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田中(彰)
委員 あなたはおかしい、片寄るじゃないですか。私は
ロッキードとか
グラマンとか言っておるんじゃないですよ。今あなたは試験飛行をしたこともない、軍部が採用したこともない、7のエンジンをつけて飛んだものを見たこともないとおっしゃる。そのないものに、これから改良すればこういうものになるだろうという仮定のものです。やってみて、ならぬかもしれません。仮定のものです。こういうことから、これにこういうものをつければこういうものになるだろうという仮定のものです。それを今、
日本は買うという。買う飛行機は、今あなたの言われた
通り、試験飛行もしておらなければ、飛んだこともなければ
——二機飛んだという。一機は破損して、一機はこうなって、それは3のエンジンをつけたものです。7のエンジンをつけたものじゃない。飛行機で一番大事なものは、われわれ民間の飛行機に乗っても、あの飛行機に乗ると危ない、というのは、エンジンがいいかと、しろうとでも聞く。飛行機の十の
性能のうち、七までエンジンです。そのエンジンをまだつけたことがない。試験したのは3です。古いエンジンです。この3のエンジンをつけたのを買うということならよいのです。それを改良した7を買うというのです。改良ということは、よくなるとばかりきまっておらない。改良して悪くなるかもしれぬ。しかも、できておらぬ。未定です。よくなると仮定しても未定なものです。未定なものを、あなたがまるで見てきたような、まるで
自分が乗ったような、まるで軍が証明したようなことを言われたから
——私が質問をするまでは、皆の人があなたのことを、あれはやはり飛行機乗りだからものが明るいなと思っていた。えらい見そこなっておる。私に言われて、あなたはこれを白状した。あなたが言っておる飛行機と
日本が買う飛行機と違う。その買う飛行機はあなたの金で買うのではない。
防衛庁の者の金でない。岸内閣の金で買うのではない。国民が泣いて納めた税金で買うのです。あなたも私も税金には
——あまり楽じゃないが、税金を納めるのに、差し押えを食ったり、競売に付されたり、子供の着物まで売られて納めるような階級ではない。だからあなたはあまり
考えない。私はあなたよりちょっと利口だから、そこらを歩いておるから、いろいろなものが競売にされて、先生何とかなりませんかと子供連れで泣いてきて、競売にされたオーバーの一つも受けてやったことがあるから、あなたより知っておる。そういう泣いて納めた税金で買うのじゃありませんか。それを国民がだれも知らない。ただ代議士なんという者は、ばかでも何万票という票をとってくるのだから、相当普通の者よりすぐれておる。その者でさえも、ここで四回も五回も、こういう
委員会を開いてもごまかされる。そこであなたの方が、専門家みたいなのがうまいことを言うと、皆聞いておる一切の者が、
委員会であんなことを言っておるけれども、
グラマンという買う飛行機はりっぱな飛行機じゃないか、完全なものだと
考えるじゃありませんか。できていないじゃないですか。米国の軍部が試験飛行を断わった。頼んで十六時間した。採用しておらない。軍部も採用しないような、名前もついておらぬような、それからどんなものができるかわからぬようなものを買う約束をしたことについて、防衛分担金五百億でも、たとえば一千億の五割もらえる。いかに
アメリカが持てる国といえども、そんなものでくれますか。あなたが
自分の子供がたくさんあって、
自分の籍に入った子供には財産を分けてやるでしょうが、たとえば
自分の子供だといってどこで作ったかわからない、籍もない、ころがってきた者に全財産を分けてやりますか。憲法もこれは保障しておらぬ。その名前もわからぬような、また試験飛行もしたことがないような、軍部も採用しておらぬような、二機作ったが、二機ともたとい
理由いかんにかかわらず、飛行機が途中でもって大破したとか、にせのエンジンをつけたやつで、エンジンを切りかえておるなんという話は、あまりよくないことだ。そんな状態にあるじゃありませんか。しかもあなたがほめたのはこれを改良する、このもとの飛行機、古い飛行機をあなたはほめられたのであって、これから改良された飛行機に乗ったこともないし、見たこともないし、何でもないとおっしゃった。そういう国民をごまかすことをおっしゃるならば、あなたはその軍服に恥じなさい。あなたのようなものが行って、それで
防衛庁なんかへ行って、君はこう言ってくれ、ああ言ってくれと頼まれて、
松前が十二月にやめるから、(笑声)その
あとお前にするからとかいって頼まれたか、何ですか、恥じなさい。私がこうやって大きな声を出して言ったから、国民もなるほどあの飛行機というものは、四月十二日に内定した
日本が買うという飛行機は、にせのエンジンをつけた、試運転で十六時間しただけだ。飛行機は、聞くところによると三十万時間ぐらいしなければほんとうのものでないといわれている。そんなにたくさんしなくてもいいけれども、やはり何千回というものは、試験飛行をしなければならぬ。それがたった十六時間、これをしただけです。そうしてその十六時間を、その試運転もにせのエンジンをつけてやった。ほんとうの買うエンジンは、今できたかできないか知らぬが、目下まだ試作中だ。どんなものができるかわからぬ。飛行機がまだそれをつけて飛んだこともない。
アメリカの軍部も採用しておらぬ。名前もついておらぬ。同時に、値段もわからぬだろう。そういうものを無理にきめたところに、
決算委員会が取り上げてその不当性をついておるのだ。こういうことが初めて今晩国民にわかった。
あと、わからなかったじゃありませんか。あなたは青森からわざわざ旅費を使って来ておって、少し恥じなさい。これもやはり国民の税金だ、恥じなさい。