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高田なほ子君 根本的な御答弁をいただけないことは大へん残念です。私は今の
教育が詰め込み
教育をやっているというのではないのです。せっかく理解をもとにした
教育、個性を尊重する
教育、こういったようなものが基礎になって出発した新
教育が、最近になってだんだんと詰め込め主義に堕してきている、暗記主義に堕してきている。その
一つの例は、道徳
教育もそうです。知識としての道徳、道徳を知識として教え込んでいく、これなんかも、
大臣の言うところの詰め込み主義の
一つの私は現われだと思う。ここでこれを押し問答する時間的な余裕もありませんが、これをこのまま放置するならば、次第に詰め込み主義に陥り、現に各小
学校あたりでも、上級
学校へ行く子供のためにはどうしても暗記主義をとらなければならない。その暗記主義をとる中ででも、特に注意しなければならないのは、上級進学の子供
たちに対して、もちろん親からの要請があるかもわかりませんけれ
ども、特に上級に行く者に対する差別的な
教育が、詰め込み主義の形でされている。こういう激甚な子供の競争の世界の中で、確かに子供
たちは心を痛めて、それが神経衰弱の原因にもなって年端もいかない者が飛び込み自殺をする、毒薬自殺をするというような悲惨な結果に追い込むことになってしまうわけです。私は現在高知県でも、
大臣も御承知だと思いますが、今まで高知県あたりでは、入学地獄というものを緩和するために、民間の要望にこたえて、どの子供も高等
学校に入れるような大へんよいしかけを慣行としてお作りになっておったらしい。ところが、最近はそれをぶちこわすような
方法が、理事者側からとられていると聞いています。これに対して高知県民は、
教育を守る
国民大会を持って、この入学試験地獄を強化するような
方法には賛成できがたいという抗議集会を持っているように聞きますけれ
ども、高知県の事情は単に
一つの例にしかすぎませんけれ
ども、願わくばこういう試験地獄を強化するような方策が打たれることに対しては、
文部省は当然手を打って、入学試験の地獄の緩和のために、私は手を差しのべられるのが当然ではないか。どうも中央集権の
教育統制の方には御熱心ではありますけれ
ども、子供の生命や
教育を守るということの積極性に欠けていることは、今日の
文部省のまことに悪いくせだ。こういう点についてはぜひ御反省願いたいと思う。
続いて質問を進めますが、
大臣ははしなくも私立
学校の
学校差の問題について言及されました。私はこの私立大学あたりの非常に
学校差のあるという問題について心を痛めている一人です。幸いに
学術局長もおみえになりましたからお伺いしますけれ
ども、最近この私立
学校の各大学では、授業料を値上げするという案があると聞いています。これは全国一斉に値上げするようでありますが、こういう値上げをするということは果して妥当なことであるかどうか。今までのこの私立大学を見ましても、これは私の自分の家庭での体験なのですけれ
ども、これ以上どうも幾らなんでも私立大学の授業料を値上げするということについては、まことに賛成しがたい。しかるにもかかわらず、
文部省はわざわざ私立大学の
学校差をつけるようなことを、授業料を値上げしたり、また、
学校差をつけるようなことに拍車をかけているように伺っています。それは授業料の値上げとともに、
文部省は大学の格づけをしようというふうに示唆をしていられると聞きます。たとえばAクラスの大学、Bクラスの大学C、Dというような大学の格づけ示唆、特に三等級に格づけ案を持っているというように聞いていますが、授業料の値上げということと、それから大学の格づけ示唆の問題について、
基本的にどういう
考えを持っておられるか、
大臣にまずお尋ねをして、具体的な問題は
局長にお尋ねをしたいと思います。