額は若干増大するものと予想される次第であります。  次に広島県下におきましては、七月の三日に大柿町で一八三ミリ、呉市で一一二ミリの豪雨がありまして、三原市周辺に被害の発生を見ましたが、さきの三次市、吉田町等の被害報告額と合せますと、現在までに、その額は約三億三千万円の被害に達しておる模様でございます。  なおこのほか、七月の三日、香川県及び愛媛県におきましても若干の災害が発生しておりますが、現在のところ、被害は軽微の模様であります。  島根県につきましては、建設大臣が親しく現地を視察いたしまして、七月の二日には、災害査定官島根広島県下に派遣いたしまして、被災状況調査を行うとともに、応急復旧のための指導に当らせておる次第であります。応急復旧個所に対しましては、次期出水に備えるためにも応急措置を講ずる必要がありますので、とりあえず資金運用部資金等による融資の道を講ずることによって復旧の促進をはかることとし、目下これが資金のあっせんにつきまして、大蔵省と協議中でございます。また緊急復旧を要しまする個所につきましては、早急に査定を実施し、予備費早期支出をはかるため、島根県に対しましては七月の二十一日から八月の一日まで、広島県に対しましては七月の二十三日から三十一日にわたって現地査定を実施することにいたしております。  右御報告を申し上げます。
  4. 堀川恭平

  5. 村瀬宣親

    村瀬委員 私は、島根県の水害のありました当時島根県におりまして、浜田市、江津市等、災害地を実際まのあたり見て参ったのでございますが、まず最初に、今度の災害が例年よりも非常に早く参りまして、災害のはしりと申しますか、秋に予想される台風時期よりも非常に早く災害がやって参ったのでございますが、これに対しまして、かつてから三・五・二という三年間で災害を修復してしまおうということがたびたび言われておったのでございますが、この方針は、今後もこれを踏襲なさるのでございますか。また最近の二、三年は災害がありませんで、復旧は非常に緒についたと思うのでございますが、今までの実績はどうなっておりますか。
  6. 曽田忠

    曽田説明員 お答えいたします。お尋ねの通り災害につきましては、かねてより早期復旧ということが問題になっておったわけでございまして、法律的にいたしましても、実は三十年度におきまして災害負担法の改正が行われまして、緊急な復旧工事につきましては、三年以内に復旧を完了するという法的措置が講ぜられております。従いまして三十年度以降の災害につきましては、ただいま先生がおっしゃる通り復旧は、大体初年度におきましては二五%程度、それから二年度におきましては、累計で六五%程度、三年度におきましては累計で八五%程度、四年度に一応完了する、従いまして重要な災害個所につきましては、三年度で終了するというふうになっておりまして、具体的に申し上げますと、三十年度の災害につきましては、大体本年度で全部完了する、そういう方針になっております。
  7. 村瀬宣親

    村瀬委員 三年間というのは、その災害が起った年を含めて三年間と了解をするのでございますが、今のお話だと、四年にわたるようなお答えであったと思います。その点はどういうことになっておりますか。
  8. 曽田忠

    曽田説明員 ただいまお答え申し上げました三年といいますのは、いわゆる緊急工事でございまして、全体の七〇%程度は緊急に復旧を要するという重要個所でございます。その分につきましては、三年以内に復旧を完了する、そういうことであります。その中には、もちろん当該年度を含めまして、緊急工事につきましては三年以内に復旧を完了する、その他の小災害につきましては、あと一年くらいの余裕を見ておる、そういうことでございます。
  9. 村瀬宣親

    村瀬委員  緊急災害ということは、査定のときにも別に緊急とかなんとかいうことはけてないと思うのです。これは三年でやる。これは緊急でないから四年になるかもしれないというようなことは、今まで行われておるのでしょうか。
  10. 曽田忠

    曽田説明員 法律的に申し上げますと、国庫負担法の第八条の二で新しく規定が設けられたわけでございますが、その中で、災害復旧事業のうち緊急なものとして政令で定めることになっております。その政令でいろいろ書いてございますが、たとえば破堤——堤防決壊でございます。それから道路について申し上げますと、たとえば幅員三メートル以上の道路埋没決壊、あるいはまた幅員三メートル未満の道路でございましても、埋没または決壊によりまして、当該道路によります交通が非常に不可能になってくる、あるいは困難である、そういうようにいろいろ規定が定められておりますけれども、そういう規定に基きまして、これが緊急に復旧を完了する必要があるのかどうかという点を査定いたします。
  11. 村瀬宣親

    村瀬委員 今度の島根県、広島県、あるいは愛媛県、すべてこれは私は緊急に復旧を要する災害だと思うのでございます。先ほど政務次官からの御説明のときにも一部ありましたが、つなぎ融資はどの程度に進んでおるのでございましょうか、その金額、並びにいつごろこれが決定になるでございましょうか。
  12. 徳安實藏

    徳安説明員 つなぎ融資の御質問でございますが、島根県の方からは、五千万円程度つなぎ融資をもらいたいという要請がございまして、ただいま大蔵省折衝中でございますから、これは日ならずしてきまると思います。話を聞きますと、島根県は、最近黒字だそうでございまして、そう政府から金利のつく金を借りなくてもやっていけそうだという情勢だそうでございます。広島県の力からは、ただいまのところその必要がないということで要請がないそうでございますが、いずれお話があれば、島根県と同様に、大蔵省折衝したいと思っておりますけれども、ただいままでは、広島県の方からは要請がございません。以上の状態でございます。
  13. 村瀬宣親

    村瀬委員 私は現地査定管にも会ったのでございますが、復旧には、従来いろいろなしきたりといいますか、原状に復するというような一つの制約のようなものもあったりいたしたのでございます。しかし、今回の災害の実情を見てみますと、もと通り画したのでは、また少し雨が降ればすぐ災害が起るということが、はっきりとわかっておる状態のところがほとんどなのでございます。これには、最近いわゆる災害復旧に加えて、適当な施設工事を行い得る道もあるのでありまして、事実やっておるのでございます、今回の災害に対しまして、査定官報告もあったと思いますが、その災害復旧並びにこれの追加工事はどの程度にお考えになっておるのでございましょうか。島根県の例は全国に及ぶものでありますか、いかがなものでありますか。
  14. 山内一郎

    山内説明員 昨日現地へ参りました査定官が帰って参りまして、報告を聞いて、いろいろ検討いたしました結果を申し上げますと、一番被害のひどい河を申しますと、下府川浜田川内田川、この三河川が一番被害が激甚である、しかもこれらの河川については、災害復旧だけでは再び災害を受けることは明らかである。いろいろ内部で検討いたしました結果、そういう結論になりましたけれども、それらの措置につきましては、今後いろいろさらに調査を進めないと具体的なことはわかりませんが、今構想だけを申し上げますと、下府川につきましては、災害復旧費等従来やっております助成費を加えまして、改良的な工事をやる。それから内田川につきましては、災害だけで一つ計画を持ちました復旧ができるじゃないか。それから浜田川につきましては、非常に市街地被害は激甚でございましたが、公共土木施設被害はあまりないという現状でございますので、災害復旧は、中小河川につきましては改良費とあわせて施行しなければならないのではないか。それからさらに浜田川上流には、洪水調節ダム考えまして、市街地が非常に川幅が狭く、人家が連擔しておりますので、上流におきまして洪水調節によって流量を減らす、こういうような対策を講ずる必要があるのではないか、ただいまのところ考えておりますのは、以上の通りであります。
  15. 村瀬宣親

    村瀬委員 下府川の例をお引きになったのでございますが、大体、従来破れざればつくろわずというようなことをやっておりまして、それがために非常な大災害を来たした例が多いのでありますが、それを一歩進めまして、こういう場合に、復旧にとどまらないで、恒久的な効果ある工事をもこれにつけ加えて行うということは、非常に一歩進んだことであると思うのでありますが、今の御説明では、その範囲につきましては、適当に考えておるとおっしゃっておりましたが、もう少し具体的に御説明が願いたい。それは、将来もし災害が起った場合に、恒久的なかなり大工事をもしておくことが、これが国費をむだ使いにしないで済むということになるのではないかと思いますので、新例を開いてもけっこうですから、この程度まではやりたい、またやられるんだ、これは、大蔵省との関係が出てくるかもわかりませんが、一つ詳細に御方針や実際やっておることを伺いたいと思います。
  16. 山内一郎

    山内説明員 ただいまのところは、災害復旧費だけではだめで、改良費と合せて工事をやる、そういう方針でこれから調査を始めるわけでございますが、まず復旧計画を作るには、流量から検討しないといけませんが、その検討。それからどこからどこまでやるという区間の問題、そういういろいろな点を考え計画を作る必要がありますので、まだ、ただいま詳細を御説明するという段階までには残念ながら至っておりません。
  17. 村瀬宣親

    村瀬委員 私のお尋ねいたしますのは、たとえば下府川を何メートル、どのような高さにする、そういうことを伺っておるのではないのであります。今災害復旧費改良費を加えてと、こうおつしゃいますが、改良費には予算のワクがあって、それは、それぞれ予算を各河川につけてやっておる状態もあるわけであります。そういうふうな災害の起ったときに、あなたの方で計画を作ったら、災害復旧には幾らでも改良費がとれる仕組みになっておるかどうか、そういう点を私は伺います。
  18. 山内一郎

    山内説明員 従来の例から申し上げますと、一応私の方で、これは助成河川になりそううだという方法を見つけまして、それで、調査を完了して大蔵省折衝するわけでございますが、その折衝段階はいろいろございまして、簡単にとれるというものではございませんが、今までの例でいきますと、こちらで自信のある計画なり規模でありました場合には、大体大蔵省も了解してくれております。その復旧の速度と申しますか、進歩の度合いも、災害復旧が完了する一年か、二年あとには全部完了してしまう、そういうような例で進んでおります。
  19. 村瀬宣親

    村瀬委員 今の点は、もっと私がはっきりしておきたいとも思いますが、ここのところはこの程度にとどめまして、先ほど御答弁の中に、浜田川上流ダムを作っておるというお話がございました。私も現地を見まして、下流の方の広げようのない地形から考えまして、当然ダム調節ということはまっ先に考えられることなのでございますが、今回邑智郡の川本町あるいは桜江町というところに、かなり災害があったのでございますが、これは地元民の話によりますと、何か上流にすでにダムがある、これは県営ですか何ですか、それははっきりわかりませんが、そのダム放水の時期が、必ずしも適当でなかったんじゃないか。ダムを作って防ぎとめ得ればいいんでございますけれども、これでとまるだろうと思っても、さらによけい降りますと、下流の方の相当増水したころにダムをあけるということになりますると、かえってダムを作ったために水量を増すということにもなるのでありますが、そういう事実を、今回お調べになったかどうか。それからもう一つは、電源開発などではよく研究しておるようでありますが、ダムによる調節をする場合には、何かテレビのような施設でも作りまして、上流の水かさの増す状態、あるいは下流河川状態が、そこにテレビでちゃんとつかみ得るという状態のときに、このダムば非常に調節がきくのでありますけれども、そういう施設は、そうあまり多くの費用を要せずしてできるのではないかと思うのでありますが、そういうことをお考えになったことがあるかどうか。またどこかでやっておられるかどうか。そうでなければ、下流調節をしようと思って、下に流すまいと思って水をためますと、下流の方でうんと雨が降って増水をする、水がふえたころに上流ダムをあけるということになりますると、かえって迷惑千万じゃないか。ダムを作ったために迷惑千万でありまして、それならば、下流のまだ増水しないうちに、上流の水を先に流してもらう方がいいんじゃないか。そういう逆効果もあると思いますが、今申しましたテレビ施設、つまり上流下流とがいつも一カ所で水位が目の前に現われるというようなこともお考えでの上で、上流ダムをお考えになっておるかどうかをお聞きしたいと思います。
  20. 山内一郎

    山内説明員 私の所管外お話でございますが、知っている限り、間違ってないと思いますから、その範囲お答えしたいと思います。ダム調節を誤まりまして、下流に一時に流量を流して被害を及ぼすという例は、たまに聞いておりますが、今回の災害につきまして、そういう例があったどうか、その点につきましては、今後詳細に調査をして善処したいと思っております。お説のように、ダム調節やり方によりまして、かえって被害を及ぼすということはあり得ることでありまして、そういう点を防ぐためには、今お説のように、上流雨量とか水位を一刻も早く承知をいたしまして、それによってあらかじめ対処するというのが、現在としては最もいいやり方ではないかというふうに考えるわけでございます。そういう点につきましては、建設省直轄管理をしております五十里のダムとか藤原のダムにつきましては、上流ロボット雨量計を設けるとか、それから水位が自動的にわかるというような装置をやりまして、間違いなく操作をやる、そういうふうにやっております。ただ発電が伴うダム発電のみのダムということになりますと、これは電力会社の方でやっているものでありますから——やはっり発電というものは非常に大切でございますから、あるいは放水の時期を誤まるというようなことがなきにしもあらず、その辺はよくわかりませんが、そういうこともあり得るじゃないかというようには考えております。従って発電洪水調節が伴うダムにつきまして、そういう管理につきましては万全を期しておりまして、間違いはないと思っております。
  21. 村瀬宣親

    村瀬委員 今お配りいただきました災害状況謄写刷りの表によりますと、敬川というのが書いてないのであります。これは、名もなき川かもしれませんが、私が現地を見ましたときに、この小さい川が非常にあばれておる。それで、今度の雨は、大きな益田川というようなところ、これは改修もできた関係でありますが、昭和十八年には、何百人かの死人を出したほど大荒れに荒れたそうでありますが、今回は雨量関係もあったのか、また改修も完全であったのか、全然被害を起しておりません。ところが、下府川と江川との間に小さい敬川という川がありまして、これも一人前のあばれ方をしておるのであります。こういうこの表にも出ておらないような川の改修等は、どういう方針になっておりますか。
  22. 山内一郎

    山内説明員 敬川につきましては、現地に参りました査定官からは、下府川、それから浜田川内田川よりやはり程度が少し低いんじゃないかというふうに聞いたわけでありますが、先生ごらんになりましたとき非常に激甚であったということになれば、さらに詳細に検討いたしまして、その対策を立てたいと思いますが、もし下府川浜田川内田川よりも程度が低い場合には、局部的に改良費をつけ加えてできるところがあれば、改良費をつけ加えてやる、しかしそういう点もないとすれば、やはり災害の起きたところだけ復旧をやる、そういう調査がまだないときにそういうことを申し上げますのは、悪いと思いますけれども、そういう基本方針でやっておりますから、さらに調査をいたしまして、対策を講じたいと思っております。
  23. 村瀬宣親

    村瀬委員 それから、これは自治庁関係かもわかりませんけれども、実際地元では非常に困ることでございますので、どなたでもけっこうでございますが、お答えを願いたいと思いますのは、災害救助法の問題と町村合併との関係でございます。今回一番災害のはなはだしかったのは浜田市でございますが、同時に江津市におきましても、たとえば都治という村でございますがこれなどは交通途絶になるほど——自衛隊の自動車がようやくかますを積んで通れたというので、普通の運送店の大きなトラックが幾らきても、湖のようになった道路はとうてい通れなかったのでありますが、ようやく自衛隊からかけつけたのが、何がパイプに水の入らない装置があるとかなんとかいうので、湖のようになった道路のまん中を乗り切っていろいろ救急材料を運んだりしていたのであります。江津市におきましては、こういう局部的に災害のはなはだしかったところもあるのでございますけれども、町村合併関係から、災害救助法適用にはならぬのではなかろうか、これじゃ町村合併などしなければよかったという声も私直接聞いたのであります。そういう場合に、それはもう仕方がないというお考えでございましょか、合併しておらねば、当然それは何割かの浸水、倒壊家屋ということになって、災害救助法まつ先適用できるわけでございますが、こういう関係についてはどのようなお考えでございましょうか。何かお聞きになったでございましょうか。
  24. 細郷道一

    細郷説明員 災害救助法適用の問題と合併区域の問題の御質疑かと思いますが、私も、実は今島根水害状況について詳しいことは知りませんものですから、現実の問題についてのお答えになるかどうかわかりませんが、一般的には、災害救助法は、御指摘のように町村単位と申しますか、それの被害の慶合いによって発動されるわけであります。しかし、あれはたしか非常に激甚な場合は、一部地区でも発動できるのではなかったかと思うのでありますけれども、その点は、よく調べてお答え申し上げたいと思います。
  25. 村瀬宣親

    村瀬委員 もう一つ実例でお尋ねいたします。江津市に青山中学というのがあるのです。これは、町村合併に伴って建てるか建てないかというので問題を起し、もと中学でよいというのが大半であったのを、相当強引にそこに統合した中学だそうでございます。ところが、これは山の上にあるのです。私もずいぶん各地災害を見て回りましたが、その校庭は、全く例のない現象があるのであります。どう申したらいいでありましょうか、熱河省の承徳、あるいは河北あたりの雨の降ったあとのような姿に校庭が縦に割れまして、またその割れ方というものが、内地では見られない姿なのであります。これは、そこに校庭を拡張した関係で、砂地の上に赤士を盛った関係もあるのではないかとは思いますが、いずれにいたしましても、この青山中学校庭の土砂の流出のために、下の方の民家が埋まってしまう。道路も何も砂山のような姿になってしまっておるのでございますが、ああいう被害の事情は、特殊なものと思うのでございます。どういう原因でああいうふうになったが、学校関係ではございますが、砂防課河川課の仕事と思うので、それに察して、写真でもごらんになって、今後の方策をお考えになっておりましょうか、お伺いいたします。
  26. 曽田忠

    曽田説明員 学校の問題は、実は建設省といたしましては所管外でございますが、今お話しの、どういうふうにしてそういう事態が起ったかということにつきましては、まだ十分聞いておりませんので、今後調査いたしたいと思います。
  27. 村瀬宣親

    村瀬委員 それでは、私の質問にはまだ御調査になっていないこともあるようでございますから、至急に御調査をいただきたいと思います。最後に、この災害は、早急に復旧を必要とするのであります。最初申し上げました通り、非常に早い災害で、また秋の台風時にどのような水害がないとも限らないので、特に早急な応急施設、並びに委員からたびたび質疑応答を重ねましたように、災害復旧にとどまらないで、これに改良工事を早急に加えていただきたいと思うのであります。政務次官に、三年間に復旧を完全にやってしまうという御方針をもう一度お伺いいたします。
  28. 徳安實藏

    徳安説明員 御指摘になりました点は、ごもっともだと思いますから、先ほど御報告の際にも申し上げましたように、すみやかに調査を完了いたしまして、法律の許す範囲予算の許す範囲と申し上げてはいかがかと思いますが、とにかく三年間のうちに、完全に直し得るというような気持で善処いたしたいと考えております。しかも、その調査もなるべく本月中に完了して、すみやかに工事に着手するという考え方でございますから……。御趣旨に沿うて善処するようにいたします。
  29. 堀川恭平

    堀川委員長 小川君。
  30. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 直轄河川の利根川の工事負担金を関係府県に分担させておりますが、これは、一体どういう法律によって分担させているのか。それから分担金は、府県によって違っているようであります。その違う理由と、それはどういう根拠に基いて算出しているか、お尋ねいたします。
  31. 曽田忠

    曽田説明員 お答えいたします。ただいま御質問の利根川下流工事促進の問題でございます。これは、他の場所においても同じ問題でございますけれども、大体河川法に基きまして負担金の制度がとられているわけでございます。、どういうふうなやり方かと申し上げますと、一応全体的な改修工事を想定いたしまして、そのことによりまして、各都道府県の区域内におきまして、どの程度災害被害が免れるか、災害被害が免れる程度につきましては、一応改修によりまして被害が免れます区域内のいわゆる固定資産の評価額の割合に応じまして、各関係都道府県に負担をお願いしているわけであります。従いまして、場所によりましては、被害の区域、あるいはその区域内にあります固定資産の額、そういうものによっておりまして、若干の違いはあると思います。
  32. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 私の聞いたのは、こういう負担金を分担させていくのですが、これが各府県において相当な赤字の原因にもなっておるのです。従ってそういう分担金をかけるのには、その分担金をかける法律があるだろう、その法律はどういう法律だということを言っているのが一点。次に聞いたのは、この分担金が違う理由はどうか、算出の根拠はどうなのか、これは今の説明でわかった。そこで、これは何という法律でやっておるのか、その点をお聞きしておるのです。
  33. 曽田忠

    曽田説明員 河川法でございます。
  34. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 それからこの分担金は、今御説明を聞くと、府県によって災害を免れる程度を考慮して、区域内固定資産の多寡によってそういう分担金の率をきめる、こういう御説明ですが、そうすると、これはあなたの方の言葉で受益といいますか、はんらんした場合に、これだけは工事をやるから、それだけはんらんの被害から免れる、こういう受益率的な考え方に立って分担をきめられておる、こういうふうに解釈しておるのですが、そう解釈していいのですか。
  35. 曽田忠

    曽田説明員 お答えいたします。負担の割合の方につきましては、いろいろ御議論もあると思いますが、実は二、三年前でございますか、そういうふうにいろいろ負担の割合につきまして検討いたしました結果、その被害を免れる区域内の固定資産の評価というものが一応妥当公正であるのじゃないかという結論に達しまして、かようにいたしたのであります。逆に言いますと、一応受益の程度、そういうふうにもいわれるかと思います。
  36. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 そうすると、もしはんらんした場合には非常な被害を受ける。それを、工事をやることによって被害から免れるものに対して、分担金をかけていく、これは受益と言えるでしょう。そうすると、この河川行政というものは、損害だけを考えた治水というものだけを考えて、利水という方は、この点では考えておられないように考えるのです。絶えず川の水を利用している利水の面については考えていないのですか。
  37. 曽田忠

    曽田説明員 ただいまの負担の慣例から申し上げますと、利水という点は考えてやっておりません。
  38. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 これは、政務次官にお尋ねしますが、河川行政から見て、治水だけを考えて負担金をかけるのがいいか、利水も考えてやるべきではないかという意見と二つ出てくると思う。その場合に、今は治水だけを考えてやっているこれは、当然河川法によってそういう負担金をかけるならば、利水ということも考えてかくべきじゃないかという気がするけれども、あなたのお考えはどうでしょうか。
  39. 徳安實藏

    徳安説明員 利根川の負担金につきましては、関係の都県で相談をしてもらいまして、こちらの方も資料を提供し、各都県も資料をお出しになりまして合議の上で、これが妥当であろうという率が出てお話し合いがついたのをかけておるそうでありますから、その基本的なお考えの材料になりましたものがどういうものであったかということにつきましては、私も詳細承知いたしておりませんが、各都県は納得のいく資料に基いて、東京都は幾ら、千葉県は幾ら、こういう工合に御決定になったのがただいまの率だそうでございますが、お話しのように、治水関係ばかりではなく、利水関係も考慮して負担さすべきではないかという御意見はごもっとものように考えます。過去のいきさつ等につきましては、私ども詳細承知しておりませんので、よく調査いたしまして、御趣旨のように調査の上で善処いたしたいと考えます。
  40. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 各都県が納得したというのは、治水面から考えていけば納得した数字になってくると思う。この点については、今の御答弁によると、利水は考えておられないというので、当然利水を考えて負担金はきめるべきではないかというふうに考えております。次にお尋ねするのは、利根川は、ことし降雨量が少かったせいでしょうが、非常な渇水を来たした、そうして旱害が起っておる。これば雨量が少かったという点が理由だと思います。ところが、この利根川の渇水に基いて千葉、茨城等におけるところの膨大な地域にわたって、塩害が発生しておるわけです。この塩害が発生したということは、もちろん雨が降らないで利根川の水が少くなったからの原因でもありましょうが、その他にも、海の水が川に上ってくる。これは、工事関係も当然そこには出てくるだろうと思います。この原因は、あなた方ではどういうふうに説明されるわけでありますか、その点お尋ねいたします。
  41. 徳安實藏

    徳安説明員 いろいろ原因があろうと思いますが、ただいま治水課長が参りましたから、そちらの方から御答弁させます。
  42. 川村満雄

    ○川村説明員 今私委員会に参ったばかりでございますが、御質問によりますと、利根川の旱塩害の原因が工事にありはせぬか、こういう御質問のように思いますが、さようでございますか。
  43. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 工事にあるかないか、僕にはわからない。ただここ三年来塩害が発生し、だんだん上流に上ってくるということは、単に渇水したからというだけではなくて、工事関係があるのではないかと考えられるから、原因がどこにあるか聞いておるのです。
  44. 川村満雄

    ○川村説明員 それではお答え申し上げます。ただいまの御質問の内容につきまして、われわれの方で目下調査中でございますが、非常にことしは旱害が強くて、たとえば今までの雨量考えてみましても、大体今までの雨量の三分の一程度くらいしかございません。利根川の小貝川の上流から少し下に布川という地点がありますが、この川の流量が五月ごろから少くて、ひどいときには十トンないし五トンというような状態でありまして、利根川の上流からきます流量が非常に少いわけでございます。その関係で、下流の方の塩害が非常に大きく起ったのではないか、こういう一応のケースの資料は出ておりますが、同時に浚渫による工事によって塩害が起ったのではないかという疑惑を、皆さんとしては持たれておるようでありますが、われわれの方といたしましては、その点も、塩害が浚渫の結果によるかどうかを現在調査中でございますが。まだはっきり直接浚渫によって塩害が起るという結果にはなっておりません。いろいろ調査してみましてから結論をつけたい、こういうふうに考えております。
  45. 小川豊明

    ○小川(豊)委員  利根川は、渇水で毎秒五トンも減ったということですけれども、川の水が海に流れるのですから、渇水しただけでは塩害にならぬと思うのです。海の水が上ってくるから塩害が起るのじゃないですか、違うのですか、川の水自体に塩害を起す要素があるのですか。
  46. 川村満雄

    ○川村説明員 ただいまの点についてお答え申し上げますが、銚子の河口から大体安食という地点——印旛沼から水が出て利根川に入ります水門の地点が、安食というところでございますが、その点まで潮汐の影響が背からございます。潮汐の影響は、決してわずかの下流部分でなしに、あの地点は、銚子の河口から約七十キロぐらいになります。その地点まで干満の差がございまして、海の影響が利根川の七十キロの地点まできておるわけでございまして、ただいまの御質問のように、昔からそういう実情にあるわけでございます。たまたま上流雨量が少くて、利根川の流量が布川の地点で非常に少い、こういうのが相当な影響を持っておる、こういう事実でございます。
  47. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 ただいまお聞きしますと、銚子の河口から七十キロぐらいまでは、潮の干満によって塩分を持っておったのだ、こういう御答弁で、さもあろうと思いますけれども、塩害で騒ぎ出したのはここ三年くらいです。そうすると、利根の水は年々減っているわけですか。
  48. 川村満雄

    ○川村説明員 利根川の実情について御説明申し上げますと、利根川は昭和二十二年、二十三年、二十四年、二十五年と、四年間にわたりまして出水が非常に多かったわけでございます。この四年間にわたって連続して大洪水があったわけでございますが、その当時は、そういう大洪水のために塩害というものはなかったのでございます。ところが昭和二十六年以降につきましては、出水が全然ございませんで、ほとんど洪水というものはないという実情にあるものですから、流量関係で、毎年のトータルの流出量が利根川の場合は非常に少くなっているわけでございます。昭和二十二年から二十五年までの大洪水によりますトータルの流量は非常に多いわけでございますが、二十六年以降におきましては、トータルの流量というものは少くなっておるわけでございます。
  49. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 そうすると、二十二年から四、五年は非常に洪水等が多かったが、それ以後ば洪水がなくて流量が減っているということで、それはわかりました。わかりましたが、しからば一昨年よりも昨年、昨年よりも本年というように、逐年塩害が上流上流へと上っていくわけですが、これは、一体どこに原因があるわけでしょうか。あなたの方でお考えになって、あるいはお調べになって、原因がどこにあるか、一つ率直にお聞かせ願いたいと思います。
  50. 川村満雄

    ○川村説明員 ただいまの御質問でございますが、われわれの方で現在手元にあります資料でまとめたものは、布川の流量と塩分濃度の関係につきまして、ある程度のカーブが出ておりまして、それによりますと、布川の流量が非常に少くなりますと、塩分の濃度が濃くなっていく、こういう事実も出ております。
  51. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 そうすると、布川というのは、利根川よりも上流だろうと思うのでありますが、そこの流量が減ると流れが少くなるから、満潮くらいに押し上げてきた水で塩分が濃くなって、塩害を起すのだ、こういうような御答弁だというふうに解釈できるわけですが、そこで、布川の流量というのは、これはどういうことですか、利根川の水は、布川で調整しているわけですか。
  52. 川村満雄

    ○川村説明員 お答え申し上げます。利根川は、大体上流については非常に流量が多いわけでございますが、八斗島地点から下が改修区域になっておりまして、それから下におきまして、農業用水の使用が非常に大きいわけでございます。それから下流にいきまして、江戸川へ流量が分派するようになっておりまして、江戸川へまた流量が流れ込みまして、それから残りが下流に人ってくるわけでございますが、そこへ入ってくるのは、渡良瀬川と鬼怒川と小貝川しか入っておりませんで、あとは全都下流へ流れるようになっておりますが、上流で田植えの時期が参りますと、そこで相当の用水を取るようになっております関係上、下流へ行くのは非常に流量が少くなっておる、こういう実情になっております。
  53. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 それから、この問題で塩害地域からたくさんの人がいろいろの書類を出してくれたわけですけれども、これは似たり寄ったりのものですが、その中に一点こういうことがある。どこの要望陳情の中にも入ってきているのは、利根川の四十キロ上流、銚子の河口より四十キロ上流の佐原の地先まで海水が逆流している。そしてこの川の底は、太平洋の水面より一メートル以上も低くなっているからこういう結果が出ているのだ、こういうことを言ってきておりますが、これは、言ってきている方が事実の認識を誤まって言ってきているのですか。それとも、やはりあなたの方の立場からいうと、太平洋の水面より一メートルも四十キロ上流で低くなっているのが事実なんですか、どうですか。
  54. 川村満雄

    ○川村説明員 今の点についてお答え申し上げますが、利根川の銚子の河口の敷と佐原の敷につきましては、まだわれわれの方では十分調べておりませんが、多少そういう事実があるかもわかりません。それで、われわれの方といたしましては、今回の干塩害に対処いたしまして、現在霞ケ浦の方に対する対策といたしましては、常陸川の逆流水門生三十三年度から工事に着手する予定になっておりますから、常隆川、いわゆる霞ケ浦方面に対する対策としては、万全の処置が二、三年のうちにはできると思います。それから利根川の本流につきましては、今後十分に調査いたしまして、そういう措置が必要とあれば、逆流水門とか、そういうものを設けまして、塩害の対策を講じたい。それから黒部川の流域につきましては、現在黒部川水門ができておりますので、この措置はできますけれども、阿玉川水門、笠川水門、この二つのものは、いわゆる明治の最末期にできた構造物でありまして、非常に古くなっておりまして、今度の場合にも非常に水門が締まらない、そういう事実がございましたので、十分に改良対策を講じたい、こういうふうに考えて善後措置をとりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
  55. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 御答弁によると、やはり地元から言ってきている、太平洋の水面より一メートルも四十キロ上流で低いということは、あなたの方では、今の御答弁では明確ではないが、そういう事実もあるらしい、こういうことですが、そうすると、こういう事実というのは、ずっと昔からそうなっておったのか、それとも、改修その他によってこういう事実が最近にできたのか、この点はどうですか。
  56. 川村満雄

    ○川村説明員 そういう改修によってではございませんで、ずっと前からそういう事実がございます。
  57. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 ほかの方の時間をあまりとってもいけませんから、この問題の議論はまた後日に譲って、ここに建設省から七月一日に「利根川下流地域の干塩害恒久対策について」という資料が出ております。これを見ると、「常陸川逆水門については昭和三十三年度より事業に着手したが、これを促進することにより霞ケ浦、北浦等の淡水化を計り沿岸耕地の塩害を防止りする」という点が出ております。これによりますと、北浦、霞ケ浦はすでに塩害に侵されているということに立脚して、こういう文章が出ておると思いますが、それはその通りですか。
  58. 川村満雄

    ○川村説明員 この常陸川の逆流水門の計画と申しますのは、昭和十三年、十六年の大洪水によりまして、霞ケ浦の水位が、十三年の場合で申し上げますと、井上という地点において、普通の水位がYPプラスーメートルでございますが、それが三メートル二五、こういう普通の水位よりも二メートル二五水位が高くなりまして、沿岸の耕地が三万町歩浸水して異常災害が起きたわけでありますから、その水に対処して改修計画を樹立して、昭和二十三年から直轄河川改修工事として取り上げて、工事に着手しているわけであります。その中に逆水門の計画があるわけでございまして、その計画昭和三十三年から実施したということでございますが、霞ケ浦でばございませんが、たまたま外浪逆浦の方面において塩害が起きたわけでございますから、その塩害の対策として逆に利用したい、こういう措置でございます。
  59. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 私は、しろうとだからこの点はわからないが、霞ケ浦、北浦が塩分を含んでいるということはあるまいと思いますが、この文章によって、淡水化をはかるということから、これは塩分を含んでいるという事実に立ってとらえたものだと思って、この点をお聞きしたわけです。その次に、北浦に逆水門をつける。これを見ると、その他にも「大利根用水及び両総用水の取水地点を上流に移し、塩害防止を計ること。」、そうすると、この取入口を上流に移して塩害防止をはかるということはわかるのですけれども、北浦に逆水門をつける、その他にも逆水門を作っていくとすれば、支流に逆水門を作るから、あなたのさっきの説でいくと、利根の本流はますます逆流の度合いが激しくなるのじゃないかと、しろうと考え考えられますが、そういう心配はないのですか。北浦にも作る、それから阿玉川水門、笹川水門の改造により黒部川流末を本川と完全に分離してしまうということになると、利根の本流にもっと塩の遡上することが多くなりはしませんか、そういう心配はないわけですか。
  60. 川村満雄

    ○川村説明員 一応霞ケ浦に対する逆流水門としては、常陸川の逆水門で措置できますし、それから黒部川の支川につきましては、黒部川の逆水門ができておりまして、現に効果をあげておるわけでありまして、その措置はできるわけでありますが、黒部川の支川水門につきましては、阿玉川水門と笹川水門が、先ほど御説明申し上げましたように、古い構造物であるから、これを改良しまして措置をしたい、こういうわけでございます。それから利根の本流につきましては、現在浚渫による影響か、あるいは塩害か、あるいは利根川の流量が足らないので、そのために塩害が起きたのか、十分に調査して、それで霞ケ浦の淡水化した水をどういうように使うか、いろいろな措置考え措置をしたい、こういうので目下計画をいろいろ調査中でございまして、逆流水門といたしますと、大体工事費として今概算いたしますと、三十億くらいかかるわけでございます。非常に膨大な工事費がかかるものですから、そういう措置でなしに済むかどうかという点を検討して、十分に比較検討した結果、やっていいという価値が出てきますれば、われわれの方としてはやるのにやぶさかではないわけでございます。
  61. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 ちょっと私の質問お答え願った方がいいわけです。私は、そういうふうに幾つも逆水門を作ることはけっこうだと思うのです。これば非常にけっこうだと思うが、それを作ることによって、本流はさらに塩が上へ上ることが多くなりはしないか、そういう心配がありませんかとお聞きしているのですが、あなたのその点に対する答弁がありません。
  62. 川村満雄

    ○川村説明員 お答え申し上げます。逆流水門を作りますれば、塩害は上には絶対に参りません。
  63. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 逆水門を作れば、その水門を作った区域は差しつかえないが、利根の本流をもっと塩は遡上することはないかということですが、それはないわけですか。
  64. 川村満雄

    ○川村説明員 今の御質問は、常陸川の逆流水門と黒部川の逆流水門だけを作って、本川に逆流水門を作らない場合には、塩が上流に行きはせぬか、こういう御質問だと思いますが、そういう御質問と仮定いたしましてお答え申し上げますと、そういう点がどのくらい行くかは、調べてみないとよく御返答できないわけでございます。
  65. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 私は、利根の本流にそれを作るなんということは、まだお聞きしていないのです。そういう御構想はあなたの方にはあるわけで、これはけっこうだと思うのです。けっこうだと思うが、これは膨大な金、年月もかかることなので、そのことは別として、私のお聞きしているのは、しろうと考えで、利根から逆水するところへみな閘門を作っていくならば、利根の本流は、さらに塩が佐僚からもっと上へも行くような心配がありはしないか。それが農業用水、あるいは家庭用水等に使うために非常に塩分が濃くなってきているわけです。そういう心配がさらに出てきはしないか、出てこないならそれはいいのです。出てくるとすると、これにうたってある取水口を上流にもっていくということは、おそらく佐原か、その先の神崎、あの辺よりほかに持っていきようがないでしょう。そこまで塩が上ってしまうならば、そこから取り入れたってむだになるのじゃないか、方々で押えるのだから、もっと上へ上る心配がありはせぬかということで、あなたの方で責任を持つのだというのなら、それで私どもはけっこうなんです。
  66. 川村満雄

    ○川村説明員 今の場合は、本川に逆流水門を作らない場合は、いろいろ調べてみないと、塩分の濃度が上流に波及するかどうかはまだ結論が出ません。逆流水門を作った場合には、上流には塩分の濃度の濃いやつは行かないように淡水化されます、こういうふうにお答え申し上げたわけであります。
  67. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 これは、地元の人の意見を聞くと、そういう方々に作っても、さらに利根に塩水が上る、こういうことを言っているからお聞きしたのだが、それは調査しなければわからない。しろうと考えで、これは上るんじゃないか、そっちもこっちも押えれば上るんじゃないか、こう思うわけです。そこで、さらにもう一点最後にお尋ねしたいのは、そういうふうに黒部、あるいは笹川、あるいは常陸川の方へ逆水門を作ると相当の金がかかる、それからさらに利根本流へも作る、これもけっこうなことだと思いますが、本流へ作るならば、こっちへ作る必要はなくなってくるんじゃないかというような気がします。非常に多大な金がかかるわけですが、金のかかることを言うのではなくて、常陸川やあるいは黒部等へ作っていくだけでは——利根本流へあなたの方は逆水門を作ろうとしておるが、もっと潮が上へ上るだろうと思うから作るので、上る心配がないなら作る必要はない。あそこは洪水のことだって考えなければなりません。今干害で騒いでいるけれども、洪水のことだって考えなければならない、そういうときに、利根本流へ逆水門を作ったら、果して洪水に耐え得るかどうかということを心配する人もある。ところが年々こういうふうに潮が上げてくるから、従って本流の方へも逆水門を作ろうとあなたの方は計画を出している。作らなければ、もっと潮が上へ上るだろうということが前提になっておるから、作ろうとしているのだろうと思う。今調査しなければわからないとあなたは答弁しておるが、そうだとするなら、その本流へ一ぺん作ったならば、常陸川や黒部川へ作ることはやめても差しつかえないのではないか、こう思われるけれども、この点の御見解はどうか。
  68. 川村満雄

    ○川村説明員 常陸川の逆流水門の地点から下流に逆水門を作るか、それともその常陸川の逆水門の上へ利根川の逆水門を作るか、位置の問題につきましてお答え申し上げますが、常陸川の逆流水門より下に利根川本川に逆流水門を作るといたしますれば、これは霞ケ浦の逆流を防止するためにも常陸川の方へ逆流水門が要るようになりまして、本川の方へ逆水門を作ることになりますと、今の概算では五十億円くらいかかる。そのほかに、霞ケ浦の逆水門は、霞ケ浦を助けるためにはぜひ必要なものでありますから、省けません。黒部川の逆水門はすでにできておりますから、これは別に問題はございませんが、そういう点で、下流へ作ることは非常に工費がかかって効果が薄いわけです。われわれが今考えておりますのは、常陸川の逆水門の分を合せまして、有堤部内に作りますと大体三十億円くらいかかる、こういう予定で、そういう工合に三つ作らないと、一つはできておりますが、あと二つ作らないと措置ができない。こういう考えで今いろいろと調査しておりますが、これがまだいいか悪いかの今後の検討をしましてやるやらぬはきめたい、こういうふうに考えております。
  69. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 私、これでおしまいにしましょうと思ったが、そうすると、これは今私非常な考え違いというか、陳情等に来られた人たちの意見を聞き過ぎて、誤まっていたかもしれませんが、私どもは、常陸川やその他の下流へ作るものだ、こう思っておったが、下流へ作るならば二つも三つも要らないじゃないか。それならば、あなたの方では、調査した結果、常陸川の利根本流へ合するその上流になるかどうかまだわからない、こういうことですね。それはそれでわかりました。そうすると、上流へ作った場合、その作られた上流から下の塩害というものはどういうことになりますか。
  70. 川村満雄

    ○川村説明員 これは、江戸川に例がございますが、江戸川に篠崎水門と行徳の水門がございまして、これで、東京都の金町の浄水場が水道水源になっておるわけでございますが、これの用水門としまして、千葉用水門というのが浦安の方に水門を持っておりまして灌漑をしておりますし、それから東京の方の東京都用水工事というのがありまして、そこから用水を引く、こういう措置をしておりますから、常陸川の逆流水門と並行して利根川本川へ作るという場合があると仮定いたしますれば、沿岸の耕地に、用水路の附帯工事をしないと、措置ができないと思います。
  71. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 それからこれを見ますと、取入口を上流の方に設けて塩害防止をはかるということでありますが、上流というのはどの辺を指しておりますか、この点をお聞きいたします。
  72. 川村満雄

    ○川村説明員 場所につきましては、上流に移すというように抽象的に書いただけでございまして、位置につきましては、まだ作文に書いただけでございまして、十分に地点を調査して措置したい、こういうふうに考えております。
  73. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 私は、七月一日に出されたあなたの方のこの書類を見て、陳情に来られる大勢の人たちに、建設省がこういう計画を立てて真剣に考えておるようだが、騒ぐばかりが能ではないのだから、そう騒がずにやったらどうだ、その結果を見たらどうだと言っておいたのですが、あなたの答弁では、今作文なのだという。これでは、まるで陳情の人をだましたようで、私はもっとこれは真剣に検討し、権威のあるものとして出されたものだと思うのですが、これは違うのですか。まだ全く作文であって、どうしようかこうしようか、これから研究してみるという程度のものですか。そうなってくると、あの水害、干害をそのままほっておくわけにいかなくなる。あなたの方でこの計画に基いて検討することも必要でしょう。これは急速に進めるのだというならば、われわれは陳情の諸君にそう言ったこともうそじゃない。あなたの方で、これは作文にしかすぎない、これは一体どうなのですか。
  74. 川村満雄

    ○川村説明員 農業用水の取入口の仕事につきましては、農林省の仕事でございまして、農林省と建設省と十分に打ち合せて位置をきめなければならぬものでありますから、われわれの口からそういうことを申し上げるのは幅ったいので今お答え申し上げたようなことでございまして、当然農林省が考えるべきことで、建設省工事ではないわけでございまして、その点、農林省と打ち合せて措置したわけでございます。
  75. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 僕は、そういう点で勇敢でないと思う。農林省に行けば、河川の問題は建設省である、建設省と相談しなければできない。しからば建設省にお聞きをすると、これは農林省と相談しなければならない。相談なさるのもいいでしょう、苦しむのは沿岸の住民、農民だ。私はこれ以上触れませんが、これは、建設省の治水政策と農林省の利水の方とマッチしないから出てきた一つの原因でないか、こう言いたい。けれども、そういうことを言って、せっかくあなた方が心配していることをおくらせるようなことがあってはならないと思うから、私も言わないけれども、これは、あなたの方で今農林省と相談しなければならない。農林省に行けば、建設省と相談しなければならない。いつまでたってもこれは相談だ。急速に相談、協議をまとめて実施に移すことを私は特に次官に要望しておきまして、私の質問を終ります。
  76. 徳安實藏

    徳安政府委員 ただいまの御説、ごもっともでございます。塩害につきましては、最近非常に問題になっておりますので、専門家の言うことばかりが原因でもなくて、あるいは地元の方の言われることも相当真理があるように考えられますから、こうした点につきましては、ただいま慎重に建設省と農林省共同で調査もし、検討も加えておる次第でございまして、すみやかに結論を出しまして、御趣旨に沿うように努力をいたします。
  77. 堀川恭平

    堀川委員長 三鍋委員
  78. 三鍋義三

    ○三鍋委員 簡単に二、三点御質問申し上げたいと思います。最初に道路局長にお尋ねしたいと思うのでありますが、鉄道の踏み切りが非常に交通の隘路になっておりますことは、みんな非常に心配しておる点でありますが、交通の隘路だけでなくして、大きな災害の原因にもなっていることは、事実がこれを示しておると思うのであります。この鉄道の踏み切りに対する建設省の具体的な対策というものを、どのように考えておられるか、これをまずお聞きしたいと思います。
  79. 佐藤寛政

    佐藤説明員 道路と鉄道との踏み切りの関係でございますが、まず全体の規模をちょっと申し上げますと、踏み切りのうち、立体交差になっておるものは一応解決済みでございますが、残っておりますものは、全国でもって約七千四百カ所くらいございます。そのうち警報機があるとか、遮断機があるとかという一応の施設ができておるものがありますが、そういうものがない、いわゆる最も危険な踏み切りを勘定してみますと、七千四百カ所のうち約三千五百カ所くらいある、こういう状態でございまして、踏み切り交通の安全につきましては、運輸省もさることながら、道路を預かっております私どもといたしましても、これが対策につきましては、従来から非常に考慮いたしておったわけでございます。それにつきまして、ただいま御質問のように、従来どんなふうにやっておったかということを申し上げますと、本年度の道路関係の踏み切りの工事といたしましては、国道と鉄道が交差いたします踏み切りに対しましては二十二カ所、それから地方道の踏み切りに対しましては八カ所、合計三十カ所に相なりますが、この三十カ所の踏み切り工事道路関係の踏み切り除却工事として実施いたしております。このほかに、この踏み切りには、さらに計画関係で実施しておられるところがあるわけでありまして、合計いたしますと、全体で五十二カ所の踏み切りが本年度工事でもって除かれると申しますか、改善される勘定になるわけでございます。本年度はそれだけでございますが、先ほどの全体の数と対照いたしますために、いわゆる第一次の道路整備五カ年計画を二十九年から実施して参りましたが、それ以来どんなふうに改善されておるかということを申し上げますと、国道十八カ所、地方道九カ所、合計二十七カ所、その他計画局分の踏み切り関係の仕事として三十六カ所、合計六十三カ所が、二十九年以来の五カ年計画でもって改善された。それに、先ほどの本年度工事によって改善されるものが加わるわけでございます。そういうふうにいたしまして、従来におきましても、平面交差の危険なものを除去し、改善することに努めて参っておるわけでございますが、踏み切り交通の事故の非常に多いことにかんがみまして、今後におきましても、そういう危険の度合いに応じまして、できるだけ踏み切りの安全をはかるようにいたして参りたい。その点につきましては、ただいま策定いたしております道路整備五カ年計画の中にも十分盛り込んで参りたい、こういうふうに考えておるわけであります。
  80. 三鍋義三

    ○三鍋委員 実に心細い話を聞いたように思うのです。七千四百カ所のうち、最も危険な踏み切りのないのが三千五百カ所、それに対するところの本年度の計画は二十二カ所と八カ所、これでは、いつこの問題が解決されるのか、非常に心もとない話なのでありますが、こういった点も、もうちょっと真剣に政府としても考えてもらわなければならぬと思うのであります。それは火災復興とか、あるいは都市計画事業によりましてせっかく道路幅員もりっぱになって、みな非常に喜んでいる、ところが、情ないことには踏み切りが昔のままになっておる、何と聞いても理解のできないことだと思うのです。これはまた交通に、その他火災とか、そういうものがあった場合にやはり大きな障害となる。私たちは、水害でも、あるいは火災でも、それが発生してからあと、非常に緊急やむを得ない事故として一生懸命やるのでありますが、原因というものをもう少し真剣に考えていくならば、こういう問題はもう少し最小限に食いとめることができるのではないか、このように考えるのであります。せっかく道路拡張工事までしておるのに、踏み切りだけが依然として工事が進まないという、この問題に対しまして、どのように考えておられるのか、これは一つ明確に御所信を承わりたいと思います。
  81. 佐藤寛政

    佐藤説明員 悪い踏み切りが多いのにもかかわらず、改善される分が非常に少いのではないか、こういうお話でありまして、まことにごもっともでございます。ただいま私が申し述べましたのは、平面交差を立体交差に、つまり切りかえたのがそういうことだというふうに申し上げたのでございますが、全般といたしまして、まだ悪い踏み切りがたくさん残っておるわけであります。踏み切りにおきます事改の原因は、運輸省、あるいは警察方面で非常に調査をいたされておりますが、やはり運転する方の若干の不注意によるものが、かなり原因としては多いかと存じますが、それにいたしましても、汽車なり電車なりが通りますのがはっきりわかるならば、それを突っ走るということはなく、いやでもとまるわけだと思うのであります。いろいろ不注意による原因もございましょうが、見通しをよくするということが大事なのではないだろうか。幅の狭い踏み切りにいたしましても、たんぼの中の踏み切りのような、よく右も左も見えるところでは、まさか突っ走るようなことはあるまい。一番危険なのは、やはり見通しの悪い踏み切りじゃなかろうか、そういう見通しが悪く、道路の方の交通量も非常に多い重要路線の踏み切りのようなものは、その危険度に応じて、できるだけそういうものは拾い上げて参りたい。しかしながら、一時にそういう除去ができないにいたしましても、あるいはその見通しをよくするとか、そこまでいかなければわからないというのを、もう少しわかるようにいたすならば、よほど事故が減るのではないだろうか、こう考えております。従いまして、踏み切り除却ではありませんが、道路の局部改良その他で見通しをよくするというようなこともこの道路事業の中に織り込んで、とりあえずはそういうふうに処理いたして参りまして、将来交通量の増加とともに、予算の許す限り、そういう危険なものは除去して参りたい、こういうふうに思っておるわけであります。そこで、御質問の都市内の電車その他による踏み切りでありますが、これらにつきましても、道路局の関係いたしております一級国道、二級国道等の幹線道路の踏み切りにつきましては、できるだけ重要路線につきましては、立体化をはかるように進めつつあるわけでございます。
  82. 三鍋義三

    ○三鍋委員 それはわかりました。私が質問した第二点の方は、せっかく幅員が拡張されたのにもかかわらず、踏み切りのところだけが依然として旧態のままになっている、この問題を解決しないとおかしいじゃないか、隘路はどこにあるか、それをお聞きしている。
  83. 佐藤寛政

    佐藤説明員 市街地におけるそういう踏み切りは、道路が広くても、立体化することはいろいろな点において非常に困難があるわけでございますが、これに対しましては、最も踏み切りの危険の多い車両でございますね、自動車の通る一部分だけでも上げるなり下げるなりいたしまして、立体的にそういう踏み切りをなくすというようなこともできないことはなかろう、そういうような措置を行なっているところはたくさんございます。しかしながら、一般的に申しますと、市街地でもう線路のまぎわまで人家が連檐しておりますところの踏み切り除去というものは、これはひとり道路局だけの問題ではございませんが、これは非常に問題でございまして、私どもといたしましては、せめて幹線道路だけでも、車両の一部を立体交差するように考えていきたいと思います。
  84. 三鍋義三

    ○三鍋委員 私がお尋ねしておるのは、踏み切り除去まではいかないのです。そんな大げさなことを考えているのじゃない。そこまでいけばいいのだけれども、そうじゃなくて、せっかく鉄道線路まで道路拡張がなされておるのに、鉄道の踏み切り自体が依然として狭いままである、この工事が遅々として進まない理由はどこにあるか、これを何とかしてやらぬというとおかしいじゃないか、こういうささやかな質問なんです。
  85. 美馬郁夫

    ○美馬説明員 おそらく私の局の所管の問題だろうと思いますが、詳細建設課長からお答えいたします。
  86. 奥田教朝

    ○奥田説明員 道路の拡幅が終りまして、踏み切りだけ狭くなっている個所が数カ所ございますが、それは、大体において保安施設などの折衝に時間を要しているためでございます。魚津の火災復興に関連いたしまして、前後の道路の拡幅が済んで、なお踏み切りの拡幅が済んでおりませんのは、附近に国道の踏み切りがございまして、保安施設に関していろいろ技術的にめんどうな点があるので遅延しております。これは、火災復興の一環として拡幅する予定でおります。
  87. 三鍋義三

    ○三鍋委員  これは、国鉄の問題だと思うのでありますが、もう少し率直に、この問題が解決されない理由があるのじゃないかと思うのですが、お答え願いたいと思うのです。それをどう打開していくかというのが、やはり問題だと思うのです。
  88. 奥田教朝

    ○奥田説明員 具体的にそれ以上の理由はちょっとわかりませんので、よく調べましてお答えいたしたいと思います。
  89. 三鍋義三

    ○三鍋委員  この工事は、国鉄に委託するわけなんですが、仄聞するところによると、この鉄道の工事費が非常に高くつくようなのであります。普通の場合、かりに一千万円とするならば、その倍額を要するというようなことが隘路になっているように聞いているのですが、そういう事実があるのですか。どうしてそういう普通考えられない——もっとも鉄道でありますから、時間的に、技術的にいろいろな問題もあって、普通の場合よりも事業費が非常に高くつくことはわかるのでありますが、これを一般の建設業者に請け負わした場合よりも、倍額くらい高くこの改良事業費がつくということを、ほんとうかうそか私は知りませんけれども、聞いているのですが、そういう問題が、こういった踏み切りの拡張工事が依然として取り残されておるところの大きな原因になっているのじゃないか、こういうことも考えるのでありますが、この点はどうですか。
  90. 徳安實藏

    徳安説明員 ただいまの御質問、ごもっともです。私ども、この問題につきましては前から知っているのですが、鉄道は、御承知のように、保安上一般の業者の請負を喜ばない、要するに自分の方の関係の業者にやらせなくちゃいけないのだというようなことをいって、そうして金額の点におきましても、一般の業者に入札させれば安いものを、特定のものを指定しますから、非常に高くて、そうして地方負担、要するに町村なり地元が負担する面が非常にかさむというような点が非常に多いのであります。私ども、これは建設関係でなしに、一議員といたしまして、国鉄のそういうやり方はいけない——もっとも、これは保安上いろいろな資格条件があるようです。けれども、それを備え兼ねておれば、一般の業者に請け負わせてもよいじゃないか、そうして、一般競争入札によって、やはり安いものにさせるというのがほんとうだ、そうすれば、経費も安くなるのだということをいっておりますが、上の方に言いますと、なるほどその通りで、決して私の方は、そういう特定なものを指図しておりませんというのですけれども、現場に参りますと、やはり鉄道局あたりでは、何々鉄道工事株式会社というのがありまして、そういうものでなければいけないのだというようなことをいうのです。これは、私も幸い今度こちらの方に参りましたし、鉄道との関係もありますから、よく話し合いまして、そうした過去のみぞは、水が流れるように掃除してみたいと考えておりますが、お説のように、各地方とも非常に困っております。
  91. 三鍋義三

    ○三鍋委員 ただいま次官から非常に心強い御答弁を願ったのでありますが、これはぜひやっていただきたいのです。そうしませんと、東京周辺にいたしましても、たまに郊外に出ようとするときに、ずいぶん変なのがあります。ああいうのが都市周辺にずいぶん多いのじゃないかと思います。技術的な面がいろいろ考えられるのでありますが、これは、技術者が指導して監督すればできるわけでありますから、政務次官、ぜひ力を入れてやっていただきたい、こう思うのです。私は、なお引き続いてやりたいのでありますが、塚本さんに譲ります。
  92. 堀川恭平

    堀川委員長 政務次官政務次官会議に十二時から参りますので、どうぞ簡単に願います。塚本委員
  93. 塚本三郎

    ○塚本委員 国土開発縦貫自動車道に対してお尋ねします。これは、前会御質問申し上げたのですが、お答えをいただけなかったので、次官にお尋ねするわけですが、この問題は非常に大きな問題でありまして、しかも国土開発という意味は、非常に大きな意味があります。しかも、この仕事は全国の青年が非常に注目しておりまして、青年の政治に対する夢とまでいわれております。こういう問題に対しては、民間のそういう青年の団体の力をこの中に投入するという意味で、たとえば日青協等が産業開発青年隊というものを組織いたしまして、干拓事業等にある程度貢献して参ったのでありますが、今度のこういう事業に対して、日青協からそういう申し出があった場合に、この産業開発青年隊というものをこの自動車道に対して投入する御意思がおありかどうか。と申しますのは、すでにこの開発青年隊は、技術的にも進歩いたしております。さらにまた農村の二、三男対策の問題としても考えて、これが土建業者につながるのではなくして、自発的に青年みずからが建設教育と技術を身につけて国土開発に貢献したい、こういう念願に燃えておるところの青年がたくさん集まっております。この数は年々増加しつつあり、技術も進歩しておりますので、でき得るならば、そういう申し出のあったときには、この事業の中に投入することは私は非常にいいことだと思っておりますから、その点で、そういうことを御利用になる御意思があるかどうか、お聞きしたい。
  94. 徳安實藏

    徳安説明員 非常にけっこうな御意見のように考えておりますが、いずれ大臣ともよく相談いたしまして、きわめて近い機会の委員会等におきまして、はっきり御答弁するようにいたしますから、さよう御了承願いたいと思います。
  95. 塚本三郎

    ○塚本委員  もう一つだけ。もしそうなりますると、具体的に開発青年隊の技術に対する程度、そういうものも、おそらくこれは採算が合わなければならぬと思いまするので、そういう点で、青年隊の人たちと関係者の方と懇談でもしていただきまして、そして具体的な青年の希望、あるいはまたそういう技術の問題等について話し合う機会等を持っていただきたいと思いまするが、その点、御要望申し上げておきます。
  96. 徳安實藏

    徳安説明員 まことにけっこうだと存じます。
  97. 三鍋義三

    ○三鍋委員 次に、踏み切りの除却または改良事業の負担に対する問題でありますが、最近建設省と国鉄の間に何か協定ができたようにお聞きしておるのでありますが、その具体的な問題をお聞かせ願いたい。
  98. 佐藤寛政

    佐藤説明員 建設省と運輸省との協定についての御説明でございますが、これは、昔は内務、鉄道両省協定というものでもって、長らく鉄道の踏み切りの問題を話し合って参ったのでございますが、いろいろこれには不備がございまして、数年来踏み切りを扱う考え方について、国鉄当局と相談して参ったわけでございます。ただいま御指摘のように、三十一年の十二月に両者の協定ができましたので、その点につきまして、折衝に当りました路政課長から御説明いたさせます。
  99. 三橋信一

    ○三橋説明員 建設省と国鉄との協定について御説明申し上げます。三十一年の十二月に、建設省と国鉄との協定がととのいました。なおその後におきまして、細目協定をいたしました。それで、現在それによって運営されているわけでございますが、内容といたしましては、道路と鉄道との交差施設、つまり踏み切りとか立体交差の施設でございますが、これの管理規定、それからそれの費用負担の規定、それが内容でございます。本協定は十三カ条から成っておりまして、まずその第一の問題といたしましての費用負担について申し上げますと、まず建前は原因者が、つまり踏み切り交差を新設するという場合には、原因者が負担するという原則をまず打ち立てました。つまり道路が鉄道を横切っていく場合、あるいは鉄道があとから道路を横切る場合、この場合には、まず原因者が負担する、そういう建前をまず立てております。そこで、道路と鉄道とが交差いたします計画、それが道路側にも鉄道側にもあったという場合におきましては、たとい新設でございましても、それは折半で費用を負担するということにいたしております。それから現在踏み切りがございまして、それを今度は立体交差にしようという場合、その場合には、費用負担がいろいろ変化がございますが、そういう場合のまず原則といたしましては道路側が費用の三分の二を持ち、鉄道が三分の一を持つということを原則にいたしまして、その場合におきましても、駅の構内あたりで非常に道路交通量が多いところがある。あるいは鉄道の方の通過回数、あるいは貨車の入れかえ、そういうようなことで、遮断時間が非常に長いというような場合には二分の一まで、つまり先ほど申し上げました道路三分の二、鉄道三分の一、それをそれぞれ二分の一までの負担にできる。つまり鉄道の方が多く持つ、そういうことにいたしまして、これを細目協定におきまして、道路交通量、それから鉄道の方の原因によります遮断時間、それをいろいろ組み合せまして、五分の二あるいは二分の一というこまかい区分をいたしております。費用負担につきましては、新設、改築等についての関係は、ただいま申し上げたようになっております。なおその次に、現在あります踏み切りの費用負担につきましては、鉄道側がこれを負担する。平面交差の踏み切りについては、鉄道が負担するということになっておりまして、それの管理につきましては、両者が協議して、どちらが管理するかをはっきりするということにいたしております。現在のところでは、大体鉄道が管理しておる例が大部分でございます。ただし、道路あとから乗っていきました場合には、道路管理しておる例もございますけれども、従来からの例を総体的に申し上げれば、鉄道の管理しておる方がはるかに多い、そういうような状態になっております。そのほか、この協定におきましてきめておりますことは、道路と鉄道の交差の協議会を作ろう、これは、この協定を作りまして、一応建前としてははっきりしたわけでございますが、現地におきましてはいろいろなケースがございまして、現地同士なかなか話がまとまらぬというようなこともございますので、この交差の協議会を設けて、ここで相談して参る、そういう規定を設けております。大体大ざつぱに申しまして、以上のような内容でございます。
  100. 三鍋義三

    ○三鍋委員 全部お話し願う必要はもちろんなかったので、大体今の御答弁で協定の内容は理解できたのでございますが、私鉄の場合はどういうことになりますか。
  101. 三橋信一

    ○三橋説明員 私鉄につきましては、道路法三十一条に基きまして、個々に協議するということになっております。なおそれに関連いたしまして、ただいま運輸省の方で立案しておりますが、交差に関する問題を法律化しようではないかという議論が起っております。その考え方の中には、私鉄につきましても、その法律の内容に盛っていこうというようなことになっておりますが、費用負担等の問題につきまして、これは運輸省といろいろ立場の違いもございまして、ただいまその点の話をいろいろ折衝しておるわけであります。
  102. 三鍋義三

    ○三鍋委員 ぜひその作業は進めていただきたいと思います。次に、道路整備五カ年計画案によりますと、地方道の改良事業というものが含まれておるのでありますが、これを実施していきます上におきまして、当然県の単独事業費というものは地方で負担しなければならないのですが、これは、なかなか現在の地方財政においては、困難な問題を含んでおることは御承知の通りであります。そこで、自治庁財政課長さんにお尋ねしたいのでありますが、この起債の問題に対しまして、どのような計画考えておられるか、これを一つお尋ねします。
  103. 細郷道一

    細郷説明員 お話しのように、五カ年計画案の中に、地方単独事業費が千九百億見積られておるわけであります。地方団体が負担いたします部分は、この地方単独事業のみならず、補助事業に対しまする地方負担分もあるわけです。そういうものを合せまして、私どもは今年度の政財計画においては、その財源の措置を十分いたしておるのであります。今御指摘のような、地方債についてどう考えておるかうといことにつきましては、今年からは、地方債を道路財源に充てることはやめるようにという考え方を持っております。と申しますことは、府県市町村、それぞれ域内に相当の長さと広さの道路を持っておるわけであります。そういうような工事に対しまして、毎年同じ程度の事業量を繰り返していく場合に地方債を充てて参りますと、償還の時期が平年度化した場合には、右手で地方債を借りて左手で公債を返さなければいけない、こういう事態が生ずるわけであります。そういう意味におきまして、地方債というのは純粋な意味の財源ではありませんので、われわれといたしましては、そういうどちらかといえば財政的に見て健全でないような要素の財源は、できるだけこれを避けて、それ以外の財源をもってこれに充てるように、こういう措置をいたしておるわけでございます。御承知でございましょうが、具体的には地方道路譲与税でありますとか、あるいは軽油引取税、あるいは都市計画税の一部が道路に回るといったような目的税もございますし、また一部にはそれぞれの地方の地元の負担金、分担金というような雑収入も考えられる。そのほかにつきましては、交付税の計算におきまして、需要としてこれを見込んでおる、こういうやり方をとっておるわけであります。
  104. 三鍋義三

    ○三鍋委員 ただいまの財政課長の御答弁によりますと、なるべく目的税その他交付税といったような財源によってまかなっていくべきであるという建前をとっておる、こういう御答弁があったと思うのですが、実際問題としてどうですか。これは、道路整備五カ年計画に大きな一つの隘路となるのではないかと私は思うのでありますが、完全に整備計画が実施できるとお考えでございますか、この点を一つお聞きしたいと思います。
  105. 佐藤寛政

    佐藤説明員 五カ年計画におきます地方負担は、千九百億円の補助事業に対する負担というものがございまして、相当地方の負担は多かろうと思います。ただいま財政課長からお話ございましたように、これに対しましては、よほど地方がこの事業を予定通り実施して参れるような財源措置を講じていただかなければなるまいかと思っております。従いまして、その点につきまして自治庁の方とよく相談いたしまして、大事な計画でございますから、その計画が完全に遂行できるようによく打ち合わして参りたい、こう思っております。
  106. 三鍋義三

    ○三鍋委員 それは当然なことでございますが、実際問題として、五カ年計画の案が近いうちにでき上りますが、こういった問題を一つ根本的に十分御検討していただかないと、地方は困るのじゃないかと思うのであります。これに対して、もう一ぺん御所信を承わりたいと思います。
  107. 佐藤寛政

    佐藤説明員 私といたしましては、これに対しまして地方財政当局が、ただいまお話しのような、十分安心のいけるような措置をしていただけることをよくお願いいたしまして、それを十分信用いたしまして、事業の実施にそごを来たさないようにいたしたいと存じます。
  108. 三鍋義三

    ○三鍋委員 それでは、ぜひ一つこの問題は十分御検討を願いたいと思います。実は、私は政務次官にお聞きしたいと思っておったのですが、前回の委員会におきまして、この道路整備五カ年計画案なるものができました場合——根本建設大臣は、四月中にこれを出すと言っておられたのでありますが、新大臣は、七月中とおっしゃったのですけれども、それは建設省の案ができるのでありますか。その場合号に、十分この委員会においても協議、審議、御研究を願いたい、こういう御答弁が新大臣からあったのでありますが、計画案ができた場合、当委員会に一応提示されまして、私たちにこれの十分審議の機会をお与え下さるお考えがあるかどうか。私はあるものと思いますが、これに対する御答弁をお願いしたいと思います。
  109. 佐藤寛政

    佐藤説明員 道路整備五カ年計画につきましては、ただいままとめ上げるのを大急ぎでやっておるわけでございますが、これの格好がつきましたら——以前そのごく構想の一部をこの委員会で御説明申し上げたはずでございますが、さらにもう少し内容のわかるようなものを申し上げて、御意見を承わりたいと存じます。
  110. 三鍋義三

    ○三鍋委員 次に、住宅関係で若干御質問申し上げたいと思っておったのでありますが、取り急いで御質問申し上げなければならぬ問題でもありませんので、次会に譲りまして、ただ一つお聞きしたいと思うのであります。それは、日本住宅公団のアパートにキクイムシが入って、相当問題になっているようでございますが、この経過と実情をお知らせ願いたいと思います。
  111. 鬼丸勝之

    ○鬼丸説明員 ただいま御指摘の公団住宅の虫害の状況と、それに対する対策をかいつまんで御説明申し上げます。七月七日の読売新聞であったと思いますが、キクイムシの害が相当あったと出ておりますが、この虫は、正式にはタケノコシンクイムシというものと、それに類する、ほかにもう二種類あるようでございます。この虫がラワン材の部分に卵を付着してりおりまして、それが孵化して、ラワン材の材質を食っていって、穴があいたというのが実際の被害状況でありまして、このラワン材は、住宅の戸だな類とか台所の一部、あるいはげた箱等におもに使われておるのであります。この被害は、ことしの五月の下旬ごろから発見されまして、公団としましては、六月に一斉調査をいたしました結果、届出ないし調査があったものが八百二十件ございました。これを、公団の今まで管理しております住宅戸数の割合から申しますと、発生率は約三%に及んでおります。そこで、公団におきましては関係方面、特に農林省の林業試験場等ともさっそく連絡いたしまして、これらの専門家の指導を受けながら、さらに精密な調査をいたしますと同時に、わかったものについては、薬剤を塗りましたり、あるいは吹きつけをするというようなことをいたしまして、被害件数の大部分は、目下処置済みであります。なお今後新築するものについて申しますと、ラワン材に付着するタケノコシンクイムシの卵というものが、非常に小さいもので、なかなか発見しにくいというような事情もありますので、できれば輸入のラワン材をなるべく使わないようにする。つまりほかの材料で間に合せていくというようなことも考えたい。どうしても経費の関係等でこれを使うという場合には、あらかじめ使用材を薬液に浸しますとか、そういう防虫措置を講じまして使いたい、こういうことで目下進めておるような次第であります。
  112. 三鍋義三

    ○三鍋委員 もちろん結果の状態を御質問申し上げたのでございますが、どうも当局は、物事を非常に簡単に考えておられるのではないかと思うのです。私たちしろうとだったら、こういった問題は、そういう事態が発生してからあわてふためくのは、これはしろうとの情なさでやむを得ない。しかし少くとも専門家は、ラワン材というものは一体どういう素材であるか、それにはどういう危険性が内蔵しておるか、こういったような問題は、これを使用するということをきめられる前にすでにもうよくおわかりになっている問題でなければならない、こう思うのです。もちろん私たち、いや専門家でも知り得なかった思わぬ問題が起きてくることも、私は認めるのでありますが、少くとも、やはりこうやって国民の税金を使って住宅政策を遂行していく上においては、公けの金を使う場合には、もっと慎重さがなければならないのではないかと思うのです。これは、やはり相当な損害になるのではないですか。そうして、これをまた取りかえるとか、あるいは建て直すとかいったような、こういうことは、しろうとならしろうとの情なさでやむを得ないといたしましても、どうも専門家がやられる仕事としては、少しずさんであり手落ちであったのではないか、このように考えるのでありますが、このラワン材というのは、大体そういうキクイ虫ですか、そういうものがたかりやすいのですか、これに対するところの消毒問題なんか、当然使用される前に技術的に考慮さるべき問題であると私は思うのでありますが、どうも公けのお金は、自分のふところから出すのでないから、そこにちょっと手ぬかりがあったのではないかというような感じを受けるのでありますが、これに対するところの局長さんの御意見を承わりたいと思います。
  113. 鬼丸勝之

    ○鬼丸説明員 このラワン材に、ただいま申し上げましたような虫がつくということが、実は当初ははっきりわかっていなかった、予想されなかったのでございます。これも、最初にわかりましたのは、例のマーグの住宅に使いましたラワン材で、これは、フィリピンの方から入ってきたものでございますが、それにこの種の虫がついておった。ですから、ラワン材と申しましても、全部が全部こういう虫の卵が付着しているわけではないので、やはり産地によりまして異なっておるようでございます。そういう状況が当初はよくわからなかったのでございまして、輸入しました場合に、もっと全画的に消毒するというようなことをすればいいわけでございますけれども、ただこれも経費の関係がございまして、完全に消毒するということになれば、ラワン材を使うよりもむしろほかの国内の材料、たとえば松材というものを使った方がいいのじゃないかという、やはり経費の比較検討の問題があるわけでございまして、公団の方でも、決して怠けておったわけではございませんが、虫の生息状態、あるいは卵が孵化して、さらに日本の国内においてどういうふうに繁殖していくかというようなことは、公団の方でもあまりそういう専門家はおらぬわけでございますが、よくわからないので、農林省方面の試験場等にいろいろ研究を依頼しました結果、最近ある程度判明いたしまして、消毒方法等も効果のある方法がわかったわけでございます。それにいたしましても、値段の関係から、今後ラワン材を完全に薬液消毒いたしまして、これを従来通り通う方が得策か、あるいは他の国内の材料を使う方が得策ではないかという点が今研究の問題になっておりまして、最近の結論では、どうもそういう虫のつくようなラワン材よりも、他の材料を使った方が経済的ではないかということに大体落ちついてきておるようでございます。従いまして、従来の標準設計等も、そういう趣旨で、ラワン材を使わないような方法に改めたいというのが最近の結論でございまして、多少ひまがかかりましたが、一生懸命公団側でも研究を重ね、努力をいたしておる点を御了承願いたいと思います。
  114. 三鍋義三

    ○三鍋委員 局長さんにもう一点、産労住宅の件でありますが、これは、具体的に実際はどうなっておるのでございましょうか。大体これが適用されるのが、どうしても大企業に片寄っていっているのじゃないかと思うのでありますが、中小企業の労働者に対するところの産労住宅対策というものをどのように考えておられるか、これを一つお聞きしたいと思います。
  115. 鬼丸勝之

    ○鬼丸説明員 産労住宅融資の実績から見ますると、御指摘のように中小企業、具体的に申しますると、従業員を三百人以下使って起る中小企業の方面の利用状況は、あまり芳ばしくない結果が出ております。三十二年度の実績を一例として申し上げますと、中小企業の利用しました件数は、全体の二九%という状況でございます。ですから、七一%は比較的大企業がこれを使っておるというふうになっております。これは、やはり希望者の割合も、中小企業で希望してくるものが比較的多くないということで、こういう結果になっておりますし、さらに大企業と中小企業と比べて見ますと、経営状態の点において、言いかえますと、公庫としては、償還能力の判定が非常に重要な要素になっておりますが、その償還能力の点で、比較的大企業の方が安全確実なものが多いというようなことから、さらに実際の利用件数が減っておる、こういう実情にあるのでございます。そこで、貸付条件を、大企業も中小企業も同じ条件で扱うというところに問題があるのではなかろうか、中小企業にもう少し利用されるようにという御趣旨につきましては、私も同感でございます。従いまして、今後貸付条件の点におきまして十分検討をいたして参りたいと考えておる次第でございます。
  116. 三鍋義三

    ○三鍋委員  中小企業に対するところのいろいろな問題があることは、よくわかったのでありますが、やはり労働者の住宅対策というものは、大企業はもちろん大事であります。ところが、賃金その他福利施設、いろいろな面におきまして、中小企業はもっともっと苦しいので、その結果といたしまして、労働者もこういった恵まれない条件にあると思うのです。そこで、国のとうとい税金でありますから、資金の回収ということは、当然考えられなければならないのでありますが、これは、やはり住宅対策といたしまして、こういった資金のワクを——焦げつきとか、あるいは償還不能とか、いろいろな心配がありますけれども、それは中小企業の住宅対策として、そういうこともあり得るということを予想して——本ではどうしても大企業に食われてしまうから、貸付条件も、いわゆる中小企業に対する一つの条件を作りまして、別ワクでこういった資金を融通できるような方途を考えるべきではないかと思いますが、どのように考えておられますか。
  117. 鬼丸勝之

    ○鬼丸説明員 ただいまお話しの趣旨はよくわかるのでございます。従いまして、お話しのように別ワクと申しますか、中小企業向けの一つのワクを設定して、ほかの大企業向けの貸付条件と違った条件で融通するような方策を検討して参りたいと考えております。またお話の中にちょっと出ました、焦げつきがよけい出てもやむを得ぬと申しますか、認めざるを得ぬじゃないかという御意見につきましては、なお慎重に検討を要すると思いますが、やはり金融機関でございますから、回収につきましては、十分見通しをつけて融通をいたさなければならぬと考えております。なお、そのほかに検討したいと思いますることは、今の産労住宅資金融通法の建前の事業主に対して融通するという以外に、中小企業に働く従業員直接を対象として、比較的低廉な住宅に入り得るような住宅の供給の態勢をも別に考えたい。これは、別にまだ腹案も何もございませんが、そういうこともあわせて検討いたしておりますので、現在の制度だけでなしに、他にも新しく考えていきたいと思っておるのでございます。
  118. 塚本三郎

    ○塚本委員 計画局長に、関連して簡単にお尋ねします。都市計画による道路内の建築制限につきまして請願が出ておりましたが、これは、保留になっております。建築基準法ですか、この中で、二年以内に事業を実施するその道路については、許可することができないとなっておりまするが、あとは四十四条の二項に出ておりまする以外のものは、建築ができるということになっておりますが、もう少しこれを強化しないと、都市計画が進歩しないのじゃないかと思われます。建築を希望する人にとっては非常に困ると思いますが、この点、都市計画を実現する意味で、二年という制限を強化する御意思がおありかどうか、その点、両者を勘案しまして御意見を承わりたいと思います。
  119. 美馬郁夫

    ○美馬説明員 ただいま、先般請願の趣旨にもありました御意見でございますが、これは率直に申しまして、制限を強化しろという意見と、そう簡単に言っても、都市計画を決定いたしますると、その区域内におきまする所有権とか、いろんな私権が制限を受けまして、相当きつい不便をこうむる問題がございまして、そういう面から見ますると、あまりきつくやられても困るという意見もございます。もちろんこの事業を執行する側から申しますと、相当きつい制限をする場合が非常に有利な場合もございますし、また都市計画の実際の現状を申しますと、計画の決定をいたしますときには相当遠大な、長期にわたった構想を立ててやるのが通例でございます。従って、これが現実の予算化の問題になりますと、相当長年月を要しますので、そういう長年月を要する間、依然として建築制限をかけておるのがいいかどうかというような現実の問題もございますので、こういう点から申しますと、そう強い制限をするのもどうだろうかという慎重論が実はあるわけでございます。これは、住宅局とも非常に関係する問題でございますが、私ども、まだ今のところ、どちらともすぐに結論を出してはおりませんので、よく検討いたしまして、方針をきめていきたいというふうに考えております。
  120. 塚本三郎

    ○塚本委員 これで見ますと、二年ということになっておりまして、非常に長いというふうなお話がありましたが、たとえば五年とかいうふうな年限をつけて、そうして、それ以内は建築を制限するというふうな考え方などはどうでございましょうか。
  121. 美馬郁夫

    ○美馬説明員 そういうふうな考え方もあり得ると思いますが、しかし、これは、全般的にただいま申しましたいろいろな問題がございますので、もう少し検討させていただきたいと思います。
  122. 塚本三郎

    ○塚本委員 それでは、その問題はもう少し時を待つことにしまして、もう一つ名古屋の場合でございますが、実は、これは特殊の場合でございますが、都市計画によりまして河川改修して、そこに工業地帯を作ろうという計画がございます。具体的に申し上げると、荒子川の改修でございますが、こういう河川改修に対して、国から助成金を出していただくことができるか、できるなら、そういうこともしていただきたいという要請が出ておりますが、その点、御見解を承わりたいと思います。
  123. 美馬郁夫

    ○美馬説明員 現在港湾系統から補助金を出してやっておるそうであります。
  124. 塚本三郎

    ○塚本委員 港湾系統といいますと、港のことでございますか。
  125. 美馬郁夫

    ○美馬説明員 そうでございます。
  126. 塚本三郎

    ○塚本委員 具体的に、三十四年あたりから助成金がほしいという要請が出ておりますが、実は河川ということではありますけれども、そこに工業地帯を増設しようということですが、できるだけ一つ助成金については、御協力をいただきたいと思います。
  127. 美馬郁夫

    ○美馬説明員 御趣旨は了承いたしましたが、私は、現実の地域についてはよくわかりませんから、はっきりいたしませんが、おそらく河川と申しましても、相当下流になりまして、その地帯が港湾区域というふうな、運輸省の港湾法による区域になっておる地帯ではないかと思いますが、もしそういう区域であれば、これは、河川局との協定によりまして、そういう区域の改修費の補助は、運輸省から出すというふうな建前になっておると思いますが、もう少しよく具体的な問題は検討いたしまして、御趣旨に沿うようであれば、御趣旨に沿うようにいたしたい、こういうふうに考えております。
  128. 塚本三郎

    ○塚本委員 計画局長にちょっとお尋ねしたいのですが、今の問題に関連してですが、それは、東京都の都市計画法というか、別の法律があって、その法律に拘束されるという現実があるのですが、実は僕が驚いた事態が起きた。それは、一定の計画をきめておる線に対して、無期限に建築を制限しておる。制限というのは、不燃焼建物は制限するということですが、それも、三年とか五年とか十年というならものはわかる。ところが、その線に対しては無期限だから、いつまでもやれない。特に住宅の宅地が払底しておるというときに、無期限にそういうものを放置するということは、怠慢だと思う。われわれも非常に責任を痛感しておる。こういうことは御承知であるかどうか。特に建設省から東京都に出ていった何とかいう部長がおるのですが、それも、無期限にそれをやるということを平あやまりしている。そこで、二十年、三十年ということでも長過ぎると思う。これだけ住宅が不足しておるときに、特に宅地が不足しておるときに、それがまだ解決しない。それで、直接僕らも当ってみて、初めてそれらがわかった。こういうようなことに対して、計画局は承知してそれを許しておるかどうか、一応お聞きしたいと思う。
  129. 美馬郁夫

    ○美馬説明員 実は、私その問題は、まだ局長になったばかりでございまして、詳細に事情を存じませんから、さっそく調べまして、どういうことか、次会にもよくお答えいたしたいと思います。
  130. 逢澤寛

    ○逢澤委員 もうちょっと詳しく申し上げておきますが、計画路線というのが二通りも三通りもあるらしいのです。そこで一次路線というのは二年間にやるか三年間にやるかということを期限を指定している。ところが戦災後に、計画を立てるということが法律にきめてある。そこで計画だけをずっと線を引いたわけです。その線に対しては木造建物からやっていく。ところが不燃焼建物をやることができないという指示をしている。一方には不燃焼建物を奨励している。それで、その不燃焼建物をやろうとすると、いけませんという。そこで、僕らのところへそれを陳情されて、一方においては、政府が不燃焼建物を奨励しておる、しかも都内では、住宅敷地が非常に払底しておるからといって、その供出方までも都民に対しては非常に奨励しておる。しかるに自分の方は、鉛筆で一つの線を引いて、この線のうちには建てさすことができぬということは、あまりひどいじゃないか。しかも、それが五年とか十年とか十五年とかいう期限を付しておるなら、それは計画的にやれる。ところが、鉛筆で線を引いて、そこで無期限に制限するということはけしからぬ、こういうのです。私も今言ったように、この問題について、そんなことは常識で考えてみてもあり得ないことだというので、当ってみたらあるのです。これは、われわれの方ももっぱら研究を重ねておるが、不燃焼建物、高層建物をやられると都市計画がめちゃくちゃになる、そこで、都としてもまだ計画が立たないから、今日放置しておるが、御指摘のように期限を切って、八年とか十年とかはこの法律を守る、しかし、それ以降に対しては不燃焼建物を建築さすとかなんとかいうことに改訂せねばならぬということは、係の部長が言っておりました。こういうような事実があることをよく御研究の上で、これはすみやかに一つ何とか返事をしてもらいたいと思います。お願いしておきます。
  131. 堀川恭平

    堀川委員長 それでは、本日はこの程度にとどめまして、次会は公報をもってお知らせいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時四十四分散会