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政府委員(山口正義君) 先ほど
文部省にお尋ねがございました学齢期にある者に対する結核
対策を、どういうふうに考えておるかというお尋ねでございましたが、私
ども文部省と連絡をとりながら、結核
対策としては国全体として、いろいろな策を立てておりますが、特に
学校という特別な集団について、いろいろ
健康診断の面においても、そのほかの
措置についても、できるだけ重点的にやるということを重要視いたしておるわけでございます。たとえば
健康診断の面におきましても、
保健所の管内の
健康診断は、
保健所長が
計画を立てて実施いたしますが、その際にその中の大きな集団である
学校というようなことについては、検診の手伝いそのほかの点について、できるだけの
努力を払っておりまして、従いまして国全体の結核の検診率は該当者に対しましては
昭和三十一年では三三%ぐらいでございますが、
学校の
生徒児童に対します検診率は九〇%というような非常に高い率で検診が行われておるわけでございます。
それから発見しました患者に対する医療の面でございますが、これはやはり一般の結核の医療の線に沿って
施設なり、あるいは医療費の問題を考えていかなければならぬと思うのでございます。現在結核予防法による医療費の公費
負担制度というのは、特殊な医療について本人が半分で、地方と国が四分の一ずつ
負担するという
制度が行われておりますが、必要な
児童についてはそれを適用する、あるいは
社会保険の被保険者の家族である場合には、そちらの方で費用
負担が行われる、さらに生活の非常に困窮するというような人については、生活保護法で医療
負担が行われるというようなことでございます。それでただいまお尋ねになりました数万人の要入院に対して、ベッドの数が非常に少いではないか、また、先ほど申し上げました約三千ぐらいの数のほかに
児童が入ってないかどうかということでございまして、これは先ほど申し上げましたように、この三千という数字は国立とか府県立あるいは市立などで特別に結核
児童のための病床として整備されている数がそれだけでございますので、そのほかに一般の病床の中に学齢期の
児童が入っていることは当然考えられます。現在どれだけが入所しておるという実数は、今ここで数字を持っておりませんので申し上げかねるわけでございますが、先ほど申し上げました実態調査の成績は、これは全国から二百十地区を選び出してその中でサンプル調査をしましてそれから全国を類推した数でございますので、はっきりそれだけを全部つかんでおるわけではございません。従ってそれだけ直ちに病床が必要だというふうには考えられません。今後
健康診断をやって発見して、そしてそれに対して必要な病床を整備するということを考えなければならぬと思うのでございます。
入院を要するものでありながら放置されている、その
理由はどこにあるかということにつきましては、病床が足りないということも一部には、
地域的には一般の結核患者と同様にあるとは思いますが、そのほかに、やはり経済的な問題が原因になっている面もあるのではないかというふうに考えるわけでございます。病床の不足は現在国全体から考えまして、
地域的なアンバランスがあるということでございます。そういう点を考えまして、現在まで私
ども病床の整備に当って参りました。入れないで放置されているのがどれだけあるかという実数は今のところはっきりつかんでおりません。先ほど申し上げましたのはサンプル調査から全国を類推しての数でございまして、行政的に把握しておるのは、そのうちの一部ということになります。