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1958-09-02 第29回国会 衆議院 決算委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年九月二日(火曜日)     午前十時三十六分開議  出席委員    委員長 田中 彰治君    理事 井原 岸高君 理事 鹿野 彦吉君    理事 鈴木 正吾君 理事 高橋 英吉君    理事 山本 猛夫君 理事 小川 豊明君    理事 神近 市子君 理事 山田 長司君       赤澤 正道君    賀屋 興宣君       小林 絹治君    小山 長規君       辻  寛一君    中島 茂喜君       村上  勇君    八木 一郎君       保岡 武久君    山口六郎次君       飛鳥田一雄君    淡谷 悠藏君       片島  港君    上林與市郎君       西村 力弥君    松平 忠久君       森本  靖君  委員外出席者         内閣官房長官  赤城 宗徳君         内閣官房長官 松本 俊一君         総理府事務官         (行政管理庁行         政監察局長事務         代理)     犬丸  実君         検     事         (刑事局刑事課         長)      河井信太郎君         会計検査院事務         官         (第二局長)  保岡  豊君         会計検査院事務         官         (第二局防衛検         査課長)    中島 尚文君         証     人         (衆議院議員、         自由民主党総務         会長)     河野 一郎君         証     人         (衆議員議員、         自由民主党幹事         長)      川島正次郎君         証     人         (国務大臣、防         衛庁長官)   佐藤 義詮君         証     人         (国防会議事務         局長)     廣岡 謙二君         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 八月二十六日  委員西村力弥辞任につき、その補欠として栗  林三郎君が議長指名委員に選任された。 同日  委員栗林三郎辞任につき、その補欠として西  村力弥君が議長指名委員に選任された。 同月二十七日  委員西村力弥辞任につき、その補欠として神  田大作君が議長指名委員に選任された。 同月二十八日  委員神田大作君及び横山利秋辞任につき、そ  の補欠として野口忠夫君及び松前重義君が議長  の指名委員に選任された。 同日  委員松前重義君及び野口忠夫辞任につき、そ  の補欠として横山利秋君及び西村力弥君が議長  の指名委員に選任された。 同月二十九日  委員村上勇辞任につき、その補欠として永田  亮一君が議長指名委員に選任された。 同日  委員永田亮一辞任につき、その補欠として村  上勇君が議長指名委員に選任された。 九月二日  委員大久保留次郎君、椎名悦三郎君、廣瀬正雄  君、山田彌一君、片島港君及び横山利秋辞任  につき、その補欠として小山長規君、辻寛一君、  山口六郎次君、赤澤正道君、飛鳥田一雄君及び  淡谷悠藏君が議長指名委員に選任された。 同日  委員赤澤正道君、小山長規君、辻寛一君、山口  六郎次君、飛鳥田一雄君及び淡谷悠藏辞任に  つき、その補欠として山田彌一君、大久保留次  郎君、椎名悦三郎君、廣瀬正雄君、片島港君及  び横山利秋君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  歳入歳出実況に関する件(防衛庁航空機購  入問題)      ————◇—————
  2. 田中彰治

    田中委員長 これより決算委員会を開会いたします。  この際、お諮りいたしますが、国防会議事務局長廣岡謙二君は前回委員会において証人として決定いたしてはおりましたが、その出頭日時につきましては決定いたしておりません。同君は本日説明員として当委員会出席いたしておりますので、本日同君証人としてその証言を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 田中彰治

    田中委員長 御異議なければ、廣岡謙二君は本日証人として証言を求めることに決しました。委員長において所要の手続を進めます。  また、本日出頭していただきました佐薙毅君につきましては、本日は証言を求めないこととし、あらためて別の日に御出頭願うことにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 田中彰治

    田中委員長 御異議なければその通りに決しました。  この際、暫時休憩いたします。     午前十時三十八分休憩      ————◇—————     午前十一時十一分開議
  5. 田中彰治

    田中委員長 休憩前に引き続きまして会議を開きます。  本日は、歳入歳出実況に関する件、特に防衛庁航空機購入問題を議題として調査を進めます。前回委員会決定に基き、本問題について証人証言を求めることといたします。現在御出頭になられました証人方々河野一郎君、川島正次郎君、左藤義詮君、廣岡謙二君ですね。——証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求めるときは、その前に宣誓をさせなければならないことになっております。証人宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が、証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあった者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び、医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあった者がその職務上知った事実であって黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになっております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三カ月以上十年以下の懲役に処せられることとなっておるのであります。一応このことを御承知になっておいていただきたいと思います。  それでは法律の定めるところによりまして、証人宣誓を求めます。起立。  河野君、川島君、左藤君、廣岡君の順序で各別に宣誓書を御朗読下さい。     〔証人河野一郎朗読〕    宣誓書   良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓い  ます。                  河野 一郎     〔証人川島正次郎朗読〕    宣誓書   良心に従って、真実を述べ、何事  もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。                  川島正次郎     〔証人左藤義詮朗読〕    宣誓書   良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。                  左藤 義詮     〔証人廣岡謙二朗読〕    宣誓書   良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。                  廣岡 謙二
  6. 田中彰治

    田中委員長 それでは、宣誓書署名捺印を願います。     〔証人宣誓書署名捺印
  7. 田中彰治

    田中委員長 証人に対しましては、委員から順次に証言を求めることといたします。証人方々に申し上げますが、証人発言はその証言を求められた範囲を越えてはならないことになっており、また発言の際にはその都度委員長の許可を得なければならないことになっておりますから、あらかじめ御承知おきを願います。なお、お尋ねをしているときは御着席のままでけっこうですが、お答えの際は起立を願います。  それでは証言を求める順序は、廣岡君、川島君、河野君、左藤君の順でいたしますから、廣岡君以外の方は控え室でお待ちを願います。——小川君。
  8. 小川豊明

    小川(豊)委員 この決算委員会は、閉会中にもかかわらず防衛庁の予算の執行について審議することになったわけでありまして、しかもこの防衛庁次期戦闘機の新機種決定に当っては、各航空会社売り込み戦防衛庁中心にして猛烈に展開されておると言われておるわけであります。従って、国民疑惑もきわめて深いものがありまして、ことに一千億の空中戦だとまで言われているのであります。今まで決算委員会は、いつも使ったあとのことの不正不当というようなことを論議しておりました。それでは全くあとの祭で、かかることを未然に防いで国民疑惑を一掃する目的でこの委員会は開かれたわけであります。しかるにこの委員会に、国防会議議長の重責にあられる岸総理参考人として御出席をして下さることになっておったのでありますが、きょう国防会議議長岸総理はお見えになっておりません。それでは、審議中心がぼやけてきやしまいかということが心配されるわけであります。また、この事件証拠書類が隠滅されるおそれさえあるわけであります。委員長は、次回の委員会には必ず国防会議議長出席を求めて、もしそれでも応じない場合には遺憾ながら証人として出頭を求めるかもしれない、このことを国防会議議長に伝えて、ぜひ次会出席されることを望みたいと思います。
  9. 田中彰治

    田中委員長 小川委員に申し上げます。総理大臣は、昨日午後三時半ごろ私と委員会のことについて出席を願うためにお会い願ったのですが、そのときはできる限り出頭するというようなことを答えておられました。その後、御都合が非常に悪いので外務委員会にも出られない、この委員会にも出られない、次はぜひとも出たい、こういう工合に申されております。そこで、次には必ず出ておいでになると私は信じております。(「診断書はあるのか」と呼ぶ者あり)別に健康が悪いのではなく、やはりそこまでではなく非常に疲れていらっしゃるのですね。
  10. 小川豊明

    小川(豊)委員 そこで今、岸さんは健康ではあるが、非常にお疲れになっておる。従ってきょうは出席が遺憾ながらできない、こういうお話ですが、岸さんがおいで下さらないと、この審議の核心というものがはっきりしてこないわけです。従って次会は必ず岸さんの出席ができるように委員長として取り計らわれることを確約願いたい。
  11. 田中彰治

    田中委員長 申し上げますが、きょうはどっちみち廣岡証人を調べまして、あとそのほかの三人の証人を調べますと、総理大臣質問になるまでには夕方になってしまうのですね。だからそう無理願わなくても、この次に出ていただけば、一番初めからきょう調べたやつを参考にして聞ける、こういうような考えを私は持っておりましたから、この次に出てもらう。もしどうしてもおいでにならなければ、あなたの要求通り証人として喚問してもけっこうです。
  12. 小川豊明

    小川(豊)委員 それでは、われわれは岸さんに冒頭から一応の方針というものをお尋ねしたいという考えを持っていましたので、審議都合上きようでなくても差しつかえないじゃないか、こういう委員長見解ですが、われわれはその見解と違います。違いますが、出てこないものはいかんともいたし方がございません。そこで次会は必ず出ていただく、出席を願う。もし出席をしない場合等には委員長証人としてこれを喚問するということを委員長からはっきり御答弁がありましたので、私は了承します。
  13. 田中彰治

    田中委員長 承知いたしました。これより証言を求めることといたします。発言の通告がありますから、順次にこれを許します。鈴木正吾君。
  14. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 決算委員会から見た防衛庁国費の使い方には、過去において中古エンジン事件とか、ぼろぐつ事件というような幾多の不明朗な問題がありました。今ここで取り上げられた問題、すなわち防衛庁がすでに国防会議の内定を得たという了解のもとに着々その実現に向って事務的措置を進めつつある次期主力戦闘機グラマン社F11F—1F、すなわちスーパー・タイガー機購入の件に関して、巷間伝うるところによりますと、いわゆる死の商人の猛烈な暗躍が行われ、それにおどらされた一部要人の周辺にも汚職の暗雲が低迷しておるとか、あるいは国防会議審議の過程において文民優先の大精神がじゅうりんせられ、軍部——軍部と言うのも、今日まだ自衛隊の性格さえきまっておらぬときにおかしいと思いますけれども、そういう表現以外には思い当りませんから、いわゆる軍部恣意専断がまかり通ったとかうわさせられております。このうわさを裏書きするごときものは、去る八月二十四日の日本経済新聞の記者手帳という記事の中に、国防会議廣岡事務局長らは、一たんきまったものをしろうと横やりで振り出しに戻すような国防会議なんか要らないだろうと不満をぶちまけていた、という記事があります。これは何でもないようなことですけれども、われわれから見ますと、しろうと横やりというところに旧軍部の抱いておったと考えと同じような考えがあるのではないか。われわれからすれば、このしろうと横やりと言いますけれども、将来の日本国防計画の上から見れば、今日そのグラマン機を三百機とか二百四十機買うということ自体が非常に大きな問題ではないかと思っておるのであります。すなわち今日の航空兵器の大勢は、有人飛行機から無人誘導弾に移行しつつあると言われております。現にアメリカにおいては、昨年ソ連がICBMや人工衛星の打ち上げに成功して以来、飛行機から誘導弾への転換を急ぎ、昨年六月国防省航空機材局長ベーカー少将は、航空機業者に対して、現在の航空機材工業工場床面積は六千万平方フィートあり、そのうち二千万平方フィートが遊休であり、一九六〇年までには五千万平方フィートに減ずるだろうというようなことが言われております。もしそういうようなことになれば、今莫大な国費を使って買い入れて、日本で生産すると言いますが、次期主力戦闘機が完成する五年後には、おそらく現在のこの完成せられたグラマン機は何の役にも立たぬ、高価なおもちゃになるのではないかという心配さえせられるのであります。こういう時期に対して、いわゆるしろうと目からこの飛行機の問題について関心を持つということは当然のことでありますが、それをしろうとが何を言うかというような態度のあるところに私は軍のいわゆる恣意専断というようなにおいがすることを遺憾と存ずるのであります。  そこで、われわれは終局的には総額一千億円にも上るであろう次期戦闘機購入に要する国費の使途を厳重に監視する意味からも、また政治が軍事に優先する民主政治の原則を正すためにも、この問題の真相を徹底的に究明する責任と義務を痛感するのであります。この問題の秘密のとびらをあけるかぎは幾つもあると思いますが、ほかのかぎは他の同僚委員質問に譲り、私は何といってもその第一のかぎはこの問題の審議最高機関である国防会議審議の経過を明らかにすることであると信じます。よって私は国防会議構成等に関する法律第八条の第四項の前段、すなわち「事務局長は、議長の命を受けて、事務局事務を掌理し、」とありますが、その任に当られた廣岡事務局長に対し、私も国防上もしくは軍紀上の秘密にわたるようなおそれのない、きわめて平板な数個の事務的な問題について質問をいたしますから、あなたも明白な事務的証言をせられたいことを望みます。  まず第一にお尋ねしたい点は、次期戦闘機購入計画について内閣総理大臣防衛庁設置法第三章第四十二条に基き国防会議諮問せられた年月日及びその諮問書朗読し、もしこれに関する添付資料があればその資料種類及び内容について証言せられたいと思います。
  15. 廣岡謙二

    廣岡証人 お答え申し上げます。ただいまの御質問の中に新機種についてその購入する計画というような御質疑でございましたけれども、私ども新しい機種決定するということが具体的になりましたのは、ちょっと経路を申し上げますとはっきりいたすと思いますので申し上げますが、昨年の五月の二日でございましたか、総理大臣から国防会議に対しまして防衛計画大綱をどうするが、防衛計画大綱いかんというような諮問があったわけであります。それに基きまして昨年の六月十四日、たしか第六回の国防会議におきまして防衛力整備の要綱がきめられまして、昭和三十三年度から五年度に至るいわゆる三カ年計画——一部には三十七年度にまたがるものもございますけれども、その計画決定されたわけであります。その中に航空自衛隊関係におきまして航空機として約千三百機を整備するということがございまして、いろいろな諸般の状況とにらみ合せて逐次新しい機種に代替をしていくというようなことがきめられたわけであります。申すまでもなくこの新機種防衛力整備一環といたしまして、またわが国の特殊な防空体制あるいは防空兵器体系というような意味からも、十分にこれを検討すべきであって、これが機種選定というものは慎重にやるべきであるというようなこと、またただいまお話のありましたように、航空技術防空技術向上発達に伴いましてこういう機種を裁定しこれを採用するという際にはかなり相当の金額を要するものである、またこれを一部国産化していくという点からは、いわゆるわが国防衛産業との関連においてどういうように考えて参らなければならぬかというような点がございますので、これをひとり防衛庁のみの計画決定に待つことなく、国防会議において各方面から十分に検討すべきであるということでもって、防衛庁はもちろん、われわれ事務局におきましてもこれが検討に入ったのは昨年の大体十月ごろであったと思います。自来そういういろいろな資料を集めまして、昨年の十二月二十四日にこの問題に関する第一回の国防会議懇談会が開催いたされました。この会議においてわれわれあるいは防衛庁の方において検討された機種を申し上げますと、F1〇〇、これは1OODあるいはJという両機種、それからF1〇4、それと11F—1F、それからN1う6、この機種についてあとう限りのデータに基きまして国防会議検討に待つということでもって会議に提出いたしたのであります。つけ加えて申し上げますが、このF1〇4の中には、いわゆる1〇4Aというものと——1〇4AにつけておりますエンジンはJ79—GE—3というのでありますが、当時ロッキードの方からの話によりましてこのエンジンをJ79—GE—7にかえることによってある程度機能が上昇するというような話がありました。その当時においては十分な資料はなかったのでありますが、この改装されたこれが、いわゆる今いわれております1〇4Cのことであります。われわれといたしましては、この分もその資料の中につけ加えまして提出をいたしたのであります。これは何分第一回の会合のことでありましたので、機種について防衛庁の方からもいろいろ説明がございました。しかしただいま申しますように、その資料も十分整備されてなかった、しかしなるべく早くこれを決定する必要がある、従って防衛庁においてもこの機種選定については十分な資料をさらに収集した上で次の国防会議にかけるというような結論を得まして、その後本年の一月二十五日にFXに関する第二回の懇談会が開催されたわけであります。この会議におきましても、いろいろ新しい問題といたしましてはN1う6の問題でありますとか、11F—1Fの問題でありますとか、その他の各機種についても相当活発なる質疑応答がかわされたのであります。しかし結論といたしましては、その間においてはまだ機種をきめる段階ではない、さらに十分詳しくいろんな資料を収集し整備して、慎重にきめる必要があるということでもって、防衛庁におきましても、われわれ事務局におきましても、可能な限りの資料を収集いたしまして、次回の検討に待つ準備なり用意をいたしておったのであります。そのときに、今度またいろんな問題になっておるようでございますけれどもF1〇4Cについて、ロッキード会社資料防衛庁において聴取されましたものを他の機種とともに整備いたしまして、四月十二日に国防会議が開催されたわけでございます。(鈴木(正)委員「私は個条的に聞いていきたい。あなたの答えはちょっと先ばしっておる。それはだんだん聞いていくつもりです。」と呼ぶ)こういうことで申し上げますとわかりいいと思って申し上げておるのでございますが……。
  16. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 答弁を何か途中でじゃましたようですけれども、私がこの質問で意図するところは、国防会議内容、その進行ぶりを具体的に確実に知りたいということなんです。従って今の私の質問は、決してグラマンを買うことについての質問じゃなかった。第一の質問は、次期戦闘機購入計画について内閣総理大臣防衛庁設置法第三章第四十二条に基き国防会議諮問したはずなんだ。その諮問せられた年月日とその諮問の文書を朗読してもらいたいということと、この諮問案に対して何か参考書類というような添付書類があるだろう。われわれの常識によれば、そういう諮問案には必ず何か材料としての添付書類があるものですから、もしその添付書類があれば、どういう種類添付書類がついておったかという事実だけを聞きたいのです。順次私が聞いていくのは、何か信憑すべき記録によってお答えが願いたい、こう思っておるのです。あなたのうろ覚えだけでなしに。と申しますのは、私どもから言えばわれわれの入手しておるいろいろの材料について、国防会議の開かれた日時、そしてそのときに論議せられた内容、そういうものがわかりますと、私どもの入手しておる材料信憑性が加わってくる。あるいは死の商人が活躍したと言いますけれども、その活躍は国防会議がどういう段階に入ったときにそれが猛烈な活動を始めたかというようなことを伺う材料になるのでありまして、以下聞きたいと思います点は、日時とかその会合内容、個々について私お伺いしたいと思っておるのでありますから、以下お答えもそういうふうな御証言が願いたいと思うのです。  そこで、ただいま長々お述べになりましたけれども、この諮問の原案というか、諮問文というものは、大きい意味においての将来の日本防衛計画いかんということだけなんですか。その中につまり次期戦闘機の問題が含まれておったのですか。もし含まれておったとすればそれに何か必要な参考資料というものが添付せられておったはずです。その点を、あまり長いものじゃないと思う、諮問書類なんかはあなたはおそらく暗記しておられると思いますが、その諮問書類の本文を正確に覚えていらしたら読んでいただきたい。参考資料種類を御記憶ならばそれを話していただきたい。できることなら信憑すべき議事録とかそういうものがあったらそれに基いた御答弁が得たいと思っておるのであります。
  17. 廣岡謙二

    廣岡証人 諮問案でございますね。諮問された文、これにつきましては先ほどちょっと申し上げましたように、防衛計画大綱という諮問がございまして、その一環としていろいろな防衛整備計画というものが、いわゆる三十三年から三十五年までのあの整備計画、その答申の中の一部中間報告防衛計画大綱といいますのは二年、三年の問題でもってきめらるべき問題でなくして、今お話のありましたように将来を見通してどういうような格好になるかという高い総合的な立場に立って考究さるべきものでありますから、従って今度の新機種決定ということもそのうちの一環としてこれが取り上げられておるという実情でございます。従ってこの問題が具体的に国防会議懇談会において問題になったのは、先ほど申しました昨年の十二月二十四日、この日と考えていいと思います。  それから、どういう書類が配付されたか。これは遺憾ながらそのものを提出するということはできないのでございますけれども、先ほど申しました各機種の性能表、比較表でございますね、これを提出いたしまして、これを中心として防衛庁長官からFX選定についての説明がございました。第一回はそういうことでございます。
  18. 田中彰治

    田中委員長 廣岡証人、あなたのお答えがちょっと違っているのだが、今、鈴木委員があなたに質問しているのは、国防会議を招集したときはどういう招集の文書を回すのか、それから回すときは一体国防会議のどういう議員に回すのか、そういうことで今聞いているのです。(「要点だけ質問に答えろ」と呼ぶ者あり)あなたは飛行機を  こうするとか、そんなことは要らないんだ。
  19. 廣岡謙二

    廣岡証人 正式の国防会議防衛庁設置法に定められたこの形式でございまするが、防衛の問題はいろいろ問題が多い、従ってこれを十分の討議をする必要もある、いわゆるディスカッションしながらやっていくという意味において、国防会議懇談会という形式をとった方がいいだろうということになりまして、この防衛の問題を取り扱う格好といたしましては、正式の国防会議国防会議関係閣僚懇談会という二つの格好をとっておるわけであります。で、この招集いたしますときは、いわゆる当日審議いたさるべき議案について、総理から、かくかくのものについていつ国防会議あるいは懇談会を開催したいから出席相なりたいという書面を各議員に通達をいたしまして、その結果、その所定の日時、場所において国防会議なり国防会議懇談会が開催される、こういうことでございます。
  20. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 国防会議懇談会というものがある。その懇談会の権限とか、それが国防会議の正式な会議に持ち込まれる形式とか、そういうようなものは関係法規の中には何にも書いてない。それから、承わるところによれば国防会議にはいわゆる会議録というものがない。そしてただそれはメモによってきまるのだ、そのメモというものも公式に認められたメモがあるかどうかというと、公式メモはないのだ、各人々々のメモによるのだというようなことを聞いておりますけれども、それは一体どうなのですか。
  21. 廣岡謙二

    廣岡証人 国防会議には議事録はございません。(「そんなばかなことがあるか、重大な会議じゃないか」と呼ぶ者あり)これは第一回の国防会議におきまして、議事運営規則を設けられたのでありまするが、そのときに議事録は作らないという決議になったわけであります。従って正式な議事録を作っておりません。
  22. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 国防会議というような重要な会議——国防会議の第四十二条第四項には「防衛出動の可否」というような問題があります。ここに掲げられたる問題はことごとく国家にとって重大問題であると思いますけれども、そういう重大問題を審議決定する会議会議録がない、そういうことで会議を進行しておるということは実に驚き入ったことだと思うのです。このことはあなたに言うても仕方がないことだと思うから、総理大臣に後刻機会を得て質問をするつもりでおりますけれども、一体それじゃ会議録もないのにこの会議内容について調べたいという場合には何によって調べるのですか。先ほど言うたような各個人のメモによって調べるのですか。(「議員が死んじゃったらどうするんだ」と呼ぶ者あり)そういう場合があります。過去における会議の模様を知りたいというときに、何か調べるものがないなんというそういうばかな会議があるものじゃない。いわんや国家、国防の大方針を決定する会議に何もないということはないはずです。私が先ほど信憑すべき書類に基いて御答弁を願いたいと言うておりますけれども、それじゃ信憑すべき書類というものはないのですか。これは一大事だと思うのです。地方の小さい会議でも必ず会議録というものはあるはずなのです。その会議録に署名する人もきめてから大体会議を開くものです。国防会議というものは、これはこれから経過を聞こうと思うけれども、何月何日にだれが出て、どういうようなことを話し合ったかということは、全然記録がないのですか。
  23. 廣岡謙二

    廣岡証人 議事運営規則の中に、国防会議事務局長は、会議日時出席者、それからその議案、決議の内容を録取してこれを保管する、ということになっておるわけでありまして、従って何もない資料に基いて、信用のならない資料に基いて、これが審議されるということではございませんで、先ほど申しましたような各機種についての性能比較表のごときものは、これは文書として提出をいたしておるわけであります。
  24. 田中彰治

    田中委員長 ちょっと証人、あなた、いろいろなことをおっしゃいますけれども、そうすると、あなたは事務局長として、国防会議出席した人が、その議題について、だれがどういうことを言ったか、こういうことを言ったか、これに賛成したか不賛成であったかというようなことをちゃんと記録したものをお持ちですか。もしそれをお持ちでないとすると、メモでもいいですよ……。今あなた方は普通予算で一年に千二百万も使っておる。それにまた物を買うとすれば、たくさんな金です。また場合によっては派兵だってしなくちゃならぬような重大な問題だってあるかもしれません。そういうものを一々あなた方がメモして持っているものについて——そういうような会議できめて、今度はその金を出したり使ったりすることを調査するというのが、これが決算委員会の使命なんです。それをやろうとすると、しろうとに一体何がわかるかという。しろうとに何がわかるかというあなた方本職は一体何をやっているか。どういうものがあるのだ。国防会議の今までやった会議議事録を持ってきなさい。あるのですか。
  25. 廣岡謙二

    廣岡証人 議事録ですか。——ございません。
  26. 田中彰治

    田中委員長 どうです、そんなことでは大へんですよ。
  27. 廣岡謙二

    廣岡証人 これは私の意見でございませんで、第一回の国防会議において、議事録を作らないということにきまったのであります。
  28. 田中彰治

    田中委員長 まあそれはいいですが、しかし、証人、それはあなた常識的にお考えになっても、留置場に留置されている人間に面会に行っても、ちゃんと記録をとって、どういうことを話したぐらいのことは書いてあるのですよ。これは国家の国防会議ですよ。千二百万からの普通一般予算を使って、物を買うときには一千億もするものを買う、そういうものの基礎になる国防会議だから、何もないということは常識上それは言われませんから、もう少し良心的に委員質問お答えにならぬと、まだ社会党の人たちがたくさん材料を握っているのだから……。あなたの方は材料を握っておらぬと思っても、握っておるから、非常に困るし、日本国防会議が軽視されますから、あなたも事務局長として、たというそを言うにしても、なるほどというようなうそを言われた方がいい。それをあなたに忠告しておきます。たといあなたがうそを言われても、人が聞いてあれはほんとうかもしれぬというようなことなら別ですよ。初めからあまり非常識な、記録もない、メモもないというような——この前、造船汚職を調べたときには、森脇でさえもメモを持っていたじゃないですか。それではあまりにひど過ぎる。もう少し常識的に答弁された方がいいと思います。
  29. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 議事録というものは作らぬことに当初からきまっておる。ただ、その会議がいつどこで開かれて、だれが出席して、そうしてどういうことが論議せられたということは、事務局長において記録にとどめておくということになっておる。その記録はあなたが持っておるというのですが、その記録は、その会議に列席した人々全部の承認を得てその記録としてとどめておくのか、あるいはあなた一人のメモのつもりで、こういうことをやったということだけにとどまっておる記録であるか、それを伺いたい。
  30. 廣岡謙二

    廣岡証人 それは第一回の国防会議が開催されたのは三十一年の十二月八日だと思います。鳩山議長のときであります。このときは法律に規定せられました各議員が全員出席しておられます。この会議の席上で国防会議の議事運営についてどうしたらいいかというような議長からの発言がございまして、それでは議事運営規則というものを内規としてこれを作るということになったわけでありまして、ただいま手元に持っておりませんけれども、内規はございます。その中に事務局長は、先ほど申しましたように、会議日時出席者氏名、その議案、それから決議内容を録取してこれを保管する。その際に議事録は作らないということはこれは、はっきりときめられたわけであります。従って正式のそういうような議事録というものは実はないわけであります。
  31. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 それはわかっておるが、あなた——あなたばかりではないだろう——つまり事務局長会議の日と出席者、議案の内容とその決議事項というものを記録しておる。その記録は事務局長一人で書いて保存しておるのですか。あるいはこういう記録を作ってそれを一応国防会議議長に見せて、その承認を得て正式記録としてとどめておるのですか、どっちなんですか。
  32. 廣岡謙二

    廣岡証人 これは私の記録としまして、随時、議長の方ではこういうことになるということをその会議あとで確認をいたしまして、そうしてその旨を私が記録いたして保管をいたすわけであります。
  33. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 私の問うたのは、要するにあなたが記録を作ってこの記録を議長に見せて、議長の承認を得て保存しておくのか、今あなたが言うたように、会議の結末に、こういう経過をたどったという話し合いをして、それに基いて記録を作るだけで、作った記録は議長にも何にも見せぬということなんですか。
  34. 廣岡謙二

    廣岡証人 私はその会議あと議長にこういう決議になったということを確認をいたしておりますから、その上は私の責任においてその旨をとどめて記録いたしますということになっております。
  35. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 どうも今のお話によると、国防会議審議の経過を公式に認められたものは何にもないということになる。結局、事務局長においてメモしたものは事務局長のメモであって、国防会議の経過を公式に認めた書類ではないということなんです。簡単に私聞きますから、簡単に答えてもらえばよいのだ。
  36. 廣岡謙二

    廣岡証人 国防会議として決定しました決議そのものは、これは各議員の正式の署名をとって保存いたしております。
  37. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 決議だけは各議員の署名捺印をしますか。
  38. 廣岡謙二

    廣岡証人 捺印いたします。
  39. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 署名捺印して決議だけは保存してあるのですね。
  40. 廣岡謙二

    廣岡証人 はい。
  41. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 しかし議事の内容、議案、審議の経過、そういうものはただ局長のメモとして存在する、こういうことなんですか。
  42. 廣岡謙二

    廣岡証人 さようでございます。
  43. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 これは実に驚き入ったことだと思うのです。いやしくも日本が戦争するかしないか、まあ防衛出動といえば戦争するかしないかというような問題になると思いますけれども——憲法上戦争はない、なければ戦争類似の実力行使をするというような重大問題を審議する国防会議に、ただ決議としては保存してあるけれども、何らの公式記録がないというようなことでは、これはおそらく国民は意外に思うだろうと思うのです。それは私はむろん何かあるだろう、だから信憑すべき書類に基いてお答え願いたいということをさっき断わったのです。そうすると、信憑すべき書類というものはない、決議とかなんとかいうものなら保存してある。けれども会議においてだれがどういう発言をし、その問題がどういうふうに運んでいったということについての公式記録というものは全然なく、ただあるのは事務局長のメモがあるのみである、こういうことなんですね。これは非常に重大事だと私は思います。いずれこの問題については適当な機会において総理大臣、防衛庁長官等にもどういうわけだということをただしてみるつもりでおりますが、今日これ以上申し上げてもあなたには何もお答えができない。ただ驚き入ったことは、この国防会議という重大な会議に正式な記録がない、このことを聞いて驚き入ったという以外はないのであります。  そこで次にお尋ねしたい第二点は、つまり私が言うのは、初めて機種選定の問題が国防会議に上程せられたのは、ただいまのお話ですと第六回国防会議のように承わっておりますが、それから今年の四月十二日の国防会議においてグラマンに内定したという期間において、何回国防会議が開かれておりますか。その国防会議出席した人はだれであるか、議員の名前とその会議出席した説明員というか、防衛庁の幹部の職、氏名、それからその会議ごとに、たとえばその会議において機種選定が問題になったとすればノース・アメリカン機が問題になったとか、あるいはグラマンが問題になったとか、いろいろその会議々々で問題が起っておったと思います。国防会議はむろん全体の国防計画についてでありますから、ほかに関係のある点をお問いするわけではありません。ただこの機種選定に関する問題が国防会議で取り上げられた事実と、それに列席した議員、及び防衛庁の幹部、そしてその会議における審議内容。われわれの耳にするところによれば、最初ノース・アメリカンの飛行機が問題になったが、これはだめになった。それからいろいろの機種が問題になってきたが、その問題がいつ起って、どういうふうにして会議の中にはさまれていったかというような日時などを知ることが、今度の飛行機を買い入れる問題についていろいろ疑わしい点を究明する上の大事なかぎになる、こう思いますので、公式のものがなければやむを得ないから、あなたのメモに基いてでも、それをはっきりさせていただきたいし、先ほど来聞いておりますと、正式な会議のほかに、ほとんど同じメンバーでいわゆる懇談会というものが持たれているように承わっております。その懇談会は同じ人員で構成されているのだから、懇談会の結果は本会議というか正式な会議に持ち込まれるはずなんです。それはどういう形で持ち込まれているのか。文書によって持ち込まれているのか、あるいは口頭においてこういう話があったということが持ち込まれているのか、そういう点を明らかにしていただきたいと思います。
  44. 廣岡謙二

    廣岡証人 ただいまの御質問の第一点の日時でございまするが、第一回は昨年の十二月二十四日でございます。これは十五時三十分から開会されております。このときの出席議員は、岸議長、石井議員、藤山議員、一萬田議員、河野議員、津島議員、それと当然のメンバーではありませんけれども、これも第一回の国防会議において通産大臣だけは常時出席せしめるということに相なりましたので、前尾通産大臣が出席をしております。そのほかに、愛知官房長官、岡崎、田中両副長官、これは国防会議幹事という資格で出席をいたしております。それと林法制局長官、国防会議事務局長、それから大蔵省次官の森永幹事、防衛庁の今井幹事、通産省の上野幹事、経済企画庁の徳永幹事、そのほかに防衛庁から加藤防衛局長小山装備局長、以上がこの会議出席しておりますけれども、これは国防会議懇談会でございます。それから次は本年の一月二十五日、これは十三時からでございます。このときの出席議員は岸議長、石井議員、藤山議員、一萬田議員、河野議員、津島議員、前尾通産大臣、それと愛知官房長官田中……。
  45. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 以下はよろしい。防衛庁から出た人間、それが大事だ。
  46. 廣岡謙二

    廣岡証人 このときに防衛庁から今井次官か幹事として出ております。それと加藤防衛局長小山装備局長が出ております。これも懇談会でございます。それから四月十二日は正式な国防会議として開催されたのであります。このときの出席メンバーは岸議長、石井議員、藤山議員、一萬田議員、河野議員、津島議員、それと防衛庁から今井次官が幹事として出席をいたしております。
  47. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 ほかの連中は出ないのですか。この問題に関係のある防衛庁の有力な者は出ておらぬのですか。説明員というような形で出ておらぬのですか。
  48. 廣岡謙二

    廣岡証人 そういう意味におきまして国防会議には今井次官が幹事として出席いたしております。
  49. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 ほかの人は出ていない……。
  50. 廣岡謙二

    廣岡証人 そのほかは出ておりません。
  51. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 ただいまのお話で、第一回、第二回、第三回というか、昨年の十二月二十四日の会議で初めて機種の問題が取り上げられたと理解していいですか。
  52. 廣岡謙二

    廣岡証人 そうでございます。
  53. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 そしてその機種の問題について、同じく一月二十五日に懇談会が持たれ、四月十二日にいわゆる内定と称する正式な会議が持たれた。つまりこの機種選択の問題について、国防会議が開かれたのは前後三回である、こう理解してよろしゅうございますか。
  54. 廣岡謙二

    廣岡証人 さようでございます。
  55. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 私がお尋ねいたしましたのは、この会議内容と申しますか、つまり機種をどれに定めるかということについての懇談会なり、正式の会議なりの内容を承わりたい、こういうことを申し上げたのですけれども、今は出席の人員と日時だけをお話しになりまして、この会議における内容と申しますか、議題になった問題については何らお触れになっておりません。あらためてお触れを願いたい。
  56. 廣岡謙二

    廣岡証人 十二月二十四日の懇談会におきましては、FX選定について、という議案でございます。これにつきましては先ほどもちょっと申しましたけれども、各機種、いわゆるF1〇〇D、F1〇〇J、F1〇4——この中にはエンジン種類の違ったJ79—GE—3とJ79—GE—7、3を7に換装するという——その当時は1〇4Cということは言われておりませんでしたけれども、これがいわゆる1〇4Cというものに該当する機種でございます。それとF11F—1F、N1う6、この各機種につきまして性能を緻密に掲上いたしました資料を提出いたしまして、これについて私の方から説明をいたしました。で、逐一この会議内容を、だれがああ言った、だれがこう言ったということは、私として申し上げる限界がございますので、逐一申し上げることを差し控えることをお許しを得たいと思いますが、総括して申し上げますと、各機種について防衛庁の要求する性能はこういうものがほしいのだ、従ってそういう要件についてのいろんな質疑がございましたし、またこれを生産するという場合には防衛産業との関連をどういうように考えていくかというような問題で質疑が相当かわされたのでございます。しかし結局さらに資料を整備いたしまして、次回において検討しようということで、議長としてこういうようなことを宣言されまして、この日は終りました。  次の一月二十五日の懇談会におきましては、前回にありましたこのことに基いての防衛庁の作業いたしました経過報告を、津島議員から説明があったわけであります。このときにはN1う6の機の性能というものが若干わかって参りましたので、N1う6の問題についても質問がございまして、これに対して防衛庁側から答弁がございました。しかしこの会議におきましても、結局各機種をどれにきめるという問題につきましては、はっきりした結論が出ない。まだまだ十分にその資料を整備して詰め合せる必要がある。すなわちその性能の問題はもちろん、もし今後日本においてある程度国産化という方針のもとに実施される場合におきましても、日本における生産条件というものがどういうことになるか、あるいはその生産スケジュールがどういうことになるか、従ってあるいは価格の問題にも影響があるというような問題は、このときにはまだ十分わかりませんので、これらの問題についても検討する必要があるということで、この機種懇談会議長から、まだ機種をきめる段階ではない、防衛庁から新機種選定作業の中間報告を受けたということにしようということで閉会になりました。  それから次の四月十二日、これは国防会議として開催されたのでありますが、このときはやはり次期戦闘機選定について、この生産計画にも若干触れまして津島防衛庁長官から説明がございました。このときに防衛庁側から提出されました資料並びに事務局において整備いたしました各機種の性能比較表を、先ほど申しましたように十二月のときにも出しておるのでございますけれども、その後いろいろ資料を整備し、収集して検討いたしました結果が、そのときにおいてわかっている限度において、新しく性能比較表としての資料を提出しております。この機種については前回と同様でございます。つまりこのときには、F1〇4につきましてはF1〇4AとF1〇4Cというものをはっきりとそういう呼称のもとにその比較表の中に整備をいたしたものの中に入れておるわけであります。これらについていろいろ各議員から質疑応答がございました。いろいろ議論がありましたけれども結論は、各機種の中でその性能等から判断し、研究、検討いたしました結果は、F11F—1Fが、比較的要求性能に合致するものであるけれども、さらに生産計画日本側の生産条件を加味したコスト見積り等を細密に調査する必要がある。しかしこの問題については担当会社をきめて、技術者との生産スケジュールとかスペックの問題につきましてはそういう責任のある担当会社と向うのグラマン社と十分に詰め合せをしてやってみなければ、これらの諸条件というものはわからないという実情にありましたので、それでは通産省においてこの担当会社をどこにきめるかという問題を防衛庁と協議の上できめることにして、その会社をして十分に検討させよう。しかしそういうことで最終的にきめるときは、今日の話の条件がひどく違ったら再検討するということにして、一応F11F—1Fをきめようという議長の締めくくりの話があったわけであります。すなわち航空自衛隊次期戦闘機については、今後の計画を進行せしむる諸条件を整備するため、一応F11F—1Fを採用することに内定するという決議が、この四月十二日にきめられたということに相なっております。
  57. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 関連。今証人F11F—1Fである、こう言われましたが、F11F—1Fは艦上戦闘機で、これはタイガーという向うの空軍がきめた名称であります。今われわれが問題にしておりますのは、スーパー・タイガー、これにはまだ軍隊の名称がついておらないはずだ。会社のかりの名称がついておるはずです。しからば今事務局長の言われたのは、F11F—1Fであるのか、従って艦上戦闘機であってタイガーであるのか、スーパー・タイガーではないのか、これを伺っておきたい。
  58. 廣岡謙二

    廣岡証人 お答えいたします。ただいまF11F—1Fと申しましたが、これは今お話のありましたいわゆるタイガーを母体といたしたものでありますが、従って構造上はそれをもとにして作られておる。で、この際つけ加えて申し上げておきますけれども防衛庁の方で要望いたし、この機種がいいといっておりますこのグラマン社の機種は、最近ではF11Jということで呼称をいたしております。これは1Fをさらにデヴェロップいたしまして、主としてFCSの性能向上のための改装をしたものということであります。
  59. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 あなたの言うことはあいまいなのです。よろしいですか、私の伺っているのは、F11F—1Fというのは、アメリカの空軍が命名をした軍隊用語として用いられているタイガーという艦上戦闘機のことをいうのです。ですから、あなたの最前から証言をされている中で言っておられるところのF11F—1Fというものを買うのだ、そういうふうに内定をしたのだというようにおっしゃっておられますけれども、それはスーパー・タイガーではないのじゃないか。そういうあいまいなお答えをなさらず、明確に答えていただきたい。よろしいですか、われわれはスーパー・タイガーを買うということを聞いているのです。これは艦上戦闘機ではない。別々なのです。F11F—1Fというのは艦上戦闘機、これをタイガーと呼んでいるのです。そしてF11F—1Fというのは向うの軍隊で命名された用語なんです。それが今飛んでいるのです。しかしスーパー・タイガーというものにはまだアメリカの空軍では名称をつけておりません。なぜならば試作機が二機できて、その二機とも、一機は墜落して、一機は大破しておりますから、もう一機もありませんので、名称をつけておりません。生まれてくるものに対してまだ名称をつけておらない。そこで、会社は98J—11型と、こういうふうにかりの名前をつけているのです。これがスーパー・タイガー機なのです。そのどっちを買おうとしているのか、それを明確に答えられたい。
  60. 廣岡謙二

    廣岡証人 タイガー機はF11F—1でございまして、今二機どうだこうだとおっしゃいました分は1Fでございます。それで、今後防衛庁の方において所望いたしておりますものは、さらにそれからこのFCSをデヴェロップしたものであるということに御理解願いたいと思います。
  61. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 そういうものはありません。そういうものはないのです。そこに誤解が生じ、あやまちが行われ、新聞紙上にも誤まった報道が行われている。F11F—1Fというのはタイガー機です、艦上戦闘機です。スーパー・タイガーというのはおのずから別なのです。スーパー・タイガーには向うの空軍の名称はまだついておりません。もちろんあなたが言うように、F11F—1Fを改変し、これに改良を加え、そうしたものがスーパー・タイガーであって、それを購入するのだということはわれわれもわかる。けれども名称がごっちゃになっているのです。そこにごまかしがあるように伝えられておりますから、この際明確にしてほしい。そのスーパー・タイガーなるものはF11F—1Fではない。F11F—1Fというのはタイガーという名称のものであって、現在まで乗られている艦上戦闘機です。今度購入しようとするものは向うの空軍でまだ名称をつけておりません。会社ではこの名称をかりに98Jの11型と命名しているのです。それ以外の名称はまだついておりません。ですからその点を明らかにして、一々明確にしてかかりませんと、新聞に報ぜられておりますのもF11F—1F、そうしてスーパー・タイガー、こういう誤まった名称によって新聞等も報ぜられております。ここにそのあやまちが起る原因がある。でありますから、この際こういう名称等からして明確に国民に知らせられるようにしてほしい、いささかもごまかしのないように……。従って、もしあなたの言うようにF11F—1Fであるならば、これはスーパー・タイガー機ではありません。これはタイガーです。従ってそれは艦上戦闘機です。日本防衛庁が今買おうとするものではありません。これを明確にしておいてほしい。
  62. 田中彰治

    田中委員長 証人、あなたの方で国防会議の費用を一年に千二百万円も使っておるでしょう。そして三回か四回やって、記録もなければ、またその買う飛行機もできておらぬで、名前の変っておるようなものをやっておるのではなくて、みんなが納得のいくように説明しなさいよ。千二百万円使っておる。あなたがその元締めじゃないですか。(「万じゃない、億だよ」と呼ぶ者あり)いや、それは軍の予算だよ。国防会議費の予算は一年に千二百万円使っておる。だから一カ月百万ずつ使っておるんだよ。みんなの納得のいくように説明しなさい。
  63. 廣岡謙二

    廣岡証人 私の方で今までタイガーあるいはスーパー・タイガーという呼称を使用しておりませんで、ただいま御指摘のように、こういうことが新聞紙上に伝わりまして、その間に紛淆を来たすということは、あるいは御指摘のようなことがあるかと思います。従って今後これらの呼称の問題につきましては一定して使いたい、こういうように考えております。
  64. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 これは一定するとか一定しないとかいう問題ではなくて、もうすでにアメリカの空軍ではきまっておるのです。F11F—1Fというのは、アメリカの空軍で名称をつけられましたタイガーという艦上戦闘機の名前であるのです。人間でありますならば一郎一郎、次郎は次郎、三郎は三郎なんです。でありますから、あなたの言っておりますF11F—1Fというものは、これはスーパー・タイガーではありません。そしてこれからグラマンが作ろうとする、そして日本に売り込み契約しようとするものは、これは会社でかりの名前が付せられておりまして、アメリカの空軍においてはこれに対してかりの名前はつけておりません。その会社でかりの名前をつけております名前は、98J—11型と、かりにこういうふうに呼んでおるのです。F11F—1Fを改良した改良型とは呼んでおりません。おのずから別でございます。よろしゅうございますか、もう一度申し上げます。F11F—1Fというのは艦上上戦闘機であって、これはタイガーという名前の艦上戦闘機。日本が契約しようとするものはスーパー・タイガー、その名称はアメリカの空軍はまだつけておりません。従って会社でかりの名前としてつけられましたのが98J—11型、こういうのでありまして、呼称を統一しようとか何とかいうことでなしに、おのずから別でありますから、これを買うんだというふうにおっしゃっていきませんければ、国民疑惑はますます深まっていきます。F11F—1Fでございましたならば、これはタイガー機を買うんだな、艦上戦闘機を買うんだな、われわれはそういうふうに誤解をいたします。混同いたしますから、どうか混同しないように、今後名称をはっきりさせていただきたい。こういうことでございます。     〔委員長退席、高橋(英)委員長代理着席〕
  65. 廣岡謙二

    廣岡証人 内定する文書にはF11F—1Fと確かにございます。しかしその当時において、これらの先ほど申しました防衛庁の所望する、特にFCS等においてデヴェロップされたものをさらに研究したい、こういうものを載っけたいんだ、しかしその母体は大した変更は必要としない、ただはらわたの中にそういうFCSのいろいろな装備を入れる、ということでございますので、これは今後においてもこの機種がいずれかに決定される場合に、十分防衛庁において研究されていることでございますから、これらの資料を提出いたしまして、最終的にきめるときは、ただいまお話のあったF11F—1Fということになれば、いわゆる98Jということになるわけであります。
  66. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員長代理 廣岡証人答弁質問に対するはっきりした答弁になっていないようなので、皆さんが納得せられないのですが、山本君の質問していることは、現在のタイガーという戦闘機を買うのではない、それに改良なり何なり、違ったものを買うことになるのではないかというふうな質問なんだから、そこをはっきり一言で簡単に答弁ができるはずです。その点を一つ答弁してもらいたい。
  67. 廣岡謙二

    廣岡証人 ただいま山本委員から御指摘のありましたのを買うということでございます。
  68. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 いや、私のやつは、あなたのおっしゃっている——買う飛行機種類はわかるのです。     〔高橋(英)委員長代理退席、委員長着席〕 わかるのですけれども、新聞等に報道されております記事の面を見て参りますと、スーパー・タイガーよりも古い艦上戦闘機のタイガーと称するものを買うような印象を与える名称がついているんです。ですから、それでは国民がますますその疑惑を深めて参るだけでございますから、F11F—1Fを買うのではないんだ、要するにこれはグラマンの会社で一時的に名称をつけられている98J—11型を買うのである、そしてこれをスーパー・タイガーと言うんだというふうに区別をはっきりして、国民の納得のいくような名称を持たしておやりになったらいかがですか。買う種類はわかっています。わかるけれども、何かそこにもごまかし性があるようでいけないから、明確になさいと親切に申し上げているのです。
  69. 田中彰治

    田中委員長 証人防衛庁グラマンならグラマンを買うでしょう。それはこれから作る飛行機だ。二機作ったけれども、だめで、これから作る飛行機だ。あなたの説明を聞いていると、その前にこれの機種と同じようなものが動いて、アメリカの空軍が使っている古い飛行機とこれから作るのを混淆したように国防会議議長あたりも考えているようです。そういうことのないように。これは違うのですよ、あなたの方で買うやつは……。これは二機落ちたから、落ちないようにこれから作ろうというやつだ、これは、はっきりしなければいけない。
  70. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それから、今あなたがおっしゃっている御説明を聞くと、実に説明の名人で、天才的な御説明をなさっておられますが、F11F—1Fはこれは艦上戦闘機で、スーパー・タイガーというのはこれは船の上から飛ぶのではないんですよ、地上から飛ぶ。全く違う。タイガー、つまりF11F—1Fは船の上から飛ぶ。スーパー・タイガーの98J—11型というのは、これは地上から飛ぶ。これは全然別個なんですから……。あなたの天才的な説明を聞いていると、何かひよこが鶏になったような格好の印象を与えるような御説明のように、私の耳が悪いのかどうかわかりませんが、そういうように聞えますが、それは違うのです。F11F—1Fは艦上戦闘機、船の上から飛ぶやつ。それから今度日本防衛庁が買おうと内定したとかしないとかいっておるのはスーパー・タイガーと称するものであって、これは空軍の名前がついておらない。それで会社で呼び名がないと困るから、かりに会社でつけたのが98J—11型。これは地上から飛ぶやつで、艦上から飛ぶやつと全然違うのですから、ひよこが鶏になったのではないから、そこを混同しないで、きちっと分けて御説明下さい。
  71. 廣岡謙二

    廣岡証人 その点よくわかりました。私どもも、その点説明が不十分で……。(「それは防衛庁があなたをだましたんだ」と呼ぶ者あり)そういうわけでもございませんが……。
  72. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 機種のことなど僕にはわかりませんけれども、ただいまの説明を聞いておると、国防会議で四月十二日に一応決定したという。「今後の計画を進行せしむる諸条件を整備するため一応F11F—1Fを採用することに内定」したとあります。そうすると、こういう表示がこのままいけば、もう古くなったものを買われても仕方がないということになるわけです。この書類をどういうふうに訂正する——しなければならぬでしょう、そうだとすれば。F11F—1Fというのは、これはもうすでに決定した種類、名称も実物も、つまり変えようのないものである。これと別のものを買うというなら、この国防会議決定ということが非常な問題になってくる。
  73. 廣岡謙二

    廣岡証人 F11F—1F、この機種でございまするけれども、これはなるほど最初はこの母体であるF11F—1は艦上機でございます。しかし、その後日本向けのものに改装するためにF11F—1Fというものを作りまして——そしてさらにそれを先ほど申しましたようにFCSとか、さらに機能、性能を向上せしめるために新しいF11Jというものを今度採用する。この間内定されましたことについては、先ほどから申し上げまするように、母体につきましてはさしたる構造上その他の何はない。従ってその後三菱が担当会社に指定されまして、アメリカに渡りまして、向うのグラマン社の方といろいろスペックの問題、生産スケジュールの問題あるいは価格の問題に触れまして調査をして帰ったのであります。先ほど申しますように、四月十二日のときには、まだ未確定の要素があるから、これらをさらに検討して、そうしてよりよき機種を選考するという意味において、これを内定する。最終的にきめる場合は、そういう諸条件をすべて新しく取り入れまして、そして次回における国防会議において、それらの条件を検討したものとして決定する運びになるわけです。従ってこの内定するということの意義が——機種をこういうように変えたということについては違うのではないかというお話でございますけれども、私の理解いたしますところでは、そうは考えないのであります。
  74. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 あなたは今FJというお言葉を使いましたが、FJの名称はどこでつけた名称ですか。
  75. 廣岡謙二

    廣岡証人 F11J、本名は98J—11、これを略称いたしましてF11J。
  76. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 そういう名称はグラマンではまだつけておりません。その名称はどこでつけているのですか。たとえばそのJというのはこれはグラマンを称するのです。たとえばそのクールーセーダーを作っておりますチャンス・ヴォートではUというのを使いますね。よろしゅうございますね。それからグラマンではFというのを使っておるでしょう。よろしゅうございますか。ロッキードにもみな名称がありますね。クルーセーダーを作っている会社にもUという名称がある。そのFJというのは一体どこでつけたのです。どこでだれがFJというのをつけたのです。日本でつけたのですか、あるいはアメリカ空軍がつけたのですか、あるいはアメリカの会社がつけたのですか。少くともアメリカの製作会社はそういう名称をつけておらない。
  77. 廣岡謙二

    廣岡証人 これは防衛庁において今後こういう呼称にするということにいたしたのであります。
  78. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それは防衛庁でつけた新語と解釈してよろしいですか。防衛庁特有の符号ですね。
  79. 廣岡謙二

    廣岡証人 F11Jは、先ほど申しましたように、本来は98J—11、これが長いからF11Jという略語でもって呼ぶということに、たしか防衛庁において呼称を一定したと聞いております。
  80. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 あなたは長いと言いますが、グラマンではもっと短かいのをつけているのです。98J—11型、これくらい短かいものはないのですよ。よろしゅうございますか。98J—11……。そういう不明確な用語を用いてきたりなにかして、いかにもあなたの説明を聞いていると、艦上戦闘機が何か生まれ変って、そうしてそれが進化して、日本の土地に適合したような工合にでっち上げられたものを今度買うのだといったような、回りくどい説明をされてくるのですけれども、これは全然違うのです。そうして名称のごときも、あなた長い長いと言いますけれども、何も長くない名称がグラマンの会社の中でついているのです。98J—11型、こんな短かい名前はないじゃないですか。F11F—1Fというよりもっと短かいのがついている。そういうのと違った名称をどういう便宜のために使っているのですか。
  81. 廣岡謙二

    廣岡証人 繰り返して申し上げますが、F11F—1Fを基礎にして日本において採用したいと申しておりまするものは、これをオール・ウェザーとして開発したものでございます。その機種をただいまお話のありましたように98J—11ということに呼ぶ。これがわが国における名前として用いられるものでございますが、これを略してF11Jということに私は申し上げたつもりであります。
  82. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それでは、今度日本防衛庁が買おうというのは、98J—11型のスーパー・タイガーを質おうというのじゃございませんか。
  83. 廣岡謙二

    廣岡証人 98J—11を製作しよう、こういう意図であります。
  84. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それならば、まだ生産もせられない、部隊に配属もせられない、そういうようなものを、かりの名称がついているものを、なぜそういうふうに名称をもじって用いなければならないのか、その理由を伺いたい。
  85. 廣岡謙二

    廣岡証人 この呼称の問題につきましては、私のところでもってどうこうということでございませんで、防衛庁の方でこういう呼称にするということで、私の方でもこの呼称を使うということなのであります。
  86. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それをあなたがおわかりにならなければ、そういうふうに名称を特に付せなければならなかった理由を、あとで一つ当委員会に御提出を願うように委員長においてお取り計らいを願いたい。  それからついでにお願いしておきますが、これを買うに至った仕様書というものは国防会議に提出をせられておるのですか。
  87. 田中彰治

    田中委員長 つまり仕様書というのは見積書ですね。
  88. 廣岡謙二

    廣岡証人 防衛庁当局から私の方に提出はされております。私の方で目下検討中でございます。
  89. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 このスーパー・タイガー機、すなわち98J—11型はすでに内定しておるというふうに巷間伝えられておりますが、内定したということと今の御答弁とは食い違うように考えられますが、どういうことでございますか。
  90. 廣岡謙二

    廣岡証人 内定するに至りました経緯は先ほどるる申し上げた通りでありまして、その当時においてこれを最終的にきめる段階にまで至ってない、と申しますことは、さらに技術的な点、あるいは生産スケジュール、あるいは、これを日本において国産する場合にはその生産の諸条件が十分検討されなければならぬ。これは四月の十二日現在におきましてはわからない。従って、その担当会社を指定して、それをして資料を整備させ、それが整備された上において、次回の国防会議でその提出された資料に基いて最終的な決定を見るということたと思っております。
  91. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それでは、ただいま防衛庁からこのグラマンの98J—11型を買うために仕様書が国防会議に提出せられておって、目下それを検討中で、内定せられていると巷間伝えられたのは誤まりであって、まだ内定しておらない、こういうことでございますね。
  92. 廣岡謙二

    廣岡証人 内定してないというように私ども考えておりません。先ほど申しましたように四月十二日の国防会議におきまして、議長としては、機種を最終的にきめるまでにかくかくの資料というものを十分に詰める、その間に、よほど重大な支障があればともかくであるけれども、一応性能その他から見てこのF11を適当と認めてこれを内定する、そういう宣言がございました。従って、そのときに不確定でありまする諸要素を、担当会社をきめることによって、またアメリカにそれを派遣して十分に資料を詰めさすということにおいて初めてその条件というものが満たされるわけなのであります。
  93. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 今あなたは、これを購入する仕様書は防衛庁から国防会議に提出せられていて目下検討中である、こう言われた。目下検討中である、ということは、巷間伝えられた内定というものはうそである、内定したものではないのであるということを物語るものであると私は解釈しておった。ところが、内定はしたんだ、購入に関する仕様書、明細書、見積書はまだ検討中だ、これはどういうことに解釈したらよろしいのですか。こういうことでは国民は納得できません。
  94. 廣岡謙二

    廣岡証人 見積り等はただいま防衛庁から国防会議事務局に提出されて、その資料に基いて現在検討中であるということを申し上げたのでありまして、国防会議に提出されたわけではございません。
  95. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それでは、防衛庁から提出せられた仕様書というものは全く無視せられてこの機種を買うということが内定せられたのであるか。
  96. 廣岡謙二

    廣岡証人 この点は先ほど来るる申し上げておるのでありまするが、仕様書等について当時防衛庁資料では十分でない、従ってこれを十分に詰めますために、担当会社を指定して、その担当会社をして十分にその資料を詰めさせるということを国防会議においてきめられておるわけです。そういうものを十分に精査した上で、今後最終的にきめる場合はそれらを十分に資料として審議する。しかし機種といたしましては性能その他から見てF11が適当であるということを一応認めるという意味でこの機種が内定されたという実情になっております。
  97. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 あなたの御説明ではますますわからなくなりますが、これを購入するのであるということを内定したと巷間伝えられております。だから内定したのであれば仕様書はすでに検討を終了しておらなければならない。もし内定しておらないとするならば、あなたが今言われたように仕様書、すなわち明細書、見積書なるものは検討中であってよろしいのであります。ところが仕様書は検討中である。事務局にあろうが、あるいは会議に提出をせられておろうが、どうであろうが、いずれにいたしましても防衛庁から国防会議に向けて仕様書が提出をせられておる。今証人お答えによりますと、その仕様書は目下検討中である。ところが別の面ではこの機種を買うためにすでに内定していると巷間伝えられるような段階に入っている。あなたのお話を伺いますと、きめたでもありきめないでもあり、どちらがほんとうであるのか私どもは迷わざるを得ないのであります。従って、仕様書が目下検討中であるならば、内定をしたということは誤まりである、内定をしたということであれば仕様書を全く無視してきめたのである、こういうふうにわれわれは考えるのでございます。でございますから、詳しい微に入り細をうがった御説明はけっこうでございますから、仕様書は無視して内定をしたのである、あるいは目下この仕様書はあなたが今言われまたように検討中であるから内定と伝えられたのは誤まりである。この二つのいずれであるかをお聞かせ願いたい。
  98. 田中彰治

    田中委員長 証人、あなたにちょっと注意申し上げて起きますが、たとえば一台三億七千万もするものを買うのですから、それを内定するには、国防会議でもって、みんなえらい人が寄ったんだから、単価から何からすべてを検討して、これがいいとか悪いとかいうことで内定するのが当然だ。ところがあなたのは、内定は国防会議の決議で決定した。ところがまだ単価だとかいろいろなものに対しては見積書を検討中だとおっしゃる。だから今のような質問が出てくる。私に言わせるならばまだもっと、カタログもない、試験飛行もしていない。二台作って一台は破損してしまった、一台は墜落してしまった。それからまだ作っておらない。そういうものをきめたのであるから、あなたははっきり、それでもこれは保証されるということだから国防会議できめたんだ、見積りなんかそんなものは要らないんだ。防衛庁が幾らで買おうと勝手だ、これでもけっこう。機種は悪くて値段も高いけれども、わいろをよけいもらったからきめたんだ、これでもけっこう。これはまだきめないんだ、国民の血税を使うのだからもっと検討していかなければならぬ、まだきめてないんだ、これでもけっこう。そういうことをはっきりしなければ、満足できないんです。こんなことばかり何回やっても同じことだ。はっきりした御答弁を願いたい。
  99. 廣岡謙二

    廣岡証人 内定したということは、この機種を採用することにきめたと内定したということでございまして、購入するということも全部これを購入するということではなく、その中にはアメリカからのMDAP供与もございますし、日本においてこれを生産するということでございまして、すべてのものを全部まるがかりで買ってくるのだということでもないのであります。従って、先ほど申し上げましたように、そういう条件を満たすために、当時わからなかった価格の問題、見積書みたいなもの、さらにスペック、生産スケジュール、そういうところから一々精細に割り出して、そうしてはっきりしたものを出さない限りわからないじゃないかということで、そういう条件を満たすために……、(「内定したじゃないか」と呼ぶ者あり)その機種は内定する。しかし条件を満たすために、(「値段にかかわらず内定したのか」と呼ぶ者あり)その当時は大体の推算で、防衛庁の方において大体どれくらいの価格になるんだというようなことはわかっておるのでありますけれども、しかしそれをそのまま平気でいれるわけにはいかぬ、スペックだとか生産スケジュール、そういうような点からはじき出した正確な価格見積りでなければならない。しかも日本において生産するためにはいろいろな条件があるわけでありますから、そういう条件を精査した上で最終的な価格というものはきめられていく筋のものなのであります。だから当時においてはきまらなかったけれども、その後において、そういうものを最終的に決定するときはその資料が集まる、それに基いて正式な機種採用ということになる、こういうことなんです。その間に私は別に疑惑があるとかなんとか考えません。
  100. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それではもう一点だけ伺いますが、私が申し上げておりまする仕様書というのは、何か非常に狭い範囲に限局されていたように誤まられたようでありますから、もう一度言いかえます。これは値段の見積書だけじゃございません。要するに仕様書というものは、性能から何からすっかりわかっておって、これが日本防衛上適切なものであるという計画書、これを購入するための計画書、たとえばこれから四年ないし六年もかかろうというのでございますから、でき上りまして、日本の部隊に配属せられるのは昭和三十九年でございますから、その三十九年までの間にこのミサイル時代はどんどん進んで参りまして、人間が乗る戦闘機でその時代でも間に合うんだというような御計画を立てられましたその計画書をも含んだ仕様書、値段だけではございません。  それからもう一つ、値段と申しますならばまだ作られていない、一機も作られていないのでありますから、二機作ったやつはなくなっておりますから、これから実際に飛行機を製作するまでの間には相当な年月がかかります。その間作りかえ、作りかえして参りますところの費用は、一体会社が負担するのであるか、日本国費をもって負担するのであるかというようなことをも含めた仕様書、そういうような、つまり昭和三十九年でなければ——ことしは昭和三十三年でございますから、指折り数えますと五本の指では数え切れないほどの年数がたたなければ部隊に配属されません。現在防衛庁が使っておりますところのF86のごときも、一九四七年に飛びましたときは千八百キロしか飛んでおりません。ところが九年後一九五六年にはロッキードの1〇4Aが二千三百キロも飛んでいる。そうしますと、放射線のように進んで参ります飛行機の性能の進歩の仕方、あるいは大陸間弾道弾といい、中距離弾道弾といい、こういうようなものの進歩の仕方、現在アメリカで使っておりますナイキ、こういうようなものとのにらみ合せもお考えになって計画書をお立てになったものか。すなわちこの仕様書でなければならない、そういうものをもつ一切がっさい含めまして今後六年後に部隊に配属されますこの98J—11型がミサイルにも勝つのである、高度二万メートル以上に飛んでくる爆撃機にすぐさまそれが上っていって迎撃する、これにもたえられるのであるというようなことも含めた仕様書、そういう計画書も含めた仕様書のことを申し上げて私は仕様書と申し上げておるのでございます。そういうようなものが今伺いますと国防会議に提出をせられておって、それが検討中であるんだ、こうおっしゃっておられるのであります。しからば機種はこれにきめたとおっしゃることは、これはどうもあまりにもこの仕様書というものを軽んじておるように伺えるのでございます。軽んじておられるようなことはあろうはずがないと考えますけれども、御答弁によりますとそういう印象が与えられるのでございますから、もう少しわれわれが納得をいたしますように、すなわちわれわれを通じて国民全般が納得のできますような御答弁を願いたい、こう申し上げてきたのでございます。これ以上はお尋ねはいたしません。
  101. 廣岡謙二

    廣岡証人 ただいまの仕様書がそういう広い意味において言うておるんだというお話だといたしますと、将来の今後における防衛構想、特に防空構想という見地からも十分に判断をして、しかもミサイル時代になってきておる際に、そういう条件等も考慮の上においてこの新しき戦闘機というものを考慮しておるかどうかということだと思うのでありますが、この問題につきましては、先ほど申し上げましたように、第一次整備計画におきまして大体三十五年度までの基本目標をきめましたけれども、もちろん防衛庁においてもそうだと思いますが、私ども今後の防衛構想をどういう点に重点を置いて考うべきか、その一環としての防空戦術、そういうものもどういうように判断し見通すべきかということは、常時われわれとして研究をいたして参っておるのであります。従って今度のFXの新機種の問題につきましても、当然そういうことを前提に入れましてその希望するところの機種をきめる。従ってこれを申し上げますと、要撃機としての性能を中心とした機種でなければならぬということに相なっております。そういうこともあると思うのでありますが、将来のミサイルとの関係につきましては、これは防衛庁長官もおられることでありますから、そういう方面の戦術的、戦略的な問題は防衛庁の方にお聞きを願いたいと思います。ただ私の方におきましては、ミサイル、ミサイルと申しましても、全部無人機がとってかわるものだというようには判断をいたしておりません。やはりミサイルの研究、開発と並行してある程度有人機の必要もあるということに考えておる次第であります。なおそれ以外の見積書という点につきましては、防衛庁からその根拠なり積算、そういうものを聞きまして、国防会議において検討しておるということであります。
  102. 鹿野彦吉

    ○鹿野委員 ちょっと関連して私は申し上げますが、廣岡さんに私はお願いしたい。私は決算委員の一人として今回の問題について決して疑惑を持つ立場に立っておらない。いろいろ疑惑を持つ立場とそうでない立場とがあります。先ほど言われましたように巷間伝えるところではいろいろなうわさが飛んでおります。しかし私は防衛庁の役人諸君はそういうことはないと思う。ことに廣岡さんは私は前々から名前を聞いておりまして、なかなかの人物であると思っておりました。ところが今鈴木正吾君の質問に対して、四月十二日の正式の国防会議においてF11F—1Fを採用することに内定するということを決定した、こうあなたは発言されておる。これに対して山本君から今度質問が出て、スーパー・タイガーとの比較論が出まして、そうしてF11F—1Fというものはタイガーの艦上機だ、こういうようなことが出て、あなたがわけのわからぬようなことを言っておるから、その点はっきりしなさいということを私は言っておる。きょうのあなたの答弁を聞いておると、まことに明快を欠いておる。国民も非常に心配しておる。私があなたにお願いしたいのは、日本防衛庁は決してそういうものでないということを知らしていただきたい。そのためにはもっと明快に、簡単に御答弁下さることが非常にいいので、私のような考え方の者まで、だんだん、これはおかしいのじゃないかと思うようになってしまう。あなたの答弁を聞いていると、明快にぴしゃっと返事をすればいいものを、そっちからひっくり返し、こっちからひっくり返しして答弁をしている姿は、あなたは気づかれないでやっているかもわかりませんが、まことに下手だと思います。そこで私はあなたにお尋ねしたいのは、F11F—1Fを採用することに内定すると決定したと発言をされたことは、あなたがうっかりそういうことをやったのか、あるいはまたスーパー・タイガー、98J—11型というものを承知しておって、それを作為的にこのような答弁をあなたはなさったのか、それを私は伺いたい。
  103. 廣岡謙二

    廣岡証人 言葉がちょっとあいまいでございましたが、F11F—1Fを採用することに内定するということになったと思います。
  104. 鹿野彦吉

    ○鹿野委員 それはあなたはスーパー・タイガー98J—11型とF11F—1Fというのは同じだ、こう考えてやったことでございますか。
  105. 廣岡謙二

    廣岡証人 先ほど申しましたように、その後におきまして全天候型を採用する、それからFCSにおきましてさらにこれをデヴェロップしたものをそれにつけ加えていく、その上で今後きめられる機種はそういうものである。それが、先ほど山本議員からお話がありました98J—11ということになったのであります。
  106. 鹿野彦吉

    ○鹿野委員 四月十二日現在においては、そうするとあなたは、F11F—1Fを採用することに内定したと考えておったわけですね。実際私があなたにお願いしたいのは、ここのところで不必要なる疑惑国民に持たせないように、慎重な御答弁が必要だと思うのです。そこを確信をもって、要するに内定したことは間違いであった、あるいは山本君の言うように、仕様書を見ないで国防会議がこういう決定をしたのは間違いであった、——間違いでもかまわない。何だかわけがわからぬような印象を与える答弁でございますから、私はそこのところは明快に率直にお答え願うのがよろしいのではないかとあなたにお願いしているのです。F11F—1Fというものは艦上機なんだからということなんでしょう、山本君の説は。それをあなたは御承知なんですか。
  107. 廣岡謙二

    廣岡証人 艦上機はF11F—1。それを日本向けに改装したものがF11F—1F、Fというものがあとにつくわけです。それをさらに今後いろいろな資料を整備することによりオール・ウェザーとし、FCSもデヴェロップしまして、そして次に国防会議審議を経てきめていただきたいと防衛庁が希望いたしておりますものが98J—11こういうことなんです。このことは私ははっきりしていると思うのです。
  108. 鹿野彦吉

    ○鹿野委員 そうするとあなたは、四月十二日現在において採用することに内定すると決定したというものは98J—11型であるということを承知しておったわけですね。
  109. 廣岡謙二

    廣岡証人 その通りでございます。承知いたしております。
  110. 鹿野彦吉

    ○鹿野委員 あなたが承知しておったならば、私がお願いしたいことは、F11F—1Fを採用することに内定することに決定したいという発言をするときに——決定でなくともよろしい、発言をするにとき、98J—11型を採用することに内定すると決定したと、こうあなたが発言されておれば何もめんどうはないわけです。だから私はあなたに、うっかりそういう発言をされたのか、気がつかずに山本君に発言されてこういうふうに直しておるのかということを聞いておる。98J—11型を採用するということに内定したということの意味発言であったということを言って下さい。
  111. 廣岡謙二

    廣岡証人 そういう意味であったことは確かでございます。ただそういうものを、今のFCSを改装するということは、さらにもう一度向うと打ち合せまして確信を得た上で決定するという意味において御了解を願いたいと思います。
  112. 鹿野彦吉

    ○鹿野委員 すると、四月十二日に内定を見たものは98J—11型を採用することに内定したのだ、簡単に、明快にこういうことが言えないいろいろな事情があるわけですか。
  113. 廣岡謙二

    廣岡証人 それは先ほど申しますように、一応防衛庁で当時わかっておった限度ではまだ不十分である、装備につきましてですね、これはやはりアメリカに行ってその点を十分に、精細に打ち合せる、そうして大丈夫だという確信を得なければ、まだ正式にきめるわけに参らぬじゃないかということもありまして、そういうことを予想しての内定ということに私はなっておるものだと思っております。
  114. 鹿野彦吉

    ○鹿野委員 いや、それは実際上のものが、98J—11型というようなものが、こまかいところまでわからないから、それをアメリカにでも行って調べる、こういう御説明ですが、それも私はわかります。わかりますが、少くともあなたは国防会議事務局長として、98J—11型というものを採用するのである、F11F—1Fを採用するんじゃないということを、そのときにはっきり認識しておられたかどうか。このとがあいまいだと、こんな問題は大したものじゃないと思うけれども、このようなことがあいまいだと、みなあいまいに聞えてくるから、私どものような考え方で聞く者が——国民がみな同じような考え方で聞いておると思うんです。あなたは先ほど疑惑という言葉を出された。私は決して疑惑を持って聞いておるんじゃない。疑惑を持たせるように御説明なさるから、疑惑を持たないように答弁をしていただく方がいいと思って質問しておるわけです。ですからあらためて、F11F—1Fというものは艦上機で、旧式のものであるし、一機は墜落してだめになった、一機は大破したという二機のものがF11F—Fというものでしょう。そこのところ、どうなんですか。
  115. 田中彰治

    田中委員長 鹿野委員に申し上げますが、これは普通の参考人質問ではなく証人質問ですから、そうあなたが言われると誘導的なあれをしているように聞えますから、そのくらいにしたらいいのじゃないですか。
  116. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 関連して簡単に……。国防会議で内定したという問題について、機種がどうとかという問題であまりに微に入り細に入ってあなたが御答弁になるので、かえって紛淆を来たすようなおそれがありますので、私が助け舟を出すのですが、ごく簡単に明確に答弁できることがたった一つあると思うのです。それは、そのときの決議録の内容を、その文字通りここで答弁していただきたい。決議は録取することになっておるのですから、その経過とか何とかというような議事録はないかもしれないけれども決議はあるわけですから、その決議の内容を文字通り発表されたらすべてのことがわかるのじゃないですか。
  117. 廣岡謙二

    廣岡証人 先ほど申しました通り、四月十二日、航空自衛隊次期戦闘機については、今後の計画を進行せしむる諸条件を整備するため、一応F11F—1Fを採用することに内定する、という決議であります。
  118. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 ついでにちょっとお聞きしたいのですが、会議議事録を作るとか作らないとかいうことについて、作らないということに決定したという先ほどの御証言でしたね。それは、積極的に作るとか作らないということについて論議があったのですか。もし論議があったとすれば、賛成論とか反対論とかいったものがとりかわされたのかどうか、その点について御答弁を願いたいと思います。
  119. 廣岡謙二

    廣岡証人 第一回の会合におきまして、議事録をどうしますかということを私が議長並びに議員にお諮りを願ったわけです。そのときに、議事録は必要としない、閣議においても議事録というものはとっておりませんし、国防会議も大体それに準じて議事録というものを作る必要はないということに、満場一致できめられたわけであります。
  120. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 それに対して積極的な論議が戦わされなかったのですか。今の閣議の例を出して議事録を作る必要はないということは、だれが発言したのですか。そのまま反対論もなく、論議が戦わされずに決定したのですか、どうですか。
  121. 廣岡謙二

    廣岡証人 私のそのとき受けました感じは、それはもう作る必要はないじゃないかというような意見で、異論は全然ございませんでした。
  122. 田中彰治

    田中委員長 ちょっと鈴木君に申し上げますが、あなたの質問を十分くらいにしてもらって、社会党の人にも質問をやらせないと、一人でもって一日かかってしまいますから……。
  123. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 こっちは一人でやっているが、みんな関連質問でやるので……。  僕はやはりしつこく食い下るのですが、今言われた国防会議決定は、今後の計画を進行せしめる諸条件を整備するため一応F11F—1Fを採用することに内定したとはっきり書いてある。ところが実際防衛庁が買おうとしておるものは、それとは全然別の98J—11を買おうとしておる。そうでしょう。これがそのときにすでにわかっておりながら、一応98J—11を採用することに内定したとなぜきめなかったのです。もしこの98J—11がまだ未完成というか、十分研究、改良の余地があるから、そう書いては都合が悪いという意味ならば、このF11F—1Fという飛行機が時代おくれのものであることはわかっておる。その時代おくれのものを買うことにきめて、それを改良してもっとよくなったものを買わない。不安定な点、危険な点からいえば、むしろ先にここに明らかに書いたものの方が、そんなものを買ってもらいたくないという気持になるのですよ。     〔委員長退席、高橋(英)委員長代理着席〕 だから、具体的に言えば次の国防会議において、一応はこういうふうに決定したけれども、この文書を改めて98J—11を採用することに内定した、そういうふうにする意思はないのですか。そういうことはできないのですか。もしこういう文書で書いてあれば、だれが見たって時代おくれの艦上飛行機を買うのだということになってくる。だから、それに対して物議の起るのは当然のことです。
  124. 廣岡謙二

    廣岡証人 艦上機と申されますけれども、このF11F—1Fは、1というやつは、これは艦上機なんです。そいつをさらに日本に向けるための航空機としてデヴェロップしたものが、1にFのついたF11F—1Fということになっているわけであります。
  125. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 それはわかっているのだよ。これをさらにデヴェロップしたもの98J—11になるということでしょう。
  126. 廣岡謙二

    廣岡証人 そうであります。これをオール・ウエザーとして開発したものが、またFCS、すなわちフアイア・コントロール・システムという飛行機の最も中枢となるところの機能を持っている機械をもってさらに性能を向上せしめる、そのものが98J—11であります。
  127. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 私はここで両種の名前の違ったものを性能をかれこれ言っているのではないのですよ。ここに書いてある決議、内定したいという国防会議の決議は、明らかにF11F—1Fを採用することに内定したと書いてある。しかし実際の採用するものはこれじゃなくて、98J—11を採用するのだ、今あなた明らかにおっしゃった。いやしくも国防会議の決議が実物と違ったものを採用するというがごとき表現を用いる必要がどこにあるんだ。
  128. 廣岡謙二

    廣岡証人 このF11F—1Fと、今度の98J—11というものは機体の構造なり格好なり、外観なり、これはすべて全然違ったものじゃございません。中に装着いたしまするFCS、オール・ウェザーにするレーダーとかそういうような機体内の包蔵し得るそのもののデヴェロップされたもの、そういうふうに御理解願いたい。
  129. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 私はそういうことを聞いているのではないのです、私の言いたいのは、ここにこういうように書いてある以上は、国防会議決定したものはF11F—1Fである、こういうふうに国防会議決定しているのだ。ところが実際防衛庁で買おうとしている機はこれじゃないのだ、これをさらに改良したものだ、それにちゃんと名前もつけられて98J—11と名前がついておる。これを実際採用しようとするんでしょう。それならなぜこの決議のときに、F11F—1Fなどと言わずに、98J—11を採用するということを言わなかったか。それを言わない理由が何かあるのか。先ほどから聞いておれば、まだこの98J—11というのは完成しておらぬ。いろいろまだ研究の余地があるというようなことを言われたけれど、その研究を完成した上にこれを買うつもりでおるのでしょう。それならなぜここでそういうふうなことをはっきり書かなかったか。これからこれを国民に知らせるためにも、この形で発表せずして、98J—11を買うのだということをはっきり国民に知らせるべきだと思う。そうでしょう。僕の言うことわかりますか。ここにこういうふうに書いてあれば、防衛庁が今買おうとしておる機種F11F—1Fだということは常識的にだれでも考えます。けれども防衛庁が買おうとしているのはこれではないのだ。これをさらにデヴェロップしたものをさらにデヴェロップして優秀なものにして、その98J—11を買おうとしておる。それなら、なぜここにそういうごまかしと言うては悪いかもしれないけれども、違った種類のものを買う——違った種類ではないかもしれないけれども、違った性能であることは間違いない。そういうものを採用することに内定したとなぜ書かなかったのですか。それから、その書かなかったことはとにかくとして、これを書きかえてもらう必要があると思う。これで通って、これを買うということはうそになりますよ。そうじゃないですか。われわれの常識からいえばうそになります。そうお考えになりませんか。(「F11Fに三つあるということの説明が足らないのじゃないか」と呼ぶ者あり)足っても足らなくても、そんなことは問題じゃない。この決議文には明らかにF11F—1Fを買う、それを採用することに内定したと書いてある。ところが実際に採用しようとするものはこれでないという点に問題がある。
  130. 廣岡謙二

    廣岡証人 先ほどから申し上げまして恐縮でございますけれども、内定いたしました四月十二日現在では、デヴェロツプすれば、エアロ13というようなさらに性能の向上したものを、機体の改造を要しないでそういうものを入れることによって非常なデヴェロップができるということは当時からわかっておったわけでありまするけれども、これをさらに具体的に詰めますために、あるいはそういうものをすれば機体の改造を必要とするのかどうかという点、あるいはアメリカの方からそういうものについてリリースされるかどうかという点など、いろいろ問題があるわけであります。こういう問題をアメリカ側で精査いたしまして、折衝あるいは調査いたしました上でこれは大丈夫だということになった場合に、そういう条件を加味して次に来たるべき国防会議において最終的にきめる、こういう意味でありまして、この当時における内定、これを変える必要がないかという御意見でございまするけれども、私はそういう意味においてこれを変える必要はないのだ、こういうふうに思っております。
  131. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員長代理 証人、今広義の意味においてとか大きな分類上からとか言っては——あまり微に入り細に入るからかえって混雑してしまう。
  132. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 私は明白に一点の疑義も入れずに、この文章によればF11F—1Fを採用することに内定したのであって、そのほかの同一機種かもしれぬけれども、性能の違うものを買うことじゃないということは当然理解せられる。その説明が足りぬと思いますけれども、これを僕は直す必要がある、直せばいいと思うけれども、今直す必要がないと言われた。それは見解の相違だろうと思います。その問題は私もみんなに迷惑だろうと思うから、これでやめます。  そこでもう一点あなたに聞きたいことは、この機種を内定するに当って、岸総理大臣からあなたに、次期戦闘機機種決定するに当り、これはまことに重要な問題である、購入する戦闘機の価格も性能もわからぬものを決定することはできないから、これを比較した書類を出すように命ぜられた、そういうことはあるでしょう。——もう一ぺん言いますよ。あなたは国防会議において、次期戦闘機機種決定するに当り、岸議長から防衛庁に対して、これはまことに重要な問題である、購入する戦闘機の価格も性能もわからぬものを決定することはできないから、これを比較研究した書類を出すようにということを岸さんから命ぜられたはずだと思いますけれども、そういうことはあったでしょう。
  133. 廣岡謙二

    廣岡証人 岸総理大臣機種選定に当りましても非常に慎重に考えておられまして、ただいまお話のありました点も十分に研究しなければならない、だから防衛庁においてもその趣旨に沿って大いに研究をしてもらいたい、検討をしてもらいたいというような話はございました。
  134. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 あなたが議長からそういうような命を受けたというのが一体いつのことであるか、日にちはいつごろのことであるか。それからあなたがその命に従って防衛庁と折衝してそういう書類議長の手元に出した日時はいつであるか、私が日時に拘泥するのは、岸議長からあなたにそういう命令が出されて、あなたが防衛庁と折衝して、防衛庁からあなたの手元に要求せられた書類が回った間に非常に長い時間がかかっていると私は想像しているのですが、一体そういうことのために長い期日を必要としたかどうか。われわれの聞いたところによりますと、グラマンの価格、性能というようなものはすでにわかっておった。特にロッキードの価格、性能というようなものはとっくにわかっておったはずなんです。しかしアメリカ政府との関係において公式にはそれを発表することはできないけれども、これを一部には伝えてよろしいという許可も受けておったということも聞いております。それからこの性能については今の航空幕僚長がアメリカに行ったときに現にその飛行機に乗ってその性能の優秀なこともちゃんと知っているはずなんです。その性能の調査あるいは価格の発表というか、価格の書類を作ることに手間を取っておったその間に、グラマンの猛烈な売り込み運動が始まったというふうにも聞いておるわけなんです。  そこで重ねてお尋ねしたいのは、あなたが岸総理から機種選定に当って必要な価格、性能を調査することを防衛庁に申し込んだろうと思うが、その申し込んだのがいつであるか。それからそれに対して防衛庁からあなたのところに所要の書類が回ってきたのがいつであるか、この日時の関係をはっきりしていただきたい。
  135. 廣岡謙二

    廣岡証人 岸総理からそういうように慎重を期するようにというお話がありましたのは一月の国防懇談会でございましたか、その席上でお話しになったと思います。私が直接話を受けまして防衛庁にそういうようにやれというようなことを申したことはございません。
  136. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 あなたは議長を助けて国防会議の議事を進める、掌理する責任を持っていらっしゃいます。その議長からこの問題は重要だから、この機種選定は大事な問題だから、価格や性能の不明瞭なものを決定するわけにはいかぬ、だからそういうものを調査するようにということをあなたが命ぜられたことがあるかということを聞いたんです。
  137. 廣岡謙二

    廣岡証人 その点は私の聞き違いでございますから訂正いたしますが、総理が価格、性能について十分に検討することを必要とするというような御発言のありましたのは国防会議の席上である。それは私に対してでなくして、防衛庁に対してそういうことを要求せられたのでございます。     〔高橋(英)委員長代理退席、委員長着席〕
  138. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 その国防会議の本会議の席上というのはいつの国防会議のことですか。
  139. 廣岡謙二

    廣岡証人 総理が慎重にやるべきだというような御発言がありましたのは、たしか一月二十五日に行われた懇談会の席上であったかと思います。
  140. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 その一月二十五日かの懇談会の席上で、あなたではなしに防衛庁に対して、慎重に検討すべきであるから価格、性能等について詳しく調査するようにということを岸議長が言うたとすれば、当然防衛庁はこの議長発言に対してその答えをしなければならぬ。その答えがもし容易に出なければそれを促進するように防衛庁と連絡をとるのはあなたの役目だったろうと思う。そこでそのあなたの役目がいかに果されておるかということです。あなたは防衛庁に向ってそういう基本になる重大なる調査を早くしろということを奔走されたと思いますけれども防衛庁からその答えが出て、国防会議もしくはその懇談会防衛庁から今候補になっておる機種の性能、価格についての書類が提出せられたのは果していつですか。
  141. 廣岡謙二

    廣岡証人 その価格、性能について最近の書類に基いて事務局に提出されましたのは約十日ほど前だと思います。
  142. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 今のお話によりますと、一月二十五日の懇談会岸総理がそれを発言し、防衛庁は当然国防会議議長の命令か注意か知らぬけれども、それによってそういう性能、価格等についての調べをしなければならぬ。その調べがあなたの事務局に届いたのが大体十日くらい前である。しかるにすでにそれよりずっと前の四月十幾日かに国防会議において今言ったような機種を採用するということに内定した。そうするとこの機種を内定するに当っては、そういう性能や価格の問題については未知のままでこれを内定したわけになりますか。日取りの関係からいえばまさにそうなると思います。
  143. 廣岡謙二

    廣岡証人 議長たる総理から、一月のときにそういうお話がございまして、それから防衛庁としましては、その趣旨に沿いまして四月十二日に行われました国防会議の日現在における資料は整備しまして、そうして四月十二日に国防会議にかけた、これは先ほど申し上げた通りであります。これも申し上げた通りでありますが、その後担当会社をきめて、さらに精細なる調査をしまして、それのまとまったものが出て参りましたのが今申しました約十日ほど前だ、こう思っております。
  144. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 どうも話が注釈が加えられるとわからなくなっちゃうのです。つまり議長が一月の懇談会において防衛庁に向ってそういう要求をしたのに対して、四月の機種決定する前に一応のそういう要求書類が出たというわけでしょう。その書類に基いて四月十幾日の国防会議で内定した。そうするとここで内定せられた性能、価格というものは、その前の一月幾日かに開かれた会議で提出せられた資料に基いて四月十二日かの決議がなされたということになりますか。
  145. 廣岡謙二

    廣岡証人 四月十二日に出されましたその資料、特に価格のような点はごく客観的な防衛庁の推算であったと思います。
  146. 田中彰治

    田中委員長 この際二十分間休憩いたします。     午後一時四十七分休憩      ————◇—————     午後二時三十二分間議
  147. 田中彰治

    田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  午前の会議に引き続き、証人証言を求めることといたします。鈴木正吾君。
  148. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 先ほど証言の中で、岸議長からあなたに、候補機に対する価格及び性能の問題について調査するようにという指令は、あなたに下っているのではない、防衛庁に向って岸さんがそうおっしゃった、それで防衛庁は当然議長の要求に従って、議長の要求する資料を出す義務がある、そしてそれをなるべく早く提出するように防衛庁と連絡をとるのは、事務局長のあなたの役目だ。先ほど来承わっておりますと、初めて議長国防会議懇談会でそういう発言をせられてから、所要の価格及び性能についての、候補機のそういう必要書類が出たのは、四月の正式会議のちょっと以前であった、その後さらに詳しいものを調べて、最近十日ほど前に、一そう正確なものが来たというお話だったように思います。そこで、つまり四月十二日の国防会議の本会議で仮決定というか、内定をいたしますときには、候補機の性能及び価格は、はなはだずさんなものであり、大づかみなものであった、その大づかみの性能及び価格に対して、グラマンの今言うた機種を内定した、こう解釈していいのですか。
  149. 廣岡謙二

    廣岡証人 性能、価格について大づかみのものできめたかどうかという御質問でございますが、その四月の国防会議において提出いたしました資料は、その当時の現状といたしましては、防衛庁にわかっておりまする資料に基いて、正確なる資料として提出いたしたものであります。価格の点については、大体防衛庁の推測をした価格である、こういうように見てよいと思います
  150. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 当時入手できた最高の資料によって四月十二日の決定はなされた、その後、最近十日ごろまでの間に、さらに一そう詳しいそういう性能及び価格についての書類があなたの手元に届いた、こういうお話である。そうすると、われわれの知りたいことは、四月の決定のときに参考にせられた資料と、最近十日前後のうちにあなたの手に入った資料との間に、性能及び価格についてどのくらいの開きがあるか、それはほとんど同一のものであるか、その実態を御説明願いたいと思います。
  151. 廣岡謙二

    廣岡証人 その後、四月以降において調べましたその性能は、主としてグラマンF11と1〇4Cについて調べたものでございまして、F11の方におきましては大した性能の変化というものはございません。1〇4Cのものにつきましては、私の聞きましたところは、防衛庁においてその後、何月でございましたか、多分八月七日ごろでございますか、ロッキード社と防衛庁の幹部がこの問題について協議をいたしております。協議ということは、ロッキード社からその説明を求めまして、これは八月の——とにかく二回やっておりますが、次の日には防衛庁側からロッキードに対して、この点はどうだ、この点はどうだという質問をいたしまして、それで、ある程度の資料防衛庁においてまとめておるという段階でございます。
  152. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 その四月仮内定をするときの資料として上ったいわゆる競争機といいますか、候補機の性能及び価格と、それから最近あなたの手に入った、これもただグラマンだけでなしにあなたの手に入ったのはロッキードのものも入っていると思うのですけれども、それと比較してみて、グラマンについてはその間に性能の上では大きな開きがなかったとおっしゃったように聞いておりますが、価格の点についてはどうなんですか。
  153. 廣岡謙二

    廣岡証人 グラマンの方でありますが、価格については、私の聞いておりますところは、この問題は今申しますようにまだ検討中でございますから、最終的なものとしてお話しするということはできませんが、現在聞いております……。
  154. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 私の聞いているところは、あなたの聞いているところじゃない。十日前後にあなたの手に入った資料と、この国防会議に提出せられた資料との間に、価格についての開きがあるかないか、こういうことなんです。
  155. 廣岡謙二

    廣岡証人 グラマン社でございますね。
  156. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 グラマン社ももちろんですけれどもロッキード社も当然あるわけです。今は研究中で、グラマンにきめたわけではないから、いい方にまだ変化することはできるわけです。そうすれば両社のものを研究しているはずだろうと思う。
  157. 廣岡謙二

    廣岡証人 グラマン社の方は、四月の国防会議資料として、推定価格として提出されております資料は、三百生産をする場合といたしまして、一機につき百万九千八百ドルという数字が出ております。
  158. 田中彰治

    田中委員長 日本円にして幾らだ。
  159. 廣岡謙二

    廣岡証人 日本円に引き直しますと、三億六千三百五十三万円ということになります。その後グラマン社から正式にオファーされました三百機平均単価は、たしか九十八万一千ドルであった、こういうふうに記憶いたしております。それから1〇4Aの方は、国防会議資料として出て参っております価格は、同様に三百生産いたすものといたしますと八十七万三百ドル、円にいたしますと三億一千三百三十一万円ということになっております。これに対しましてロッキード社の方で、これより安くできるということで言われておりましたのが七十五万六千ドルということになっております。
  160. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 ただいま私の手元に届いた、防衛庁方面から出た資料だと思いますが、四月十二日の国防会議説明した資料というので、「従来次期戦闘機の候補機種としてF1〇〇D、F1〇〇J、F14〇A、F11F—1F(98J—11をいう。以下同じ。)」こう書いてある。つまりカッコの常識から言えば、このF11F—1Fというものと98J—11というものとは同じものだということになるのです。先ほどからの説明を聞くと、機体などは違わぬけれども性能はだいぶ違ってくるというように言われて、違ったものだ、こう言われておるのですが、あなたの先ほどおっしゃった単価、新しい値段は、これはおそらく競争してお互いに安くしてきたんじゃないかと思いますけれどもロッキードの方でも、それからグラマンの方でも、だいぶ値段を安く見積ってきておるわけなんです。ここに掲載せられておるF11F—IFというこの機種は、98J—11と同じものだというと、これは値段も同じことになるのですか。カッコして書いてあれば同じものだということですね、どうなんです。
  161. 廣岡謙二

    廣岡証人 この問題は、私の理解する限りにおきましては、先ほど申し上げた通りということでございます。
  162. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 私の理解するところと言うけれども、これは単にあなた一人の理解の問題で片づく問題じゃないと思う。あなたは国防会議事務局長として、この二つの機種がどう違うかということを防衛庁の方とも十分打ち合せて、意見が一致しておらなければならぬはずですよ。あなたはこう解釈しておるけれども防衛庁はどう解釈しておるかわからぬということで、その重要な国防会議の議事が決定するはずはないと私は思う。だから防衛庁でこう書いてきたということは、あなたもこれに当然同意せられたはずであって、もしこれが同じものでないという先ほどからのあなたの見解からすれば、防衛庁からわれわれの手元に来たこの資料は信ずるに足らぬということになる、どっちなんですか。
  163. 田中彰治

    田中委員長 証人見解だけでいいんですよ、違っても違わぬでも。
  164. 廣岡謙二

    廣岡証人 私はその性能その他においてデヴェロップされたものということに理解しておりまして、F11F—1Fをさらにオール・ウエザーとして開発したものだ、それが98J—11、こういうように私は考えております。
  165. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 私は今の御答弁を聞いて、おそらくは事務局長の解釈が正しいのであって、防衛庁資料としてここへ出したものは、何かごまかしがあるのではないかと思うけれども、四月十二日の会議にこの資料が出ておるとすれば、あなたもこれを十分ごらんになったはずだ。同じような形で出ておったか、あるいは別な形で出ておったか、あなたはおわかりだろうと思う。私は同じものじゃないと思う。これは改良せられたものであって、値段もおそらくは、こっちの今言った98J—11という方が高くなるのではないか。この高くなる機種を買うために、安い方の、今言ったF11F—1Fという方で内定して、そして結局高いものを買わせられるということになりはせぬかということを私は気づかうのです。先ほどから私、例として適切かどうか知らぬけれども、ここに書かれた、内定せられた機種ということは、ねえさんの方と結婚するということを披露しておいた、けれどもほんとうに結婚するのは妹の方と結婚するつもりでおったというような、何かごまかしというようなことがありはせぬかというように考えられる。もしこれが同じものとすれば、ここに書かれておる、今あなたが言ったF11F—1Fの価格が一機平均三億六千万円である、三億六千万円の価格でこの98J—11というものも買える、つまりこの会議を開いた当時は、こういう計算でいったわけであります。そこを聞きたい。
  166. 廣岡謙二

    廣岡証人 この会議の当時は、この資料にありますように、F11F—1Fの平均単価としては、こういうように防衛庁としては推定をいたしております。それからその後の単価では、その性能の向上はございますけれども、先ほど申しましたように、グラマン社が新三菱にオファーしました数字は、九十八万一千ドルということで、これよりも安くなっております。
  167. 田中彰治

    田中委員長 証人にちょっとお尋ねしますが、あなたも証人に出ておられるので、うそもおっしゃらないと思うが、四月十二日の会議にこんなものなかったそうじゃないですか。
  168. 廣岡謙二

    廣岡証人 これですか。
  169. 田中彰治

    田中委員長 あなた、これをごらんにならぬですね。今河野先生に聞いたら見ないという。
  170. 廣岡謙二

    廣岡証人 いや、これはこの通りです。
  171. 田中彰治

    田中委員長 それはおかしいじゃないですか。それから今あなたは三億六千万だと言いますけれども、あなたの方の会議に出たのは三億七千何ぼと出ていましたよ。これは書類がありますよ。
  172. 廣岡謙二

    廣岡証人 それは二つあるわけではないのでございまして、やっぱり資料としては……。
  173. 田中彰治

    田中委員長 あなた、これを見ましたか。十二日にこれと同じのを見ないでしょう。
  174. 廣岡謙二

    廣岡証人 いや、十二日に資料として出ております。
  175. 田中彰治

    田中委員長 じゃ、あなたのきょうの答弁はおかしいじゃないですか。(「価格については検討しないと言っているでしょう。」と呼ぶ者あり)二億七千何ぼと三億七千何ぼがほんとうです。だから、そういううそを言わず片づけようや。
  176. 廣岡謙二

    廣岡証人 うそじゃございません。
  177. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 そうすると、これはわれわれ委員会の速記録に残って将来のあれにもなるわけですけれども、このF11F—1Fというものと98J—11というものは同じもので、同一価格で手に入ると当時解釈して、この国防会議で内定したと解釈していいのですか。
  178. 廣岡謙二

    廣岡証人 この価格は先ほど申しましたように、防衛庁において十分なる資料というものを調べてみなければまだまだわからない。しかし客観的に向うのグラマンの方の言うことを聞き、あげられる数字としては大体ここら辺だろう、そういう意味で申し上げております。
  179. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 僕の質問の要旨はそうじゃないのです。私の聞きたいのは、この資料の終りの方のページにF11F—1Fというものは単価三億六千余万円でできる、こういうふうに報告してある。そうすると、この一番最初のページに98J—号、これはカッコしてあるのだから、F11F—1Fと同じものだ、こう解釈して価格も同じ。将来あなた方が手に入れようとしておる98J—11というものを買うときに、ここにあるF11F—1Fという値段で買えるか。そう解釈していいかということなんです。解釈していいか悪いかだけ聞けばいいのです。
  180. 廣岡謙二

    廣岡証人 この価格は、これにありまするように、F11F—1Fという価格の推定であります。ですからその当時に、今98Jということでございまするが、これは先ほどから申し上げまするように、これをさらに機能的に性能的にデヴェロップされたものの呼称である。従って四月十二日の国防会議で提出されましたこの価格は変り得るものである。性能その他三菱がアメリカへ行って調査しました資料に基いて、さらに精密に防衛庁の方で検討いたしますならば、これと変ることもあり得るということであります。
  181. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 変ることもあり得るという、そのあり得ることが安くなったということじゃないですか。四月十二日のときにはこういう値段だったけれど、その後十分調査した結果これだけ安くなった。この安くなった値段というものは、F11F—1Fについて今ごろ調査しておるはずはないですね。それを内定した上にきまったものをあなた方の方で買いたいというのは98J—11を買いたいということになる。そのものについて値段を調べた結果こういうふうになったんだろう。今さら買う気のないF11F—1Fというものの価格をお調べになったのではないだろう。そうすると、ここに現われておるF11F—1Fという価格は、今度は下っておるけれども、それはつまり98J—11の値段と見ていいでしょう。いいですね。
  182. 廣岡謙二

    廣岡証人 三百機生産の場合に、グラマン社と三菱の方とその点について詰め合せた結果が九十八万一千ドル、これから見れば下っているということです。
  183. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 それはそれでいいです。それはいいけれども、私の言うのはここにある——めんどうくさくてしょうがないが、F11F—1Fという値段として、今あなたが報告になったけれど、これは買う気はないのだから、そこで買う気のある98J—11というのを調べていらっしゃるのでしょう。内定したあとにおいて……。
  184. 廣岡謙二

    廣岡証人 そうです。
  185. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 だから、つまりその値段で、今言うた安い方の値段で、この優秀な機械が手に入ると解釈してよろしいかということです。
  186. 廣岡謙二

    廣岡証人 これは防衛庁の方で、こういう価格になるということを資料として事務局の方に提出されたわけでありまして、これをさらに検討するのは今後の問題であります。
  187. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 むろん今後の問題にきまっておるのです。今後の問題にきまっておるから今わからぬというようなことは、それは言いのがれというか、そのきまったことを今聞こうといったって聞かれるものではないのだから、われわれがこういう文章を解釈する場合に、そう解釈してよろしいかということなんですよ。情勢が変化してくれば——変化するのは当然なんですからね。だから現段階においてはそういうふうに解釈してよろしいかということなんです。
  188. 廣岡謙二

    廣岡証人 現段階と申しましても、今は検討中なんでございまして、いついつまでと言われましても、これは今後精密にわれわれの方で検討いたしまして、そしてその資料をまとめて整備して、それを国防会議に出して、そして国防会議審議に付するということになるわけであります。
  189. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 それじゃ今あなたが、さきの国防会議に提出せられたときの値段よりも、新たにドルにして安くなったんだ、この数字をお話しになったんでしょう。これは一体どういう意味の数字なんですか。発表された数字の意味はどういう意味なんですか。われわれにそう理解していいと思って発表されたんだろうと思うけれども、そう理解することはいけないですか。
  190. 廣岡謙二

    廣岡証人 これはグラマン社と三菱でもってスペックその他いろんな諸条件を詰め合せるということは先ほど申し上げましたが、そういう結果に基きまして、日本の生産条件というものがおのずからあるわけでありますから、そういう条件を種々考慮いたしまして、そうなれば大体九十八万一千ドルになる、もちろんこれは三百機生産するものといたしましてです。それで、これが事務局の方にも出て参っておりますけれども、しかし三百機作るかどうするかという機数の問題は、国防会議決定にまだなっておりません。そういう問題もありまするから、今後そういう問題について、さらに事務局においてもよく検討いたし、その結果まとまった資料国防会議に提出して、そして国防会議決定に待つ、その参考資料を今検討中であるということを申し上げておるのであります。
  191. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 今御発表になった新しい数字は、検討の結果私どもに発表したのじゃないのですか。検討したのでしょう。前提はくずさないことにして話しましょう。前提が変ってくれば条件も変ってくるというから。三百機作るものとして先にこの計算が出された。三百機作るものとして、今あなたのところに十日前後に届いた新しい資料によれば、値段が約二千万ドルほど安くなっておる。これを今検討して——段階と僕は思うのだけれども、それは将来変るかもしれませんよ。けれども今はこの値段でできるというのが、あなた方の見方なんでしょう、書類検討した結果……。そうじゃないですか。
  192. 廣岡謙二

    廣岡証人 できるかどうかという問題は、先ほどから申しまするように、私の方で数字を、いろいろ防衛庁説明を聞きつつ検討いたしておるのでして、果してそれだけの数字というものが妥当なものであるか、適正なものであるかどうかということを、これからわれわれの手元でもっても検討すると  いうことなんです。
  193. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 むろん検討しなければならぬことはわかっておりますけれども、今ここで僕らに発表した数字は検討の結果じゃないのですか。現段階においての検討の結果じゃないのですか。
  194. 廣岡謙二

    廣岡証人 どの数字ですか。
  195. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 今あなたがあげたでしょう。それの一番しまいについている資料です。
  196. 廣岡謙二

    廣岡証人 これは先ほど申しましたように、防衛庁の方において三百機生産する場合に、総価格と平均単価を推定した資料だということであります。
  197. 田中彰治

    田中委員長 証人、あなたはそういうことをおっしゃるけれども、内定したのに、単価を推定して内定したなんというようなことは問題になりますよ。これはみんな速記録に載るのですよ。一千億から買うものを内定するのに、単価を推定したなんということをおっしゃると問題ですよ。
  198. 廣岡謙二

    廣岡証人 これはその間に私の説明の不十分なところもあったかと思いますけれども、先ほどからるる申し上げましたように、四月の国防会議におきましては、ああいうような事情でもってF11F—1Fを内定するということになったのでありまするが、それは今後とも十分に資料を収集し調査して、その上で最終的にきめる。従ってこの価格の点につきましても、そのときを待って最終的な価格として審議するということになっておるのでありまして、私はこれはその推移にかんがみて当然のことだと思うのであります。ただその際に価格は大体どれくらいになるんだというような判断をいたす意味合いから、十分に詰めたものではないけれども、大体このくらいなものになるだろうということを防衛庁において推算いたしまして、そしてそれに表われた数字がこの数字となって出てきておるということであります。従って、これが最終的に決定された、十分詰められた数字であるというものではございませんで、その後における調査の結果に基く諸条件等をよく検討して、それらをよくあんばいした上に立った正確な数字というものを、次の国防会議までに十分に検討するということで、防衛庁においてもこれが作業をいたしたわけであります。
  199. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 先ほど僕が最初に言ったときも、ここへ出した、四月の十二日の国防会議に出したものが最後的な決定の数字でないことは、私もわかっておるのです。とにかくこういうものを内定する場合には、一機幾らでできるくらいの見当をつけなくて、むやみに必要な機数が三百機だから三百機こしらえるというような議論が出るはずはない。だからこのときの——推定でけっこうです、推定の値段は一機平均して三億六千余万円であった。しかし、そのときから、四月とすればすでにもう四カ月たっておる。その間にあなたの方で組織した準備委員会のようなものがアメリカヘも行って、生産計画からいろいろなものを調査して、最近あなたのところに十日前後に報告が来ておるというその報告と、価格、性能の上において四月十二日に提出された資料との間に著しい差異があるかどうかというのが、私の最初からの質問なんです。それに対して返答が妙な方にそれていったが、その性能の点はしばらく別として、価格の点ではF1〇4AとF11F—1F、この間に価格が相当減少しておる。特にF1〇4Aなどは相当減額になっておる。この報告をせられる以上は、あなたがでたらめにしたのではなく、最近十日前後にあなたの手元に入った新しい資料、すなわち内定後四カ月以上たった今日において、新しく出た資料によって今のお話の数字を発表せられた、こう思うのです。そうなんでしょう。だから今日の推定価格はそういうふうに了承しておるけれども、私の聞きたい本筋は、今言うたF11F—1Fと98J—11とは、カッコして書いてある、同じものだというのだから、ここにいわゆるF11F—1Fというものの新しい価格は、同時にこの98J—11の価格と見ていいかということです。それでなければおかしくなりますよ。決議の内定の方ではF何とか何とかとめんどうくさいことを言うて、いよいよ買うものは98J、この間に値段の開きがあれば、この内定を決定するためには安い方の機種を出して、そしてこれを通しておいて、同じものだ——ねえさんをもらうということで、ねえさんの値段は幾らか知らぬけれども、妹と結婚する。高いものを買わせられる。買わなければ押しつけられるということになるでしょう。そこに私は何か謀略がありはせぬかと疑うのです。
  200. 廣岡謙二

    廣岡証人 謀略は一切ございませんが、どうも先ほどからお話のある98Jとこれとの関連、これは、私は先ほど申しましたように考えております。この価格も1Fとしての価格を推定して、資料として四月には出されたわけです。しかし……。
  201. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 今あなたが新しい数字を言われたのは、1Fですか。それがドルにして安くなったでしょう。
  202. 廣岡謙二

    廣岡証人 これは三菱の方から提示された価格が九十八万一千ドルということになっておるのであります。
  203. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 三菱の方から出た資料だけで、そのまま報告しているのですか。
  204. 廣岡謙二

    廣岡証人 いや、これはグラマン社と三菱がことしの国防会議あとで、五月、六月に調査団を出したわけです。先ほど申しましたように、通産省において担当会社を新三菱とする、それから川崎航空をそのサブとするということがきまりました。
  205. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 そんなことはいいんだ。
  206. 廣岡謙二

    廣岡証人 いえ、話の順序としまして——それで調査団を出しまして、三菱側とグラマン社と、先ほど申しましたようにいろいろな問題を詰め合せまして、そうしてその結果、防衛庁の方に出されたものが九十八万一千ドル、三百機にすれば大体これくらいだということで、しかし今申しますように、これは三百機が必ずしも機数がまだきまったわけではないのでありますから、そういう問題も今後十分に防衛庁側の意見を私どもの方で聴取いたしまして、十分に精密に検討した上で、国防会議に出すべき資料としての最終価格を検討しようという段階であるということを申し上げておるのであります。
  207. 田中彰治

    田中委員長 証人、向うの質問に答えればいいんですよ。よけいなことを申さぬでもいい。値段が違うなら違う、機種が違うなら違う、一言いえばそれで済むじゃないですか。
  208. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 あらためて問題を提起します。それに対してイエスかノーかを答えてくれればいいです。それはつまり、ここにある資料に基けば、これは防衛庁提出の資料だと思いますけれども、それによれば、「従来次期戦闘機の候補機種として」これこれのものがあった、「F11F—1F(98J—11をいう。以下同じ。)」と書いてあります。これは常識的に言えば、以下の文章を読むときに、F11F—1Fというのは、以下同じですから、98J—11というものと同じものだと理解して読んでよい、こういうふうに解釈するのが常識的だと思いますけれども、それにあなたは同意されるかということです。
  209. 廣岡謙二

    廣岡証人 そういうことです。
  210. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 もしそれに同意せられるならば、今問題にいたしましたあなたも持っておる資料の「F—Xの生産価格について」という表題の資料のうち、F11F—1Fの総価格、平均単価というものがドルと円で出ております。この総価格及び平均価格はF11F—1Fであると同時に98J—11の価格でもあると理解するのが当然だと思うのですけれども、あなたの言うところによれば、何か違うようにも聞えるし、どうなんですか。
  211. 廣岡謙二

    廣岡証人 その通りだと思います。
  212. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 それではっきりするんだ。そうすると四月十二日にあなたの方が内定の材料としたものは性能の低いというか、同じものだというのだからわかったけれども、さらにやってみると値段がだいぶ安くなった、こういうことなんです。これは商人の取引ですからいろいろのことがありましょうけれども、四月十二日の前日、グラマン社の株がニューヨークでうんと上ったということが新聞で伝えられておる。これでグラマン会社は生き返ったというふうにも受け取れるわけですけれども、この値段がこういうふうに著しく移動しておる。別に資料によりますと、三十三年三月付三百機購入として、単価が三億一千三百八十一万円、それから六月九日付の見積りだと三億六千七百三万一千八百八十円、三十三年の七月になりますと、その見積り単価が三億五千四百三十八万円何がしとなっておって、わずか三カ月か四カ月の間に、三回も見積り値段が変ってきておるというようなことは、負けるなら幾らでも負けられるというふうにも考えられるし、あるいは競争社が出てきたから高くちゃ困るので、もう少し安くしようというふうにも考えられるし、いろいろの要素を含んおるようにも思いますけれども、この決定になったときの単価で、優秀な性能を持っておる98J—11というものが手に入ると、国民は理解していいわけなんですね。むろん情勢の変化はありますよ。条件の変化もあります。その場合に変化することは当然ですけれども、今これで買えるというて国防会議を通過させておいて、性能がよくなった、その98J—11はそれじゃ買えなかったんだ、しかし性能とからこっちを買わなければならぬ、この値段はF11なんかの値段であって、ほんとうに買いたい値段はこれではなかったんだということはないでしょう。そこがやっぱり一つの心配な点なんです。
  213. 廣岡謙二

    廣岡証人 三様の価格をおあげになりましたけれども、このことについては私は承知いたしません。ただ九十八万何千というこの価格が、三菱とグラマンとで最終的に検討いたしまして、そしてこれを防衛庁のなにがオファーした数字なんです。従ってこれが今お話のありましたような情勢、条件等によってあるいは若干変ることがあるかもしれませんけれども、この数字が基礎になる。その後価格の問題について、どうだこうだというような話は私は聞いておりません。
  214. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 それはそれとして、この候補機種としてあげられた戦闘機の機種の中にF1〇4Aというのがあります。ところがロッキードの方では、この1〇4を全天候機というかそういうものに改装したF1〇4Cというのを、日本に紹介してきてあるはずだと私どもは聞いておる。そのF1〇4Cが候補機にあげられずにおる。これはどういうわけなんですか。こっちへもかなり熱心に売り込みに来ておるという話を聞いたのですが。
  215. 廣岡謙二

    廣岡証人 1〇4Cの問題につきましては、当初ちょっと申し上げたのでありますが、昨年の十二月、国防会議懇談会が開催されまする直前に、私が直接聞いたわけではございませんが、ロッキードの方から1〇4Aを改装する——改装するということはエンジンをかえる、J79—GE—3というものを—7という形式のエンジンにかえれば、さらに機能がよくなるというような説明があった。で私どもは念には念を入れまして、この会社の説明でわかっておる程度のものを資料の中に加えまして、そして十二月の国防会議懇談会には各機種と比較して提出をいたしております。しかし、その当時は1〇4Cという名前でもって提出されたのではございませんで、エンジンをかえますることによってこうなるのだというような説明であったと記憶しております。それから、現にアメリカ空軍におきまして1〇4Cなるものはございまするけれども、そのもの自体を日本に持ってくるのだというものではこれはないのであります。やはりアメリカにおきまする1〇4Cを日本向けに改装し、デヴェロップしたもの、これを私どもは1〇4Cということで考えておりますが、その後本年になりまして1〇4Cという問題が出て参りまして、それでロッキードの方からも防衛庁に対しまして資料に基く説明があったと聞いております。四月の国防会議の前になりまして、私は1〇4Aと並べて1〇4Cについても、その当時わかっておるデータに基いて、これを国防会議検討資料に出すべきだということで、さらにわかった資料をつけ加えまして、四月十二日の国防会議に提出をいたしたのであります。しかしこれはあくまで会社の資料でございまして、大体日本において作られるべき航空機につきましては、アメリカにおいてもこの資料検討し、こういうものはアメリカの評価を受けた資料が、一番正確なる、信用のおける資料となるのでありまするが、私の聞いておりまする限りにおきましては、四月にロッキードの方から提供された資料というものはまだその段階にまで至っていない。ただロッキード社が一応こういうものがあるという資料を拾ってわれわれの方でまとめたものです。その後先ほど申しまするように、ロッキードの方からもいろいろ話がございましたので、防衛庁の方におきまして八月になりまして、防衛庁の幹部、ロッキードの方の幹部が会談をいたしまして、——二日にわたって会談いたしたようでありますが、第一回は向うの説明を聞き、第二回は防衛庁側の疑問とするところを質問いたしまして、そしてその結果防衛庁の方において、大体こういうものだろうというような見当をつけたように聞いております。
  216. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 最後に、また一番最初に戻って、国防会議内閣総理大臣諮問された問題は総括的な問題、将来の国防計画をいかにすべきやというような大きな諮問案であった、個々の諮問はせられておらない、一括せられた中に空中防衛をどうするかというような形で諮問せられておるというのですから、四月十二日に決定した航空機機種決定については、その限りにおいて議長から内閣総理大臣に報告せられたと思っております。内定と決定とは違うといいますけれども、今の防衛庁のやり方を見れば、内定をあたかも決定のごとくして仮契約を進めつつあるように見えます。そこでもし岸議長内閣総理大臣に対する答申の文書——諮問せられて決定した以上は、いずれそれを答申するに違いないと思いまするが、その答申の実体、どういう答申が出ておるか、その答申の出方いかんによっては、われわれとしても内定とか、あるいはそれがほとんど決定的な意味を持っておるのかどうかということが判断がつくのじゃないかと思う。そこでその国防会議議長内閣総理大臣に対して、将来の国防計画一環としてきまった新しい戦闘機の機種をこれに内定したということを答申した、その答申書の全文をはっきりわれわれに示していただきたい、こう思うのです。
  217. 廣岡謙二

    廣岡証人 これは私現在手元に持っておりませんので、従って間違いがあってもいけませんから、後刻その正文を取り寄せまして提出いたしたいと思います。
  218. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 この正文はお手元にあるはずです。それの写しを作ってわれわれに提示せられるということは、きわめて容易なことだと思います。従って私は事務局長に対する私の質疑をこれで終りますけれども、ただ条件として、今要求した決議文の全文を後刻、きょうじゅうに——おそらくそんなことは一時間くらいあればお手元に整えることができると思いますから、後刻この議席において発表していただきたい。これを条件として私の質問を打ち切ります。
  219. 廣岡謙二

    廣岡証人 この際一言申し上げておきまするが、これは私だけの所存でもってはかりかねますので、議長の、総理の御意向を伺った上で取り計らいたいと思います。
  220. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 あれには会議録はないのだ、しかしそれは事務局長のメモとしてとってある、そのメモは別に議長からの承認を得ていない、こういうメモなんでしょう。そのメモをわれわれに、しかもほかのことじゃないです、ただ国防会議でこの機種決定するに至った、その答申書の写しを示すというのに、やはり議長の承認、許可がなければできぬわけですか。
  221. 廣岡謙二

    廣岡証人 国防会議事務の一切の責任は議長にあるわけでありまするから、一応やはり議長の了解なり許可なりがない限り、私としましてはこの問題を勝手に、自由にいたしかねるわけでございます。
  222. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 そうなっておればやむを得ないことですが、私の考えるところによれば、そそらく議長は、それをこの委員会に報告することに異存はないと思う。至急に電話なり、行って交渉せられるなりして、その回答を持ってきてもらいたい。出さぬというなら、こっちも出させるような考え方があるから、一つ至急取り計らっていただきたい。
  223. 田中彰治

    田中委員長 証人、あなたは今メモのことでおっしゃいましたが、国防会議の問題だけれども、あなたがとっておるメモは、別に総理に私がこういうものをとっておるという了解を得ておらない、そうおっしゃられますけれども、ここに官房長官もおられますが、国防会議でも防衛庁でも秘密会議をやられたことが、その晩のうちに、あなたの方が漏らされるのか防衛庁が漏らされるかしまして、つまらない新聞のガリ版になって出たり、印刷物になって出たのを多少みんな握っているから、そんなことをおっしゃらずに、あなたのメモをお出しになったって、ほかに出ていることはわかっていますよ。あなた方のメモは全部漏れているのだから、議長に言われてお出しになったらいいですよ。  では、委員長が責任を持って取り寄せますから。  山田君。
  224. 山田長司

    山田(長)委員 同僚鈴木委員から、先ほど防衛庁の物品購入等につきまして意見が申し述べられたのでありますが、国民の血税を、大名が物でも買うがごとく、防衛庁におきましては非常に血税の乱費が行われておることは、毎年会計検査院の指摘事項の中に莫大な金額が上っているわけであります。こういうやさきに、今また戦闘機が多数買い込まれる。あるいはまた名古屋の新三菱におきましては、おそらく使い物にならないだろうと思われるような戦闘機が盛んに今組み立てられておる。これらのことを勘案いたしますと、一体防衛庁及び国防会議というものの防衛に対する考え方が、どんなところにあるのか。聞くところによると、新三菱は設備投資等のために、もうすでに四十億の金が費されておる。あるいはまた川崎重工では十五億の金が費されておる。それらの会社で現在組み立てられている飛行機の製作が終るので、これらのことが失業者を出さないかのごとく、あるいは会社の救済でもあるかのごとく新たなる飛行機の契約がなされて、しかもその飛行機の完成までには今後数年の歳月が要される。一体こういうことを検討しまするときに、果してほんとうに日本国防という問題が、これらの飛行機によってあがない切れるのかどうか。むしろわれわれは、これらについては全く反対の立場で、今あなたにいろいろなことを伺わなければならぬと思うわけであります。  最初に私は、国防会議事務局法律の八条によってなされているのでありますが、国防会議に関する事務の処理で、すなわち局長は、国防会議事務以外の事務処理については、内閣官房長官の命を受けてやることに定められておるようでありますが、国防会議事務のほか、内閣官房長官の命を受けていかなる事務をやることになっているのか。一、二の例について一つ伺いたいと思います。
  225. 廣岡謙二

    廣岡証人 ただいまお話のありましたごとく、国防会議事務局長は、国防会議事務並びに国防会議に関する事務、これを所掌するということに法文上になっております。国防会議事務ということは、要するにこれは会議開催についてのいろんな手続であるとか、そういう面についての事務的なことをさすのでございますが、国防会議に関する事務ということは諮問に関する事務であります。従って、この諮問につきましては各省との連絡調整の立場にある内閣官房長官の指示を待つという建前に相なっておる次第でございます。
  226. 山田長司

    山田(長)委員 国防会議防衛庁から独立した機関であって、従って国防会議事務局の職員は、防衛庁の兼務の辞令がない限りは、あるいは法令に特別な規定がない限りにおいては、防衛庁事務をとることはないと解するが、それでいいですか。
  227. 廣岡謙二

    廣岡証人 国防会議防衛庁設置法によりまして、かくかくの事項については国防会議に諮らなければならないということがうたわれております。御承知のように、第一は国防の基本方針を立てることでございますし、第二は防衛計画大綱、第三がその関連産業における調整、それから防衛出動、その他国防上重要と認められる事項については国防会議に諮るということになっておるわけであります。従って当然わが国国防あるいは防衛に関する事務は、会議のおもなる審議の対象になり、それに関連するいろいろな防衛産業の立場もございますし、財政的のワクから見なければならない点もございますし、各種総合的なその立場に立って国防防衛の問題を審議するということになっておるわけでございます。
  228. 山田長司

    山田(長)委員 そうすると、廣岡局長防衛庁の兼務になっているのか、それとも何らかの法令によって兼務のできる立場になっているか、防衛庁長官の指揮などで動ける立場になっているのか。
  229. 廣岡謙二

    廣岡証人 国防会議事務局は、防衛庁とは全然立場を異にいたしておりまして、従って私が向うの兼務になるとかというようなことは、性格上また職種上これはできないと思っております。
  230. 山田長司

    山田(長)委員 国防会議議長内閣総理大臣であり、議員はそれぞれ各省大臣である。従って、本来の用務は多忙であるから、国防会議の議案の内容、これに関する事項あるいは調査研究、これらは非常に困難な立場に置かれていると思います。従って、これらのことについての補助的なこと、すなわち今度のような重大な問題に対する一切の参考になる資料の収集とか、あるいは研究した結果を報告するとかいうようなことは、当然あなたがやらなければならぬと思う。今度のような問題が内定あるいは決定に近いようなことになって、聞くところによると新三菱重工からはすでにアメリカへ行って、これが決定されたあとのことまで、すでに研究されておる。こういうことを考えまするときに、あなたのとっている任務というものは私は実に大きいと思う。そういう点、どういうふうに資料の収集とか研究された内容とかを、国防会議議員に発表されてでおるか。その経緯を知らしてもらいたいのです。
  231. 廣岡謙二

    廣岡証人 私ども国防会議事務局の職員は先ほど申し上げますように、これは絶対公平、不偏不党の立場に立って、この問題なり、非常に広い国防防衛の問題を審議するという任務を持っておるわけであります。従って、今日までこの問題処理に当りましては、技術的に、事務的に終始やって参っておるわけでありまして、その構成といたしましては、御承知のように国防会議の兼任参事官というものがございまして、これは国防防衛産業の点に関係のある大蔵、外務、通産、企画庁、防衛というこの五省から関係課長が、それぞれ私の方へ、非常勤でありまするが、兼任参事官として参っております。これらの人たちを中心といたしまして、十分追及すべき問題、整理しなければならぬ資料、それらの問題につきましては、きわめて真剣に今申しますように技術的な、事務的な範囲を超脱することなく、これを検討していくというように日夜やっておるわけでありまして、ただいまお話しになりましたような、一般からとかく指弾を受けるというようなことは、厳に慎しむという態度でおるわけであります。
  232. 山田長司

    山田(長)委員 防衛庁次期戦闘機機種決定するに当って、国防会議諮問をしたり、事務局長として、これが資料の下調査等について真剣にされたということの、今の御発言は当然なことですが、この下調査をしたとするならば、どんなふうに下調査をされたのか。今まで国防会議懇談会あるいは会議等に出された資料等についての経緯を御説明願いたいと思うのです。
  233. 廣岡謙二

    廣岡証人 今度の機種決定に当りまして、いろいろな資料というものが当然必要なわけであります。しかしこの機種選定する、この機種を将来の防空態勢の一環として採用したいというこの原理は、これは何と申しましても、防衛庁においてきめべきことなのです。ただそれにつきましては先ほどから申しますように、財政的なワク、将来の日本の経済等を見通しまして、また財政上の問題等をにらみ合せまして、またわが国の置かれておりまする防衛生産という方面から見ると、いろいろな方面からこれを見て参らなければならないのであります。従って、防衛庁の案をそのままうのみにするということには決して相ならないのであります。従って、これらの資料に基きまして、先ほど申しましたような各関係省の人たちも来ておるわけでありますから、定例的にあるいは随時にその参事官会議を開催いたしまして、そういう方面から忌憚のない批判を加え、またその資料の整備を要求し、あるいはみずからこれを集めてこれが正確を期していく。さらにこの問題を国防会議の幹事に——幹事というのは関係各省の次官をもって、それと別に私、内閣官房長官とをもって構成されておりますが、この幹事にあげまして、幹事としての意見を十分に聴取し、そこでまた調整していくということになっておるわけであります。
  234. 山田長司

    山田(長)委員 先ほどの事務局長鈴木委員に対する答弁によりますと、懇談会の構成メンバーというものが、国防会議の構成に関する法律規定外の人が入っておるようですが、これらのことはだれが中心になってきめたものか。それから懇談会というものは、あなた方の自由で人を入れることができるのかどうか。
  235. 廣岡謙二

    廣岡証人 これはいずれも議長において決せられるところであります。
  236. 山田長司

    山田(長)委員 事務局長はあらゆる関係事項について調査研究した結果を、議員の判断になる資料を出されるわけですが、それには調査研究した結論として事務局長の意見を述べることがあるかどうか。
  237. 廣岡謙二

    廣岡証人 国防会議並びにその懇談会に出す意見というものは、事前にあらかじめ参事官会議、幹事会にかけます。従って、幹事会においてかなり各省の立場を代表する幹事からいろいろな意見が出るわけであります。私の権限というものは、そういう議案についてこれを決定するという権限はございません。これを調整するという限度にとどまるわけであります。従って、各省のそういうようなそれぞれ異なった意見があって、調整のできないようなものはそっくりそのまま国防会議に上げて、国防会議審議の判断の資料にしてもらうという建前であります。
  238. 山田長司

    山田(長)委員 国防会議の意見というものが全部異論のないということはないと思われるが、異論が生じた場合におけるその異論については、国防会議はどういう方法でこれを明らかにいたしますか。
  239. 廣岡謙二

    廣岡証人 これも先ほど申しました第一回の会合におきまして、議事運営規則の中に、会議議長並びに出席議員の満場一致をもってきめるということになっております。
  240. 山田長司

    山田(長)委員 満場一致できめるというが、満場一致できまらぬ場合があると思うのです。私はまたそのくらいのことがあってしかるべきだと思うのです、幾ら議長がものの説明が上手であったにしても、このことに承服できない場合があるに相違ないと思うのです。そういう異論が一つもないというようなことは、少し会議全体が一つのものにぶつかった場合に研究の度合いが足りないのじゃないかという気もするのだが、その点どうです。
  241. 廣岡謙二

    廣岡証人 私の今まで出ました会議は、各議員からほとんど漏れなくいろいろな意見が活発に出されまして、それらを中心としての議論は相当戦わされておるのであります。従って、第一回やって必ずしもそれの通りまとまるというものでもありませんし、またそういうものでもなかろうと思います。何回かこれをやりまして、そしておのずからそこに一つのものが出て参る——これを採決し、これをきめるのは要するに議長なんでありまして、これは議長考えに待つということしかないと思います。
  242. 山田長司

    山田(長)委員 いや、議長がそれらの一つの問題に向って採決する段になっても、それに異論を言う者があったという場合におけるその結論がどうされるかということを私は聞いておるのです。何から何までみんな同じ方向にものの考え方をしているということは考えられないのです。この点全然同じ考え方で国防会議の議員、メンバーが議長のはからい通り、あるいは発議者のはからい通りにものが進められていくとは理解できないが、そういう点はどうですということです。
  243. 廣岡謙二

    廣岡証人 なるほど理屈とすればそういうことがあるかもしれませんけれども、実際の運用の面から申しますると、ただいま私が申したようなことで、御了承願うということしかないと思います。
  244. 山田長司

    山田(長)委員 今回の戦闘機の機種選定については、もう二年来グラマンロッキードについて、いずれを決定すべきかという議論があったはずだと思うのです。そしてグラマンF11F—1Fというものを採用するということに内定ができた。この内定するようになったのは、ロッキードグラマンより滑走路の距離が長い、それからロッキードの落下傘の打ち出される口は下にある、グラマンは上にあるからこの方がいい、あるいはグラマンは安全性がある、ロッキードは現在アメリカで使用中で故障が多い、こういう理由で、四月の国防会議においては機種選定についての内定がなされたといわれるが、この内定に当ってもかなり異論があったはずじゃないかと思うのですが、全然異論はなく満場一致で結論が出たと言われるのですか。
  245. 廣岡謙二

    廣岡証人 国防会議におきましては、先ほどから申しますように、すべての問題につきましていろいろ意見が出ます。これは当然のことでございます。従ってひとりグラマンのみならず、あるいは104の問題にしましても、あるいは100にしましても、N1う6の機種にいたしましても、それぞれの機能につきまして、各議員からいろいろな意見が出ておりました。またこれを生産するに当って、日本の条件のもとにこれを国産するというような点になって参りますると、これらについてもいろいろ意見が出るわけであります。こういう問題を一々討議されまして、結局四月のあの会議におきましては、先ほど申しましたような内定ということになったわけでありまして、これは議長としてこういうことにするということを最後に宣言されて、一応これが異議なくきまったというように私は見ております。
  246. 山田長司

    山田(長)委員 記録がなく、しかもメモ程度であるという国防会議内容を、われわれはつぶさに知ることができないけれども、一体、今局長の言われることが私にはどうしても了解できないのは、今度の機種決定に当っては、いろいろ汚職につながるかとまで思われるような風説が世間にもっぱら流布されておるわけなのです。こういうことがあるのでありまするから、当然、この機種決定についての国防会議におきましても、完全に意見の一致を見て、しかる後に会議が終了したというふうな了解点には、われわれとしてはとうてい到達するわけにはいかないのです。これらの問題につきましても、むろん国防会議法の五条によっていろいろ秘密に関する事項としてこれが取り扱われる個所もあると思うので、事務局長としては、当然、今の場合になかなか言いにくいところも私はあると思われるのです。しかしやはりこれらのことが明確に打ち出されなければ、国民の生活を守る立場にあるわれわれとしては、何としても承服できないわけです。そういう点であなたの記憶にあるメモ程度の中といえども、この機種選定につきましては、だれ一人として異論を言う者がなかったということを、あなたはこの場で明確に言い切れますか、一応伺っておきたいと思うのです。
  247. 廣岡謙二

    廣岡証人 一応四月の国防会議におきまして、先刻来申し上げたようなことになっております。今後、これも先ほどからるる申し上げましたようないろいろな調査の過程を経まして、またわれわれの方において収集し得る限りの材料資料等も十分に整備されまして、本格的に機種をきめるということは、この次いつになるかわかりませんけれども、そのときにそれらに基いて、議員の十分な慎重なる審議があると思うのであります。その間に一切疑惑を招くことなく決定さるべきことだと私は信じておりまするし、私ども事務局におきましては、先ほど申しましたような全く事務的な、公正正義の立場から、これを審議して参っておりますので、この問題について国民疑惑を招かないように、十分な審議国防会議において尽されるであろうということを、私は信じて期待をいたしておる次第であります。
  248. 山田長司

    山田(長)委員 私が聞こうとしていることを事務局長は言っていないんだ。今までの会議中に異論のあるようなことがなかったかどうかということを聞いているのです。私は端的に申し上げますが、異論がなかったというふうなことはないはずです。この機種選定に当って、今あなたの答弁ではいかにもなかったようなことを言われているが、全然なかったということは今もあなたは言い切っていない。一体あったのかなかったのかということを私は聞いているのだが、あったのかなかったのかということを御答弁願えばいいのです。
  249. 廣岡謙二

    廣岡証人 どういう点についての異論が出たのかどうかということが御質問の中にございませんので、(山田(長)委員機種選定と言っているじゃないか」と呼ぶ)機種選定の異論と申しましても、まあ最終的に全部の材料がきまるまではまだ未確定の要素があるじゃないか、こういうものを詰めてみなければわからぬじゃないかというような話はございます。それだからそれらを次の機種決定に至るまでの間において十分に調査をしようということになっておるのであります。
  250. 山田長司

    山田(長)委員 それは私は異論だと思うのだ。やはり異論は異論として一応全部の国防会議の意見というものがまとまったという結論じゃないです。それはやはり異論として一応あなたはメモの中にとどめておかなかったというはずはないわけです。全然メモにもとどめておかなかったというのですか。全然とどめておかないとするならばそれは虚偽ですよ。どうなんです。
  251. 廣岡謙二

    廣岡証人 四月の国防会議におきまして各委員からいろいろな質疑応答があったということは、四月のことでもありますので私はその間の質疑につきましてはまだ記憶はしております。
  252. 山田長司

    山田(長)委員 岸総理国防会議議長として、この飛行機の購入についてはその価格と性能とをよく調査研究した上で決定すべきであるということを、国防会議会議の席上で主張しておるという。これに対して防衛庁はこれを無視して不当にもその内定をしてしまった。それで自民党の川島幹事長及び河野総務会長がこれを知って、それでなくても防衛庁国費の乱費はひどいということを知っておるので、これが購入は慎重にせねばならない。そこで河野総務会長は今井防衛庁次官、それから廣岡国防会議事務局長に対して、ロッキード及びグラマンの調査を要求した。川島幹事長からは門叶官房長に対し同様に要求した。七月ごろ事務局長からロッキードについて回答があって、河野総務会長は、それはロッキードF1〇4Aに対するときの理由ではないか、F1〇4Cはそれは全部改良されているではないかと反問したところ、F1〇4Cのことについては知らぬと答えたというが、その調査に対して一体あなたはそういう形で答えを出したのかどうか。知らなかったのか、知っておって言わなかったのか、この点どうです。
  253. 廣岡謙二

    廣岡証人 ただいま御指摘になりました点は事実と相違いたしております。河野総務会長から私のところに電話がございました。これは七月の五日でございます。その話の要点をかいつまんで申し上げますと、このときに総務会長は、今度の機種決定について1〇4Cというものがあるだろう、防衛庁の方ではかねて1〇4Aについてやっているけれども、Cについては十分な調査をしていないようだ、しかもその話をロッキードの方から聞いていない、また聞こうともしていないそうだ、それでこれらの問題について君の方からしかるべくやれというような趣旨の電話であったのであります。従って私は即刻、この問題は国防会議事務局においてやるべき筋のものではございませんで、第一次的に防衛庁においてこれらの研究資料に十分万全を尽すという建前でございますから、この電話の趣旨をすぐ今井次官に私が連絡いたしました。実はこういう電話があった、それでできるだけ早くロッキードの方からも話を聞いた方がいいのじゃないか、その結果を総務会長に報告してもらいたいということをそのまま私が電話で移したわけです。その後、十日になりましてさらに総務会長から電話がかかりまして、あの問題はどうなったのかということで、そのときに、防衛庁の方から川島幹事長の方にも報告があったようだけれども、ああいう報告では不十分である、それでさらに十分に検討すべきじゃないかという趣旨の電話が重ねてございました。従って私は、これまた直ちに防衛庁の今井次官に連絡いたしまして、河野さんからこういう話があった、早くやってその結果をそれぞれ報告した方がいいのじゃないかと思うということをつけ加えたわけであります。従って1〇4Cのことを、事実はその通りでありまして、ただいまお話のありました1〇4Cというものは知らぬと答えたとかいうことになっておりまするけれども、これは先刻来私が御説明いたしましたように、昨年十二月の国防会議懇談会以来1〇4Cにつきましては、その段階でわかっておるだけの資料は十分に資料として提出しておりますることからしましても、私が1〇4Cを知らぬというようなことの返事をいたすべきことは考えられない。その点は事実と相違いたしております。
  254. 山田長司

    山田(長)委員 内部においてグラマンに内定しているから問題にする必要はない、だからこれについての返事をする必要はないというようなことを言ったと言われているが、その点どうです。
  255. 廣岡謙二

    廣岡証人 一切ございません。
  256. 田中彰治

    田中委員長 証人、今山田委員があなたに質問したこの二点を、私が三役会議に呼ばれたときに、河野総務会長が防衛庁長官川島幹事長を前にして口角あわを飛ばして、今山田委員が言った通りのことを言って、防衛庁のやつらはそれを聞きやがらぬ、調べてもいやがらぬといって怒ったことだけは事実ですよ。今度は河野証人を呼ぶから、どっちがうそか、どっちが偽証罪になるか知らぬが、よほどあなたは考えて返答してもらわぬと、どっちかが偽証罪でやられますから、注意して下さいよ。
  257. 山田長司

    山田(長)委員 委員長から助言があったような形だけれども、実際は、私が得ている情報によると、やはり防衛庁が国会無視の態度であるのじゃないかという危惧があるので、こういうことをあなたに伺うわけなんです。幸いあなたでなく、さらに耳にもしていなかったということであれば、私が危惧している点はなかったことになるわけですけれども防衛庁では、聞くところによると、内定しているのだから、とにかく国防会議及び国会の代議士諸君が言っていることなどにとやかく耳をかしてはならぬ、内定方針通りどんどん進めるのだ、こういう方針で一切進められているといううわさがあるわけなんです。そこで私は今伺ったわけです。  次に、この内定ということですが、一体あなた方が、官房長官ないしはあなたが発表したか知りませんが、内定したということを発表したのはいつなんですか。
  258. 廣岡謙二

    廣岡証人 四月十二日の国防会議開催の日でございます。
  259. 田中彰治

    田中委員長 さっき山田委員から言われた点、防衛庁でもって、グラマン決定しているのだからロッキードのCなんぞのことを調べる必要はないのだと、言ったのですか、言わぬのですか、その返答を一つ……。
  260. 廣岡謙二

    廣岡証人 ただいま委員長から御質問のありました点は、私は全然そうした場面に会っておりませんし、防衛庁がそういうことを言ったかどうかは存じませんけれども、そういうことを言うはずはないと私は考えております。
  261. 山田長司

    山田(長)委員 さっきの鈴木委員質問のときにも、内定という問題でいろいろ論争がなされたのでありますが、この内定という問題につきましては、これはやっぱり日本防衛計画に非常に関係が出てくることであって、一体グラマンの会社でどのくらいな性能があり、しかもそれがどれくらいな歳月の間に完成されるか、さらにまた日米安全保障条約によるところの日本の負担及びアメリカの負担というふうな問題が考えられずして軽々にそう内定するということについては、私は一つの疑義を持つのです。一体そういうことは何ら勘案されずにこのことは進められたものであったのかどうか、また、もしそうでなく、国防会議等においても両国における負担の問題については論議がなされたものであるかどうか、一応この点も伺っておきます。
  262. 廣岡謙二

    廣岡証人 負担の問題につきましては、これは先例からしまして、F86F、T33の例もございます。また対潜哨戒機として採用されましたP2Vの問題についても、日米の負担の問題があるわけであります。従って、今度の機種決定する場合におきましても、当然アメリカの援助を期待するということに相なるわけでありまするが、これはまず日本側においてこういうようないろいろな資料をまとめた上で対米折衝に入る、こういう順序になるわけであります。  それから、何か日米の共同防衛といいますか、そういう見解からもこれが考慮されたかという点でございますが、この機種決定いたします前に私、懇談会を数次、三回だと思いますが、一応防衛庁の一般の自衛隊の現況なり自衛隊の情勢を判断するいろいろな事情等をあらかじめ国防会議において披露し、これを十分に了承してもらっておった方が今後の作業を進める上におきましても非常に都合がいいし、また当然そうあるべきだという見解から、林統幕議長、各幕僚長をそれぞれ期日を別にして集めまして、国防会議においてそういうようなレクチュアーといいますか、報告をやったことがあったのであります。そういうことを考慮に入れて新しい機種選定ということを国防会議においても十分に勘案してもらいたい、こういうつもりであったのであります。
  263. 山田長司

    山田(長)委員 そうすると、アメリカと日本との条約による負担の問題というものは何ら考えないで——多少考えておったにしても、そのパーセンテージ等については何らの結論を出さずに内定したということになるわけですね。
  264. 廣岡謙二

    廣岡証人 この問題は当然今後の問題になります。従って今後、今申しますようなF86、T33、P2Vの前例を十分に考慮に入れて、なるべく日本側に有利にやるという考えでおりまするけれども、とにかくこれは今後の折衝に待たなければならぬ問題でありまして、何%々々というところまでの結論を出すわけには現在なっておりません。
  265. 山田長司

    山田(長)委員 買うことをきめておいて、あとで幾ら補助をもらいたいというようなことを話をするということは、折衝上まことに私は下手だと思う。しかしこのことによって防衛庁などから、このF11F—1Fという飛行機について——さっきはまあ会社の名称であるというので山本君からも98J—11というものがその飛行機だというような話も出たのですが、一体そういうものの結論をこちらで出しておいて、しかる後に交渉するというようなことは、まことに拙劣な交渉の仕方だと思われますが、その点は国防会議において何らの方針も打ち出されずにこういうことになったのですか。
  266. 廣岡謙二

    廣岡証人 今申しました前例を十分に考慮の中に入れて折衝するという態度であります。
  267. 山田長司

    山田(長)委員 そのつど前例というものはやはり変っていると思うのです。まして、今度の場合における売り込み合戦においては、聞くところによると、米軍事顧問団及び極東空軍、このアメリカの両部隊が積極的にこの売り込みの衝に当っているという話を私は耳にしています。そういうことについて、これらの軍事顧問団及び極東空軍が売り込みに暗躍をしておるということの話を、あなたは耳にしていますか、していませんか。
  268. 廣岡謙二

    廣岡証人 そういう事実は全然存じません。
  269. 山田長司

    山田(長)委員 事実は、あなたはこれらの顧問団の人や極東空軍の人に会ってないかもしれぬ。しかしこれは国会議員のわれわれだけでなくて、幾多の貿易商社の間においても、あるいは実業界の人たちの間においても、大ぜいの人たちがこのことを十分に知っておる。しかもこの軍事顧問団及び極東空軍というものは、ことごとくアメリカの会社のひもつきだというじゃないですか。そのひもつきの出先のアメリカの軍人及び顧問団の人たちに動かされて、日本の政界の人たちまでが動いているといううわさを耳にしています。山王下あたりのナイト・クラブでは毎夜のごとくこれらの人たちが出入りをして暗躍しているという話である。一体これらのことを局長であるあなたが全然耳にされずにいたというようなことがあるとするならば、あなたは無能ですよ。どうです、全然耳にしませんか。
  270. 廣岡謙二

    廣岡証人 そういうことは私は全然考えられませんし、全然耳にしたことはございません。
  271. 山田長司

    山田(長)委員 世間ではあなたもこれらの中に関連しているのじゃないかといううわさがあるのですよ。それでは、きょうは証人として出てきているのですから、全然私は関係なかったとあなたは明確に言い切れますか、どうです。日本国防上、国防会議事務局長ともあろう者が、私は世間のうわさを一掃する意味においても明確にこの際天下に声明していただきたいと思うのです。どうです。
  272. 廣岡謙二

    廣岡証人 私は極東空軍並びにマーグの人たちにかつて会ったことはございません。
  273. 山田長司

    山田(長)委員 聞くところによると、商社の人たちはこの機種決定に当っては、何カ月も長い間日活会館のホテル、あるいは帝国ホテル等に滞在して、そうして商社との間にしのぎを削っておる。私は、そこの赤坂見附にある伊藤忠という外国貿易商社ですが、あの商社にダグラスの日本の支店があり、あそこで特約を結んでおったそうですが、たまたまグラマンの購入をめぐってこの方が利益があるというので、しかも不徳義にもダグラスの東京支社の人たちとけんかをして、そしてあそこから出たという話を耳にしました。これらのことは商社の人たちですから、金もうけのためには日本の人たちのことなどは考えない不徳義なこともあえてするでしょう。しかしこの軍事顧問団及び極東空軍の人たちのために、かりに日本防衛庁の人たちあるいは日本の政界の人たちが、古い、しかも使いものにもならないと思われるような、長い歳月を費さなければできないといわれる飛行機を、これから五、六年先に組み立てられて——もうすでに無人機ができている、こういうときに、こういう無意味な戦闘機の用意をするために、もし世間でいわれるように、これらの顧問団や極東空軍の人たちと動いてこの飛行機を購入するというような事態であったとするならば、これはゆゆしい問題だと私は思う。私はあなたに最後にもう一ぺん伺っておくけれども、顧問団の人や極東空軍の人たちがこれらのことについて全然活躍しなかったかどうか、あなたの知っている範囲において暗躍している形跡というものを身に感じなかったか、このことを伺って結論としたいと思います。
  274. 廣岡謙二

    廣岡証人 重ねてのお尋ねでございますけれども、私ども事務局の立場は先ほど申しましたような厳正な立場に立っておりますし、また直接マーグだとか極東空軍等とのつながりというものは事実上何ら必要としないのであります。従ってわれわれとしましては、そういう人たちに接触しようというつもりもありませんし、とらわれず、ほんとうに中正の立場においてこれらの問題を考えていくべきだという立場を堅持しておりますので、ただいまお話のありましたような点は、私たちといたしましては一切存じない、またそういううわさがあったかどうかという問題について、どうだこうだということを私から申し上げることもどうかと思いますし、一切この問題については関知しないということを繰り返して申し上げるしかございません。
  275. 山田長司

    山田(長)委員 最後に局長に伺います。この機種決定に当っては、かなり何回も方針が転々としております。そのことはあなたも知っていると思うのです。国防会議というものが日本防衛国防上における何らの方針を持っていないことは、いずれ岸首相がここに参考人として出たときに伺うつもりでおりますが、国防という見地であるならば、あるいは局地的な防衛という見地であるならば、一つの方針が打ち出されて、そして国防考えられると思われますから、当然そんな転々として、しかも業者の介入、あるいは政党人に対する疑惑——今度の機種選定については理解のできないことがたくさんあります。それがどういう工合でこんなに転々としたかと思われます。あなたはそういう点、一番重要の衝に当っているので、一番お困りだったと思うのです。私の耳にしているだけで三べんも機種選定の方針の変更があると思われますが、どこにその大きな原因があると思われますか。
  276. 廣岡謙二

    廣岡証人 機種が転々としたというように私は理解いたさないのでありまして、なるほど最初F1〇〇だとかあるいはF1〇4Aだとか、そういうような問題がずっと、あたかもそれらが非常な有力候補であるがごときことが巷間に新聞等を通じて出たこともあると思いまするけれども、実際今日までの国防会議なり懇談会における審議の過程を振り返って私が考えてみましても、どの機種をどうする、この機種をと、すべていいかげんにきめていくというようなことは一切なかったということを私は断言できると思います。ただそのつどつど、一日々々、航空技術なりあるいは電子科学その他の問題についても長足の進歩をいたしております現状でございますから、二カ月たち、あるいは半年後におきまして、そういう点について明確になってきたというような点が出てくることも当然のことでございます。またそういうことを十分に検討して洗ってみるということも、国防会議としてやるべきことだと思うのでありまして、従って、ただいま御意見のありましたように、何かの事情によって簡単に転々ぐるぐると変っていったというようなものではないことは、私が今日まで審議の過程に携わっております者として責任を持って申し上げることができると思います。この点は御了承を願いたいと思うのであります。
  277. 山田長司

    山田(長)委員 そうするとあなたは、たとえばソビエトの人工衛星が打ち上げられる以前も打ち上げられた以後も、日本国防上において何らの変りがなかったということを言うのですね。そうすると最初からのものの判断というものが、そんなことが起るだろうという予期でもして、昨年五月以来の国防会議内容というものは考えられておりましたか。
  278. 廣岡謙二

    廣岡証人 そういう問題になってきますると、これはまた別の視野と申しますと語弊がございまするけれども日本国防問題を審議いたしまするにつきましては……。
  279. 山田長司

    山田(長)委員 変化の過程はわかってなかったかということです。
  280. 廣岡謙二

    廣岡証人 変化の過程は十分にこの際のみ込んでやっておるのであります。
  281. 山田長司

    山田(長)委員 やめようと思っているのですが、どうも答弁が明確にならぬのでもう一つ伺いますが、事務局長としてあなたは一番全体の事情がわかっていると思うから私は聞くわけなんです。そういう点で、方針を持たない日本国防としては、一番あなたが苦労の衝に当っておると思うから私は聞くのですよ。おそらく防衛庁においても、爆撃されてくる態勢を受け入れるだけなんだ。日本の国内でそれを完全に受け入れた場合に戦闘で爆撃をやれるかという根本問題に触れてきたときに、私は防衛庁の連中だって今の状態で言い切る者はないと思うのです。だから私は聞くのですよ。だから、あなたは一番困難な衝に当っていると思われるから、転々としていないと言っているけれども、今日まで国防会議及び防衛庁などで機種選定をしている姿を見ると、アメリカへことしの春調査に行く前と行ってきてからと、根本的に変っているのじゃないですか。全然変っていないということは言い切れないのですよ。そういう点で一番事務局長としてあなたが苦労されておると思うから私は聞くのですが、最初の方針と今の方針とは非常に変っているけれでも、その方針の変り工合はどこでその方針を変える一番の力が尽されているかということなんです。それを聞きたいのです。
  282. 廣岡謙二

    廣岡証人 日本の防空態勢というものが、いろんな日本の特殊な条件から生まれ出る特殊的な防空、こういう態勢が実はあるのだということは申し上げるまでもございません。従って今後整備すべき新しい機種といたしましても、日本の特殊性に立脚した日本の防空というものは、御承知のように非常に縦深性の浅い地形的な点もございまするから、そういう点からして新しい機種というものは、要するに要撃性能を持っておる飛行機が、わが国の防空態勢整備上必要であるという見解に立ちまして、そういう点から変って参ったということはちょっと言い過ぎだと思いますけれども、そういうものに立脚した見地からこの機種の性能と関連させて考えていくというようになって参ったことは事実でございます。
  283. 山田長司

    山田(長)委員 私はこれで終ります。そこで変化を持ってくるたびに、私たちの聞く範囲では死の商人なりあるいは汚職につながりがあるかのごとき印象を強くするのです。そういうことがないとするならば、これに越したことはないわけですけれども、必ずしもそうじゃないのです。それで方針がない上に、しかも次々と変化のある状態というものについては理解ができないから伺うわけなんです。これはあなたの答弁を必要としませんけれども、とにかくそういうことをやはり肝に銘じて、どうかこれからの扱い方について一つしっかりやっていただきたいと思うのです。
  284. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 関連して証人にお尋ねをいたしますが、証人は本問題に関して商社あるいはその他極東空軍の目ぼしい人とは会ったことがないと言われましたが、確たる実証に即応してお尋ねをいたしますが、あなたは伊藤忠の重役に、本問題についてお会いになっております。それを否定なさいますか。否定なさいますと偽証罪が成立をするという問題も起りますけれども、責任を持ってお聞かせを願いたい。
  285. 廣岡謙二

    廣岡証人 伊藤忠というのは私は全然存じません。従ってどういう人がおるかどうか、会ったこともございません。
  286. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 あなたは宣誓をせられておりますが、あとで立証されるものがありましてもさようにお答えをなさいますか。もう一度伺っておきます。
  287. 廣岡謙二

    廣岡証人 全然今のところ記憶がございません。
  288. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 別なお話を伺います。伊藤忠は防衛庁担当の各社の新聞記者に対しまして、純金のライターを贈ろうといたしました。ところが賢明な日本の新聞記者諸君は、これは拒否いたしました。こういう事実を御承知かどうか。
  289. 廣岡謙二

    廣岡証人 記者クラブの人からこういうことがあったということは聞いたことがございます。
  290. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 よく聞き取れませんでしたから、もう一度よく……。
  291. 廣岡謙二

    廣岡証人 そういうことを、ほんとうかどうか知りませんが、新聞記者の諸君から聞いたことがございます。
  292. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 八月十九日に証人も御出席のもとに、虎の門の共済会館において、午前十時より午後三時半まで会議が行われております。これはどういうことをおやりになった会議でございますか、伺っておきたい。
  293. 廣岡謙二

    廣岡証人 八月十九日に私の主催でもって民間有識者の会合を持ったことは事実でございます。
  294. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 その内容
  295. 廣岡謙二

    廣岡証人 これは、この機種選定にからみまして、グラマン社の方から提示されている価格、それからロッキードから提出されている価格に相当の開きがある。同じ飛行機でもってそういう価格の相違があるということはおかしいんじゃなかというようなことがあったとみえまして、八月十四日に突然私は防衛庁長官に呼ばれまして、そしてこの問題についてともかくいろいろ言われておるようだ、しかし防衛庁としてはこういうようにやってきたのだ、しかしこの際に第三者の意見を聴取してそれを参考にするということが望ましいというような話が党側からある、従ってこれをどこでやるか、そういう趣旨からいたしますると防衛庁でやるということは適当じゃあるまいと思う、従って、これを国防会議事務局において、公正な立場でもって、そういう民間の有識者を招いて、それらの人たちの意見を聞いてもらったらどうだろうかというような話があったわけであります。で、私は防衛庁が責任を持ってやるべきそういう問題について、事務局としてさらにやるということはおかしいのじゃないかということを申したのでありまするが、一応党側とも話をしてそういうことにきまったのだということでございました。私は直ちにこの旨を官房長官に報告をいたしたのでありますが、まあこれを内閣でやるという建前をとるということになりますと、国防会議事務局は内閣に直属する機関でございますので、まあ私のところでやるということは差しつかえないだろうというようなことで、その話に乗って、官房長官の御指示も得て、どういう第三者を集めるかということを選考いたしたのでありますが、何もあまり関係のない人では話の要点もわかるまい、従ってこの方に経験があり、識見のある人たちの会同を求めて、私が主催になって、防衛庁が今までこの価格の算定についてどういう考え方で、いわばどういう方法論でもって算定に当ったか、また今後当るべきかということについて、その第三者の意見を聴取いたしたのであります。
  296. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 ここでもあなたの四月の内定という問題がぐらついて参るのでありますが、その内定の問題はしばらくおきまして、あなたがこの会議でそういうことを取り上げられてお話しになったことはきわめて至当であると私も考えます。なぜならば、川崎で見積りました一時間の工賃は七百五十円であり、新三菱重工業で見積りました価格は、同じ一時間で千二十円でございます。千二十円と七百五十円の工賃では大へんな開きでありまして、しかもこれを二百機作るといたしまするならば、時間にいたしまして一千万時間でございますから、これは大へんべらぼうな数字でございます。そういうことをお考えになってこういう会議をお開きになったということは、私は国民の一人としてあなたに敵意を表せざるを得ません。あなたに敬意を表せざるを得ません。  そこで伺いますが、水上機の場合は一時間の工賃というものは四百五十円なんです。しかるに今度買い入れようといたしまするグラマンの場合、新三菱重工業の工賃というものは一時間千二十円、これはどういう計算に基いて、二倍以上もの賃金がここに表われておるのでありますか。それを伺っておきます。
  297. 廣岡謙二

    廣岡証人 ただいまのお話は、私参考の意見として十分に拝承をいたします。ただ、その細目におきましては目下整理中でございますので、この点についてははっきりと申し上げるところまで至っておりません。
  298. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それじゃあなたは何をなさろうとしてその会議をおやりになったのですか。一時間の工賃というもの、見積り価格というものはすでに出ている、仕様書はすでに出ているとあなたはおっしゃっている。それによって四月に内定をせられた一時間の工賃がグラマンの場合千二十円なんです。こうきめられている。参考として伺っておく、そんな白っぱくれたことをおっしゃっていると、ますます国民があなたに対して疑惑を持つ。あなたに対してでなく、日本国防会議というものに対して疑惑を持つ。きめられているのです。仕様書も書かれている。八月十九日の場合は、値段の相違の点において会議をしたとあなたはおっしゃっている。つい二週間前のことでございますから、しかもあなたはメモをお持ちになっておるはずであります。会議録はないにいたしましても、時間的につい二週間前のことであなたはお忘れになるはずはありませんし、しかもメモをお持ちになっておるはずです。それによると一時間の工賃千二十円ときめられておる。ロッキードの川崎の場合は一時間七百五十円に対して、グラマンの新三菱重工業が千二十円とは、どういう関係でこう高くなるのであるがということを伺っておる。しかもこれは三百機買うのでありますけれども、三百機作らぬうちに世の中が変って参りますから、こんなものは無用の長物になると思われますので、かりに私は二百機と計算いたしましたが、二百機といたしましたところで一千万時間でございます。一千万時間として一時間七百五十円と千二十円でございますから、これはべらぼうな相違でございます。もうけとするならば新三菱重工業が大へんにべらぼうな、驚くべき天文学的な数字のもうけということになります。でございますから、その私どもの了解に苦しむ点をあなたに伺っております。それからもう一つ、水上機の場合は一時間の工賃が四百五十円でありますが、どうしてこう違うのでございますか。水上機の一時間四百五十円の工賃を基底として考えますならば、千二十円ではまさに二倍以上になる。そこから算定されたものによって四月にあなたがこれを内定しているのだというふうにわれわれは心得ているのであります。これが土台になって内定をしているのでありますから、その内定があなたがわからないという、そんないいかげんなはずはありません。ここは決算委員会です。数字を取り扱うところです。
  299. 廣岡謙二

    廣岡証人 今度の会議をやりました趣旨というものは、先ほど申しましたように価格算定に対する……。
  300. 田中彰治

    田中委員長 証人、そんな遠回しなことを言わぬで、研究するなら研究する、間違ったら間違ったとはっきり言いなさい。
  301. 廣岡謙二

    廣岡証人 数字に関するものは……。
  302. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それでは数字に関するものはあとでお出し下さい。  もう一つ伺っておきます。今御承知のように、日本防衛庁はF86Fをお使いになっておる。しかもそれが三百機の計画でございまして、今完成しておるのは百機であります。これは日本の子供でも知っておるのでございますが、朝鮮動乱のときにミグ1うと対戦いたしました。ミグ1うは御承知通り二十ミリの機関砲を備えており、このF86Fというものは、笑いごとじゃありません、事実ですからいたし方ありませんが、機関銃を六門持っておる。これは戦いにならないで、へなへなになって惨敗したやつです。それを三百機御計画をお立てになって、ようやく今日百機、それでまだあとの二百機は製作をお続けになっているわけなんです。これは一九四七年に初めて飛んだ。その飛んだときには、これは御承知でしょう、国防会議事務局長さんなんですから、私から御説明申し上げるまでもなく御承知のはずなんですが千八十キロなんです。ところがそれから九年後の一九五六年にはロッキードの1〇4Aができまして、これが有人機——人間の乗る最後の戦闘機であろうといわれた、それは二千三百キロ飛んでいるのです。そうして今あなたがお買いになろうといって内定をせられましたというこのグラマンの98J—11型というものは、六年後でなければ完成されて部隊に配属になりません。どうなさるおつもりなんですか。六年後も現在と同じような防空態勢でおやりになれるとお考えになっておるか。すでにアメリカでは、グラマン以外の会社ではもうミサイル部門を持っておる。グラマンだけがミサイル部門を持っていない。そうして、しかもあなたがさいぜん御説明になりましたF11F—1Fというものは、F8U—1型のクルーセーダー、これと張り合ってへなへなになっている、負けているのです。それをさいぜんからあなたのお話を伺っておりますと、だんだん卵がひよこになり、ひよこが鶏になり、そうしてりっぱな鶏になったんだとおっしゃいますけれども、これはクルーセーダーにへなへなになっている。それがどういうふうに改良せられたにいたしましても、これは六年後にはもう日本防衛に役立つか役立たぬかということは、常識ある人間にはわかるのです。また現在おやりになっておりますF86Fと同じような運命に立ち至らないか、そういうことを国民全般が心配いたすのでございます。あなたはさようなことは心配要らないのだと、責任を持ってお答えになれますかどうか、伺っておきたい。
  303. 廣岡謙二

    廣岡証人 そういうような種々の状況等を考慮に入れまして、新しい機種選定しようとしておるのでありまして、全然そういうものを頭から無視してかかっておるというようなきめ方ではございません。また今後急速なる航空機あるいはミサイルの発達ということは、当然これは考えられます。数年先とおっしゃいましたけれども、今後新しい機種のでき上ります前後におきましては、われわれの判断といたしまして——それは専門的に防衛庁からお聞き取りを願った方がいいと思うのでありますが、まだこの機種は相当の任務を果し得るということのもとに考えておる次第でございます。
  304. 小川豊明

    小川(豊)委員 関連して。今山本委員からお尋ねがありましたが、あなたが国防会議事務局長なんですね。この国防会議というのは総理大臣諮問機関です。しかるに国防会議が主宰してこのような——これは防衛庁の仕事だと思うけれども、そういう防衛庁のするような仕事をやっていいのか悪いのか、そういう費用というものはどこから出るのか、これは国防会議事務局長がやる仕事として行き過ぎじゃないか。この点……。
  305. 廣岡謙二

    廣岡証人 今度の新機種決定の問題は、当初お話し申し上げましたような経緯でもって今日に至っておるわけでございますが、私どもはその機種選定するに当りまして、防衛庁だけでなくして各関係方面の立場からも十分なる検討を遂げた上で、これを国防会議という最高の諮問機関において決定するということに運んでおるわけでありまして、私ども防衛庁のやることをやっておるんだということでございませんで、先ほどからの御質問は、資料の提出等がありましたその段階において私ども承知いたしておりまする点について御説明なり答弁を申し上げておる次第であります。私どものやっておりますことが権限を超越しておるというようには考えておりません。
  306. 田中彰治

    田中委員長 神近委員
  307. 神近市子

    ○神近委員 私も同じような問題について、廣岡国防会議事務局長にお尋ねをしようと思います。ただ、さっきから何か非常に議論が沸騰いたしまして、私ども委員会のこの企画がどういうところにあるかということがぼかされたように思います。私どもグラマンもひいきでなく、ロッキードもひいきでなく、あるいは川崎にも新三菱にもわれわれは何も関係はないのでございます。ただ非常に膨大な額でございますので、国民の税金を使ってこれを遂行いたします関係上、明朗でなければならない。しかるに今まで本命と見られていたところの1〇4が急にどこかで落されて、どうも突如として四月十二日にF11F—1Fですか、これがきまったというところに、何となしに明朗でないものが感じられる。うわさがいろいろと飛んでいる。こういうことから今日の委員会が開催されましたので、私どもは全委員がどちらのひいきでもない。ただ問題がグラマンを攻撃するような形をとり、ロッキードを、また特に1〇4Cを私どもが問題にいたしますのは、その点であなた方の方に手落ちがなかったかという点でございますから、一つどうぞ、われわれが何か意地悪をしているというような偏見なしに御返事を願いたいと思います。  第一に私が伺いたいと思いますことは、このグラマンの購入に関しまして、貿易商あるいは商社としての伊藤忠がこれに関係しているということは、さっきから何度も名前が出てきている通りでございます。この伊藤忠の方で、国防会議の各議員あるいはあなたに対しても何か文書を送ったことがあるということがうわさされております。これは事実でございますか。
  308. 廣岡謙二

    廣岡証人 私に対してはそういうことは今日までございません。
  309. 神近市子

    ○神近委員 では国防会議議長なりそのメンバーのどこかに、そういう文書が回ったことがございますか。
  310. 廣岡謙二

    廣岡証人 そういうものは存じません。
  311. 神近市子

    ○神近委員 ずいぶんのんきな事務局長だと思います。私どもはここで文書の一部が配付されましても、委員長はちゃんと知っておられます。ほかの会議に行きましても、きょうはこういう用でこういう文書を配付するということがあるんですけれども、あなたはそういう事実があったということを——この文書についてはいろいろうわさされていますよ。私文書偽造とか、そういうようなことにもなりかねない問題を、あなたはそれを知らなかったとおっしゃるのですか。
  312. 廣岡謙二

    廣岡証人 この書類は、先ほどの四月に提出された書類でございますか。
  313. 神近市子

    ○神近委員 そうだと思います。
  314. 廣岡謙二

    廣岡証人 これは私承知しております。
  315. 神近市子

    ○神近委員 その文書を御承知になっている。これはこの間の機種決定に何か関係のある文書であったろうか。それから、もしそうでなくてもけっこうです。もしその文書が手に入りますならば、こちらに見せていただくことはできないか。
  316. 廣岡謙二

    廣岡証人 それはどういうものでございますか。
  317. 神近市子

    ○神近委員 今、伊藤忠から四月の十二日に提出された文書があったということをおっしゃったでしょう。
  318. 廣岡謙二

    廣岡証人 私はそういうことを申しておりません。
  319. 神近市子

    ○神近委員 その四月の十二日の、あなたがおっしゃったのは、それは何ですか。
  320. 廣岡謙二

    廣岡証人 それは四月十二日の国防会議において、私ども事務局から国防会議資料として提出しました、先ほどいろいろお尋ねのありました「次期戦闘機選定について」という、これでございます。
  321. 田中彰治

    田中委員長 証人、神近委員が聞いておられるのは、伊藤忠がグラマンロッキードを比較した公文書みたいなものを刷って、防衛庁に配った。もちろん内閣の閣僚とか、それから国防会議方々とか、それから日本の識者に配ったのですよ。こっちにありますよ。それをあなたのところに配ったと言っておるものだから——防衛庁が見て、数字を合せて国防会議に出していますよ。こっちに証拠がありますから、それを聞いておられるのでしょう。
  322. 神近市子

    ○神近委員 それをあなたが四月十二日に、この文書だと思わないで、その材料として当時提出されたのかと思ったから、そうだと言った。そうです。委員会にとめ置かれているAという参考資料のことであります。
  323. 廣岡謙二

    廣岡証人 そういう意味の御質問ならば全然違いまして、伊藤忠からどういう文書が配付されたのか、現実に私ども承知いたしません。事務局としましては、そういう文書を受け取ったこともございません。
  324. 田中彰治

    田中委員長 証人、見せよう。これは今度この中から見積書で、価格をとって、ちゃんと合って出してるのだよ。持っているはずだ。     〔委員長証人書類を示す〕
  325. 廣岡謙二

    廣岡証人 これは見た記憶がございませんね。
  326. 神近市子

    ○神近委員 そのものをあなたがお受け取りになっていたなら、いろいろ資料の提出その他お願いすることがあったのですけれども、受け取っていないとおっしゃる以上、これはどうにも仕方がない。  では、ロッキードグラマンとの価格の違いでございます。今、山本委員から人件費の一時間当りの問題が出ましたけれども、これは全体とすれば、われわれ一人々々の納税者が買うのですから、価格が高いか安いかということは重大な関心事なのでございます。ところが、どう考えてもはっきりとこの価格が出てこないのです。いろいろ今防衛庁の、けさですか、配付されたものには、ここにリストが最後に出まして、これについては今、鈴木委員からいろいろ問題がありました。ところが、われわれの方には、きのうの午後、防衛庁から回ってきた英文の、一つはグラマンのコスト・サマリー、これは三百機でございます。もう一つロッキードの、やはり同じこれはサマリーだと思います。それが両方とじ込みできたのです。これは防衛庁からいただいたので、私とても意地の悪いやり方だと思うのです。これにはちゃんと私どもの知っているところでも、日本文の訳文がつけて出してあるのでございます。これは幾らでも訳文があるのだから、日本文にすれば幾らでもできるのを、わざわざこういう形で、いきなりわれわれにたたきつけたようなもんだと思うのです。これはあなたのせいではないですよ。防衛庁のやり方について私は申しているのです。これは私ども英文で見なれておりませんから、いろいろむずかしかったんですが、数字についてちょっと見てみますと、やはり価格の開きが非常に大きいのです。今、鈴木委員が問題に出されましたテーブルの中のF11F—1F、これの値段と、このグラマン社のコスト・サマリー、これを見ましても、かなり開いている。そしてこの英文の方はもっと高いのです。私の勘定したところでは、日本の円にして四億六千七百数十万円、こっちは一機当りが三億六千万円になっております。それから、このロッキードの方が概して非常に安いのです。大体防衛庁からお出しになったのと、このスケジュール三というのに出ているロッキードの三百機当りの数字は近似しております。一体われわれは何を信ずればいいのか。このわれわれの最新のカタログでございますといって、防衛庁から持ってこられて、そして片方では、今度は防衛庁からこういう表を出しておいでになる。それがちぐはぐなんです。そこなんです。だから、この共済会館の会合で、こういうことを整理するためにお集まりになったというならば、大体このロッキードグラマンの値というものの最終的なものはあなた方には入っているのでないか。それが入っていたらば承わりたいと思います。
  327. 田中彰治

    田中委員長 証人、あなたおわかりにならなければ、ちょっと申し上げますが、神近委員の言われていることは、防衛庁にきている英文のカタログの値段書きと、防衛庁がわれわれにくれた値段書きとは違う。いいですか。だから、われわれはどこを信じていいかという意味なんですよ。だから、あなた方はわれわれ英語はわからぬと思って、いいかげんのものを出す。庁方のアメリカからきたその英文のカタログの値段と違うということなんです。それをあなたどういう工合に考えておられるかということなんです。御回答は……。
  328. 廣岡謙二

    廣岡証人 この英文というものはどういうものか、私、はっきりわからないのですがね。こういうものが防衛庁の方に出されているのかどうか、その辺のところは私、はっきり……。
  329. 神近市子

    ○神近委員 防衛庁にはもうとっくに出ております。グラマンの方はもっとその前ですけれども、許可が出ましたのが五月の六日でございました。そして日本の出先にその通告があったのが、たしか六月の二十日前後でございます。ですから、おそらくこのロッキードの方も、こういうものを出すということは、これは早くから届いていて、そして空軍の手を通じて、あるはい大使館の高橋参謀ですか、高橋武官ですか、そういう人の手を通じて、それから在日顧問団の手を通じて、三万から日本に入れてあったカタログでございます。その当時には軍以外の人には上げなかったのだそうですけれども、それの許可が緩和されて、そして今は出ている、こういうものでございます。それで私があなたにいろいろと伺いたいことが出てくるのでございます。これは事務局長のような方ならば、古くから自由に手に入る品物なのに、持っておいでにならなかった、見もなさらなかったとおっしゃるのでしょう。これには日本訳がついていますよ。それで、あなた方が今新機を選考しているとおっしゃるのに、われわれが非常に不安を持つというこの理由がここに出てくるわけなんです。こういうものも見ていらっしゃらない。そしてF11F—1F、これを固執していらっしゃるところに、非常にわれわれの不安が生まれてきている。もちろん内定はしていらっしゃるけれども、最上のものを日本のために選ぼうという熱意があなた方におありになるならば、もう少し何とかしっかりしていただきたいのです。ぼやぼやしていないでいただきたいのです。こういうものが出ておりますよ。今年の五月の七日にロッキードの1〇4Cの出しました高度の記録が出ております。九万千二百四十九フイート、これが私が今まで見ましたどの飛行機よりも、アメリカの飛行機におきましても最高の記録じゃないかと思います。それからもう一つ、同じ五月の十六日に時速を千四百四マイルでございます。こういうことも機種選定の基礎になるのでないでしょうか。そしてこれは今年の六月の中旬でございますけれども、御審議の際に資料として出てきたことはなかったのでしょうか。ちょっとそれを伺わせていただきます。
  330. 廣岡謙二

    廣岡証人 その間の資料につきまして、私まことにどうかと思いますけれども、実際に見たことがございませんで、あるいは防衛庁の方から回っておるということになると、防衛庁の方でその資料に基いて調査をし、そういうものに十分検討を加えた上で、防衛庁の方から私の方へ提出されているというようなものかもしれませんが、防衛庁から参りました資料の中には、そういう種類のものは一切ございません。
  331. 神近市子

    ○神近委員 だから、きょうの委員会をどうしても開かなければならなかった理由がわかるでしょう。そういうことで日本——千億以上になりますよ、グラマンの今の計算によりますと。だから意地悪しておるような、あるいは国会へ行って何かいやなことばかり聞いているというようなお気持があったら、これは大へんな間違いだと思うのです。きょうの委員会は、こういう何か曲っているのじゃないか、たとえば廣岡事務局長防衛庁の言いなりになって、単独でものを判断する力を失いつつおありでないのか、こういうことが、きょうあなたを証人としてわずらわすことになった理由だと思うのです。  まだあります。今、日本飛行機選定するに当りまして防衛庁が一番熱を上げられたものは、高度、速力、それからもう一つ——経費なんか考えないのですよ。経費のことなんか最後にしか考えない。われわれは女ですから、一番先に経費を考えます。これは五円で買った方が高いか、六円で買った方が高いかということをすぐ考えますけれども防衛庁はほんとうに、だれかが殿様勘定と言っておりましたけれども、価格のことは最後であります。これは滑走路の問題でございます。最初グラマンロッキードを比較しましたときに、ロッキードは八千フィート要る。グラマンは六千フィートで済む。これが大きな魅力の一つであったのですね。ところが、これにもちゃんとこれを打ち消すだけのものが出てきてますよ。これはF104の安全性に関する操縦者の陳述、おそらくロッキードの会社から出したものでしょう。その点はどこから出たのか、私はこれは拝借したのですから、よく出所はわからないのですが、アメリカの空将、こういう人はいろいろな会社につながりがあるという考えがあるから、別といたしましても、アメリカの空軍大尉、空軍大尉ぐらいですから、これはあまりコミッションだのプレミアムと関係がない人かもしれない。たかが大尉ですから。この人が本年の六月二十七日に書いておるところによりますと、「F104C飛行中隊を六千フィートの滑走路で運用できる。」こう書いておる。ロッキードは八千フィートで、どうしてもだめだ、日本の狭いところでは六千フィートでなければならないといって、グラマンにきめた一つの理由になった。ところが、ちゃんとこれが打ち消されてしまっておる。  高度においても、速力においても、それから滑走路の狭さにおいても、それからもう一つ値段においても、これが格段に安いのです。これはあとで伺いますけれども、格段に安い。こういうようなところが104Cによって現われてきたのです。それをちっとも考慮に入れないで、ここで何とかかとか言っておけばそれで済む、こういうような考え方であっては、国民がどうにも信頼できないのじゃないかということを考えるのです。ちょっとそのことについて、これからもう少し具体的な比較材料、いや神近はこういうことを言ったけれどもグラマンの方にはこういう利点があるというような公平な比較材料を御調査下されば、大へんありがたいと思うのですけれども、それはいかがでありますか。そういうことを熱心にやってみよう、内定したとかなんとか——内定したということについては大いに疑惑がございますけれども、こういう偏見を捨ててしまって、もう一ぺんやってみるというお考えにはなれないものか、そしてこれを国防会議に持ち出して、こういう新事実が現われたということを一つ再決定の動機とすることができないものか、それをあなたに伺いたいのです。
  332. 廣岡謙二

    廣岡証人 ただいまのお話、その後のロッキード、いわゆる104Cについても、いろいろとエンジンを変えるとかいうことによりまして、また燃料を機体の中にふやすというような方法によりまして、四月の国防会議に提出しました資料より若干性能が上回って参っておるということは事実だと思います。この機種選定に当りまして——承知と思いますけれども申し上げます。速度の点、これはF11JとF104Cとともに二マッハ級でございまして、F期Cの方が若干すぐれておると推定されております。それから最大上昇率でございまするが、これはシー・レベルにおける最大上昇率……。
  333. 神近市子

    ○神近委員 大体それはわかっておりますから、私の言うことに……。
  334. 田中彰治

    田中委員長 証人、あなたに神近委員が言っておられるのは、グラマングラマンと主張なさらぬで、もう少し調べて、両方よく検討してみて、両方いかぬならいかぬで、やめてしまう。あるいはまたその中で、あれがいいとか悪いということを研究なさる。言われるのは無理ない。あなたは頭がどうかしていますよ。それは先ほど、私の職責からいろんなことを研究をして、あやまちのないようにということを言われましたが、あなたは防衛庁が出したカタログを十分知らないし、伊藤忠が出した書類も見ておらぬ。あなたはたなに上げられためくらみたいなものじゃないですか。しかもあなたはいろいろなことを説明するけれども、神近さんが言われたのは、ロッキード飛行機に乗った人が言われたことです。あなたの言われるグラマンは、二機あったやつが一機は墜落して、一機は破損したから、乗った人があったとしても、たった二人しかいない。片方は百何十機も納めておるから、百何十人も乗って、五千回も試験をしておる。そういうことを主張なさらぬで、よく研究して——神近さんのところまでカタログがいっておる。しかも英文のカタログの値段とあなたの方で委員会に出された値段が違うんですよ。それをもしこういうふうに値段を変えられたとすれば、防衛庁のだれが変えたのか、国防会議のだれが変えたのか、公文書の不実記載になりますよ。そんなことまで出ているんだから、研究してやるというような考えになれないのか。それとも、どうしてもグラマンがいいんだから、国防会議議長が出てきても、何でもかんでもかまわぬ、高かろうがなんだろうが、グラマンを買えばいい、そういうことなら、そういうことでいいじゃないですか。そういうふうにはっきりなされたらいい。もう少し研究ということをされる気にならないと、これがために政府が大へんな迷惑をしますよ。あなたはやめられればいいですよ。政府はそんなやめたぐらいでは済まない事態を出しますよ。聞くところによれば、うわさとしても、二億も金をまいたというじゃないですか。その一部がここでちょっと出ますから、最後にあなたは聞いていらっしゃったらいい。そういうことなら、あなたはよくお考えになったらいい。あなたの言われることは違うのです。千二百万もかけて研究して、間違いないようにすると言われて、神近君の持っておられるカタログを知らない。値段の相違も知らない。おかしいじゃないですか。しかも神近委員を前にして悪いが、女の方の飛行機しろうとでさえも、あれだけの研究をしておるのに、高度、速度がどうとか研究しておらない。そんなことではあべこべじゃないですか。国防会議事務局長としての責任を少し感じられたらどうですか。委員会はあなた方がぐうたらべえなことを言っても通らない。必ず最後にはとどめを刺されるから、よくその点考え答弁されたらどうですか。
  335. 神近市子

    ○神近委員 今、私はF104の安全性に関する操縦者の陳述の中で、一つだけ六千フィートというところの陳述を読みました。その中にいろいろあるのですけれども、ほんの一、二を申し上げます。「この飛行機は」これはロッキードの104Cのことです 「この飛行機は非常に安全であり、少い燃料でかつ困難なく飛行できる。F104は」これはCを抜かしてありますが、104Cのことだと思います。「戦術機構に納入するのに今までのどの戦闘機よりも良好な状態にある。」同じようなことですからたくさんは読みません。これは米空軍第七段階報告、一九五八年一月二十七日となっております。それからもう一つ、これはシェー・アップルというアメリカの空軍少佐と書いてある。全天候部隊指揮官でございます。「私は米空軍のジェット戦闘機のほとんど全部に乗ったが、真実言えることは、F104はF86、F94等の一〇〇シリーズ戦闘機」——この一〇〇シリーズというのは一〇〇台のシリーズです。「戦闘機以前の数種のものより容易にかつ安全であることである。他の一〇〇シリーズ戦闘機と比較して、私はF104は最も高性能でありかつ初心者に」ここは肝心なところでございます。「初心者に安全に飛行を修得することにおいて最も容易な飛行機であると思う。」こう書いてあるのです。これは外国の人が言ったことですから、信用するもしないもいいとして、私は初心者に非常に安全に飛行ができるということを日本の武官が言っていらっしゃることに大へん気に入ったのです。というのは、この二月に佐薙幕僚長と一緒にアメリカに行きまして、そしてこのロッキードの104Cに乗った人なんです。これは牟田空将補で今日本の航空自衛隊にいる人なんですけれども、この人がこういうことを同じものに書いておる。「私はF104で二マッハの速力で飛んでいるとは思えなかった。」その時に二マッハで飛んだのです。「そして操縦席は操縦者の理解に容易なように配列してある。私は日本の操縦者がT33の操縦学校を卒業して後F104で訓練できると確信する。私はF—104Cの操縦には何の問題もないと思う。」操縦学校でT33で操縦していれば、この機は非常に操縦しやすい、これが牟田空将補の書いているところです。今度は松前空将が、やはり同じ佐薙さんと一緒に行った方でございますが、こういうことを言っていられる。「F—104はロッキードが、その速力、安全性、取扱の易さ及びその他の性能について言っている通り飛行機である。私のマッハ二の速力での飛行は最適であった。」と書いてありますけれど、これは快適であったの誤まりだと思います。これはこの方々がカリフォルニアのパラルム飛行場で、二人でロッキードに乗っていられる。マッハ二で上昇し、そして飛んでおられるのでございます。そうして、どうしてマッハ二であるということがわかったかという質問に対しては、操縦席にちゃんとマッハ一・五なのか六なのか七なのか、あるいは二なのか、出てくるしかけになっていたから、われわれの目で見たんだから間違いないということも言っていられるし、この同じ幕僚長と一緒に行った人たちが、このロッキードの優秀なことをこういうように認識している。これはおせじばかりでも私はないのじゃないかというように考えます。  私の質問の要点は、慎重な御審議が願いたいということ。前の事情をよく知っている人が、ある座談会で話していました。前の軍が飛行機機種をきめるときには、慎重に慎重に二機、三機の見本をアメリカから買ってきて、それを乗りつぶすほど乗ってみてきめたんだ、今何のために取りあわてて、ああいう無理押しをしてきめようとしているのか、というようなことを言っている人があったのです。私は昔の軍部のことはあまり知りません。悪いことばかりしか知りませんけれども、それだけの慎重さを持っていたという点は、私ども確かに感心だったと思います。昔の人たちに習うという気持で、一つこれは再出発というところまでやはり考えていただいた方がいいのじゃないかというのが、私のきょうの事務局長に対するお願いと質問との結論でございます。
  336. 廣岡謙二

    廣岡証人 ただいまお話の御趣旨は、私もよく了承いたしました。もちろんこの機種決定に当りましては、慎重に、念に念を入れまして十分に検討することが必要であるということは、申すまでもないのであります。ただいまお読みになりましたことについても十分考えましたが、104Cの安全性という問題につきましては、防衛庁の方で聞くところによりましても、104Cの機体構造がほかの機種と非常に違っておることは、御承知通りだと思うのであります。従って、それから受ける安全性、着陸の場合の着速あるいは沈下率という点から申しまして、ただいまお話のありましたような日本のパイロットの現在の状態において、すぐに果して乗りこなせるかどうかという問題もございます。そういう点は、必ずしも今お述べになりましたように、全面的にすぐそうだというように断定づけるということは、私は早計だと思うのでございまするが、しかし、それらの点を何もこの間の会議でもって最終的に決定したというものではございませんから、次回の国防会議審議に当りましては、十分にそれらの点の研究を詰めまして、率直に資料として国防会議に提出したい、そして今の御注意のような点に沿って検討をしていくように、これは私から議長にも申し上げ、また会の運営についても十分に御配慮を願うということにいたしたいと思います。
  337. 神近市子

    ○神近委員 私は、この機種が望ましいのではないかということを申し上げるときに、必ずしも人命のことを考えないのではないのですよ。ただ今の86にしても、あれほど落ちてるでしょう。そしてわれわれに言わせると——今あの機種は百機できてるといいますね、この機種をほんとうに手足のように乗りこなせる人は、たった三十人というじゃないですか。それで技術の不足のために、しょっちゅう落ちてるのを、自分たちが選ぶ圏外に脱した者にかぶせるということは——私が牟田空将補のなにをあなた方に考えていただきたいことは、T33で訓練した者にこれは容易に操縦できると言っていらっしゃる。私は必ずしも兵隊の人命を尊重しないわけではないということを考えていただきたい。
  338. 田中彰治

    田中委員長 森本君。
  339. 森本靖

    ○森本委員 ちょっと簡単に聞いておきたいと思います。先ほどの防衛庁から出ております「次期戦闘機選定について」という資料の問題でございますが、この資料の中で、鈴木さんも問題にしておりましたが、F11F—1Fというというものと98Jというのは同一であるということがここに書いてあるのです。しかしあなたの説明では、これが同一でない、こういうように先ほど説明しておったわけでありますので、この防衛庁から出ておりますところの資料の書き方は、明らかにあなたの見解では間違いである、こう確認をしてよろしゅうございますか。
  340. 廣岡謙二

    廣岡証人 私はそう考えておりまするが、後刻防衛庁の方の意見を聞きまして、この点についての……(「おかしい、さっきはそう言わなかった」と呼ぶ者あり)いや、もしも——私の解釈なり私の考え方が正しいと私は思っております。私はFをデヴェロップしたものが98Jというように思っておりまするが……。
  341. 森本靖

    ○森本委員 だから、あなたの考え方はそういう考え方だから、あなたの考え方に立ってこの防衛庁資料を見た場合には、この防衛庁資料は間違いである、この点についてはあとで相談などしなくともいい、現在の段階において、現在のあなたの考え方からいくならば、今の防衛庁資料は間違いである、こう確認してよろしいか。あとで相談すると言うが、相談はあとのことにして、今はこの資料は間違いである、それでよろしいか、こういうことを聞いてる。
  342. 廣岡謙二

    廣岡証人 まあ、そういうことです。
  343. 森本靖

    ○森本委員 もう一つ聞いておきたいんですが、この防衛庁資料によりますと、各機種選定について、安全性から速度その他のことについて書いてありますが、射撃管制装置と申しますか、これについては、その性能は各機とも同一でありますか。
  344. 廣岡謙二

    廣岡証人 各機についてそれぞれ異なっております。
  345. 森本靖

    ○森本委員 戦闘機を作る場合には、私はこれが一番重要でないかと思う。これは要するに相手と交戦をする場合には、この装置が完全でなければ、昔の日本の連合艦隊がこういうレーダー戦において負けたと同様に、非常にこれは重大な問題だ。だが、これの比較というものは幾ら見ても出ておらぬ。たとえば、これが一応F11F—1Fについては、私の手元にある資料では三十六機の範囲内においてできるというようなことが載っておるわけでありますが、そういうことについての比較というものは、あなた、どう解釈されておりますか。
  346. 廣岡謙二

    廣岡証人 これは性能の問題と航空火器体系というものは、十分にあわせ兼ねて考えていかなければならぬ問題なのであります。従って、性能とあわせて、FCSというものは十分に審議を尽さなければならない、こういうように考えております。
  347. 森本靖

    ○森本委員 だから、それぞれの機種に積むところのFCSの性能というものについては、あなたの手元には、この各機種のそれぞれ違ったFCSの内容というものがきているかどうか、これは戦闘機を選定するについては非常に重要な要素だろうと思うのですが……。
  348. 廣岡謙二

    廣岡証人 今度採用いたしたいという機種にはエアロ13、1〇4CにはASG14というFCSが今ついております。しかしロッキードの方でも、このエアロ13に改装すればできるのだというようなことを言っておると聞いております。
  349. 森本靖

    ○森本委員 きょうは時間がないので、これをさらに私は詳しく聞きたいと思いましたが、この射撃管制装置のそれぞれの性能と内容等については、資料としてあとから提出できますか。
  350. 廣岡謙二

    廣岡証人 この問題は専門的のものでございますので、防衛庁の方に御要求を願いたいと思います。
  351. 森本靖

    ○森本委員 これは専門的な事項でありまするけれども、戦闘機の機種選定をして、そうしてその中にどういう射撃管制装置を設けるかということは、戦闘機の一番重大なしんであります。その内容がわからずして、機種を簡単にきめるということについては、これはちょうど日本の連合艦隊が負けたと同じようなものだ。だから、それをあなたの方が軽々に防衛庁に聞いてくれというだけでは、国防会議としての任務が務まらぬ。国防会議でその機種選定する場合は、そういう内容等についても十分に審議をして、一番性能のいいものをとるという方向でなければならぬ。だから、それは防衛庁の方に資料を要求してくれというなら別だけれども、しかし国防会議としても、その資料をとって十分検討する必要はある。それを全然やっておらぬのですか。どうですか。これは昔の日本の海軍がああいうぶざまな格好になったようなことと同じで——私は大体こういう飛行機を買うことに反対だけれども、しかし、かりに買うとしても、その一番重要なところをぼかしておって買うということでは、話にならぬ。あなたの方はそういうことについて検討しておると思う。検討しておるなら、その検討しておる内容について後刻資料で出してもらいたい、そうすれば私はここで質問を打ち切るから。私もそういう点については若干技術的に知っておる点があります。
  352. 廣岡謙二

    廣岡証人 大体のごく概要のことを申し上げますると……。
  353. 田中彰治

    田中委員長 今資料出してくれというのだから、あなたの方で防衛庁から資料をとって、あなたもごらんになって、その上でこっちに出して下さい。国防会議で知らぬできめちゃいかぬですよ。それだから、こんなことになるのだ。
  354. 森本靖

    ○森本委員 そこであなたがぐらぐら説明しておると長くなる。それに対して私の方で質問しておると長くなりますから、あなたの方で資料がないなら、防衛庁からとって、国防会議として出してもらいたい。それから、ある分についてはある分として出してもらいたい。それができるか。こういうことです。
  355. 廣岡謙二

    廣岡証人 大体のところでおわかりになる程度のものは、出すことができると思っております。
  356. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 今の御質問に対する証言は、先ほど私がずいぶん念を入れて一応解決したものが、また逆に戻ったような気がする。すなわちF11F—1Fというものは「98J—11をいう。」と書いてある。これは同一のものかという点について、ずいぶん念を押してあなたの証言を求めた結果、同一であるとあなたはおっしゃった。それは速記録にちゃんと書いてある。みんなもずっと聞いておるはずなんだ。ところが質問に対する答えを聞いてみると、それは違うと考えている。どっちなのか。     〔「文書を見たらそうなんだ」と呼ぶ者あり〕
  357. 廣岡謙二

    廣岡証人 今のお話のように、文書を見れば「98J—11という」で、同じだということです。
  358. 田中彰治

    田中委員長 鈴木委員、実際は違うけれども、文書を見れば同じようだ。だから自分ではわからぬ、けれども、今ここでしいて言われれば違うということなんだ。  それでは西村君。簡単にして下さい。
  359. 西村力弥

    西村(力)委員 ただいま森本委員質問で、この資料については防衛庁資料という工合に発言されておりましたが、私としましては、これはあなたの責任で国防会議に出された資料である。この責任を一つ明確にしていただきたいと思うのですが、あなたのところを通らないで、防衛庁国防会議決定資料としてこれをすぐ出すというようなことはあり得ないと私は思うのです。明らかにあなたの責任で出した、こういう工合に一つ認めていただきたい。
  360. 田中彰治

    田中委員長 あなたの方は知らぬなら知らぬでいいのですよ。無理に認めなくてもいい。
  361. 廣岡謙二

    廣岡証人 この「次期戦闘機選定について」ということですね。これは防衛庁から出て参りまして、これを事務局において参事官会議にかけ、また幹事会にかけました上で、これを国防会議資料として提出したものであるというように御了承願いたい。
  362. 西村力弥

    西村(力)委員 端的に言いまして、あなたの責任で提出した、これをお認めになる、それでよろしゅうございますか。
  363. 廣岡謙二

    廣岡証人 よろしゅうございます。
  364. 西村力弥

    西村(力)委員 それでは、この資料によって結論づけられるところは、何といいますか、F11F—1Fという、これを選定するのが妥当であるという結論をもって、責任を持って提出した、こういうことにはっきりなるわけですが、それでよろしゅうございますか。
  365. 廣岡謙二

    廣岡証人 幹事会までの検討におきましては、これが総体的に見まして次期戦闘機としては最も妥当であるということにいたしましたけれども、これを実際の判断をするのは国防会議である、こういうわけであります。
  366. 西村力弥

    西村(力)委員 だれが判断するかということは聞いているのではないのです。御判断は国防会議でなさるでしょうけれども、これを責任を持って出す限りにおいては、あなたはこれが適当である、それを選定されるのが適当であると結論づけて出されたのであるか、その点をはっきりさせていただけばいいのです。それでよろしいですか。
  367. 廣岡謙二

    廣岡証人 よろしゅうございます。
  368. 西村力弥

    西村(力)委員 先ほどからのお話を聞きますと、そうすると、あなたはF1〇4Cを十分に知っておる。河野一郎氏からも電話があったし、それによって防衛庁に調査要求を二回ほどもやっておる。そのほか資料なんかを見ておるようでありますし、それを知っておると言いながら、なぜF1〇4Cを他の機種と対比して検討するという工合にここに盛らなかったかということが、私たちとしては非常に疑問になる。これはどういう考えをもってここに盛られなかったのか、あるいは、そいつは気がつかずに落されたというのか、その点を明確にしていただきたい。
  369. 廣岡謙二

    廣岡証人 この文の中の「なお、F1〇4Aについては、エンジンをJ79—GE—7に換装した同機の性能向上型についても併せ検討を加えた。」ということは、これは1〇4のことでございます。
  370. 西村力弥

    西村(力)委員 大体それであなたの仰せのことも理屈は立つようでございますけれども、やはり一番当初にこの五種について検討した、こういう工合になっているところは、やはり六種となるべきが妥当ではないか、こういう工合に私は思うのです。しかし、今申されたところによって十分に検討を加えたということになれば、それが不適当であるかどうかという問題になってくる。それは性能の問題の限度でございまするから、これは深入りしてもどうにもならないことですから、私は以上の質問で終ります。
  371. 森本靖

    ○森本委員 先ほどの私の質問で、事務局長は、はっきり防衛庁の間違いであると私は解釈をするという答弁をしておったのに、今の西村委員質問に対して、この「次期戦闘機選定について」という文書は事務局長が責任を持って提案をした、こう言っておる。事務局長が責任を持って提案をした内容というものが、事務局長がここに答弁をしたことと違う内容であるということは、一体どういうことなのですか。初めとしまいと言うことが違うから、ちっとも先に進まぬのです。さっき私が聞いたときには、この内容については防衛庁が明らかに間違いである、私も考え方ではそう考える、こういうことを言っておいて、今の西村委員質問に対しては、今度は、その間違いである資料については、私が全責任を持って国防会議に提案をした—自分の言うことが、間違ったことを全責任を持って提案をしたなんという、そんなばかなことはないはずです。一体それはどういうことなのですか。
  372. 廣岡謙二

    廣岡証人 何度も申し上げますが、これを事務局でまとめまして、資料としてこういう一応の結論的なものを出して国防会議に上げたということなのです。ですから、先ほどから申しますように、1Fというものは非常な大改造ではないのだ、今度の98Jと比べまして、ただその中に装着するFCSがオール・ウエザー用というものを装着するという違いであって、外観の機体からいえば、大改造してまるで違ったものを作るというものでは決してないのです。
  373. 森本靖

    ○森本委員 そんな説明を聞いているわけではない。先ほど来鈴木委員、山本委員質問に対して、あなたがだんだん問い詰められていって、F11F—1Fと98J—11とは違うのだということを証言をしたのだ。ところが、あなたはあくまでも責任を持って、資料の中には、それが同じものであるということを書いて、資料として提案をしておる。それでさっき私が質問したときに、この資料防衛庁の間違いであると解釈するとあなたが言ったから、私は了承して質問をやめた。ところが、今の西村委員質問に対して、私が全責任を持ってこれは国防会議に提案をした、こう言ったが、自分の考え方と違ったものを編集をして、それを全責任を持って提案をするというばかなことはないと思う。一体これはどっちがほんとうなんだということを聞いておる。
  374. 廣岡謙二

    廣岡証人 これは結局同じものなのです。だから、そういうことを申し上げておるのです。
  375. 森本靖

    ○森本委員 同じものだということを今になって言ったところで、速記録をあしたよく見たら、わかるけれどもF11F—1Fというものをだんだん改造していって、この98J—11というものになる。このF11と98Jというものとは違うのだということをあなたはさっきはっきり言ったじゃないか。ここでわれわれはみんな聞いておる。だから、初め言ったことが間違いだ、これはまるきり同じものだということなら、そのことはそれで話は違ってくる。その辺ははっきりしてもらいたい。前言が間違っておって、これが一緒だということなら、それでいいのだ。
  376. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 関連して。今違う、違わないの問題が出て参りましたが、あなたがおっしゃっておるのは同じだという前提に立ってお尋ねをいたします。内定をしたとか、大体この機種に腹がまえをきめたんだとかおっしゃいますけれども、あなたの言うところのF11F—1Fというのは、98J—11型と同じだという前提に立ってお尋ねをいたしますが、これは二機試作をしまして、新聞、雑誌等でも報道済みの通りに、世界じゅうが認めております通りに、一機は墜落をしてしまって、一機は大破してしまった。影も形もございません。そこでどういうふうにしてそれをお調べになって——さいぜん伺いますと、仕様書も検討中で、まだ精細なところはわからぬとおっしゃる。何をその根底として、何を土台として、何を基礎として、それをおきめになったのであるか。あなたはその二機試作をしたときに、それではこわれない前に、墜落をしない前に、それにお乗りになった御経験があるのか、どうか、それを伺っておきたい。
  377. 廣岡謙二

    廣岡証人 一機墜落というようなことを言われますけれども、私は最近の確実なる情報から聞いたのでありますが、事実はこうなようであります。二機のうち一機はフランス人のパイロットが操縦をいたしておりましたが、その操縦の誤まりによって故障をした。しかし現在はグラマン工場において修理中で、おそくとも十一月一日までには飛行し得る状態になる。他の一機はJ79—GE—7のエンジンのフライ・テストをいたしますために、ゼネラル・エレクトリック・カンパニーに貸与して、現在は飛行可能であるということは確実な情報でございます。
  378. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それでは百歩譲って、あなたの今のお答えをお認めすると仮定いたしまして、それではその大破しない前、墜落しない前、あなたはそれをごらんになったことがございますか。あるいはそれにお乗りになったことがございますか。
  379. 廣岡謙二

    廣岡証人 もちろん私は行ったこともございませんから、ございません。
  380. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それでは、あなたは何を基底として、内定とか、この機種を購入する候補機にきめたとか、腹がまえをそういうふうにしたのだとかいうことをおっしゃっておられたのでございますか。
  381. 廣岡謙二

    廣岡証人 それは防衛庁が元来所管しておる事柄でございまして、防衛庁におきましても、こういう機種選定に当って、性能だとかその他の点につきましては、責任を持って十分なる資料検討をいたしております。それの提出を待って、事務局において、先ほど申しましたような各関係の幹事会等の意見をさらに盛り込んで、検討いたしております。原案は防衛庁で責任を持って検討いたしました資料であります。
  382. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 何かあなたのお話を伺っておりますると、幽霊が本物になって現われ出たようなお話でございますけれども、それでは、その飛行機が目下飛ぶような状態になっておるといたしまするならば、日本ではこういう巨額の国費を使って買い入れるというのでございますから、今後何日か後、あるいは何週間か後に、それを日本に呼んで検討をなさるという具体的な御用意はございますか。
  383. 廣岡謙二

    廣岡証人 こういうことは私だけの考えでもって処理すべきことではございません。
  384. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それは不明確ではございませんか。今故障は起きたが、簡単な故障であって、修理をしてそれが飛べるような状態になっておるというような印象を与えるお答えをしておるのです。しからば、きわめて短時間の後に、二年後とか一年後とかいうのじゃなく、少くとも一カ月後、あるいは二カ月後、あるいはもっと早く何週間か後に、日本にそれを持ってくることができるというような自信がなければ、今のあなたのお答えはできないはずです。もし、それすらも見通しがなくてお答えをしておるとするならば、これは表面を糊塗するような愚劣きわまるお答えである。しかもわれわれも、単なる情報や新聞、雑誌等に現われました記事だけでもって、あなたにこういうお尋ねをしようとする論拠としておるのじゃございません。われわれの当然信ずべき情報、根拠ある機関を通じて得ました調査資料によりましてお尋ねを申し上げておる。想像や新聞の記事、あるいは雑誌等に現われました単なるそういう点だけによってあなたにお尋をしておるのじゃございません。あなたが防衛庁による的確なる資料によってお答えになっておるものであるといたしまするならば、数週間後、あるいは長くて数カ月後、一カ月後か、二カ月後、あるいは二週間後、三週間後、日本にそれを呼んで、そうして国民の前にそれを披露して、現在二機とも健在である、こういうことができるのだという前提に立ってお答えになっておると思うが、それはいかがですか。
  385. 廣岡謙二

    廣岡証人 ただいま申しました情報と申しまするのは、八月二十九日付に、マーグのエア・フォーセス・セクションから防衛庁の空幕長にあてて参りました情報でございます。ですから、私どもは空幕長あての情報としてこれを承知いたしておるのでありまして、この程度のものでありまするならば、一つはフランス人のなれないパイロットの操縦の誤まりから胴体着陸をしたという話でありましたが、片一方の方は、完全に落ちたとかなんとかとかいう事故ではなくて、エンジンの改造によるフライ・テストをやっておるということでありまして、機体構造そのものから発生した、その欠陥がらくる事故ではないということは、想像ができると思うのであります。
  386. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 委員長に要請をいたしておきます。今、証人証言によりますと、試作をせられた二機は健在である、故障は起ったが、さしての大きな故障ではないというのでございますから、何週間か後に日本にそれを持ってきて、国民の納得のいくようにそれを披露することができるという確証を防衛庁からとってほしい。委員長にお願いいたしておきます。
  387. 田中彰治

    田中委員長 それからあなた、だれが聞いておっても、実際こんな飛行機は買わぬ方がいい。五年たったら、こんなものは要りません。あなたの答弁を聞いておりますと、グラマンがいい、グラマンがいいと言っても、たった二機しかないのでしょう。片一方は百何十機も軍隊に納めて使っているものでしょう。それと比較して、グラマンがいい、グラマンがいい——あなたの言うことを信じても、故障を起していることは確かなんです。そういう片寄ったことはやめたらどうですか。それとも、何かあるのですか、金でももらうとか、約束したとか。おかしいじゃないですか。なかったら、検討して、どっちか国民の納得するようにいたしますと答弁したらいいじゃないですか。実際おかしいよ。
  388. 廣岡謙二

    廣岡証人 私は、その間に何かあるのですかと言われますが、一切ございません。
  389. 田中彰治

    田中委員長 そんなことはないのじゃないですか。二機じゃないですか。二機と百五十機と、できたものを対照してみればいい。グラマンは二機しかできていないじゃないですか。しかもグラマンが本物であるか、前のものであるか、どっちか、同じものであるか、わからないでしょう。そういう人が国防会議事務局長なんかしているから、議長が困るんだ。
  390. 廣岡謙二

    廣岡証人 ロッキードとか、グラマンがどうだとかいう、へんぱな立場をとっているものではないのであります。
  391. 田中彰治

    田中委員長 なかったら、もっと検討したらいいじゃないですか。
  392. 廣岡謙二

    廣岡証人 この点につきましては、神近委員から……。
  393. 田中彰治

    田中委員長 二機と百五十機という比例を見たらわかるじゃないですか。しかも二機が、今まで作った古いものと同じものか、別なものなのか、それもわからないじゃないですか。おかしいじゃないか。
  394. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 証人にもう一度お尋ねをいたします。あなたがさいぜん同僚委員の各位に対しましてお答えになりましたことは、まちまちでございます。F11F—1Fと98J—11型とは同一であるというお答えをなすったかと思いますと、また違うというふうにもお答えになっておる。しかし、さいぜん私は防衛庁のある要職にある人から伺いますと、F11F—1Fは全天候ではないのである。そこで、全天候でなければ今日役に立たないので、全天候であるところの98J—11型を購入するのである、こうも言っておられるのである。今あなたは、二機は健在だ、こうおっしゃった。私が的確な情報によって、その資料に基いてお尋ねをいたしておりまするものは、二機のうち一機は墜落をいたしておる。一機は大破をしておる。二機とも存在いたさない。しかるに、あなたは存在をしておると言う。だんだんあなたの御説明を伺っておりますると、推測をもっていたしまするならば、あなたの言うF11F—1F、つまり艦上戦闘機が二機あるのだ、それに多少改良を加えたものがあるのだ、これをスーパー・タイガーと称してもいいのだ、だから、あるのである、こういうような印象すら受けるのでございます。そこで、私はあえてこれを明確にすることが、国防会議の権威を保持する上に、また防衛庁の権威の上に必要であるから、私はお尋ねをいたしておる。あえてあなたを論難攻撃しようとか、あるいは防衛庁を論難しようとか、そういう意味合いでお尋ねをしているのじゃございません。ともかく全国民がこの問題に対して非常な疑惑を持っておる。だから、これを明快に御答弁を願うために、何べんか繰り返して各委員はお尋ねをいたしておるのです。いずれにいたしましても、あなたは信用のある、権威ある情報としておとりになったものであるかもしれないけれども、われわれの権威ある、信用のおける実質的な調査資料として私の手元に参っておりまするものによりますると、試作をせられました98J—11型二機は、一機は墜落をいたしております。もう一度申し上げます。一機は墜落をして、一機は大破しております。もうこれはないのである。もしあるといたしましたならば、今私が委員長に要請いたしました通り、今後何週間か後に日本にその二機を持ってきて、国民の前にかくかくしかじかである、健在である、こういうことを実体をもって国民に立証せられるような手続をとってほしい。それを防衛庁にお取次できますか、できませんか、それを伺います。
  395. 廣岡謙二

    廣岡証人 こういうお話がこの委員会であったということは、防衛庁に申しておきます。
  396. 西村力弥

    西村(力)委員 森本委員の再質問に対してまだ不明確です。私がお聞きしましたときには、私の全責任でこれを出した、こういうことになっている。それで委員長においてこのいずれであるかということを、はっきりと最後的に決定的な質問をしていただきたい。こういうことをはっきりしないと、この機種選定なんかは防衛庁の武官がいろいろやってどんどんやってくる、それをやはりシビリアンがきちっと押えなければならぬという原則はくずれてくる。国防会議が部隊の出動まで決定する場合においても、そこがしっかりしてないと、これはまことに危険しごくだと思います。ですから、委員長において明確にその点を一つ……。
  397. 田中彰治

    田中委員長 廣岡証人どうなんですか。これはあなたが責任を持ってお出しになったということを言明できますか。
  398. 廣岡謙二

    廣岡証人 この書類については国防会議が出した資料であるということは、間違いございません。
  399. 田中彰治

    田中委員長 あなたが責任を持てますか。
  400. 廣岡謙二

    廣岡証人 出したということについては責任を持ちます。
  401. 田中彰治

    田中委員長 内容についてどうです。
  402. 廣岡謙二

    廣岡証人 内容についてももちろん私が知っておるのですから。
  403. 田中彰治

    田中委員長 それでは皆さんにお諮りいたします。本日の証人証言にいろいろ食い違いがありますから、あとで速記録を調べて理事会と相談して、もし偽証があれば告発いたします。証人に対する尋問はこの程度にいたします。証人には長時間にわたり証言をなされ、御苦労さまでございました。お帰りになってけっこうです。それでは淡谷君。
  404. 淡谷悠藏

    淡谷委員 管理庁の監察局長に、きょうは一つ打ち込んだ質問をしたいと思うのです。  防衛庁がここ数年いろいろなおもしろからざるうわさ、あるいは事実のうずの中に巻き込まれておりますのは御承知通りであります。古ぐつあるいは中古エンジン、このたぐいのうちは、まだあなた方の方でも手を入れそうな気配もございましたが、事軍艦とか飛行機のように大きなことになった今日では、ほとんど行政管理庁では手をあげて、これを見ているにすぎないように思うのですが、一体行政管理庁は国防会議とか、あるいは防衛庁の幕僚会議とか、こういう面まで行政監察の手を伸ばすことができるかできないか、あなたのお考えを伺いたい。
  405. 犬丸実

    ○犬丸説明員 監察局の権限から申しますと、行政機関一般の監察はできることになっております。国の機関である以上は……。しかしながら軍艦であるとか、あるいは航空機であるとか、そういったものに関連いたしましては、私どもの方の技術者もおりませんし、そういった能力の問題からいたしまして、今のところそっちの方の監察を行うことは、能力的にはできないと思っております。
  406. 淡谷悠藏

    淡谷委員 私は行政管理庁のいろいろな仕事に対して、実はこのごろ疑点を持っております。特に行政管理庁の内部の綱紀に対して非常に大きな疑惑を持つ。あなたは昭和三十三年の一月に新宿のコマ劇場の付近で、あなたの監察局の副監察官が、航空自衛隊の幹部の夫人に対して暴行を働いた事実を聞いていますか。
  407. 犬丸実

    ○犬丸説明員 その点につきましては暴行とかなんとかいう点は、はっきりいたしませんけれども、その副監察官とそれから自衛隊の自衛官の細君との間に、何か関係があるというようなうわさを聞いたことがございます。
  408. 淡谷悠藏

    淡谷委員 そのうわさについて、あなたは最近確かめられた事実はございませんか。
  409. 犬丸実

    ○犬丸説明員 最近本人について調査いたしましたし、それからその自衛官の方にお話を伺おうと思って連絡いたしましたが、まだその連絡はつきませんので、その方のお話は伺っておりません。
  410. 淡谷悠藏

    淡谷委員 話がそこまでわかっておりますと、はっきり申し上げますが、あなたの局の中に斎藤登四郎という副監察官がおるはずです。この人は六月の二十三日から二十九日まで出張しているはずですが、間違いございませんか。
  411. 犬丸実

    ○犬丸説明員 その通り出張命令が出ております。
  412. 淡谷悠藏

    淡谷委員 この復命書は出ていないのですか。
  413. 犬丸実

    ○犬丸説明員 復命書は出ております。
  414. 淡谷悠藏

    淡谷委員 出ているのですか。二十三日から二十九日までどの地方に旅行されましたか。
  415. 犬丸実

    ○犬丸説明員 石川、福井、新潟、富山だと思います。
  416. 淡谷悠藏

    淡谷委員 石川、富山、福井、新潟と行った人が、六月の二十七日の午後九時十五分ごろにどこにいたように復命書にございますか。
  417. 犬丸実

    ○犬丸説明員 復命書には二十三日から二十九日までその要務をしたと書いてありまして、二十七日に帰ったというようなことは書いてございません。
  418. 淡谷悠藏

    淡谷委員 あなたはこれを詳しくお調べになりましたか、事実かうそか。
  419. 犬丸実

    ○犬丸説明員 一応地方局の方に照会いたしました、何日に行ったかということを。
  420. 淡谷悠藏

    淡谷委員 今日はもう時間がありませんので、私事実だけお話しまして、あなたにはっきりお調べを願いたいと思うのです。この相手の婦人は人事院ビルの地下の売店におる婦人です。しかも斎藤登四郎は、この人事院ビルの地下の売店に関しまして、移転の際さまざまなうわさの立っている人間です。それから私もこうなりましたら、お互いに一身上の問題ですから、この婦人の身分を明らかにしますが、現在親元にいます二等空佐の山内保三の夫人です。この人が自分で言っているのは、「昭和三十三年一月末頃行政管理庁副監察官斎藤登四郎から食事をさそわれ、新宿三平本店にて斎藤はビール二本とランチを食べ、私はみつ豆とランチを食べましたが、支払は私に払わせました。それから斎藤はコーヒーを飲もうとさそって、木馬という店に行き、コーヒーをのみました。斎藤が大久保駅までは近いから歩いて帰ろうと言うので、私は此の付近の地理が不案内な為、ついて行きました。コマ劇場付近の小路に入って何か物色してみる様子なので、私は「何をしているのですか」と聞いたら、斎藤は「この辺に面白いものがあるから一寸のぞいて行こう」と言ったので、私は断り、「遅くなるからすぐ帰りましょう」と言ったら、突然私の右腕を強く押えつけ、私を引っ張って旅館に入れて部屋に鍵をかけて終いました」云々と書いてある。これは私は真偽のほどはとうていわかりませんが……。
  421. 田中彰治

    田中委員長 ちょっと淡谷委員に申し上げますが、出張旅費をごまかした点と関連があるならいいのですが、それですか。
  422. 淡谷悠藏

    淡谷委員 それなんです。その通りなんです。こういう事実があってから、自来ずっとこういう関係が続いている。しかも六月二十七日は、あなたの方の出張簿によりますと、新潟か富山か石川かどこかにいるはずですが、その人が国電東中野駅から帰宅の途中のこの山内の夫人に対して、主人が遠地勤務の関係上不在であることを知っていながら、強引についてきて、あかりを消してしまってふろに入っておったのに、突然山内が帰宅したので、あわてて——これは山内を見つけられているのです。これが公務出張といえましょうか。これに対して旅費を払っているならば、これは明らかにから出張であり、旅費のごまかしだろうと思う。しかもこれは監察局の副監察官なんですな。相手は防衛庁関係の航空自衛官です。こんな関係にあって、果してあなたははっきり監督ができるものか、監察ができるものか。これではまるで行政管理庁というのはあってもなくてもいいような存在だと私は思う。そのときおみやげに持って参りまして、忘れて置いていったというまんじゅうがこれです。これを見ますと、明らかに三十三年六月二十六日付で、新潟県長岡市呉服町一丁目六百九十三番地の虎屋謹製の定価五十円のまんじゅうです。こんなだらしのない副監察官を自来二カ月ですか、この間全くわからないでおったというあなた方の態度について、私はあなたのお覚悟を聞きたい。
  423. 犬丸実

    ○犬丸説明員 ただいまの婦人関係につきましては、私どもも直接聞いておりませんし、先ほど申し上げましたように、自衛官の夫人の方と連絡をとっておりますが、まだとれませんので、お会いしてお聞きしていないわけでありますが、ただ、うわさとして、そういうことがあるということを聞きましたので、それはできるだけ確かめて、何らかの処分をいたしたいと思っております。それから今の出張から二日ばかり早く帰ったというのでありますが、この点は本人が認めております。従いまして、これは正当な行為でありませんので、旅費の点につきましては、返納させるような手続をいたしております。結局こういったものが出ました点につきましては、監督者としてまことに申しわけないと思っておりますが、全般的に見まして、監察局の職員が非常に廉直であり、綱紀が比較的ほかの官庁よりも正しいと私どもは自信を持っておるのでありますが、たまたまこういうことが出ましたことは、まことに遺憾でございまして、少くとも出張の形において、から出張になった点につきましては明瞭でございますので、この点については十分な処置をいたしたいと思っております。
  424. 淡谷悠藏

    淡谷委員 これは二十七日はおそらく出張はしていなかったと私は思う。晩には東中野におったわけですから、新潟から飛行機ででも飛んでこなければ、そんなに早く来れないと思う。二十七、八、九という三日が、まさに公金を横領した形なんです。こういう事実は今までございましたか。
  425. 犬丸実

    ○犬丸説明員 今までございません。
  426. 淡谷悠藏

    淡谷委員 私きょうは事実を述べて、あなたに善処をお願いしますけれども、少くとも監察局の内部にこんな事実が伏在して、しかも六月以来旅費を横領した点からいきましても、三カ月くらい経過しておるのです。それが灯台もと暗しで、わからないようなことで、これは高田茂登男君が不正者の天国と言ったのは当りまえです。不正者と言った者が首を切られまして、不正者自体が庁内にはびこっておるのでは、とうてい監察の役にたえないと思うので、その点は厳重にお調べの上、はっきりした処置をとられんことを希望いたしまして、私は終ります。
  427. 森本靖

    ○森本委員 関連して。そのことでありますが、今まで各官公庁で、そういうから出張ということが非常に多くて、それがしばしばあげられた例が多いわけです。ところがそれをあとからわかって旅費を返納させて、事を済まそうというふうな風習がある。そこでちょっとお聞きしておきたいのですが、婦人関係云々は別として、その旅費を返納したいとか、あるいはまた私はその二日間出張発令になっておったけれども、実はこっちに帰ってきておったというようなことを、本人が進んであなたのところに言ってきたのか、それとも上級者の方から君はこうこうこういうことで、このときには出張していなかったのじゃないかという取り調べをして、初めて私は出張しておらなかったというふうに言われたのですか、どっちですか。
  428. 犬丸実

    ○犬丸説明員 こちらの方から聞きまして、そう申したのであります。
  429. 森本靖

    ○森本委員 だから、そういう点については、よく往々にしてあることです。そういう場合には部下をかばうという点については、私は同情するけれども、これはまた将来の問題もあるので、これは明らかに公金横領なんです。そういうふうに放費を返納させて若干の処分をして、それだけで済ますというようなことであると、この悪弊が絶えない。だからこういう点についてはあなたが今言ったように、旅費を返納させて、簡単に済ますというようなことでは、われわれは断じて納得しないということを言っておきますから、適当なはっきりした処分をお願いしたい、このように思います。
  430. 田中彰治

    田中委員長 この際お諮りいたします。だいぶ時間も経過いたしましたので、川島河野左藤証人につきましては、本日は証言を求めず、日を改めて出頭願い、証言を求めたいと存じますが、これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  431. 田中彰治

    田中委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。  なお、本日証言を求めなかった証人及び去る八月二十二日に決定いたしました他の残りの証人出頭日時決定及び出頭の手続につきましては、委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  432. 田中彰治

    田中委員長 御異議なければ、そのように決しました。  本日はこの程度にとどめ、次会は来る九日火曜日午前十時より開会いたします。  本日は散会いたします。     午後六時二十八分散会