運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1958-04-21 第28回国会 参議院 本会議 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年四月二十一日(月曜日)    午前十時四十一分開議     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程第二十三号   昭和三十三年四月二十一日    午前十時開議  第一 交付税及び譲与税配付金特   別会計法の一部を改正する法律   案(内閣提出衆議院送付)            (委員長報            告)   第二 関税法の一部を改正する法   律案内閣提出)  (委員長報             告)  第三 地方鉄道軌道整備法の一部   を改正する法律案内閣提出、   衆議院送付)   (委員長報            告)     ━━━━━━━━━━━━━
  2. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。      ——————————
  3. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これより本日の会議を開きます。  この際、お諮りいたします。原水爆禁止に関する決議案寺本広作君外十七名発議)(委員会審査省略要求事件)  本案は、発議者要求通り委員会審査を省略し、日程に追加して、直ちにその審議に入ることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よって本案議題といたします。まず、発議者趣旨説明を求めます。寺本広作君。   〔寺本広作登壇拍手
  5. 寺本廣作

    寺本広作君 ただいま議題となりました原水爆禁止に関する決議案について、提案者代表し、その趣旨を御説明申し上げます。  初めに案文を朗読いたします。   原水爆禁止に関する決議案   原水爆禁止に関しては、参議院は、既に三回にわたり決議を行い、国際連合及び関係各国に善処を要請した。  本院は、原子力を含む近代科学成果は平和的にのみ利用さるべきであり、核兵器はこれを禁止すべきであるとの基本的立場を、ここに重ねて宣明するとともに、最近の国際情勢の推移にかんがみ、この際、原水爆所有国の間において原水爆実験即時無条件停止に関しすみやかに合意が得られ、かつ、これを契機として関係各国原水爆製造貯蔵及び使用禁止協定を締結するよう、政府において積極的な外交措置をとることを要請する。   右決議する。  以上であります。  参議院はこれまで、昭和二十九年四月も第十九国会において原子力国際管理並びに原子兵器禁止に関する決議を、同三十一年二月、第二十四国会において、原水爆実験禁止に関する決議を、同三十二年三月、第二十六国会において原水爆禁止に関する決議を、それぞれ可決しております。これら過去三回の決議に当っての趣旨説明並びに討論の過程において、原水爆禁止に関連する諸問題、特に、われわれ日本国民が永遠の平和を希求する願望、地球上唯一の原爆被害国民としての立場原水爆のおそるべき破壊力及び放射能障害核爆発実験場所、予告、探知査察の問題、大気汚染の問題、一般軍縮核兵器禁止の問題、原水爆禁止国際連合関係原水爆保有国首脳者会談問題等の諸問題については、余すところなく論じ尽されたかの感があるのであります。それにもかかわらず、私どもが、ここに四たび原水爆禁止に関し決議案を提出しましたゆえんは、次の理由に基くものであります。  その一つは、原水爆禁止の問題が、二回や三回の決議で能事終れりとするには、あまりにも解決困難な問題であるということであります。かつて採択された第二回決議趣旨説明に当り、提案者は、「今後といえども、反復をいとわず、機会あるごとに原水爆禁止を提唱し、この問題の解決に当らなければならぬ」という不退転決意を表明しておられるのであります。私どもは、この問題が根本的解決を見るに至るまで、かつての決議に示されたこの不退転決意を、あくまでも継承して行くべきものとかたく信ずるのであります。(拍手)  その二つは、原水爆保有国の引き続く核爆発実験によって実証されるごとく、核兵器そのものが無限に発達しつつあるとともに、大陸間弾道弾等の完成により、その搬送手段が飛躍的に進歩し、人類に対する原水爆戦争の脅威が、前回の決議当時の事情に比較し、著しく増大してきたということであります。  その三つは、原水爆禁止に関する国際情勢が、微妙に推移しつつあると認められることであります。最近、ソ連の行なった核爆発実験停止宣言は、たとい一連の核爆発実験を完了した直後において、相手方の応諾を条件として声明されたものであったにしても、かような宣言それ自体は、国際世論転換の萌芽として、私どものひとしく歓迎するところであります。(拍手)かつて本院が、しばしばその決意を内外に表明したことや、政府原水爆実験中止要請のために、書簡を送ったり、特使派遣したり、あるいは国連総会において、原水爆禁止決議に関する日本案の通過に努力したことなどは、その当時において直ちに成果をおさめたものとは認めがたいところでありますが、今にしてこれを顧みるときは、国際世論転換を方向づける上に貢献するところが少くなかったと信ぜられるのであります。私どもは、原水爆禁止に関する国際世論転換のきざ上が見え初めたこの機会において私ども決意を新たにするとともに、原水爆実験禁止即時無条件停止から、さらに進んで、原水爆製造貯蔵使用禁止に至る協定関係国間において実現するよう、政府を鞭撻してなお一そう積極的な外交を展開させることの必要性を痛感するものであります。(拍手)  以上が、ここに四たび原水爆禁止に関する決議案を提出した理由であります。何とぞ、全会一致の御賛成をもって御可決あらんことをお願いいたします。(拍手
  6. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 本案に対し、討論通告がございます。順次、発言を許します。安部キミ子君。   〔安部キミ子登壇拍手
  7. 安部キミ子

    安部キミ子君 私は日本社会党代表してただいま上程されました核兵器実験禁止決議案賛成いたします。  本院は、過去数回にわたって原水爆実験禁止決議しましたが、このたび、あらためて新しい決議をすることは、重大な意義を持つものと確信するのであります。顧みまするに、一九五七年は重大な年でありました。それは、ソビエトに大陸間弾道弾人工衛星スプートニクが出現した年であるからであります。また、今年に入って、さらに新しい情勢一つの重要な原動力は、ソ連政府最高会議で決定された核兵器実験を一方的に停止するという今度の宣言であります。この宣言は、日本世界各国先頭に立って努力してきた核兵器実験禁止運動要請の線に沿ったものであり、これの実現が、世界情勢の好転の契機となることを期待するものであります。また、各国は、従来の政治的偏見にとらわれず、核兵器実験禁止を、いかなる政府主導権のもとに提案されようとも、それがよいことであれば、よいこととして、平和と核兵器禁止の促進に役立つものとして、正しく評価しなければなりません。ソ連が、この宣言に基いて、永久に実験を中止し、一方、米英がこれと同じ宣言を発して、核兵器実験全面的禁止協定を、一日も早く実現しなければならぬ重大な段階にきているからであります。  そもそも原水爆実験目的は、幾種類かの大量殺人兵器を完成することであり、この兵器戦争状態使用する条件を研究することであります。現在、両陣営は、核武装軍備拡張に果てしない競争を続けておりますが、国民経済は、この軍備拡張によって徹底的に破壊されるからであります。  こういう世界情勢の中で、私どもは、ソ連の一方的な宣言のほかに、もう一つ動きを見のがしてはならぬことがあります。それは米英ソ国民か、核兵器実験禁止に立ち上ったことであります。その一例として、私は、この目で見てきた事実を申し述べたいと思います。昨年の七月、私が日本社会党代表してオーストリアのウイーンで開かれた社会主義インターに出席し、原水爆禁止決議案を本会議に上程したときのことであります。日本のほかにドイツオーストリア、デンマークなどからも、同じく原水爆実験禁止決議案が出されましたが、原水爆被害国として、私が本会議提案説明に立ちました。決議は、満場一致で熱狂的な雰囲気の中で可決されました。六十四カ国の代表は、次々と感激をもって賛成討論を述べたわけですが、その中には、英国ゲイツケルベヴァン両氏を初め、西ドイツのオーレンハウアー氏など、各国の名士の顔も見えました。私は女性の立場から、今も忘れることのできないのは、婦人の善意でありました。戦争を憎み、放射能をおそれる婦人の表情は真剣で、だれもが私の説明に興奮し、原水爆被害を三たびまでこうむった日本に対しあたたかい同情を示されたことであります。平和を求め、子供の仕合せを願う母親の心に国境はないということであります。それから数日の後、ロンドンのハイドパーク公園からトラファルガー広場まで、原水爆実験禁止デモが挙行されましたとき、私も日本原水爆実験禁止国民代表としてデモ先頭に立ちました。そのとき私は、英国人の良識はいまだ失われずの感を深くしたのでありますが、かくも多数の英国人が、原水爆反対デモ集会参加しているのに驚きました。私はトラファルガー広場の中央の塔の上に立つ三クリスマス島の実験中止要請し、日本人が、広島長崎原爆のため今日もなお苦しんでいること、また、ビキニ実験で受けた被害について訴えました。続いて、モスクワでも、原水爆禁止日本協議会ソ連派遣国民代表と合流して、クレムリン宮殿においてはブルガーニン首相と面談し、ここでも原水爆実験禁止要請しました。八月六日夜、モスクワマネージナ広場では、五十万人の各国青年代表参加で、原水爆禁止世界平和大会が開かれ、日本代表の一人、永田尚子さんは、被爆者代表として、原爆のおそろしさを切々と訴え、世界平和を叫びました。私は、その日の大会実況放送をいたしましたが、その後、フランス西ドイツ、モンゴリア、中国、朝鮮、ヴェトナムと、原水爆実験禁止運動を続けて参りました。どこの国でも、戦争に反対し、原水爆実験禁止しようという動きが強く感じられました。それが最近では、さらに爆発的になっていることを見のがしてはなりません。  本年一月、国連事務総長に手交された四十四カ国、九千二百三十五名の学者抗議文を初め、エニウエトク実験禁止のために抗議船を出すというアメリカ動きや、ギルモア氏を委員長とする健全な核政策のための、ニューヨーク委員会核実験反対集会や、核兵器禁止暴力行動委員会を初めとする二十九の諸団体など、全米国にわたって瞭原の火のごとく核実験即時中止運動が広がっております。また、英国でも、核兵器実験廃止全国協議会を初め、イギリス労働党先頭に、十六の団体核兵器実験禁止軍縮を叫んで立ち上っています。また、フランスドイツその他各国でも、この問題の解決が引き延ばされているうちは、一刻々々と諸国民原子戦争準備の泥沼に深く落ち込む結果になることを自覚し始めました。  こうした背景のもとに、今度のソ連政府宣言も生み出されたものでありましょう。このソ連政府の一方的宣言に刺激されてか、昨今の国際報道では、ぐずぐずしていたら大へんなことになる。米ソともICBMを持つようになったら、軍備全体が原水爆ロケットに変り、戦略も一変、技術的にも軍備の撤廃は不可能になると、アメリカ科学者は警告しています。それだけでなく、ICBM、IRBMなど、原水爆弾頭実験のための放射能は、人類許容量を完全に突破しております。しかも、戦争の危機は決して遠のいてはいないのであります。「今や、戦争は偶発的なことから起るであろう」と、インドのネール首相は言っております。三月十一日、米戦略空軍爆撃機B47が、アメリカのサウス・カロライナ州で誤まって核爆弾を落し、幸い信管はついていなかったが、放射能で付近が汚染されるという事件が起りました。夜となく昼となく、原水爆を積んで飛んでいる飛行機の搭乗員が、もしも間違って無電を聞くか、あるいは前線指揮官のちょっとした頭の狂い一つで、戦争が引き起される危険な事態となっているのであります。  以上の新情勢の中で、本院の決議は、核兵器実験禁止を促進するであろうし、政府国会は、国民とともに前進しなければなりません。  顧みれば、一九五四年、ビキニ水爆の年、杉並区の一角から、お母さんたちの手で始められたささやかな原水爆反対署名運動は、世界をゆるがす大運動となり、今日1までに六億五千四百五十万人の署名となりました。しかもそれが、日本から世界中に広がる導火線となったのは、広島長崎でたくさんの奇形児が生まれているという事実を各国婦人に訴えた日本婦人団体報告が、大きなショックを与え、婦人の立ち上りとなったからでありました。(拍手)また、最近、英国バートランド・ラッセル博士は、「原水爆実験を今やめても、一九五四年から今日まで、五万人のガン患者と数万の精神薄弱児ができている」と発表しています。この上、エニウエトク実験が強行されるなら、人類の運命は決定的だと伝えております。このたびのソ連政府提案に、もし米英政府が同調せず、従来通り核兵器実験を継続するならば、ソ連政府としては、自国の安全のために行動せざるを得ないと述べております。これは、実験再開の自由を保留したものと考えます。私はこの実験再開の自由を宣言するよりも、実験禁止のための国際協定の成立に協力し、さらに、核兵器全面禁止にまで進めることが正しい道だと信じます。  私どもは、ソ連政府に続いて、米英両国政府が、エニウエトク実験を初め一切の核兵器実験を即時中止し、フランス政府もまた、核兵器実験競争への参加を断念するよう強く希望いたします。来たるべき東西会談は、いかなる手続によるにもせよ、早急に行われることをわれわれは希望しますし、また、少くとも実験禁止が、この会談によって実現することを要求する権利は日本人にあると考えます。そこで、八月の第四回原水爆禁止世界大会には、本院の決議にのっとり、実験禁止を促進するための正しい国際会議を開く努力をしようではありませんか。  最後に、非核武装地帯について触れたいと思います。実験禁止を見ようとするこの時期に、この運動世界に呼びかけてきた日本としては、自国並びに日本の属するアジアを、非核武装地帯とすることが当然であると思います。本院が新しい実験禁止決議した機会に、非核武装地帯の問題も、さらに前進することを心から希望いたしまして、賛成討論を終ります。(拍手)     —————————————
  8. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 石黒忠篤君。   〔石黒忠篤登壇拍手
  9. 石黒忠篤

    石黒忠篤君 私は緑風会代表いたしまして、本決議案賛成の意を表するものでございます。  決議案が示しておりますように、本院は、すでに三回の決議をもって原水爆実験禁止について国民の意思を表明して参ってきておるのであります。しこうして、今回さらに第四回の決議をもってその禁止について国民の心からの要望を原水爆所有国に対していたすことは、提案者説明にありましたように、このことが、なかなか実行に至らない困難な事情にあるということでありますが、今後も、何回でも、その目的を達するまでやらなければならぬと考えるものであります。(拍手)  私は一月の三十日にこの演壇に立ちまして、総理大臣施政演説に対しまする質問といたしましてこの問題を詳細に論じましたから、本日は詳細に意見を述べることを省略いたします。しかしながら、今回の第四回の決議をやりますのは、ソ連が、そのグロムイコ氏の演説の中において詳細にこの原爆禁止をやるということについての意向を述べておりましてこれをもととして最近の国際情勢、すなわち原爆所有国首脳者会談が行われようとしておる国際情勢にかんがみまして、そこで、話し合いの最大の問題として、これが議されることが最も望ましいことだと考えるからであります。岸首相は、機会があるごとに、原爆禁止についての国民の熱望を伝えておると演説をせられ、この問題をもって、全人類最大の問題であると言明をせられておるのでありますから、最も有効なる外交手段をもって日本国民の悲願を、このたびこそ、その首脳者会談の問題として成果をおさめるように、全力を尽して伝達せられんことを希望するものであります。  岸首相がかつて派遣をせられたる松下特使が、各国を丹念に説得をして回られた結論が、この問題の実現ということはなかなかむずかしい、これ以上は、科学的に各国の為政者が衷心から、全人類に及ぼす原爆自体の影響というものを、慎重に考慮せられるようにしなければならぬという趣旨の復命をされたことを、私は覚えておるのであります。その方面科学的証明ということを私が要望したのに対しまして、総理大臣は、本年度の予算における科学技術振興費用及び機関の整備ということについて十分に考慮をするという答弁があったのであります。この機会に、その方面具体化実現をせられてそうしてわれわれが、不幸にして首脳者会談においてこの問題が妥結せられない場合において、さらに幾たびも決議をすることについての科学的根拠を研究し、報告することのできるようにするということが、日本国科学界における、はなばなしくはないが、最も重要な課題であると信じますから、この点に関しまして政府努力を希望いたしまして本案決議賛成をいたす次第であります。(拍手
  10. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これにて討論通告者発言は、全部終了いたしました。討論は、終局したものと認めます。  これより本案採決をいたします。  本案賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  11. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は、全会一致をもって可決せられました。(拍手)  ただいまの決議に対し、内閣総理大臣から発言を求められました。岸内閣総理大臣。   〔国務大臣岸信介登壇拍手
  12. 岸信介

    国務大臣岸信介君) 原水爆実験禁止については、政府におきましても、しばしば関係国にその実現方を訴え、かつ、国際連合にも独自の提案を行い、国際的世論の喚起に努めるなど、努力を重ねてきた次第でありますので、ただいまの御決議につきましては、一段と心強く存じ、今後一そう、わが国民の訴えが聞き入れられるよう、各般の手段を積極的に講ずる所存でございます。(拍手)      ——————————
  13. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第一、交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  日程第二、関税法の一部を改正する法律案内閣提出)  以上、両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。大蔵委員長河野謙三君。   〔河野謙三登壇拍手
  15. 河野謙三

    河野謙三君 ただいま議題となりました二つ法律案につきまして大蔵委員会審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。本案は、さきに成立いたしました地万交付税法の一部を改正する法律において地方交付税の税率を二六%から二七・五%に引き上げることとなるのに伴いまして、一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れる金額で、所得税法人税及び酒税の収入見込み額を基礎とするものの算定の基準となる割合についても、昭和三十三年度以後、同じく二七・五%に引き上げようとするものであります。  委員会における審議の詳細は、会議録によって御承知願います。  かく質疑を終り、討論採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、関秘法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案内容の概略を申し上げますと、第一点は、関税行政適正化に資するため、保税地域との交通の場所を指定することができることとして、密貿易取締りをはかり、また、輸入の許可前における貨物引き取りについて、貨物性質等やむを得ない場合のみに限り、乱用を防ごうとするものであります。第二点は、開港閉鎖基準改正であり、現行輸出入額五千万円、出入外国貿易船二十五隻との両基準に欠けた場合となっているのを、そのいずれか一つ基準が欠けた場合、開港を閉鎖することに改めようとするものであります。また、これにつきましては、現在、実績少い開港事情をも考慮し、改正規定適用は来年末までの実績を見ることとしております。第三点は、その他、貿易実績の十分ある姫路港、佐賀関港を開港に指定する等、所要の規定整備を行なっております。  委員会審議におきましては、開港閉鎖基準、その適用猶予期間及び重要港湾指定との関連等について質疑がありましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終了し、各派共同提案にかかる修正案が提出せられ、大矢委員から説明がありましたが、その内容は次の通りであります。  すなわち、開港閉鎖基準原案のごとく改正することは、現状において酷に過ぎるので、出入港隻数二十五隻を十二隻に改め また その適用猶予期間をさらに一年延長しようとするものであります。  討論採決の結果、各派共同提案にかかる修正案は、全会一致をもって可決され、修正・部分を除く原案については、全会一致をもって可決され、本案修正可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  16. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。  まず、交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。  本案賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  17. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は、全会一致をもって可決せられました。      ——————————
  18. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 次に、関税法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。委員長報告修正議決報告でございます。  委員長報告通り修正議決することに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  19. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は、全会一致をもって委員会修正通り議決せられました。      ——————————
  20. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第三、地方鉄道軌道整備法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。運輸委員長天田勝正君。    〔天田勝正登壇拍手
  21. 天田勝正

    天田勝正君 ただいま上程になりました地方鉄道軌道整備法の一部を改正する法律案運輸委員会における審議経過並びに結果を御報告いたします。  まず、改正案趣旨を申し上げます。  わが国には、暴風、洪水、地震等、異常な天災地変が多く、そのために地方鉄道軌道のこうむる被害も甚大でありまして、災害復旧に要する費用も莫大な額に上り、地方鉄道または軌道経営者の中には、その自力のみでは早急な復旧が困難なものもあるのであります。しかるに現行法では、新線建設あるいは改良工事等についての助成措置規定しておりまするが、災害復旧についての規定が欠けておりますので、今回、災害復旧についても助成することができるよう改正を行い、災害を受けた地方鉄道または軌道をして、すみやかに原状に復帰せしめ、産業の復興や民生の安定をはかろうとするものであります。  委員会審議におきましては、柴谷委員より、「従来、災害を受けた私鉄に対してはどんな措置をとってきたか、また、災害復旧費として交付した金額はどのくらいか、昭和三十二年に災害を受けた私鉄に対する補助はどうするか」との質疑がありました。これに対して政府委員より、「復旧費の一部を公共事業費から補助した事例として、昭和二十二年、カザリン台風のときに八社、二千八百六十六万円余、二十三年の北陸震災のとき三社で四千四百四十九万円余、アイオン台風のとき、四社で六百八十三万円余、特別立法により復旧費の一部を交付した事例としては、昭和二十八年の風水害のときの七社、二千五百万円である。また、昭和三十二年の災害を受けた私鉄は、島原鉄道と山鹿温泉鉄道であり、これらの鉄道については、この改正法律案の附則で助成ができるようになっており、また、今年度の予算に一千四百万円計上してある」との答弁がありました。  以上で質疑を終り、討論に入りましたところ、別に御発言もありませんでしたので、直ちに採決に入りましたところ、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告いたします。(拍手
  22. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  23. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は、全会一致をもって可決せられました。  議事の都合により、これにて暫時休憩いたします。    午前十一時二十分休憩      ——————————    午後三時二十五分開議
  24. 寺尾豊

    ○副議長(寺尾豊君) 定足数がないと認めます。  次会は、明日午前十時より開会いたします。議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後三時二十六分散会      ——————————