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1958-06-30 第29回国会 衆議院 議院運営委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年六月三十日(月曜日)     午後二時五十六分開議  出席委員    委員長 江崎 真澄君    理事 荒舩清十郎君 理事 武知 勇記君    理事 福家 俊一君 理事 松澤 雄藏君    理事 山村治郎君 理事 佐々木良作君    理事 山本 幸一君       飯塚 定輔君    岡崎 英城君       竹下  登君    中村 寅太君      橋本登美三郎君    長谷川 峻君       古川 丈吉君    毛利 松平君       木下  哲君    栗原 俊夫君       小林  進君    小牧 次生君  出席国務大臣         法 務 大 臣 愛知 揆一君         国 務 大 臣 青木  正君  出席政府委員         警察庁長官   石井 榮三君         警  視  監         (警察庁刑事局         長)      中川 董治君         検     事         (刑事局長)  竹内 壽平君  委員外出席者         議     長 星島 二郎君         副  議  長 椎熊 三郎君         事 務 総 長 鈴木 隆夫君         警  視  長         (埼玉警察本         部長)     曽我部 久君         参  考  人         (埼玉警察本         部刑事部捜査二         課埼玉警部) 朝日 次郎君     ————————————— 六月二十八日  委員久野忠治君、田中龍夫君、橋本正之君及び  森清辞任につき、その補欠として福永健司君、  三和精一君、原田憲君及び佐々木盛雄君が議長  の指名委員に選任された。 同月三十日  委員佐々木盛雄君、佐藤虎次郎君、原田憲君及  び三和精一辞任につき、その補欠として岡崎  英城君、橋本登美三郎君、竹下登君及び中村寅  太君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  議員高石幸三郎君の逮捕について許諾を求める  の件      ————◇—————
  2. 江崎真澄

    江崎委員長 これより会議を開きます。  議員高石幸三郎君の逮捕について許諾を求めるの件を議題といたします。  本日は、青木国務大臣愛知法務大臣石井警察庁長官中川警察庁刑事局長竹内法務省刑事局長地元警察側から曽我部埼玉警察本部長朝日本部警部出席されております。  それでは、一昨日に引き続きまして、質疑を続行いたしたいと思いますが、前例によりまして、秘密会にいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 江崎真澄

    江崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  議員政府並びに現地関係官及び委員会の事務を担当する職員以外の方は、御退場を願います。      ————◇—————     〔午後二時五十七分秘密会に入る〕     〔午後四時四十四分秘密会を終る〕      ————◇—————
  4. 江崎真澄

    江崎委員長 本日の秘密会の記録は、衆議院規則第六十三条ただし書きの規定によりまして、その全部を、特に秘密を要するものとし、これを印刷、配附しないこととするに、御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 江崎真澄

    江崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————
  6. 江崎真澄

    江崎委員長 他に御質疑はありませんか。
  7. 山本幸一

    山本(幸)委員 私は、この際、念のために、石井警察庁長官中川刑事局長地元警察本部長御三氏に、お尋ねしておきますが、今回、本件についての国会逮捕許諾要求については、あなた方は、どうしても捜査の必要上、この許諾を必要とするという自信がおありでしょうか、このことについて、御返答願いたい。
  8. 石井榮三

    石井(榮)政府委員 私ども捜査に当る者といたしましては、本来、任意捜査捜査目的を達することが、最も望ましい、これが原則である、かように考えておるのでございます。ただいま御審議をいただいております高石代議士逮捕許諾請求にかかるこの事案につきましても、当初から、そうした観点に立ちまして、慎重検討を加えたつもりでございます。ところが、現在の段階におきましては、遺憾ながら、なお逮捕の必要性ありという結論に到達いたしておるのでございます。しかし、逮捕令状が、かりに出ておる場合でも、任意捜査によって目的を達成し得る限りにおいては、極力任意捜査努力をすべきものであり、一般刑事事件につきましても、同様そういった態度、方針をとるように、私は第一線の捜査係官には要望いたしておるのでございます。従いまして、この高石事件につきましても、今後とも、極力任意捜査によって、その目的を達成する努力を続けることは、十分いたすべきである、かように考えます。
  9. 江崎真澄

    江崎委員長 他に御質疑もないようでありますから、本件に対する質疑は、これにて終了するに、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 江崎真澄

    江崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  これより、本件について、許諾を与えるべきかいなかについての、各党態度を御表明願いたいと思います。  山村治郎君。
  11. 山村新治郎

    山村(新)委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、高石君の逮捕許諾請求に対しまして、許諾を与うべきものではないとの意思表示をいたすものでございます。  御存じのように、憲法の第五十条におきましては、「両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会会期逮捕されず、」ということが、明らかに規定されておるのでございます。従って、この規定を尊重いたしまして、当委員会といたしましては、果して高石君の逮捕請求というものが、逮捕をしなくてはならないというような事案であるかどうかということにつきまして、慎重なるところの検討を続けた次第であったのでございます。ところが、その間におきまして、たまたま同じ警察庁の中におきまして、逮捕許諾請求を撤回せんとの動きの出たようなこともございまして、このために十数日が過ごされたということは、一部世間には、何か国会がこれを握っておったかの感を与えるような事実があったことは、非常に遺憾であったのでございます。しかし、私どもは、もし、これを許諾をすべきものでございましたならば、すみやかに逮捕許諾をいたす態度をとることは、決して拒まないものでございますし、同時にまた、すでに警察内部におきましても、逮捕許諾請求を取り下げようじゃないかという動きがあったという事実にかんがみましても、いかに逮捕許諾請求根拠が薄弱であるかということを思いまするときに、あらゆる角度から、この高石君の逮捕問題につきまして検討を続けて参ったのでございまするが、たまたましさい検討いたしますると、御存じのように、高石君は、すでに国会開会中にもかかわらず、四回も出頭して、取り調べを受けておるのでございます。しかも、その買収の相手方でございまするところの高村君は、すでに釈放をされてしまいまして、高村君を釈放された現在におきまして、相手方でございます高石君を逮補いたしましても、これは何の意味もなさないものであるということを考えざるを得ないのでございます。すなわち、逮捕をするということは、証拠を隠滅するとか、あるいは逃亡のおそれがあるという場合においてのみ、逮捕すべきであるのでございまするにかかわらず、高石君は、堂々と、四回にわたって出頭して取り調べを受けておるのでございまするから、これは全然逃亡のおそれがないのでございます。しかも、証拠隠滅につきましても、すでにその相手方と目されておりまするところの高村君が釈放された現在においては、その心配も全然ないのでございまして、これらにつきましては、今まで秘密会等におきまして、あらゆる角度から当局に質問が発せられ、特に警察当局あるいは警察庁本庁出先埼玉警察本部との意見食い違い等は、一時は、この委員会を激高させるような状態にまで参った次第であるのでございまして、これらの点は、非常に遺憾に存ずる次第であるのでございます。  要すれば、こういうように、全然証拠隠滅のおそれもないし、また同時に、逃亡心配も全然ないところの高石君を、あえて、それでもなお逮捕せんとするところの警察当局態度というものは、これは明らかに人権じゅうりんであると同時に、見方によりましては、これは警察一つ面子にこだわったものであると、私どもはいわざるを得ないのでございます。  こういうような点を考えますると同時に、すでに会期も迫っておりまする今日、何か警察面子にのみこだわり、あるいはまた、高石君を逮捕という政治的な肉体的な拷問によって、無理じいに自白せしめんとするような、こういう警察態度というものは、今後とも、民主警察を建設する意味におきましても、非常に遺憾な態度であるといわざるを得ないのでございます。  特に、われわれが非常に遺憾とする点は、先ほども申し上げましたように、青木国家公安委員長並び警察庁長官石井さんと、出先埼玉県の本部長との意見が、非常に食い違っておるという点であるのでございます。こういうような意見食い違いのままにおいて、いやしくも国会議員逮捕軽々になされるということは、院の権威にも関することでございまするから、われわれとしては、絶対この逮捕許諾を与うべからざるものであるという態度を決定いたした次第であるのでございます。  私は、この態度を表明すると同時に、この審議過程におきまして、非常に各委員の方々から追及され、同時に、当局が非常にしどろもどろになったということは、警察法そのものに、非常に欠陥があるのではないかという点でございます。あるいは警察庁と検察庁とのセクト主義の現われが、いろいろな事件において現われてきて参っておるということは、非常に残念であるということを痛感せざるを得なかった次第であるのでございます。  こういうようないろいろな欠点と、特に、この事案そのものをしさい検討いたしてみまするときに、四回にわたっての出頭といい、あるいは相手方高村さんが、すでに釈放された現在におきましては、何らこれは高石さんの逮捕をすべきではない。また同時に、高石さんというものは、いつでも警察の求めがあれば出頭いたしますということを、虚心たんかいに表明しておるのでございまするから、私は、要するに、先ほど石井長官が御言明なさいましたように、任意捜査によって、すなわち、不拘束の捜査によって、ぜひとも事件の真相をきわめたいという、この長官意思を、一つ下部まで徹底せしめることができましたならば、おそらく逮捕許諾請求というものは、撤回されたに違いがなかったと思うのでございます。すなわち、逮捕許諾請求を撤回しようという動きがあったという事実は、何ものよりも雄弁に、この逮捕というものがいかに根拠のないものであるかということを、物語っておると存ずる次第でございます。  従いまして、いろいろな角度からの反対論がございますが、特にただいま申し上げました点と同時に、逃亡のおそれもない、証拠隠滅のおそれもない高石君に対する逮捕というものは、これは軽々に許すべきではないという見地から、わが党を代表いたしまして、この高石逮捕許諾請求に対しましては、許諾を与うべきものではないとの意思表示をいたしまして、自由民主党を代表いたしましての、私の意見の開陳を終ります。
  12. 江崎真澄

  13. 山本幸一

    山本(幸)委員 私は、高石君の逮捕許諾要求の件に関しまして、社会党を代表して、意見を申し上げます。  ただいま、山村委員から申されました内容通り本件は、すでに国会手続をとられてから、今日まで十日余を経過しておるわけです。従って、世間では、一部、国会が何か特別な意図をもって引き延ばしているかのごとき風説すらも、私どもの耳に入っておるわけですが、この点、私どもは、きわめて内容を明確にしなければなりません。  それは、まず第一に、十九日に、本件についての審議をいたしまして、さらに二十三日に再び審議をいたしたのでありますが、この両日の審議事態によって明らかな通り答弁側に立つ、あるいは説明をせられるところの警察庁側が、終始その答弁あるいはその態度が、あいまいであったということであります。私どもは、やはり事、議員の身分の問題だけでなく、一般国民大衆が、常に警察ファッショ、あるいは検察ファッショのために、非常な迷惑をこうむっておるという事例も、たびたび耳にしておりますし、現実に見ておりますので、従って、私どもは、議員だけでなく、国民全体のこれらの逮捕問題については、よほど慎重にこれを審議すべきである、こういう見地に立つことと、いま一つは、議員は、特に国会開会中は、憲法五十条の規定もございますので、従って、事案内容に自分が自信を持つ、こういう見地に立って、慎重にこれが審議をいたして参ったわけです。  しかるところ、今申し上げた通り、まことに警察庁内部で常に意見が不統一であったということ、しかも、二十三日、私どもが二度目の審議をいたしておりまするその晩に、高村南山という男が釈放せられたという事実、こういう点から参りまして、私どもは、軽々しく態度をきめるだけの一切の条件を整わせることができなかったのであります。  こういう関係から、本件が今日まで延び延びになって参りまして、その間、さらに事案内容を、私ども自身自信を持つために、地元警察関係諸君においでを願おう、そういう要求をいたしましたが、その要求に対しても、直ちにこれを受け入れられなかった。やっと過ぐる土曜日に御出席なすったというようと状況で、その土曜日の協議の結果、審議の結果も、やはり不統一答弁がございました。そこで、警察庁側統一的な答弁を本日までに明らかにしてもらいたい、こういう要望を申し上げて、本日御出席を願って、統一的な答弁を先ほど伺ったようなわけであります。従って、手続をされてから今日まで、十日余の時日を要しましたことは、あげて政府並びに警察庁のずさんな、いわゆる不統一意見からもたらされた結果でございまして、責任は、やはり警察庁あるいは政府がこれを背負うべきであると、われわれはこのように考えております。  そこで、私どもは、いろいろ長い間審議をいたしました結果、本日、特に先ほど秘密会を通じ、あるいは公開のこの冒頭におきましても、私は、警察庁石井長官並びに刑事局長、あるいは地元警察本部長に、この逮捕についての許諾要求自信があるかということを、再度念を押しましたところ、自信があるという御答弁でございます。従って、あくまでも警察庁側自信があると称するならば、この際、私どもは、個人高石君に対しては、はなはだ同情すべき点が多々ございましても、やはりそういう点は公私を明らかにして、警察庁自信があるならば、逮捕をいたしまして、そこで捜査を行い、この事件結論を出してもらおう、こういうことに決意をいたしまして、われわれは逮捕要求に対して同意をする、こういうことにいたしたわけでございますので、その点を申し上げたいと思います。  なお、私は、この際、最後に一言申し上げたいことは、私どもは、今日まで、真剣に、私情を越え、冷静な立場に立って、審議を続けて参りましたが、そこで、もし逮捕せられ、捜査の結果、それを振り返ってみて、そうして、逮捕をしなくてもよかったなあというような、そういう事態があとから判明いたしますならば、その際には、当然私は、警察庁以下関係者責任をとるべきであるということを、念のために申し上げて、今後とも、これらの逮捕については、慎重を期し、自信のある態度一つおやりいただきたいことをば付言をして、私は賛成を申し上げます。
  14. 江崎真澄

    江崎委員長 これにて各党態度の表明は終りました。  それでは、これより採決に入ります。本件許諾を与えるべきものと議決するに賛成諸君挙手を願います。     〔賛成者挙手
  15. 江崎真澄

    江崎委員長 挙手少数。よって、本件許諾を与えるべきでないと議決いたしました。(拍手)  なお、本件に関する委員会報告書の作成につきましては、先例によりまして、委員長に御一任願いたいと思いまするが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 江崎真澄

    江崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  それでは、本件は、明日は定例日でもありまするから、明日の本会議において議決することにいたしたいと思いまするが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 江崎真澄

    江崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  明日の本会議は、定刻から開くことといたします。従いまして、午前十一時から議事協議会を開会し、議事協議会散会後に委員会を開会することといたします。  本日は、これにて散会いたします。     午後五時五分散会      ————◇—————