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1958-03-31 第28回国会 参議院 文教委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年三月三十一日(月曜日)    午前十時二十四分開会   —————————————   委員異動 本日委員高野一夫君及び矢嶋三義君辞 任につき、その補欠として大野木秀次 郎君及び秋山長造君を議長において指 名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     湯山  勇君    理事            野本 品吉君            吉江 勝保君            竹中 勝男君            常岡 一郎君    委員            大谷 贇雄君           大野木秀次郎君            川村 松助君            下條 康麿君            林田 正治君            林屋亀次郎君            松岡 平市君            三浦 義男君            秋山 長造君            高田なほ子君            松永 忠二君            大和 与一君            吉田 法晴君            加賀山之雄君   国務大臣    文 部 大 臣 松永  東君   政府委員    文部大臣官房総    務参事官    齋藤  正君    文部省大学学術    局長      緒方 信一君   事務局側    常任委員会専門    員       工樂 英司君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○国立学校設置法の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 湯山勇

    委員長湯山勇君) これより文教員会を開会いたします。  委員異動について報告いたします。  本日高野一夫君及び矢嶋三義君が辞任され、補欠として大野木秀次郎君及び秋山長造君が選任されました。   —————————————
  3. 湯山勇

    委員長湯山勇君) 国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  速記をとめて下さい。   〔速記中止
  4. 湯山勇

    委員長湯山勇君) 速記を始めて下さい。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 秋山長造

    秋山長造君 若干大臣へまずお尋ねしたいのですが、大体この国立学校設置法の一部を改正する法律案は、ついこの間参議院へ回ってきたばかりで、きょう初めて審議するわけですが、先般来文部省の方で、四月一日施行という、この施行日が間近に迫っておるということで、まあ非常にうろたえられてそれで、やいのやいのと言って、私ども出し抜けにどうもえらいハッパをかけられて、きょう特に定例日でもないのに、特別に委員会を設けて、どうでもこうでもきょうの本会議に間に合さなければいかぬというような、非常にどうも、火のついたようなせき立て方で、いささか面くらっておるのですが、大体二日や三日、四月に食い込んだからといって、実際それほど実害があるとも思えないのですがね。ほかの設置法等の例から考えましてもね。やはり大学の問題というものは、今まであまりこの委員会でも、十分に審議を尽す余裕がないままで来ておるわけですから、こういう機会に、やはり大学制度の問題、財政の問題、いろいろ当面の問題を私どもとしては徹底的に審議をし、また、大臣の御意向、御意見も十分承わる余裕がほしいと思っておったのですけれども、やはりその方が、ほんとうに国会審議を慎重尽すという趣旨から言っても適当じゃないか、現に、大臣提案説明にも、最後に、何とぞ十分御審議の上と、(笑声)十分御審議してくれと、こうおっしゃっておるのに、やいのやいのと言って、きょうすぐやって、すぐ上げるというようなことは、私は、大臣の御本意じゃないじゃないかと思うのですが、その辺いかがですか。
  6. 松永東

    国務大臣松永東君) 御説まことにごもっともでございまして、実は、これはもう、あなたの方が私より与党だから、(笑声)よく御承知通りで、つまり学部を新設するとか何とかいう問題なんです。その学部は、御承知通り、四月一日から開始と、こういうことに、学部のいろいろな学制がそうなっている。だから、御承知通り実害はとにかくといたしまして、やはり四月の一日が新学期の初日と、こうなっているものですから、それに間合せたいということで、焦燥しておるわけなんです。ところが、私の方では、決してこれは責任のなすり合いをするわけでも何でもないのですが、二月の三日に提案しておるわけであります。ですから、おっしゃる通り、慎重御審議の時間は相当あったのじゃないかと思うのですがれ。しかし、この国会の広範にわたるいろいろな取扱い方ですから、とうとうここまで来てしまったもんじゃと思うのです。だがしかし、大体すべてのこうした問題については、御研究も進んでおるし、御承知のことですから、できますならば、今の新学年に間に合ように、制度初日から実施できるように一つやりたいしいうふうに考えておるわけです。御無理であっても、そこら辺は一つ御了承の上、御審議、御決議を願いたいと思います。
  7. 秋山長造

    秋山長造君 そうすると、これはもう、きょう中に通すためには、十分御審議の上ということは引っ込められるわけですな。
  8. 松永東

    国務大臣松永東君) 大体御審議は、もうちょっとお会いになって皆さんがおやり下されば、御審議は済むのではなかろうかと思うほどの問題だと思うのです。
  9. 秋山長造

    秋山長造君 それで、実は大学設置だとか、その他大学関係の問題については、これは、大学設置審議会にはかられることになっているわけですね。で、この点は、もう大臣としては、常に、大学関係の問題については、大学設置審議会へはかられて、その決議の線に沿って事を運んでいくという方針は、一貫してとっておられるわけで すか。
  10. 松永東

    国務大臣松永東君) 御説の通り、それは一貫します。そうして、すでにもう審議会にかけておるわけでございます。ですから、その点は支障ないと思います。
  11. 秋山長造

    秋山長造君 ただ、私非常にどうもおかしな感じを持つのは、今度の法律に入っている大学院だとか、その他の問題については、三月十八百百の大学設置審議会でやっと答申が出ておるのですね。ところが、この法案が提出されたのは二月の三日ですか。だから、大学設置審議会答申審議もしないうちに、文部省の方では、ちゃんとこうやってこの法案を出して、もう既定の事実としてやっておられるのですね。二月三日に文部省では方針を決定して、ちゃんと法案を作って国会にかけておられてその諮問しておった答申は、三月十八百に答申がやっと出る、こういうことになると、この設置審議会答申を待ってそうして事を運ぶというただいまの大臣の言明とは全くこれはあべこべで、この答申もくそもない、文部省でさっさと、二月の初めには設置するのだと決定して、法案国会に提出しておられる。そうすると、大学設置審議会に諮るとか、答申を待つとかいうようなことは、全然無意味だと思うのですが、それはどうでしょうね。
  12. 松永東

    国務大臣松永東君) それは、今、局長からそのいきさつは詳しく、何日がこうじゃったということを申し上げると思いますが、私の聞いている範囲では、つまり審議会は決了しておったんです。決了しておったけれども、書面ができてきたのが三月十八日で、その前に、審議会決議は大体もうすべてでき上っておったというふうに承わっております。従って、二月の三日のこちらに提案するときには、すでに審議会決議ははっきり判明しておったというふうに私は聞いております。政府委員から御説明申し上げます。
  13. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 大臣から申し上げましたように、国立学校設置につきましても、これは、事実上大学設置審議会の議を経ております。認可いたしますのでは、これは、学校教育法の第四条によるわけでありますけれども、これは国立大学につきましての規定でございますけれども、しかし、国立大学につきましても同じようなバランスでいきたいというふうに、事実上大学設置審議会にかけておるわけであります。そしてその答申によって事を運ぶという方針を実はとってきております。提案いたしましたのは二月三日でございますけれども、もしも大学設置審議会におきまして異議がございましたならば、提案の後でも、われわれといたしましては、修正でもしなきゃならぬと思うわけでございますけれども、しかし、大学設置基準等どもの方で十分勘案いたしまして、そして作っておりますが、その国会の御審議を願う日取り関係から申しましても、今の設置審議会答申形式的にも十分でき上ってしまったあとから提案するというのでは、おそくなりますので、毎度のことでございますけれども、その前に、事実上は提案運びをいたしておるような次第であります。そして事実上大学設置審議会におきましても異議のない答申が出ておりますので、このまま御審議を願いまして、法律としてお通しをいただきたい、かように考えておる次第であります。
  14. 秋山長造

    秋山長造君 今度の場合は、なるほど正式に答申が出たのがおくれてはおるけれども、同じような答申で、結局結論は同じだからつじつまが合うわけですけれども、しかし、大体大学設置審議会という制度を設けて、そしてあくまでそれの答申を尊重してやられるという方針である以上は、やはりかりに実質的にどうこうといったところで、やはりこの大学設置審議会結論というものは、答申がもう確定的な結論なんですからね。だから、その途中で、審議の過程において、大体見通しがどうだからこうだからというようなことは、ただとってつけた理屈であって、それならそれで、実質的な審議はすでに二月の三日までに終っておったというんなら、大学審議会は、年に一ぺんしか開いてはならぬというものでもないと思うのです。だから、当然この大学設置審議会結論がすでに出ておるというんならば、この法案提出前に答申をしてもらって、そしてその上で法律案を出されるということが、私は事の順序だと思うのです。  それからまた、今度の場合は、大学設置審議会答申が同じ結論が出たからいいようなものですけれども、ただいま局長の御答弁によりますと、もし別な結論あとから出た場合には、またそのとき考え直さなきゃならぬというお話があった。しかし、今度の場合は、すでに衆議院にかかって衆議院で可決したのが三月の十四日ですね。だから、衆議院まで可決した後に、そうして四日おくれて、三月の十八日に大学設置審議会から出た答申が、もし万一これと違った結論が出ておったとすれば、そういう場合にはどういう扱いをするか、本案を撤回するというわけにいかぬでしょう、衆議院を通っておれば……。一体その場合には、どういう処置をとられるのか。
  15. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) まあ今度の場合には、結果的に申しまして、答申も、原案通りに認めて答申が出ておりますから、支障ないわけでありますけれども、お説のように、大学設置審議会審議法案提案というものにつきましては、十分今後考えなければならぬと思います。そうするためには、設置審議会審議日取りを繰り上げてやらなければならぬということに相なりますけれども、ただ、御承知のように、予算がきまりますのがどうしても年内一ぱいかかります。一月の初めになって確定いたすのが例でございますので、その予算がきまりませんと、正式にまた設置審議会審議をしてもらう手順も非常にむずかしいのでありましてところが、一方学校の問題でございますから、先ほど大臣から話がありましたように、四月一日から発足しなければならぬのが原則になりますので、そこに非常に日取り関係が苦しいことになります。従いまして、従来もこういうふうなことで御審議を願ってきておるわけでございますけれども、今後は、設置審議会審議の期間をなるべく繰り上げるというような配慮をいたすべきだと思います。今度のことにつきましては、この通り結論でございますので、もし間違ったらどうするというお話でございますけれども、私も、法律的にはちょっと検討いたしておりませんので、よろしくお願いいたします。
  16. 秋山長造

    秋山長造君 よろしくお願いしますと言われても、これはそういうわけにいきませんよ。これはやっぱり、大学設置審議会という制度があるのですからね。あるのですから、やはり答申が、文部省方針が決定して二ヵ月もおくれて、あとから答申が出て、答申を待って文部省がやるのが順序だという方針でありながら、今度の場合はまるで逆に、文部省の方から先にきめて、法律までできてしまって、あとから設置審議会がその文部省結論にあわせて答申を出したような格好になっているのですね。それだったら、大学設置審議会などというものは全くうわべの飾りで、ただ、文部省が独断でやったのだということを言わせぬために、ただ粉飾として、アクセサリーとして、設置審議会が作られておるというにすぎないと私は思うのです。今局長は、それにしても、予算がきまった上でなければ、設置審議会に諮るということもちょっと事実上むずかしいという話だった。そうすると、予算は一月の十八日か十九日かにきまったでしょう。それから後に諮問をされたわけですね。それで一体何です。二月三日本案提出まで、予算がきまって本案提出までの間に、設置審議会というものは会を開いたのですか、どうですか、会合を……・。
  17. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 設置審議会は、会合を開いております。
  18. 秋山長造

    秋山長造君 いつごろ……。
  19. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) これは、主として設置審議会法律上かけなければならぬ問題は、公私立大学についてであります。先ほどもちょっと申し上げましたような学校教育法の第四条で、文部大臣が認可しなければならぬ。認可するには、学校教育法の六十条に、大学設置審議会諮問しなければならぬ、こういうことになっているわけであります。そこで、国立大学につきましても、内容的に十分検討いたしますために、事実上これは大学設置審議会にはかけておりますけれども法律的に申しますと、これは、国が設置する学校でございますから、その答申がなければ設置できないという関係には相ならぬと存じます。しかしこれは、従来の慣行といたしましても、国立大学につきましても、同じように諮問いたしまして、内容的に十分そこで検討して、答申をしてもらうという方針をとってきているわけでございます。法律的な関係から申しますと、これがどうしても答申が出たあとでなければ法律提案できないという性質のものではないと考えております。
  20. 秋山長造

    秋山長造君 それは、法律上の義務があるということは、どこにも書いてないのですから、それは、おっしゃる通り、かけてもかけぬでもいいじゃないかということは、それは、法律論としては言えるかもしれません。言えるかもしらぬけれども、しかし、この設置審議会を設けた趣旨は、法律で義務づけられておるおらぬは別として、とにかく大学の問題については、一応大学設置審議会にかけて、そうしてその答申を尊重して、文部省方針をきめていくという建前であり、方針であるわけです。そのことは、今文部大臣もおっしゃったわけです。私どももそれがいいと思うのです。にもかかわらず、やはり都合のいいときにはかけてその答申を待ってやる、それから、都合の悪いときには、これを無視してやるということでは、これはあまりにも、文部省やり方としては、私は一貫しないのじゃないかというように思うのです。現に今度の国会に出ている学校教育法の一部改正案の第四条にも、今度は、大学設置審議会諮問するということを義務づけられておるわけですね、大学制度については。そういうところから見ましても、文部省として、大学制度の問題は、設置審議会の議を経て事を運ぶということが、やはり法律的にもいいのだということを御確認になった上で、こういう改正案が出ているのだと思うのです。だから、いずれにしても、理屈はどうでもつくだろうと思うけれども、ちょっと体裁としても私はまことにおかしなものだと思うのです。二月の三日にすでに文部省方針をきめて出しておいてそれで、大学設置審議会答申は、三月の十八日に初めてやっと出ている。で、文部省の方は、その答申を待って認可するとか何とかというようなことを新聞に発表されているのですが、これがあるべき姿だとは私は思えぬ。文部大臣どうですか。
  21. 松永東

    国務大臣松永東君) これは秋山さんの言う通りです。体裁がよろしくないのです。体裁はよろしくないが、実を言うと、二月の三日ですか、この提案をするときには、すでに審議会意向は確かめてある。審議会支障なしというふうに、大体意向はきまっておったと承わっております。ただ、御承知通り審議決定書は、それはずうっとおくれて出ましたけれども、しかしながら、それが絶対必要条件ではないからというので、文部省としては提案をしたというような次第なんです。ですから、形式の上では御説の通りです。それは、審議会答申をちゃんと添付して、そうして審議会もこういう意見だからということを言って出すことが望ましいことですけれども審議会書類添付は絶対必要条件じゃないものですから、それで便宜上、大体審議会意向も確かめて、反対がないということになっておるものですから、そこで提案したということなんですけれども、以後は、そうした形式上の点も完備するように、一つ注意したいと存じておる次第であります。
  22. 秋山長造

    秋山長造君 大臣がそこまでおっしゃれば、その点はあまりしつこくも申しませんが、ただ、局長にお尋ねするのですけれども、一体この審議会に今度の問題を諮問されたのがいつであって、そうして二月の三日に法案提出されるまでに一体何回会議が開かれたのか、お尋ねしてみたいと思います。
  23. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 今すぐ調べて申し上げます。
  24. 秋山長造

    秋山長造君 それから、今度の短期大学ですね。従来国立短期大学というのは、全部国立大学に併設されたものばかりだったと思うのですが、今度は独立した短期大学ができるわけですね。で、この独立した短期大学設置されるという、何か特別な理由があるのかどうかということと、それから、今度学校教育法の一部改正案で、専科大学というものが新しく出てくるわけですが、一体久留米短大と、今度の学校教育法の一部改正で出てくる専科大学というものとはどういう関係になるか、その二点についてお尋ねしたい。
  25. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 短期大学独立学校として設置する理由でございますけれども、これは、具体的に申しまして、久留米工業短期大学を作るということでございます。工業技術者が足りない、特に中級技術者養成が必要だ、こういうことが産業界からも強く言われているわけでございます。そこで、久留米市は工業地帯の中心でもありますし、それからもう一つ、御承知でございましょうが、以前久留米工業専門学校がございました。これが戦後の教育改革で、一時九州大学分校として使用されたわけでありますけれども、現在その分校も福岡市の九大の方に移っておりまして、現在施設設備が、以前の工業専門学校のときのまま残っておるわけであります。こういういわば遊休の施設設備を利用いたしまして、そうして中級工業技術者養成するということは、時代の要請に沿うのじゃないかということからいたしまして、この久留米工業短期大学設置したいと考えるわけでございます。そこで従来は、今お話のございましたように、国立短期大学は、勤労青年のための教育機関といたしまして夜間教育をして参りましたが、今度のものは昼間の教育でございます。しかし、独立した学校にいたしたいということでありますが、夜間教育は、これはまた、勤労青年の再教育の意味で必要でございますけれども、今私が申しましたように、中級技術者を要望する、その要請にこたえるためには、やはり新しく昼間で教育をし、養成をしていく必要があるわけでございますので、従って、このたびこういう新しい独立短期大学を作るということにいたした次第であります。  それからもう一つ、次のお尋ねでありますが、短期大学制度の改善の問題に関連いたしまして、新しく専科大学制度を作りたいということで、学校教育法の一部改正法律案をすでに国会に提出いたしております。これは、従来の短期大学が暫定の制度で今日まで参っておりますが、これを恒久的な制度にしたいという要望が各方面からございます。それからまた、その内容につきましても、非常に中途半端な内容だから、これを十分充実した学校制度にすべきだという声もございまして、文部省といたしましては、相当長い間検討を続け、あるいは中央教育審議会にも諮問をいたしたりしまして、検討を続けてきたわけでございますが、中教審の答申等もすでに出ております。その線に沿って、専科大学というものを作っていきたい、かように考えまして、改正法を出しております。これは制度の問題であり、久留米工業短期大学を作るということは、具体的にこの学校を作るという問題でございますので、国立学校設置法の中に規定することにいたしております。あと専科大学というものは、学校制度の問題でございまして、学校教育法を一部改正して、これから国会の御審議をいただく、かようなことに相なるわけでございまして、全然二つの別の法律で、別個に御審議をいただく問題だと考えております。
  26. 秋山長造

    秋山長造君 短期大学は、暫定的な制度だということをおっしゃったのですがね。それは、学校教育法のどこに書いてあるのですか、暫定的なんであるということは。
  27. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 学校教育法の百九条をごらん願いますと、「大学修業年限は、当分の間、第五十五条第一項の規定にかかわらず、」これはまあ四年制ということでございます。修業年限が四年だという規定でございます。「にかかわらず、文部大臣の認可を受けて、二年又は三年とすることができる。」 「前項の大学は、短期大学と称する。」、こうなっております。まあ大学だけでも、当分の間二年または三年にしたいと、こういう規定でございます。
  28. 秋山長造

    秋山長造君 「当分の間」というのが暫定的な制度だから、今度それを恒久的な制度にして、専科大学というものにするのだ、こういう御説明だと思いますが、そうすると、この短期大学は暫定的なものである、だから、その暫定的なものを、今度抜本的な改革をやって、専科大学という恒久的な制度にするのだと、こういう基本方針を持っておられながら、久留米だけ一体、これまた、その暫定的だから、これから廃止しようという基本方針とは別に、久留米だけは新しく短期大学というものを作るというのも、まことに首尾一貫しない、おかしなやり方だと思うのですね。一体専科大学というのは、来年の、三十四年の四月一日から実施に移すわけですね。そうすると、久留米短大というのは、この一年間は短大で、来年の四月一日からは専科大学にするという条件付で、まあ拙速主義で、とりあえず認めようということになったのですか。
  29. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 今も申し上げましたように、専科大学制度は、学校制度の問題でございますので、学校教育法を一部改正いたしまして、そういう制度設置したいというわけであります。これにつきましては、一つ十分に、これから国会の御審議が行われることと存じます。しかし、現在の学校制度としましては、先ほど私が申し上げましたように、中級技術者養成するという要請を充たすためには、現在の制度をしましては短期大学でございますから、短期大学設置していくということに相なるわけでございます。で、まあ、将来どうするかという話でございますが、これは、一方の学校制度の問題は、別個の問題として御審議がありまして、その制度が認められました暁におきましては、これは、いろいろ文部省としましても検討しなければならぬと思いますけれども、現在のところ、あくまで短期大学として設立する趣旨でございます。その短期大学につきましてのいろいろな批判、まあ改良すべき点、これはいろいろございますが、しかし、この二年の制度の、短期大学制度範囲内におきましても、中級技術者養成するということは、やはり相当効果を上げ得ると存じます。そうして今、不足を強くいわれている中級技術者養成を一日もすみやかにやっていきたい、かように考えます。
  30. 秋山長造

    秋山長造君 局長は、制度の問題と、それからこの久留米の問題とは別だという、この使い分けされたような御答弁なんですけれども、それはおかしいと思うんですね。やっぱり久留米短大だって、これは大学である以上は、大学制度の中の一つなんで、大学制度の現われとしての久留米工業短期大学だろうと思うんですね。国の制度としては、短期大学専科大学に切りかえていく、短期大学は認めないと、こういう方針に変っておるのに、別個に、久留米のは別だというので、新しく短期大学というものを、片一方では、そういうことは暫定的なものだから廃しようということになっておりながら、片一方で新しくこれを認めようというのは、どうも私はふに落ちぬわけですがね。しかも、別に来年から専科大学に切りかえるという条件もつけていないような話なんですね。大体専科大学という制度を設けられていくという趣旨が、今局長のおっしゃるように、中級技術者養成するというねらいで、専科大学というものをお考えになったんだと思うんですね。ですから、趣旨も同じで、そうして専科大学は、これは制度の問題として別個の問題、これは、国会を通ったときに、そのときに考えたらいい。で、これはとりあえず別個の問題として、それとは逆行しておってもかまわぬ、とにかく別個の問題としてやる。どうも文部省自身が、短期大学という制度を、何かすっきりしたものにまとめていこうという構想を一方では立てておられながら、片一方ではまた逆に、その専科大学にまとめていこうというこの方針をまた逆行さすようなことを、ここで久留米の場合新しくお考えになる。どうも首尾一貫しない点がある。  もう一つは、専科大学の問題は、別の学校教育法改正で、別に出しておるから、それができたときのことだとか、こうおっしゃる。そうすると、ひょっとすると、国会が早く解散になって、学校教育法の方は吹き飛んでしまうと、そうすると、専科大学の問題はお流れになるかもしれない。しかし、専科大学がお流れになっても、こっちの国立学校設置法だけはとにかく急いで、きょうじゅうにものにしておこう、こういう、きわめて戦略戦術的なお考えで一体学校教育法というものは提案されておるんですか。その二点、お答え願います。
  31. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) お話通り学校制度として専科大学制度ができました上は、また文部省としては検討いたしたいと存じます。現在これは、夜間の三年制でありますけれども、十九短期大学があります。これらにつきましても、どうするかということは、あらためて検討しなければならぬ問題になると思います。しかし、来年度設置する——昭和三十三年度に設置する学校制度としましては、短期大学制度を必要な向きには設置していくのが、やはり現在の制度を踏まえての態度だと思います。私立の学校におきましても、ことしやはり短期大学が相当できたわけです。それからなお、この久留米短期大学以外にも、ここにございますように、大阪の外国語大学短期大学設置したいということで、御審議願っておるわけでございますが、かように、必要に応じまして、大阪の場合には、これは貿易に従事しております実務者を、語学の而からその質を高めていきたい、そういう目的のために、夜間短期大学を作るわけでございますが、これもやはり従来の、従来と申しますか、現在の、今申しました学校教育法百九条に基く短期大学になるわけです。でありますから、現在の制度としましては、現在におきましては、短期大学として設置していくというのが、必要に応じて設置するというのが私どもの態度であります。  それで、こっちを通して、あとでこれは別に御審議願う問題だということは、私、その通りになると思うわけでございまして、この国立学校設置法の方は、そういう一つ学校を作るという問題でありまして、片一方は、学校制度の問題であります。学校制度として専科大学の御審議を願って、それが成立しましたならば、やはりそれに従って、従来ございます短期大学を考えていくというのが、これがやはり筋道であると考えております。
  32. 湯山勇

    委員長湯山勇君) 文部大臣は、予算委員会に答弁の残りがございまして、それを簡単にお済ませになって、すぐ帰ってこられるそうですから、予算委員会の方に行っていただくように御了解をいただきたいと思います。
  33. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 関連して……。話はだんだんわからなくなってくるのですが、久留米工業短期大学というのは、これは短期大学であって、将来専科大学になるものではない。こういうことなんですか。
  34. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 将来なるかならぬかということは、その制度のたい今日において、私ははっきり公式には言えないと存じます。ただ、そういう新しい学校制度ができました上は、十分検討していきたい、かように申し上げたわけであります。
  35. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 そうすると、短大ですから、新設される久留米工業短期大学あるいは大阪外国語大学短期大学部、これは、高等学校を卒業した者がそれぞれ入る、こういうことになりますね。
  36. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) その通りです。
  37. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 それじゃ、久留米大学なら久留米大学短期大学で、高等学校なら高等学校というものは  高等学校というか、あるいは大半の前期というものは、これは久留米大学にはないわけですね。
  38. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) その通りです。
  39. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 ところが、これはまあ公式であるか非公式であるか知らんが、実際には、大阪外国語大学短期大学部は知りません。これもあるいは専科大半にするという気持があるのかどうか知りませんけれども、少くとも久留米工業短期大学については、何といいますか前期を含んで専科大学を作りたいという意向があるのではないですか。そしてこれは、学校教育法の一部改正法が通っておらぬし、あるいは専科大学という制度ができないから短大でいって普通の短大としていって、それが専科大学になるかどうかということは、今後の問題に待ちたいというのが文部省の態度ではないですか。そこをはっきりおっしゃっていただきたい。
  40. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 繰り返して申し上げておりますように、現在は専科大学制度はございませんから、短期大学設置するということは、これは間違いございません。ただ、将来の問題として、専科大学制度が十分国会でも御審議を願って、その制度でよろしいということになりました場合、そういう制度ができましたならば、その際文部省としても十分検討して、転換し得るならば転換させる、こういうことになろうかと存じます。それは私、私見を申し上げますならば、現在専科大学制度法律案というものを提案いたしておりますように、一貫した、高等学校教育に相当する部分から一貫して、五年間教育をしていくということが、やはり充実した技術者を作る道であろうと存じます。しかしこれは、まだそういう制度はございませんので、今からそれを公式に申し上げることはできないことであると存じます。
  41. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 まあ公式にできてもできなくても、意図のあることは、大体今のあなたの答弁に出たのですが、この国立学校設置法の一部改正案によって久留米工業短期大学ができる。それから、予算の計上もあるのですが、計画は短期大学を作るという計画、予算だけで、あとの点はないのですか。
  42. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 三十三年度は、ここに出ておりますこれだけの、短期大学としての予算措置だけでございます。
  43. 高田なほ子

    高田なほ子君 関連して……。御説明がちょっと了解できないのですが、この短期大学設置基準の中に、「短期大学は、一般教育との密接な関連において職業に必須な専門教育を授ける完成教育機関であり、同時に大学教育の普及と成人教育の充実を目ざす新しい使命をもつのであるが、他面四年制大学との連けいの役割をも果すことができる。」こういうふうに書いてあるのですが、今度は、短大は暫定だが、専科大学の恒久的な形に改めるという御説明がありましたが、短大でも「職業に必須な専門教育を授ける完成教育機関」であるというふうに書いてあるわけですが、どういうふうにこの専科大学というものに改めていくのか、内容がどういうふうに違うものか、そこらをついでに説明していただけませんか。
  44. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 今おっしゃったことは、それは、学校教育法改正内容の問題でございますが、専科大学制度の問題でございますから、私どもは、改正趣旨としましては、こう考えております。  従来の短期大学制度は、これは大学であるけれども修業年限だけは特別に二年または三年にすることができる。これはしかも当分の間という、こういうことで出発している制度でございます。実際に二百七十からの短期大学ができております。しかし、いろいろな批判の起っております点は、要するに、大学といっても、修業年限が半分でもる。目的は大学の目的を掲げておる。つまり学術の中心として広く知識を授けるというようなことを掲げております。しかし、二年でございますから、これは、実態としては中途半端にならざるを得ない。いわばどっちつかずの性格というのが今の短期大学制度であろうと考えます。しかしただ、高田委員の御指摘のように、実際の短期大学設置基準といたしましては、その性格はなるべく職業的な専門教育をやる方に持っていくべきだ、こういうことは設置基準にもすでに書いてあります。その方向になるべく持っていくようには実際上努力しておりますけれども制度としては、先ほど申し上げたように、学校教育法百九条で大学だ、こういうことになっておりますので、目的も、学術の中心としての規定がそのまま適用になっておるということでありますので、そこをまず改めていきたい。学校の目的、性格をはっきり職業的なものあるいはまた実際生活の能力というようなものを養成するための学校だということをはっきり規定していきたい。そこで、実態に沿うような性格、名実ともにそういうようなものにしていきたいという考え方でございます。  そこでなお、教育内容につきましても、今申しますように、実際の教育内容につきましても、一般の大学と同じ目的のもとの立て方でありますので、先ほど申しましたように、中途半端なものでありますから、教育課程等をはっきり職業的な専門教育あるいは実際生活における実際的な能力を養う、そういう目的のもとに今再編成していくということを考えております。  それからもう一つは、特に工業技術者等の場合に当ると思いますけれども、長い間——長い間と申しますか、短期間でなくて、中学校を卒業したあと、現在の高等学校の課程と短期大学の課程と合せて五年の制度をというようなものができるならば、これは、一貫して充実した技術教育ができますけれども、こういう制度もこの短期大学制度の中に開いていく、一般的には、専科大学修業年限は二年ないし三年でありますけれども、必要のある場合には、高等学校の課程と合せて、五年あるいは六年の制度ができる、こういうふうにしていきたいというのが、専科大学の今考えております改正の要点でございます。
  45. 高田なほ子

    高田なほ子君 もう一問。ただいまの御説明ですが、短期大学の方は、やや専門の部面が狭いから、もう少しこれを広めるために専科大学を置いていくというような御説明だと思うのですが、私は、現在の短期大学でも、専攻部面の設置は、大体現在私どもの住んでいる社会の中で職業分野として適切なものが含まれていると思うのですね。商学、文学、語学、図書館学、経済学、理学、工学、農学、水産学、家政、それから教育、体育、社会事業、厚生、芸術、新聞、その他、学科または専攻部門として適当な規模内容があると認められたものとするというように、実社会の必要に応じて、これらの部門のほかに、まだ拡大する可能な道が短期大学に開かれているのですが、さらに専科大学を新たに新設して、短大専科大学との区別といいましょうか、将来の道というものは、どうも御説明だけではわからない。だから、この専科大学にした場合に、現在の短期大学の専攻部門というものの設置を拡大していくつもりでいるのか、それとも、内容そのものが現在の学制にうんと深い関連を持って改革しようとするのか、そこらが私には了解できないのです。
  46. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 制度としての改正は、先ほどから申し上げておりますように、百九条のようなことでは、はっきりした制度ではありませんから、これをちゃんとした学校制度にしたいということが一つです。それから、内容的には、お話のように、短期大学は、いろいろなバラエティがありまして、いろいろな内容でございますけれども、しかし、四年制の大学と同じ目的を掲げておったのでは、中途半端な内容にしかならぬ。独自な学校制度として、はっきりしたものを作っていく、職業あるいは実際生活の能力を養うという目的をはっきり立てて、それに応ずるような内容、そういうような内容のものにしていくということであります。御承知のように、短期大学卒業生の就職の問題等も思わしくない。これはやはり、教育がどうも中途半端なものになっているのじゃないかと思います。こういうのをなるべくさらに職業的に、実際的なものにしていこうというねらいを持っておるわけでございます。
  47. 秋山長造

    秋山長造君 そうすると、来年の四月以降は、今までの短期大学は、専科大学に全部切りかえてしまうという方針なんですか。それとも、専科大学短期大学との二本立のようなことになるのですか。
  48. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 今出しております法律案は、現存する短期大学は当分の間存続するということになっております。新設は、これはいたしません。
  49. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 今のは何条ですか。
  50. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 学校教育法の一部を改正する法律案をお持ちでございますならば、十五ページの「第百九条第一項に次のただし書を加える。ただし、昭和三十三年三月三十一日までにその認可を受けた場合に限る。」こういうことにいたしております。
  51. 秋山長造

    秋山長造君 そうしますと、専科大学という制度を設ける理由は、現在の短期大学というものはあくまで暫定的なものだから、これを恒久的な制度として専科大学に切りかえるのだ、こういう説明があったのですね。にもかかわらず、来年度、三十四年以降においても、引き続き短期大学という制度は存続できるわけですね。そうなると、暫定的なものだから、恒久的なものに改めるのだということを一方ではいいながら、片一方では、今までの暫定的なものは依然としてそのまま残していく、こういうことになるのですね。そこらがどうもすっきりしないように思うのですが、そうなると、三十四年度以降は、専科大学短期大学という二本立になるのですね。従って、短期大学というものはもう暫定的な制度だとか、当分の間だとかいうような言葉を取って、もうはっきり恒久的な制度として専科大学短期大学というものを認めたらどうですか。短期大学というものにあくまで暫定的という条件がつくならば、どちらかへはっきりされる方が、僕は筋が一貫してくるように思うのですがね。
  52. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) これは、学校教育法の方の問題でございますけれども制度論でございますが、現存します短期大学の数は、二百七十にも及ぶわけでございましてこれを直ちに全部専科大学に切りかえてしまうということは、事実上困難であります。従いまして、その現存しますものにつきましては、当分の間、従来のまま存続することができるという制度にして提案いたしております。しかし、その間になるべく、専科大学制度ができましたならば、そっちの方に転換をはかってもらうということは、望ましいことだと考えております。ただ、先ほど言われましたように、専科大学制度短期大学制度を、恒久的な学校制度として、二つ並び存するということは、ますます学校制度を複雑にいたしますから、私どもはとらなかったわけでございます。
  53. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 文部省としては、短期大学は暫定的な制度である、それから専科大学という制度を新設する、短期大学専科大学になるかどうかの選択は、当分の間にまかせる、こういうことのようですが、そういう点は、教育制度審議会なり何なりを通じて確定をしているのでしょうか、これは私は、あまり、不勉強で、十分知らぬのだけれども文部省としては、中教審から答申を受け取って専科大学制度を新設したい、で、現行の短大が五カ年以内に全部専科大学に移行する、その専科大学は、高等学校と直結して、五六年制のものもあるという案を出したが現在の短大の大部分が私立大学だが、その私立短大側からの強い意見もあって、その文部省方針が具体化しなかった、こういうことのようです。特にその中で、理工系については専科大学もよかろうが、女子教育などは、絶対に現行のままで制度を考究すべきだという主張もある。これは、女子教育についてやはり一つの見方だと思うのですけれども、あるいは経済面その他からも、短大を全部やめてしまって、専科大学一本にしろという意見でもなさそう、そうすると世論も、教育制度審議会なり何なりも、短大はもう全部専科大学に切りかえろ、こういうことではなさそう、そこに意見の一致を見て、文部省局長の言われるような気持を、それで行くのだと、こういうことにきめかねている現状だと思うのですが、そうすると、法律案のあれからいうと、当分の間というのがいつまでかどうか知らぬけれども専科大学と、それから短期大学とが併置をされる、短期大学は全部専科大学になれというのじゃなくて、短期大学専科大学というものが併置をされるというのが、学校教育法の一部改正法の私は精神じゃないかと思う。そうすると、短期大学なら短期大学は、もう三十三年度以降は新設は認めないのだと、こういうことにはならぬと思う。現に、いまのあれからいうと、久留米工業大学、それから大阪外語短期大学、こういうものが認められて作られる、法律案に出ておるものと、それから今説明をしておられる、これは、局長文部省の気持を伺いたい。それは矛盾がありはしないか。そこに久留米短期大学というものが入ってくるものだから、さらに混乱をするのだけれども、そこはまあ、あとの方はいいが、気持とそれから出てきている法律との間には違いがあると、矛盾があると思うのですが、どうですか。
  54. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) ただいま私は、国立学校設置法の方を中心にして申し上げておりますので、次の専科大学制度の問題として、学校教育法改正案の御審議は、また十分これは御審議いただく機会があると存じますが、しかし、今のお話のように、国立学校設置法改正案として今提案しております内容は、短期大学制度は、制度としてこれからどんどん設置していくということじゃないのでございますから、考えようによっては、制度としてはここで一応廃止ということはいえると思います。しかし、現存する短期大学を、暫定的な問題としてはそのまま存続すると、こういう建前をとっております。それで、専科大学ができ、それから、従来の短期大学そのままでありますから、当分の間は、二つ並んでおるような形になります。しかし、新しくは認可いたしません。
  55. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 国立学校設置法の一部改正案審議をしておるわけでありますが、学校教育法と関連があると思うから質問をしておるのですが、今、学校教育法の一部改正案の中に現われておる精神はどうだというお尋ねをしたところが、制度としては、短期大学というものはなくなる、こういう御答弁、そんなら、久留米工業短期大学あるいは大阪外国語短期大学、これは何です。これは短期大学じゃないか。短期大学制度としてはなくなるという、この学校教育制度がどうしてこういう形になります。
  56. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) ちょっと私の説明が、表現が悪かったかもしれません。現存するものはそのまま存続せしめるということでございまして、新しくは設置しないということを申し上げた。それから、専科大学は、三十四年度から設置ができるということにいたしております。
  57. 湯山勇

    委員長湯山勇君) ちょっと局長に、私お尋ねしたいのですが、久留米短期大学は、この学校教育法の一部改正法が通れば、専科にするか短期でいくかはそのあと検討すると、しかし、この法律によれば、いまのただし書によれば、三十三年三月三十一日までにその認可を受けた場合以外は全部専科になる、こうなれば、久留米のは、三月三十一日までに認可を受けたものの中に入りませんから、そうすると、当然これは四月一日から発足したにしても、三十三年四月一日ということになるから、除外規定の中に入らないで、当然三十四年度、この学校教育法改正になれば専科大学になると、自動的にならざるを得ないというように、学校教育法の一部がもし成立すればなるのじゃないかというように思うのですが、その点どうですか。
  58. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) これは、三十三年一ぱいに認可を受けたものと申しますのは、私立大学について申しておるわけでございます。しかし、国立短期大学につきましては、その後どうするかということは、国として十分検討していくことになると思いますが、直ちにそれが専科大学になるというふうには考えておりません。さらに、申し上げますと、さらに国立学校設置法で、国立専科大学設置ということは、国会の御審議を願わなければならぬと思っております。
  59. 湯山勇

    委員長湯山勇君) ちょっともう一つ。そうすると、専科にならぬのであったら、この短大は廃止になるのじゃありませんか。除外規定に該当しないのだから。
  60. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) ただいま申し上げますように、これは、認可を受けたものについて申しておりますから、特に公立大学については、三十三年三月三十一日までに認可をいたすわけでございます。国立学校設置は、これは別な問題になっております。
  61. 湯山勇

    委員長湯山勇君) 今の問題はあとにしましょう、大事な点ですけれども。「場合に限る」となっておるのですね、この文章では。国立だろうが公立だろうが、とにかくこれ以外のものは、全部もう新たに設置法によってやらなければ廃止になるというふうに解釈するのが法文の上からは妥当じゃないか、こう思いますけれども、もう一ぺん、その点はいかがですか。
  62. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 新しくは設置しないという気持でございます。新しくは設置をしない、あるいは新しくは認可をしないということでございまして、現存するものは、当分の間そのまま存置せしめるということになっております。
  63. 高田なほ子

    高田なほ子君 どうもはっきりしないのですが、現存するものはそのまま現存さしていく、あとは新しく設置しないと、今御答弁がありました。それから、さっきの御答弁は、今二百七十の短大がある。この短大を全部専科大学ににわかに変えていくことはできないので、漸次切りかえていくというようにもとれるのですがね。、短大を専大にきりかえていくと、そういうふうに了承していいんですか。
  64. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 私立の短期大学につきましては、これは、国が切りかえていくというわけには参りませんので、それは、漸次指導はいたしたいと存じますけれども、私立の短期大学のおのおのの判断によって転換していくことを私どもは期待をしているわけでございます。国の短期大学につきましては、これはその後検討していく、切りかえるべきものから、切りかえるべきであるという判断に達しました場合にはきりかえていくということでございます。
  65. 高田なほ子

    高田なほ子君 その切りかえないものはどういうふうになるわけですか。
  66. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) それは、短期大学として当分の間存続するということでございます。
  67. 高田なほ子

    高田なほ子君 それは、いつごろまで存続させるのですか。
  68. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) これは、当分の間でございますから、期限は切っておりません。
  69. 高田なほ子

    高田なほ子君 そういたしますと、切りかえる場合に、工業界の、あるいは経済界の要求というものが、この切りかえのときに大きく働いてくるわけですか。国策に沿って専大というものが切りかえられていくということになりますか。
  70. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 国策に沿ってというと。
  71. 高田なほ子

    高田なほ子君 もっと説明しますと、たとえば、女子教育のような場合、家庭科のような短大がありますね、音楽も、新聞も。こういうようなものは、現在国にあまり必要がないと、こういう観点から、工業方面の専科大学というものが重点的に考えられて、その他の文科系の切りかえというものが軽視される。なかんずく、私の質問したおもな理由は、この女子教育がその切りかえの中で非常に軽視される傾向にあるのではないか、こういう意味を持っている。
  72. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 私立の短期大学につきまして、国が、何か国の意図で、ある大学は切りかえたらよかろう、ある大学は切りかえなくてもよかろう、あるいはやめたらよかろうということは、そういうことは、全然国が指示する限りじゃございません。これは、各短期大学の判断によって、専科大学に移るものは移る、そうでないものは当分の間存続できるということになるわけでございます。それで、工業関係のものだけは専科大学になって、女子教育のものは専科大学にはならぬ、そういうことにはならぬと思います。女子教育内容とする短期大学については、専科に移るものは相当あるんじゃないかと私は考えております。
  73. 高田なほ子

    高田なほ子君 国立専科大学の場合でも、おのおのの意思でもってそんなに勝手に、希望の通りにいくんですか、そんなことないでしょう。
  74. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 国立大学は、もちろん国の判断によってやるわけでございますから、政府で検討してやるわけです。具体的には、文部省でよく検討して、転換するものは転換をしたいと考えております。現在の国立短期大学は、まあ大体工業関係が半分で、法経関係等がまあ半分と考えられます。これは、それぞれそういう制度ができました上で検討したいと考えます。
  75. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 さっき、国は、三十三年四月一日以降短期大学を作ろうと何しようと、国の方針で勝手にやる、民間は、短期大学を新設ができぬ、こういうお話、そうしたいと、こういう法文ですね。そういうことが許されますか。教育制度は、これは国立であろうと、あるいは私立であろうと、教育の体系はこうなければならぬ、国立の場合にはこういう体系、私立の場合にはこういう体系、別にやるというようなことが、私は今の憲法のもとで行われるとは思わない、前の明治憲法の時代においては別であります。それにしても、同じ国立大学で、これは国がやっておるから、実際に水準が高いとか低いとかいうことはあったでしょう。しかし制度か、国立の場合と公私立の場合とは違うと、こういうことはなかったと私は思うんだけれども、そういうことが新憲法下において許されるとお考えになっておるのか。
  76. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) それは、お説のように、国立は、その後もどんどん作っていくというようなことができるとは考えておりません。従いまして、国立としましても、そのあとで新設をはかっていくということは考えていない次第でございます。
  77. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 新設は国としても考えておらぬ。しかしまあ、ここに二つの短期大学は作りたい、希望は三月三十一日以前ということですけれども、しかし、今の時点から考えれば、民間は現在あるものだけに限る、新設は許されない。国は、実際にはそういう二つ、三十三年度中に作りたい、こういうことのようです。文部大臣おられなかったので何ですから、もう一ぺん繰り返しますけれども、昭和三十三年四月一日以降は、短期大学の新設は認めない、三十三年三月三十一日までに認可を受けておった短期大学に限ると、どうも短期大学が漸次専科大学に移ることを希望するということがありそうだけれども、それを言われるものだから、専科大学と、それから短期大学とが、これは、制度としては二つあるようになる。しかし、短大の新設は認めない。国は現在二つの短期大学を作ろうとしている、こういうことなんです。私は局長に、今の憲法のもとに、国がとる教育制度は、短期大学を許さない制度、それから、民間には短期大学を新設することを許さないで、専科大学に次第に移していく、こういう二つの違った教育制度というものが勝手に作り得るのかと、それはそうではなかろうというお話だけれども、実際には、国は今、民間には許さない短期大学を二つ作ろうとしている。そして四月一日以降は短期大学の新設を認めない。しかしながら、専科大学とそれから短期大学とは併設される。国の方は、漸次短期大学専科大学に移していく、こういう気持がある。民間の方には、これは強制はしない、民間の自発的なものにまかせる、こういうことだけれども、しかし、強制をしなければ二つ併置される。制度として、併置されるべき短期大学なら短期大学の新設は許されない、こういうことは、私は許されることではなかろうと思うが、文部大臣はどういう工合に考えられますか。
  78. 松永東

    国務大臣松永東君) なるほど、御指摘のように、私立大学には許さないで、国自身が短期大学を作るというのはおかしいじゃないか、これはまさにその通りでございます。しかし、この今度新たに御審議を願っておる短期大学は、これはもうお説の通り久留米と大阪ですが、これは、それぞれ専門学校に転換するという条件付のものなんです。これは赤裸々にぶちあけたことです。それは、短期大学というのがあまりに多過ぎるのです。多過ぎるからどうしてもかつての、昔の蔵前の工業学校、一橋の商業学校、こういうのを作って——それから出た人がやはり実業界の中堅になっておる。であるから、短期大学にもいろいろなまだ内容がたくさんあるから、専門学校程度の学校を作りたい、さりとてその専門学校は、この四月一日から間に合わぬ。そこで、まず一応短期大学にしておいて、そして専門学校法律ができてからそちらに移そうと、そういうのが私どもの考えです。違ったかもしれませんが、私の考えはそういうわけです。
  79. 湯山勇

    委員長湯山勇君) 速記をとめて。   〔速記中止
  80. 湯山勇

    委員長湯山勇君) 速記をつけて。
  81. 松永忠二

    松永忠二君 湯山委員長から指摘のあった点ですがね。そういうことがやはり法律の上にちゃんと出ているのじゃないかという感じがするのです。だから、昭和三十三年四月一日から施行するということになると、私立の場合にすれば、昭和三十三年三月三十一日までに認可を受けた場合ということには当らないと思うのですがね。これは、昭和三十三年四月一日に認可を受けたということになると思うのですがね。この点はどうなんですか。
  82. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 認可を受けるというのは公私立大学でございまして、三月三十一日までに認可を出しております。それに限って当分の間存続するということになるわけでございます。
  83. 松永忠二

    松永忠二君 私の聞いているのはそうではなくてもしこれが私立だとすれば、昭和三十三年四月一日から施行するということは、私立の場合にいえば、これが昭和三十三年四月一日に認可を受けたということと同じことになるだろうということを言っているわけです。施行するということは、国立の場合には、あなたがおっしゃるように、これは認可じゃないのだからいいんだと、しかし、認可でないけれども、四月一日から施行するということになっているのだから、そういう言葉で表現されていいのだけれども、もしこれが、久留米という工業短期大学が私立だと考えるとすれば、四月一日に施行するということは、四月一日に認可するということになるでしょうと。
  84. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 公私立大学学校の開設は四月一日でございます。しかし、文部大臣が認可しますのは三月三十一日に認可するわけでございます。これは先ほど秋山委員からお話のありましたように、大学設置審議会答申を得まして、すでにもう来年度から開設しますのは認可を出しているわけです。だから、三月三十一日までに認可したものに私立大学としてはなる。学校の開設は四月一日からでございます、それらの大学は。
  85. 松永忠二

    松永忠二君 もしこれが、久留米工業短期大学が私立大学だとすれば、昭和三十三年三月三十一日までに認可をしなきゃできない。しなければ、今度出るこの法律が成立すれば、それにひっかかるわけですね。それだから、四月一日ということになれば、当然認可はできないということになるので、国立の場合だから、これは認可じゃないからいいと言うけれども、四月一日から施行するというのを、もし三十三年三月三十一日から施行するというふうに修正したら、あなたの方では、これは提案した意図とは違うでしょうということを聞いているのです。もしそれでいいと言うならば、三月三十一日に出したらどうですかということを提案したいわけです。そういう御説明をするなら、修正をされた方がはっきりするのじゃないか。つまり、この大学は将来どうこうするという、自然に切りかわるという意図的なものじゃございませんと言うならば、認可と同じように、三十三年三月三十一日——きょうはちょうどその日に当るのだから、その日に成立したようにして施行するというふうにおっしゃったらどうだろうと、これとこれとはどういうような関係になるか。
  86. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 繰り返すことになりますけれども学校の開設は四月一日なんでございます。国立久留米短大も、そのほかのここに御審議願っている各事項につきまして、それが出発しますのは三十三年四月一日新学期当初からこれが進んでいく。ですから、久留米工業短期大学も四月一日に学校は開設されるわけでございますから、その関係は、今、私立との対比でお話しになりました私立の大学でも、三月三十一日に認可を受けておりますのは四月一日に開設するわけです。そこは私、国立も私立もバランスの破れることはないと考えております。
  87. 松永忠二

    松永忠二君 そうすると、やはり三月三十一日に認可を得て、四月一日から発足するというふうに成立の場合にもなるのだから、この場合もやはりそういうような意味でやるのであって、さっき委員長の話に出てきたように、この法律が成立すれば、先ほど吉田委員から話のあったように、私立の方は認めない、国立の方は認めるというようなことも非常に制度的にはおかしいじゃないかという質問があったように、そういう趣旨から考えるならば、私立に認可を認めているときに、これも認可を認めたという、国立で作ったという形を作って、そうして四月一日から施行するといえば筋が非常にはっきりすると思うので、何かこうなっていると、意図的に、これが成立すれば自然これは切りかえるのは当然だと、私立の場合であっても、三月三十一日までに認可を得たものを——それ以後認めないのだから、これはそれからあと施行しているからいいんだという当然な理屈が成り立つような提案じゃなかろうかということを言っているわけです。そうではあくまでもなくて、これはやはり三月三十一日に認可をして、四月一日から発足する、私立学校と同一形態のものとして四月一日から施行するという意味なんだという趣旨なのかどうか、そこだけを……。
  88. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) ごもっともな御意見だと思います。しかし、公私立大学に対しましては、文部大臣大学設置審議会答申を得て認可をし、国立大学につきましても、先ほどお話のございましたように、大学設置審議会には一応かけるわけでございます。これは法律事項じゃありませんけれども、かけるわけでございます。その答申はすでに出ているわけです。ですから、認可の関係は、その意味におきましては私立と国立とも、久留米工業短期大学とも私はつり合いがとれていると思う。ただ、この国立学校設置法施行期日を三月三十一日にいたしますことは、これは大学学校の新学期が四月一日から、久留米工業短期大学について申し上げますと、これはもう学校としては四月一日から発足するわけでございます。でありますから、三月三十一日ではやはり工合が悪いことになる。先ほど御説明いたしましたように、私立の学校につきましては、認可はすでに三月三十一日に出しております。それと同じことは久留米短期大学においても整えております。学校の開設は、私立も国立も結局四月一日からでございますので、この法律施行は四月一日にしていただきたい、こういうふうに考えます。
  89. 松永忠二

    松永忠二君 そういう言い方じゃなしに、はっきりとやはり言われる方がいいと思うのですよ。三月三十一日までに認可をして、私立が四月一日から発足するのと同様な趣旨で、この久留米短大については考えて、こういうふうにしたのだ、同一趣旨であるのかないのかということを聞いているだけなんですから、同一趣旨なら同一趣旨だと大臣が言われたようなことをはっきりあなたもおっしゃった方がいいと思う。そこを聞いているだけなんです。
  90. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) どうも言葉が悪くて恐縮です。私立と同一趣旨でありまして、四月一日から実施いたします。
  91. 大谷贇雄

    ○大谷贇雄君 ちょっとお尋ねしますが、久留米短期大学は二カ年制ですかね。
  92. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 二カ年でございます。
  93. 大谷贇雄

    ○大谷贇雄君 そうしますと、二カ年というようなことでは、文部大臣のおっしゃった蔵前とか浜松工業とかいうような、専門教育が非常に不徹底だと思うのだが、どういう事情であるか。これはもうほんとうに専科大学を作る以上は、徹底的に役に立つ実力者を養成をするということにおいてこそ意味があると思うのだが、それは今は二カ年だが、将来は三年にするのだということであるのか。そうであるとするならば、カリキュラム等もそういうことに沿っておやりになるかどうかということをお聞きしておきたい。
  94. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 将来の問題は、先ほどから申し上げます通りでございまして、専科大学制度が成立いたしました暁におきましては、十分考慮いたします。カリキュラム等につきましては、今から準備をいたしております。
  95. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 まあ局長が大へん強弁をしておったけれども大臣は端的に専科大学にしたいのだという御答弁だったので、その通りだと思う。それを知っているから質問しておったのだが、なかなか隠そうとしておったが、正直に出て非常にけっこうだと思う。そうしますと、私はまあ福岡の選出議員として、久留米工業短期大学ができることは大へん希望いたします。希望いたしますが、しかし、法律の建前として、先ほど申し上げますように、国は勝手に短期大学を作る、しかし、民間は短期大学はもう作らせぬのだ、こういうことは三月三十一日までは別問題だ。四月一日以降は作らせぬということはまあやはり無理ですよ、先ほどお尋ねをしたように。ですから、国立学校設置法の一部改正法久留米工業短期大学なり、あるいは大阪外語短期大学なりお作りになることはけっこうだと思う。そうすると、これは別の法律関係になりますけれども、民間についてだけは短期大学を作らせない、こういう方針は今のところやはり御撤回になって、当然制度としては専科大学短期大学というものを併置して、そして短期大学から専科大学に移るかどうかということは、その選択にまかせる、推移にまかせるということになれば、これは法律通りだと思います。
  96. 松永東

    国務大臣松永東君) その通りでございます。
  97. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 その通りにして下さるのですか。
  98. 松永東

    国務大臣松永東君) それはその通りでございます。
  99. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) ちょっと補足申し上げますが、認可は今の三十二年度一ぱいに受ける、学校の開設は三十三年四月一日以降になるようなことがある、こういうことでございます。
  100. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 それは答弁の補足じゃない、まるっきり逆なことを言っておられる。大臣は、制度としては三十三年四月以降も、これは当分の間ということだけれども短期大学とそれから専科大学というものが併置されるような方針をおとりになることが当然ではないかと申し上げたところが、その通りだと、こうおっしゃる。その通りだというならば、これは別の法律の話になるけれども、「昭和三十三年三月一十一日までにその認可を受けた場合に限る」というこの百九条の修正案は、これはお取りにならなければ筋が通りません。
  101. 松永東

    国務大臣松永東君) 吉田さんのお説、よくわかりました。私勘違いしておったかもわかりません。しかし、これはいろいろの見方がありましょうが、二年制の短期大学、これは内容がもう少し充実せぬというと、実際二年の短期大学があんなたくさんあってもこれは困るものだと実は思っておる。ですから、もう少し内容の充実をほしいと思っておる。従って大学がいかにも多過ぎますから、もうこのくらいな程度で、大学はこの三十一日まで、新たな二年の短期大学は新しい認可はしないようにして、そうしてその後は、先ほど来申し上げたような専門学校程度の大学内容を充実して、そうして私立の学校でも経営を成り立つようにしてもらいたいというのが私の希望なんでございます。
  102. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 これは論議になりますが、その短期大学制度検討して、そうしてもっと充実したものにしたいという御意見、これはまあ相当ほかにもおありになるだろうと思う。ところが、短期大学制度をやめてしまってそして全部専科大学にしてしまうという方針は、文部省としては確定しておらないわけですね。
  103. 松永東

    国務大臣松永東君) しておりません。
  104. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 それは、たとえば短期大学を今やっておる私立大学関係についても、そういう一挙に全部切りかえてしまうことには反対である。特にさっき緒方さんからもお話がありましたが、女子については、全部短期大学専科大学にしてしまう、こういうことは少しやはり早計でしょう。それからあるいは、いわゆる経済界の中にも必ずしも意見が一致しているわけではない。文部省でもそうですが、日本の世論として短期大学を全部専科にしてしまえという結論は出ておらぬ。そうすると、これは専科大学にしたいという希望もある、あるいは専科大学にするものもあるだろうけれども短期大学専科大学としばらく併置をして推移を見るというのが文部省の決定です。そうすると、法の建前として、これは別の法律になるけれども学校教育法等の一部改正法で、専科大学を三十四年四月一日以降作る、今までの短期大学もある、こういう制度にされたんだけれども、もう一つ、民間については昭和三十三年四月一日以降短期大学を作ることができぬと、こういう条文が一つある。ところが、今ここに国は昭和三十三年三月三十一日に二つの短期大学を作りたい——三十一日認可、四月一日発足ですが——作りたい、そうすると、民間には短期大学を作ることは許さない、法の建前として許さない、国は作る、こういうことは、先ほど申し上げたように、憲法の建前からこれはできない。これは営業の自由ではございませんが、学校を作ることに、国は勝手に短期大学を作るけれども、民間は作ることができない、こういうことは憲法の建前として許せない。それは今は短期大学を作ることは好ましくないと言われる。それは大学設置審議会等もあって、事実上これから短期大学を作るということを押える手はあります。ありますけれども法律の建前に、民間は短期大学をこれから作ることはならぬ、国は作る、こういう建前はとれません。従って、これは学校教育法等の一部改正案で、別の法律だけれども、事実関連をしておるわけです。この今の国立学校設置法とそれから学校教育法等の一部改正というのは関連をしておる。それから短期大学を今二つ作るということも、これは実際は両方に関連をしておる、さっきあなたが言われたように。そうすると、二つの学校を作るというならば、道としては、法律としては百九条の一項につけ加えるというのをやめて、あと運営でいかれるなら、大学設置審議会等で審議していかれるならば、これは許せるのです。建前として、民間はいかない、国は作る、これは私は許せるところではないと思う。もう一ぺん御相談を願ってけっこうですけれども、良識のある文部大臣の責任のある御答弁をお願いいたしたいと思います。
  105. 松永東

    国務大臣松永東君) これは吉田さんのお説でありますが、要するに、民間も政府も差別待遇をしているんじゃないのです。民間で昭和三十三年三月三十一日までに認可を受けておるものも四月の一日から実施するわけなんです。ところが、国が今度御審議を願っておりまする久留米とか、あるいは大阪の短大も四月一日から実施に移るわけです。ただ問題は、国も私立もこれ以上には短大は作らない、こういうことにしたい。それは私が申し上げるより皆さん御承知通り四百九十九も大学がありまして、そのうちに短大が相当の数を占めておりますが、しかし、これは内容がこのままではいかぬ、もう少し充実しなければならぬが、すなわち、先ほどから繰り返して申し上げる専門学校程度、蔵前程度あたりに持っていきたいという念願なのです。ところが、国立の方ではそれでは四月一日から実施するやつを認めて、そして私立の方には認めないというのはおかしいじゃないか、御説その通りです。ですけれども、この国立は、先ほど来申し上げる通り、これは裏も表もありません。要するに二つとも専門学校に昇進させて、そしてその充実した内容の中堅技術者を作りたい、こういうのが念願なんですから、ですから、これは暫定的の法律やり方としてこういうことになったわけです。これから以後二カ年制の短大を認めないということは、これは私立も公立も同様であります。ですから、その法律制定の経緯等については、局長から詳しく一つ申し上げさせます。
  106. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 一言だけ補足をいたしますけれども、私立も三十三年四月一日に開設するのが大部分でございます。四月一日以降にわたるものはあるかもしれませんが、三月三十一日までに認可を受けておる私立短期大学は四月一日以降に開設する、こういうことになります。しかし、その後は認可をしないということでありますから、そこに別はないと思います。
  107. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 大臣の話は、どういうふうにしようということはわかっておるのです。短期大学を全部専科大学にするという方針がきまっているならいいのですよ。それがきまっておらぬ。当分の間、短期大学専科大学でいく、それから全部を専科大学にするということについては、私立学校なり、あるいは婦人関係——新聞によると、財界においても意見が一致しておらぬ。そうすると両建でしばらくいく。しばらくがいつまでになるかしりませんけれども、しばらく両建でいく。そうしてこれは間違いない。気持はあっても制度としてはそれは両建でいくことは間違いない。そうすると、短期大学なら短期大学をもう作らせぬという法律を作ることが、これは憲法上やっぱり疑義がある。おまけにこれは三月三十一日までに、何というか、認可を受けたものか、あるいは三十一日までに決定したもの、こういうことを言われるけれども、現に審議の対象になっておるのはこの二つじゃないか。そうでしょう。短期大学なら短期大学については、これからは民間は認めない。国はこれから作ると言うし、作らぬのですか、作るのでしょう。
  108. 湯山勇

    委員長湯山勇君) 速記をとめて下さい。    午後零時十五分速記中止    ————・————  午後零時三十七分速記開始
  109. 湯山勇

    委員長湯山勇君) 速記をつけて下さい。
  110. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 先ほど、秋山委員からお尋ねのありました大学設置審議会の開催の状況でございますが、一月二十二日に第一回を開きまして、一月中に四回開いております。二十二日、二十八日、二十九日、三十日と、四回開いております。この段階で、国立大学関係は大体実質的な審議を終っております。なおそのほか、私立大学、公立大学関係につきまして、先ほどお話通り、三月十八日まで、引き続いて会合を開いております。
  111. 秋山長造

    秋山長造君 また議論を繰り返すようですけれども、もう少しこの点については——一言だけで終りますが、一月中に四回も開いて、そして国立大学関係審議して、結論が実質上出ておるのなら、やはりこれは、このくらい再々開いておるのだったら、これだけ切り離しても、法律に間に合うように、二月の初めなり、一月の末に答申を出して、そしてしかる後にあなたのところで法律を作って、国会提案するという順序になれば、これは、この審議会答申を尊重して、そうしてこの通り提案をいたしますと、こういうことになって、しごく民主的な形になってくるのですがね。それからそこらに、私はやはりもちろん、大学設置審議会の方にも、それは若干の責任はあるかもしれぬけれども、やはり私は、あなた方文部省の方に、この大学設置審議会というものを作っておるけれども、これを、大して関係はしない、そんなものはどうでもなるのだ、悪く解釈すれば、審議会は一応民主的な形をとっておるけれども、こんなものは、初めから結論を押しつけて、そして文部省の考え通り結論を出さしたらいいので、まるで、パチンコの機械と同じだというような、きわめて影の薄い存在に文部省みずからが設置審議会をしてしまっていると言われてもしようがないと思うのですがね。この点は、今後はそういうことのないように、やはり順序を踏んでやるということを、先ほど局長大臣もおっしゃったから、その点はそれ以上言いませんけれども、これはぜひ今後はそういう順序で、順序としてもあと先にならないように私はやるべきものだと思う。その点いかがですか。
  112. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 御指摘の点は十分に今後注意していきたいと思います。
  113. 秋山長造

    秋山長造君 それからさっきの問題に入りますが、局長はあいまいなことをおっしゃっておったのを大臣はずばりとおっしゃったのですが、その点はもう一度私は確めておきたいと思うのですが、とにかく文部省としては、今年一年だけはとりあえず短大で発足さして、そして三十四年度からは専科大学にすると、こういう方針であるのかどうか。
  114. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 私は先ほど、学校教育法の問題は別にこれは御審議を願っておりますから、その制度が成立しました上で検討するのだとお答えいたしましたが、方針といたしましては、専科大学になるべくすみやかに移したいと、こういう方針は持っております。
  115. 秋山長造

    秋山長造君 そうなりますと、別に専科大学法律が出ているわけですから、やはり専科大学法律が通ってから、久留米の問題あるいは大阪外語の問題というのは考えるというのが、やはり事の順序じゃないかというように私は思うのですがね。やはり片一方にもう短大制度というものを基本的に変えていこうという学校教育法等の一部改正が出ておって、そしてそれとは別にそれに先だってこの久留米短大だけをちょこちょことやってしまうというのは、どうも何か片手落ちのような感じがするのですがね、その点はどうです。
  116. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) その点につきましては、先ほども申し上げましたが、一面中堅技術者をすみやかに養成すべしという要望も非常に強いわけでありまして、これはなるべくすみやかにさような態勢をとりたい、この方針は別に持っておるわけでありまして、そのためには現在の制度の上で工業短期大学として久留米に作っていくということであります。  それから先ほど申しましたように、一面大阪の短期大学にいたしましても、貿易執務者の養成ということ、これは私もすみやかにやるべきであると考えますので、それは現在制度としていろいろ改善の余地のある短期大学ではございますけれども、しかし、なるべくすみやかにこういう学校を作りまして、こういう要求にこたえていきたいという意味で、来年度から短期大学を作りたいという趣旨でございます。
  117. 秋山長造

    秋山長造君 ただ、なるほど時局の要請ということもありますけれども、しかし、時局の要請にこたえるという必要から考えましても、何も来年から、専科大学という制度が二十四年度から発足するということが目に見えておるのに、今もう短期大学は認めないという建前を一方できめながら、わずか一年のことを特に特例を設けて短期大学を認めるということによらなくても、もっともっと中堅技術者を作るという、養成するという趣旨からいえば、あちこちの既存の科学技術関係の学科なり何なりを充実していくということもあるし、一年ぐらい久留米短大を認めたから、一年早く認めたからといって、どれだけどうということはないのじゃないかと思うのですが、その点はお読みになったかもしれませんが、「科学」という雑誌の三月号に茅東大総長が、「科学技術予算」という感想文のようなものを書いておるのですね。これは資料として配られたのですが、この中にもその点を非常に特筆強調しておられるのですね。ちょっと読んでみますと「したがって学部学科をこれ以上新設して現在以上の分散化を防ぐ一方、有力な大学の有力な学科を拡充強化して特徴ある大学を作ってゆくことが必要であり」というようなこと、それからさらに、今度学部だとか、学科だとか講座等が数多く新設はされておるけれども、その「内容は講座の転換等が主であって、名目ばかりで内容の伴わないものがほとんど大部分である。」というようなことが書いてある。そうして結論として「研究者に十分な能力を発揮できる場所を与えてこそ始めて科学技術は高まってゆく。優秀な研究者の大多数を持っている大学を今日のままに放置しておいて、科学技術が高まってゆくとは誰にも考えられないことである。」というように、とにかく既存のものの充実ということをおろそかにして、そうしてやたらに新しいものを作っていって、そうして形だけできればそれでもう立ちどころに科学技術教育が振興し、そうして優秀な技術者ができるものだという考え方が根本的に誤まりだという一貫した主張をしておられるのですが、そういう趣旨からいっても、短大というのはそれほど高度の技術者をねらっておるのではないとおっしゃるかもしらぬけれども、しかし、これは趣旨はもう当てはまると思う。だから、やはりこれは学校教育法改正案が出ておるのですから、この国立学校設置法改正案学校教育法改正案とこれは一体なものとして考えるべきであって、そっちは制度の問題だから別だ、こっちはこっちでとにかく具体的な問題だから一刻もすみやかにということはどうも一貫をしないと思う。それからわれわれの立場から言わせれば、文部省やり方はあまり勝手過ぎるのではないかというように私は思えるのですがね、その点いかがですか。
  118. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 科学技術の振興のために既存の内容を充実していく、既設の内容を充実していいく、これが大事であることは申し上げるまでもございませんけれども、しかし一面、一つは新しい学問の分野が開けるものに対応いたしまして、新しい学部、学科を作っていくということも必要でございます。それからもう一つは、技術者養成の問題でございますけれども、現在わが国で産業界におきましても、技術者が非常に足りないという現実が目の前に出ております。これは前にも申し上げたこともありますけれども、昨年の四月の就職の状況を調べてみましても、求人側から申しまして、理工系の卒業生を求めておって、しかも、得られなかった数が四千名ということでございます。それから文部省におきまして新経済五カ年計画に対応いたしまして計算してみますると、この五カ年計画の最終年度であります昭和三十七年が技術者の不足が八千名というように計算をしております。これをなるべく急速に充足していかなければならぬことは、これは大きな問題でありまして、これらを充足しますために、来年度の計画といたしましては、あるいは既存の学部、学科を充実しまして、その中に学生数をふやすということを一つ考えております。で、久留米工業短期大学設置もその一環として考えておる次第であります。先ほども申し上げましたように、幸い前の学校施設設備が残っておりますので、それを活用しまして、中堅技術者養成していきたいという念願でございます。今、ただしかし、短期大学制度については、すでに制度問題として検討をされておるところだから、それを待ったらいいじゃないかという御意見がございました。これは御意見でございますけれども、私どもとしましては、先ほどから申しますように、技術者養成ということが緊急の国の要請でございますから、一年でも早くこれに着手することが必要だと考えるわけでございます。申し上げるまでもなく、これは学校でありますから、入れてすぐその養成ができるわけじゃございません。短期大学にいたしましても、二年先に初めて卒業生ができるわけでございますので、願わくば三十三年度にこれを新設しまして、少しでも技術者の不足というものに対しまして充足をはかっていきたい、こういう強い願いからこういう計画を立てておる次第でございます。
  119. 秋山長造

    秋山長造君 それからもう一つ、やはり今の学校教育法等の一部改正の中で国立学校設置法の一部改正が行われておりますね。授業料の免除の規定その他ですが、同じ国会国立学校設置法の一部改正という法律案が出ておりながら、その国立学校設置法の一部改正の中には入れないで、別個な法律国立学校設置法の一部改正をやるというようなやり方、これはどうして国立学校設置法の方で一部改正をやらなかったのですか。
  120. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) これは経緯を率直に申し上げますと、従来国立学校の授業料減免につきましては、学校教育法規定に基きまして、具体的には文部省令で定めておりまして、学校教育法施行規則で定めておったのでございます。ところが、授業料の減免、つまり国の債権の減免の問題でございますので、これは財政法あるいはいわゆる債権管理法等の精神から申しまして、やはり法律事項にしなければならないということでございます。そのために法律規定する措置をとったのが今御指摘になりました点であります。私どもこれは率直に申し上げまして、最初、現在の規定学校教育法にございますので、学校教育法規定するつもりでおりましたけれども国立学校だけの問題でございますので、やはり国立学校設置法改正することが筋であるという政府部内の見解になりまして、法制局とも十分連絡をしました結果、別の場所で国立学校設置法の改正を行う、こういう経緯になったのであります。仰せの通りでございまして、初めから今御審議願っております国立学校設置法の中で改正いたしますならば、その方が筋が通ると存じます。しかし、今申しましたような経緯で、学校教育法検討から始まりましたものでございますから、これがおくれて、国立学校設置法改正を別に考えざるを得なかった、こういう経緯でございます。
  121. 秋山長造

    秋山長造君 そういたしますと、大体は国立学校設置法の一部改正でやるべきことなんだけれども、時期的におくれて、国立学校設置法の一部改正が出たあとで、この学校教育法等の一部改正というものが出てきたために、時期的に間に合わなかったから学校教育法の一部改正でやった、こういうことですね。
  122. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) そういう経緯であります。
  123. 秋山長造

    秋山長造君 そこらが、どうもこの授業料の免除なんかということも、何も国立学校設置法が二月三日に出てしまってから、そのあとでばたばたと出てきた問題じゃなくて、前々から授業料の免除規定ということは問題になっていたと思うのです。だから、さっきの大学設置審議会ですか、これの答申等あとさきになった点とも同じことですが、非常に何か短大の問題というのが、こう特殊な問題として特殊な事情のもとにすっと入ってきたような印象を非常に受けるのですが、非常に不明朗なんて言うとちょっと語弊があるかもしらぬけれども、今後は一つこういう不体裁なことをやらぬようにしてもらいたい。
  124. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 今後の取扱いにつきましては、十分注意をいたしたいと思います。今のお話の、短期大学設置にいたしましても、決して私ども別の気持があるわけではございません。誠心誠意、先ほどから御説明いたします通りに考えているわけでございまして、別の気持があるわけじゃございませんから、その点は御了承をいただきたいと存じます。
  125. 秋山長造

    秋山長造君 それからもう一点、大阪大学に設けられる蛋白質研究所の問題に関連してお尋ねしたいのですが、共同利用の研究所ですねこの共同利用の研究所が その他にも、京都大学の基礎物理学研究所、それから東京大学にも幾つかあったと思うのですが、宇宙線観測所、原子核研究所というのがありましたね。この共同利用の研究所の運営というのが、これは円滑にいっていないという話をずいぶん聞くのですが、これは円滑にいかないというのは、やはりその共同利用の研究所ではあるが、しかし、特定の大学に付設されているために、どうしてもその学校の独占物みたような、ひとり占めのような格好になってしまって、そこらに運営上非常にまずい点ができてくるのじゃないかと思うのですが、そこらの実情を文部省の方はどのように把握されて、そうして何とかもう少し、たとえば関係者を集めての運営委員会でも設けて、そうして名前通り共同利用の実質を備えるようにやっていくというような考えはないのかどうか、お尋ねしたい。
  126. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 共同利用の研究所が従来四つございます。今度新しく蛋白質研究所も共同利用研究所として設置したい考えでありますが、これは共同利用ということは、大きな実験装置等をあちこちにやるわけにはいきません、それから財政的にも、どこか一カ所に固めて設置しまして、そうして関係の研究者がそこに集まって実験等を行なった方が効果的であるという関係もございまして、共同利用の制度を作ったのでございます。実験装置のみならず、なるべく同じ研究所で全国の研究者が共同の研究をした方が研究の効率上よろしいというものに限って共同利用の研究所にいたしているわけであります。この運営につきましては、これは現在ございます四つのものを、それぞれ特色がございますから、  一律には申し上げかねますけれども、中には非常にうまくいっているものもあると思います。しかし、問題点はなおいろいろあると思います。たとえば今御指摘になりましたような、その付置された大学とそれ以外の大学の研究者との関係、これらにつきましては、なかなかデリケートな問題がございまして、要は運営の方法を円滑にやるということでございますけれども、なお、これは検討すべきものも残っているかと存じます。あるいはまた研究費等につきましてもなお予算を増額していく上に問題もあるかと存じます。他の大学からそこに参りまして研究をするわけでございますから、そのために特殊な研究費等も必要でございますが、現在もそれは組んでおりますけれども、なおこれを増額するというようなことも必要であろうかと考えております。これらの問題を打開しますためには私の方でも国立大学附置研究所協議会というものを持っておりまして、これは関係の各国立大学からの教授に主として集まっていただきまして、いろいろな問題を協議検討する機関にいたしております。これらに諮りましてなるべく円滑な運営をはかりまして、共同利用の目的を達成しますように今後努力していきたい、かように考えます。
  127. 秋山長造

    秋山長造君 その国立大学附置研究所協議会というのは、これは大体それぞれの大学の単独利用の、それぞれの大学に付置されている研究所の協議会なんで、共同利用の研究所についてその共同利用ということを名実ともにうまくやっていくための協議会じゃないと思うのです。たとえば予算関係なんかにしても大阪大学に付置されればやはり共同利用ではあるが、予算関係なんかはやはり大阪大学でおやりになるのでしょう。だから、そうなりますからどうしても共同利用も単独利用も実態は違わぬことになると思うのですよ、そこにやはり共同利用の研究所の運営のむずかしさが私はあると思うのですが、先ほど局長もおっしゃったように、たとえば京大の湯川さんの研究所ですね、ああいうところは割合共同利用ということがうまく行われておるという話ですが、ところがまあ大体それぐらいなことで、その他の共同利用の研究所というのは皆その付置されておる大学の単独の研究所に実態はなってしまうような、他の大学等が研究するといってもこの実際の運用の上でも、また気持の上でもうまくいってないようですね。この共同利用のあちこちの大学の先生からそういう不平をずいぶん聞かされたのですが、これはその通りだということは私も断言はできませんけれども、うまくいっていないということは、これはどうも断定してもいいですね。さっき私が言いましたように、それは各国立大学の附置研究所協議会という全国的なものもそれはそれとして意味があるでしょうけれども一つ一つの、わずか四つか五つの共同研究所ですから、それぞれについて何か関係者で運営委員会のようなものを作られてそれで予算なんかの扱いもその運営委員会がほんとうに共同利用という立場に立って予算なんかのあんばいをするというような制度を考えられた方がいいのじゃないかと思いますが、いかがですか。
  128. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) まあ、うまくいってないという御断定でありますが、私先ほど申しましたように幾つかありましてその中には非常にうまくいっているという評判のものも私はあると思います。まあ、学者の個々の意見はいろいろあるかと思いますけれども、問題点は数点なお残っておることは先ほど申し上げました通りでございますけれども、私は大体としてはうまくいっていると言っていいのじゃないかと思います。それから、附置研究所協議会は一般的なものでありますから、共同利用の方法等につきましてもこの協議会で一般問題としても十分検討する必要があろうかと存じます。今後私どもその協議会にもそういう問題を諮りまして、学者方の御意見も十分徴したいと存じます。それから、各研究所には大体運営のための委員会は私はあると存じますけれども、なおこれを御意見もありますので、検討してみたいと存じます。
  129. 秋山長造

    秋山長造君 きょうは間に合いませんけれども、どうせ今度専科大学の問題をやるときにでも、大学の問題を、特に研究機関だとか、それから研究費の問題なんかについては私はもう少し聞いてみたいと思いますので、各共同利用の研究所の今の運営規則みたいなものがあると思うのですね。運営規定というのですか、そういうものを一つ資料として出していただきたい。今からお願いしておきます。  それからもう一つは、大臣も見えましたから局長と両方にお尋ねするのですが、今、関西研究用原子炉ですね。あの関西研究用原子炉の問題がどうもはっきりしないようですが、これなんかもやはりそもそもを言えばそれはそれぞれの予定した地元の了解がなかなかつかないということもあるのでしょうが、その底には京都大学と大阪大学との間でやはり従来の共同利用研究所なんかの運営のいきさつにかんがみて両方引っぱり合いしているような事情があるのじゃないかということを私仄聞するのですけれども、その点と、それから大体関西研究用原子炉というのは三十二年度に一億円予算を組んでいる。それから施設費だとか、汚染防除装置ですか、両方で一億三千五百万円の予算が組まれているのですね。にもかかわらずいまだにきまらない。しかも三十三年度も一億円の予算が組まれている。しかも、今度の国立学校設置法の一部改正で当然関西研究用原子炉の規定がこの表の中にこれは入ってこなきゃならぬはずにもかかわらず、まだそこまでになっていない。これらのいきさつをこの機会にお尋ねしたい。なお、一体それほど予算だけは先回りをして、そして原子炉の設置がちっともきまらないのですが、一体これはどうでもこうでも文部省としてぜひ必要なものだ、だからぜひやるのだというお気持なのかどうか。今後の方針も合せてお伺いしたい。
  130. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 研究用原子炉の問題につきましては、今御指摘の通り設置の実現がおくれております。で、これは初め関係大学が集まりましていろいろ検討いたしまして共同利用の施設として作りたい、しかもその設置場所は関西にしたいということを取りきめまして、このことを原子力委員会にも十分連絡をいたしまして、その確認を得ましてそしてそれを文部省で進めるという決定になって今日まで至っている次第でございます。それで、今日までおくれております理由は、設置場所の問題でございます。お話もございましたけれども、関西で作るといたしますと、京都大学と大阪大学がどうしても中心になります。両大学を中心にして、そして全国の関係の学者等に入ってもらいまして設置準備委員会を作っております。なお、それから、方針といたしましては、京都大学の付置研究施設として作るということもきまっておる次第でございます。それで、今の設置準備委員会を作りまして、主として大阪と京都とが中心になりまして、今日まで進めておる次第でございますが、設置場所につきまして、地元の協力が十分に得られないという関係で、今日まで延びている次第であります。初めその設置準備委員会で決定いたしました場所は宇治でございます。宇治に以前の火薬廠の跡がございまして、そこを利用する予定にいたしましたけれども、そしていろいろ学問的にも検討いたしまして、放射能による障害の防除も十分できるという結論を得たわけでございますけれども、ちょうどあそこが宇治川の近くになりますので、そのために宇治川に上水道の水源を求めております大阪の市を中心といたしまして、川下の方で反対が起りましてそのためにそこに設置することを強行することはどうしてもできない事態になったわけであります。これは今申し上げましたように、学問的には十分その危険を防止することができるという結論でございましたけれども、そういう何と申しますか、地元の人たちの心理的な不安というものもこれは実際問題としては無視できませんので、一応宇治設置という決定はこれを取り消しにいたしまして、そして新しい候補地の選定にかかっている次第でございます。新しい候補地といたしましては、あそこの高槻市の地内を一応候補地として考えておるわけでございますけれども、やはりその地元の住民の方で相当不安がございま視て、進捗がなかなかむずかしい状態であります。そういうことでありますので、実は大阪府におきまして大阪府の議会を中心としまして原子力平和利用の委員会ができておりましてそこがあっせんに乗り出して参りまして、何とか適地を探そうということになっている次第でございます。地元の納得も十分得まして、その上で設置したいということで、今の大阪府の小委員会におきまして、今お骨折り願っている段階でございます。御指摘のように、予算は三十二年度つきましたけれども、そういう事情で設置場所がきまりませんので、使用することができず、三十三年度の予算としてこれを繰り越して使用する予算を今計上している次第でございます。  それからもう一つ、最後に御発言がございましたこれは、関西研究用原子炉といたしましては、ぜひ実現したい、いろいろむずかしい問題もございますけれども関係方面の協力を得ましてぜひ実現をしたいというふうに考えております。
  131. 秋山長造

    秋山長造君 この問題について、準備委員会に入っておる学者の間に意見の一致といいますか、思想統一といいますか、そういうものが十分にできていないんじゃないかという疑問を持つのですがね。たとえば湯川さんがやっておられたでしょう、その湯川博士がやめたわけですね。やめたあとが一体どうなっておるのか。どうもただいまの局長の御発言では、文部省として同としてやるのだということですが、実際の事の取り運びはもうこの準備委員会の方へまかせきりになって、しかもその準備委員会の中では湯川さんがやめられたり、京大側と阪大側とでうまくしっくりいかない点があったりして、どうも宙ぶらりんのような形になっておるんじゃないかと思うのですが、文部省がやるならやるで、もう少し文部省が乗り出してきちっとしたことをやられたらどうですか。地元の方ばかりが委員会を作ってやるというたところでその交渉相手は文部省なんですがね、そこらの点どうですか。
  132. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 何しろこれは新しい学問の分野でございますし、原子炉を新しく作るという問題であります。いろいろな意見があることは避け得ないと思います。そこで、設置準備委員の中でもそれはいろいろと技術的な意見がございまして、それをいろいろ検討して参ったのはこれも事実でございます。しかし、現在準備委員会の中で意見が分れているという点はございません。湯川博士は初め委員長をやっておられましたが、これは健康の理由でやめられました。そのあと現在は京都大学の岡田教授がこの準備委員会委員長になっております。文部省といたしましても、これには十分力を入れなければなりませんので、私ども決してなおざりにいたしているわけじゃございません。その準備委員会の事実上の開催や推進等につきましては、私どもも中に入りまして力を尽しているつもりでございますけれども、しかし今後におきましてもなお一段と努力をしたいと存じます。
  133. 秋山長造

    秋山長造君 もうちょっとでやめますが、高槻の今の候補地というのは、大体そこできまりそうなんですか、どうですか。
  134. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) ちょっと私といたしまして、きまりそうだとここで申し上げられる段階でございまけん。まだ地元といたしましては、十分納得を得たということを申し上げられるような段階じゃございません。なお、大阪府のあっせん等も期待いたしておりますけれども、なるべく意見のまとまることを今やっている状態でございます。
  135. 秋山長造

    秋山長造君 その難点は、どういう点が難点になっているのですか。やはり放射能に対する危険をどう防止するかという点でございますか。
  136. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) そうでございます。その点に対する不安でございます。
  137. 秋山長造

    秋山長造君 どうもそれらの点が、たとえば東海のあの原子炉ですね。東海村のあそこなんかは、まあいろいろいきさつはあったけれども、とにかく早くきまってどんどんやられておるのですが、関西の場合は非常にどうも持って回るばっかりでちっともきまらない。で、東海村の原子炉については、できたあとでまたいろいろ学者によっては問題が提起されておる点もありますがね。それらの点が一そうこの関西の原子炉の設置問題をむずかしくしておる向きもあるかもしれない。でやはり何じゃないですか、地元に対する納得というような点についても、どうも準備委員会の内部のいろいろな問題があって、そして地元に対する働きかけなり説得なり、あるいは広い啓蒙、心あるいは了解工作というようなものが非常におろそかにされておるんじゃないかというように聞くのですがね大体文部大臣なり局長なりが現地へ行って、そして原子炉の設置場所を決定するためにいろいろ努力されたことがあるのかないのか。
  138. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 私どももおびたび行っております。まあ主として中心は京都大学でございますから、京都大学関係の学者が集まって協議す、ることを例といたしておりますけれども、私どもたびたび参りまして、推准をはかっているつもりでございます。それは、説得の問題でございますけれども、これはやはり学問的な問題でごいますから、やはり学者先生にお願いすることが一番必要でございます。ただ、非常に打ち割った話でございますけれども、やはり学者のお話というまのは非常に良心的になさいますので、それがかえって地元の人々に不安を与えておる場合もある。なお、絶対に大丈夫かという質問に対しまして、その絶対という言葉はなかなか学者としては使えないというような関係もあったりいたしまして、その辺は非常に良く的に進められておるわけでございます。しかし、今後とも一つこれは強力に推進しなければならぬと思っております。なお、その放射能の安全性、原子炉の安全性の問題等につきましては、あるいは原子力委員会やあるいは学術会議等の意見も現在お聞きしておるような状態でございまして、そういうような意見も早く求めまして、そうしてすみやかに地元が納得のいくように私どもは努めていきたいと思います。
  139. 秋山長造

    秋山長造君 大体昨年度原子炉の購入費、それからその他関係の費用全部で二億三千五百万円からの予算を組み、さらにまた三十三年度一億円からの予算を組んで、そうしてしかもその今回の大学設置法、この国立学校設置法の、この研究機関の表の中にその名前ものぞかれないというのは、大体どちらが悪いのか知らないが、まことに不細工な話だと思うのですね。それで、今度はいつになるのですか、原子炉設置についての法律改正というものは来年になってしまうのじゃないかと思うのです。そんなことだったら予算なんかそのとき組むことにしておいて、もっとこの緊急な大学の研究費でもふやすとか、何かそらちの方に使っておいて、そうしてその話ができていよいよきまったときにあらためて法律改正と同時にその裏づけとして予算を組むぐらいでも間に合うのじゃないですか。
  140. 松永東

    国務大臣松永東君) どの段階で法律改正をするかという問題でございますが、やはり準備段階がありますので、予算は三十三年度に計上いたしております。法律改正は三十四年度になるかと存じます。三十三年度にできますならば、その設置場所がきまりましたならば、そこに準備を進めまして、そうして三十四年度に正式に法律改正をしてその研究施設を認めていく、かようにいたしたいと思います。
  141. 秋山長造

    秋山長造君 それで何ですが、さっきの原子炉購入費の一億円は繰り越しになっておりますね。それから施設費や汚染防除装置の経費も、これもやっぱり繰り越しになっておるのですか、現在。
  142. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 施設費は国立文教施設費の中に入って、そこで一括してそのワクの中でやることになっておりますから、昨年度の分は昨年度分といたしまして、三十三年分はやはり三十三年度の国立文教施設のワク内で予定をいたしております。
  143. 竹中勝男

    ○竹中勝男君 重要な問題に秋山君の問題は触れてきておるのですが、これは直接に今の設置法とは関係がないようですし、これは学校教育法のところで大学の研究、ことに今の原子炉の研究の施設のことは、私も地元で宇治の人から、いろいろあの当時も行ったりしたことがあるのですが、何せやっぱりこの一般のPR活動は全然ないのですね。お茶が全部もうだめになるとか何とか、宇治のお茶までだめになるというようなことを本気で信じている人も多いのです。これはやっぱり一つは政治的な問題もありましょうし、それから緒方局長が協力されたこともよく知っておりますけれども、何せ大学だけではやれない。とかく大きな政治問題もからんでおりますし、今こういう問題を論じたいですけれども、これは学校教育法で、大学の研究その他の日本の研究行政あるいは学術行政に関してもっと私もやりたいと思っております。私、議事進行に関して、大体この設置法の問題点というものははっきりしてきました、専科大学ということが前提になっておる、まあ日本の三本立の大学の行き方がいいかどうかというような点について、非常に疑問を持っておるわけなのですが、しかし形式的にはそれには関係がない法案ですからして、一つここらで質疑を終了したらどうかと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  144. 湯山勇

    委員長湯山勇君) ちょっと速記とめて下さい。   〔速記中止
  145. 湯山勇

    委員長湯山勇君) じゃ速記つけて。
  146. 秋山長造

    秋山長造君 文部大臣にお尋ねしますが、関西研究用原子炉の場所は大体いつごろまでにきめるという御方針なのか。
  147. 松永東

    国務大臣松永東君) これは去年から急々にきめたいと思って、いろいろ折衝もやっておったのです。ところが、お聞きの通り、問題は一番初めは何でも宇治でしたかな、宇治でやることになっておった。ところが下流が、やはり今もこれもお聞きの通り、大へんその弊害を下流に及ぼすというので大きな波紋を描いちゃって、それで私は行きませんが、向うから上京せられた政治家諸君ともいろいろ話して、その地方々々の実情も承わり、反対の声も聞いておったのです。ところが、肝心のこちらがしろうとだものだから、そんな弊害があるのかないのかということも全然わかりません。しかし、事実その原子力というものの波及するところがきわめて大きいということは、私はもう知っておりますので、従ってどうもそんなことを言わずにこうしてくれぬかということも言えない。そうしていや宇治だ、高槻だというふうに移ってきたわけです。それと同時に、やはりこれは何といいますか、大学自治にまかせるとか何とかいう一つの線もありますので、主として大学の学者たちにおまかせするということで今日までずるずるとなってきたわけなのです。しかしもう、さっき秋山さんのお話のあったように、例の東海村のあの問題についても大体の線が、参考資料は出ているようですから、従って急々に一つ地元だけの問題、設置場所だけの問題ですから、何とか一つ急速に運んでいきたいと思うのです。私はそう長くならぬうちにこれは何とか了解を得て、作り上げるようにしたいというふうに考えております。
  148. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 これは、国立学校設置法の一部を改正する法律案で二つの短期大学を作るという提案を含んでこの法律案が出てきておるわけでありますが、このことは学校教育法改正に関連をして短期大学専科大学というようにしたいという意向をここできめるのではない、こういうことは大臣からその通りだという御答弁がいただけると思います。
  149. 松永東

    国務大臣松永東君) さようでございます。
  150. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 そうしますと、学校教育法の一部改正法の中にあります短期大学専科大学に切りかえていきたい、従って短期大学の設立認可は三十三年三月三十一日までに限る、こういうことをここで承認を求めるものではない、別の法律関係になりますけれども短期大学制度なり、あるいは専科大学を設けることにするかどうかということは、これは学校教育法の百九条の改正を含めて今後の論議に待つ、あるいは百九条の修正については第一項にただし書きをつけることを削除することを含んで検討をする、こういうことについで御賛同いただけるかどうか、念を押しておきたいと思います。ちょっと速記をとめて下さい。
  151. 湯山勇

    委員長湯山勇君) 速記をとめて。   〔速記中止
  152. 湯山勇

    委員長湯山勇君) 速記をつけて下さい。
  153. 松永東

    国務大臣松永東君) お答えいたします。  国立学校設置法一部改正案と、別に提案いたしておりまする専科大学設置についての学校教育法改正案とは別個の問題でありまして、専科大学制度については学校教育法改正案審議の際十分御検討を願いたいと存じます。
  154. 湯山勇

    委員長湯山勇君) 他に御発言もないようでありますから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  155. 湯山勇

    委員長湯山勇君) 御異議ないと認めます。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  156. 湯山勇

    委員長湯山勇君) 速記をつけて。  これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでありますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  157. 湯山勇

    委員長湯山勇君) 御異議ないと認めます。  これより採決に入ります。国立学校設置法の一部を改正する法律案を問題に供します。  本案原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  158. 湯山勇

    委員長湯山勇君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第百四条により本会議における口頭報告の内容並びに第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じまするが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  159. 湯山勇

    委員長湯山勇君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたします。  それから、報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とされた方は、順次、御  署名願います。   多数意見者署名     竹中 勝男  常岡 一郎     吉田 法晴  秋山 長造     三浦 義男  大和 与一     松岡 平市  林屋亀次郎     林田 正治  川村 松助     松永 忠二  野本 品吉     吉江 勝保
  160. 湯山勇

    委員長湯山勇君) 本日は、これにて散会いたします。    午後一時四十二分散会