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亀田得治君 それはそういうふうなことを
警察がおっしゃっておるように聞いておるのですが、ところが、相手の官庁の局長さんは、そういうふうには言うておらないわけであります。
それからもう
一つ、その中で食い違いを私
ども感じておりますのは、まあ役所としてはできるだけ
外部に見せたくないものだ、そういうふうなものは秘密でなくてもあるかもしれません。しかし、それが
外部の人に渡してもらった、たとえばこういうようなもの、これは政党なんかよくもらいますよ、こういう
資料は。そういうことがあっても、じゃそれがすぐ公務員法第百条にいう秘密違反になるのか、これは非常な問題だと思うのですよ。その辺の確かめ方が、ちょっと確かめて、多少それらしいことをおっしゃったら、すぐそれを
理由にしておられるというふうに私
ども感ずるのです。そうじゃなしに、私はよくよく悪い場合を
考えて、それが秘密だとしても、実はこうこうこういう
状態にあるのだがどうかという、基本的な連絡というものがあってしかるべきものだと私は思うのです。形式的にも何にもマル秘も何に一もついていない、こういう文書について。だからその点は、警視庁の方では確かめたと言っておるようですが、確かめたということの
内容が、実は食い違いがある。
それからもう
一つ、これはいつか国税局の問題で法務大臣にもお聞きしたことがあるのですが、秘密ということの認定は各官庁の部局長が一応やる、こういうことに各官庁の規則でなっておるようです。私は、このこと
自体が実は大きな問題だと思っております。国家公務員法百条で、一カ条罰則の
規定があって、あとは全部各官庁によって具体的に秘密がきまるというのであっては、これは何が秘密かということは、各官庁の部課長の判断できまってくることになりますね、こんなことはいわゆる罪
刑法定主義の立場からいっても非常にそこに矛盾があるのです。それしか現状では仕方がないのだというふうに官庁側はおっしゃるかもしれない。しかし、いやしくも処罰される方から見れば、どうもおれの知らぬうちに、いつの間にか上の方で、これとこれとこれは刑罰になるのだというふうにきまっておるというふうなことにもなるし、また、各官庁によっても、部課長の頭の
程度によって非常に違ってくるわけですね。あるものは秘密、あるものは秘密でない。だから、そういう問題のある条項を適用するときであれば、なおさら
警察当局というものは、そこの所属の官庁の長ともっと突込んだ協議的な意見の交換をなされて、そうしてこれはそれでも悪質だからというふうなことでやるべきものだと、そんなことをしないで一方的にこのおやりになることは、はなはだおもしろくないのです。官庁の官公労の今
組合員の
諸君は、非常にこれでやはり精神的な打撃を受けているのですね。私
どもの
気持では、本来こういう民主的な国家では、官庁にそんなに秘密があるものだとは思いません。もちろんいろいろな外国との交渉とか、そういうことのための
資料とか、そういうものは多少そういうものは出てくるでしょう。しかし、いろいろな
資料面なんというものは、役所がいやしくも税金を使って
資料を作るのですから、これは本来は全部国民にも公開して、そうして認識を深めてもらうのが私はほんとうだと思うのですよ。役所だけが持っておって、そうしておれが教えてやるといったような筋合いのものでは私はなかろうと思う。だから、そういうことも
考えものですから、今度のああいう逮捕
事件なんか
考えますと、何だかこう
警察が行き過ぎている。穏やかにいく問題をことさらに荒立てているという
感じがするのです。こういう
感じを持っている人は相当いるわけですからね。だから、ある人はこういうことを言うわけだ。きっとああいうことをやって、今度
警察はああいう
事件をあっちでもこっちでも起して、そうして今度は秘密保護法ですね、そういうものを作るためにいろいろな
事件をわざと起しているのだろう。私はそこまでは、そんなに疑りたくないです。しかし、そんな行き過ぎたことをやれば、やはりそういう邪推が出てくるわけです。それが行き過ぎるとでっち上げですよ。
長官に私は一度聞きたいと思っていたのは、菅生
事件の駐在所の爆破問題ですね。これはまあ東大における鑑定等も出まして、大体
内部じかけで爆破されたものだろうというふうなことで、今まで検事が主張してきた事実
関係というものは根底からく、ずれるような場面にきているわけです。だから、あれは破防法直前の
事件ですね。破防法を成立させるためにああいう
事件をでっち上げた、こういう判断は大体つくような
状態に私は進んできていると思うのですがね、ああいう問題についてどういう反省をされておりますかね。これは私は、良心的な
警察官には非常な大きなショックを与えていると思うのですよ。
長官の
一つ忌憚のない御意見を聞いておきたいと思います。