○森八三一君 大体ただいまの
総理の御
答弁で了承はいたしましたが、かりに
世界的人類全体の
要望である原水爆の
実験禁止の問題にいたしましても、私は、
新聞記事を通しての程度の知識ではございますが、一方の雄である
アメリカでも、これは何とか
一つしなきゃならぬという
考えは広くお持ちになっておるようでありまするし、
ソ連の方でもそういう
考えはお持ちになっておるように見受けますが、さて、そのことをわれわれが提唱いたしましても、なかなか具現しない。お前の方が先にやめりゃといったようなことで、他を顧みてものを言っておるようなふうに私は受け取れて、非常に残念なんであります。今、この
超党派外交の問題につきましても、まさにそうだということで、
理念的には
同感の意を表されました。私は、前段にも申し上げましたように、内政上の
問題等でどうしても
政策上食い違っておるものをまとめようということは、これは無理だと思うのです。思いまするが、一番
最初に
総理のお述べになったような
日本の
外交上に持っておる
基本的理念というものについては、これはもう
日本人である限り、私は違わんと思うのです。
目標が
一つなれば、それを具体化するためのとるべき
対策についても、話し合ってみれば、これは
一つにならなきゃうそだと私は思うのです。
究極が違っておるやつは、これはどんなに話し合ってみたって
一致しっこはありませんけれ
ども、結論が一緒なれば、そこに行く道行きの問題についての具体的な
対策については、話し合えば、これは
日本人である限り、私、話は合うと思うのであります。
でございますので、どうぞ
一つ——今、時期を明確にどうするとか、具体的にどうするということは明言しかねる、これは私もそのことはわかります。わかりますが、そういうことに
言葉をかりて、いつまでもじんぜんと日を送っておるということでは、
国民多数の
心配しておる当面する問題の
処理か私は困難になると、こう思いますので、一刻も早く
政府の行う
外交上の
対策について、足を持って引っぱるような
態度はなくなるということをはっきりやってもらいたい。このことなくしてこれは乗り切れないのじゃないかという
心配を持ちますので、非常に御苦労願っておるその御苦労に対しては衷心感謝いたしますが、その御苦労が実を結ばんという危険を感じますがゆえに、あえて私は繰り返し申し上げまして、
総理の善処を急速に期待するとお願いを申し上げるのであります。方向において
一致だ、なるべく早くそういう時期を作ろうということでございますので、それを期待いたします。
その次に、私は、
外交上の問題は全くしろうとでございますが、地方へ参りますると、素朴な農民の
諸君や漁民の
諸君やなんかから始終質問せられまして実は
答弁にも困っちまう
事態がある。それは、小さな問題のようではありまするが、また、これは大きな問題とも見るべきである
竹島の問題なんです。私
どもは、
日本海の
孤島竹島は、これはまごうことなく、われわれの先祖から引き継いだ
日本の領土であると
確信をいたしております。これは、
サンフランシスコ条約にも何にも
関係のない、放棄したものでも何でもない、全く
日本の
国土であるというように
確信をしております。その
竹島に韓国の軍隊が警察か何か知らぬがやってきて、最近は何か施設までしておるという話なのであります。で、一体これはどうしたことだろう、こんなことで一体いいのか、まるきりなめられ切っているのではないかというようなことを素朴な
人々は申すのであります。そこで、そういう
人々が質問して申しまするのに、一体あれは
外国人が
国法を犯して
密入国しておるという姿でございますか、もし
密入国という姿であれば、何も遠慮することはないので、
日本の
国法に照らして逮捕、送還すべき筋合いではございませんか、なぜそれをおやりになりませんか、もしそれが
不法密入国ではなくて、不正の侵略であるということであるなれば、これは
日本の国もなけなしの国費を費して
国土防衛のための
自衛力を持っているのだから、その
自衛力の発動をすべきではございませんか、という質問。で私は、戦後十年は経過したとは申しましても、まだ
日本が対外的に侵したいろいろな問題について
十分清算をされておらぬ、国によってはまだ非常な疑心暗鬼を持っておる、われわれがほんとうに平和に立ち上っているのだということについての
十分理解がないために、今直ちにそういうような行動をとるということは、将来に向って
日本の
発展を妨げる、あるいはまた、
日本が孤立するという危険を感ずるがゆえに、十分
考えなければならぬことだ、必ずしもそういう端的な感情に訴えたような行動というものは賛成がしかねると、こういうようなことを申しますると、それじゃ、日米安全保障条約というのは一体どうなんですか、
日本の
国土が侵されたときには、それを
一つ防衛してやろうというためにこそ存在しているのじゃございませんか、だから
日本の国が直接手を下すということが非常にいかぬ、それは将来に非常な危険を残すということであるなれば、行政協定なり保障条約によっての措置をとるべきではありませんか。そいつをやってくれぬ、要請してもやらぬということであるなれば、一体条約は無価値なものになるのじゃないか。駐留軍の存在を許しているのはおかしいじゃないかといったような、これは素朴な農山村の
人々の声でございますので、直ちにそれをどうこうというわけには参りませんかもしれませんけれ
ども、多数の
国民はそういう感じを私は持っているということをさまざま聞かされるのでございます。そういうことに対して一体
総理はどうお
考えであるのか。こういうことをそのままほうっておきますと、やはり
日本の
外交なり、
政府の
態度に対して
国民というものは非常な不安を持ってくる。そうして、せっかく岸さんを支持している
連中も、だんだんこれは頼りにならぬと、こういうことになっていく危険がありはせぬかと思いまするので、そういうことも含めて、一体こういう問題はどうお
考えになるのか。
竹島問題は、あれは
密入国とみるべきであるのか。
密入国なら、そういう措置をおとりにならぬのはどうだ。不法占拠だということになれば、これは当然自衛の手段に訴えるべきではないか。しかし直ちに
日本の国が自衛行動を起すということは、
国際情勢、過去のこと、将来を
考えますると、とるべき当面の策ではないということはわかりますから、条約に基く措置をとるということが当然のことではなかろうかと思いまするが、どうお
考えになるのか。