運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1958-07-04 第29回国会 衆議院 建設委員会 第5号 公式Web版

share
  1. 七号) 二六(会議録情報)

    昭和三十三年七月四日(金曜日)     午前十一時五分会議  出席委員    委員長 堀川 恭平君    理事 木村 守江君 理事 瀬戸山三男君    理事 二階堂 進君 理事 上林與市郎君    理事 中島  巖君 理事 三鍋 義三君       逢澤  寛君    久野 忠治君       橋本 正之君    服部 安司君       石川 次夫君    兒玉 末男君       東海林 稔君    塚本 三郎君       武藤 武雄君    山中 吾郎君       山中日露史君  出席国務大臣         建 設 大 臣 遠藤 三郎君  委員外出席者         建設事務官         (計画局長)  美馬 郁夫君         建設庁事務官         (道路局次長) 関盛 吉雄君         建 設 技 官         (道路局国道課         長)      河北 正治君         建設事務官         (住宅局長)  鬼丸 勝之君         専  門  員 山口 乾治君     ————————————— 七月二日  委員中村寅太辞任につき、その補欠として砂  原格君が議長指名委員に選任された。 同月三日  委員兒玉末男辞任につき、その補欠として久  保田豊君が議長指名委員に選任された。 同月四日  委員久保田豊辞任につき、その補欠として兒  玉末男君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 七月二日  浜松市、恵那間県道国道編入に関する請願  (足立篤郎紹介)(第三六二号)  二級国道札幌留萠線改修工事促進に関する  請願薄田美朝君紹介)(第三六三号)  一級国道二十八号線改良舗装促進に関する請願  (原健三郎紹介)(第三六五号)  海岸保全施設事業費増額に関する請願石山權  作君紹介)(第三八七号) 同月三日  仙台八戸間二級国道整備に関する請願鈴木  善幸紹介)(第四二二号)  花巻市、釜石間県道整備に関する請願鈴木  善幸紹介)(第四二三号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  閉会審査に関する件  建設行政に関する件  請 願  一 名神高速自動車道路敷地買収に伴う農地補    償等に関する請願三田村武夫紹介)(    第一二号)  二 同(原田憲紹介)(第二七号)  三 同(今井耕紹介)(第三三号)  四 県道鹿屋都城線の二級国道編入等に関する    請願二階堂進君外二名紹介)(第二九    号)  五 浜松市、恵那間県道国編入に関する請    願(大野伴睦紹介)(第三六号)  六 同(纐纈彌三君紹介)(第三七号)  七 同(中村幸八君紹介)(第三八号)  八 同(平野三郎紹介)(第三九号)  九 同(穗積七郎紹介)(第六九号) 一〇 同(野田卯一紹介)(第七七号) 一一 同(三田村武夫紹介)(第七八号) 一二 有村用砂防地区指定に関する請願上林    山榮吉紹介)(第七四号) 一三 耐用年限の四分の一を経過した公営住宅等    の譲渡処分承認に関する請願丹羽兵助君    紹介)(第九七号) 一四 都市計画路線地域における建築等制限    強化に関する請願丹羽兵助紹介)(第    九八号) 一五 浜松市、恵那間県道国道編入に関する    請願鈴木正吾紹介)(第一三〇号) 一六 同外二件(鈴木正吾紹介)(第一五八    号) 一七 同(丹羽兵助紹介)(第一七五号) 一八 日本住宅公団特定分譲住宅償還金利引下げ    に関する請願高橋清一郎紹介)(第一    三一号) 一九 海岸保全施設事業費増額に関する請願(飯    塚定輔紹介)(第一三二号) 二〇 仙台八戸間二級国道整備に関する請願(    山本猛夫紹介)(第一六七号) 二一 花巻市、釜石間県道整備に関する請願(    山本猛夫紹介)(第一一七号) 二二 宅地建物取引業法の一部改正に関する請願    (辻寛一紹介)(第二〇四号) 二三 二級国道宮崎福山線中垂水町、串良川間の    舗装に関する請願二階堂進紹介)(第    二〇五号) 二四 都城鹿屋指宿間県道を二級国道指定    の請願二階堂進紹介)(第二〇六号) 二五 鹿屋市、佐多町伊座敷間県道主要地方道    に指出定請願二階堂進紹介)(第二    ○七号) 二六 宅地建物取引業法の一部改正に関する請願    (久野忠治紹介)(第二二〇号) 二七 同(加藤鐐五郎紹介)(第二五七号) 二八 耐用年限の四分の一を経過した公営住宅等    の譲渡処分承認に関する請願伊藤よし子    君紹介)(第二二五号) 二九 都市計画路線地域における建築等制限    強化に関する請願伊藤よし子紹介)(    第二五六号) 三〇 浜松市、恵那間県道国道編入に関する    請願竹山祐太郎紹介)(第二五八号) 三一 部落問題解決のため不良住宅改良等に関す    る請願(田中織之進君紹介)(第二九三    号) 三二 名神高速自動車道路敷地買収に伴う農地補    償等に関する請願原健三郎紹介)(第    二九四号) 三三 浜松市、恵那間県道国道編入に関する    請願足立篤郎紹介)(第三六二号) 三四 二級国道札幌留崩線改修工事促進に関す    る請願薄田美朝君紹介)(第三六三号) 三五 一級国道二十八号線改良舗装促進に関する    請願原健三郎紹介)(第三六五号) 三六 海岸保全施設事業費増額に関する請願(石    山權作君紹介)(第三八七号) 三七 仙台八戸間二級国道整備に関する請願(    鈴木善幸紹介)(第四二二号) 三八 花巻市、釜石間県道整備に関する請願(    鈴木善幸紹介)(第四二三号)     ————◇—————
  2. 堀川委員長(堀川恭平)

    堀川委員長 これより会議を開きます。  閉会審査案件申し出の件につきましてお詰りいたします。今会期も本日をもっで終了することとなっておりますが、閉会中におきましても、当委員会所管事項につきまして引き続き調査を進めたいと存じます。つきましては、国土計画に関する件、都市計画に関する件、道路河川及び住宅に関する件の各案件につきまして、当委員会閉会審査をしたい旨議長申し出たいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 堀川委員長(堀川恭平)

    堀川委員長 御異議ないものと認め、さよう決します。     —————————————
  4. 堀川委員長(堀川恭平)

    堀川委員長 次に、ただいまの閉会審査申し出によりまして、議院の議決で特に付託されました場合は、調査のため現地委員を派遣したいと存じますが、委員派遣承認申請に当りましては、委員長に御一任を願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 堀川委員長(堀川恭平)

    堀川委員長 御異議ないものと認め、さよう決します。     —————————————
  6. 堀川委員長(堀川恭平)

    堀川委員長 次に、本日の請願につきまして審査を進めます。先ほど理事会におきまして、本日の請願全部につきまして慎重に検討をいたしたのでありますが、本日の請願日程中第一ないし第三、第一四、第一八、第二二、第二六、第二七、第二九及び第三二の各請願を除いては、いずれの請願も、その趣意は適切妥当なものと認め、衆議院規則第百七十八条の規定によりまして、議院会議に付するを要するものとし、採択の上内閣に送付すべきものと決しました。  お諮りいたします。委員会におきましても、理事会の決定通り決するに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 堀川委員長(堀川恭平)

    堀川委員長 御異議ないものと認め、さよう決します。  なお、以上の各請願に関する報告書作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 堀川委員長(堀川恭平)

    堀川委員長 御異議ないものと認め、さよう取り計らいます。     —————————————
  9. 堀川委員長(堀川恭平)

    堀川委員長 なお、当委員会には、お手元に配付してあります通り陳情書が九件参考送付されておりますので、この際御報告いたしておきます。     —————————————
  10. 堀川委員長(堀川恭平)

    堀川委員長 次に、建設行政に関する件につきまして調査を進めます。三鍋義三君。
  11. 三鍋委員(三鍋義三)

    三鍋委員 先般の委員会におきまして、新大臣建設行政に関する所信をお承わりしたのでありますが、大体その御趣旨は、前回根本建設相のお考えをそのまま踏襲されていくといったような御方針のようにお承わりしたのでありますが、さように考えてよろしゅうございましょうか。大臣の御答弁を願いたいと思います。
  12. 遠藤国務大臣(遠藤三郎)

    遠藤国務大臣 その点につきましては、この前の委員会で申し上げましたように、原則として前建設大臣方針を踏襲して参ります。ただその後の情勢を見ながら、漸次新しい問題については、私らしい考え方を出していきたい、こういう考えでおります。
  13. 三鍋委員(三鍋義三)

    三鍋委員 それでは、大臣といたしまして、それぞれやはりいろいろ抱負なり、あるいはこれに一つうんと力を入れてみたいといったようなものが必ずおありだと思いますが、そういう点について、どういう御抱負、御見解をお持ちになっておるか、お聞きしておきます。
  14. 遠藤国務大臣(遠藤三郎)

    遠藤国務大臣 建設行政全体についていろいろ問題がございますが、たとえば道路の問題につきましても、私はこういう考え方を相当強く出していきたいと思うのであります。道路五カ年計画という大ワクはきまっております。従って、あの五カ年計画を私は前建設大臣方針通り進めて参りますが、実際その計画を実行していく場合には、真に役に立つ、地元の産業に役に立ち、国土の総合的な開発に役に立ち、日本産業道路というものが血液が通うような道路建設をやってみたい。前大臣が必ずしも血液の通わないような道路を作るように考えておったとは思いませんけれども、そういう点を強く浮き彫りにしていってみたい、こう思うわけであります。  それから河川問題、ことに治水問題につきましては、前内閣当時も治水問題には力を入れて参りましたが、私は、治水問題についてはじっくり、いわば毀誉褒貶というものを度外無視しまして、そうしてほんとうに大事な治水問題というものに自分の力を集中してみたい。御承知のように、治水問題は最近も洪水なんか出て、だいぶ世間の問題になっておるのでありりますが、今までの治水計画というものが遅々として進まなかったのは事実であります。でありますから、こういう安定した政権ができて参りましたから、こういうときにこそ、治水問題には一つ力を入れていきたい、こういうふうな考え方を私は持っております。  それから住宅問題につきにましても、なるほど住宅建設は非常に進んで参りました。すでに百六十万戸以上の政府関係住宅もできてきたのでありますが、今後の住宅政策としましては、なお二百万戸以上の不足住宅がありますので、それをやる場合に、なるべく低額俸給者住宅を充足していくという考え方、そういうニュアンスを一つ強く出してやっていきたい。そういうようなことを今考えておるわけであります。
  15. 三鍋委員(三鍋義三)

    三鍋委員 ただいまの大臣の御答弁によりますと、根幹的な考え方については、大体において前大臣の構想を踏襲していくつもりであるが、その実施に当っては、できるだけ実情に沿うた具体的な問題を取り上げていきたい、このような御答弁であったと思うのです。一番問題は、それを具体的に実施していかれます上においては、何といってもやはり予算というものが大きくこれを制約するのでありますが、問題になっておりますところの今度のいわゆる経済基盤資金の問題でありますが、二百二十一億三千万円でありますか、社会党は、この問題を不況対策その他の立場から、早く一般会計に繰り入れて、効率的にこれを使うべきであるという線を出しておるのであります。最近の政府の意向といたしましても、大体そういう方向で、経済見通しも、大体安定する方向へ行ったから、このたな上げ資金一つ補正予算を組んで、実際直接必要な問題にこれを投入していこう、こういったほのかな気持も表明されておるように聞いておるのでありますが、大臣は、この問題に対して、どのような考えを持っておられるか、なるべくすみやかに、これを一つ補正予算を組んで、ただいまの具体的な問題を実施されていく上において、これを生かしていきたいという熱意をどれほど持っておられるか。その見通しは、一体いつごろこれを使用することになるのか、こういった問題につきまして、大臣個人の御意見でもよろしゅうございますから、御答弁願いたいと思います。
  16. 遠藤国務大臣(遠藤三郎)

    遠藤国務大臣 経済基盤強化資金は、御承知のように、今日の財政経済の上におきましては、今日ただいま使うことは適当でないという建前を厳守しておるわけであります。しかし御承知のように、あの経済基盤強化資金は、ちょうど私の所管の、たとえば道路であるとか、あるいは河川改修であるとか、あるいは災害復旧であるとか、そういう事業にこそ最も適切な費用であると私は思うのであります。従って、わが国の財政経済の事情が許す段階が来ましたならば、おくれないでこれを一つ手にこなしていく、これを怠けてはならぬということを考えまして、それぞれ事務当局に、そういう心がまえで、いつでも受け入れ態勢を整えておかなくちゃいかぬということを示達いたしまして、いつそいう状態が来てもまごつかないように、万全の受け入れ態勢を整えておきたい、こう考えておるわけであります。
  17. 三鍋委員(三鍋義三)

    三鍋委員 私がこの問題を取り上げましたのは、たとえば、大臣は御視察になってきましたが、広島、島根県の災害ですが、ちょっと雨が降ると、ああいう問題が起きてくるのです。今度は局部的の災害らしいのでございますが、災生にあった農家なり、あるいはその他の個人といたしますれば、同じことなんです。こういった問題を考えたときに、全国になお一千百本も改良改修をしなければ危険性のある河川があるといわれておるのです。それがやっと二割五分ほどしか進捗してないという問題を一つ取り上げましても、こういった国民からいただいた貴重な税金を、経済の安定の見通しもまた重大でありますけれども、こういうものをたな上げなんかしなくて、適切に使用しても、そでの政府の心配される経済の不安定を来たすということはないという立場に立っておるのでありますが、これは、いろいろと見解の相違でありますから、私ここでこの問題を論争しようとは思いませんけれども、とにかく災害を受けて非常に因っている人の立場考えるときに、やっぱりこういう金は、すみやかに生かして使うべきじゃないか、こう考えております。  そこで、河川問題につきましては、先般の委員会におきしまして、政務次官に、この河川法改正の問題とか、水質汚濁防止の問題とかを含めまして、大臣に進言していただくようにお願いしておきましたから、いずれ聞いていただけると思いますが、私が冒頭に建設大臣にその御所信を一応聞いただしたのは、大臣がその在職中、いろいろと抱負を述べられるけれども、すぐおかわりになるものですから、それがまた新しく出てこられた方によって、初めにおっしゃったこととこれからやっていこうとされる新しい大臣考え方に食い違いがあっては、いろいろの事業か進歩しないと思います。そういう立場におきまして問いただしたのでございますが、たとえば河川関係は、ここで再び触れたいといたしまして、住宅問題につきまして、やはり前大臣抱負やお考えと現大臣のお考えとを一致さして、よりよき行政をやっていただきたい、こういう立場から若干御質問申し上げたいと思うのであります。  その前に、住宅局長さんに一つお尋ねいたします。公団住宅進捗状況について、実はこの前の二十八国会において資料提出願っておったのです。そのときに、私の要求しておった三十年度と三十一年度の資料が未提出であって、三十二年度の分だけ提出していただいておるのでございますが、これは、一つもう一ぺん三十年度、三十一年度、三十二年度現在におけるところ進歩状況資料をお願いしたい。これは用意してありますか。
  18. 鬼丸説明員(鬼丸勝之)

    鬼丸説明員 公団住宅につきましての三十年度から三十二年度にわたる進捗状況の最近の総合的な実績が判明しておりますが、まだここに資料としては用意いたしておりませんので、御要望がございましたら、後ほど提出させていただきたいと思います。
  19. 三鍋委員(三鍋義三)

    三鍋委員 これは、御要望ございましたらでない、要望しておったのです。それが出ておらないから、今再度お願いしておるわけでございますが、今すぐと言ってもいかぬから、近い委員会一つ提出をお願いしたい、こう思います。  そこで、局長さんにお尋ねしたいのは、いろいろとこの住宅対策を進めていかれる上において、困難な問題がたくさんあることは十分了解しておりますが、一番隘路といいますか、お困りになっている問題は何であるか、これを一つ率直にお聞かせ願いたいと思います。
  20. 鬼丸説明員(鬼丸勝之)

    鬼丸説明員 三鍋先生しもよく御承知のように、現在の住宅対策上の問題はいろいろございますが、率直に、今後の対策を実施する上にも問題と考えられておりますおもなことを申し上げますが、一つは、広い意味の税金その他を合めました家賃の問題をどう処理するかということが、まず第一点であろうと思います。それから、別に順序によってそうウエートが違うわけではないと思いますが、やはり住宅用地の問題、適当な土地を適正な値段で取得する住宅用地の問題、これも家賃の問題に劣らず、今後相当困難の度を加えるものだと思います。それからもう一つは、住宅そのものの等管理上の問題、これは、賃貸住宅についていえる問題でございまするが、賃貸住宅の中でも、公営住宅公団住宅、あるいは公庫の融資にかかる住宅とで問題の姿、あるいは中身が異なりますが、管理上の問題があると存ずるのであります。またこれらをひっくるめましての共通的な問題といたしましては、すでによく御存じのように、結局財政投融資を含めました予算の問題にかかってくると思います。なおもう一つ落しましたが、予算の問題に関連いたしまして、住宅の質の問題、この質の問題の中には、大きさでございますが、規模の問題、それから不燃率の問題、あるいは中、高層というような趣旨から考えましての高層率の問題、こういう質の問題が、予算の問題と関連しまして当然大きい問題になってくると思います。大体重要な目ぼしい問題は、以上申し上げましたような点にあると考えております。
  21. 三鍋委員(三鍋義三)

    三鍋委員 いろいろな困難な問題に直面されまして、当局は、常非に御苦心をなすっていることがよくわかります。私は、こういった問題につきまして、特にお願いしておきたいのは、直接こういった問題を進められていく上においての心がまえというものに対してであります。と申し上げますのは、あの松戸の金ケ作団地造成と補償問題、その他に関する件でありますが、これは、公団も実に苦労いたしまして、なかなか計画が進まなかったのであります。ところが、今この委員会におられませんけれども、廣瀬委員なんか、公団当局現地農民諸君との間に入られまして、ずいぶんごあっせん願ったのであります。あっせんをすればするほど、また新しい問題が出てきて、いつ解決するかもわからないといったような状態であったのでありますが、幸いにしてその代表者も、これだったらやむを得ないという線まで譲歩していただいて、解決のめどがついて、それをいよいよ両方承認するかしたいかという段階になりまして、今度はまたもとの振り出しに返って、初めて、計画通りにやられてもやむを得ないといったような空気になってきた。これは、形の上において常非な時間と費用のむだだった。形の上においてはそういうむだをしたけれども、実際実施するという面からいきますと、そのむだをしたことによって、あの大きな紛争の母体をなしておった問題が円満に解決して、現在スムーズに進行していると聞いているのですが、私が言いたいのは、その点であります。法律によって、あるいは審議会によってきめたものを実施するといえば、すっきりしておって簡単な問題なんです。しかし実際その面に直面しておりますところの農村の方々の立場から言いますと、やはり長い間育ててきて、魂を打ち込んできた土地に対する愛着というものを考えたときに、これは、筋が通るとか通らぬとかではなしに、やはり気持の上においていろいろとすっきりしないものがある、この点が事業を遂行していく上において非常にむずかしいのでありまして、私のお願いしたいのは、今後都市計画業にいたしましても、それからこういった宅地造成に関する補償問題、あるいはその他の建設事業に対するところ土地買収その他の問題がいろいろあると思うのですが、これは、法は曲げられないし、その建前でいかなければならぬということは、私わかるのでありますが、実際これを実施していく上において、十分忍耐誠意をもってやっていただきたい、そうすることによって、相当のむだであったと思われることもむだでなくして、実際に事業を遂行していく上においてやりやすい、このように考えますので、こういった事業を今後進められていく上において、この点、建設当局も十分そういう考えを持っていただきたいし、公団その他の機関に対しても、そういうことをやっていただくように御指導願いたい、このように考えるのであります。  それを前置きといたしまして、大臣一つお尋ねしたいのであります。この固定資産税の問題と、それから低額所得者に対する住宅対策に対して、前大臣が、固定資産税低額所得者に対するところ見解を、このように委員会で述べられておるのでございますが、これに対するところ大臣のお考えはどうなのか、一つ答弁願いたいと思うのであります。公団固定資産税の問題は、非常に紛糾して問題になっておったのでありますが、当委員会島上善五郎氏が中へ入りまして、一応の納得、妥結を見たのであります。その条件の一つといたしまして、できるだけ固定資産税その他の家賃を低くするように当局は努力する、こういうことで話ができたのであります。約束した以上は、それをどう守るかということが大事だと思うのでありますが、この固定資産税の問題につきまして、根本建設大臣はどう言っておられるかといいますると、「公団といたしましても管理費の面における工夫あるいは今後作られる公団住宅の規格の統一とか、あるいは設備、材料等の、工夫によって、できるだけ引き下げをしたい」こう言っておられるのであります。なお、固定資産税の問題につきましては、他の公団公社等において、固定資産税について納付金制度みたいなものをやっておるので、その方法によって解決すべきであるという考え方を持っておる、しかしこの面においては今折衝中であって、自治庁にしても相当難色を示しておるけれども、誠意を持ってこれを何とか解決したい。こういう工合に御答弁なすっておられるのでありますが、新大臣のこれに対するところの御所見を承わりたいと思います。
  22. 遠藤国務大臣(遠藤三郎)

    遠藤国務大臣 ただいまお尋ねの固定資産税の問題でありますが、きわめてこれは大事な問題だと思います。根本建設大臣当時の考え方も、私は伺っておったのでありますが、その後自治庁方面との折衝をやっておりまして、まだ実は結論が出ておらないようであります。私は、なるべく早い機会にこれの結論を出すように、きわめて大事な問題でありますから、十分御趣旨に沿うようにやってみたい、こう思っております。
  23. 三鍋委員(三鍋義三)

    三鍋委員 なるべく早い機会にとか、目下何とか鋭意研究中とかいうのは、大臣の適当な、また非常に含みのある御答弁だと思うのでありますが、一つ力を入れて御検討願いたいと思います。こういう機会に、何とかこれを御期待に沿うようにしたいという意思表示をして、困難な問題も解決するのでありますから、あとほうって、知らぬ顔をしておるということになっては、政治の不信になると思いますから、この点は、一つ鋭意御努力願いたいと思います。  そから住宅対策に対する、特に公団住宅に対するところ根本的な腹がまえというものはどこにあるのかという疑問を持ちまして、これも前委員会で質問したのでございますが、大臣も御承知の通り、公団住宅は三十年度におきまして二万四千戸、三十一年度におきまして二万三千戸、三十二年度におきまして三万五千戸、三十三年度におきまして三万戸こういう工合になっておる。予算の関係もいろいろあることはわかりますし、最も適切な予算措置であるといわれればそれまででありますが、とにかく計画性がないように思う。御承知の通り、公団住宅というものの家賃が非常に高いのですね。五万円以上でなければ入れないのです。そこで、この公団住宅に対して今後どういうお考えでこれを進めていかれるのか、まだ御就任後日が浅いから、深い御研究はなさっておられぬかもしれませんが、もし構想がおありでしたら、御答弁願いたいと思います。
  24. 遠藤国務大臣(遠藤三郎)

    遠藤国務大臣 公団住宅の問題でありますが、実はお話しのように、検討の途中で、災害の視察をしたりしておりましたものですから、まだ詳しい検討をしておりません。至急勉強してみたいと思います。なお経過が御必要でございましたら、住宅局長の方からお答えいたさせます。
  25. 三鍋委員(三鍋義三)

    三鍋委員 そこで、住宅困窮者というものがあらゆる階層にあるわけですから、皆の満足していただげるようにやるというよさとは大事なことでありますけれども、やはり一番大事な問題は、ボーダー・ラインの方々の住宅問題であろうと思います。それとともに、先ほども大臣がおっしゃった、公営住宅についても力を入れていただきたいと思うのであります。この問題につきましては、根本さんは相当熱心なお考えを持っておられたことは、速記録でわかるわけでありますが、私の質問に対しまして、むしろ低額所得者の中のさらに低額所得者を優遇して、現在の規模において、第二種の方に規格を下げないで、低額所得者を入居させることができるような方法に努力したい。できたら、予算折衝において、この家賃の補助といったようなことも考えて何とかこの問題を解決したいという意思表示がなされておったのでありますが、一ついろいろと当局とも御研究下さいまして、公団住宅は——希望すれば際限はないのでありますが、重点をもう少し低額所得者公営住宅、それよりもっと低いところのボーダー・ラインの方々の住宅対策、これに新大臣がしっかりと力を入れていただきたいと思うのでございますが、御所見を伺いたい。
  26. 遠藤国務大臣(遠藤三郎)

    遠藤国務大臣 第二種公営住宅の問題について力を入れたらどうかというお話でありますが、考え方としては、私は全く同意見であります。数字をどういうふうにするかという問題は、もう少し検討させていただきたいのでありますが、お示しのような考え方で、ぜひ一つ進めてみたいと思っております。
  27. 三鍋委員(三鍋義三)

    三鍋委員 次に、計画局長さんにお尋ねしたいと思います。戦災復興都市におけるところの復興状況でありますが、これは、簡単でよろしゅうございますから、概況を一つ御説明願いたいと思います。
  28. 美馬説明員(美馬郁夫)

    ○美馬説明員 戦災復興事業は、御承知のように、ちょうど戦災を受けました百十五の全国の都市につきまして、昭和二十二年度からいろいろ実施をしてやっております。現在までに、これはいろいろいきさつもございますが、事業費にいたしまして約四百数十億の金を三十三年度までにつぎ込んで参っております。そしてこの百十五都市の中で、八十都市については三十三年度一ぱいで終る予定でありますが、こういたしますと、一般都市につきましては、まずまず最初予定しておりました計画の九割以上が三十三年で完成されるということになりますし、四大都市と申しますと、東京と名古屋と大阪と神戸でございますが、この四大都市につきましては、相当被害が甚大であったために、三十三年度末をもちましても、なお相当の残事業が残る、こういう現況でございます。
  29. 三鍋委員(三鍋義三)

    三鍋委員 この補助金の問題は、三十三年度で打ち切られることになっているのですか。
  30. 美馬説明員(美馬郁夫)

    ○美馬説明員 戦災復興事業としては、ただいまのところ、先ほど申しました一般の都市につきましては、三十四年度でもって一応打ち切るということになっておりますし、ただいま申しました事業量の相当ありあまる四大都市につきましては、これは、戦災復興事業という形をとるかどうかは今のところまだわかりませんが、私どもとしては、何らかの形において引き続きこの残った残事業をやっていきたい、こういうふうに考えております。
  31. 三鍋委員(三鍋義三)

    三鍋委員 実は名古屋市会議長さんから陳情が来ておるのでございます。これは、当局も御承知だと思うのでありますが、何か三十一年度で打ち切られるのだといったような考えを持って心配してきておるのですが、全般は三十四年度までであって、四大都市に対しましては、何らかの形においてなおこの事業を継続していきたい、こう思っておると、さようにおっしゃったと思うのですが、それでよろしゅうございますか。
  32. 美馬説明員(美馬郁夫)

    ○美馬説明員 その通りでけっこうでございます。
  33. 三鍋委員(三鍋義三)

    三鍋委員 都市計画事業進捗状況でありますが、これは、大へんいろいろと問題があって進まないようでございますが、実は東京都内から、方々からたくさん陳情がくるのです。実際個個の例をお聞きすると、非常に無理からぬ気持も持つのでありますが、一方成規の手続を踏んで事業を遂行されようとしていくところ当局立場考えますというと、これまたもっともなのであります。そこで私は、この問題についてお願いしたいのは、やはり審議会で決定して、もう法律できまったのだから、ずっとずんずんやっていくのだといっただけではなかなか解決がつかない問題がたくさんありますね。この問題につきましても、一つ慎重に、される立場に立って事業を進めていただきにたい。そういうことだったら、いつ事業が手をつけられるかわからないということもわかりますけれども、これはやはり忍耐と努力をもって、できるだけ円満に、双方理解のもとに進めていくという精神と立場一つ忘れないようにしていただきたいと思うのです。それからつ一番具体的な問題につきまして、たとえば建坪六坪あたりの小さい住宅を持っている、こういう人が計画事業のためにその何割かを削られるということになると、もう住宅の形態を、また何か商売でもやっておられるとするとできないわけなんですね。 こういう問題につきましても、ほんとにあたたかい、思いやりのある考え方事業を進めていただくように、やはりそれぞれの当局で、何かの機会に十分御連絡をとっていただきたいと思うのでありますが、この点、どうでありましょうか。
  34. 遠藤国務大臣(遠藤三郎)

    遠藤国務大臣 お話しのように、都心計画事業についてはいろいろ問題がございます。当局のやり方があまり大ざっぱにやりまして、市民の非常に強い反感を買ったり、市民に迷惑をかけたりしている事例が少くないのでありますが、できる限り行き届いたやり方をやるように指道して参りたいと思います。  なお都市計画事業については、御承知のように、大体百億余の予算が三十三年度にもついておりますが、その多くは街路関係が大部分を占めております。街路関係ももちろん大事でありますが、今の段階になって参りますと、下水の方から整備をする必要がどうしてもあるだろう。私は今度は、微力でありますけれども、一つ下水の方に大いに力を入れまして、近代都市の完成をだんだんはかるようにして参りたい。時はちょうどそういう段階にきているのじゃないか、こういうふうに考えて、そっちの方へ一つ精進をしてみたいと思っております。
  35. 三鍋委員(三鍋義三)

    三鍋委員 大体時間も迫りましたので、先を急ぎたいと思いますが、大臣、ごらんになったかどうか知りませんが、最近の一、二の新聞で、文化財を道路工事から守れ、こういった見出しで、道路整備、拡張がどんどんやられて、重要な文化財が、ただ工事をやるというその主目的遂行のために失われていこうとする傾向があちこちに現われておるようでございます。これを守るための立法処置というものを、当事者が非常に心配しておるのでございますが、その貴重の程度というものも、その類例とか、いろいろ数の問題もありましょうけれども、二面道路行政を推進していきたいという私たちの立場は、もちろん事業を早く遂行していく上において、一つの目標を持って一生懸命やりたいのでありますが、その反面において、こういった文化財が、大きな史料がむざんに葬り去られていってしまうということは、これまた一つの問題だと思うのでありますが、こういった町の声といいますか、こういう問題を十分取り上げていかなければならぬのじゃないか、こう考えます。  もう一つは、これは石川達三氏が、私の名案というので、道路の四つかどのかどを削れというんです。そういう立法処置をしていくことによって、私どもの日常生活に大きなプラスをなすのである、こういったことを新聞に書いておられるのでありますが、私はこういう町の声といいますか、市民の声といいますか、専門家はえてして一つの型にはまって、これだときめて、それをやっていきたいという気持なんでありますが、こういう直接市民の声といいますか、こういうのを、私は相当尊重すべきではないかと思うのでありますが、この問題につきまして、大臣、お読みになったかどうか知りませんが、どのようにお考えになりますか。
  36. 遠藤国務大臣(遠藤三郎)

    遠藤国務大臣 ただいまお尋ねの前段の方でありますが、文化財の保護の見地と公共事業とが衝突する場合はどうするかという問題でありますが、この問題は、きわめて高度の常識問題であり、いわば非常に大きな政治問題でもありますので、簡単に役人なんかがずばずばきめていくべき問題ではなくして、広く各階層の意見を聞いてやっていくベきものだと私は思うのであります。特に政府としましては、文化財と道路とが競合するような場合におきましては、文化財保護委員会の意見を聞いてやるということは、前内閣当時すでに閣議で決定してあるそうでありますから、今お尋ねの具体的な問題につきましては、文化財保護委員会と十分打ち合せをいたしまして、常識的に見て、ばかなことをしたということにならぬようにやっていきたいと思います。  なお後段の石川達三氏の意見については、技術問題も含まれるようでありますから、これは、もう少し研究さしていただきたいと思うのであります。
  37. 三鍋委員(三鍋義三)

    三鍋委員 前会資料といたしまして「道路をまもる月間実施要綱」それから「地下埋設工事等による道路の掘り返しの規制に関する対策要綱」、こういうものをいただいたのでありますが、私、大へんおくればせであるけれども、これはけっこうなことだ、このように考えておるのであります。そこで、ちょっとこまかかくなりまして恐縮でありますが、道路の清掃の問題なんかもここに掲げてありますが、町を歩いてちょっと気をつけて見ると、東京の道路——私は富山県でありますが、富山県の中の主要都市の常山市の道路、しかもその最も中心になる道路ですね、これは非常によごれているんです。で、この「道路をまもる月間実施要綱」、これは大へんけっこうなのでありますが、私は、こういうものを幾ら並べ立ててもだめだと思うのです。やはりこれが実施できる状態に置くということが、大事ではないかと思うのです。大臣、きょうお帰りになるときに、自動車の中から町の道路の両側をごらんになれば、これはすぐわかるのでありますが、大体歩道と車道とのくぼみのところですね。ずいぶん泥、塵芥、あるいは紙くずが吹きだめられておるのです。東京は、一番模範的なきたない道路だと思うのです。こういう問題は、日常生活に密接な関係を持っている問題でありますから、もう少し真剣に取り組んでいただきたいと思うのです。月間、週間はけっこうでありますが、これは、実施できるようにしなければいかぬじゃないか、たとえば昔は、自分の家の前の道路の清掃なんかは、小学校に行っている子供を中心にして、親が一つのしつけとしてやらしていた。だから、現在でもいなかの方はきれいになっている。ところが、最も文化の進歩した都会におきまして一番きたないのですね。私は、これをきたないといって、何と道徳心のない、公徳心のない人々である、こういうことは言えないと思います。(「だから道徳教育を振興させればいいんだ」と呼ぶ者あり)ああいう感覚だからだめなんです。(笑声)まあ自分の家の前の歩道ぐらいは掃除する、これはできると思う、また私は、きっとやっておると思うのです。そこで、掃除したら一定のごみがたまりますね。このたまったごみをどう処理していくかというところに私は問題があると思うのです。掃除したあと、この掃きでだめられたところの塵芥をどこに持っていって捨てるかということです。その問題を解決せずして、いかに清掃週間とか、あるいは月間とかいうものをやっても、私はだめだと思うのです。要するに、少くとも自分の家の前ぐらいは責任を持ってやってもらうようにすること、これは、私はできると思うのです。それから大邸宅を持っており、半町も一町も大きなへいを持っておる人は、これは、持てる階級なのですから、何人も人夫を雇って掃除させたらいいのです。その掃除することはわかっているけれども、掃除したあと、うずだかく積った塵芥の処理、これをどこに持っていくがということ、塵芥処理場まで持っていって始末しなさい、これではぶちこわしになるのですね。この協力してくれた、そうしてそこにうずだかく積ったところの塵芥をどう処理していくか、これが解決されておらないと、どれだけこういう月間とか週間をお持ちになっても、実効が上らない、私はこう思うのです。こういう問題をもう少し根本的に考えていただきまして、週間とか月間とかはけっこうでありますけれども、それに協力したあとの始末を、個人としてはできない始末をどのようにしていくか、これがしっかり実施されないと、私は、やはり一つの名目だけに終ると思うのです。道路局では、この問題についてどうお考えになりますか。
  38. 関盛説明員(関盛吉雄)

    関盛説明員 ただいまお示しのありました「道路をまもる月間の実施要綱」の具体的な実施事項についての御指示があったわけでございまして、お話しの通りに、道路管理の徹底と、路面の清掃と、さらに側溝その他の清掃をやりましたあとの始末を十分徹底してやるということが、御指摘の通り重要なことでございます。ここの月間は、ちょうど七月の中旬からの建設週間を契機といたしまして、お話にもありましたように、道路管理全体を国民各層に呼びかけまして、一そう徹底をはかりたい。こういう気持で、この月間がその気分を盛り上げ一つの契機になるものと、こういう考え方で呼びかけを考えておるのでございます。従って、その行ないなり運動というものは、毎号そうありたいということでございまして、道路管理者である東京都知事につきましても、ただいまのような清掃の結果生じますいろいろな捨土とか、そういったものを、毎日発生いたします汚物の帰除と同様に徹底してやってもらう、こういうことで連絡をし、またその実現方について御協議をいたしておる、こういうことでございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
  39. 三鍋委員(三鍋義三)

    三鍋委員 それは、どういう工合に実施されるのか、まあお聞きせぬでもいいのですが、私は、みんな自分の家の前の掃き掃除ぐらいはきれいにしたいという気持は、特に日本人は潔癖ですから、持っておると思うのです。ところが、熱心にやると、そこに一つのかたまりが出てくる、その始末に困るから、広い面に散らばせておけばいいといったような、そういう自然的な結果になっておると思うのです。だから、こういう月間は、いろいろな面について詳細に計画されておりますし、大へんけっこうでありますが、その最後の跡始末をほんとうに誠意を持ってやるかやらぬかということが、この運動が成功するかしないかの勘どころだと思うのです。これをほったらかして、散らかせておけばそう目立たないのですが、一生懸命やったために、一つのかたまりができた。それをいつまでたっても始末してくれない。こうなれば、やはりほっといた方がいいということになるわけですね。こういう点は、月間は大へんけっこうでありますが、最後の跡始末のめんどうくらいは、当局がしっかり見てやる、こういうところに、ほんとうの政治があると私は思います。この点は、一つよろしく東京都その他へ御指示願いたいと思います。  私の質問は大体これで終ります。
  40. 瀬戸山委員(瀬戸山三男)

    ○瀬戸山委員 私は、大臣に希望を一つ申し上げたいと思います。というのは、先ほど三鍋委員から住宅政策についてお話がありまして、大臣のお考えを承わったわけであります。その中に、今日までの住宅政策を続けていくが、特に低所得者に対する住宅問題に重きを置きたいというお話があり、非常にけっこうなことだと思います。御承知のように、住宅政策も、今日までは応急的な処置と恒久的な処置でやってきて、相当に実を結んでおるわけであります。特に量、質ともに進んで参っておりますが、御承知のように、最近は比較的高級な住宅ができるようになった。これは経済力の拡充で、国民生活の程度が高くなったわけでありますから、非常にけっこうなことです。私は、先ほど大臣が言われた、低所得者に対する問題に重きを置きたいということは、非常に適切なお考えだと思って喜んでおるわけでありますが、今後は、かゆいところに手が届くような住宅政策をしていただきたい。  ここで、一つ具体的な例を御参考までに申し上げておきますが、先ほどお話がありましたように、住宅問題は、階層が非常に多岐にわたっておりますから、実際はむずかしいのでありますけれども、一番下というと失礼でありますが、例の自由労働者の住宅問題を考えてやらなくちゃならない。第二種住宅である程度やっておりまして、昭和三十三年度は、特に二千戸くらいふやしたのでありますが、第二種の住宅でもなおかつ困難性を感じておるのが、この自由労働者ではないかと思うのであります。日雇い労働者と申しますが、こういう人たちが、私はこまかい数字は知りませんが、大体三百円前後の日当をもらって、実働二十日前後、あるいはそれ以下という収入であります。それに二千円前後の家賃を払えということは、きわめて困難であります。でありますから、そういう人々の叫びは、ぜいたくな家は要らないけれども、やはり人間は住むところが一番大事でありますから、千円そこそこの家賃の家を建てる政策をしてくれないかというのが、そういう人々のほんとうの悲惨な声だと私は思う。これは、非常にむずかしい問題でありますけれども、しかし、そこまで手が届かなければ、この住宅政策は魂が入らないと思います。大蔵省あたりは、そういう問題に非常に反対をいたしますが、せっかく住宅政策が量、質ともに進められた今日においては、そういうところに少し重点を置いて、今後住宅政策を進めていくベきものである。まあ建設コストの問題がありますから、そのコスト計算だけでは、なかなか千円そこそこの家賃ということは、算術では出ないと思いますが、そこは政治でありますから、建設コストのいかんにかかわらず、そういう日雇い労働者の住宅としては、収入と見合った千円前後の家賃で入れるという政策をとるべきだと私は思っております。これは希望でありますから、お答えは要りませんが、どうか、一つその点は、先ほどの大臣のお考えの具体策として、三十四年度からはぜひ進めてもらいたい。一部そういう目的で、労働省所管かどうか知りませんけれども、試みをされておるそうであります。特に地方などでも、あまり大きな声をしない人たちが、この問題で苦しんでおる。これに手を伸ばすのが、今後の住宅政策の一番大きな問題じゃないかと思います。そうたくさん金はかかりません。どうかそこに一つ実際の、先ほどの大臣考えを実現さしてもらいたい。これを希望として申し上げます。
  41. 山中(吾)委員(山中吾郎)

    山中(吾)委員 関連をして、大臣建設行政の基本的な考え方をもう少しお聞きしたいと思います。道路の問題でありますが、新しい道路建設は、道路整備五カ年計画の中には含んでおるのかいないのか、これは、局長さんでけっこうです。  そのことによって、なおお尋ねしたいのは、国土開発的な識見をもって道路行政をする場合には、五カ年あるいは七カ年の計画の中には、新設道路という計画が当然その思想の中に含まれてくるであろうし、現状維持という思想のもとにおいては、現在ある道路だけの整備ということになると思う。従って、長期の計画でありますので、その中に建設行政の識見がどういうふうに含まれておるかということをお聞きしたい。新設道路を含めて、いわゆる開発道路というものもその中に含んでくるかどうかということを、もう少しお聞きしたい。
  42. 関盛説明員(関盛吉雄)

    関盛説明員 ただいまの御質問の御答弁になるかどうかわかりりませんけれども、ただいまの御質問の要点は、緊急措置法に基くところ道路整備五カ年計画の策定の中の道路整備というものは、どういう内容のものであるかということに関連いたしましての御質問と思います。道路の整備につきましては、その計画を目下策定いたしております段階でございますが、一級国道、二級国道以下の一般道路につきましては、道路改良及び鋪装を中心に考えております。さらに新しい道路の、新線の建設につきましては、御承知の通りに、有料道路事業として行なっておるわけでございまして、その中には、高速道路のものも計画の中に入っております。
  43. 山中(吾)委員(山中吾郎)

    山中(吾)委員 そうすると、建設行政五カ年の道路行政には、新設道路というふうな構想は、どこにも出てこないのですが、ほかにそういう行政があるのですか。これは、大臣にお聞きいたしたい。
  44. 遠藤国務大臣(遠藤三郎)

    遠藤国務大臣 五カ年計画の中に、例の縦貫道路などは、新設の道路として含まれてくるわけであります。一般の地方道については、新設の道路は、一般的には予定しておらないようでありますが、五カ年計画では、既存の道路を整備拡充をしていく。その既存の道路をりっぱにしていく場合に、どういう道路を先にし、どういう道路に力を入れていくかという判断が残っておる、こういうふうにお考えいただけばいいんじゃないかと思います。
  45. 山中(吾)委員(山中吾郎)

    山中(吾)委員 この間説明をお聞きしておるところによりますと、その五カ年間の道路予算といいますか、地方の一千九百億ですか、そういう地方道路の分を除いて六千五百億ですか、それが全部建設省の道路予算であるというふうに私は受けとったのです。そうすると、新設道路計画というものは成り立たないような感じがするのですが、そういう現状維持的な建設行政なのかどうか、私は、それでは何らの進歩がないと思うのです。この整備計画資金というものが、いわゆる五カ年の建設省の道路予算の一部分を占めておるのならばわかるのですが、全部がそれに充当されて、そして整備五カ年計画が、五カ年のいわゆる本省の道路行政の全部であるというならば、大臣が先ほど幹線について、国土開発的な要素も含んでと言われたことと、予算執行の面から言うと、私は初めから食い違いが出るのではないかと考えますので、お聞きしたいのであります。
  46. 遠藤国務大臣(遠藤三郎)

    遠藤国務大臣 私の申し上げたのは、道路の整備をする場合に、すでにある道路でありましても、非常に悪いために使用に耐えないようなものがたくさんあります。そういうものを整備拡充していく場合に、産業的な見地から一番必要であり、最も適切であるようなものを先にやって、そういうものに重点を置いていく、こういう考え方を入れていきたいということであります。新しい道路を次から次に作っていくという考え方ではなく、五カ年計画では、一応現在ある道路を整備拡充していく、ただし有料道路の場合は別でありまして、有料道路は、新しい道路建設でありますが、この有料道路建設も、五カ年計画であわせてやっていく、こういう建前になっていることを御了承いただきたいと思います。
  47. 山中(吾)委員(山中吾郎)

    山中(吾)委員 新設道路は、大体有料道路に限るというお考えをお聞きしたのですが、私は、そういうことばかりでなしに、国の責任において、産業開発のために、新設道路も、五カ年の長い間の中には、一つの構想が要るのじゃないかと思うので、私は意見だけ申し上げておきます。  それから住宅政策についてお伺いしたいのですが、都市中心の住宅政策というものが、伝統的な日本住宅政策の思想のように思うのですが、農村住宅というふうな問題は、われわれ東北に住む者からいいますと、これは個人の問題でなしに、やはり国家の取り上げるべき社会問題であると考えておるのです。この農村の住宅が改善されないことによって、農村の封建制も、家の構造から出て参りますし、あるいは大きい家で、公民館とか部落の集会所的役割を果す家を建てる場合に、非常に不経済な家の建て方でありますし、農村の最低の文化生活を向上せしめるという立場から、住宅を改造するというにとは、基本的な問題のように私は思っておるのです。そういう意味において、都市の住宅政策という局限された今までの住宅政策の思想から、農村住宅政策という方向にもっと拡大をして、四十年、五十年に新しく家を建てるときには、一定の設計に基いたものには融資をするとか、あるいは国家の援助を与えるというふうなところ住宅政策は進んでいくべきじゃないかと私は考えるのですが、この点について、大臣のお考えをお聞きいたしたいと思います。
  48. 遠藤国務大臣(遠藤三郎)

    遠藤国務大臣 御指摘のように、確かに今までの住宅政策は、都市中心の住宅政策であったと思います。農村の農村住宅については、御承知のように、農林省の農業改良の見地から農業改良局がこれを所管して、農村の住宅の指導をしておったわけでございます。しかし農村の住宅の指導は、なかなか徹底しておりませんし、今後の住宅政策としては、でき得る限り農林関係とタイアップをしまして、農村方面の住宅の指導までやらなければならぬと思うのであります。もっとも公庫住宅については、農村の方も、必ずしもこれは拒否しておらないわけでありまして、資金融通の道はあるわけでありますけれども、農村の方に対しては、きわめて手が薄かったわけであります。将来農村方面に対しても住宅政策というものを拡大し、その指導を周密にやっていくという必要があると思うのであります。
  49. 山中(吾)委員(山中吾郎)

    山中(吾)委員 従来の農林省における生活改善としての、いわゆる社会教育的な意味の農村住宅の改善は、私は承知しておるのでありますが、それが単なる指導であって、建設行政として取り上げられるときに、初めて住宅政策として確立すると思うので、そういう取り上げ方をすべきではないかということを今申し上げたのであって、大臣の思想を大体理解することはできたのでありますが、この農村の住宅についても、農民は、すでに家を建てかえるときには、もっと合理化をはかりたいという一つの思想は持っておるのです。ところが農村の大工、棟梁というものは、昔の設計しか知らない、半世紀にわたる家の建て方というものは、また自然に元へ戻っていく、そういう関係から、住宅政策として合理的な設計、それに融資というふうなものを建設行政として取り上げていくならば、非常に大きい日本の社会の変革を期待することができるのだとさえ思うので出し上げたわけですから、御検討願いたい思といます。  それから次に都市計画でありますが、これも、都市計画法というものによって都市だけを中心に考えられておりますけれども、農村計画法というような立法思想というものが、建設行政の中に入り込めないのであるか。町村合併が行われて、各町村に町村合併に基いた計画がありますけれども、現在、たとえば一反に一石か二石しかとれないようなところでも、農家が負担をみずから引き受けながら改善をしておりますし、東北六県を考えますと、一つの郡に近い大きい町村ができております。そのときに山林に適する土地、牧野の土地、あるいは住宅地、あるいは改善に適する土地、そういうふうな土地をすでに策定をして、新しい町村建設というものができると思うので、そういう都市計画法におけるような計画を本省か認定して、これに援助すると同じような思想で、町村計画法というような思想のもとに、一定の設計が行われて、そしてこれを建設省において認可し、認可するに応じて、それに対する積極的な援助をするというふうな計画法思相というものを、新しく町村合併を行なったとの機会に取り上げて、町村計画法といいますか、農漁村計画法というか、そういうふうな建設行政思想を拡大して、単に都市だけを対象とするものから全国的なものへ、やがてそれが国土開発思想に結びついていくような発展ができないものかということを、今まで一国民として考えておったのであります。私は、こういう機会に、都市計画法の思想を農漁村に拡大する計画法の思想に発展をしていくべきじゃないかと思うので、この点についても、大臣のお考えをお聞きいたしたいと思います。
  50. 遠藤国務大臣(遠藤三郎)

    遠藤国務大臣 ただいまお尋ねの農村の計画の問題でございますが、御承知のように、御指摘のようなねらいのもとに国土総合開発の制度がございます。しかし、これは、また御承知のように、なかなか徹底しておらないのでございます。かたがた農村の方には、新農村計画というものが進められております。これも、一応ねらいは、山中委員のお考えのようなねらいを持っておるものでありますけれども、なかなか徹底しておりません。この都市計画の問題としては、だんだん農村の方面に対しても、農林省と密接な連絡をとって、この計画を進めていくことが理想であろう、こういうふうに考えております。
  51. 山中(吾)委員(山中吾郎)

    山中(吾)委員 現在の新町村計画ですか、町村合併法に基いた、あるいは有名無実でほとんど意味がない国土開発法の思想に基いた、全体の日本国土の利用計画その他、これも一つのきめ方でありますけれども、その中に都市計画法があると同じように、個々の町村のこの計画というものは、決して重複するものでなしに、必要だと思うので私申し上げたのです。  最後に局長に申し上げたいのですが、道路を守る月間について、これは全国を画一的に実施をされては、ほとんど意味がないと私思っておるのです。たとえば東北の地方のように、雪解けのときに道路が一番破壊をされます。四月、五月、このときにこの月間を実施すれば、住民も非常に鋭敏に道路の整備、維持という実感があるので、私は今これを実施しても、寒冷地帯においては、ほとんど協力する熱情も出ないだろうと思うのです。実施をされるならば、四月、五月の雪解け時期、総選挙のときも非常に困るのですが、住民も困るし運輸業者も困るし、そういうものを一体にして四月、五月にこれをすれば、勤労奉仕も含んで非常に効果があるのです。日本のように北から南に細長い国土には、全国的に一つの期間を限定した月間とか週間というものは、私はほとんど効果のないものが多いと思うので、これはよけいでありますが、一応参考に私から申し上げておきます。  以上で終ります。
  52. 堀川委員長(堀川恭平)

    堀川委員長 それでは兒玉委員、できるだけ一つ簡潔にお願いします。
  53. 兒玉委員(兒玉末男)

    兒玉委員 質問の要点は、すでに当日局の方に出してございますが、国道の拡張問題をめぐりまして、私の地元において、これはすでにおととしからの問題であるように聞いておるのですが、道路の拡張工事をめぐりまして、補償の問題でなかなか工事が難航している。それで、移転の補償問題について、建設省としてはどのような対策をとっておられるのか。  第二点としては、昨日地元から参りました書面によりますと、移転に対する補償、あるいは買収価格というものが、非常に不当に安いのではないか、こういう点で、この工事がなかなか進捗しないように聞いておるわけでありますが、買収価格についてはどのような見解を持っておられるのか。  第三点としましては、移転、買収住宅の解体等に対する補償費に対して課税をされる、このことが地元の税務署の見解によってなされておるのですが、もしそういう課税がなされるとするならば、なお一そう今後のこのような拡張問題は紛糾を来たし、困難するのじゃないかという点で、この移転とか解体等に対する補償は、当然課税の対象から除外するのが妥当じゃないかと思うのですが、これに対する御見解をお伺いしたいと思うわけです。  最後に、これは、これに関連する事項ではございませんが、この前の委員会でも決定されましたのですが、何といいますか、国政調査に関する建設常任委員の各地域調査でございますが、これに対する旅費の件で、十名くらいというのが、今二人分しか予算がない。私たち一年議員としては、そういう実情がよくわからないので、当然これは全員に対して、それ相当の費用というものを支給して調査するのが妥当じゃないかと思うのですが、以上四点について、御見解をお伺いしたいと思います。
  54. 河北説明員(河北正治)

    ○河北説明員 ただいまの御質問にお答えいたします。ただいま御指摘になりました工事は、都城市内の国道中央線の拡幅工事であるわけであります。それは御指摘のように、用地買収の点で話し合いがつかず、たしか一件だけはついたと思いますが、その他はまだ話し合いがつかないで、目下交渉中であるという工合に承知しております。それで、現在の話では、目下鋭意誠意をもってお話し合いを進めておるというように報告を受けております。  それから買収価格の点でございますが、これは不当に安いのではないかという御質問でございますが、これも、私どもの方といたしましては、適正な価格でお話し合いを進めておることと承知いたしております。それで、なお不当に安いのではないかという声も聞かないのではありませんが、しかし、まわりにやはり同種類のような事業が行われておりますので、この工事だけについて単価をきめることもいかがかという工合に考えております。  最後に、課税の問題でございますが、私の存じておる範囲においては、この道路工事のような、土地収用法の適用を受ける事業におきましては、補償費に対して、租税特別措置法で免税になっておるというぐあいに承知しております。
  55. 堀川委員長(堀川恭平)

    堀川委員長 それでは、最後に委員長からお答え申し上げます。調査費用の件について、この件は、大体以前は委員会全部に対して十日分ずつ出ておったのです。ところが、国会の予算は運営委員会がやります。運営委員会の決議の結果と思いますが、近ごろ何かその委員会委員全都を四で割って五をかけたとかなんとかいうようなことしか出ぬそうであります。それは、大体社会党からも運営委員が出ておられますから、その方でお聞き願った方が確実だと思います。御了承願います。  それから一応皆さんに申し上げておきたいことがありますから、お知らせ申し上げます。審査雑費にかかる所得税に関する件というものが、きょう通知があったのでありますが、一、議院の公務により一カ月を通し外国に派遣された委員の当月分。二、議院の公務により二十日間以上国内に派遣された委員の当月分。三、議院の公報にその議事を開いた旨登録される委員会、小委員会理事会又は打合会にその月の間一度も出席しないものに対しましては、所得税をかけるということになっております。どうぞ皆さん御出席を願いたいと思います。  次は、そういう関係上、本月は十日に建設省の十周年記念があるそうであります。皆さん御案内を受けておると思いますから、その前後の日を、一日委員会を開きたいと思います。それから八月は、お盆があって休まれる人もあると思いますから、十日前後と月末前後と二回開くことにいたしますから、どうぞ所得税をとられぬように御注意願います。  それでは、本日はこれにて散会いたします。     午後零時二十九分散会      ————◇—————