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1958-04-25 第28回国会 参議院 本会議 第28号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年四月二十五日(金曜日)    午前一時三十二分開議     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第二十七号   昭和三十三年四月二十五日    午前零時五分開議  第一 核原料物質核燃料物質及   び原子炉の規制に関する法律の   一部を改正する法律案内閣提   出、衆議院送付)(委員長報告)  第二 北海道地下資源開発株式会   社法案内閣提出衆議院送付)           (委員長報告)  第三 相続税法の一部を改正する   法律案内閣提出衆議院送付)           (委員長報告)  第四 日本開発銀行法の一部を改   正する法律案内閣提出衆議   院送付)    (委員長報告)  第五 日本電信電話公社法の一部   を改正する法律案内閣提出、   衆議院送付)  (委員長報告)  第六 お年玉つき郵便葉書等の発   売に関する法律の一部を改正す   る法律案内閣提出衆議院送   付)      (委員長報告)  第七 法務省設置法の一部を改正   する法律案内閣提出衆議院   送付)     (委員長報告)  第八 農林省設置法の一部を改正   する法律案内閣提出衆議院   送付)     (委員長報告)  第九 厚生省設置法の一部を改正   する法律案内閣提出衆議院   送付)     (委員長報告)  第一〇 運輸省設置法の一部を改   正する法律案内閣提出衆議   院送付)    (委員長報告)  第一一 国家公務員共済組合法の   長期給付に関する施行法案(内   閣提出衆議院送付)           (委員長報告)  第一二 防衛庁設置法の一部を改   正する法律案内閣提出衆議   院送付)    (委員長報告)  第一三 自衛隊法の一部を改正す   る法律案内閣提出衆議院送   付)      (委員長報告)     ━━━━━━━━━━━━━
  2. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。      ——————————
  3. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) これより本日の会議を開きます。  木島虎藏君外一名から、賛成者を得て、社会労働委員会において審査中の、日本労働協会法案について、本日、すみやかに、社会労働委員長中間報告を求めることの、動議提出されました。  本動議に対し、討論通告がございます。発言を許します。平林剛君。(「大臣がいない」と呼ぶ者あり)   〔平林剛登壇拍手
  4. 平林剛

    平林剛君 私は、日本社会党を代表し、日本労働協会法案に関し、中間報告を求める動議に対し、反対討論を行おうとするものであります。(拍手)  反対理由の第一は、中間報告を求める動議は、国民に公約した国会正常化を破る行為で、多数議席を利用した、不当な措置であるからであります。第二十八国会は、明日に予定せる国会解散を前にし、重要法案もほぼ順調に進みまして、今、岸内閣が今日まで、国民意思を問わず、民主主義のルールを無視した政権担当にかじりついた行為と、国民生活日本経済混乱に導いた政策の失敗を、主権者たる国民判断を求めようとするときに、一体何のために、日本労働協会法案を、この深夜の国会中間報告を求めようとするのでありますか。(拍手)突如、かくのごとき無謀な挙に出たことは、いずれ来たるべき総選挙で厳正峻烈な批判にさらされることは当然のことではありますが、国民批判をおそれぬ不当な措置は、われわれの断じて許すことのできない行為であります。(拍手)  この動議が、多数横暴の行為であるばかりでなく、国会運営の上における従来の慣行を破り、物事の道理をわきまえぬものと言うべきであります。なぜかと言えば、日本労働協会法案の母体とも言うべき、経済基盤強化のための資金及び特別の法人基金に関する法律案は、まだ衆議院段階において審議中で、その成立を見ておらないからであります。いわゆる経済基盤強化法案は、御承知のように、昭和三十二年度における四百三十六億に上る税金の取り過ぎを、たな上げするとともに、その一部を、まだ構想もはっきりしないアジア開発基金出資財源として、五十億を日本輸出入銀行に、また、十五億円を日本労働協会出資しようとするものなどで、国民一般からは、特に批判の強い法律案であります。このため衆議院の大勢は、今議会成立させることは選当でないとして、自由民主党でも、その成立を断念しているものであります。基本法たる経済基盤強化基金法成立しない以上、日本労働協会に対する十五億円の出資は認められないのであります。財源がなくて、一体日本労働協会運営をどうして行おうとするのでありますか。このようなわかり切った理論を無視して強行突破をはかることは、自由民主党の本領を遺憾なく発揮した竜のでありますが、議会政治のよい慣行を守る日本社会党は、断じてこれを認めることはできないのであります。(拍手)  反対理由の第三は、日本労働協会法案が、従来、その他の重要法案の陰に隠れて、一般の関心に薄かったのでありますが、その内容を検討してみると、きわめて重要な意味を持つ法律案で、なお慎重な審議を必要とするからであります。民主的な労働運動に対して、絶えず反動的な労働政策を強行した岸内閣が、労働問題に対する研究と、労働者使用者並びに国民に対して、労働問題に対する理解良識をつちかうために、啓蒙教育宣伝をする機関を設置して、民主的ベールをかぶせながら、国民批判を誤まった方向に指導し、やわらかに権力的弾圧を行おうとするもので、その目ざすところは、日本労働組合運動を分裂、支配するところにあると思うのであります。私はこのような時代に逆行する反動法案には、国民とともに、慎重な検討を要するもので、委員会において、なお十分慎重な審議を強く要望するものであります。  今、十分の審議のない段階で、あえて強行突破をはかろうとすることは、この日本労働協会法案性格が、いかなるものかを雄弁に物語るものでありまして、私はそのゆえに、中間報告を求める動議反動性に対し、強く反対し、中間報告を求める動議を、皆さんの良識で否決せられんことを心から期待いたしまして、討論を終るものであります。(指手
  5. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) これにて討論通告者発言は、終了いたしました。討論は、終局したものと認めます。  これより木島虎藏君外一名提出中間報告を求めるの動議の採決をいたします。表決は記名投票をもって行います。本動議賛成諸君白色票反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。   〔議場閉鎖〕   〔参事氏名点呼〕   〔投票執行
  6. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 投票漏れはございませんか。——投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。   〔投票箱閉鎖
  7. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) これより開票いたします。投票参事に計算させます。議場開鎖を命じます。   〔議場開鎖〕   〔参事投票を計算〕
  8. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数  百七十八票   白色票     百九票   青色票    六十九票   〔拍手〕  よって社会労働委員会において審査中の日本労働協会法案について、本日すみやかに社会労働委員長中間報告を求めることに決しました。      ——————————   〔参照〕  賛成者白色票氏名      百九名       中山 福藏君    田中 茂穂君       杉山 昌作君    島村 軍次君       手島  栄君    中野 文門君       佐藤 尚武君    河野 謙三君       松平 勇雄君    武藤 常介君       永野  護君    迫水 久常君       田中 啓一君    梶原 茂嘉君       奥 むめお君    石黒 忠篤君       森 八三一君    藤野 繁雄君       早川 愼一君    谷口弥三郎君       新谷寅三郎君    木内 四郎君       森田 義衞君    加賀山之雄君       後藤 文夫君    村上 義一君       本多 市郎君    鶴見 祐輔君       笹森 順造君    江藤  智君       仲原 善一君    成田 一郎君       西田 信一君    堀本 宜実君       鈴木 万平君    大谷藤之助君       稲浦 鹿藏君    吉江 勝保君       塩見 俊二君    前田佳都男君       三木與吉郎君    雨森 常夫君       小西 英雄君    館  哲二君       山本 米治君    小林 武治君       剱木 亨弘君    大谷 贇雄君       木島 虎藏君    有馬 英二君       大谷 瑩潤君    近藤 鶴代君       小柳 牧衞君    井上 清一君       小沢久太郎君    斎藤  昇君       小山邦太郎君    木暮武太夫君       石坂 豊一君    廣瀬 久忠君       西郷吉之助君    植竹 春彦君       草葉 隆圓君    安井  謙君       大野木秀次郎君    川村 松助君       黒川 武雄君    小林 英三君       野村吉三郎君    平井 太郎君       増原 恵吉君    松村 秀逸君       榊原  亨君    白井  勇君       最上 英子君    柴田  栄君       宮澤 喜一君    平島 敏夫君       後藤 義隆君    高橋  衛君       西岡 ハル君    横山 フク君       小幡 治和君    伊能 芳雄君       宮田 重文君    三浦 義男君       高野 一夫君    高橋進太郎君       古池 信三君    岡崎 真一君       佐野  廣君    石井  桂君       関根 久藏君    野本 品吉君       秋山俊一郎君    上原 正吉君       伊能繁次郎君    石原幹市郎君       左藤 義詮君    井野 碩哉君       杉原 荒太君    郡  祐一君       堀木 鎌三君    青木 一男君       泉山 三六君    林屋亀次郎君       横川 信夫君    吉田 萬次君       勝俣  稔君     —————————————  反対者青色票氏名      六十九名       森中 守義君    北村  暢君       鈴木  強君    藤田藤太郎君       相澤 重明君    松永 忠二君       木下 友敬君    平林  剛君       山本 經勝君    湯山  勇君       亀田 得治君    久保  等君       柴谷  要君    大和 与一君       安部キミ子君    江田 三郎君       近藤 信一君    東   隆君       大倉 精一君    竹中 勝男君       阿具根 登君    藤原 道子君       吉田 法晴君    松澤 兼人君       藤田  進君    小笠原二三男君       成瀬 幡治君    小林 孝平君       島   清君    田中  一君       加藤シヅエ君    松本治一郎君       千葉  信君    戸叶  武君       荒木正三郎君    市川 房枝君       長谷部ひろ君    竹中 恒夫君       安部 清美君    鈴木  壽君       大河原一次君    伊藤 顕道君       北條 雋八君    光村 甚助君       秋山 長造君    加瀬  完君       坂本  昭君    阿部 竹松君       松澤 靖介君    椿  繁夫君       田畑 金光君    中村 正雄君       矢嶋 三義君    横川 正市君       小酒井義男君    河合 義一君       松浦 清一君    天田 勝正君       高田なほ子君    片岡 文重君       永岡 光治君    重盛 壽治君       羽生 三七君    曾禰  益君       栗山 良夫君    山下 義信君       棚橋 小虎君    内村 清次君       山田 節男君      ——————————
  9. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 委員長報告準備のため、三十分間休憩いたします。    午前一時五十一分休憩      ——————————    午前二時三十四分開議
  10. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。  日本労働協会法案について社会労働委員長中間報告を求めます。社会労働委員長具根登君。   〔阿具根登登壇拍手
  11. 阿具根登

    ○阿具根登君 ただいま議題となりました日本労働協会法案中間報告を行うものでありますが、先ほどの平林委員討論にもありましたごとく、本案密接不可分関係にある、すなわち、日本労働協会運営財源たる基金として十五億円を政府より出資せんとする経済基盤強化のための資金及び特別の法人基金に関する法律案は、いまだ衆議院において審査中であり、今期国会での成立は全く望みがないということは明確な事実であります。しかるに、この基金に関する法案関連関係にある日本労働協会法案を、何ゆえに突如として委員長中間報告を求めるという手段をもって本会議に取り上げ、強引にその成立をはからんと意図するかは、委員長として全く了解に苦しむところであり、最も遺憾とするところであります。しかしながら、私は委員長としての重責を自覚し、本院の決定に従い、以下、私情を交えず、公正に報告せんとするものであります。(拍手)  本法案の趣旨は、近代的な労使関係の確立を促進するために、労使及び国民一般労働問題に関する理解良識をつちかうことを目的として、日本労働協会を設立しようとするものであります。  その内容のおもなるものは、第一に、協会法人とし、これに十五億円の基金を設け、政府が全額世出して事業継続性を確保すること。第二に、協会の役員として、会長一人、理事五人以内及び監事二人以内を置き、労働問題について公正な判断を下すことができる学識経験者の中から任命するとともに、十五人以内の学識経験者をもって組織する評議委員会を設けること。第三に、協会業務として労働問題に関する研究、資料の整備、出版、放送、講座の開設及び労働組合使用者団体等の行う教育活動援助等を行うこと。第四に、協会の財務、会計、監督等について所要の規定を設け、特に、労働大臣監督命令については、協会運営自主性に不当に干渉しないよう明文を設けたこと等であります。  本法律案は、二月十一日、予備審査のため本委員会に付託せられ、四月九日、衆議院送付案を本委員会に付託せられたのであります。  委員会におきましては、予備審査のため、三月十三日、石田労働大臣より提案理由等を聴取いたしました。次いで、本案重要性にかんがみ、審議の周到を期するため、質疑に入るに先だち、四月二十一日、次の学識経験者より、参考人として意見を聴取いたしました。明治大学教授松岡三郎君、国立国会図書館長金森徳次郎君、早稲田大学教授野村平爾君、慶応義塾大学教授藤林敬三君、労働経済評論家岡十万男君、読売新聞論説委員樋口弘其君の各氏であります。次いで、四月二十三日、本委員会及び社会労働大蔵委員会連合審査会を開きました。  両委員会における質疑応答のおもなるものは、次の通りであります。  社会労働大蔵委員会連合審査会において大矢委員より、日本労働協会法は、政府労働行政に直接関係ありとして、労働大臣労働情勢判断について質問されたのに対し、石田労働大臣は、「わが国労働運動は、戦後の混乱期を脱して、漸次健全な方向に進んではいるが、労働運動の歴史の浅さから、一方において使用者側の無理解があり、地方、労働組合側においても、労働組合運動目的社会秩序改変に向けようとするもの、あるいは客観的な諸情勢と離れて逸脱した行動に走るものあり云々」との答弁がありました。これに対し大矢委員から、「社会秩序改変に向って活動している労働組合客観情勢から離れた労働運動を行なっている労働組合がどこにあるか」との質問に対し、石田労働大臣は、「自分の所管である労働行政について具体的な名前をあげることは好ましくない」と答弁し、さらに重ねて「労働組合が、その団結力及び組織力をもって、社会秩序等改変しようとする傾向が随所に見られる」と発言されました。随所という言葉は訂正されましたが、この見解は、非常に重大問題でありまして、関連して、小笠原委員は、さらにこの問題を追及して、かかる労働組合の具体的な実例を問いただしましたところ、石田労働大臣は、「たとえば、争議行き過ぎのために経営自体を崩壊に導いた例もあるし、また、争議手段が適当でなかったために、組合の本来の目的が達せられなかった例もある」と言い、さらに「現在すでに解散になっておる産別会議のごときは、その綱領において社会改革目標にしている」という答弁がありました。小笠原委員は、争議行き過ぎとか、争議手段が適当でなかったという点は、経済秩序社会秩序改変する意図を持つことにはならないし、産別会議はすでに解体しており、それをもって議会活動によらずして社会秩序を危殆に陥れるような労働運動がところどころに見られるという見解を、労働行政を担当されておる石田労働大臣が持っておられることを重大視し、重ねて質問しましたところ、石田労働大臣は、「社会秩序経済秩序という言葉は、使用者側の態度について言った言葉をそのまま受けての表現になったが、労使あるいは国民の間に労働運動に対しての十分な認識と知識があるようには思われないので、それを持たせることが必要であるという意味で言ったのである」という旨の弁解答弁がありました。しかしながら、後に至って、さらにこれを追及すると、労働大臣は、このときの答弁で、適当ならざるものを全面的に取り消され、労働組合に関する認識に全く自信のないことを明らかにしたのであります。  また、大矢委員の、「大臣は、衆議院社会労働委員会で、労働協会教育活動を行うものではなくて、普及運動をするのだとの答弁をしているが、教育活動普及運動とは、多少の相違があるのか、全く同じものであるのか」との質問に対し、石田労働大臣は、「この協会目的は、内外の労働情勢労働問題に関する調査研究を行い、その結果を世間に知らせる、また、先進国状態や、国内において、よき労働慣行樹立されている状態、それに至る経過等世間に紹介することによって、労使関係を近代化し、産業の平和をもたらして国の経済力の増強をはかるにある」旨の答弁がなされました。次に、平林委員より、「大臣は、協会政府自分でやるのは適当でない旨の答弁をされておるが、法律案の中には、労働大臣がいろいろな権限を持っていろいろな監督上必要な命令を出すことができるようになっておるから、実際上は、政府民間ベールをかぶせて大衆的、民主的な性格を持っておるかのような誤解を持たせておいて、その実、政府がこれを監督し、労働教育を行うのではないか」との質問に対し、石田労働大臣から、「労働に関する啓蒙宣伝が役所において、発案、計画され、行われたのでは、大衆性に乏しく効果が十分に期待できないので、民間人々にやっていただきたいというもので、大臣協会に対する監督権は、一般政府出資に基く特殊法人の示す当然の条件であり、協会中立性独自性を失わしめないためにその範囲は経理、財政の面、及び目的に逸脱した行為をなさしめない程度にとどめ、その業務、この法律の差し示す範囲内の業務の遂行については、中正を維持せしめる規定を別に設けてある」旨の答弁がありました。  次に、栗山委員から、「日本近代的労使関係を確立するために労働協会を作るというが、その前になすべき重要な仕事を労働省は落しておるのではないか、労働組合法と並んで重要な労働基準法が励行されていない、逆の言葉でいえば、基準法はあってなきがごとき状態にしておいて、近代的労使関係樹立などということは、少し言葉が過ぎはしないか、従って、こういうことをやる前に、いささかでも労働省が使える金があるならば、労働省の役人でもふやして、労働基準法の完全な実施のために努力をするという決意があるかどうか」という旨の質問があり、これに対し石田労働大臣から、「労働基準法をいかなる事業にも完全に適用していくことが、近代的労使関係樹立基本であると思っておる、就任以来積極的に改善の方途を講じておるが、労働基準法の要求するもののうち、産業界の一部については現状に即しない面もあるので、経営者使用者の中には基準法現状に合うように改正すべしとの議論もある。しかし、わが国産業界一体のレベルの上から見てそのギヤップは、指導、啓蒙によって、できるだけすみやかにこれを埋め、基準法の要求する線へ全産業が近づくように努力することが、労働省の現実に即したやり方であると考えておる」旨の答弁がありました。  さらに、平林委員から、「日本労働協会労働問題について研究調査を行い、その結果によって教育啓蒙宣伝を行う、この教育啓蒙宣伝が、政府意思と反しておる場合であっても、労働大臣業務上の監督命令をしないか」との質問に対し、石田労働大臣は、「政府意図と違ったことを協会がしても、それはやむを得ないことで、政府意図と違うという理由業務上の命令を下すことは、第三十五条第三項の協会業務運営自主性に不当に干渉してはならないとの規定に違反することになる」との答弁があり、さらに平林委員から、「自主的に行わせる。政府方針と違ってもやむを得ないというが、協会事業の中に放送を行うという項がある。たとえば総評が資本家と対立して一大争議が行われておるときに、日本労働協会がいろいろ研究して、その所見を放送するとする、これは自主的に行う場合でも、そういう時期に行うことは議論がある。たとえば河野企画長庁官が私鉄の争議で賃上げを認めるならば、これは運賃値上げ関係があると、争議の最中に言明したことがあるが、争議をやっておるときに、かかる発言をすることが、一体どういう政治的な影響を与えるかに問題がある。同じように労働団体争議を行なっておる最中に、日本労働協会がかかる放送を行うとすれば、問題があるし、さらに政府が、その時期に行う方が効果があると判断して、業務命令でやりなさいということになれば、大いに問題がある。その点はどうか」という質問に対し、石田労働大臣は、「この協会目的は、そういう個々に起っておるジャーナリスティックな事象をとらえて、それについて見解を発表するがごときものではない。また争議の最中に協会質問のような筋の放送することも、政府業務命令を出して放送せしめることも、その両方とも、第三十五条第三項に規定してある自主性に対する不当干渉と考える」旨の答弁がありました。  また社会労働委員会におきましては、山本委員よりの、「労働大臣は新聞社等報道機関論説委員学識経験者等を集めて懇談会をしておる。その懇談会内容は、報道機関を通じて国民大衆に流れていく。これは協会法の中で言っておる労働問題に対する理解と常識を国民全体に浸透させるという目的と合致しておると思う。そうすると、協会がなくても、現在の労働教育行政の中でも、かなり有効になし得るのではないか」との質問に対し、石田労働大臣から、「新聞の論説委員等懇談会を持つことは、結果的には労働行政方針を広く国民に伝えることにもなるが、同時にこれらの人々意見を聞いて、労働行政参考にも供するのであって、宣伝活動を直接の目標としておるわけではない。また、啓蒙宣伝には多くの分野があり、たとえば出版物にしても、問題の取り上げ方、扱い方が大衆性を持つか持たないかということは、編集者、執筆者の長い経験、知識、立場に影響されるところが大きく、役所的文書は資料としての価値はあっても、労働問題の理解を深めるためには不十分だと思う。いわゆる民間人的感覚で編集し、執筆し、映画を作成することが必要であると思う」との答弁がありました。さらに山本委員からの、「労使間において、どういうことが良識なのか」との質問に対し、石田労働大臣から、「労働運動の歴史及び現状わが国及び諸外国の法制、現在の労使関係、これらについての知識、理解及びその上に立つ判断力というものが良識である」との答弁がありました。さらに山本委員からの、「大臣の強力な監督権のもとで、協会が果して自由、はつらつとした教育啓蒙宣伝活動が行えるか」との質問に対し、石田労働大臣より、「政府の考え方と協会意見が食い違うこともやむを得ないと思う。それに対して労働省がいろいろ干渉をすることは、第三十五条の三項に規定する不当な干渉ということに当る」旨の答弁がありました。  また藤田委員からの、「外国で国の費用によって、こういう労働教育はあまり行われていないのではないか」との質問に対し、亀井労政局長から、「諸外国の例としては、日本労働協会のように全額国費で行うという実例はないが、たとえばイギリスの労働者教育協会、アメリカ、スエーデンの労働者教育協会、フィリピンの労働教育センターのごときは、いずれも国または地方庁の補助金によって労働者並びに国民を対象に活動している」との答弁がありました。  次に、山下委員から、「第二十五条第四号に「労働組合及び使用者団体等の行う労働教育活動に対して援助を行う。」とあるが、予算書の中には、そういう制度に関する予算がない。また第三十八条に「協会解散については、別に法律で定める。」とあるが、いかなる法律をお定めになる予定であるか」との質問があり、これに対して石田労働大臣から、「第二十五条第四号の「援助」とは、たとえば資料の配布、講師の派遣、製作映画の貸与、講座の開設等でありまして、それ以外の所要経費については予備費が計上してある。また第三十八条の法律案内容は、本法律を廃止するということである、それから残余財産の処分等の規定を伴うのであるが、それは特殊法人の廃止の例による」との答弁がありました。次いで再び山下委員から、「この法律の中で、解散規定は何によってこれを行うのであるか、評議員会の決議によるのであるか、定款に規定するのであるか」とただしたのに対し、亀井労政局長から、「前例はないが、法律案内容は、日本労働協会解散すること、残余の財産が国庫に帰属すること、この協会法を廃止することということになると思う」との答弁がありました。この答弁に対し、山下委員から、「労働大臣答弁内容と労政局長の発言内容とは違うではないか。法律案を文書にして提出してもらいたい」との発言があり、これに対し亀井労政局長から、「法律案を要綱の形式で提出する」との答弁がありました。  その際、木島委員より「私は本案質疑を打ち切り、この際、採決に入ることの動議提出いたします」と発言がありました。  委員会はこのために紛糾いたしましたので、やむを得ず委員会を散会したのであります。時に午後九時四十一分であり、(「ずいぶん審議したじゃないか」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)委員会を再開してより、約一時間四十分を経過したときでございます。ただいまのヤジで、「ずいぶん審議したではないか」とおっしゃいましたが、わずか一時間四十分ということが、十分の審議とお思いになるならば、あなた方は何を審議されておるかと、私は思うのでございます。(拍手)  翌四月二十四日、委員長及び理事打合会を開き、事態の収拾に努めましたが、解決を見ず、ただいまに至った次第でございます。  以上が、社会労働委員会審議の経過であります。  委員長といたしまして、本案審査の経過を顧みますと、四月九日、本案衆議院より送付されて以降、何ら不当なる取扱いをした覚えはないのであります。直ちに、委員長及び理事打合会に諮り、参考人意見聴取及び総理大臣の出席を求めて、本案に関して、総括質問を行うことと決定いたしておりました。次いで、諸般の事情を考慮し、国会解散を間近に控えた今日ではありますが、本案重要性にかんがみ、慎重に審議を行うとともに、会期内に何らかの結論を得るべく、鋭意努力してきたものであると確信いたしております。  当委員会は御承知のように、去る昭和三十年第二十二回国会におきまして、労働、厚生両委員会を合併して今日に至ったものであります。従って、当委員会における案件は、常にきわめて多く、今期国会におきましても、四月二十四日までに本付託された案件は、法律案二十九件、決議案一件、合計三十件であります。このうち、すでに審査を終ったものは十五件に達しております。また一般調査事件に関しましても、厚生、労働の両行政の範囲にわたっておりますので、調査すべき重要案件も、またきわめて多いのであります。なお、請願につきましても、すでに四百件をこえております。  以上のごとく、当委員会は、法案、決議案及び重要調査案件等、数多くの審査しなければならない案件を付託されておりますので、委員各位の協力を求め、委員会運営、議案の審査等も、常に委員長及び理事打合会に諮り、正常な委員会運営、及び議案審査の促進に努めて参ったのであります。  しかるに四月二十三日、日本労働協会法案審査のときに及び、突如として質疑打ち切りの発言があり、委員会混乱したのであります。参考人を呼び、最後には、内閣総理大臣の出席を求めて、総括質問を行うことも交渉中であるにかかわらず、本案に対する質疑も、わずか一時間半、審議に資するため要求した資料について説明を求め、さらに資料の不備の点に関連して、一部資料を追加要求している発言中に、かかる事態を引き起し、本案内容全般にわたって、質疑すべき点が多く残されているにかかわらず、委員会運営が阻害されたことは、まことに遺憾であると申さねばなりません。(拍手)  本院におきましては、すでに数回にわたり、委員会における審査中の法律案に対して、委員長より報告を求め、引き続き本会議審議に移し、強引に可決成立せしめた先例があります。  社会労働委員会におきましても、いわゆるスト規制法成立当時、及び同法施行後三年を経過して同法の効力の延長をはかったときと、二回にわたる先例が残されております。しかるに、社会労働委員会において、三度、委員長中間報告を求められるの事態に至りましたことは、まことに遺憾のきわみであると思う次第でございます。(拍手)  以上、御報告申し上げます。      ——————————
  12. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 木島虎藏君外一名から、賛成者を得て、社会労働委員長から中間報告があった日本労働協会法案は、日程に追加し、直ちにその審議を進めることの動議提出されました。  これより本動議の採決をいたします。表決は記名投票をもって行います。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。   〔議場閉鎖〕   〔参事氏名点呼〕   〔投票執行
  13. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 投票漏れはございませんか。(「ある」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票を願います。(「やれやれ」「秩序を保て」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)すみやかに御投票を願います。(「がんばれよ」「懲罰」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)  投票漏れはございませんか。——投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。   〔投票箱閉鎖
  14. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) これより開票いたします。投票参事に計算させます。議場開鎖を命じます。   〔議場開鎖〕   〔参事投票を計算〕
  15. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数  百七十八票   白色票     百七票   青色票    七十一票  よって日本労働協会法案は、日程に追加し、直ちにその審議を進めることに決しました。(拍手)      ——————————   〔参照〕  賛成者白色票氏名     百七名       中山 福藏君    田中 茂穂君       杉山 昌作君    島村 軍次君       手島  栄君    中野 文門君       佐藤 尚武君    河野 謙三君       武藤 常介君    永野  護君       迫水 久常君    松岡 平市君       田中 啓一君    梶原 茂嘉君       奥 むめお君    石黒 忠篤君       森 八三一君    藤野 繁雄君       早川 愼一君    谷口弥三郎君       新谷寅三郎君    木内 四郎君       加賀山之雄君    後藤 文夫君       村上 義一君    本多 市郎君       鶴見 祐輔君    笹森 順造君       江藤  智君    仲原 善一君       成田 一郎君    西田 信一君       堀本 宜実君    鈴木 万平君       大谷藤之助君    稲浦 鹿藏君       吉江 勝保君    塩見 俊二君       前田佳都男君    三木與吉郎君       雨森 常夫君    小西 英雄君       館  哲二君    山本 米治君       小林 武治君    剱木 亨弘君       大谷 贇雄君    木島 虎藏君       有馬 英二君    大谷 瑩潤君       近藤 鶴代君    小柳 牧衞君       井上 清一君    小沢久太郎君       斎藤  昇君    小山邦太郎君       木暮武太夫君    石坂 豊一君       廣瀬 久忠君    西郷吉之助君       植竹 春彦君    草葉 隆圓君       安井  謙君    大野木秀次郎君       川村 松助君    黒川 武雄君       小林 英三君    野村吉三郎君       平井 太郎君    増原 恵吉君       松村 秀逸君    榊原  亨君       白井  勇君    最上 英子君       柴田  栄君    宮澤 喜一君       平島 敏夫君    後藤 義隆君       高橋  衛君    西岡 ハル君       横山 フク君    小幡 治和君       伊能 芳雄君    宮田 重文君       三浦 義男君    高橋進太郎君       古池 信三君    岡崎 真一君       佐野  廣君    寺本 廣作君       石井  桂君    関根 久藏君       野本 品吉君    秋山俊一郎君       上原 正吉君    伊能繁次郎君       石原幹市郎君    左藤 義詮君       杉原 荒太君    郡  祐一君       堀木 鎌三君    青木 一男君       泉山 三六君    林屋亀次郎君       横川 信夫君    吉田 萬次君       勝俣  稔君     —————————————  反対者青色票氏名     七十一名       森中 守義君    北村  暢君       鈴木  強君    藤田藤太郎君       相澤 重明君    松永 忠二君       木下 友敬君    平林  剛君       山本 經勝君    岡  三郎君       湯山  勇君    亀田 得治君       久保  等君    柴谷  要君       大和 与一君    安部キミ子君       江田 三郎君    近藤 信一君       東   隆君    大倉 精一君       竹中 勝男君    阿具根 登君       藤原 道子君    吉田 法晴君       中田 吉雄君    松澤 兼人君       藤田  進君    小笠原二三男君       成瀬 幡治君    小林 孝平君       島   清君    田中  一君       加藤シヅエ君    松本治一郎君       千葉  信君    戸叶  武君       荒木正三郎君    市川 房枝君       長谷部ひろ君    竹中 恒夫君       安部 清美君    鈴木  壽君       大河原一次君    伊藤 顕道君       北條 雋八君    光村 甚助君       秋山 長造君    加瀬  完君       坂本  昭君    阿部 竹松君       松澤 靖介君    椿  繁夫君       田畑 金光君    中村 正雄君       矢嶋 三義君    相馬 助治君       横川 正市君    小酒井義男君       河合 義一君    松浦 清一君       天田 勝正君    高田なほ子君       片岡 文重君    永岡 光治君       重盛 壽治君    曾禰  益君       栗山 良夫君    山下 義信君       棚橋 小虎君    内村 清次君       山田 節男君      ——————————
  16. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 日本労働協会法案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。
  17. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 本案に対し、質疑通告がございます。順次、発言を許します。藤田藤太郎君。   〔藤田藤太郎登壇拍手
  18. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 ただいま議題となりました日本労働協会法案に対し、日本社会党を代表して、政府に対し質疑を行います。  まず第一に、質問しなければならないのは、なぜこの労働協会法案を、今このようにして成立を期さなければならないかということであります。  御承知の通り、この法案によれば、日本労働協会は、経済基盤強化資金の中から十五億円を取り出して、経済基盤強化に資するために設けられたものなのであります。しかるに、この親法案ともいうべき経済基盤強化のための資金及び特別の法人基金に関する法律案が、衆議院大蔵委員会において上らず、今国会における成立が不可能と断定されている現在において、しかも、社労委員会で十分な審議を尽しておらないのに、このような中間報告という非常手段をとったのは、一体どういう理由なのか、理解に苦しむところであります。この点、明確にお答え願いたい。  以下、私は総論的に幾つかの点について質問を行いたいと思います。その最初に問題としたいのは、この日本労働協会法案提出目的なのであります。政府労働協会法案の設立の目的は、労使一般国民労働問題に関する理解良識をつちかうためと言っております。本法に言う労働問題の理解良識をつちかうというのは、何を指しているか、また、政府自身が、労働問題に対して理解良識をどのように持っているのか、御答弁を願いたい。(拍手)  第二点、ここで政府の言う労働教育とは何をさすのか、この点について、総理の明確な御答弁をいただきたい。政府が常に言う労使慣行の正常化とは、ます、経営者労働者並びに労働組合に対する認識の誤まりを是正さすことが、先決の大前提であることは論を待ちません。労働者が法によって守られた団結することの権利、組合を作ることを悪だとして首にするような経営者の多くいることを、総理はよく知っていると思います。総理は、これらの事実に対して、経営者認識の誤まりに対して、どう具体的に対策を考えてきたか、お伺いしたい。労働者のモラルとは、具体的に何を考えているか、この日本労働協会法は、生産性向上運動へ協力せよと大宣伝するために生まれたのではないか。この法律によって、日本労働協会経営者に対して教育を行うとすれば、これは、労働組合に対する理解を是正させるためのものでなく、争議対策その他を教育するものであると、労働者が懸念をいたしております。この声が、今の労働者の真実の声ならば、教育宣伝目的として生まれるこの法律が、その適用対象から、全く不信の念で迎えられるのは、全然その出発点から政府の失敗ではないか、この点を伺いたい。元来、労働者教育は、労働者みずからの意識の向上を助長させること以外に、労働教育の根本義はないのであります。労働者の意識のでこぼこは、労働者自身の手で行わねばならないという、この良識が、なぜ政府にわからないのであるかお聞きしたい。  第三点、政府労働行政は、労働者に無理解な態度であり、ILOの批准状況を見てもわかる通り、国際労働基準を守ろうとしていないのである。自民党の労働政策を見ると、左翼勢力の強力な宣伝活動に対処するために、強力な民間団体を設置するといっている。これに基いて、総評その他の労働組合を敵視し、資本家擁護の立場から、十五億という莫大な金を使って、しかも、国民の税金をもって協会活動をやろうとしている。日本労働組合は、今度の政府協会設立の意図は、組合活動の弾圧、圧迫にあると思っている。政府の考え方はいかん。  第四点は、政府は、具体的な協会業務として出版、放送、講座をやろうとし、先日の質疑の中では、具体的争議その他には、協会関係しない。また、今まで労働省がやってきた新聞、雑誌の発行、映画、幻灯の作製、次官通牒その他教育行政を続けていくといっている。この協会のやることは、平常における労働問題の調査研究教育活動をやるというが、そのような重要な問題を、万人に期待されるような教育がやれると思うのか。会長以下役員は、労働大臣の任命であり、いかに主観をはさまないといっても、時の政府政策を、民間団体という擬装の中で、公平なように見せかけて、労働者一般国民教育を押しつけるということになると思うが、この点についてはどうか。(拍手)  質問の第五点、私は、岸総理にお尋ねしたい。私たち社会党は、この法律によって生まれる日本労働協会が、戦前の協調会と同質であるのではないかという点について反対してきました。そこで総理にお尋ねしたいのは、岸総理は、たしか満州におられて、満州国労工協会法というものを、あなたが産業部次長のときにお作りになって、それからまた、昭和十五年に内地に帰られて、やはり商工次官として、従来の道義的な産業報国運動から、これをみごとに組織として作り上げてしまわれたのであります。産報運動を道義的運動から組織化して、従来の労働組合を崩壊せしめ、産業国会を唯一の労働組織として改編せしめた当時の責任者の一人としての岸さんが、時あたかも、総評が総評新聞を日刊化するという動きを見せたことに呼応して、また、ここに日本労働協会法案を提案されたことは、何か運命的なものを感ぜざるを得ないのであります。われわれの心配は杞憂かもしれませんが、この点における総理の忌憚ない決意のほどが御答弁ない限り、この法律成立するに当って、国民に深い傷を与えると考えざるを得ないのであります。総理の心境をお聞かせ願いたい。  第六点、私は、十五億の税金を使ってお説教するよりは、今困っておる労働者にパンを与えよと言いたいのであります。労働者の憲法に保障された生きる権利は、政府の抽象論議でどう解決されるでありましょうか。今日の労働情勢を見るに、百万をこえる失業者、これに政府の経済政策の失策から、不況、操業短縮によって失業者は増加の一途をたどっておるのであります。きびしい生活苦にあえぐ千百十三万人のボーダー・ライン層の存在、この人々の生活を守るということが先ではないか。政府の失業対策や生活困窮者の保護等、社会保障は見るべきものがない。政府は、この法案より先に、労働者に職を与え、満足な賃金と労働条件を保つための保護を行うことによって、労働者に不自由のない、勤労の喜びを生み出させなければならないと思うが、政府見解はどうか、お伺いしたい。  質問を終ります。(拍手)   〔国務大臣岸信介君登壇拍手
  19. 岸信介

    ○国務大臣(岸信介君) お答えを申し上げます。  本法は、その第一条にはっきりと目的が明示されておりますように、日本労働運動は、戦後非常な発達をいたしておりますけれども、今、藤田議員の御質問のうちにもありましたように、まだ労働組合を頭から否定しておるような使用者もありますし、また、労働組合自体の行き過ぎもある、また、国民全般も、十分な労働問題に対する認識理解を欠いておる、こういう状況でありますから、いわゆる近代的労使関係を作り上げるためには、労働問題に対する総合的な研究機関を設けて、いろいろな資料を集め、これを公表して、十分な労働問題に対する正しい理解と、これに対するところの考えを普及することの必要は、日本におきまして、きわめて重要であると思うのであります。これを達するために、この法案を制定したいというわけであります。  従って、御質問のうちにもありましたように、労働組合の組織活動を弾圧するとか、あるいは個々の労働争議に介入するというようなことは全然考えておらないのであります。この労働教育について、労働組合が行なっておる自主的の労働教育というものは、もちろん、これを進めていく必要があると思います。また、労働教育について経営者認識の不足の点も、あるいは一般国民認識の不足の点も、この協会の活動によって、これが是正されていくことを私どもは望んでおります。また、戦前の協調会や、あるいは戦時中の産業報国運動等々と、これが同じような思想に出るものじゃないかという御懸念に基くところの御質問でありますが、それは全然杞憂に属するものでありまして、そういう考えは全然持っておりません。(拍手)   〔国務大臣石田博英君登壇拍手
  20. 石田博英

    ○国務大臣(石田博英君) ただいまの御質問のうち、総理にお答えをいただきました以外の点についてお答えを申し上げます。  私は、近代的労使関係というものは、労使が対等の立場と力とを維持しつつ、その間に生じました労働問題を解決することにあると存じておる次第であります。同時に、わが国労働問題につきましては、その歴史の浅さから、まず第一に、一般的に国民理解が薄い面がございますので、この協会の活動によって、そういう欠点を除去したいと考えておるわけでございます。業務運営につきまして、その公正さを維持せしめまするためには、この法におきまして最大限の処置を講じますとともに、責任大臣といたしまして、良心に誓って、その公正を維持するつもりでございます。  それから、この法律に多額の支出をするよりは、その費用をもって具体的な、言いかえれば、パンを与える施策を行えという御議論でございますが、私は、具体的な政策、経済政策や、あるいは保障政策と同時に、かくのごとき文化的、啓蒙的活動も、また結果的には、労働者諸君の生活の向上に役立つものとかたく信じておる次第でございます。(拍手
  21. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 片岡文重君……(「答弁がない」「再質問々々々」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)藤田藤太郎君。   〔藤田藤太郎登壇拍手
  22. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 私は、政府に対して、今度の労働協会法案は、経済基盤強化法案のその中の金によって運営する、その肝心の親法案である経済基盤強化に関する法案衆議院でまだ通っていないのに、なぜ、このように中間報告という強力な非常処置をとらなければならぬかというところを聞いている。これを明確にお答えを願いたい。(拍手)   〔国務大臣石田博英君登壇拍手
  23. 石田博英

    ○国務大臣(石田博英君) 指名を受けましたので……(「違う違う、総理だ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
  24. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 岸内閣総理大臣。   〔国務大臣岸信介君登壇拍手
  25. 岸信介

    ○国務大臣(岸信介君) 本法案関係の深いところの経済基盤強化に関する法案につきましては、政府としては、各位の御協力を得まして、極力これが成立について努力する考えでございます。(拍手、「再質問」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
  26. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 藤田藤太郎君。   〔藤田藤太郎登壇拍手
  27. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 ただいまの岸総理の答弁ではわかりません。もう少し明確にお答えを願いたいと思います。あす解散という問題を控えて、今のような答弁では、われわれは理解できません。明確にお答えを願いたい。   〔国務大臣岸信介君登壇拍手
  28. 岸信介

    ○国務大臣(岸信介君) 私としては、この法律案重要性にかんがみ、この法律案はぜひこれを成立させていただきたいという考えがありますとともに、これに関連性の深い法案につきましては、なお、審議中であるものにつきましては、最後まで極力それが成立に努力をいたします。   〔「答弁にならぬ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し〕   〔小笠原二三男発言の許可を求む〕
  29. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 小笠原君、何ですか。
  30. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 先ほどの藤田藤太郎君の質問に対する総理大臣答弁に関して、議事の進行について発言を求めます。
  31. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 小笠原二三男君。   〔小笠原二三男登壇拍手
  32. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 ただいまの総理大臣答弁に関して、私は、総理大臣のわが党に対する、特にわが党の鈴木三郎と自民党総裁としてのいわゆる党首会談の真意に関して質問をいたしたいと存じます。  一昨日以来、正しくは十八日の党首会談以来、重要案件その他に封ずる話し合いの問題が出まして、そうして当参議院もこれが運営に協力する姿勢をとって参ったのでありまするが、しかも、その際の基本問題として、岸総理からわが党首に対して申し入れのあったことは、話し合いの結果としては、確実に申しますならば、不信任案を策議院で上程する、しかる上に賛否の討論があり、採決に入る前に解散をする、こういうことのために、重要案件についてのその審議を促進してもらいたいということで、わが鈴木三郎もこれを了承されて、それぞれ、参議院あるいは委員会において、その審議の日程等を組むことにきまって今日に至っておる。  しかるに、今夕刻、とりきめになりました重要法案については、委員会審議、採決を終り、あるいは衆議院における本会議の議事を終っておるのであります。そこでわが党は、不信任案を本夕刻、衆議院事務局に提出しておるのであります。——昨夕刻であります。従って、本日二十五日、岸総裁との約束通り、衆議院会議において、この不信任案が上程になる運びでありますから、従って、不信任案が上程になるに先だって、ただいまお話になるような経済基盤強化に関する法律案等が大蔵委員会その他において審議せられて、そうして委員会審議は終っても、この不信任案上程の前に、法案審議は、国会法上できないのであります。(拍手)  従ってこの不信任案が、衆議院会議に本日上程になり、賛否の討論が行われる、このあげく、岸総理が解散のそれを国会に出すということになれば、直ちに解散になるので、どこから考えられても、この法律案審議の機会は、昨夕以来衆議院においては、これは葬られてしまっておるのであります。(拍手)しかも、わが参議院の大蔵委員会におきましても、この法案が昨一日衆議院大蔵委員会において審議せらるることもなくして済んでおります関係から、参議院の大蔵委員会におきましても、これが本案の通過は、もうあり得ないものとして、われわれは日程を措置することを、自民党の諸君とこれは意見が一致しておるのであります。(拍手)  そうでありますならば、ここに経済基盤強化に関する法案の鋭意これが成立に努力をしたいという、岸総理の先ほどの発言は、ただ可能性のあることは、鈴木三郎との約束を破って、あす不信任案が上程されても、これを否決し去って、解散を、それは、あとに延ばすというだけのことなんです。それでなくしては、この経済基盤強化に関する法律案は、参議院に回ってこないのであります。  従ってこの点は、党と党とのいわゆるトップ・レベルにおける会談として、この信義の上に、この国会運営が運ばれて今日まで参った経過からいたしまして、岸総理としては、そういうそつのない答弁ということではなくて、全くそつが、これは最終段階においてはあるんですから、従って、答弁のいかんということを、われわれは拘束するのではないのでありますが、党首会談の線に沿わない答弁というものは、岸総理は、信義にこれはもとることである。二大政党対立後、初めての話し合い解散という、大きな約束にもとるものである。従って、わが党に対するこれは侮辱であるのか、あるいは解散を明日するのであるのか、この点を明らかにせられなければ、今後の国会におけるわれわれの各種の審議、あるいは取扱いの問題について、重大な態度の決定があるわけなんでありますから、従って、多分岸総理としては、これは何かお間違いになって御答弁になられておるかもしれない。従ってこの点は、私は、わが党としては、うそでない答弁を求めたいのであります。  以上、議事進行として発言した次第でございます。(拍手
  33. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 小笠原君の議事進行に関する発言に関し、岸内閣総理大臣から発言を求められました。これを許可いたします。岸内閣総理大臣。   〔国務大臣岸信介君登壇拍手
  34. 岸信介

    ○国務大臣(岸信介君) 日本社会党鈴木委員長と私が会談をいたしましたことにつきましては、これを信義にもとるような行動をする考えは、毛頭持っておりません。ただ、これに関連いたしまして、多少、小笠原議員の、私と鈴木委員長とのお話し合いの筋合の、大筋については、今おっしゃった通りでありますが、その具体的取扱い等につきましては、両党の幹事長や、あるいは国会対策委員長において、この議案の取扱い等のこまかい問題をきめて、そうしてスムーズにこの問題を取り運ぶということになっておりまして、必ず二十五日にこうこうしてやるということまでは、実は鈴木委員長とは、はっきりしてきめておったわけではございません。これらの点につきまして、私としては、本案成立及び経済基盤確立に関する法案成立を熱望する余り、最後まで努力をいたすという、私の決意を申し上げたのでありますけれども、ただいま小笠原議員のおっしゃる通り、これがすでに不信任案も出ており、成立しないという事態でございますけれども、しかし、私は本案重要性にかんがみ、これを議決して成立さすならば、公布いたしまして、諸種の準備を進めて、これが財政的の基礎につきましては、次の最も早い機会においてこれを成立せしめて、十分活用して参りたい、こういう考えでございます。(拍手
  35. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 片岡文重君、御登壇を願います。(「議長々々」「議事進行」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)片岡文重君、御登壇を願います。   〔片岡文重登壇拍手
  36. 片岡文重

    ○片岡文重君 私はこの際、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となっておりまする日本労働協会法案内容につきまして、二、三関係大臣諸君に御質問をいたします。  すでに、同僚藤田君から総論的な質問がなされましたから、その一部について各論的な問題で御質問申し上げるのですが、その質問に入ります前に、一言申し上げておきたいのですが、すでにただいまの紛糾によって、岸総理大臣は、鈴木社会党委員長との会談の信義を重んぜざるを得ない言明をされましたけれども、かくのごとく、今や天下周知の事実であるにもかかわらず、しかもなお今日、すでに時計は、暁四時を指しております。解散まであと幾時間を残すでありましょう。この段階において、なおかつ、詭弁を弄するがごとき、この信用できない政府が、国民の多くが不満を持ち、不安を持つところの本法案を上程し、しかも、中間上程をするがごとき、この不信義なやり方こそ、私どもの強く追及しなければならないところであり、今、国民が政治に対する不信を表明している最大の原因であると言わなければなりません。(拍手)  さらに、岸総理を初めとして一萬田大蔵大臣石田労働大臣は、労働者使用者並びに国民一般に対して、労働教育の公正な普及をはかり、公正な労働教育を行うなど言っておりましたが、今日、春眠暁を覚えずという今日、一睡も与えずに、うら若い婦人職員を徹宵酷使して顧みないこれらの諸君にこそ、労働教育が必要であると、私は思うのであります。(拍手)  そこで、どうぞ、質問を申し上げたいと存じますが、第一条において、この法案目的を明記して、「広く労働者及び使用者並びに国民一般労働問題に関する理解良識をつちかうことを目的とする。」と述べております。しかも、この目的を述べるに当って、石田労働大臣は、従来やり来たったところの労働省の役人の感覚と技術と知識とをもってしては、政府意図する労働教育が十分に行われないで、国民に親しみやすくすることができなかったから、それぞれ専門の知識を持ち、専門の技術を持つ人々を網羅して、これをもって、わかりやすく国民大衆政府方針を伝えしめると述べております。このことは、いかに政府が詭弁をもって説明をいたしましょうとも、今日考えておる、意図するところの政府方針を、わかりやすく申しますならば、だましやすい方法をもって国民に徹底せしめるというその機会を作らんとすることが、あまりにも明瞭であります。先般の公聴会の席上において、温厚篤実をもって鳴り、政府諸君ですら、おそらくや尊敬されておるのであろうところの国立国会慰書館長金森徳次郎先生は、「イノシシを幾ら飼っても豚にすることはできない」と喝破されました。「出版や放送には、何らかの安全弁を設けよ」と喝破されておるのであります。もし、真に石田労働大臣並びに岸総理大臣が、この法案において不安を感ぜしめるところがない、政府の考えておるところと国民の不安とするところとは、全然根拠のないものであるとするならば、その根拠のないという保証を、この法案のどの条文によって証明されるのか、石田労働大臣の明快なる答弁をお願いをする次第であります。  次に、第四条の基金について伺うのでありますが、これは先ほど藤田君からも述べられましたので、簡単に申し上げますけれども、大蔵省に対する労働省の当初の要求予算は三十億であったはずであります。この数字は、いみじくも総評が日刊紙発行の予算として計上された金額と同じであります。しかも、その後において関西における経営者団体のある席上においてこの総評の日刊紙発行に対して、政府並びに使用者団体は、何らかの措置を講ぜねばならないという強い要望があり、石田労働大臣が、これに裏書きを与える言明をされたとかしなかったとかという新聞の報道もあります。もし、この総評日刊紙発行によって刺激を与えられたことが動機でないとかりにするならば、この三十億の基金をなぜ労働省は要求をしたのか、この三十億の積算の基礎並びにその資料を示して御説明をいただきたい。大蔵省は、この三十億の要求を十五億に削ったその理由と、積算の資料を示して、御説明をいただきたいのであります。  さらにここで、金の問題ですから、総理大臣に一言御開きをしたいのでありますが、御承知の通りに昨年健康保険法の改悪に当って、政府は、三十二年度予算に健康保険の国庫補助金三十億円を計上いたしました。しかるに、この三十三年度予算に当って、早くもその二十億を削除しておるのであります。貧乏を追放せんとして、のろしを上げた現在の岸内閣が、わずか一年にして、被保険者患者諸君の負担を増額せしめたるまま、早くも二十億を削って国民をペテンにかけたような不誠意なやり方で、どうして円満な労働者教育ができるでしょうか。労働者の望んでおるところは、上手な説教よりも、まずくとも、まずパンを与えよと叫んでおるのであります。もしこれに十五億の金が与えられるくらいならば、何の必要があって健康保険国庫補助金二十億を削減したのか、この削減をした理由を述べていただきたいと思うのであります。(拍手)  さらに、本法案の最も奇怪とする、自主性に関する問題についてお尋ねをいたします。この法案を見ますると、協会の役員は、会長と監事と理事であります。で、「協会を代表し、その業務を総理する」ところの会長は、労働大臣が任命をするのであります。「協会業務を監査する」ところの監事も、また労働大臣が任命をするのであります。つまり、業務の遂行並びに運営の最高責任者と、この責任者の行なった業務を監査する監事の、そのいずれをも労働大臣が任命をするのであります。さらに、「業務を掌理」する理事は、労働大臣の認可を受けて会長が任命することになっております。加えて、会長と理事をもって構成する理事会の諮問機関であるところの評議員会の構成メンバーである評議員は、これまた労働大臣が任命するのであります。すなわち、業務を行う者、監査をする者、諮問をする者、諮問をされる者、ことごとくこれ労働大臣の任命にかかわるのであります。これで一体どうして労働大臣の容喙を排除することができるでありましょうか。(拍手)かくのごとき例は、いかに特殊法人といえども、例を見ないところでありましょう。しかも大臣、会長は、何ら諮問をする必要もなく、相談をするところもなく、みずからの判断に基いて、これら役員、評議員を解任することができることになっております。大臣は、おそらくはこの質問に対する答弁に当って、この法案十六条の二項の二号、すなわち役員の解任の条項を引用されるでありましょう。そこには、大臣または会長は、次の各号の一に該当するとき役員を解任することができるとして、「職務上の義務違反があるとき」と規定してあります。果してしからば、一体職務上の義務違反であるかいなかという認定、この推認は、だれが行うのか、いかなる機関で行うのかということです。直接であると間接であるとを問わず、ともかく理事会も評議員会も、ことごとく労働大臣の任命にかかわる人々によって構成されているのですから、法案中のどこにも解任をされる役員または評議員の弁明を聞く機会をすら与えてはおらないのです。かつて、早稲田大学教授野村平爾君は、労働省の某諮問機関の一員として丁重に迎えられましたが、政府政策批判が、時の労働大臣のお気に召さないで、いつの間にやら構成員から削られておったというなまなましい事実は、そう遠い過去のことではなかったのです。役員、評議員の自由なる意思の表明と、業務運営自主性はいかにして保障されるのであるか、明確に条文を示して承わりたいのであります。真に、もし政府が公正を約束をし、信義を表明されるならば、少くともこの諮問機関である評議員会くらいは、労働者使用者・公益の三者構成ぐらいにはすべきじゃないか。あえて三者構成にしなかった理由、これまた明確にしてもらいたいと思うのであります。  疑問とするところ、将来べの不安を残す条文は、ことごとくといって差しつかえないほどであります。この法案に関する連合審査ではありませんでしたが、刑法の一部改正に当っての法務委員会社会労働委員会の連合審査会の席上で、唐澤法務大臣は、「法律は、起案者の意思のいかんにかかわらず、説明者のいかんにかかわらず、法律として成立をすれば、一人歩きをするものである」と、いみじくも喝破されました。この法案を、いかに石田労働大臣が詭弁を弄してまるめ込んで行きましょうとも、将来、あるいはまた石田労働大臣が、良心に誓って公正なる運用を行うことをお誓いになられましても、石田労働大臣労働大臣としての任期は、大へんお気の毒ですけれども、はや命数が尽きておるのではないでしょうか。後任者の人々にまで、石田労働大臣が良心に誓ってこれを申し伝え、労働省官僚諸君に、これをけんけん服膺せしめるという保証が、もしあるならば承わりたいと思うのであります。  私は、以上の諸点を御質問申し上げ、三大臣の、条文を示し資料を示して、明快に御答弁のあることを期待して、質問を終ります。(拍手)   〔国務大臣岸信介君登壇拍手
  37. 岸信介

    ○国務大臣(岸信介君) 片岡議員の御質問中、特に私を指名して御質問がありました点についてお答えをし、他は関係大臣からお答え申し上げます。  それは、この労働協会に対して十五億円を出資することになっておるが、一方また、健保の三十億のうちの繰入額を減らしておる、このことについての御質疑でございました。言うまでもなく、私どもは、この労働協会出資は、いわゆる剰余金のたな上げ分から、これを出そうと考えるものでありまして、健保の、今御指摘の金とは、何らの関係がないのであります。健保のこういうふうに減らしたことについては、いろいろの御意見があると思いますが、それは、この健保会計の実情や、あるいは社会保障制度に対する経費の全体の配分等からきておることでありまして、本件とは何らの関係がないのでございます。(拍手)   〔国務大臣石田博英君登壇拍手
  38. 石田博英

    ○国務大臣(石田博英君) お答えを申し上げます。  まず第一に、本協会の行います啓蒙宣伝活動に関連をいたしまして、政府方針を、本協会を通じて啓蒙宣伝するというような御発言でございましたが、私は、しばしば委員会においても申し上げました通り、政府方針を本協会をして宣伝啓蒙せしめるような意思は全くございません。これは労働問題の基本的知識を普及せしめ、その基本的諸問題について研究調査を行うことによって労働問題についての良識を涵養するところに目的があるのでありまして、政府の一定の方針を強制したり、また、ときどきの事件について見解を表名したりすることを目的とするものでないことは、先ほどの委員長の御報告の中にも、明確になっていると存じます。  それから、次に、いかにしてこの法律の中に協会の公正さを表明するか、条文をあげて説明しろという御質問でございました。まず、最もこういう特殊法人といたしまして異例なことは、三十五条の三項でございます。それは労働大臣監督権について制限を加えておるのでありまして、「前項の規定による命令は、協会業務運営自主性に不当に干渉するものであってはならない」と明記をいたしておりますし、労働大臣監督権は、この法律目的に反した行為があるかないかということと、それから、もう一つは、経理財政の面だけに限られているのでございます。  それから人事について、会長及び監事を労働大臣が任命することは、この協会自主性を妨げるのではないかという御質問でありますが、政府出資をいたしまして作り上げるこの種法人におきましては、この特殊法人としては、この会長及び監事の任命を労働大臣がいたすことは、その所管大臣がいたすことは、政府としての責任上、やむを得ないことであると考えまするばかりでなく、おそらく、こういう人事を適当な機関に諮って行うようにというような御希望かもしれませんけれども、この種の事業の会長になっていただくような重要人事を決定する場合におきましては、これを大衆討議、あるいは公開に人事を議するがごときことは、私はむしろかえってその自主性を妨げるものと考えるのでございます。(拍手)  それから、評議員を少くとも三者構成にしろというお話でございます。私どもは、この協会の行いまする仕事を、労使、公益の三者構成によっての運営と申しますよりは、使用者側労働者側、それぞれに労働教育をおやりになっておる現情勢の中にありましていわゆる公益の立場にある人々、第三者によって、この協会運営されることが、この協会に対する信望と、国民の信頼をかち得るゆえんであると考えておる次第でございます。しかしながら、事実上、この協会の人事構成が、この協会の事務と関係がある方面に著しく不信を招くようなことがありましては、この協会の任務達成を妨げることは、これは当然でございますので、たびたび申しますように、私は良心にかけて、この初代会長の任命には、広く世間の人が公正と信ずる人に委嘱する決意でございます。  また、私の任期が、そのうちに尽きるじゃないかというお話でございますが、しかし、本法案が本日成立をみますならば、私は、私の任期中に公正なる会長の任命を行い得る確信と熱意を持っている次第でございます。  それからもう一つは、親法案が通らなければ、この法の実際的活動はできないというお話でありますが、確かにそれは、財政上の基礎は得られないのでありますけれども、準備行為、人事の委嘱等はでき得るのであります。  それから第三番目に、三十億という予算要求が、総評の日刊紙発行の計画に対応するものじゃないか、数字的に相照応するじゃないかという御質問でございますが、私は総評が日刊紙発行の計画を持っておるということを聞いたことはございますが、その計画の予算が三十億であるという数字は、先般、本院における委員会におきましての委員の御質問によって、初めて承知をいたしたような次第でございます。  それから、その三十億の要求の根拠であります。私どもは、社会労働委員会の御要求に応じまして十五億円の場合に生じまする九千万円の経費の内訳の大蔵省に提示いたしました案は、資料として差し上げてございます。三十億の場合におきましては、全国主要産業地にそれぞれ支部を設ける予定でございました。十五億でありますので、当初は中央に本部の構成と、その活動に限ることによりまして、この予算の欠陥を補おうと思っておる次第でございます。しかしながら、本協会の予算は、厳格には、本協会ができ上りました後におきまして、協会が自主的に決定をいたして提案をされるものでございます。  以上、お答えを申し上げます。(拍手)   〔国務大臣一萬田尚登君登壇、拍   手〕
  39. 一萬田尚登

    ○国務大臣(一萬田尚登君) この協会資金十五億円に関連することでありますが、これにつきましては、ただいま総理大臣並びに労働大臣から、ほとんど申し尽されておりますので、私から、とりわけ答弁することもございませんが、ただ、この積算の基礎になっておる数字は、今、労働大臣から話がありましたが、人件費が大よそ三千万円、事業費およそ六千万円というのであります。(拍手
  40. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 佐野廣君外一名から、成規の賛成者を得て、質疑終局の動議提出されております。  これより本動議の採決をいたします。本動議賛成諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  41. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 過半数と認めます。よって質疑は、終局することに決しました。  本案に対し、討論通告がございます。発言を許します。山本經勝君。   〔山本經勝君登壇拍手
  42. 山本經勝

    山本經勝君 私は、ただいま議題となりました日本労働協会法案に対しまして、日本社会党を代表して反対討論をいたします。  第一に、本法案の最も重大な点は、第一条に示されております労働者及び使用者並びに国民一般労働問題に関する理解良識をつちかうという目的でございます。この理解良識とは一体何をさすのであるかということを、委員会におきまして、ただしたのでございますが、労働大臣は、知識と理解を深めることであると言っておられたのでございます。いやしくもこのような意味における良識とは、その人が、そのときどきにぶつかった問題に対して、即妙に正しい判断をすること、こういうふうに理解されるわけでございます。このような良識は、口先や講演や、あるいはラジオを通じての放送や、その他、新聞雑誌の公表によって簡単に得られるようなものではございません。そのような単なる観念ではございません。すなわち、その人の血になり、肉になった経験であると言わなければなりません。それでこそ、労働大臣みずからがしばしば強調して参りましたように、諸外国の労働運動が、長い経験と、歴史を経て円滑な労使関係を確立しておるという例を引いて、日本労働運動は日なお浅く、十分に成熟したと申しますか、あるいはよき労使慣行に到達しておらないということを強調しておられるのである。そういたしますというと、もしここで労働争議に関する一つの事例を引用いたしますなれば、去る三月二十日に行われました私鉄の二十四時間ストの際の実情を見ましても明らかでございます。当時、商業新聞などが、行楽日の客足を奪うという大見出しで、大々的に宣伝をしたのでございますけれども、実はその当日起った事態は、東京都の一部に若干の摩擦が起ったにとどまっている。全国一斉の大ストライキにもかかわらず、取り上げるような大きな事態は発生いたしておりません。ちょうどこの日、私は福岡の私鉄総連傘下の西鉄ストの主要な駅の争議現場を視察いたしました。駅の入口に、組合のスト突入という大きな立看板が立っている。そしてその横に、同じく中労委のあっせんを拒否して実力行使に入った、そのためにお客様方に大へん御迷惑をおかけいたして申しわけないというような意味の簡単な会社側の立看板がある。その前に、おそらく電車に乗ろうとして集まった皆さんでございましょう。その人々が集まって、しばらくこの立看板を見守っておる。そしていろいろな表情で、その場を去って行きましたが、およそそれは数百人に上った。短い時間でございましたが、その多数の人々が、その場を去っていく、いずれも何も言っていかない。要するに、このストライキがすでに決行された状態について、おそらくこの立看板の中に、今申し上げましたような、会社側が言う労働組合が、労働委員会のあっせんをのまずに、スト実力行使に入ったものであるという申しわけに対しても、少くともその前のゼロ回答以来の経過を、一応基礎的な知識を持っておると判断される、そうして立ち去って行ったのでございますが、もう一つ他の駅に参りますと、その駅の構内には、憂国同志会という腕章をつけた二、三人の若い者がうろついている。こういうような状況でありますけれども、ここにも問題は発生をいたしておりません。  これは考えてみまするのに、ストライキに突入する前に相当な混乱が起きるであろうというので、一般市民の人々も、あるいは働く勤労者の皆さんも、また各新聞、あるいは報道機関人々も、それぞれ報道のための準備をして、こうした現場をかけ回っておりますけれども、いずれも問題は起らないということに失望したくらいの実情であったのでございます。これをもし単純な表現で申し上げるならば、一般国民の間に、すでに労働組合が賃上げ要求をし、その他労働条件の向上のために、ストライキを行うという権利について、すでに常識的な範囲に到達しておる。組合のこのような行動が、一般市民層の中にも十分理解されているということを証明して余りがあると考えます。中小企業や、あるいは中小企業に働く多くの人々は、むしろ、この争議に至った事情について、同情と協力の方向に動いているというのが実情でございます。  そういたしますというと、一方では、先ほど申し上げたように、憂国同志会とか、あるいは生産党とか、それからさらに資本家陣営の人々が、争議に対する妨害をするというような事実が現われておる。そこで考えなければならない問題は、こういう事態を一そう解決困難なものに追い込むところの障害が、こうした暴力団や、あるいは資本家側にあると言わなければならない。そこで、むしろこうした人々にこそ、この良識が要求されなければならない。こういう点を特に労働大臣はよく知っていただきたいのでございます。  そこで、当時この私鉄争議に対して、岸内閣の閣僚の中には、私鉄の経営者に対して、このたびのベース・アップを、中労委のあっせんの線を上回って認められるような場合には、運賃の値上げについては許可をいたさないぞという強迫をしたという事実さえも伝わっている。そういうことをあわせ考えて参りますと、そういう経営者あるいは暴力団、それに政府、こうしたもの自体が争議の解決をおくらせ、国民に対して迷惑を及ぼす行為を行なっておる。そうしますと、良識をつちかうということが必要なのは、経営者労働者や、そうして国民一般大衆ではなくて、まず、岸内閣の閣僚であると断ぜざるを得ないのであります。(拍手)  昔から夫婦げんかは犬も食わないというのでございますが、それにはその夫婦げんかとしても、それなりの、それ相当の原因があるものでございます。先ほど引例した、電車に乗ろうとしたお客さんが、ストライキで電車が動かないという実情を知った瞬間に、それにはそれらしい理由があるであろうということを、うがって考えるようになってきた。しかもそれを冷静に判断するようになっており、そのときにこそ、知識と理解の真髄に触れて、ほんとうに人々の血となり肉となるものであって、決して、労働協会ができたならば、そういう目的が達せられるというような単純なものではないということを、はっきり政府は知っていただきたいのであります。  労働大臣が口にされる常の言葉は、自信と確信をもって、よき労働慣行を確立するというのは、うぬぼれであり、一人よがりであると言わなければなりません。あるいは国民一般理解を深めるという名で労働協会は、自然に成長しつつある、国民一般良識を撹乱し、あるいは労働戦線を分断しようと意図していると考え、判断せざるを得ない実情にあることは、まことに遺憾に存ずる次第でございます。かくして、この労働協会なるものは無用であり、かつ有害であり、あたかも昔の協調会に、まさるとも劣らないものである、こういうふうに断じても、決して誤まりでないと確信をいたしております。(拍手)  第二の問題点は、現在の労働教育行政の実情でございます。これは、第一番にあけて参りますというと、中小企業労働相談所というのがございます。あるいはまた、労働大学講座と称するもの、夏期大学講座というもの、あるいはまた婦人労働講座、巡回労働講座、労働教育通信講座、労働教育ニュース映画、労働組合体育大会、勤労者美術展、各種コンクールなどがございます。さらに、その他定期の刊行物が、これまた相当に発行されておる。あげてみまするなれば、主要なものだけでも数種類に上る。すなわち週刊労働、中小企業労働関係資料集、労政月報、壁新聞等々でございまして、およそ労働教育に関する、こうした活動は、現在の労働行政の分野においても、盛りだくさんに実際に活動をいたしておるわけでございます。その年間の予算を見ますと、三十三年度の予算においても、一億円に近いところの予算をもって行われておるのでありまして、そのようにいたしまして、これをもってしても、このような労働教育行政がどうしてもうまくいかない、労使並びに国民一般べの啓蒙宣伝教育ができなければならないはずのものができないという、このことについて、委員会労働大臣の所見をお伺いしたのでありますが、大臣は、お役所仕事で、どうもうまくいかないのである。こういうお答えである。そこで、そのために、第三者の立場にある専門の学識経験者を網羅した協会によってやることが最も有効であると考えて、協会法の立案制定を希望しておるわけであると、こういうふうに述べられておる。これは私は、聞いてあきれることなんだ。むしろ無責任きわまる態度と言わなければなりません。  いやしくも、国の予算をもって労働教育行政をやって、もし、それらの教育行政の中で一つの例をあげますなれば、新聞雑誌等の編集に当って、そのような業務の専門家や、労働問題に関する労働者のはだざわりを身につけているような学識経験者を選んで配置をするように取り計らって参りますなれば、十分これらの機関を通して、労働教育行政はやれていくと考えられる。こうしたことは、労働行政を担当する労働大臣の当然の職務であると言わなければなりません。  さらに、お役所仕事がいけない理由は、もう一つ他に大きなものがある。それは、現在の労働省だけではなくて、総じて現在の内閣は、保守党内閣でありまして、これが、悪い言葉で言えば、資本家や官僚の立場によって、いわゆる使用者側の援護をする性格で行政を行なって、いつも労働者を抑圧してきたという長い経験から、保守政権を信用しないというのが、現状である。従って、いかなる呼びかけ教育にしましても、これをすなおに労働者が受け入れる気になれない、こういう事実を見のがしてはならぬと考えます。特にこの種の労働問題には、この立場上の相違が相当大きなウエートを占めていることは、政府当局といえどもよく御承知である。  そういうなれば、大臣は、それであるからこそ、公正な第三者によって作った協会がけっこうなものである、こうしばしばおっしゃってきた。事実上、労働大臣監督指導下に置かれているこの労働協会が、今申し上げましたような、現在の保守政権というものと、その行う行政、それとの一貫したつながりが、いわゆる保守反動政権である限り、どうしても労働者、革新陣営は納得がいかないから、教育をしても、まともにそれを受け入れない、こういう状態になっていることを忘れてはならぬと考えるわけでございます。  しかも、申し上げるように、あるいは本法案の中に盛られておる労働大臣監督指導のもとに置かれる人事にせよ、あるいは業務上の監査監督にせよ、すべて労働大臣の一手に掌握されておる。先ほど同僚藤田あるいは片岡両議員が質問の中にも述べておりました通り、むしろ労働省に設置されている調査、統計等の機能を強化して労働大臣が、口を開けば主張されている完全雇用の政策を確立するためには、非常に大きな仕事が労働省に課せられている。それは日本の働く勤労人口の実態を正確に把握することができなければ、決して合理的な産業配置あるいは労働配置は不可能である。働きたい者を働く場所に、そうして最低の生活を保障されるように働かせるという前提がございます。それについては、少くとも労働省が持っている総機能を発揮して、実態を把握をすることが、まず前提であると、しばしば私ども強調をして参りました。こういうところに、もし、この十五億円のこの協会基金なり、あるいはその基金基金として生かしておきましても、九千万円の金にしましても、使うなれば、この調査機能あるいは統計の整理機能、こういうものは、さらに一段と強化されることは、申すまでもないのであります。  次に、第三の問題でございます。この協会の人事と業務に関する点でございます。先ほども片岡同僚議員から指摘いたしましたが、会長並びに業務を監査する監事は、直接労働大臣の任命である。理事、評議員は、会長が大臣の認可を受けて任命する、こういう手続になっている。評議員会は、ただ単に理事の諮問機関にすぎない、こういう構成でありますから、勢い、これは労働大臣の意中で自由自在に利用ができ、運用されていく、そうすると、だれがどのような理屈をこね回してみても、この役員は、労働大臣のお気に召さなければ、任命されることは不可能である。このことについて、委員会労働大臣の所見をただしたのでございますが、こう言われる、「十分責任を持って、公平無私に協会運営ができる第三者を選任する自信と確信とがある」と大いに力まれた、こういうことほど、世にも危険なものは、私はないと言わなければならぬ。法務大臣の御意見によれば、一度法律成立、施行になるというと、ひとり歩きをするものであると言われた。この労働協会法案は、一たび法律となりますというと、ひとり歩きをしないのである。うしろの方から、労働大臣がひもをつけてあやつるようにできている。このことが将来、労働協会がいわゆる政府労働政策を、国民大衆に浸透させるための窓口であったり、あるいはまた、反動的な労働研究機関の、いわゆる思想的統一を生み出そうとする試みの端緒にほかならない。こういうふうに断ぜなければならぬと考えるのでございます。  われわれはここで、労働関係の問題でありますから、この評議員あるいは理事にいたしましても、また、それぞれが労使、公益というような各種団体、もしくは個人から推薦をされて集まった良識ある人々の合議によって運営されるような民主的な機構でなければ、公正な立場における第三者的機関とは、とうてい言いがたいということを、強く確信するものでございます。このようなひもつき御用機関を、第三者的立場というヴェールで宣伝効果を上げようとするところに、まことに忌まわしいこの協会の本質があるということを見逃がしてはなりません。(拍手)  第四の問題でございます。以上三点にわたって、問題点を指摘いたしましたが、ところが、役に立つ点が二つあるようでございます。(「いいじゃないか」と呼ぶ者あり)いいでしょう。その一つは、労働大臣の自己宣伝に役立つ、第二番は、官僚のうば捨て山に役立つ、この二つであります。私はこのような特質があることを、これは見逃すわけにはいかない。そこで、次のことをさらに指摘しておきたい。  本問題の審査に当りまして、大蔵委員会との連合審査をいたしました。その理由は、申し上げるまでもなく、この協会の元手になります基金が十五億、この金の支出と目的が重大でありますから、われわれは、委員会の同意を得て連合審査をやったのでございますが、この基金の十五億円は、三十一年度の決算結果、たな上げ資金四百三十六億三千万円のうち、新しい経済基盤の強化のために、二百二十一億三千万円をもって一般会計に属する資金とし、残りの二百十五億円を資金運用部に預託をして、そのうちの十五億円をこの協会資金に充当した、この十五億円の金利の九千万円なるものが、協会の運転資金に充てられている。ところが、このような剰余金が、極度な不況に見舞われて、今、皆様方の目の前に、中小企業の経営困難が相次ぎ、あるいは大企業においても生産の制限、経営規模の縮小等が行われている。そのために、僅々二カ月の間に四万に近いところの失業者の増大を見ておるということでございます。この種の無用の長物、すなわち労働協会等に、十五億円の金を寝かせるよりも、こうした失業者を救済する方法、あるいは倒れて行く中小企業に、資金を回して助けるというような仕事こそが、必要な仕事である、こう断ぜざるを得ないわけでございます。この種の無用の長物に多額の資金を投ずるというようなやり方は、今の岸内閣は、これが当り前と思っておいでかもわかりませんが、しかし、私どもは国の金を使うのであるから、あるいは国の金の利子をかせいで、その利子を使うのであっても同様であると言わなければならない。それを自己の政策宣伝の道具に使ったり、あるいは官僚のうば捨て山にするというようなことは、断じて許すことができぬのでございます。(拍手)  いま一点申し上げておきたい。すでに社会労働委員長から御報告があったので、皆さま方十分御承知いただいたと思います。いやしくも、国会における法案に対する審議権は、個々の議員が平等に持っておる。そこで、すなわち社会労働委員会において、労働協会法案審議が続けられてきた。しかしながら、事実、社会労働委員会が付託を受けて審議をした時間は、一時間と三十分にちょっと余ったくらいな時間でございます。こういう状態の中に、四月二十三日、自民党の方から質疑打ち切りの動議を持ち出した。私はこの瞬間、昭和二十四年の乱闘国会と言われた当時のさまを、ほうふつと呼び起しました。しかも、こっそりと委員長席にメモを持ち込んでみたり、あるいは、いわれもなく質疑の最中に質疑打ち切りの動議を出すというようなことは、議会を正常化するという両党間の話し合いや、あるいはまた、われわれがお互い議員としての面目にかけて守って行こうとした信義が、ことごとくにここに踏みにじられて、こういう実情に追い詰められたということでございます。  しかも、今申し上げますような事態の原因がどこにあったか、自民党の皆さんといえども、これを無理して通さなくてもいいのではないかという御意見があった。ところが、一生懸命拍車をかけて推進したのは、石田労働大臣であった。そうして、おれの面子にかけても、これは通すのだと豪語をされたということですが、それは、私は聞かない。そこで、ことに閣僚間でも、総理に対して、石田労働大臣が、この法案を通してくれなければ、よし解散の期日を延ばすことも、またやむを得ぬことであるぞという、強い進言をなされたということも聞いたのであります。これは事実を私存じませんが、少くとも、そういう話は偶然に路傍にころがっている話ではないと思う。でありますから、少くともそういう状態で、この重大法案審議が意を尽さなかったという点は、委員長とともに残念でたまらない。  ところが、すでに事はこの本会議で採決の段階になって参りました。ここで、ただ一つ警告を申し上げておくのは、採決の結果は明らかである。そこで、五年後には、私が今申し上げました事柄が、この労働協会の実態となって国民の前に姿を現わすであろう。私は少くとも自民党あるいは保守政権が続いて参りますならば、あの協調会が歩んだコースにもまさるコースを新しく作り出し、そうして歴史を逆転させるための片棒をになうであろうということを、十分警戒をして参らなければならぬことを付加いたしまして、私の討論を終ります。(拍手
  43. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) これにて討論通告者発言は終了いたしました。討論は、終局したものと認めます。  これより本案の採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案の表決は記名投票をもって行います。本案賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。   〔議場閉鎖〕   〔参事氏名点呼〕   〔投票執行
  44. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 投票漏れはございませんか。——投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。   〔投票箱閉鎖
  45. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) これより開票いたします。投票参事に計算させます。議場開鎖を命じます。   〔議場開鎖〕   〔参事投票を計算〕
  46. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数   百八十票   白色票     百七票   〔拍手〕   青色票    七十三票   〔拍手〕  よって本案は可決せられました。(拍手)      ——————————   〔参照〕  賛成者白色票氏名      百七名       中山 福藏君    田中 茂穂君       杉山 昌作君    島村 軍次君       手島  栄君    中野 文門君       佐藤 尚武君    河野 謙三君       松平 勇雄君    武藤 常介君       永野  護君    迫水 久常君       田中 啓一君    梶原 茂嘉君       石黒 忠篤君    森 八三一君       藤野 繁雄君    早川 愼一君       谷口弥三郎君    新谷寅三郎君       木内 四郎君    加賀山之雄君       後藤 文夫君    村上 義一君       本多 市郎君    鶴見 祐輔君       笹森 順造君    江藤  智君       仲原 善一君    成田 一郎君       西田 信一君    堀本 宜実君       鈴木 万平君    大谷藤之助君       稲浦 鹿藏君    吉江 勝保君       塩見 俊二君    前田佳都男君       三木與吉郎君    雨森 常夫君       小西 英雄君    館  哲二君       山本 米治君    小林 武治君       剱木 亨弘君    大谷 贇雄君       木島 虎藏君    有馬 英二君       大谷 瑩潤君    近藤 鶴代君       小柳 牧衞君    井上 清一君       小沢久太郎君    斎藤  昇君       小山邦太郎君    木暮武太夫君       石坂 豊一君    廣瀬 久忠君       西郷吉之助君    植竹 春彦君       草葉 隆圓君    安井  謙君       大野木秀次郎君    川村 松助君       黒川 武雄君    小林 英三君       野村吉三郎君    平井 太郎君       増原 恵吉君    松村 秀逸君       榊原  亨君    白井  勇君       最上 英子君    柴田  栄君       宮澤 喜一君    平島 敏夫君       後藤 義隆君    高橋  衛君       西岡 ハル君    横山 フク君       小幡 治和君    伊能 芳雄君       宮田 重文君    三浦 義男君       高野 一夫君    高橋進太郎君       古池 信三君    岡崎 真一君       佐野  廣君    寺本 廣作君       石井  桂君    関根 久藏君       野本 品吉君    秋山俊一郎君       上原 正吉君    伊能繁次郎君       石原幹市郎君    左藤 義詮君       杉原 荒太君    郡  祐一君       堀木 鎌三君    青木 一男君       泉山 三六君    林屋亀次郎君       横川 信夫君    吉田 萬次君       勝俣  稔君     —————————————  反対者青色票氏名     七十三名       森中 守義君    北村  暢君       鈴木  強君    藤田藤太郎君       相澤 重明君    松永 忠二君       木下 友敬君    平林  剛君       山本 經勝君    岡  三郎君       湯山  勇君    亀田 得治君       久保  等君    柴谷  要君       大和 与一君    安部キミ子君       江田 三郎君    近藤 信一君       東   隆君    大倉 精一君       竹中 勝男君    阿具根 登君       藤原 道子君    吉田 法晴君       中田 吉雄君    松澤 兼人君       藤田  進君    小笠原二三男君       成瀬 幡治君    小林 孝平君       島   清君    田中  一君       加藤シヅエ君    松本治一郎君       千葉  信君    戸叶  武君       荒木正三郎君    市川 房枝君       長谷部ひろ君    竹中 恒夫君       安部 清美君    鈴木  壽君       大河原一次君    伊藤 顕道君       北條 雋八君    光村 甚助君       秋山 長造君    加瀬  完君       坂本  昭君    阿部 竹松君       大矢  正君    松澤 靖介君       椿  繁夫君    田畑 金光君       中村 正雄君    矢嶋 三義君       相馬 助治君    横川 正市君       小酒井義男君    河合 義一君       松浦 清一君    天田 勝正君       高田なほ子君    片岡 文重君       永岡 光治君    重盛 壽治君       羽生 三七君    曾禰  益君       栗山 良夫君    山下 義信君       棚橋 小虎君    内村 清次君       山田 節男君      ——————————
  47. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 議事の都合により、これにて午前十時まで休憩いたします。    午前五時三分休憩      ——————————    午前十二時開議
  48. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。  日程第一、核原料物質核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案  日程第二、北海道地下資源開発株式会社法案(いずれも内閣提出衆議院送付)  以上、両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。商工委員長近藤信一君。   〔近藤信一登壇拍手
  50. 近藤信一

    近藤信一君 ただいま議題となりました二法案につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、核原料物質核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。  去る第二十六国会成立し、昨年十二月九日以来施行しております核原料物質核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律によりますと、いわゆる核燃料物質と言われているものは、すべて原子力に利用されるものであるという前提から、その使用に際しては、用途及び使用量のいかんを問わず、政府の許可が要ることになっており、その譲り渡し、譲り受けにも、特定の例外を除いて、厳重に制限しているのであります。ところが、実際には特定の種類の核燃料物質については、原子力利用以外に、ナトリウムとか、亜鉛とかの分析用の試薬等に用いられ、しかもそれは徴量であるため、放射線障害を発生するおそれもないということが、現行法を運用しているうちに明瞭になって参ったのであります。従いまして、本改正法案によって、このように原子力利用以外に使用する微量の核燃料物質については、一々、政府の許可を要しないで使えることにし、さらに、これらの譲り渡し、譲り受けの制限も緩和するための所要の措置規定しているのであります。  以上が改正内容でありますが、委員会における審査の詳細はすべて会議録に譲りたいと存じます。  かくして討論に入りましたところ、別に発言もございませんでしたので、直ちに採決の結果、全会一致をもって政府原案通り可決すべきものと決定した次第であります。  次に、北海道地下資源開発株式会社法案について御報告申し上げます。  この法律案は、北海道における地下資源の開発を促進するため、探鉱等の事業を行う特殊会社を設立しようとするものでありまして、会社の組織、業務等に関し必要な事項を規定したものであります。  この会社は、政府が常時、半額以上の株式を保有する特殊法人であり、探鉱等の事業を行うもので、鉱山の経営は行わないことになっております。会社に対する政府の初年度の出資は二億円で、昭和三十三年度の産業投資特別会計予算に計上されており、他に民間よりの出資一億円が見込まれております。なお、会社の本店所在地が、政府原案では東京都となっておりましたのを、衆議院において、札幌市に改める等、若干の修正を付して本院に送付して参りました。  委員会におきましては、石井国務大臣関係政府当局及び衆議院における修正の提案者たる渡邊惣藏君、川村善八郎君に対し、熱心な質疑が行われましたが、その詳細は、この際、会議録に譲ることを御了承いただきたいと存じます。  質疑を終り、討論に入りましたところ、まず、青柳委員より、「付帯決議を付して、本法案賛成する」旨の意見を表明されました。付帯決議案は、   政府は、本法の施行に当り、特に次の諸点を配慮すべきである。   一、会社の機構は簡素のものとすること   二、資金の効率的使用をはかること   三、年次的事業計画を具体的に策定し強力に増進すること というものであります。  次いで阿部委員は、「会社の予算並びに事業計画を具体的に明確にすること、本店所在地が、衆議院で、札幌に修正されたが、会社は、東京において折衝すべき事項の多いことを考慮すること、北海道において地下資源の探査は、他の会社においても実施されていることを念頭において、本会議運営すること」を要望して、本法案に賛意を表せられました。  かくして討論を終り、採決の結果、本法案は、全会一致をもって衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、青柳委員提案の付帯決議案を採決の結果、全会一致をもって当委員会の決議とするごとに決しました。これに対し、北海道開発庁次官池田君より、「付帯決議の趣旨を体して本法実施に当りたい」旨の発言がありました。  以上、二法案報告を終ります。(拍手
  51. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。  両案全部を問題に供します。両案に賛成諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  52. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 過半数と認めます。よって両案は可決せられました。      ——————————
  53. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 日程第三、相続税法の一部を改正する法律案  日程第四、日本開発銀行法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出衆議院送付)  以上、両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。大蔵委員長河野謙三君。     —————————————  〔河野謙三君登壇拍手
  55. 河野謙三

    河野謙三君 ただいま議題となりました二つの法律案につきまして、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。  まず、相続税法の一部を改正する法律案について申し上げます。  現行相続税は、遺産の分割の状況によって税額が著しく異なり、また、税負担そのものがなお重い現状にかんがみ、今回、課税方式の変更、課税最低限の引き上げ及び税率の緩和により、中小財産階層の負担を大幅に軽減しようとするものであります。  本案内容のおもなる点を申し上げますと、第一点は、現行の遺産取得課税方式を改め、資産の総額から一定の基礎控除を行なった後の価額を、法定相続人が民法の相続分に従って相続するものとした場合の総額を計算し、これを各相続人の実際の取得財産の価額に応じて配分し、各人の相続税額を計算する方式を採用しております。第二点は、基礎控除を大幅に引き上げ、相続税の総額を計算する場合、百五十万円に法定相続人一人につき三十万円を加算した金額としており、また、税率の累進度を緩和して、おります。第三点は、配偶者控除、未成年者控除を税額控除に改め、配偶者はその税額の二分の一、未成年者は成年に達するまで年一万円ずつ控除されることとしております。第四点は、贈与税について、基礎控除を二十万円に引き上げ、税率の緩和調整をはかっております。  この改正案は、昭和三十三年一月一日以後、相続または贈与の場合について適用せられることとなっております。なお、衆議院において、配偶者控除三分の一を二分の一に改め、施行を公布の日とする修正が行われたのであります。  委員会における審議の詳細につきましては、会議録によって御承知を願いたいと存じます。  質疑を終了し、討論、採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、日本開発銀行法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、最近における日本開発銀行の業務状況、国際復興開発銀行よりの外貨借款の増大等を考慮いたしまして、業務の円滑な運営をはかるため、借入金の限度額を自己資本の二倍とし、貸付と債務保証の合計額は、自己資本と借入金の限度額の合計額をこえないことといたそうとするものであります。  委員会における審議の詳細につきましては、会議録によって御承知を願いたいと存じます。  質疑を終了し、討論、採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告いたします。(拍手
  56. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。  両案全部を問題に供します。両案に賛成諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  57. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 過半数と認めます。よって両案は可決せられました。      ——————————
  58. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 日程第五、日本電信電話公社法の一部を改正する法律案  日程第六、お年玉つき郵便葉書等の発売に関する法律の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出衆議院送付)  以上、両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。逓信委員長宮田重文君。   〔宮田重文君登壇拍手
  60. 宮田重文

    ○宮田重文君 ただいま議題となりました二法案につきまして、逓信委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、日本電信電話公社法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本法案は、日本電信電話公社の監査機能を確立するため、経営委員会のもとに執行系統から独立した監査機能を有する監事制度を設けることとし、これに伴う所要の改正をいたそうとするものであります。  次に、本案のおもなる内容について申し上げますと、公社に、任期三年の監事二名を置くこと、監事の任免は経営委員会が行うこと、監事は公社の業務を監査し、その結果を経営委員会報告すること及び財務諸表に添付すべき監査報告書を作成すること等であります。  逓信委員会におきましては、郵政省及び日本電信電話公社各当局につき詳細にわたり質疑を行い、慎重審議をいたしたのでありますが、その詳細は会議録によって御了承を願いたいと存じます。  かくて質疑を終了し、討論に入りましたところ、別段の発言もなく、直ちに採決の結果、全会一致をもって、本案衆議院送付案の通り可決すべきものと決定した次第であります。  次に、お年玉つき郵便葉書等の発売に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。  現行法は、昭和二十四年に制定せられたものでありまして、当時は終戦後日浅く、社会情勢はいまだ十分安定しておらなかったため、寄付金額にしても、多くを望み得ない状況でありましたが、その後、社会情勢の安定に伴い、寄付金額も逐年増大して参り、現行のままでは、手続的にも制度的にも不十分の点があるので、必要なる改正を加え、寄付金の万全なる管理と適正なる配分をなそうとするものであります。  改正案の要点について申し上げますと、第一点は、寄付金を配分する対象の範囲を拡張して、風水害、震災等の救助団体、ガン、結核、小見麻痺等の学術的研究と治療を行う団体、原爆被災者に対する治療その他の援助を行う団体及び郵政職員の保健もしくは保養を目的とする事業を行う団体にも配分することができることとしようとするものであります。第二点は、寄付金つき郵便はがきの発行に際しては、あらかじめ寄付目的及び配分団体を決定し、その発行前に寄付目的、発行枚数その他必要事項を告示する等、その手続を整備しようとするものであります。第三点は、寄付金配分額の決定に当っては、団体の事業を所管する大臣と協議を要することとし、また、配分額は公示することとしたことであります。第四点は、郵政大臣は寄付金の配分を受ける団体の事業を所管する大臣と協議し、かつ郵政審議会にはかつて、当該団体の守るべき準則を定めることができることとしようとするものであります。第五点は、寄付金を管理するため、郵政大臣監督のもとに郵便募金管理会と称する特殊法人を設立して、寄付金の受け入れ、保管、交付及び寄付金の使途監査等を行わせようとするものであります。  逓信委員会におきましては、郵政省当局に対し詳細にわたり質疑を行い、慎重審議をいたしたのでありますが、その詳細は会議録によって御了承を願いたいと存じます。  かくして質疑を終了し、討論に入りましたところ、奥委員より、緑風会を代表して、次のような修正の動議提出せられました。    お年玉つき郵便葉書等の発売に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案   お年玉つき郵便葉書等の発売に関する法律の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。   五条の改正規定のうち同条第二項中、原子爆弾の被爆者に対する治療その他の援助を行う団体又は逓信省の職員の保健若しくは保養を目的とする事業を行う団体」を「又は原子爆弾の被爆者に対する治療その他の援助を行う団体」に改める。   第五条の次に三十二条を加える改正規定のうち第七条第一項後段を削る。 というものであります。  他に発言もなく、直ちに採決いたしましたところ、奥委員提出の修正案は、全会一致をもって可決せられ、また、修正部分を除く衆議院送付案は、全会一致をもって可決し、ここに修正議決すべきものと決定した次第であります。  右、御報告申し上げます。(拍手
  61. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。  まず、日本電信電話公社法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。  本案賛成諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  62. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。      ——————————
  63. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 次に、お年玉つき郵便葉書等の発売に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。委員長報告は修正議決報告でございます。  委員長報告の通り修正議決することに賛成諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  64. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 総員起立と認めます。よって本案は、全会一致をもって委員会修正通り議決せられました。      ——————————
  65. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 日程第七、法務省設置法の一部を改正する法律案  日程第八、農林省設置法の一部を改正する法律案  日程第九、厚生省設置法の一部を改正する法律案  日程第十、運輸省設置法の一部を改正する法律案  日程第十一、国家公務員共済組合法長期給付に関する施行法案  日程第十二、防衛庁設置法の一部を改正する法律案  日程第十三、自衛隊法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出衆議院送付)  以上、七案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。内閣委員長藤田進君。   〔藤田進君登壇拍手
  67. 藤田進

    藤田進君 ただいま議題となりました法務省設置法の一部を改正する法律案農林省設置法の一部を改正する法律案厚生省設置法の一部を改正する法律案運輸省設置法の一部を改正する法律案国家公務員共済組合法長期給付に関する施行法案防衛庁設置法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案、以上七件につきまして、内閣委員会における審議の経過並びに結果を願次報告申し上げます。  まず、法務省設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本法律案は、衆議院において修正議決の上、当院に送付せられたものでありまして、まず、本法律案政府原案の改正の要点を申し上げますと、その第一点は、大臣官房に司法法制調査部を置くこと、その第二点は、法務大臣が必要と認むるときは、法務研修所の支所を置くことができるものとすること、その第三点は、法務大臣の管理のもとに婦人補導院を置くこと、その第四点は、入国管理事務所の出張所の名称及び位置を法務省令で定めるものとすること、その第五点は、東京拘置所の位置を改めること、以上五点であります。  右の政府原案に対し、衆議院におきましては、次の二点につき修正がなされました。  その第一点は、入国管理事務所の出張所の名称と位置を法務省令で定めることを取りやめ、現在通り法務省設置法の別表でこれを定めることとしたこと、その第二点は、施行期日について所要の修正を加えたことであります。  内閣委員会は、保科衆議院内閣委員の出席を求め、本法律案衆議院において修正せられました他の設置法改正法案の修正部分について説明を求めました後、唐澤法務大臣その他政府委員の出席を求めて、本法律案審議に当りましたが、その審議において、司法法制調査部の運営に関する点、法務研修所支所の設置に関する点、婦人補導院の今後における運営の構想等の諸点につきまして質疑応答がありましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。  昨日の委員会において質疑を終り、討論もなく、よって直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって、衆議院送付の原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、農林省設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  まず、本法律案改正の要点を申し上げますと、その第一点は、食糧庁に経理部を新設すること、その第二点は、輸出品検査所及び種畜牧場の所掌事項について改正を加えたこと等であります。  内閣委員会は、関係政府委員の出席を求めて、本法律案審議に当りましたが、その審議において、経理部新設の必要な理由、健来の食管特別会計の運営の状況、本法律案と予算及び定員との関係等の諸点につきまして質疑応答が行われましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。  昨日の委員会において質疑を終り、討論もなく、よって直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、厚生省設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本法律案は、衆議院において修正議決の上、当院に送付せられたものでありまして、まず、本法律案政府原案の改正の要点を申し上げますと、その第一点は、内部部局のうち、公衆衛生局を予防局及び環境衛生局の二局に分けて、環境衛生部を廃止すること、その第二点は、地方支分部局のうち、舞鶴地方引揚援護局並びに復員連絡局及び同支部を廃止すること、その第三点は、この法律昭和三十三年四月一日から施行すること、ただし復員連絡局及び同支部の廃止は本年五月十六日、舞鶴地方引揚援護局の廃止は、本年十一月十六日とすること、以上三点であります。  右の政府原案に対し、衆議院において、次の二点について修正がなされました。その第一点は、公衆衛生局を解体して、予防局及び環境衛生局の二局に分離せんとする改正を取りやめ、公衆衛生局を現状のまま存置すること、その第二点は、施行期日について所要の修正を加えた点であります。  内閣委員会は、堀木厚生大臣その他政府委員の出席を求めて、本法律案審議に当りましたが、その審議において、環境衛生と予防衛生に関する今後の政府の対策、中共、樺太の残留邦人の引揚状況、政府の結核対策等の諸点につきまして質疑応答が行われましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。  昨日の委員会において質疑を終り、討論もなく、よって直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって、衆議院送付の原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、運輸省設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  まず、本法律案改正の要点を申し上げますと、その第一点は、海運局に次長一人を置き、同局の海運調整部を廃止すること、その第二点は、航空局監理部の所掌事務中、航空従事者に関するものを同局技術部の所掌事務とし、同局技術部の所掌事務中、飛行場の建設、改良以外の飛行場に関する事務を、同局監理部の所掌事務とすること、その第三点は、運輸技術研究所の支所を、茨城県那珂郡東海村に置くこと、その第四点は、その他所掌事務に関する規定を整備すること、以上四点であります。  内閣委員会は、中村運輸大臣その地政府委員の出席を求めて、本法律案審議に当りましたが、その審議において、原子船建造の見通し、民間航空のパイロットの数及びその養成計画、民間航空路線の拡大及び民間飛行場の整備計画等の諸点につきまして質疑応答が行われましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。  昨日の委員会において質疑を終り、討論もなく、よって直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって、衆議院送付の原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、国家公務員共済組合法長期給付に関する施行法案について申し上げます。  本法律案は、衆議院において修正議決の上、当院に送付せられたものでありまして、この法律案は、今国会において、さきに国家公務員共済組合法長期給付制度の大幅な改正が行われたのに伴い、これに伴う経過措置について必要な事項を定め、あわせて関係法律の整理を行わんとするものであって、その内容の概要を申し上げますと、改正前の長期給付規定の適用を受けていた旧組合員期間及び恩給公務員期間であった期間は、原則として、改正後の長期給付規定の適用を受ける新組合員期間に通算し、旧組合員期間及び恩給公務員期間について、改正前の長期給付規定及び恩給に関する法令の規定を基礎として計算した金額と、新組合員期間について改正後の長期給付規定を基礎として計算した金額との合計額をもって改正後の長期給付の支給額とし、恩給公務員であった者については、年金の最短所要年限が延長され、また、旧組合員であった者及び恩給公務員であった者について、ともに退職年金の若年停止年令が引き上げられることに伴う所要の経過措置を講ずるほか、その他制度全般にわたり所要の経過措置を講じております。  内閣委員会は、大蔵大臣その他関係政府委員の出席を求めまして、この法律案審議に当りましたが、その審議において、本法律案の適用を受ける地方公務員の経過措置に伴う追加費用については、地方団体が直接負担するのか、または国が間接的に負担するかの点等につきまして質疑応答がありましたが、そり詳細は会議録に譲りたいと存じます。  昨日の委員会において質疑を終り、討論もなく、よって直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって、衆議院送付の原案通り可決すべきものと決定いたしました。  最後に、防衛庁設置法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案について申し上げます。  まず、防衛庁設置法の一部を改正する法律案改正の要点を申し上げますと、その第一点は、防衛庁の職員の定員を一万九千二百十六人増加し、現在の定員二十二万三千五百一人を二十四万二千七百十七人に改めることとした点であります。この一万九千二百十六人の増加分のうち、一万七千九百九十七人が自衛官で、残りの千二百十九人が自衛官以外の職員でありまして、自衛官の増加分は、陸上自衛官にあっては、施設、通信等技術関係部隊及び混成団等の増強または新設に充てる要員であり、海上自衛官にあっては、学校の新設及び後方関係の充実等に充てる要員であり、航空自衛官にあっては、航空集団を航空総隊に改編することに伴う隷下部隊の増加、航空団の増設及び教育部内の拡充に充てる要員であります。その第二点は、職員の保健衛生及び医療の充実をはかり、また、病院の運営その他衛生業務について、その円滑な運営及び質的な向上をはかるため、新たに内部部局として衛生局を設置することとした点であります。その第三点は、自衛隊の質的増強の一環として装備品等の研究開発機構の整備をはかるため、技術研究所を技術研究本部に改めることとした点であります。その第四点は、防衛研修所において、委託により防衛庁の職員以外の者の教育を実施し、また、防衛大学校において、委託により外国人の教育訓練を実施することができることとした点であります。  次に、自衛隊法の一部を改正する法律案改正の要点を申し上げますと、第一点は、陸上自衛隊の整備のため本州中部に混成団一を新設するとともに、航空自衛隊の防空部隊の指揮系統の整備をはかり、航空集団を改編して長官直轄部である航空総隊及び航空総隊の隷下部隊である航空方面隊を新設し、また、航空警戒管制及び航空保安管制関係の要員を養成するために管制教育団を、また、航空自衛隊の輸送体制を強化するために輸送航空団を新設することとした点であります。その第二点は、防衛庁の付属機関において、部外者に対する教育訓練の受託に関し所要の改正をすることとした点であり、その第三点は、自衛隊に対する消防法の適用除外について所要の改正をすることとした点であります。その他、自衛隊を視察または見学する者に対する食事の支給、不発弾等の除去及び処理に関し所要の改正をいたしております。  内閣委員会は、前後九回にわたり委員会を開き、この間、岸内閣総理大臣、津島防衛庁長官その他関係政府委員の出席を求めて、本二法案につき慎重に審議をいたしましたが、なお、この間、法案審査の慎重を期するため、去る四月十七日、今村均君外二名の参考人により意見を聴取いたしました。  委員会において、本二法案審議に当り、問題となったおもな点を申し上げますと、第一点は、憲法第九条の戦力解釈に関する点でありまして、「この戦力解釈は、吉田内閣以来いろいろと変遷しておるが、岸内閣においては、この憲法の禁止する戦力をいかように解釈せんとするものであるか、戦力解釈は、鳩山内閣と同一なりやいなや」との点に関しまして、「戦力解釈は、鳩山内閣当時と変っておるわけではない。憲法の禁止する戦力は、吉田内閣当時のごとく、近代戦遂行能力と規定することは不明確と考えるので、むしろ、自衛のための最小限度の実力を越えたものと考えたい。憲法が自衛権を否定していない以上、これを裏づけるに足る自衛のための最小限度の実力を持つことは違憲ではない。この自衛のための最小限度の実力は、通常の観念から申せば、鳩山内閣当時使われたように、自衛のための最小限度の戦力とも言えるが、しかし、憲法の禁止する戦力には該当しないものである」旨、岸総理より所見が明らかにされました。なお、右に関連して、「憲法の禁止する戦力と自衛のための最小限度の実力とを区分する基準は何であるか」との点がただされましたのに対しまして「たとえば、原水爆は、自衛のための最小限度の実力以上のものであると考える」旨、また、「侵略戦争は別として、自衛戦争は違憲ではないとの解釈をとるものであるか、すなわち、憲法第九条第二項の「前項の目的を達するため」という字句は、第一項の中の「国際紛争を解決する手段としては」という字句だけを受けるものか、それとも第一項全体を受けるものであるか」との質問に対しまして、「自衛戦争は違憲でないと解釈するとせば、自衛権の名において、他国に脅威を与えるような戦力を無制限に持てるとの誤解を生ずる危険があるから、かかる表現は適切でない。「前項の目的」は、第一項全体を受けるものと解釈する」旨、岸総理より答弁がありました。  その第二点は、核兵器のわが国内への持ち込みの点であります。この点に関しまして、岸総理は、「かねてより、核兵器はいかなる場合にも、わが国内へ持ち込むことは絶対拒否するとの固い決意を示してきたが、果してその通りであるかどうか、この核兵器の中には、戦術用小型核兵器をも含むものであるかどうか」との点がただされましたのに対しまして、「原水爆は攻撃的、破壊的性質を持つから、これを持つことは違憲であることは言うまでもないが、戦術用の小型核兵器を持つことは違憲とは考えられない。しかし、憲法論とは離れて、外敵の核兵器使用による攻撃に対しては、核兵器によって応戦しなければ、防衛目的が達せられぬというような時代にはいまだ到達していない、のみならず、核戦争というものは、人道上許せぬものと考えるし、核兵器の使用は、世界的に禁止してもらいたいという熱望を持っているので、かかる小型の核兵器の国内持ち込みも、絶対拒否する」旨、岸総理より強い所信が述べられました。なお、右の点に関連して、「最近、アーウィン国防次官補代理が、日本の核武装化に関する言明をなしたことが新聞で報道されただけに、岸総理の決意だけでは国民はその不安が解消されないから、岸総理が核兵器持ち込み拒否のかたい決意を有するならば、なぜ、そのことを日米安全保障条約及び日米行政協定の中に盛り込むことにより、国民の不安を除去する努力がなされないのか」との点がただされましたのに対しまして、「日本の核武装化の言明に関しては、その直後、米当局者が明確に否定をしており、また、現在直ちに日米安保条約及び行政協定の中に、核兵器を日本国内に持ち込まないとの趣旨を盛り込むがごとき措置をなす必要を認めないが、この点は、将来十分に努力いたしたい」旨、岸総理より答弁がありました。  その第三点は、防衛二法案と長期防衛計画との関係の点でありまして、この点に関し、「国際的及び軍事的諸情勢の変動に伴って、既定の国防の基本方針及び整備目標について再検討する必要なきや」との点につき、ただされましたのに対しまして、「かかる諸情勢の変動に対応して、政府においては、わが国、防衛力の整備目標につき、絶えず検討は行なっているが、現在行うべき急務は、陸、海、空にわたり防衛の根幹をまず整備することにある、従って、いわゆる第二次防衛の整備計画については、目下のところ、何ら部内で協議を行わず、もちろん具体案も持っていない」旨、津島防衛庁長官より答弁がありました。  その第四点は、自衛力の増強に関する点でありまして、その第一は、「わが国防衛力増強の目標いかん」との点につき、ただされましたのに対し、「防衛力増強の目標は、侵略の行われた場合、みずからを守り得る最小限度の防衛体制を整えんとするものであって、みずからの力で防衛できない場合は、集団安全保障ないし米駐留軍の力に待つ方針である」旨、第二に、「自衛隊の質的増強とは何か、防衛庁においては、今後ミサイルの研究開発に重点を置くとのことであるが、この中に核兵器は入らぬかどうか、ミサイルと核兵器との関係いかん」との質問に対しましては、「わが国の防衛において、核装備をしなければ防衛上役立たぬとは考えないし、核装備の使用は、全然考えていないが、ミサイルの研究開発は必要と考える、なお、核装備とミサイルとの間には截然たる区別がある」旨、津島防衛庁長官より答弁がありました。  なお、このほか、自衛行動と交戦権の関係、沖縄関係の防衛問題、海外派兵の有無、領空侵犯に対する措置、航空自衛隊の新機種の選定、防衛庁の根本的機構の改革、すなわち現在の外局を省に改編する構想の有無、防衛関係費と国民所得との割合はいかなる程度であるべきかの点、防衛分担金の負担方式の改廃の要否、軍機保護法制定の要否、国防会議及び日米安全保障委員会の最近の運営状況等の諸問題につきましても、政府当局との間に、質疑応答が重ねられましたが、その詳細は委員会会議録に譲ることといたします。  昨日の委員会におきまして、自由民主党の松岡委員より、質疑打ち切りの動議提出せられ、右の動議につき採決の結果、多数をもって可決せられましたので、直ちに討論に入りましたところ、日本社会党を代表して矢嶋委員より、また、第十七控室の八木委員より、本二法案に対し、順次、反対討論が述べられ、次いで、自由民主党を代表して大谷藤之助委員より、本二法案に対し賛成討論がなされました。  かくて討論を終り、直ちに本二法案を一括して採決いたしましたところ、賛成者多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  68. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 防衛庁設置法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案に対し、討論通告がございます。発言を許します。矢嶋三義君。   〔矢嶋三義君登壇拍手
  69. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま上程されました防衛関係法案に対して、断固反対討論をなさんとするものであります。(拍手)  そもそも本法案提出したる岸内閣は、内外にわたる経済情勢の見通しを誤まり、その金融財政政策のために、国民、特に中小商工業者を初め、勤労者を深刻なる不況に追い込み、その生活を脅かすに至ったのであります。他方、外、国際情勢の分析、見通しを誤まり、依然として対米一辺倒、従属外交に終止し、アジア近隣諸国の不信を招き、対韓国、中国、ソビエト等の外交は、ことごとく失敗に帰し、西に、第四次日中貿易協定の不成立によって、大なる中国の国際市場を他国の進出にゆだね、北、正当なるオホーツク海の漁業権を放棄し、国民の生活とわが国産業経済の進展に重大なる支障を招来したのであります。さらに、国内労働者に対しては、終始強硬なる反動弾圧政策をもって臨み、さらに教育の政党支配への野望を露骨化し、民主日本建設推進の基盤とも申すべき民主教育の逆行をもたらし、無用な教育界の混乱を招来するがごとき教育に対する勤務評定の強行をも、あえてなしつつあるのであります。その責任を全国民の名において糾弾し、即時退陣を強く要求すべきことは、今さら言うを待たないのであります。(拍手)  さて、本論に入りまするが、国防、軍備の問題を論ずるときに、私どもは、忘れてならないことがあります。それは第二次世界大戦で、私どもは戦没死者百八十万人、軍属死者十六万人、未亡人二十七万人、戦争遺児五十五万人、国土の喪失四三%、国富の喪失二三%の犠牲を払い、そうして平和的、民主的日本国憲法を得たということであります。本法律案は、岸内閣が国家の基本法日本国憲法を軽視し、じゅうりんしていることを明らかに示すものであり、断じて許すことはできないのであります。  そもそも、憲法制定の国会において、時の担当金森国務大臣は、武力の保持とその行使を否定し、次のごとく答弁いたしておるのであります。「第二項は、武力は持つことを禁止しておりますけれども、武力以外の方法によって、ある程度防衛して損害の限度を少くするという余地は残っていると思います。第二項によって自衛戦争を行うべき力を全然奪われておりますからして、その形はできません。しかし各人が自己を保全するということは、もとより可能なことと思いますから、戦争以外の方法でのみ防衛するのであります。」、その後、自衛隊の生みの親とも申すべき元首相吉田茂君は、次のごとく述べております。すなわち、第十三回国会におきまして、「自衛のためでも戦力を持つことは、いわゆる再軍備でありまして、この場合には憲法の改正を要するということを、私はここにあらためて断言いたします。」、しかるに、鳩山内閣を経て現在の岸首相は、国会において次のごとき憲法九条の解釈をいたすようになりました。すなわち、「自衛のためなら戦力、武力を保持できるし、相手の急迫不正の攻撃を迎え撃つに必要な最小限度の戦力、武力は保持し、行使できる。さらに重要なことは、他国からIRBMのごとき核兵器による攻撃があった場合は、これを迎え撃つ兵器を持つことを憲法九条は禁止していない」とまで、答弁を私に対してなしたのでありまして、憲法を歪曲し、脆弁を弄することも、きわまれりと申さなければなりません。(拍手)かりに、岸首相のごとき憲法解釈をするならば、再軍備のために憲法九条の改正を必要としないのでありまして、憲法改訂論者の総理は、自衛に必要な最小限度の戦力を越える、いわば他国に脅威を与える程度の戦力を保持せんとしているのでありまして、国民と国家を再びあの歴史的な戦争への過誤に導く危険が、きわめて大なることは言うを待たないのであります。  この二法案成立の暁は、陸上自衛隊十七万人、海上自衛隊二万五千四百四十一人、十一万二千トン、航空自衛隊二万六千六百二十五人、九百九十機となり、防衛庁職員定員は一万九千二百十六人増加しまして、二十四万二千七百十七人と相なるのでありますが、自衛隊のごとく、常時軍隊方式に編成装備され、継続的訓練を受けている現在の自衛隊が、憲法九条後段の戦力に該当し、憲法に違反するものであることは言うを待たないのであります。  次に、指摘しなければならないことは、自衛隊と米軍との関係であります。自衛隊は、アメリカの世界戦略体制の一環として強化され、核武装への道を進まんとしつつあることは、ダレス国務長官が二月に、一九六〇年ごろには、中共周辺の諸国は、有効な核兵器を持つに至るであろうという談話を発表したことや、また、米太平洋軍総司令官スタンプ大将は、記者会見で、ナイキ、オネストジョンを日本に供与する用意があると語ったこと、さらにまた重大なることは、去る四月十八日、アーウィン米国防次官補代理が、次のごとき記者会見をしたことをもってしても、きわめて明白であります。すなわち、日本に核兵器基地を設置したい。日本政府は核兵器並びに核兵器の基地について、きわめて消極的であるので、米軍の幹部の多くは、日本に圧力をかけるべきであると考えていると述べたのであります。このことは、わが国の有名なる日刊紙にすべて掲載されたところでございます。  このたび技術研究本部が設けられますが、新兵器の研究費二十四億円が計上され、うち約四億円は、ミサイル関係の予算と相なっておるのであります。岸総理は、口を開けば、人道上核兵器は保持しない、また、他国の持ち込みを拒否するし、さらに、アメリカはわが国内に持ち込まないことを信頼していると申しますが、沖繩、朝鮮に原子砲等核兵器が持ち込まれていること、さらに、太平洋艦隊の一部は、核武装をなされていることは周知の通りでございます。また、ジョンソン基地には、B47のような米国戦略空軍の中心機である原水爆爆撃機が、さらに板付には、原子空戦に備えるF100Bが装備されているということであります。これらの飛行機、軍艦は、日米行政協定の第五条に基き、自由にわが国の港に入港、着陸ができるのであります。さらに、事ある場合は、行政協定の第二十四条に基き、これら核武装部隊と自衛隊は、共同措置をとることになっているのでありまして、伝えられるがごとき報復攻撃もあり得るというソビエトの声明を思うとき、まことに不安、危険きわまるものと思われるのであります。岸総理の言葉が真実であるならば、わが党の提案している日本の非核武装に関する決議案に、即刻賛成し、決議して、このことを世界に宣言すべきであります。(拍手)また、アメリカと核兵器を持ち込まないという協約を、なぜ結べないのでありますか。ソ連が先般なした核実験の停止や、核兵器の製造中止に関する一方的宣言並びにジュネーブにおける国連主催の海洋法会議で、ソ連が提出した公海における核実験の禁止に関する決議案に対する日本政府の煮え切らぬ態度は、あまりにもアメリカに気がねし、追従している外交政策の結果で、アメリカの世界戦略体制と、両陣営の対立に思いを及ぼすとき、岸さんに、総理と国防会議議長をゆだねることは、適当でないと考えるものであります。御承知のごとく、世界の科学技術兵器は急速に進歩しつつあり、昨年来、まずソ連がICBM、人工衛星の打ち上げに成功し、まさに世は宇宙時代と相なったのであります。このことは、世界各国の外交面、防衛方針に影響、変化を与え、国際政治に相当の変化をもたらしたことは御承知の通りであります。その後、アメリカはジュピターCの打ち上げに成功しましたが、地球を二千三百七十回回り、一億キロメールの行程の後、去る十四日消滅したと言われるソ連の第二号人工衛星に比すると、その重さ八十三・六キログラムの約三十六分の一に過ぎなかったのでありまして、米ソの間には、かなりの水準差があるもののごとく、アメリカは、かなりの焦躁の色さえうかがわれるのであります。わが国は、断じて軍備拡大競争、核武装競争の渦中に巻き込まれてはならないのでありまして、西独の歩みつつある道は、重大関心を払って見守るべきであります。いずれの国に対しても、攻撃の口実を与えるがごとき外交、国防政策をとるべきでなく、あくまでも自主中立の外交政策を堅持し、一般軍縮の呼びかけとともに、核実験絶対禁止を、国連を通して徹底的に主張し、実現への努力を積み重ねるべきであると考えるものであります。  巨頭会談開催の動きに見られるごとく、各国は、話し合いによって共存共栄をはかるべく、努力を傾けておりますが、わが国としては、対米従属性の強い自衛隊を拡充すべきでないとともに、近年の科学兵器の進歩を考えるとき、一昨年来、アメリカの要請に基く陸上自衛隊一万人の増員をはかることは理解しがたく、新時代に即応する国防方針を再検討すべきであると思います。この陸上自衛隊の増員については、アメリカも最近その要望が消極化していると伝えられておりまするし、また、与党自由民主党の国防部会においても、相当異論のあったところでありまして、しかも、陸上自衛隊一人を増員するに当って、約二十六万円の予算を要することを思うときに、まことに不経済な事柄だと思うのでございます。  さらに問題は、兵器の問題でございますが、F86Fは、三十四年まで計三百機生産することに相なっておりまするが、最近超音速ジェット機スーパー・タイガーF11F、これは一機が三億六千万円いたしまするが、昭和三十七年まで三百機を生産する計画を立てております。この飛行機は、グラマン社が二機試作しただけでございまして、日本に対して各メーカーから、ずいぶんと売り込み競争があり、わが日本においても、三菱重工業や川崎航空等が熾烈なるせり合いを展開して、そうして結局F11Fにきまったのでございまするが、これを三百機作るとするならば、実に約千億円の予算を要する次第でございまして、今の科学の進歩から見るならば、四年後には、あるいはこれは役に立たない飛行機になっているのではないかと思う次第でございます。今やミサイル時代に入って、アメリカは航空機を減じて、業者が困っておりますので、業界の救済政策を講じつつあるときでございまするが、わが国において、決してかようなことのないよう、十分の監視を必要とすると思う次第でございます。  これら防衛関係予算は、防衛庁予算約千二百億円、それに防衛分担金を合わして、実に千四百六十一億円に及んでいるわけでございまするが、私どもに完全失業者七十万人、困窮者千万人をこえるわが国においては、社会保障政策を推進するとともに、荒れ果てた国土の開発と保全を、まずもって先行さすべきだと考える次第でございます。(拍手)  私は、諸外国の状況を調べましたが、スエーデン、デンマークにおきましては、一九五四年以来、国防費の歳出総額に対する比率は減少するとともに、社会保障費の歳出総額に対する比は、逆に年々増加し、実に約二四%となっておる次第でございます。わが国の統計を見まするならば、三十一年一〇・八%、三十二年一〇・七%、三十三年九・五%と下降線をたどっておる次第でございます。こういう実情から考えても、また、年々約二千五、六百億円の富を喪失している災害国日本を思うときに、まず先行すべきは、社会保障政策の推進と国土開発、保全にあると思う次第でございます。私は、皆様がわかりやすいように、千四百六十一億円という金額がどのくらいの金か計算して見ましたところ、次の通りであります。  国会の廊下に赤いじゅうたんを敷いてありまするが、このじゅうたんの総坪数は衆参合わして二千百九十八坪、これに防衛庁予算額ならば、二十一万円の厚さで、じゅうたんをべったり張りつぶすことができまするし、防衛関係費千四百六十一億円では、二十五万六千円の厚さで全廊下のじゅうたんを埋め尽すほどの金額でございます。諸君、本法案賛成する諸君は、廊下を歩いてじゅうたんを踏むときには、二十五万六千円の国民の税金を常に踏んでいる気持で一つお通り願いたいと思う次第でございます。(拍手)  さて、次に申し上げたい点は、岸総理に強く要望いたしたいと思うわけでございますが、そのことは、いまだに米軍に提供している施設が、三十三年二月十五日現在で、全国に建物が二百四十五万坪、土地二千五百四十一万坪、しかも、このわが日本国の首都である東京都内に三十六件、建物にして三十五万坪、土地にして百九十万坪が依然として接収されており、この国会の周辺も御承知の通りであり、ことにリンカーン・センター、パレス・ハイツのごときは、住宅地域として、戦後十三年にしてなお使用されているということは、はなはだ遺憾なことであるとともに、これは政府の怠慢の結果でございまするので、重大なる警告を発しておく次第でございます。(拍手)  最後に申し上げたい点は、わが内閣委員会に付託されたところの議案は、議員立法二件を合わせて三十五件、うち内閣提出法律案が三十三件、そのうちにわが参議院に先議として付託されたのは二件でございます。これを内容的に調べてみまするというと、岸総理がわが社会党鈴木委員長解散の話し合いをされました前日、すなわち十七日の二十四時現在において、本付託になっているのが十八件、予備審査が十三件という状況でございました。そうして十七日以後に、衆議院から十七日に六件、十八日に四件、二十一日に一件、二十二日に八件と送付されて参り、わが参議院内閣委員会においては、二十二日四件、二十三日八件、二十四日七件と、かようにスピード可決審議をしなければならない事態に立ち至ったことは、岸総理が解散の時期を誤まり、しかも野党々首との話し合いの時期がおくれたためによるもので、国会審議を充実させることができなかっことは、岸総理の責任きわめて重大と言わざるを得ません。  私は、これをもって討論を終りまするが、この矢嶋の所論に反対する諸君は、三年あるいは四年の後には、やはり矢嶋の意見が正しかったということに思い至るでございましょう。私は、日本社会党を代表いたしまして、この二法案に断々固として反対意思を表明して、討論を終る次第でございます。(拍手
  70. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) これにて討論通告者発言は終了いたしました。討論は、終局したものと認めます。  これより七案の採決をいたします。  まず、法務省設置法の一部を改正する法律案農林省設置法の一部を改正する法律案厚生省設置法の一部を改正する法律案及び運輸省設置法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。  四案に賛成諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  71. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 過半数と認めます。  よって四案は可決せられました。      ——————————
  72. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 次に、国家公務員共済組合法長期給付に関する施行法案全部を問題に供します。  本案賛成諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  73. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 総員起立と認めます。よって本案は、全会一致をもって可決せられました。      ——————————
  74. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 次に、防衛庁設置法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。表決は記名投票をもって行います。  両案に賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。   〔議場閉鎖〕   〔参事氏名点呼〕   〔投票執行
  75. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 投票漏れはございませんか。——投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。   〔投票箱閉鎖
  76. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) これより開票いたします。投票参事に計算させます。議場開鎖を命じます。   〔議場開鎖〕   〔参事投票を計算〕
  77. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数  百九十六票   白色票    百十九票   〔拍手〕   青色票    七十七票   〔拍手〕  よって両案は可決せられました。(拍手)      ——————————   〔参照〕  賛成者白色票氏名     百十九名       中山 福藏君    田中 茂穂君       島村 軍次君    竹下 豐次君       手島  栄君    中野 文門君       佐藤 尚武君    河野 謙三君       松平 勇雄君    武藤 常介君       上林 忠次君    永野  護君       迫水 久常君    松岡 平市君       田中 啓一君    梶原 茂嘉君       石黒 忠篤君    森 八三一君       西川甚五郎君    藤野 繁雄君       堀末  治君    野田 俊作君       谷口弥三郎君    新谷寅三郎君       木内 四郎君    森田 義衞君       加賀山之雄君    後藤 文夫君       田村 文吉君    村上 義一君       鶴見 祐輔君    笹森 順造君       江藤  智君    仲原 善一君       成田 一郎君    西田 信一君       堀本 宜実君    鈴木 万平君       大谷藤之助君    稲浦 鹿藏君       吉江 勝保君    塩見 俊二君       前田佳都男君    三木與吉郎君       青柳 秀夫君    雨森 常夫君       館  哲二君    山本 米治君       小林 武治君    剱木 亨弘君       大谷 贇雄君    佐藤清一郎君       木島 虎藏君    有馬 英二君       大谷 瑩潤君    近藤 鶴代君       小柳 牧衞君    井上 清一君       小沢久太郎君    斎藤  昇君       小山邦太郎君    木暮武太夫君       石坂 豊一君    廣瀬 久忠君       西郷吉之助君    植竹 春彦君       草葉 隆圓君    安井  謙君       大野木秀次郎君    川村 松助君       黒川 武雄君    小林 英三君       野村吉三郎君    苫米地義三君       平井 太郎君    増原 恵吉君       松村 秀逸君    榊原  亨君       白井  勇君    最上 英子君       柴田  栄君    大沢 雄一君       宮澤 喜一君    後藤 義隆君       高橋  衛君    西岡 ハル君       横山 フク君    土田國太郎君       小幡 治和君    伊能 芳雄君       宮田 重文君    三浦 義男君       高野 一夫君    高橋進太郎君       古池 信三君    岡崎 真一君       佐野  廣君    石井  桂君       関根 久藏君    野本 品吉君       秋山俊一郎君    岩沢 忠恭君       上原 正吉君    伊能繁次郎君       石原幹市郎君    鹿島守之助君       杉原 荒太君    下條 康麿君       郡  祐一君    津島 壽一君       堀木 鎌三君    木村篤太郎君       青木 一男君    泉山 三六君       林屋亀次郎君    勝俣  稔君       大川 光三君    北條 雋八君       天坊 裕彦君     —————————————  反対者青色票氏名     七十七名       森中 守義君    北村  暢君       鈴木  強君    藤田藤太郎君       相澤 重明君    松永 忠二君       占部 秀男君    森 元治郎君       木下 友敬君    平林  剛君       山本 經勝君    岡  三郎君       湯山  勇君    久保  等君       柴谷  要君    大和 与一君       安部キミ子君    江田 三郎君       近藤 信一君    東   隆君       大倉 精一君    竹中 勝男君       阿具根 登君    藤原 道子君       吉田 法晴君    中田 吉雄君       松澤 兼人君    藤田  進君       小笠原二三男君    成瀬 幡治君       小林 孝平君    島   清君       田中  一君    加藤シヅエ君       赤松 常子君    松本治一郎君       三木 治朗君    千葉  信君       戸叶  武君    荒木正三郎君       市川 房枝君    八木 幸吉君       野坂 參三君    岩間 正男君       長谷部ひろ君    安部 清美君       鈴木  壽君    大河原一次君       伊藤 顕道君    光村 甚助君       秋山 長造君    加瀬  完君       坂本  昭君    阿部 竹松君       大矢  正君    松澤 靖介君       椿  繁夫君    田畑 金光君       海野 三朗君    中村 正雄君       矢嶋 三義君    横川 正市君       小酒井義男君    河合 義一君       松浦 清一君    天田 勝正君       高田なほ子君    片岡 文重君       永岡 光治君    羽生 三七君       岡田 宗司君    曾禰  益君       栗山 良夫君    山下 義信君       棚橋 小虎君    内村 清次君       山田 節男君      ——————————
  78. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) この際、日程に追加して、文教委員長報告にかかる学校教育法第二十八条改正に関する請願外四十三件の請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  79. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。文教委員長湯山勇君。   〔湯山勇君登壇拍手
  80. 湯山勇

    ○湯山勇君 ただいま議題となりました学校教育法第二十八条改正に関する請願外四十三件の請願は、文教委員会において慎重審議の結果、いずれも願意妥当と認め、院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。  右、御報告申し上げます。(拍手
  81. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  これらの請願は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  82. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      ——————————
  83. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) この際、日程に追加して、商工委員長報告にかかる外国無煙炭輸入制限等に関する請願外三十件の請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  84. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。商工委員長近藤信一君。   〔近藤信一登壇拍手
  85. 近藤信一

    近藤信一君 ただいま議題となりました三十一件の請願は、商工委員会におきまして、小委員会を設けて、慎重に審査いたしました結果、いずれも願意を妥当なものと認め採択し、これを議院の会議に付し、内閣に送付することを要するものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  86. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  これらの請願は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  87. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全決一致をもって採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      ——————————
  88. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) この際、日程に追加して、内閣委員長報告にかかる恩給改訂に関する請願外百八十一件の請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  89. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。内閣委員長藤田進君。   〔藤田進君登壇拍手
  90. 藤田進

    藤田進君 ただいま議題となりました請願百八十二件につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。  内閣委員会は、本月二十三日までに当委員会に付託となりました請願百八十七件を審査いたしました結果、恩給に関する請願百八件、退職手当等に関する請願三件、旧令共済組合の年金に関する請願一件、寒冷地手当等を含めて給与改善等に関する請願九件、定員関係の請願五十三件、公務員制度に関する請願一件、行政機構に関する請願三件、防衛施設に関する請願四件。以上、合計百八十二件は、いずれもその願意おおむね妥当なものと認め、院議に付し、内閣に送付するを要するものと決定いたしました。  以上、御報告いたします。(拍手
  91. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  これらの請願は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  92. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      ——————————
  93. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) この際、日程に追加して、大蔵委員長報告にかかる国の債権の管理等に関する法律の一部改正に関する請願外百五十四件の請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  94. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。大蔵委員長河野謙三君。   〔河野謙三君登壇拍手
  95. 河野謙三

    河野謙三君 ただいま上程せられました大蔵委員会付託の請願につきまして、本委員会における審議の経過並びにその結果を御報告申し上げます。  大蔵委員会におきましては、紹介議員かちの趣旨の説明、各委員の意見及び政府見解を十分に聴取いたしまして、その上、質疑応答を重ね、慎重に審議をいたしたのでありますが、その結果は次の通りであります。  請願第二十三号は、日本不動産銀行の拡充強化をはかられたいとの趣旨であり、請願第九十四号は、公認会計士第三次試験受験資格検定試験合格者の第三次試験制度を改正せられたいとの趣旨であり、請願第二百七十九号外五件は、花火類に対する物品税を軽減せられたいとの趣旨であり、請願第三百号は、宮城県宮城郡多賀城町旧海軍工廠敷地の返還または再補償等の行政措置を講ぜられたいとの趣旨であり、請願第四百四十二号外八件は、清涼飲料ラムネの物品税撤廃等の措置を講ぜられたいとの趣旨であり、請願第四百七十一号は、美術工芸品に対する物品税の改正をはかられたいとの趣旨であり、請願第五百五十六号は、滋賀県大津旧海軍用地を旧所有者に返還せられたいとの趣旨であり、請願第五百九十三号は、節句用飾物等に対する物品税の撤廃または軽減の措置を講ぜられたいとの趣旨であり、請願第六百八号は、熊本県八代市に国民金融公庫支所を設置する等の措置を講ぜられたいとの趣旨であり、請願第七百六十四号外十六件は、生命保険料控除額を引き上げられたいとの趣旨であり、請願第八百六十七号は、公認会計士法等の一部を改正せられたいとの趣旨であり、請願第八百六十八号は、税理士法の一部を改正せられたいとの趣旨であり、請願第千三百五十九号外三件は、医療費滞納取り立てば債権管理法によって行わないように法の一部を改正せられたいとの趣旨であり、請願第千四百三号は、運動具に対する物品税の撤廃、軽減等の措置を講ぜられたいとの趣旨であり、請願第千四百九号は、氷上舞踊の入場税を軽減せられたいとの趣旨であり、請願第千四百六十四号は、サーカスの入場税軽減等の措置を講ぜられたいとの趣旨であり、請願第千四百七十七号外九十八件は、たばこ小売手数料を引き上げられたいとの趣旨であり、請願第千四百八十号は、元陸軍需品廠の地下道路構築による佐賀県唐津市妙見神社の損害補償の措置を講ぜられたいとの趣旨であり、請願第千六百十二号は、熊本市河原町の火災に対する復興資金融通のため特別措置を講ぜられたいとの趣旨であり、請願第千六百八十五号外五件は、各種学校法人に対する贈与税等を非課税とされたいとの趣旨であり、いずれも妥当と考えられます。  なお、請願第千四百七十七号外九十八件については、たばこ専売事業全般を勘案し、慎重に検討されたいとの意見が述べられました。  以上、百五十五件は、いずれも議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたした次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  96. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  これらの請願は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  97. 寺尾豊

    ○副議長寺尾豊君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決定いたしました。  議事の都合により、これにて暫時休憩いたします。    午後一時二十七分休憩      ——————————    午後四時九分開議
  98. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。  参事報告させます。
  99. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、社会福祉事業等の施設に関する措置法案(第二十六回国会本院提出、第二十八回国会衆議院送付)  戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案  失業保険法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出衆議院送付)  以上、三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  100. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。社会労働委員長具根登君。   〔阿具根登登壇拍手
  101. 阿具根登

    ○阿具根登君 ただいま議題となりました社会福祉事業等の施設に関する措置法案外二件につきまして、社会労働委員会における審議の経過及び結果を御報告申し上げます。  まず、社会福祉事業等の施設に関する措置法案について申し上げます。  この法案は、御承知の通り、すでに第二十六回国会におきまして、本院で可決いたし、自来、衆議院において継続審査中のところ、今国会におきまして同院を通過し、本院へ送付されたものでありますので、本委員会におきましては、質疑もなく、討論を省略して、採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案について申し上げます。  この法律案は、第一に、障害年金、障害一時金及び遺族年金並びに留守家族手当の額を増額すること、第二に、被徴用者、動員学徒、戦闘参加者等、いわゆる準軍属に対し、新たに障害年金または遺族給与金を支給する方途を講ずるとともに、更生医療の給付、補装具の支給及び国立保養所への収容措置をもとること、第三に、未帰還者留守家族等援護法による療養の期間を二年間延長すること、第四に、関係法律改正すること等をおもな内容とするものであります。  委員会におきましては、準軍属の範囲、対象等いかん、処遇に関し、軍人、軍属と準軍属との間に差等を設けるのは不当ではないか、父母に対する遺族給与金の支給条件は酷に失すると思うがいかん等の問題について、熱心な質疑応答が行われ、特に遺族給与金に関し、「本法施行後五年以内に満六十才に達しない父母は、永久にこれが支給を受ける機会を失うのではないか」との問いに対し、厚生当局より、「かかる場合には、その父母が満六十才に達して後五年間支給されることになる」旨の答弁がありました。  かくて質疑を終り、討論もなく、採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、失業保険法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案の趣旨は、雇用労働者五人未満の事業主には、現行法が強制適用せられず、任意加入するものも、わずかでありますので、これらの事業主については、失業保険に関する事務手続を簡素化してその任意加入を促進し、また、適用漏れ事業主に対する適用促進をはかり、もってこれら事業主の雇用する労働者をも被保険者として、その福祉を増進せんとするものであります。  その内容のおもなるものは、第一に、雇用労働者五人未満の事業主について、保険料の簡易計算法を定め、その納期に特例を認めること、第二に、失業保険事務組合の制度を設けて、小規模な事業主の便宜をはかること、第三に、適用漏れ事業主について、遡及適用の期間を臨時に短縮し、保険料等の分納、延納を認めて、適用を促進すること、第四に、失業保険に関する希望等のため、労働者を不利益に取り扱うことを禁じ、罰則を設けること等であります。  委員会においては、熱心な質疑の後、討論なく、採決の結果、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  102. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより三案の採決をいたします。  三案全部を問題に供します。三案に賛成諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  103. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって三案は、全会一致をもって可決せられました。      ——————————
  104. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、経済企画庁設置法の一部を改正する法律案  外務省設置法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出衆議院送付)  以上、両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  105. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。内閣委員長藤田進君。   〔藤田進君登壇拍手
  106. 藤田進

    藤田進君 ただいま議題となりました経済企画庁設置法の一部を改正する法律案外一件につきまして、内閣委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、経済企画庁設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本法律案は、衆議院において修正議決の上、当院に送付されたものでありまして、まず、本法律案政府原案の改正の要点を申し上げますと、その第一点は、経済企画庁の任務及び権限として、経済全般の運営基本方針及び毎年度の経済計画大綱の策定に関する事務を明示したこと、その第二点は、内部部局として経済研究局を新設したこと、その第三点は、特別の職として参与を設けたこと、その第四点は、調整局の所掌事務の整備、審議会の定数及び職務の改正、総合計画局及び総合開発局の名称の変更等、所要の改正を行なったことであります。  右の政府原案に対し、衆議院におきまして、次の三点につき修正がなされました。  その第一点は、経済研究局を置く規定を削除したこと、その第二点は、総合計画局及び総合開発局の名称の変更を取りやめたこと、その第三点は、付属機関として経済研究所を置くこととしたこと、以上三点であります。  内閣委員会は、河野経済企画庁長官その他関係政府委員の出席を求めて、本法律案審議に当りましたが、その質疑応答の詳細は、会議録に譲りたいと存じます。  本日の委員会において質疑を終り、討論もなく、よって直ちに採決いたしましたところ、賛成者多数をもって、衆議院送付の原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、外務省設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本法律案は、衆議院において修正議決の上、当院に送付せられたものでありまして、まず、本法律案政府原案の改正の要点を申し上げますと、その第一点は、アジア局に次長一人を置くこと、その第二点は、経済局の所掌事務に所要の改正を加えること、その第三点は、国際協力局の名称を国際連合局に改めるとともに、同局の所掌事務に所要の改正を加えること、第四点は、付属機関として外務省大阪連絡事務所を設置すること、以上四点であります。  右の政府原案に対し、衆議院におきまして、次の二点につき修正がなされました。  その第一点は、アジア局に次長一人を置く規定を削ること、その第二点は、施行期日について所要の修正を加えたことであります。  内閣委員会は、藤山外務大臣その他政府委員の出席を求めまして、本法律案審議に当りましたが、その質疑応答の詳細は、会議録に譲りたいと存じます。  本日の委員会におきまして、質疑を終り、討論もなく、よって直ちに採決をいたしましたところ、全会一致をもって、衆議院送付の原案通り可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  107. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。  まず、経済企画庁設置法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。  本案賛成諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  108. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は再決せられました。      ——————————
  109. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) 次に、外務省設置法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。  本案賛成諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  110. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は、全会一致をもって可決せられました。      ——————————
  111. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、社会労働委員長報告にかかる国民年金制度実施に関する請願外百二十九件の請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  112. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。社会労働委員長具根登君。   〔阿具根登登壇拍手
  113. 阿具根登

    ○阿具根登君 ただいま議題となりました請願につきまして、社会労働委員会における審査の結果を御報告申し上げます。  委員会におきましては、審査の結果、第五百三十号、国民年金制度実施に関する請願外百二十九件の請願は、おおむね願意妥当なものと認めまして、いずれも議院の会議に付して内閣に送付すべきものと決定した次第であります。  右、御報告申し上げます。(拍手
  114. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  これらの請願は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  115. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      ——————————
  116. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、逓信委員長報告にかかる日吉、梼原両局間電話架設に関する請願外六十五件の請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  117. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。逓信委員長宮田重文君。   〔宮田重文君登壇拍手
  118. 宮田重文

    ○宮田重文君 ただいま議題となりました請願につきまして、逓信委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本件請願は、特定郵便局の設置及び昇格並びに移転等を要望するもの二十件、郵便切手、印紙売捌所の手数料引き上げを要望するもの二件、簡易生命保険の制限額引上げ及び積立金の融資範囲拡大を要望するもの三十一件、記念切手発行を要望するもの一件、お年玉つき郵便葉書の寄付金を沖縄へ特別配分を要望するもの一件、電話架設及び増設並びに区域変更等を要望するもの十件、電波職員の宿舎増設を要望するもの一件であります。  本委員会におきましては、慎重審査の結果、いずれも願意を妥当と認め採択し、議院の会議に付し、かつ内閣へ送付すべきものと全会一致をもって決定した次第であります。  右、御報告申し上げます。(拍手
  119. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  これらの請願は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  120. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      ——————————
  121. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) 参事報告させます。
  122. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、委員会審査及び調査を閉会中も継続するの件を議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  123. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。  ただいま参事報告させました通り、各委員長から継続審査及び継続調査の要求書が提出されております。  委員長要求の通り、委員会審査及び調査を閉会中も継続することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  124. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よって各委員長要求の通り、委員会審査及び調査を閉会中も継続することに決しました。  暫時休憩いたします。    午後四時二十六分休憩   〔休憩衆議院解散され、同時   に閉会となった〕      ——————————