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1958-04-19 第28回国会 参議院 法務委員会 第31号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年四月十九日(土曜日)    午後二時四十七分開会   —————————————   委員の異動 本日委員小山邦太郎君及び赤松常子君 辞任につき、その補欠として秋山俊一 郎君及び大矢正君を議長において指名 した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     青山 正一君    理事            大川 光三君            一松 定吉君            棚橋 小虎君            宮城タマヨ君    委員            秋山俊一郎君            雨森 常夫君            前田佳都男君            亀田 得治君            後藤 文夫君   国務大臣    法 務 大 臣 唐澤 俊樹君   政府委員    警察庁長官   石井 榮三君    警察庁刑事局長 中川 董治君    警察庁警備局長 山口 喜雄君    法務政務次官  横川 信夫君    法務省刑事局長 竹内 壽平君   事務局側    常任委員会専門    員       西村 高兄君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○刑法の一部を改正する法律案内閣  提出衆議院送付) ○刑事訴訟法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○証人等被害についての給付に関す  る法律案内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 青山正一

    委員長青山正一君) 本日の委員会を開会いたします。  刑法の一部を改正する法律案刑事訴訟法の一部を改正する法律案証人等被害についての給付に関する法律案を議題といたします。  暴力取締関係について質疑を行います。御質疑の方は御発言下さい。  なお、本日は、唐澤法務大臣横川政務次官竹内刑事局長辻刑事局参事官川井公安課長警察庁の方から石井長官山口警備局長中川刑事局長、こういった方がお見えになっております。
  3. 亀田得治

    亀田得治君 きょうから暴力関係規定について質問いたしますが、こまかい条文の問題は次回にいたしまして、きょうはその前提といいますか、総括的な問題として、二、三の問題についてただしておきたいと思います。  その第一は、これらの刑法なり、刑事訴訟法なり、刑事訴訟法の改正をした理由は、暴力団、ぐれん隊あるいはチンピラ、そういったようなものに対する規定だ、こういうことです。その対象につきまして、私、きょうは少しくいろいろな点を明らかにしてもらいたいと思うのですが、せんだって、岸総理に、暴力団の数などはどうなっているかお聞きしたところ、暴力団センターが約三千、所属員が六万ぐらい、こういうふうなお答えをいただいたわけですが、この三千、六万というのは、内容的に分析してみますと、いろいろあるだろうと思いますが、その辺の実態について、これは警察当局の方が詳しいと思いますが、御説明をお願いしたいと思います。
  4. 中川董治

    政府委員中川董治君) 暴力団実態を、私ども警察の使命として内偵の活動において把握するように努めております。私ども注意深く把握に努めておりますので、現在把握している大体暴力をやる疑いがあると認められる団体で、視察対象として相当精密にやっておる数字を申し上げますと、過般の委員会でも、総理大臣から御説明がございましたように、団体数といたしましては三千余である、こういうように現在は考えております。その内訳ということになりますと、いろいろ社会的事実でありますので、いずれも法律用語ではなくなるのですけれども通常博徒といわれるような団体が、大体全国で六百五十一くらいある、テキ屋といわれておるものが七百二十四、青少年不良団、こういう概念に当てはまるものというようなものが千三十八、会社ゴロ、こういう団体と認められるものが三十二、新聞ゴロと認められるものが百三十四、炭鉱等中心にしておる炭鉱暴力団とも認められるものが二十九、売春暴力団考えられるものが四十二、港湾暴力団考えられるものが四十二、その他、以上申しました概念に当てはまらないけれども、大体暴力をやりそうな団体と認められるものが五百二十四、計三千二百十六、こういうふうに視察の結果、認めておる状況でございます。
  5. 亀田得治

    亀田得治君 ちょっと聞き落したんですが、どのくらいですか、テキ屋というのは。
  6. 中川董治

    政府委員中川董治君) 七百二十四でございます。そのメンバーになって参りますと、さらに把握が困難でありますけれども、それらの内容を申しましょうか。
  7. 亀田得治

    亀田得治君 ええ。
  8. 中川董治

    政府委員中川董治君) 博徒が一万七百六十九、テキ屋九千五十、青少年不良団一万八千五百二十四、会社ゴロ百八十九、新聞ゴロ九百八十、炭鉱暴力団二百七十七、売春暴力団四百九十三、港湾暴力団五百二十一、その他二万三千百五十九、計六万三千九百六十二、これが私ども各都道府県警察の、一応視察を集中してやっておるものの数字でございます。この調べの現在は、昨年の三月三十一日現在でございますので、その後の移動等もあると思いますが、昨年の三月三十一日現在で調べたものの合計が以上でございます。
  9. 亀田得治

    亀田得治君 それらの大まかな、地域的な分布ですね、これはどうなっておりましょうか。
  10. 中川董治

    政府委員中川董治君) ただいま私が読みました数字は、全国統計数字を申し上げたので、ございますが、この内訳をさらにしますと、府県別に出るわけでありますが、ただいま手元府県の別の資料は持っておりませんが、大体全国でそうむらなく、どこかに偏している、こういうことはないように認めます。大体人口が多いところはもちろん多い、こういう結果はもちろんありますけれども
  11. 亀田得治

    亀田得治君 ずいぶん種類をたくさんおあげになったわけですが、これらの生活方法といいますかね、中に入ってみなければわからないかもしれませんが、そういったようなことの大まかな御説明が、もしできましたら。
  12. 中川董治

    政府委員中川董治君) 以上、私が博徒とか、テキ屋とか、新聞ゴロと申したのですが、そういうことを職業として、名目としておるわけではありませんで、職業はあるいは土木建築事業というようなことになっているものもありましょうし、出版の事業あるいは執筆、あるいは学生、生徒こういうことになろうかと思うのでありますが、職業別という点は、そう正確な職業は持っていない、こういう面も少くないと思います。
  13. 亀田得治

    亀田得治君 その生活は、つまり正規職業を持っている者がある、そうでないのもある、正規職業を持っているようなのは、やはりその面からの収入とそれからそれ以外のいわゆる暴力関係に随伴して入ってくるような収入というような二つあるのだろうと思いますが、その辺の御説明を願いたい。
  14. 中川董治

    政府委員中川董治君) 亀田委員指摘通り、両者が収入になっておりまして生活しておると考えられるのでございますが、その内訳ということになりますと、大へんそれぞれの関係者人権の機微にわたりますので、そこまで視察して参りますと、かえって人権上の問題も起りますので、これらをわれわれが視察しております目的は、比較的暴力行為を犯しやすいものを警察として見つめておりまして、刑罰法令に触れるような行為等がありましたような場合に、それぞれ警察で措置を講ずる、こういう目的でやっておりまして、突き進みまして家計調査までやるようなことはいかがかと思うし、われわれは、刑罰法令中心考えておりますので、亀田委員指摘の、生活内部まで正確に把握し切れないのが現状でございます。
  15. 亀田得治

    亀田得治君 それから最近の一つの問題としては、先ほど分類の中で、売春関係のものが大体として四十二というふうに言われたわけですが、これは売春防止法の施行と同時に相当形態が変化しつつあるのではないかと思うのですが、そういうふうな点はどういう状況になっておりますか。
  16. 中川董治

    政府委員中川董治君) 亀田委員の御指摘通り、この売春関係暴力団は御案内のように、本年四月一日から売春防止法刑罰法規が全面的に施行せられ、そういうことに備えて関係業者は転廃業してしまった。従って、売春目的とする施設は全国どこにもない、少くとも表面は。そうすると、従前こういった関係にかかわり合いを持って、それによって収入を得た者が、ほかの正しい生業に転業した者も少くございませんけれども、正しい転業ということについて本人の意思等がここに向かない、能力もそれに適さない、そういう関係で、もぐった売春関係暴力団が現在比較的多いのじゃなかろうか、先ほども申しましたように、以上私が読み上げました数字は、昨年の三月末日現在でございますので、この関係は大きく変化しておると思います。また、数字は相当増加しておると考えます。
  17. 亀田得治

    亀田得治君 そこで、今お述べになった三千の団体や六万の団員、こういうものは何かちゃんと警察当局の方では名簿のようなものができているわけでしょうか。
  18. 中川董治

    政府委員中川董治君) われわれ視察上の便宜のためにその名簿を持っておるのでございますが、その名簿を不用意に外部に発表いたしますと、これは大へん国民の名誉を棄損いたしますので、視察対象にするという意味名簿を持っておりますけれども、それの外部に漏れるということは、関係者名誉保持上、厳重に戒めて、そういうことのないことに、名誉の保持上困らぬように努力して、刑罰法令に触れる行為を防止したい、ないしはこの検挙を容易にする、こういう意味合いで名簿等を持っておるわけでございます。
  19. 亀田得治

    亀田得治君 この暴力団、ぐれん隊、チンピラと、いろいろこう名称があるようですが、先ほどの三千というのはいわゆる暴力団ということなのか、何かチンピラというと少し程度の低いので、その辺でがさがさやると、そういうふうなふうにも私ども思っておるのですが、そういうものが入っておる数字ですか、あるいは入っていないとしたら、そういうふうなちょっと程度の軽いようなものはどの程度のものになっているのか、これは暴力団以上に把握はしにくいかと思うのですが。
  20. 中川董治

    政府委員中川董治君) 私が、博徒以下こういう社会での概念分類したので、ございますが、それぞれの各分類ごと相当年輩の方もあれば、相当若い人もおる、こういうことが観念上は言えるわけでございますが、私の方の分類の中で、青少年不良団分類に属するものは、名のごとく年少者——年令の若い者に多いと、こういうことが言えようと思います。それから俗称チンピラというものに属する概念でございますが、青少年不良団に属するものの大部分と並びにテキ屋博徒、その他のグループに属するものであって、比較的当該団体として支配力に乏しい、刑法総則的な概念からは幇助的な地位というものがチンピラと、こういう概念に当ろうかと思うのでございます。
  21. 亀田得治

    亀田得治君 大体その内容は御説明でわかりましたが、そこで、次にお聞きしたいと思いますことは、これらの諸君犯罪統計ですね。全体の犯罪は私どもわかっておりますが、何かそういうようなものがありましたら、大まかなところでよろしいのですが、罪種別に。
  22. 中川董治

    政府委員中川董治君) お答えいたします。ちょっと資料調べる間お待ち願いたいと思います。その間、他の質疑を続行願えればありがたいと思います。
  23. 青山正一

    委員長青山正一君) 中川部長に申し上げますが、ただいま亀田委員の申し入れの資料はできるだけすみやかに、月曜にでも一つ提出願いたいと思います。
  24. 亀田得治

    亀田得治君 そこで長官にお聞きしますが、こういう社会的に非常に問題になっておるもの、それは警察で大体先ほどからお聞きしますと、相当詳しく把握しているようです、名簿等をもって。そのこと自体取締り上いいことなんですが、しかし、それだけに、先方も自分たちの首の根を押えられておるという感じがある。そして一挙手一投足大体わかる。それだけにある場所に行きますと、間違って警察の末端のものとそういう諸君とがぐるになって悪いことをするとか、あるいは悪いことをしておっても見のがすと、こういうふうなことがこれは相当あるのではないか。具体的にはときどきこういう事件が起きますが、そういうふうな点も長官としては、実際どういうふうにお考えになっているのか、お聞きしたい。
  25. 石井榮三

    政府委員石井榮三君) 暴力団第一線警察官との間にいわゆるくされ縁があり、そのために警察が当然執行すべき職務が執行されない、そこになれ合いになって、犯罪があってもこれを見のがすといったような傾向がありはしないかどうかという御指摘だと思うので、ございますが、正直に申しまして、過去におきましてそういったいわゆる暴力団警察官の一部の者との間のくされ縁というものがあった事実を遺憾ながら認めなければならぬのでありますが、そうした過去の事実に対しまして、私どもは深く反省をいたしまして、特に私は、昭和三十一年以来、暴力団取締り暴力団の一掃ということにつきましては、警察仕事一つの重点といたしまして、しかもこの種の事犯取締りは、一体的な線香花火的な取締りであってはならない、長期継続的に取り締らなければならないということを強く主張いたしまして、第一線警察官諸君努力を促したのでございます。そこで、その仕事を推し進める一つ方法といたしまして、先ほど刑事局長お答えいたしましたように、まず、暴力団の実体を把握しなければならぬ。そうしてこれらのものの動向というものに対しては、常に関心を持ち、犯罪未然防止に努めると同時に、いやしくも発生した事犯に対しましては断固として強い取締りを加えていく、こういう態度をとらなければならぬ。そうしてそのためには、先ほど申しましたように、従来とかくうわさされるようなこれらの者と警察官との間のくされ縁というようなものがあっては、断固たる取締りはできないわけでありますので、警察官みずからを厳に持して、世人の指弾を受けることのないように、そうした者とのくされ縁を断ち切って、断固たる取締りができるような態勢をとらなければならぬということを、私は機会あるごとに、会議あるいは通牒等によりまして、第一線警察官諸君の自粛を促しまして、そうした方面における指導教養に努めて参っておるのでございます。現在もその態度を続けておるのでございますが、不幸にいたしまして、全国数多い警察官の中に、ときたまこうした暴力団体等との間のいまわしい関係から、いわゆる汚職事犯等もいまだに跡を断っていない状況にありますことをはなはだ遺憾に思っておると同時に、申しわけない次第であると思っておるので、ございますが、今後さらにこの点につきましては、すべての警察官の自省を促し、指導教養を徹底いたしまして、こうしたことの絶無になるように一そうの努力をして参りたい、かように考えております。
  26. 亀田得治

    亀田得治君 非常に率直な御心境を承わって大へん恐縮ですが、そういうことはだんだん少くなっておるのですか。あるいは大して変らないのか。たとえば起訴された事件であれば、これはまあ多い少いすぐわかりますが、内部規律内部監査等だけで済んだようなものなども含めて考えまして、実際どういうふうになっておるのか、お聞きしたいと思います。
  27. 石井榮三

    政府委員石井榮三君) 今毎年の、そうした関係統計手元に持っておりませんので、数字的に正確に申し上げることはできませんが、私の感じといたしましては、今私が申しましたような努力を年々継続して参っております関係もございまして、漸次減少しておるものと考えております。しかしながら、いまだに跡を断たないのは、先ほど申しました通り、まことに残念でございます。傾向としては漸次減少しておる、かように考えるのでございますが、最近におきましても亀田委員おそらくよく御承知でございましょうと思いますが、大阪府警におきまして、今から二年ほど前の事犯ではございますが、中国人のある有力な幹部と申しますか、そうした者が射的場等を経営しておるのでございますが、そうした業態の者との間に好ましくない関係がございまして、金品の収受供応を受けたような事犯が最近発覚いたしまして、三名ばかりの警察官が現に大阪地検の取調べを受けておる、こういった不祥事態を発生いたしておるのでございまして、こうしたことがいまだに跡を断たないことは、先ほど申しました通り、私どもは深くざんきにたえないところであり、自省すると同時に、将来こうしたことのないように一そうの指導を加えて参りたい、かように考えております。
  28. 亀田得治

    亀田得治君 先ほど暴力団犯罪統計と一緒に、もしわかりましたら、私どもにその具体的な数字で、おそらく順次よくなっているのだろうと思いますが、一つ具体的な数字で知りたいと思いますので、御提出願いたいと思います。
  29. 青山正一

    委員長青山正一君) ただいまの亀田君の話、承知しましたですか。
  30. 石井榮三

    政府委員石井榮三君) わかりました。
  31. 青山正一

    委員長青山正一君) お願いいたします。
  32. 亀田得治

    亀田得治君 今お話中、御答弁を聞いていてちょっと気になったわけですが、三千の暴力団というのは、これは全部日本人といいますか、外国人なんかの関係はあまりないのですか。センター並びに団員全部について。
  33. 中川董治

    政府委員中川董治君) 国籍別内訳については作っていないのですけれども、建前としては日本に居住するものであれば外国人も含めて調査しております。
  34. 亀田得治

    亀田得治君 大まかにどれくらいありますか。
  35. 中川董治

    政府委員中川董治君) 個々に国籍別をあまり念頭に置かなかったものですから、内訳は出ないのですが、そう多くない数字だと思っておりますが、含んでおりますが、内訳数字は出ないのでございますが。
  36. 亀田得治

    亀田得治君 結局それだけの、相当数暴力団警察が取り締る、これは私も賛成です。だれも反対する者はない。ところが、その取締りといって、この法律を出した警察が若干でも暴力団関係がある、そういう忌まわしい事件が若干でもある、これは私非常に矛盾を感ずるわけですね。そして総理にもちょっとお尋ねしたところですが、そういう状態にあるので、今度は労働組合諸君も、この警察が使う法律だから、なかなか用心がならない、もう一つ心配が出ておるわけですね、ざっくばらんに。これは心配の根源はそこにあるのですよ、だからそういう意味で、先ほど長官が述べられた気持ですね、そういうものはぜひ今後十分、整理といいますか、粛正していきたい、そういうお気持はぜひ強力に一つ進めてもらいたい。これはもう希望を申し上げておきますが、そこで、若干これに関連したことをお聞きしておきます。  これは今年の三月十七日に、埼玉県の天田製作所ストライキのときに起きた事柄ですが、まあそういうストライキ経過等、そんなことを今ここで申し上げるわけじゃありません。一切省略しておきますが、ともかく現職警官が見ておる前で、労働組合員が約五十名の暴力団になぐられて、そして重傷者が三名、軽傷三名、そのほか相当なぐられたという人なんか、これはもう枚挙にいとまないぐらい報告されているのですが、ところが、現在に至るまで、担当の警察ではこの問題を刑事事件としてはっきり処理しておらない。だれも暴力団は逮捕されないし、労働組合の方からは盛んに署の方に陳情に行っているようですが、まあ全然ほっておくというようなことは言えないでしょうが、実際問題として、何らの具体的な処置というものがなされておらぬわけですね、もちろん私はそういう事件が起る経過というものはいろいろあろうと思うのです。あるいは使用者側から言えば、いや、労働組合の方が不法なんだとかいうようなこともあるかもしれません。この問題については、私はそこまでは十分な検討はしておりません。しかし、そんなに不法なことはやっておらない。まあしかし、その点の若干の問題等がありましても、じゃそれを防ぐ、それを守るために暴力団現職警官の前で傷を負わすような、これは棒でなぐっているのですね、傷を負わすようなことをやっていいかどうか、私はそれは断じていかぬと思います。そこまでいけば、もう防衛といったって、それはもう度を過しているわけですし、どっちがやってもそれはいかぬですよ。だから、どちらがいいか悪いかは別として、起きた事柄自体というものはよくないと思うのですよ。労働組合諸君陳情は、私どもがこれよりももっと程度の軽いことをしても、ともかくこれだけの負傷者を出せば必らずもう皆が逮捕されます、なぐった者もなぐらぬ者も共犯でやったのだというようなことで逮捕されます。ところが、暴力団がやったのについては、いまだにこういう状態です。ということは、つまり警察暴力団とこの問題ではどこまで話し合っているか知りませんが、平生でもちょっと仲よくなり過ぎているのじゃないか。私はそういう要らぬ想像までしなくちゃならないわけですが、だから、この事件なんかは、組合としても陳情していることだし、皆さんの方にも届いている問題だと思うのですが、なぜこれはいつまでもこんなことを放置されるのか、それをお聞きしたいわけです。先ほど石井長官気持から言うならば、もっと厳正に、法律はどちらに対しても厳正にいくべきものですから、お考えを聞きたい。
  37. 山口喜雄

    政府委員山口喜雄君) お尋ねの問題につきましては、地元警察におきまして捜査をいたしております。これはたしか出荷の問題をめぐって、組合と出荷する側との間に起った紛争に関連した問題であったように記憶いたしておるのであります。お尋ねの点につきましては、ただいま地元警察において捜査をいたしております。
  38. 亀田得治

    亀田得治君 捜査をいたしておるといっても、私たち調べによりますと、警察の方には現場写真等も届いているようです。その現場には、制服の警官もおりましたが、私服の警官もいて、屋根の上からとった写真等があるやに聞いてもおるのです。それを組合の人が幾ら言っても、とにかくAという人をだれが実際になぐったか、その特定がなかなかむずかしい、そういったようなことをおっしゃって、なかなか積極的にやってもらえない。しかし、Aをだれがなぐったかということは別として、一つの団を組んでやってきた場合には、労働組合なら総なめになるわけですが、こういう場合はどうも納得ができない。これこそ私は、暴力行為等取締法、午前中に問題になったああいう法律で私はやっていいのだと思うのですが、そうすれば特定関係といったようなことも若干薄れてくるわけですが、捜査中とおっしゃいますが、現職警官の前でやられた行為がそんなに長く捜査がかかるということではちょっと納得いかぬのですが、捜査はどこまでいっているのですか。
  39. 石井榮三

    政府委員石井榮三君) 私、その件に関しまして、具体的な詳しいことを承知いたしておりませんので、詳細に事実に基いてのお答えができないのは遺憾に存じますが、先ほど警備局長お答えしましたように、本件につきましては捜査を進めておるということでございます。おそらく大ぜいの者によってなされた事犯であるために、捜査がなかなか困難な点があって時間を要しているものと思います。御指摘のように、もしそれが暴力団関係であるがゆえに警察が何か手心を加えているというようなことであるならば、それはまことに遺憾なことでございますので、そういう点がございますなら、私あらためて注意を喚起いたしまして、関係警察官のすみやかなる事犯の処理を促したい、かように考えております。
  40. 亀田得治

    亀田得治君 私たちのところにはそういう関係陳情がずいぶんあるのです。私は、まあきょう持ってきたのは、ただ暴力団が来たとか、そんな関係の、そういう程度のものは何も今持っているわけじゃありません。そういう程度のものはたくさんあります。そうじゃなしに、実際に来て、そうして傷害事件を、組合員に対して傷害を与えた。非常にこれは、理由は何であろうと、これはもうほっておけない問題なんです、傷害まで起きておれば。水かけ論になるようなことを私は申し上げているのじゃないのですからね。もう一例を申し上げますと、昨年の八月三十一日です。これは東京の東電舎ですね、東電舎労働組合の問題です。これもやはりピケを張るとか張らぬとか、そういうことの問題に関連しているのです。そのピケの合法、非合法は別にしましょう。とにかく暴力団、約三十名の者が、三十名の、何もそういう武器などを持っておらない普遍の三十名の組合員に、こん棒などを持ってなぐりかかる。そうして組合員約十名が負傷事件を起しているわけです。あまりなぐり過ぎて、ついでに、その場にいた蒲田警察署の警官まで、これはとばっちりを受けたのでしょうが、なぐられているのです。これも組合員の方から幾ら抗議をしても、らちがあかぬ。しかし、これはもう結果がひどいですからね。なぐったのは五反田の青柳組という暴力団です。これは現場に、やはりこの事件警察官がいたのですから、十分知っている。みずからなぐられている。なぐられた巡査は石川とかいう巡査のようですがね。あまり組合側からしつこく言うものですから、六名だけ逮捕してくれた。ところが、一たん逮捕したけれども、すぐ釈放してしまって、事件そのものは、今日に至るも何ら進展していないのです。私は、ほんとうに、この暴力取締りということをおっしゃるのなら、なぜ、こういうような現象が末端で起きておる、こういうことに対して、もっと上層部の方が強い指導をされないのか。これもおそらく警備局長の方では御存じの事件だと思うのですが、なぜ、こういうことが処理できないのでしょうか。警備局長どうですか。
  41. 山口喜雄

    政府委員山口喜雄君) 東電舎事件につきましては、ちょっと報告を受けておりませんので、承知いたしておりません。
  42. 青山正一

    委員長青山正一君) 中川さん御存じないですか。
  43. 中川董治

    政府委員中川董治君) 存じません。
  44. 亀田得治

    亀田得治君 こういう争議に関連して、何か事故が起きた場合には、これは上の方には報告されないのでしょうか。そんなにめったに起るわけじゃありませんから、こういうことは当然、上の方に報告すべき事項だろうと思うのですが、どうなんですか、この場合は。
  45. 山口喜雄

    政府委員山口喜雄君) 警視庁管内の事件と存じますが、その件につきまして、私は、まことに申しわけございませんが、報告を受けておりませんので、ただいま資料を取り寄せまして、お答えをいたしたいと思います。
  46. 亀田得治

    亀田得治君 そういうことが、ほんとうに、枚挙にいとまなしといっては、ちょっと言い過ぎかもしれませんが、ずいぶん目につくわけであります。まず一つ自分の身辺から、はっきりした整理をしてもらいたい。これは、この法案の審議も、あと、ほんのわずかですから、できましたら、この二つの事件は、私はやはり調べてもらいたいと思います、至急に、きょうにでも。そうして、やはり、どういうふうに処理するのか、そういう考え方を一つ明示してもらいたいと思うのです。  それからもう一つは、労働組合諸君警察に対していろいろ疑いを持つのは、やはり警察の行き過ぎた介入といいますか、その介入がもう一つ一歩進むと、でっち上げ、こういうことを非常に心配しておるのですよ。そういう点の、長官としての考え方ですね、私は、犯罪といえば、それはまあ社会にずいぶんたくさんあるだろうと思うのです、目につくもの、つかぬもの。しかし、犯罪があれば捜査する、これは法律上そうなっておるのですが、そこに警察権の運用上の一つの常識的な問題があろうかと思うのです。犯罪があれば全部やるのだ、こういうことは当りまえじゃないかというたら、私どもはむしろ逆に、それならば、全部おやりになっておらぬから、むしろ職務怠慢が半面にあるじゃないか、また、そう言わなければならぬのです。だから、その辺の捜査権の使い方の問題、これを十分御指導になっておるかどうか、どういう考えで御指道守になっておるか、それをまあお聞きしたい。
  47. 石井榮三

    政府委員石井榮三君) 午前中にもお答えしたと思うのでございますが、労働運動に対しまして、警察のとるべき態度ということにつきましては、申すまでもなく、労使いずれにも偏せず、厳正公平な態度をもってこれに臨み、正常な労働運動に警察が干渉したり介入したりするようなことがあってはならないということを、基本的な態度といたしておるのでございます。しかしながら、不幸にしまして、労働運動が正常なワクを乗り越えて、違法な事態になりましたならば、法秩序維持を建前とする警察といたしまして、これを取り締らなければならない、こういうことに考えておるのでございます。しかしてまた、その違法状態取締りということにつきましても、ただいま亀田委員の御指摘のございました通り、事の緩急、度合いに応じた適切なる措置をとらなければならないのでありまして、違法の状態になったから直ちに実力によってこれを取り締るというのでなく、関係者の注意を喚起して、一刻も早くそうした違法状態をなくするように、まず、みずから努めていただくというふうに、いわゆる警告等をいたしまして、なおかつ、それでもその状態が改善されないときに、初めて実力を用いる、こういうことになろうかと思います。また、一般犯罪事件につきましての心がまえといたしましても、ことさらに事件として取り上げ、また、事件にするということが、必ずしも策の得たるものではないので、また、警察の力も、御指摘通り限界があるわけでございます。万般のことすべて、いやしくも、わずかでも違法であるならば、のがさずこれを警察が取り上げているかというと、決してそうではないという点は、確かに御指摘通りでございます。おのずから、そこには限界というものがございまして、ものの軽重、度合いに応じまして、適切な措置をいたすべきであることは、申すまでもないところでございまして、そうした点につきましては、およそ捜査の指揮に当る幹部の、部下に対する指導、また事態の指揮掌握を適切にやるということにかかろうかと思うのでございますので、私ども、すでに、およそ捜査に当る末端の警察官に対して、これを指導する幹部に対しまして、そういった点についての心がまえを十分持たせるように指導いたしておるのでございます。数多い警察官の中にも、また、数多い事件にぶつかりまして、必ずしも常にわれわれが満点するような十分な場合ばかりがなく、ときには、いわゆる行き過ぎというようなものも中にはありますことは、まことに残念なことでありますが、今後そういう事件につきましては、さらに一そう指導教養を加えまして、私どもの理想とするような姿にもっていくように努力を重ねて参りたい、かように考えております。
  48. 亀田得治

    亀田得治君 抽象的に長官がそういうふうにおっしゃれば、大体考え方としてはまとまっているわけですが、具体的な行動になりますと、なかなかおっしゃったような工合にいっておらないわけですね。これも抽象論では水かけ論でありますから、最近の具体的な一つのものを聞いて、これに対してどういうお気持でやっておるのか聞いた方が、私は警察のあり方ということについてはっきりわかると思うのでお聞きしますが、せんだって、例の官庁スパイ事件ということで、四、五名逮捕しましたね。これは私どもその後逮捕された上司の方々等の考え方等も承わったわけですが、その上司の方が、必ずしもそんなものは秘密だとも思っておらない、そういうふうなものがあるのです。また、警察が事前に上司の方によく注意したとか、よく意見を聞いたとか、そういう形跡もこれはあまりないのです。それをともかく普通の通りに、官庁の事務を、こう扱っておるそういうところに対して、そこの上司の方がどうもおれの部下にこそこそやって、こういうのがいて困るからというようなことで、一種の告発のような、そういうことがあって動くのが私はこれは通常だと思う。ところが、そこのおやじさんは、何も思っておらないものを、しかも同じ官庁同士ががさがさ入ってきて、そうして新聞に対しては、あたかも共産党員であるがごとく発表して手入れされる、こういう行き方は、はなはだ私は、いわゆる警察の介入癖といいますか、その一つの現われだと思うのですよ。今問題になっているその文書自体も、これが官庁の秘密であるかないか、それは最終的にはどうきまるかわかりません。私どもはそんなものは秘密ではないと思っている。理由にされたのはこの二つの文書ですがね。一つは社会党の経済政策に対する批判書です、企画庁としての。もう一つは、長期経済計画に対する産業の分析ですね。で、そこの関係の上の方が、別にそんな秘密だとも思っていないし、それから形式的に見たってマル秘とか何とか、そんなものは押してあるわけじゃない。そんなものが逮捕上の理由にされて、そして身柄拘束されて、ああいう新聞発表をされたら、その本人は大へんな迷惑ですよ。私は絶対にそういうことをしちゃならぬと言うのじゃないのですよ、ほんとうにそれが秘密であればそういうこともあり得るかもしれません。しかし、その場合でも、一たん、同じ官庁である以上は、警察の責任者がその官庁の最高責任者なりに連絡をして、そうして手をつけていく、これが私は常道だと思うのですよ。組合諸君が、午前中にも毀棄罪の問題でいろいろ危倶を述べていたわけですが、ともかくそこのおやじさんが、まあ大して考えてもおらぬのに、いやそれは毀棄罪だと、こう言って警察官が入り込んできやせぬか、心配はそこなんですよ。だからそういう意味で、私はこの事件なんか典型的な警察の介入癖だ、しかも官庁同士がこういう介入の仕方は、いいのか悪いのか非常に疑問を持っておるのですが、これは一体どうしてそこの相手官庁の責任者と無連絡で、そういうことをおやりになっておるのか、お聞きしたい。
  49. 石井榮三

    政府委員石井榮三君) ただいま具体的にお取り上げになりました、最近警視庁において検挙いたしました事案につきましては、目下捜査中の事案でございますので、私まだ詳細なことを承知をいたしておりませんし、捜査中でありまするので、具体的な内容については触れることを差し控えさしていただきたいと思うのでございますが、私が、報告に接しておるところによりますれば、ただいま御指摘になりましたように、関係官庁の上司の方にその官庁の秘密文書であるかどうかを確かめもしないでやったということはないように聞いております。関係者に対しまして、その当該官庁にも文書の扱いとして秘密のものであるかどうかという点につきましては、事前に確かめた上で措置をしておると、こういうふうに報告に接しております。
  50. 亀田得治

    亀田得治君 それはそういうふうなことを警察がおっしゃっておるように聞いておるのですが、ところが、相手の官庁の局長さんは、そういうふうには言うておらないわけであります。  それからもう一つ、その中で食い違いを私ども感じておりますのは、まあ役所としてはできるだけ外部に見せたくないものだ、そういうふうなものは秘密でなくてもあるかもしれません。しかし、それが外部の人に渡してもらった、たとえばこういうようなもの、これは政党なんかよくもらいますよ、こういう資料は。そういうことがあっても、じゃそれがすぐ公務員法第百条にいう秘密違反になるのか、これは非常な問題だと思うのですよ。その辺の確かめ方が、ちょっと確かめて、多少それらしいことをおっしゃったら、すぐそれを理由にしておられるというふうに私ども感ずるのです。そうじゃなしに、私はよくよく悪い場合を考えて、それが秘密だとしても、実はこうこうこういう状態にあるのだがどうかという、基本的な連絡というものがあってしかるべきものだと私は思うのです。形式的にも何にもマル秘も何に一もついていない、こういう文書について。だからその点は、警視庁の方では確かめたと言っておるようですが、確かめたということの内容が、実は食い違いがある。  それからもう一つ、これはいつか国税局の問題で法務大臣にもお聞きしたことがあるのですが、秘密ということの認定は各官庁の部局長が一応やる、こういうことに各官庁の規則でなっておるようです。私は、このこと自体が実は大きな問題だと思っております。国家公務員法百条で、一カ条罰則の規定があって、あとは全部各官庁によって具体的に秘密がきまるというのであっては、これは何が秘密かということは、各官庁の部課長の判断できまってくることになりますね、こんなことはいわゆる罪刑法定主義の立場からいっても非常にそこに矛盾があるのです。それしか現状では仕方がないのだというふうに官庁側はおっしゃるかもしれない。しかし、いやしくも処罰される方から見れば、どうもおれの知らぬうちに、いつの間にか上の方で、これとこれとこれは刑罰になるのだというふうにきまっておるというふうなことにもなるし、また、各官庁によっても、部課長の頭の程度によって非常に違ってくるわけですね。あるものは秘密、あるものは秘密でない。だから、そういう問題のある条項を適用するときであれば、なおさら警察当局というものは、そこの所属の官庁の長ともっと突込んだ協議的な意見の交換をなされて、そうしてこれはそれでも悪質だからというふうなことでやるべきものだと、そんなことをしないで一方的にこのおやりになることは、はなはだおもしろくないのです。官庁の官公労の今組合員諸君は、非常にこれでやはり精神的な打撃を受けているのですね。私ども気持では、本来こういう民主的な国家では、官庁にそんなに秘密があるものだとは思いません。もちろんいろいろな外国との交渉とか、そういうことのための資料とか、そういうものは多少そういうものは出てくるでしょう。しかし、いろいろな資料面なんというものは、役所がいやしくも税金を使って資料を作るのですから、これは本来は全部国民にも公開して、そうして認識を深めてもらうのが私はほんとうだと思うのですよ。役所だけが持っておって、そうしておれが教えてやるといったような筋合いのものでは私はなかろうと思う。だから、そういうことも考えものですから、今度のああいう逮捕事件なんか考えますと、何だかこう警察が行き過ぎている。穏やかにいく問題をことさらに荒立てているという感じがするのです。こういう感じを持っている人は相当いるわけですからね。だから、ある人はこういうことを言うわけだ。きっとああいうことをやって、今度警察はああいう事件をあっちでもこっちでも起して、そうして今度は秘密保護法ですね、そういうものを作るためにいろいろな事件をわざと起しているのだろう。私はそこまでは、そんなに疑りたくないです。しかし、そんな行き過ぎたことをやれば、やはりそういう邪推が出てくるわけです。それが行き過ぎるとでっち上げですよ。長官に私は一度聞きたいと思っていたのは、菅生事件の駐在所の爆破問題ですね。これはまあ東大における鑑定等も出まして、大体内部じかけで爆破されたものだろうというふうなことで、今まで検事が主張してきた事実関係というものは根底からく、ずれるような場面にきているわけです。だから、あれは破防法直前の事件ですね。破防法を成立させるためにああいう事件をでっち上げた、こういう判断は大体つくような状態に私は進んできていると思うのですがね、ああいう問題についてどういう反省をされておりますかね。これは私は、良心的な警察官には非常な大きなショックを与えていると思うのですよ。長官一つ忌憚のない御意見を聞いておきたいと思います。
  51. 石井榮三

    政府委員石井榮三君) 官庁の機密と一口に申しましても、これはずいぶん幅のあるものでありまして、官庁の機密の中にはいわゆる極秘のものもありましょうし、軽度の——軽いものもありましょう。従いまして、秘密文書として相当長期にわたってその取扱いをしなければならぬものもありましょうし、一時的な秘扱いで、ある時期を経過しました場合には公開してしかるべきものもありましょう。従いまして、こうしたものが果して秘密文書であるかどうかということにつきましては、先ほども御指摘になりましたように、確かに関係官庁の責任者によく確かめて、それが秘密文書であるかどうかということをはっきりさせて、事件関係のものとすべきかどうかということを確かめる必要のあることは、私も十分同感でございます。先ほど申しました、ように、最近警視庁が着手いたしました事犯につきましては、そうした点について、当該官庁の責任者と事前に十分確かめて下打ち合せをしたというふうに私は聞いているのでございます。もしその点に疎漏と申しますか、事前のそうした手を打たれていないということでありますならば、十分に反省しまして、将来そういう点につきましては、慎重を期するようにしたいと、かように考えております。  それからなお、菅生事件のことについてお尋ねがございましたが、これは現に裁判係属中でもございますので、ここでこれについて私かれこれ触れるのは差し控えたいと思うのでございますが、事件の起りましたのは二十七年の六月のことでございますが、当時の情勢としては、ああいうことも起り得る多分に可能性のあったときの事犯であったと思うのでございまして、決して破防法を成立せしめんがために、警察内部が陰謀をたくらんで、そうした事犯を起して外部の者がそれをやったことであるというふうにしたものであるとは、私は考えておらないのでございます。しかし、詳しいことにつきましては、先ほど申しました通り、目下裁判係属中でございますので、公正なる裁判の結果に待って、その上でわれわれ過去を振り返って、もし反省しなければならぬ点がありますならば反省もしなければならぬ、かように考えております。
  52. 亀田得治

    亀田得治君 まあ前提になるような諸問題については、一応この程度にいたしておきたいと思うのですが、次に、この午前でもちょっと触れたわけですが、暴力行為取締法の今後の運用の問題ですね。連合審査だったものですから、三回しか発言できなくて、私はなはだ心残りしているわけですが、政府が法律を作るときには、一つの方針というものをちゃんと明示しているわけですから、暴力行為取締法その法案自体を、各条を研究をしてみても、なるほどこれは先ほどから御説明になったように、暴力団とかそういうものを対象にしているものだということは、もう法案自体から内容的にわかるわけですね。で、まあ第一条もそうですが、第二条等を見ても同じことが言える。同時に、これは集団的、常習的な暴行、脅迫、毀棄、こういうふうなことが第一条に書いてあるわけですね。これはまさしく暴力団なんです。労働組合が一回そういうことをやったって、常習的とはだれもそんな検察当局は考えないでしょう。だから、まさしくこれは暴力団に対するものなんです。法律を作るときの説明もそうなんですよ、それは。ところが、これがまあ戦前のことですからね。これはまあ何も法務省だけを責めるわけじゃないですよ。戦前には全般的に農民運動や、労働運動に対する弾圧があったわけですから。そういう空気の中だから、法律をそういう趣旨で作りながら、習年には京都の農民組合事件にこれを適用した。何といっても、裁判所自体もあのころは、どちらかといえばやはり社会全体の空気というものは反映しますからね、検察庁から農民運動の事件暴力行為取締り法違反として持ってくれば、やはりそれを生かすような態度でこれは考えるわけです。その結果できたのが、労働運動に対しても暴力行為取締法を適用していいと、こういう判例になっただけですよ。だからそういういきさつでできた判例ですからね、それを私は新憲法下になってもそれをお守りになっていくという態度、これは裁判所にも私どもちょっと実はその点は不満なわけです。不満なわけですが、これは国会では、その裁判所の判決云々ということを今批判の対象にしてみたって、これは始まらない、三権分立で違うわけですからね、そこでそういういきさつでできた判例であれば、警察や検察あるいは法務省自体がたとえそういう判例はあっても、そういうものは扱わないようにして、そうして正常なところでいこうというふうにやってもらえば、私どもそれは実際検察当局に対する見方というものは違ってくるのですが、それを相変らずそういう判例が一度出たからといってそれを使えば楽だというので、そこに持っていかれる態度について私ども納得がいかないのです。判例の効力なんというものを私は問題にしているのじゃない。これは私は初めてこういうことを申し上げるわけですが、その辺の検討というものは一つできないものでしょうか、どうなんでしょうか。検察の最高の方針として、私はこういう問題についてこそ法務大臣が、検察当局に対して検察庁法十四条の指揮権ぐらいは発動して、これはまさしく一般的な事項です、事件の取扱いの一般的な事項です、ところが、それを暴力団だけに持っていって、労働組合の運動をここに持ってこないということになると、どうも労働組合事件を扱うのに不便があるという具体的な問題があれば、それはそれとして御検討願いたいと思うのです、それはそれとして本来ともかく暴力団のために作られたものを、お聞きをすれば、暴力団労働組合は全然違いますと、そんなことは話にもなりませんと、皆さんそれは笑いながらおっしゃるくらいにこれは判然と違うわけです。これは私はもう検察の大きな一つの方針として十分御検討願う価値のある問題だと思うし、われわれとしてもそれは要求のできる問題だと思う。どうでしょうか、この刑事局長の専門的な御意見もさることながら、一つ法務大臣の考え方をもう少し、技術的な問題にとらわれないで、大所高所に立った御意見をお聞きしたいのです。
  53. 唐澤俊樹

    ○国務大臣(唐澤俊樹君) この問題は当委員会におきましても、しばしば議論になったところでありまするし、また、衆議院におきましても、法務委員会等でしばしば論議されたのでございまして、暴力等処罰に関する法律のできました当時の状況は私つまびらかにはいたしませんけれども、当時の社会現象から見て、やはり暴力団というようなものを処罰の対象として制定されたやに承わっております。ただ、たびたび申し上げまするように、一たび法律になりますると、よく言われますように、法律はひとり歩きをすると、こういうことになるのでございまして、やはり法律の適用は、法律の文面から見て解釈して参るより仕方がないと思うのでございます。その意味におきまして、今御審議を願っておりまする法律も私ども立案の責任者として説明いたしておることは、裁判所等でこの法規を解釈する上に一つの参考資料になるかもしれませんけれども、当時の責任者である私が、かように考えて立案したと申したからというて、その意見が将来の法律の解釈の権威となるわけには参りませんですから、ただいまのこの御審議を願っておりまする法律も、十分一つ御審査を願いたいと言うておるわけでございまして、これが立法府の手を離れて、そうして一たん法律となりますれば、やはりこれを解釈して適用し、そうして判決を下すという方の手に渡るのでございまして、この暴力行為等処罪ニ関スル法律も、すでに大正十五年から長い間その解釈が一定して適用されて参ってきておるのでございまして、今新しくこの解釈を改めて、この法律は条文でこう書いてあっても、こういう方面にそれに該当する事犯があっても適用してはならぬというふうに、検察官なり警察官の解釈として参るということは、これはやはり法の運用に当っておる者としての責任上いかがかと考えるわけでございます。やはり法律は立法府の手を離れてしまえば、その文面によって解釈し、その文面に照らしてみて、これに該当する事犯があれば、やはりどうしてもそれを適用していかなければならないと、かように考えておるわけでございます。その意味におきまして、しばしばおっしゃられますように、お前がそう言うたからというて、これを離れてしまえば、この文面によって適用されるじゃないかと、それはその通りでございまして、だからしてこの問題も十分御審査願いたい、こういうことでおるわけでございまして、今検察あるいは警察の側でにわかにこの解釈を改めて、大正十五年以来いろいろの事犯に適用され、そうして裁判所からも判決が出ておる、これを急に改めて、一切ある種類の違反についてはこれを適用しない、こういうふうに改めていくということは、これは少しむずかしいんじゃないか、かように考えております。
  54. 亀田得治

    亀田得治君 これは裁判所が立法府と違った法律解釈をすることがある、これはまあ私歓迎すべきことではないが、仕方がないと思うんです、これは。ただ法務省なり検察当局は、これは立場が全然違うと思うんです。これは検察当局がまず事件を起すわけですから、立件するわけですから、検察当局が立件する場合には、国会で皆さんが説明したり、あるいは場合によっては付帯決議等がつく、その立場というものが守られなければ、私はあんな付帯決議だって、これは何にもならぬ、国会を通すための一つの方便と、こんなことになってしまうので、そこをお聞きしておるんです。裁判所が結論的にどういう法律判断を持つか、そうじゃなしに、検察当局はやはり私は提案理由なり、そのここにおける質疑なり、あるいは付帯決議等に私は当然縛られるもんだと思っているんですがね、どうでしょう。
  55. 唐澤俊樹

    ○国務大臣(唐澤俊樹君) なるほど立案当時の事情、それから立法府において審議され、これを議定されるまでの経過あるいは付帯決議等は法の解釈には十分参酌しなければならぬことでございますが、それが果して条文の中に書いてあることと同じだけの権威を持つかどうか、それならば付帯決議でなくても条文の中に書いて法律としてきめていかなければならない、やはりそこは法律と付帯決議との間には相当の相違があるんではないかと思うのでございます。で行政府は、自分で自由に裁量してできるのだから、立件しなければいいじゃないか、こう仰せになるのでございますけれども、やはり検察をあずかっておるものといたしましては、法に触れておるものがあって、そうして疑いが十分であれば、やはり立件しなければならぬ立場に立っておるのでございまして、私が申すまでもなく、この検察については、審査の委員会もあり、そうして検察官が立件すべきものを立件しなければ、やはりそれ相当の審査を受けるわけでございます。そういうわけで、検察官がこれは法に触れると解釈するけれども一つ行政方針として許してやろう、こういうような自由の立場におれば今のようなことができるのでございますが、検察官の立場にある者は、それほどの自由な酌量権というものは、私はなかろうと思うのであります。でありますから、やはり立法府において法律をお定めになりますときは、きちっとそれによって条文の表で、検察官も指導され、裁判官も適当なる判決を下し得るような条文をお作りをいただくと、こういうものではないかと思うのでございます。
  56. 亀田得治

    亀田得治君 この点は、私は、国会と行政府との関係の問題として非常に大事な問題だと思います。大臣のその考えがどうも私はちょっと納得いかぬものがありますね。まあそこだけであまり議論しても、今は適当じゃないかもしれませんが、もう少し私は、国会というものに忠実であるべきだ。やはり昔の国会はどちらかというと、行政府の方が比重が多かったのじゃないですかね。ですから、そういう中から行政官のやはり行き過ぎた行動というものが生まれてきておる、それが一つの習慣になっておると思うのですね。現在では違うのだ、私から申し上げるまでもなく、国会が最高機関なのですから……。そこで論議をし、そこでこういう意味だと言われたことが、あまり重視されない、結果においては……。そんなことじゃ一体これは法律を作るときに、実にややこしい法律を作らなければいかぬことになりますよ、そんなことを言い出したら……。法律に書いてないことはとにかくだめだ、これはちょっと私は暴言だと思うのですね、この法律案だけじゃなしに……。だからその辺が割り切れておれば、まだ私はこういう法律案でもそんなに危惧を与えないと思うのですね。それで、私はそこの考え方を改めてどうする、私の言うのは、何も労働組合事件があったから全部ほっときなさいと、そんなことを言っているのではないのですよ、これはちょっと誤解があるようだけれども。たとえば、何かたくさん寄って暴行、脅迫があった、あるいは傷害があった、そういうことなら、これは刑法の共犯として立件していけばいいので、また、そういうふうにおやりになっているケースもたくさんあります、私も関与したのでは……。いつかも三池炭鉱の事件でしたかね、あれなんかたしか暴力行為じゃなしに、刑法規定による共犯としてやられているのだと思います。ですからそういうように、全然何も野放しにすることを私は言っておるのではないのです。そっちの正規の方でおやりになるようにしたらどうですかと、こう申し上げておるので、それくらいのことは私は当然だと思うのですがね。この法案だけじゃないですよ。それはあなたのようなことを各大臣がおっしゃったら、これはあなたどんな法案だって、非常に執行段階において曲げられるということになるのです。また、こういう司法関係の方は、裁判所というものがあるから、皆さんが多少曲げて運用しょうと思っても、弁護人等が出て、実は国会ではこうなっておるのだということになれば、多少また曲がるかもしれない。しかし、ほかの行政関係の法規であれば一回勝負ですから、行政機関だけで処理していく。そういう考え方は、私は今の憲法のこの秩序のもとにおいては間違いだと思うのですよ。これは岸さんでも出てきてもらって、一ぺんお答えを聞きたいところですよ。検討の余地ないですか。私はどうも重大な問題が見つかったような感じがしているのですが、あなたのお答えで。
  57. 唐澤俊樹

    ○国務大臣(唐澤俊樹君) 民主憲法下におきまして、立法府の意思を尊重しなければならぬということはこれは当然のことであり、旧憲法時代から見ましたならば、非常に立法府の心持が行政府に反映して、非常な影響を受けているということは、私ども旧憲法、新憲法両時代でやっておりますから、はっきりと区別がつくのでございます。ただ、私の感じておりますところでは、立法府の意思は何によって表明されるかというと、まず、法律の条文であろうと思うのであります。立法府が一番大事にしているのはその条文の成文の方でございます。しかし、成文でもって書かなくとも、まず、付帯決議なら付帯決議、あるいは付帯決議のところまでいかないまでも、速記録に残しておるところの論議、こういうものを参考にして運用しろという意味合いだろうと思いますから、われわれ法の運営に当る者は、立法府の意思の最も強いものは法律の条文そのものであり、それからその法律の条文の解釈について、どういうように解釈をとるかということは、その当時の制定の理由とか、あるいは論議、あるいは付帯決議等を参酌しなければならぬ、かように思うのでございまして、これは単に暴力行為等処罰ニ関スル法律ばかりではなくて、その衝に当る、法律の運営に当る行政府といたしましては、やはり条文の表の正式な解釈によって、その法律の命ずるところに従って運営していくという法律上の義務があるであろうと思うのでございます。それを勝手にいろいろと自分の自由意思で曲げていくということが、かえって立法府に対する不忠の行為になるのではないかと思うのでございます。で、私はやはり法律の運営に当っては、法律の条文、これが一番大事なことであろうと思うのでございます。この暴力行為等処罰ニ関スル法律、その当時の状況といたしましては、ほんとうに暴力団というようなものを相手にして、そうしてそれに適用しようと、こういうつもりでできたということになっておりまして、労働組合運動とか、そういうようなものがこれに当るような事犯を引き起そうとはゆめ思わなかったということで、まあそういうふうに思いますが、それが後になって、この条文だけから見れば、その事犯があると、こういうことであると、どうしてもそれに適用されるようになる、そういう工合に、法律の条文だけが命じておるのでございますから、それは単に労働組合運動だけではなくて、たとえば、政治的な陳情団が来て、やはり多衆がその力を組んでこの条文に当るような行為があれば、これもやはりやらなければならぬ。これは暴力団の場合だけの規定である、われわれ今政治的な陳情をやっておるのだ、農地の解放運動をやっておるのだと言うてみたところが、それぞれだんだんと事象が変ってくるのでありますから、やはり法律の適用に当る者は、法の条文だけにたよっていくより仕方がない。もしそれがいけなければ、やはり立法府においてこの法律そのものを改めていくと、こういうことにしていく。そうしてその法律が改まりますれば、また行政府の方は、その命令に従って忠実に法律を守っていく、こういう仕組みになっておるのが三権分立じゃないかと私は考えるのでありますから、まあ少し理屈を申したのでございますが、亀田委員のお考えとあるいは違うかもしれませんけれども、とにかく現段階におきまして、私ども考えだけでこの法律の従来の運用方法を根本的に改める、そういうようなことをいたすだけの自信を持っておりません。
  58. 亀田得治

    亀田得治君 それは立法府というものを軽く見る、そういう慣習の中から生まれた惰性的な考えなんです。そういう考えは、ずいぶんあっちこっちにあります。法律家仲間にもあります。ありますが、よく考えてみれば、はなはだこっけいなことなのです。国会で法律を作る過程において、ずいぶんわんわん騒いでやって、それが執行面で、いやもう条文だけ見ておればいいのだというふうな考え方は、これはもう非常な私は間違いだと思うのです。何も勝手に私は条文を曲げてくれと言うのじゃないのです。あなたは、そういうふうに条文の文字だけを見ていることが公正だというふうにおっしゃっておるのですけれども、しかし、条文の文字だけ見て公正だというなら、条文なんというものはいろいろなふうに解釈できますよ、実際のところ……。だからそういうものだから、これを作る場合でも議論があって、大よその考え方というものは、みんな固まる、こういう考え方に基くこれは条文だと、大体結論が出ていると思います。だから、それを無視して、ただ、条文だけ見ることが公正だ、それは全く形式論ですよ。もちろんそれは審議過程も考えてない、また、条文などの解釈についても勝手なことをおやりになるようなことをもちろんあなたは意味しておるわけじゃないでしょうが、結論においてはやっぱりそういうふうに走るおそれがあるわけですな。これはまあ課題として残しておきましょう。
  59. 唐澤俊樹

    ○国務大臣(唐澤俊樹君) 別にお言葉を返すわけではございませんが、私の申し上げたことが、あるいは亀田委員に十分御了解を願っておらなかったものかと思いますから、補足して申しておきます。  私は、条文だけを見てやればいいということを申し上げたつもりではないわけでありまして、立法府でせっかく作って、そうして行政府に授けられたその法律、それを運用するに当りましては、行政府としてはまず立法府が、どういう条文を作られたかということで、まず条文にたよっていかなければならない。さらに次いでは、その時分の付帯決議というものがあるならば、そのときの立法府のお心持はその次には付帯決議である、さらに進んで、立法当時の論議、こういうようなものを参酌していかなければならぬ、すべてこれは運用に当ってわれわれが心得なければならないことですけれども、とにかくまず、一番強く立法府の意思が表われているものは、やはり正式な条文そのものであるから、まず、これを見てそれから他はやはり参考にする、こういうつもりでいこうというわけでございます。  それからして、条文を曲げて解釈せよと言っておるのではないと、こういう仰せでございまして、その通りでございまして、私どもの申し上げたことも、やはり、こういう行為があったならば、こういう処罰をすると書いてありまするから、そういうような処罰の規定の運用に当っておるものは、それについての疑いのある行為は、やはり検察当局としては立件しなければならないという法律上の義務がある。つまり法律を作られた立法府をしてこういうときには立件せよと、こういうふうに命ぜられたものと解釈して進まなければならぬと私ども考えるものですから、はなはだくどいようで、あるいは結論において御意見と違うかもしれませんけれども、私どもそういうような考え仕事をいたしておるわけでございます。
  60. 亀田得治

    亀田得治君 もう一つ。まあともかく社会の現象でも森羅万象、なかなかこれは複雑なんですよ。なかなかちょっとした条文を書いても、それが全部そこに集約できるものじゃないですよ。それだけに私は、立法過程ではどういう気持でやったのかということは、これはもう非常に大事なことです。だからそんなことをあまり考えないで、条文、たけ見ておやりになるというなら、この法律というものを多少複雑になってもいいから非常に詳しく書いておかなければいかぬですよ、実際のことは。それもはなはだ繁雑なことですが、そんなことはもう当然なこととして、私は新しい国会では認められなければはなはだ不満ですけれどもね。これからまた、こういう法律が上ってからでも、別な機会にゆっくり討論したいと思います。
  61. 青山正一

    委員長青山正一君) 本日の審査はこの程度にとどめます。次会は、四月二十一日、月曜日、午前十時、刑法関係三案について委員会を開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時十五分散会