○神近
委員 今、私は
F104の安全性に関する操縦者の陳述の中で、一つだけ六千フィートというところの陳述を読みました。その中にいろいろあるのですけれ
ども、ほんの一、二を申し上げます。「この
飛行機は」これは
ロッキードの104Cのことです 「この
飛行機は非常に安全であり、少い燃料でかつ困難なく飛行できる。
F104は」これはCを抜かしてありますが、104Cのことだと思います。「戦術機構に納入するのに今までのどの戦闘機よりも良好な状態にある。」同じようなことですからたくさんは読みません。これは米空軍第七
段階報告、一九五八年一月二十七日となっております。それからもう一つ、これはシェー・アップルというアメリカの空軍少佐と書いてある。全天候部隊指揮官でございます。「私は米空軍のジェット戦闘機のほとんど全部に乗ったが、
真実言えることは、
F104はF86、F94等の一〇〇シリーズ戦闘機」
——この一〇〇シリーズというのは一〇〇台のシリーズです。「戦闘機以前の数種のものより容易にかつ安全であることである。他の一〇〇シリーズ戦闘機と比較して、私は
F104は最も高性能でありかつ初心者に」ここは肝心なところでございます。「初心者に安全に飛行を修得することにおいて最も容易な
飛行機であると思う。」こう書いてあるのです。これは外国の人が言ったことですから、信用するもしないもいいとして、私は初心者に非常に安全に飛行ができるということを
日本の武官が言っていらっしゃることに大へん気に入ったのです。というのは、この二月に佐薙幕僚長と一緒にアメリカに行きまして、そしてこの
ロッキードの104Cに乗った人なんです。これは牟田空将補で今
日本の航空
自衛隊にいる人なんですけれ
ども、この人がこういうことを同じものに書いておる。「私は
F104で二マッハの速力で飛んでいるとは思えなかった。」その時に二マッハで飛んだのです。「そして操縦席は操縦者の理解に容易なように配列してある。私は
日本の操縦者がT33の操縦学校を卒業して後
F104で訓練できると確信する。私はF—104Cの操縦には何の問題もないと思う。」操縦学校でT33で操縦していれば、この機は非常に操縦しやすい、これが牟田空将補の書いているところです。今度は松前空将が、やはり同じ佐薙さんと一緒に行った方でございますが、こういうことを言っていられる。「F—104は
ロッキードが、その速力、安全性、取扱の易さ及びその他の性能について言っている
通りの
飛行機である。私のマッハ二の速力での飛行は最適であった。」と書いてありますけれど、これは快適であったの誤まりだと思います。これはこの
方々がカリフォルニアのパラルム飛行場で、二人で
ロッキードに乗っていられる。マッハ二で上昇し、そして飛んでおられるのでございます。そうして、どうしてマッハ二であるということがわかったかという
質問に対しては、操縦席にちゃんとマッハ一・五なのか六なのか七なのか、あるいは二なのか、出てくるしかけになっていたから、われわれの目で見たんだから間違いないということも言っていられるし、この同じ幕僚長と一緒に行った人たちが、この
ロッキードの優秀なことをこういうように認識している。これはおせじばかりでも私はないのじゃないかというように
考えます。
私の
質問の要点は、慎重な御
審議が願いたいということ。前の事情をよく知っている人が、ある座談会で話していました。前の軍が
飛行機の
機種をきめるときには、慎重に慎重に二機、三機の見本をアメリカから買ってきて、それを乗りつぶすほど乗ってみてきめたんだ、今何のために取りあわてて、ああいう無理押しをしてきめようとしているのか、というようなことを言っている人があったのです。私は昔の
軍部のことはあまり知りません。悪いことばかりしか知りませんけれ
ども、それだけの慎重さを持っていたという点は、私
ども確かに感心だったと思います。昔の人たちに習うという気持で、一つこれは再出発というところまでやはり
考えていただいた方がいいのじゃないかというのが、私のきょうの
事務局長に対するお願いと
質問との
結論でございます。